二人の傭兵 (16)

夜、森の中。

友「ねえ、男」

男「なんだよ」

友「今日何人やったかな」

男「知らね、10人くらいじゃねえの」

友「そんなもんかあ」

男「手榴弾で3はやったよな」

友「その後ろにいた奴らが、7?もっといなかった?」

男「いたかも」

友「じゃあ10じゃ足りないじゃん」

男「別にいいだろ何人でも」

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友「じゃあさ、この戦場来て何人やったかな?」

男「それこそわかんねえよ、23日目だぞ」

友「あ、それは覚えてるんだ」

男「そりゃお前、俺は食糧計算したりしてんだから」

友「僕ら以外の奴らが死んだのが何日目?」

男「知らねえ」

友「それは覚えてないんだ」

男「別に一緒に行動してたけど、仲間ってほどじゃねえだろ」

友「そうだねえ、所詮傭兵の寄せ集めだもんねえ」

男「食糧も武器も各自用意だぜ?」

友「チームとして、とか言われなかったっけ」

男「関係ねえだろ、しかも全員死んじまったし」

男「弱かったよなあ、あいつら」

友「そおかな?そこそこじゃなかった?」

男「でも敵のスナイパー出てからバタバタやられてっただろ」

友「まあねえ、素人丸出しだったなあ」

男「結局お前が準備してスナイプし返すまでに、全員殺されてたし」

友「ライフル組み立てるの、早い方だと思ってたんだけどなあ」

男「あいつらが弱すぎるんだろ」

友「そうかもねえ」

男「お、通信だ」

友「なんだろね」

男「こちら男、どうぞ」

無線『こちら本部、状況はどうだ』

男「なんだおっさんか、相変わらず森んなかだ、指令通り」

無線『敵は?』

男「ちまちま入って来てるが、全部殺してる」

無線『良いことだ、仲間は失ってないか?』

男「俺と友の二人からは減ってない」

無線『そうか、了解した』

男「そんで、この戦いはあとどのくらいなんですか、傭兵部隊長殿」

無線『数日後に森の外の敵アジトに、空爆と共に総攻撃の予定だ』

男「ちょうど食糧も数日分だ」

無線『了解した、引き続き森の戦線を維持』

男「了解、ってかこっちの戦力どのくらい生きてんだ」

無線『お前らと一緒に出撃した隊は、半分以下だな』

男「はあ、正規軍8割と傭兵2割だったか」

無線『傭兵はお前ら以外連絡が取れん、正規軍は三分の一程度か』

男「数日後は、勝てる総攻撃なんだろうな」

無線『傭兵のお前らはただ命令通り戦えばいい、というのが立場上の答えだ』

男「おっさん、あんた個人的には?」

無線『ヤバいと思ったら逃げた方がいい、報酬は諦めろ』

男「了解了解、じゃあ総攻撃日時決まったら連絡よろしく」

無線『健闘を祈る』

友「あちゃーやっぱり劣勢かあ」

男「ったく、正規軍にしても傭兵にしても使えねえなあ」

友「このゲリラも相当大したことないけどねえ」

男「まあ、その辺のテロリストにしちゃやる方じゃねえか?」

友「役割分担は出来てるかもね」

男「恐らく指揮者がしっかりやってんだろうな」

友「個々人はそこまで強くなさそうだもんね」

男「ただ、この国の正規軍じゃあ負けるだろうな、箱入り過ぎる」

友「殆ど実戦経験ないみたいだしねえ」

男「だからゲリラに占拠されちまうんだよ」

友「・・・ん」

男「全く、国を守る気あるのかよ(適当にしゃべりながらハンドサインだ)」

友「ゲリラに勝てないのに正規軍とはね(了解、6人だね、僕も銃用意する)」

男「そんなもんだろ、この国は(了解、囲まれる前に2人撃つ、ゴーグルが光った)」

友「ははは、そんなもんか(あ、ちょい待ち、なんか1人素人っぽい)」

男「それにしても今夜は冷えるな(素人?)」

友「寒いねえ、何日続くやら(女の子っぽいなあ、多分足音的に縛られてる)」

男「今晩限りにして欲しいな(めんどくせえ、全員)」

友「そうだねえ(やめなよ後味悪くなるよ、殺すのは5人だけね)」

男「そろそろ寝るか?(了解了解、準備いいか?)」

友「もうだいぶ時間も遅いしね(準備万端、合わせるよ)」

男「了解(了解)」

「!!?」

「ギャッ!!」

男「バレてねえと思ってたのか間抜け」

友「隠れてるつもり?僕のライフル、こんな木や藪、簡単に抜けるよ」

「グエッ!!」

「ギャアッ!」

男「あと一人か」

友「もらいっ」

「グオァッ!!」

友「弱っ」

男「はいはい終わりっと」

男「・・・やっぱり女だったか」

女「・・・」

友「哨戒のついでに遊んじゃおうとか考えたんじゃないの」

男「どうするよ、奴ら占拠してる街の女だろ多分」

友「とりあえず拘束外そうか?」

男「罠じゃねえだろうな」

友「火薬の匂いも殺気も無いね」

男「お前がそういうならいいか」

女「・・・っぷは!」

男「命拾いしたな」

女「えっと、あの」

友「結構かわいいねえ、この子」

男「こういうの好みか」

友「嫌いじゃないよ」

女「あ、ありがとうございます」

男「街の女か?」

女「あ、あの、そうです、突然捕まって」

友「ラッキーだったねえ、正規軍じゃあ負けてたかもよ」

女「ほ、本当にありがとうございます」

男「この森超えりゃ正規軍の駐留する隣街だ、そこまで行けるか」

友「夜の内に行った方がいいよ、昼になるとまた戦闘始まっちゃうし」

女「あ、あの、街に戻るのは難しいでしょうか」

友「やめた方がいいと思うけど」

男「また捕まって犯されるのがオチだ」

女「わ、私の、両親と、弟が、まだ街に・・・」

男「俺達的にも戻って欲しくはねえな」

女「えっ」

男「仮にお前がスパイだったら、街に戻すわけにはいかないんでな」

友「たぶんこの子、大丈夫だけどね」

男「お前がそういうなら、大丈夫なんだろうが」

女「あの、えっと・・・」

友「あのね、数日後にはあの街、正規軍に空爆されちゃうんだよ」

男「お前、それバラしたら戻す訳にはいかねえぞ」

友「スパイだったら困るけどね、違うってこの子」

男「ったく、お前の勘は信じてるけどよ」

女「く、空爆・・・私の家族がまだ・・・」

友「関係ないよ、もうこの国は街の人を助ける気はないもん」

男「そういうこった、あきらめた方がいい」

女「い、いやです!家族が!」

友「だろうねえ」

男「面倒なことになったな」

友「男、報酬捨てていい?」

男「いいんじゃねえのか、どうせ二束三文だ」

友「さっすが太っ腹」

男「つうか、俺らごと空爆する気だろ、報酬なんか出やしねえよ」

友「かもねえ」

男「そんかわり、次の戦場はきっちり金取るぞ」

友「了解っ」

友「とりあえず、寝ようか、今日は」

女「え、あの私は」

友「隣町に行くならもう出発しなよ」

男「どうしても元の街に戻るってんなら、今日はここで寝ろ」

女「今日寝て・・・明日どうすれば」

友「明日考えようよ、ね?」

男「空爆、明日の朝一じゃねえことを祈っとけ」

女「でも家族が」

友「大丈夫、助けてあげるから」

女「えっ!」

男「金にはならんけどな」

女「あなたたちは、一体」

友「ただの傭兵だよ、ね」

男「ああ、ただの傭兵だ」

女「傭兵・・・」

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