女「貴方の命が神々の遊びの駒にされました」男「えっ」 (209)

男「あんた、誰?」

男「声は女だが、フード付きの全身マントだな」

女「私は元が女なだけです。今は性別は関係ありません」

男「それより、俺の命が云々って」

女「詳しいことは言えませんが、貴方の命は後一か月ほどです」

男「本当に?」

女「本当です」

男「あー・・・そっか」

女「随分、物分りが早いんですね」

男「いやーちょっとなー」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403832692

注意
残酷表現、エロ要素あり

(エロシーンがあるとは言っていない)

女「あ、ちなみに、自殺とかしようとしても、一ヶ月後までは絶対に死ねません」

男「えっ」

女「そう言う運命です」

男(表情が見えないからなんか怖い)

女「死因は私にもわかりませんけど、一ヶ月後に貴方は確実に死にます」

男「まぁいいけど」

女「・・・?どうしたんですか?」

男「もう自分の命とか、どうでもいい」

女「・・・貴方の近状は神々に知られています。随分辛かったでしょうね」

男「なら、どうでもいい理由がわかるんだろ?」

女「どうでもいい命なんてありません」

女「と、励ますように私の仕える主に言いつけられています」

男「うわぁ業務的ー」

男「まぁいいや。俺、待ち合わせあるから行くわ」

女「ちょっ」

男「女待たせてんだ」

女「あー説明不足です。ちょっと待ってください」

男「なんだよ」

女「私は死期が近い人間にしか見えません」

男「死兆星みたいな奴だな」

女「その例えはわかりませんが、ご同行させて頂きます」

男「・・・え?」

女「主よりの命令です。貴方と行動を共にし、行動を監視しろと」

男「物好きな神様だな」

待ち合わせ場所に移動中

男「それで?あんたの主ってのは誰の事?」

女「それは口止めされているので」

女「ああそれと、主達からの伝言です」

男「えっなに?」

女「一つだけ、願いを叶えてあげると言っていましたよ」

男「えっなにそれ」

女「ただし、賭けに支障が出ない物だけと言ってました」

男「賭け?」

女「一ヶ月後、幸せに死ねるか、絶望の中で死ぬか」

女「私の主と、もう一人の神が賭けを行っているのです」

男「ふーん。願いねー」

女「一つだけです。じっくり考えるのもいいですし、今この場でしてしまうのもありです」

男「じゃあ、あんたの顔を見せてくれ」

女「・・・えっ?」

男「可愛い声してるから、顔も可愛いんじゃないのかと思ってさー」

女「願いはそんなものでいいのですか?大金を手にするとか、モテたいとか」

男「あんたの顔がみたい」

女「・・・変わった人間ですね」

女「そんなに私の顔が見たいのですか」

男「うん」

女「仕方ありませんね・・・それが願いと言うなら、見せてあげます」パサッ

男「なんだ。フードかぶる必要ないじゃん」

女「見せ物ではないですから」

男「可愛いし、オッドアイか。珍しいね」

女「元々は両目とも同じ色です。左目が白くなっているのは主との契約の証なのです」

男「そっか。ありがとう」

男(どことなく、喋っていて雰囲気があいつに似てる)

男「お、居た」

女「えっ?」

男「待ち合わせだって言っただろ」

???「お、遅いですよお兄さん!」ダキッ

男「悪い悪い。少し遅くなっちまった」

女「・・・その子は?」

男「俺の彼女の妹。まぁ、俺の彼女はもう自殺しちまったんだけどな」

彼女妹(以降:妹)「・・・だ、誰ですかその人!」カクレッ

男「えっ・・・お前こいつが見えるのか」

女「こいつ呼ばわりとは失礼な」

男「だっておまえ・・・」

女「ああ、言い忘れてました。死期が近い人物に触れてしまうと見えてしまうんです」

男「後付けやめろ。心臓に悪い」

女「一ヶ月後まで死にはしないので安心してください」

男「そういうことじゃねぇよ」

妹「・・・」ジトーッ

女「何か睨まれてますね・・・」

男「人間不信なんだ。男性恐怖症だし、女も怖いらしい。俺以外はもう誰も信じてないみたいだ」

女「何を仕込んだんですか」

男「結構毒吐くんだな」

女「どうも」

男「褒めてるわけじゃないんだが」

男「妹、こいつは敵だから信用するなよ」

妹「」コクコクッ

女「貴方も大概ですね」

男「まだ出会って30分くらいだからな」

今回はこの辺で

質問、このスレは安価スレですか、それともSSですか?

>>12
SSです

サイカイシマショット

女「・・・」

妹「・・・」

男「・・・」

妹「ねぇお兄さん・・・」ギュッ

男「気にするな。ストーカーみたいなもんだ」

妹「うう・・・なんか怖いよぅ・・・」

男「仕方ない・・・なぁ」

女「はい。なんでしょう」

男「妹が怖がってるからさ。隠れてついてきてくれないか?」

女「分かりました」フッ

妹「き、消えたっ!?」

男「・・・どういうことだ」

女「妹さんの目に触れなければ問題ないでしょう?」

男「それでいいよもう」



妹「今日はありがとうお兄さん」

男「ああ、気にすんな。俺が居ないと買い物も出来ないんだからな」

妹「だけど・・・私とお兄さんは所詮他人だから・・・」

男「まぁ・・・俺の事は気にしなくていいよ。俺の償いでもあるし」

妹「そう言う・・・言い方して欲しくない・・・」ウルッ

男「ごめんごめん。それじゃ、何かあったらすぐ呼んでくれよ」

妹「うん。それじゃあおやすみ」

男「おやすみ」

妹「・・・」

パタン

男「はぁ・・・」

女「伝えないでよろしかったのですか」

男「不安な一ヶ月を与えたくない」

女「いきなり居なくなられても辛いと思うですけど」

男「・・・まぁ、そんときはそんときだ」

女「・・・面倒な関係ですね」

男「俺の親にも同じこと言われてるよ」

女「そうですか」

男「・・・俺、家に帰るんだけど」

女「そうですね」

男「家までついてくんの?」

女「そうですね」

自宅

男「ただいま」

男母「ごはん出来てるよ」

男「ああ、ありがとう」

男父「また、あの子に付き合ってたのか」

男「まぁな・・・幼馴染の妹だしな」

男母「あんたの体がもたないよ」

男「俺のことなんてどうでもいいよ」

男父「そう言う考え方しかできんのかお前は!」

男母「食事時に喧嘩するのはやめて」

男父「・・・ふん」

男「いただきます」

自室

女「親子の仲悪いんですね」

男「まぁ、俺は男として最低の事をしたしな・・・いや何もしてないからこそ」

女「人間は皆そうです。自分のために生きるのが一番な生き物ですから」

男「そんなこと言ったら生き物全部そうだろ」

女「人間の場合は、複雑な心があるから余計に厄介」

男「はぁ・・・それより、なんであんたが椅子に座ってんだよ」

女「・・・女の子には優しく」

男「最初、性別関係ないって言ってなかったっけ」

女「空耳かなにかでしょう」

男「まぁいいや。それで、あんたの主ってどういう奴なんだ?」

女「神様を奴呼ばわりとは何様なのでしょう」

男「所詮神だろ」

女「貴方は、神を信じてるのですか?それともしてないんですか?」

男「何かの勧誘みたいだな」

女「答えてください」

男「一応信じてるよ。ただ、神が幸運を分けてくれるとは思ってないけど」

女「そうですか。それで、私の主についてですが」

男「おっと話がだいぶ変わったぞ」

女「最初に質問してきたのは貴方でしょう」

男「質問に質問で返したのはお前だろう」

女「それもそうですね」

女「私の主は、優しい方ですよ。命ある者に優しく、無駄な死を嘆いています」

男「俺の命を遊びの駒にしてるのに?」

女「私の主は、もうひとりの神にある条件を出されて参加をしているのです」

男「ふーん。まぁ、あんたがそう言うならそうなんだろうな」

女「私の言葉を信用するとか神経疑います」

男「おっ?喧嘩売ってんの?」

女「いくらなら買ってくれます?」

男「500円」

女「じゃあ売りません」

男「そっか」

男「そろそろ寝るか」

女「おやすみなさい。ああそうだ。もし」

男「ん?」

女「もし、顔を見せるのが願いとしてではなく見せていた場合、他に何か願いと言うのはないんですか?」

男「そうだなぁ・・・あいつに、新しい姉をやりたい。頼れる姉ちゃんを」

女「お姉さん・・・つまり、貴方の彼女ですよね」

男「ああ、幼馴染のな」

女「何故そのお姉さんとは恋仲になったのですか?」

男「随分突っ込むな。まぁいいや。俺から告白したんだ。普通の告白」

男「お前が好きだと言っただけ。そしたらOKが簡単に出たんだ」

女「その人はどういう人物だったんですか?」

男「本当に突っ込むなおい」

女「私の主の事を教えたんです。それに。私だって知りたいこともあります」

男「小さい頃から文武両道、容姿端麗だった」

男「俺がいじめられいた時に助けてもくれた」

男「いじめられっ子の俺をずっと庇っていてくれたんだ」

男「それで、告白した。去年だったか」

男「それから、関係的にはあまり変わらなかったけど」

女「それで、あの出来事が」

男「本当は思い出したくもないんだけどな」

男「あいつは自分を犠牲にしすぎるのが弱点だ」

男「自分の事は二の次に考えるやつだった」

女「ありえませんね」

女「人間は、皆、誰かの事ではなく、自分の事を第一に考える生き物です」

男「それに、複雑な心を持っていて厄介なんだろ。だけど、複雑な心だからこそ」

男「・・・いや、今更、俺ら人のこと良く言う必要もないか」

男「さぁ、今日はもう寝よう」

女「後一ヶ月の命なのに、さっさと寝てしまうのですね」

男「寝ようが寝まいが、一ヶ月なんてあっという間だ」

男「それに、俺は寝るのが好きだから」

女「・・・」

男「あんたは、寝ないのか?」

女「寝てもいいですし寝なくても大丈夫です」

男「寝とけよ。俺は、別に逃げもしないし、隠れもしない」

男「もう、今の世界も、死んだあとの世界も、俺には興味の無いものだ」

女「そうですか」

男「ああ、寝る前にあと一つだけいいか?」

女「なんですか?」

男「あんたの主は、どっちに賭けたんだ?」

女「・・・私の主はどちらにも賭けていません」

男「賭け事じゃないのか?」

女「賭け事ですよ。相手の神は、貴方が絶望の中で死ぬ方に賭けました」

女「私の主は・・・どちらでもなく」

女「貴方が一ヶ月後、生き続けると、言っていました」

男「・・・そりゃ有難いね。死にたいと思っていても、やっぱり、あいつは守ってやりたいし」

男「それが俺の償いだと思ってるから・・・それじゃあおやすみ」

女「・・・そうですか。それでは、おやすみなさい・・・」

人が知りえない場所

???「・・・妻は、これを持っていけば喜ぶだろうか・・・」サワッ

美しく咲く花を撫でる黒い影

???「なんじゃ?お主の使いはまだ戻ってきてはおらんのか?」

???「そろそろ戻ってくるはずだ」

???「しかし、お主も相変わらず変な奴じゃのう。あやつの命が一ヶ月後にはまだあることに賭けるとは」

???「あなたと私では考え方も趣味も何もかも違う。それに人を駒にするようなことはしたくない」

???「大体、儂の目で見えたもの奴の死だけじゃ」

???「それは私も同じだ」

???「お主は考えが甘いんじゃ。だからいつまでも仕事が片付かんのじゃ」

???「仕事が増えるのは全てあなたの責任だ」

???「なんのことかのう?」

女「ハデス様」

ハデス「戻ったか。それで?あの子はどんな願いを提示した?」

女「ハーデス様」

ハーデス「戻ったか。それで?あの子はどんな願いを提示した?」

女「私の顔を見たいと」

???「それだけか?」

女「ええ」

ハーデス「そうか・・・ならまだ力は使ってないんだな?」

女「まだ、願いは叶えられます。それでもう一つ、願いを聞き出せたので」

ハーデス「君の力では無理そうか?」

女「私では無理そうなので。少々お力添えを。ゼウス様」

ゼウス「ほう。どんな願いじゃ?」

女「私を、人間として、あの世界に行かせて頂きたい」

ゼウス「いいぞ。その程度じゃ運命は変えられん。儂らでも難しいからの!」

ハーデス「そうか。少し、大変かもしれないが、引き続き頼む」ナデナデ

女「・・・はい」フッ

ゼウス「・・・のうハーデスよ」

ゼウス「あの子は、元は人間だったのだろう?」

ハーデス「ああ」

ゼウス「何故、あの子をお主の使い魔にした」

ハーデス「あの子が言い出したんだ」

ゼウス「そうか。なら、何も言わんよ」

ハーデス「・・・」

ゼウス「ところでペルセポネとはうまくやっているかの?」

ハーデス「私は、愛している」

ゼウス「なんだかんだでペルセポネもお主の事を気に入っているようだからの」

ハーデス「私を最初騙したのはあなたなんだが」

ゼウス「はて、なんのことじゃ」

次の日

妹「・・・いつもありがとうお兄さん」

男「いいって、どうせ同じ高校なんだし」

妹「何故か最近・・・お兄さんがどこか遠くに行ってしまいそうで、怖いんだもん・・・」

男「お前を置いていくなんてありえないって」

妹「・・・」ギュッ

男(それにしても今日はあいつの姿が見えんな)ボケー

妹「・・・お兄さん?どうしたのボーッとして」

男「いや、何でもない」

今回はこの辺で

途中で送っちゃったやつとか誤字とかひどい

サイカイシマスよー

朝のHR

担任「席に付けー」

男「・・・」

男(毎日毎日思ってることだけど、妹のやつ、大丈夫なのか?)

男(周りには人がいっぱいいるし、話さなきゃいけないこともたくさんあるだろうに)

男(あいつはあいつなりに頑張ってるのかな)

男「そう思っとこう」

担任「どうした男」

男「なんでしょうかー」

担任「こっちが聞きたいんだが」

男「特にありませんー」

担任「そうか。それじゃあ話の続きだが」

男(なんの話ししてたんだろう)

担任「転校生を紹介する」

男「・・・転校生?」

友人(以降:男友)「なぁ男だと思う?女だと思う?」ニヤニヤ

男「さぁな・・・お前はどう思うんだ?」

男友「俺は可愛い子がいいなぁ」

男「男でも?」

男友「女で頼む」

男「だろうな」

担任「おーい入れ」

ガララ

女「・・・」

男「っ!?」

男友「おおおおおー!!滅茶苦茶可愛いじゃん・・・!!」

男友「オッドアイだぜ・・・!?」

女「女、です。よろしくお願いします」ペコッ

男友「女さんかぁ・・・可愛いなぁ」ポヤーッ

男「・・・」

男(クラスの男子から黄色い歓声。女子からはざわざわが聞こえる)

担任「そうだな・・・男の隣に席が空いている。窓側の席な」

女「はい。ありがとうございます」ペコッ

男「・・・」

女「・・・」ガタッ

女「よろしくお願いします」ニコッ

男「っ!」ゾクッ



男「ちょっと来い」ガシッ

女「えっ?」

男「いいからちょっと来い!」

男友「あ!おまえ抜けがけか!?ずるいぞ!!」

男「うるせぇ黙ってろ!こっちにはこっちの事情があんだよ!」

男友「情事だと!?」

男「耳鼻科行ってこい!!」グイッ

女「あっちょっ・・・そんな引っ張らないでください!」

屋上へ続く階段の踊り場

男「どういうつもりだ」

女「貴方の願いを叶えるためにきました」

男「俺の願いはお前の顔を見るだけだったはずだ!」

男「それに、わざわざ嫌いな人間になってまで叶えるような願い受け入れんな!」

女「私はいったはずです。貴方の願いを聞いて叶えるのも仕事のうちなのです」

男「それで・・・なんでこんなことした」

女「あの子の姉になるために来ました」

男「俺が死んだらお前も居なくなるんだろう。なんの意味もないじゃないか」

女「う・・・」

男「・・・いや、悪い。お前も悪気があってそんなことしてるわけじゃないんだよな・・・」

女「ごめんなさい・・・」

男「第一、あいつが認める訳ないだろ・・・」

女「それもそうですよね・・・」

男「とりあえず・・・そうだな。俺にはあんまり関わるな」

女「それは出来ません。貴方の監視も私の仕事です」

女「それに、あの子の姉になるということは、貴方の彼女になるということですから!」

男「・・・は?」

女「あの子の姉は、貴方の恋人だったのでしょう?でしたら、私も貴方の彼女として」

男「ちょっと待って」

女「はい?私、おかしなこと言ってますか?」

男「おま・・・あー・・・えぇ・・・」

女「不思議な顔をしてますね」

男「戸惑ってんだよ!」

今回はこの辺で

不定期更新です

ちなみに女の髪は白髪です

サイカイシマス

男「・・・とりあえず、俺的にはあんたは美人だし、彼女にするぶんには悪い気はしない」

男「だけど、あんたはどうなんだ?どうせ、上からの命令だろ?」

女「そうですね」

男「ズバッと来たな」

女「ですが・・・」

ガンっ

妹『や、やめて・・・この子怖がってるから・・・』

男「屋上から妹の声が・・・?」ダッ

女「あ、ちょっと」

ガチャ

妹「やめてって・・・」

いじめっ子1「こっから出てけって!俺らのテリトリーだぜ!」

いじめっ子2「そんな黒猫汚ねぇし不吉だし。そんなもん殺しちまえよ!生きてたってロクなことねぇって!」

いじめっ子3「あーそっか!お前の姉ちゃん、強姦されて自殺したんだっけ!」

妹「いや!その話は聞きたくない!」

いじめっ子1「だからこんな汚い猫も抱けるんだな!」

いじめっ子2「俺病気怖くて触れねぇよー!」

いじめっ子3「どうせお前の姉ちゃんヤられてノリノリだったんだろ!?」

妹「っ!?姉さんはそんなこと・・・!」ウルッ



男「あのバカ・・・!早くにげ」
女「やめなさいあなた達」ザッ

いじめっ子123「あ?」

女が妹といじめっ子の間に割って入った

女「男三人が、か弱い女の子一人に対して恥ずかしくないんですか?」

いじめっ子1「俺らからしたら知ったこっちゃねーよ!なぁ!?」

いじめっ子2「いじめられる奴はいじめられるために生まれてきたんだろ?」

いじめっ子3「大体こいつは、自分が自分の姉ちゃんのせいでいじめられてるって知らねぇんだぜ?」

妹「えっ・・・」

女「失せなさい」

いじめっ子1「あ?なんだその口の利き方・・・あーあんた二年?」

いじめっ子3「年上だからって女がいきがってんじゃねぇぞ?」

いじめっ子2「女なんて所詮男のおもちゃなんだからさぁ!」

女「・・・死に急ぎたかったらどうぞ。犯してみなさい」ニコッ

いじめっ子123「っ!」ゾワッ

いじめっ子1「なんだこの女・・・ちっ!逃げるぞ!」ダッ

いじめっ子23「ま、待ってくれよ!」ダッ

女「・・・はぁ」

男(すごい悪寒がした。あいつの笑顔を見たときだけ)

女「・・・私の笑顔って、そんな怖い顔になってますか?」

男「いや、そんなことはないと思うぞ?」

女「私が笑顔を見せると皆、驚くか怖がって逃げるんです・・・」

男「なんでだろうね」

男(殺気ってやつなんだろうな。笑顔可愛いのに)

女「あ、そうだ・・・大丈夫?妹ちゃん」スッ

妹「うっ・・・うう・・・」ポロポロ

女「・・・大丈夫、追っ払ったから、ね?」

妹「姉・・・さん・・・!」ダキッ

女「わっ・・・え、えーっと・・・」

妹「・・・はっ!ご、ごめんなさい!」バッ

妹「つい・・・後ろ姿が姉さんに見えて・・・」

女「え、ええ大丈夫ですよ・・・」

女(びっくりした)

男「大丈夫か?立てるか?」

妹「う、うん。ありがとうお兄さん」

チリン

黒猫「・・・」

男「・・・飼い猫なのか?」

妹「汚れてるし、野良猫だと思う。というより半野良なのかな」

女「・・・」スッ

黒猫「」スリ

黒猫「」プイッ

女「あ・・・」

男「あーどっか行っちまったな」

男「っと・・・それより、お前、いつからだ」

妹「う・・・」

男「無理はするなって言ったよな?」

妹「だ、だって・・・」

男「・・・お前はいい子だから、俺に迷惑かけないように努力してるんだろうけど」

男「無茶だけは本当にしないでくれ。あいつだけじゃなくて、お前まで居なくなったら俺・・・」

妹「・・・ごめんなさい」ペコッ

妹「昨日の人ですよね・・・先程はありがとうございます」ペコッ

女「そんなそんな!今日から一つ屋根の下で暮らす仲になるんですから」

男「・・・」
妹「・・・」

妹男「えっ?」

女「私は、今日より妹ちゃんのお姉さんになります!」キリッ

妹「あーえっとえー・・・」

女「不思議な顔してますね」

妹「混乱してるんです!」

男(だろうな)

妹「ちょっと待ってください。私の両親は・・・」

女「心良く養子縁組できました」

妹「私に相談無しっておかしいよね?」

男「俺に話を振らないでくれ」

妹「まぁいっか・・・うちに帰ったら母さん達に聞いてみる」

女「一緒に帰りましょう!」

妹「な、なんでそうなるんですか!」

女「えっ?だって同じ家なんですし・・・それに男さんも一緒に帰りますよね?」

男「えっ?」

女「えっ?だって私彼女ですし・・・登下校は並んで歩くんですよね?」

妹「はぁっ!?ちょっと待って!なんでこの人とお兄さんが付き合うことになってるの!?」

男「あー・・・これには深い事情がだな」

キーンコーン・・・
カンコン

女「あ、授業始まりますよ」

妹「あ!ちょっと待ってよ!話の続きを!」

女「続きは放課後にしましょう。授業に遅れてはいけませんよ」

男「・・・詳しい事情は放課後な。俺もあんまり状況理解できてないから」ポンッ

妹「お兄さんが言うなら・・・わかった」

女「それにしても・・・今日で確信しました。やっぱり人間は嫌いです」

女「弱いものいじめするためだけ群れをなすプライドの欠片もないクズばかりですね」

妹男「っ!」

幼馴染『弱いものにしか手を出せないのに群れるクズどもが』

女「どうしたんですか?私の顔に何かついてますか?」

男「いや・・・」

妹「いえ・・・」

男「・・・なぁ妹」

妹「うん・・・」

男「・・・あ、そう言えば、さっきの話の続きだけど・・・」

女「え・・・あ、あの、恥ずかしいのでやっぱり言うのやめていいですか・・・?」

男「」クビフリ

女「えーっとですね・・・人間は嫌いですけど、貴方なら好きになれそうな気がするので」

女「私は、嫌ではないですよ・・・これで満足ですか!」

幼馴染『人は嫌いだが、お前の事は好きだぞ。もちろん、妹もな!』

男(あいつと、言葉がどことなく似ている)

男(妹も、開いた口がとじな)

妹「なに勝手なこと言ってるんですか!お兄さんの彼女は私か姉さんの二人だけです!!」

男「おっと?」

女「な・・・妹ちゃんがライバルとか勝てる気がしないです!!身を引きましょうか!?」

幼馴染『妹もあいつに気があるのか!?お前のためなら身を引いてもいいぞ!?』

男「・・・シスコン気質もあり・・・っと」メモメモ

その後、妹とは分かれ教室へ

授業を受けて放課後

女「・・・割と真面目なんですね」

男「何がだ?」

女「あと一ヶ月の命なのに、授業もちゃんと出て」

男「どうせやることもないしな」

女「ふーん・・・それでですけど」

男「コロコロ話を変えるな」

女「妹ちゃんに説明するんですか?寿命のこと」

男「無視か。まぁいいや。あんたはどう思う?」

女「言うべきです」

男「即答かよ」

眠いので今回はこの辺で

死神様の使い魔なら無意識に殺気立っても仕方ないよね

サイカイシマス

女「この一ヶ月・・・いえ、あと30日のうちに、あの子にも覚悟と言うものをさせるべきなのでは?」

男「・・・まぁ、そうかもな。お前も俺も居なくなった世界で」

男「あいつは何を見つけられるんだろうな」

女「・・・とりあえず、私もあの子に好かれるようにしないといけませんね」

男「まだ会って間もないのに良くあいつに肩入れできるな」

女「可愛いは正義ですよ」

男「可愛い物好きか」

女「な、なんのことでしょう」

男「バレバレじゃねーか」

妹「なんの話してるの?」ヒシッ

男「おう。特に何もないぞ?」

男「それでだ妹」

妹「なに?」

男「こいつと仲良くしてやってくれないか?これから、同じ家に住むみたいだし」

妹「・・・綺麗な白髪が嫌い」ジトーッ

女「」ガーンッ

妹「うちの姉さんは綺麗な黒髪だった」

男「そう言えばそうだったな」

妹「こんな・・・」

女「・・・どうすれば・・・」

女(元の彼女さんと同じ状況にしないと、男さんの願いは・・・)

男「それじゃ、俺はこっちだから」

女「ええ、また明日」

妹「・・・なんでこっちに来るわけ?」

女「えっ、ですから・・・言いましたよね?」

妹「私は認めてない!」フンッ

妹「・・・姉さんは、あの姉さんしか認めないもん!」ダッ

女「あっ!いきなり走り出さないでくださいよ!」ダッ

妹「ついてこないでよ!」

女「いえですから!同じ家なんですってば!」

自宅

妹母「あらおかえりなさい」

妹「ただい・・・」

妹母「女ちゃん!」

妹「えっ」

女「ただいま帰りました」

妹母「ああ、妹ちゃんもおかえり」

妹「た、ただいま」

妹母「おやつあるわよ!」

妹「・・・私いらない・・・」

妹母「あらそうなの?じゃあ女ちゃんが食べちゃって」

女「・・・自室で食べてもいいですか?」

妹母「良いわよー」

妹「・・・」ボフッ

妹(おかしいわよ・・・あれ、最初からあの人が姉さんだったみたいな・・・)

妹(それに・・・)

妹「また・・・昔みたいな扱い・・・嫌だな・・・また戻るの・・・」

妹(姉さんだったから私は耐えられたけど・・・あの人とだったら私・・・)

コンコン

妹「・・・誰とも会いたくない」

女「おやつ、一緒に食べたいなぁと思いまして・・・」

女「今日は妹ちゃんが好きなルマンドだから・・・」

妹「なんで!?なんで私の好物まで知ってるの!?」

女「・・・少し、お話したいことがあるので、入れてもらえませんか?」

妹「なんなのよあなた!昨日あったばかりなのに私のこと知ってたり」

妹「お兄さんの彼女になるとか!」

女「全てをお話しておきたいのです。あなたには、聞く権利」

女「いえ、聞かなければならないお話なので」

妹「・・・本当に聞かなきゃいけないの?」

女「ええ」

妹「どうして?」

女「あなたの今後の人生に関わるお話です」

ガチャ

妹「どうして、私の人生に関わるの?」

女「二人きりで話しましょう。中に入れてもらえますか?」

妹「・・・」

女「あの人にも関するお話です」

妹「・・・お兄さん?」

女「」コクッ

妹「わかった・・・入って」

今回はこの辺で

サイカイシマショット

妹「・・・」

女「・・・」

女(話すのはいいんですけど、どうしよう。何から話せばいいかわからない)

妹「話は?」

女「えっとですね・・・話すことが多すぎて少し整理を」

妹「・・・なんで整理しないで話すなんて言っちゃったの?」

女「すみません」

妹「はぁ・・・じゃあいい。私が聞きたいこと聞くからそれに答えて」

女「はい」

妹「それじゃあ・・・お兄さんのこと、聞こうかな」

女「少々ショックを受けるかもしれませんが」

妹「・・・いい。話して」

女「・・・男さんは、あと一ヶ月・・・30日後に死亡します」

妹「はっ?」

妹「えっ、ちょっと待って意味わかんない」

女「ですから言いましたでしょう。少々ショックを・・・」

妹「少々どころじゃない。ちょっとまって。えっなに?なんでそんなことあなたが知ってるの?」

女「私は、仕えている主の命令で、あの人に伝えに来たのです」

妹「主ってなに?えーまって。聞きたいこと結構あったのに全部吹っ飛んでるんだけど」

女「どーどー」

妹「馬鹿にしてるでしょ」

女「ごめんなさい。猛獣の扱いでつい」

妹「好きな人を死ぬ宣言された挙句猛獣扱いってひどい」

女「ごめんなさい」

妹「とりあえず、もう全部話して。お兄さんのこと以外にこれ以上ショックを受ける自信がない」

女「そうですか?」

女「それでは・・・」

女は妹へ、神々の話、賭け事の話

男の願い、全てを話した

妹「・・・了解、了解・・・大体わかった」

女「話が早いですね」

妹「お兄さんはあなたの言ってること全部信じてるの?」

女「本人はそう言ってましたね。神経疑いますけど」

妹「うんまぁ・・・それは私も同意見だけど」

妹「ああ、あと、お兄さんは生き残れる可能性はあるの?」

女「・・・」フイッ

妹「なんで目をそらすの?あなたの主は、生き残る方に賭けたんだよね?」

女「ええ、まぁ」

妹「神様が言ってる事なんだから可能性はゼロじゃないでしょ!?」

女「今のままだと、ゼロです」

妹「もうやだなにこの人」

女「何か策でもあるのかわかりませんが」

女「勝ち目のない賭けです」

妹「ん・・・もういいよ。おやつ、ありがとう」

女「いえいえ」

妹「それで・・・私の姉さんになるわけでしょ?」

女「私の主ではない神が情報を全て変えてしまいましたから」

女「血が繋がってはいませんが、姉妹として見られています」

妹「そっか・・・」

女「安心してください。何があっても、私と男さんは妹ちゃん、貴方の味方です」

妹「・・・」

女「いつでも頼ってください」ニコッ

妹「・・・ちょっと一人になりたい」

女「そうですか。それでは、夕飯にはお呼びします」

妹「うん・・・」

女の部屋(元幼馴染の部屋)

女「・・・」キョロキョロ

女(死んでから、もう半年以上経ってると聞きましたが)

女「半年くらいじゃ、生活感が残っていても仕方ない・・・か」

女(机の上に何かある・・・これは?)

女「幼馴染さんの日記・・・?」

ズキっ

女「いっ・・・」

女(左目が痛い)

女「少しでも幼馴染さんの事を知らないといけない。少しでも近付けるように」

女「見るのは申し訳ないですが・・・」

ペラ

高校に入った今日から日記を付けることにした

あいつと同じ高校に進学した

同じクラスにもなれたのはすごく嬉しい

いじめっ子も同じ高校なのも少し不安様子だが

私がまた守ればいいだろう

人間は嫌いだ

だが、どうしてあいつと妹はあんなにも愛おしいのだろう

女「幼馴染さんは少し男勝りだったのでしょうか」

女「敬語は使いそうもありませんね・・・」

女「それにしても、この日記を開く時に痛んだのはなんなのでしょう・・・」

女「・・・まだ痛い・・・」

???「・・・」

女「ん?」

黒猫「・・・ニャー」

女「貴方は昼間の・・・」

黒猫「」カリカリカリ

女「入れて欲しいのですか?」

カラカラ

黒猫「」シタッ

女「何しに来たの?」

黒猫「」ツンツン

女「日記に何かあるのか?」

黒猫「」カリカリ

女「・・・まためくれって?」

黒猫「」コクッ

女「・・・もしかして、ハーデス様の使い?」

黒猫「」コクッ

女「そうですか。あまりめくりたくはないんですけど・・・」

女「痛いのは好きではないので・・・」

黒猫「」ジーッ

女「わかりましたよ・・・」

いじめっ子共に脅しを受けた

あいつの命が惜しかったら犯させろ、と

最近、体の生傷が絶えなくなってきたあいつを思い出し

少し考え込んでしまった

すると、いじめっ子共は、あいつを縛り上げ、挙句カッターなどの刃物を

陰茎や首元を掠めている写真を提示してきた

私はやむなく、了承してしまった

あんな奴らに初めてを奪われるとは、正直死にたくてたまらなくなった

女「うっ・・・」

女「ひどい・・・」

女「あなたはこのことをしって・・・」

黒猫の方を向くと、そこにはもう居なかった

女「・・・少し、いじめっ子達の事を聞かないといけませんね」

ピピピピ!

女「っ!」ビクッ

女「び、びっくりした・・・そうでしたね。携帯電話を渡されていたのを忘れていました・・・」

女「えーっとどうすればいいんでしょう・・・」オロオロ

男の部屋

男「・・・なかなか出ないな」

女『・・・はい』

男「おう、遅かったな」

女『使い方がわからなかったので』

男「不器用だな」

女『初めてのものを使えとは酷です』

男「まぁいいや。それで、明日から一緒に登校するんだろ?」

女『それが日常だったのでしたら』

男「じゃあ、待ち合わせ場所で待ってるから」

女『待ち合わせ場所とは』

男「妹なら知ってる。それと、妹割と寝ぼすけだからちゃんと起こしてやれよ」

女『わかりました。あ、そう言えば、妹さんに事の全てを話しました』

男「そうか。どうだった?」

女『貴方の死がショックであまり頭に入っていない様子でした』

男「最初にそれ話したのかよ」

女『やっぱり間違いでしたね。ああそうだ。いじめっ子の事を少し聞きたいのですが』

男「いじめっ子?」

女『貴方をいじめてた人たちです』

男「全員死んだよ」

女『えっ』

男「日記読んだんだな?」

女『ええ・・・何故そのことを?』

男「空いてた窓から昼間の黒猫が紙を咥えて持ってきてな」

女『・・・少し大胆じゃないですかね・・・』

男「なんか言ったか?」

女『いえ、別に、それでは、また明日』

男「おう」

人が知りえない場所

ハーデス「・・・」ナデナデ

ゼウス「なんじゃ、今日はペット同伴か?」

ハーデス「ペットではない。私の大事な部下だ」

ケルベロス「グルルル・・・」

ゼウス「儂に威嚇とはいい度胸じゃな」

ゼウス「お前以外に懐かないのはなんとかならんのか?」

ハーデス「私以外では妻と・・・あの子には懐いて居る」

ゼウス「あの子にのう・・・それで?あの子はどんな様子じゃ?」

ハーデス「さぁ・・・左目が痛んでいるようだ」

ゼウス「・・・ほう」

ハーデス「ゼウスよ。この賭けの参加条件。覚えているだろう?」

ゼウス「覚えとるわい。お前さんの使い魔がどんな動きしようとも文句は言わん」

ハーデス「ならいい」

翌朝

男「・・・遅いな」

妹「ご、ごめんなさい!」

女「ま、まさかこんなに起きないとは・・・」ハァハァ

男「だから昨日言っただろ・・・」

男「もう遅刻確定だし、ゆっくり行こうぜ」

妹「・・・お兄さん!もう学校サボろう!」

男「却下」

女「変なところで頑固ですね」

妹「・・・もう猶予ないんだもん。少しくらいサボったってバチ当たらないよ」

男「俺は心にもう一つだけ願いがあるの。それを叶えようとしてるだけだから付き合え」

女「話してくださいよ」

男「やだよ。恥ずかしい」

学校

担任「遅刻だぞ二人共!」

男「すみませーん!」
女「すみません!」

担任「まぁいい。さっさと席に座れ」

男友「なぁ・・・なんで女さんと一緒に登校してんだよ」

男「腐れ縁で幼馴染のお前には教えといてやるか・・・」

男友「な、なんだよ」

男「あいつと俺、付き合ってんだ」

男友「お前ばっかりふざけんな!クソ野郎!!昨日あったばっかりだろ!?」

担任「そこ!うるさいぞ!」

男友「ごめんなさい!」

男「全くだ」

男友「お前後で屋上な」  

男「はいはい」

急ぎすぎた今回はこのへんで


艦これSS書きたくなってきた(小声)

完結はさせます

艦これを書くときは基本的にВерныйさんか望月さんでしかネタが浮かびません(大嘘)

サイカイシマス

昼の屋上

男「それでさー。俺一ヶ月後に死ぬんだけどさ」

男友「そっかー」

男「だからさ。もしも俺が死んだらさ。妹の事、頼む」

男友「無理だろ。あいつ、俺の事嫌いだし」

男「あー、そこはなんとか説得しとくから」

男友「いや、可愛いから別にそれは構わないんだけど」

男友「そうだなぁ。もうすぐ死ぬのかお前」

男「おう」

男友「そっかそっか。じゃあ、今まで聞きにくかった事聞くけど」

男「どうしたんだ?」

男友「お前が、僕から俺に変わったのっていつだっけ」

男「・・・ああ、いつからだったっけな」

男友「僕っこだったのになー」

男「やめろ。気にしてるんだ」

男友「まぁ、俺は大丈夫。それに、今はあいつの側に居てやれよ」

男「・・・」

男友「あの子も大事にな。お前が死んだあとは俺が口説いてムフフしとくから」

男「なんか、死んでも死にきれねぇよ」

男友「そうだろう?最後まで足掻く気なんだろ」

男「・・・さすがは俺の親友だな」

男友「親友なんて呼ぶんじゃねぇよ。友達で十分だ」

男「相変わらずだな。お前だって友達少ないだろ」

男友「うるせーなバカ。そう言う事情なら今回は見逃してやる」

男友「もし、もしもお前が一ヶ月後、生きているなら、一発ぶん殴らせろよ」

男「ああ、楽しみにしてるよ」

男友「へへ」

女「お話が終わったと聞いて来ました」

男友「ああ、よろしく頼むぜ女ちゃん」ポンッ

女「えっ」

妹「うっ」サッ

男友「お?また避けやがったな!?」ガバッ

男「やめろ」ビシッ

男友「いてっ。だってこいつが!」

妹「あんたが飛びかかってくるからだよ!?」

男「お前・・・」

男友「逃げる女を追いかけるのは男の本能だろ!」

妹「失った野生を取り戻そうとしないで!」

男「騒がしい奴らだな」

男友「それじゃ、三人仲良くな」

男「おう。今度二人で遊びに行こうぜ」

男友「俺にそんな趣味はない」

男「俺にだってねーよ」

男友「そうか。今度な」

男「おうよ」

妹「まったく・・・騒がしい人」

男「・・・よし、飯食うか」

女「あ、どうぞ。今日、私のお弁当ですけど、大丈夫ですよね?」

男「・・・大丈夫なの?」

妹「私が起きて隣で見てたと思うの?」

男「いや」

女「すごく失礼じゃないですか?」

男「普通に美味い」

妹「普通に美味しい」

女「普通を付けるのはやめてください」

女「男友さんとは何を話してたんですか?」

男「他愛もない話だよ。そんな大したことない」

女「そうですか。あ、デザートもありますよ」

男「興味なさそうだな」

女「貴方が大したことないというんですから大したことないんでしょう?」ニコッ

男「そうだな」

妹「なんかムカつく」

今回はこのへんで

というか

最近鬱気味で話がうまく繋げられない

自分で鬱って言ってる間は大丈夫ですけどね

白髪ロングは正義

サイカイシマス

最近、何事にもやる気が出なくて嫌になります

妹「ねぇ女さん」

女「お姉ちゃんでもいいんですよ」

妹「嫌に決まってるでしょ」

女「妹ちゃんがいじめます」

男「無理に距離詰め過ぎなんだよ」

妹「・・・昨日言われたこと、ずっと授業中に考えてたんだけど」

女「昨日はごめんなさい。いきなりあんなこと言われて、戸惑ったでしょう」

妹「すごく。でも、お兄さんはその話信じてるんでしょ?」

男「話半分かな」

女「えっ」

妹「・・・だったら、私も少しは信じてみたい。もし本当なら、お兄さんの後悔しない一ヶ月を過ごして欲しいから」

女「妹ちゃんにこんなに思われて、妬ましいですね」

男「・・・ああ、そうか」

女「あ、そうだ妹ちゃん。少し席を外してもらえませんか?」

妹「なんで?」

女「少し、男さんと話しておきたいことがあるんです」

妹「私が居ちゃ話しにくいこと?」

女「そうですね・・・あなたのお姉さんについて、全てを知っておきたくて」

妹「うっ・・・そう・・・じゃあ、席外すよ」

男「思い出して気分悪いなら保健室で休んでおけ」

妹「うん・・・そうする」

女「・・・あの具合が悪くなり方・・・どんなことがあったんですか?」

男「あいつはな、見ちまったんだ。幼馴染が人殺しになる瞬間と、死ぬ瞬間を」

男「妹からは詳しくはあまり聞けなかったけどさ。俺のせいで、あいつは毎日いじめっ子共の性処理の相手をしてたのは、日記で知ってるだろ?」

女「ええ、読みました。最後のページだけはまでは読んでませんが」

女(最後のページを開こうとすると目を貫かれるような痛みが)

男「そっか・・・それでさ。そいつら、あろう事か、妹に目隠しして、あいつを犯してる現場に拉致し始めた」

女「ええ、それも日記に書いてありましたね」

男「ああ、あいつはそこから徐々に狂い始めたんだろうな」

男「奴等は妹には手を出さず、それを何回か繰り返したある日」

男「ついに手を出そうとしたんだ。あいつの目の前で」

男「すると」

ガチャ

イケメン「やぁ、こんなところに居た。女さん?」

女「えっ?誰」

男「む・・・何しに来た」

イケメン「可愛い転校生が来たって言うから挨拶しておこうかと思ってね・・・探したんだよ」

女「男さん。この人は・・・?」ヒソヒソ

男「ああ・・・こいつは振ったことはあるが振られたことがないと言われる。所謂モテモテのイケメンだ」

男「手当たり次第に女に手を出す奴だが」

女「なんですかそれ」

イケメン「本当に可愛いね・・・どうだい?こんな普通の男なんかより僕と一緒にお昼でも」スッ

女「やめてください。私はこの人の彼女です。あなたになんかなびくような女ではありませんよ」パシッ

イケメン「」

男(聞こえる。イケメンのプライドが壊れていく音が)

チリンッ

イケメン「そんな・・・一度ならず二度までも・・・」

男「・・・二度目?」

男「なんだお前。振られたことなんかなかったんじゃないのか?」

イケメン「う、うるさい!少しキツめな女だったが綺麗な黒髪だからと告白して玉砕したなんて・・・」

女「自分からバラしていくタイプの人ですか」

イケメン「なっ・・・忘れろ!今すぐ忘れないと殺すぞ!」グイッ

男「シャツが伸びる。離せよ」

イケメン「そう言えば、あいつも彼氏が居ると言ってたな・・・もしかして」

男「・・・さぁな」

イケメン「・・・っ!」ブンッ

黒猫「フギャア!」ガリッ

イケメン「っ!?」

黒猫「フー・・・フー・・・」

イケメン「ぼ、僕の顔に傷が・・・この糞猫!!」

黒猫「」ヒュッ

イケメン「いっってぇぇぇ!!」ダラダラッ

女「痛そうですね」

男「跡残るだろうな」

イケメン「く、くそう・・・どいつもこいつも僕の事馬鹿にして・・・うわああ!」ダッ

男「なんだったんだあいつ」

黒猫「」フスッ

男「昨日の黒猫だよな?ありがとう」ナデナデ

黒猫「ゴロゴロ・・・」スリスリ

女「・・・それにしても、狙ったように顔だけを傷つけましたね」

男「人の弱点を把握してそうな猫だな」

黒猫「・・・!」ピクッ

チリンッ

男「あ、どっか行っちまった」

女「猫は気まぐれですからね」

女「それで、話の続きなんですが・・・」

キーンコーン

男「時間だ。戻ろう」

女「むう・・・あのイケメン嫌いです」

帰り道

男友「両手に花とはこのことだなクソ野郎」

男「涙拭けよ」スッ

男友「ありがとよ」フキフキ

女「本当に泣いてたんですか」

男友「女に涙は見せない・・・それが男ってもんよ」

妹「でも、嬉し涙してる男の人には惹かれるよね」

男友「」

男友「あ、そうだ。ここらへんに美味いクレープ屋が最近出来たんだけど、行かね?」

男「お、いいね。久しぶりに甘いもの食いたかったんだ」

男友「いつもの食べるの?」

男「おうよ」

女「・・・」

妹「・・・」

女妹(なんか私より女の子っぽい・・・?)

男「やっぱり甘いものは美味いな」

女「ん・・・クレープってこんなに美味しいんですね」

妹「えっ?クレープ食べたことないの?」

女「む・・・ん」モクモクッ

男友「・・・」ドキッ

男「ときめいたな」

男友「ゆ、友人の女には手を出さないから!」

男「知ってるよ」

女「ん」モグモグ

男「・・・初めて女の子らしい一面を見た気がする。会ってまだ間もないけど」

女「んぐっ!?ゴホゴホ!い、いきなり何言うんですか!?」

男「ふと思ったことを口にしただけだけど」

妹(お兄さんの天然がここで)

男友(積極性さえあれば天然の女たらしだよなぁ)

男「それじゃあまた明日な」

女「ええ、また明日」

妹「またねお兄さん」

男友「よしじゃあ行こぜ」

男「おう」

妹「・・・女さん」

女「はい、なんでしょうか?」

妹「お兄さんから、聞いたの?」

女「あ、肝心な所聞いてないです・・・」

妹「・・・どこ?」

女「あなたが・・・ああ、なんでもありません。あなたに聞くのは酷でしょうから」

妹「・・・私が見た、姉さんの最後、だよね」

女「・・・」

妹「ごめん。思い出すだけで吐きそうになる・・・から・・・」

妹「姉さんの事は大好きだったけど・・・うっ」

女「無理しないくていいですよ」サスリサスリ

妹「・・・どうして、姉さんの事知りたいの?」

女「あなたのお姉さんとして、あの人の彼女として」

妹「姉さんの変わりなんて出来るわけない」

女「やっぱり、そうなんでしょうか」

妹「・・・無理に姉さんになろうとしないで」

妹「私にとって、姉さんはあの人だけ、女さんは、私の姉さんにはなれない」

女「・・・いえ、なります」

妹「勝手にして」

女「勝手にします。それに、私はもうあの人の彼女です」

妹「・・・ふん」プイッ

妹(・・・でも、時々姉さんとかぶる時があるのはなんでだろう・・・)

妹「なんで・・・」チラッ

女「ふう・・・暑い」パタパタ

女(人の体はどうしてこんなに暑く感じるのでしょうか)

妹「もうそんな季節なんだ・・・」

今回はこのへんで


次の更新はいつになるやら・・・

ちょこっとサイカイシマスヨ

夜勤なのに眠れない



プルルル

男「はい、もしもし」

女『もしもし』

男「携帯、慣れたか?」

女『慣れませんね』

男「それで?どうしたんだ?」

女『話の続きです』

男「・・・妹からは聞けたのか?」

女『・・・いえ』

男「まぁ、だろうな」

女『お姉さんの変わりが務まるわけがないとも』

男「バッサリ言われたな」

女『正しい事ですよ。誰かの変わりなんて、誰にも出来ませんから』

男「それはそうさ」

女『それは否定はしません』

女『ですが、私の役目はあなた方の幼馴染、お姉さんの役になり切ることなんです』

男「真面目だな。それで?」

女『できる限り、幼馴染さんの事を知りたいのです』

男「・・・俺は別に構わない。お前はお前で居てくれればいいし」

男「いつまでも幼馴染に縛られる理由は無いし」

男「俺のため、妹のためっていうなら」

男「俺は教えない」

女『どうしてですか』

男「お前には、あいつを演じることなんて出来ないし、して欲しくない」

女『・・・それは、私を幼馴染さんとは違う女として見てると言う事ですか』

男「当然だろ」

男「お前とあいつでは、似てるところもあるが、根っこが違うんだ」

男「あいつは不真面目だし、気まぐれだった」

男「それでもちゃっかりしてて、自分が有利な約束は絶対に忘れない奴だったよ」

女『・・・そんなことはなかったと思います』

男「ん?」

女『幼馴染さんは、自分からした約束は、全て守る人だと、私は思います』

女『日記を読んで、私はそう思いました』

男「お前は、人を信じやすいんだな。騙されやすそうだ」

女『失礼ですね』

男「悪い悪い」

女『話がだいぶ逸れましたが、幼馴染さんの事を教えては貰えなさそうですね』

男「聞きたければ、妹に聞け」

女『それでは、質問を変えましょう』

男「なんだ?」

女『妹ちゃんに好かれるにはどうしたらいいんでしょう』

男「泣き言かよぉ」

女「ええ、それでは、おやすみなさい」

ピッ

女「『お前とあいつでは、根っこが違う』・・・ですか」

コンコン

女「はい?どうぞ」

ガチャ

妹「・・・」ジーッ

女「・・・なんでしょう」

妹「あの・・・さっき電話してたのって」

女「盗み聞きですか?男さんですよ」

妹「通りかかったら聞こえたから・・・それで気になっちゃって」

女「私だからいいですけど、他の人にはあまりお勧めできませんね」

妹「わかってるわよ・・・」

女「それで、なんの御用でしょうか」

妹「なんの話してたの?」

女「あなたに言われた事を相談してました。同意見だと一蹴されてしまいましたけどね」ニコッ

妹「なんの話?」

女「あなたのお姉さんの代わりには慣れてないという話です。その通りなんですけどね」

妹「・・・その、ちょっと強く言いすぎた。ごめんなさい」

女「謝るのは私の方です。すみませんでした」

女「私は、何を焦ってなりきろうとしていたのでしょうね」

妹「お詫びと言ってはなんだけど、私の気持ちを知っていて欲しい」

妹「・・・私は、姉さんだったら、お兄さんを取られてもいいと思ってた」

妹「姉さんは私を一番に考えて行動してくれてた」

妹「そんな姉さんが、お兄さんのことに関してだけは、誰にも譲らなかった」

妹「それが少し悲しかったけど、嬉しくもあった」

妹「私のために、自分の身を削ってた姉さんの唯一のわがままだったから」

妹「姉さんは姉さんだし、女さんは女さん。同じ人じゃないし、なろうと思ってもなれない」

妹「だから、お願い。女さんに姉さんみたいにはなって欲しくない」

妹「私のために、犠牲になる人が出るのは、もうやだ」

妹「私のわがままかもしれないけど、お兄さんに頼ってるから矛盾してるけど」

妹「私も、私も努力したい」

女「・・・」

妹「したいって言っても、具体的な事は分からないけどさ」ニコッ

チリンッ

女「妹ちゃん。甘えて欲しい人だっているんですよ」ギュッ

妹「・・・女さんの体、冷たいね」

女「他の人より基礎体温が低いので・・・」

妹「・・・でも、なんでかわからないけど、ホッとする。お兄さんと、姉さんにくっついてる時みたい・・・」

女「あの人は妹ちゃんに抱き着いたりするんですか?」

妹「私からなら」

女「私にもどんどん抱きついて来ていいんですよ」

妹「検討しとく」

女「それなら嬉しいです」

今回はこのへんで

おやすみなさい

少しだけサイカイシマス

それから一週間

妹「お姉さん。そろそろ行く時間だよ」

女「はい、そうですね」カチッ

妹母「あら、もう出かけるの?」

女「はい」

妹「それじゃあ、二人で行ってくるね」

妹母「そう、気をつけてね」

妹「行ってきます」

女「行ってきますね」

男の家

男「ほい」

男友「おう」

男「男二人で部屋にこもって何やってんだか」

男友「女ちゃんと妹呼べよ」

男「今日は用事があるとかでダメだってよ」

男友「えぇ・・・むさ苦しいこの部屋で二人で漫画読んでるだけかよ・・・」

男「俺は、あの二人が仲良くなってるみたいで嬉しいけどな」

男友「それもそうだけど」

男「それに、少しずつだけど、明るくなってきたみたいだからな」

男友「まぁ、最初の頃はとっつきにくかったからなぁ」

男友「んで?今日はあの二人どこに出かけたん?」

男「さーなー」

男友「なんだよ。彼女の行き場所ぐらい知っとけよなぁ」

男「なんでだよ」

男友「いざすぐ助けられるじゃん」

男「俺には下心しか見えないんだけど」

男友「そ、そんなことないぞっ」

男「・・・最近髪もいじり始めたから可愛くなってきてるからなぁ」

男友「お前はどの髪型が好きだった?」

男「シンプルなストレートもいいけど、ハーフアップがいいかな」

男友「あーいいねぇ。俺はポニテとかかな。後アップ髪」

男「わかる」

男友「おしとやかなのもいいけど、健康的な髪型いいよな」

男「な」

女達の様子

女「こ、こんな感じ?少し可愛すぎじゃありませんかね・・・」

妹「いいじゃんいいじゃん!」

妹「お兄さんはそう言う感じが好きだからさ」

女「髪型を変えて少し反応を伺っても、あまりオーバーな反応はなかったから・・・」

妹「あんまり表に出さないからねー。テレ屋だから」

女「そうですね」

妹「あ、こっちも着よーよ」

女「いや、そっちはちょっと露出が・・・」

妹「似合うって!大丈夫大丈夫。私が言うんだから間違いないよ」

女「えぇ・・・」

数十分後

女「言われるがまま買ってしまいました・・・」

妹「もっと可愛い服着ればいいのにー」

女「いえいえ!私が可愛い服来ても誰も得しませんから!」

妹「そんなことはないと思うけど」

女「露出が多いのは少し遠慮させてもらいます」

女「出来れば、あの人以外にそう言う目では見られたくありません」

妹「え?今更それ言うの?割と色んな男の人にそう言う目で見られてるよ」

女「え?」

妹「女の子にもね」

女「え?」

妹「まぁ、その話は置いといて」

妹「お腹空いたからどこか寄ろう」

女「え、あ、はい。どこがいいですか?」

妹「お姉さんは?」

女「私はどこでもいいですよ」

妹「じゃあ、そこのファーストフード買って公園で食べよ」

女「そうですね」

妹「というか、敬語やめてくれない?くすぐったい」

女「敬語じゃダメですか?」

妹「や、無理にとは言わないけど」

女「直して欲しいなら直しますよ」

妹「無理はしなくていいよ」

女「そうですか」

公園

妹「ん・・・人間としての生活は慣れて来たの?」

女「はい」

妹「・・・本当に、お兄さんを助ける方法って知らないの?」

女「可能性はありますが方法はわかりません」モグモグ

妹「ふーん・・・」

妹「お兄さんが居なくなったら、お姉さんも居なくなっちゃうんだよね」

女「生きてても居なくなりますよ」

妹「そっか」

女「私が居なくなると寂しくなりますか?」

妹「少しだけね」

女「嬉しいですね」

妹「それでさ。お兄さんが助かる可能性があるんだよね」

女「まぁ、あるにはありますけど」

妹「何か少しでも分かることはないの?」

女「そうですね。一つだけありますよ。神すら予測できなかった事を起こすことぐらいでしょうか」

妹「・・・可能性なんてなかったんだね」

女「割と神達は天然なので行けるかもしれませんよ」

妹「お姉さん神の使いじゃないの?」

女「神様はいるけど信用出来るような方たちじゃありませんよ」

妹「変なの」

男の家

男友「・・・」チョイチョイ

黒猫「・・・」フイッ

黒猫「ニャー」スリスリ

男「・・・」ナデナデ

男友「お前って昔から色んな人とか動物に好かれるよな」

男「お前、俺がいじめられてたの知ってるよな」

男友「嫌われてる奴にはとことん嫌われるけど好かれる奴にはとことん好かれる奴っているじゃん」

男友「そういうの」

男「気にしたことなんてねーよ」

男友「そっか」

男友「後三週間くらいでお前死ぬじゃん」

男「そうだな」

男友「神様に気に入られると良いな」

男「神様とか信じてんの?」

男友「信じてるよ」

男「へぇ、意外」

男友「まぁ、信じていいもんじゃねぇけど」

男「そうだな。ロクでもないだろ」

男友「ああ。そう言えば、イケメンが自殺したって知ってる?」

男「マジで?」

男友「マジで」

男友「大体理由はわかるけど」チラッ

黒猫「・・・」フイッ

男「あんな傷、顔に付けられたらそりゃな」

男友「イケメンの妹、それで引きこもりになっちゃったみたいだぜ。結構なブラコンだったみたいだから」

男「・・・あ、あいつは大丈夫かな」

男友「妹?あいつは、お前が居なくなってからしかわからん」

男「俺らの知らないところで我慢する癖あるからな・・・」

男友「難しく考えんなよ。お前が死んだあとの片付けは俺がやっといてやるよ」

男「・・・ああ」

男友「お前の秘蔵のエロ本、俺が持ち帰ってやるから」

男「あいつらには見られないようにしてくれよな」

男友「任せとけ」

人が知りえない場所

ゼウス「お主の使い魔が人になってもう九日が経ったの」

ハーデス「そうだな」

ゼウス「報告も最初の日以外に来なくなっているが、それは大丈夫なのかの?」

ハーデス「ああ、私の所にきちんと知らせは入ってくる」

ハーデス「あなたには見せないぞ。状況によって何かを変えられたら困るのでな」

ゼウス「まぁ、お主が変な動きを見せようものならわしの使いが矢を放つからの」

ハーデス「私は何もしない」

ゼウス「さて、まだゲームは終わっておらんぞ。続きを見ていこうではないか」

ハーデス「そうだな」

今回はこの辺で

明日から鬱な日々を送るのでいつ更新するかわかりません
なんかもう疲れた

少しサイカイシマス

六日後

男友「で・・・どこまで行ったの?」

男「ん?なんの話?」

男友「だから、女ちゃんとはどこまで行ったんだよ」

男「そんなこと聞いてどうすんの」

男友「もしかしてまだキスもしてねぇの?」

男「キスどころか、手すら繋いでないけど」

男友「お前の性欲はどこへ」

男「んー・・・なんだろうな。あいつにはそう言う事をするような感じになれない」

男友「幼馴染に対しても言ってたよな。まだ気にしてんの?」

男「いや・・・別にそういう訳じゃ・・・」

男友「まぁ、お前がそれでいいならそれでいいけどさ」ペラッ

男「・・・」

男友「・・・にしても遅いな」

ガチャ

妹「お待たせー」

女「待たせてしまいましたか?」

男「やっと来たのか」

女「ごめんなさい。少し準備に時間がかかってしまって」

男友「よし、じゃあ、飯食いに行くか」

男「おす」

女「現地集合で良かったのでは・・・?」

男友「少しでも一緒に居たいだろ?」

妹「そりゃあ」

男友「な?」

男(変な気を回しやがって)

ファミレス

男友「今度の土曜にバーベキューでもしない?」

妹「今からご飯食べるのにいきなりその話題はどうかと思うな」

女「男さんは何にするんですか?」

男「俺はこれかな。これに乗ってる玉ねぎが美味いんだ」

妹「大体、準備とか場所はどうするのよ」

女「美味しそうですね。お料理が届いたら私にも一口欲しいです」

男「いいよ」

男友「俺の家にバーベキュー一式も炭もある。車はうちの親父に頼んだ。場所も近くの川原があるだろ」

妹「なんでそんなに用意周到なのよ。いつもズボラの癖に」

男友「楽しい事は積極的にしたいからな」

女「あ、私これにします」

店員「・・・と、ドリンクバーは四つ。以上でよろしいですね?」

男友「うい」

男「はい」

男友「で?さっきからスルーして話してたけど、どう?」

女「別に予定はないので大丈夫ですよ」

男「俺も大丈夫だ」

妹「じゃあ決まりだね」ニコッ

男友「お前には働いてもらうからな」

妹「なんでっ!?」

女「・・・ふふ」ニコッ

男「・・・」

男(あと、半月か・・・)

数分後

店員「お待たせしました」コトッ

店員「以上でよろしかったですね。それでは」ペコッ

男友「いやー腹減ったー」

妹「いただきます」

女「いただきます。あ、フォークとナイフどうぞ」

男「ああ、ありがとう」

女「いえいえ」

妹「むぐっ」ムスッ

男友「むっ」ムスッ

妹男友(なんかいい雰囲気。なんか懐かしい感じ)

更に数分後

女「・・・」ジーッ

男「・・・どうした?こっちみて」

女「やっぱりそっちも美味しそうだなぁと・・・」ジーッ

男友「前からちょっとは思ってたけど、女ちゃんって結構食いしん坊だよな」

女「そんなっ!ふ、普通ですよね?」チラッ

妹「・・・」フイッ

女「目を逸らさないでくださいっ」

男「おい。口開けてこっち向け」

女「えっ?」

男「ほら」ズイッ

女「あ、んっ」パクッ

男「美味いだろ」

女「・・・はい、とても」ニコッ

女「ありがとうございます」

男「そっちも食いたいな」

女「あ、はい・・・どうぞ」ズイッ

男「ん」パクッ

男「うん。美味い」

女「良かった」

妹「お兄さんっ!私も食べたいなぁ」チラッ

男「えっ、お前同じのじゃん」

妹「も、もしかしたらちょっと違うかも知れないし?」

男「ここファミレス」

妹(お兄さんの鈍感!)ムスッ

男「な、なんで不機嫌?」

男友(ナチュラルに食べさせ合いしてる。天然同士は恐ろしいなぁ)モクモク

会計

女「パフェと言う物が甘くて美味しかったです」ホッコリ

男「そりゃよかった。これで大丈夫だろ」スッ

男友「ん。丁度半分だな」

男「会計済ませてくれ。俺らは外で待ってるよ」

男友「おうよ」

妹「男友ー」

男友「あん?」

妹「メン○スもついでに買って」

男友「自分で金払え」

妹「男としての経済力を見せるチャンスだよ!」

男友「お前に見せてどうすんだよ。買ってやるが、土曜の朝買い物手伝えよな」

妹「しょうがないなぁ」

店の外

女「すっかり遅くなってしまいましたね」

男「あと半月だな」

女「・・・ええ、そうですね」

男「お前はどうだ。半月の間で、だいぶ人間らしくなったんじゃねぇか?」

女「そうかもしれませんね」

男「・・・今でも、幼馴染になりたいと思うか?」

女「・・・少しは思っている部分もあると思います。でも」

女「幼馴染としてではなく、私を私として好きで居てくれているなら」

女「私はそちらのほうが嬉しいです」

男「そっか」

女「はい」

女「もし」

男「ん?」

女「もし、あなたが半月後、まだ生き残っているのでしたら」

女「その時は、私に関わった全ての人は、記憶、痕跡を消されるでしょう」

男「そういうものか?」

女「もちろん。私は、この世に存在してはいけない人間です」

女「それはもちろん覚悟の上です・・・ですが・・・ここ数日、それを思うと気分が落ち込むのです」

男「・・・」

女「なんでしょうか。この、何とも言えない気持ちは」

男「いいんじゃないか。そのときが来たときに、考えれば」

男「俺が生きてようが生きてまいが記憶と痕跡を消されるなら」

男「深く考えないことだな」

女「・・・それが出来れば・・・苦労はしないんですけどね・・・」ボソッ

男「ん?何か言った?」

女「いえ、それもそうだなぁ。と思いまして」

人が知りえぬ場所

ケルベロス「・・・」スヤスヤ

ハーデス「・・・」ナデナデ

???「・・・報告に来た」スタッ

ハーデス「ご苦労」

???「あの子が感情を取り戻し始めている」

ハーデス「やはりな」

???「このままでは。お前との契約が切れてしまうのではないか?」

ハーデス「そう簡単に切れるような契約ではない。切れたら切れたでそれも面白そうだが」

ハーデス「しかしそれなら・・・ふふ、楽しくなりそうだ」

???「・・・また来るよ」

ハーデス「ああ、待っている」

ハーデス(見せておくれ。神が予想できぬ出来事を)

今回はこの辺で

ひゃーはー

サイカイシマス

そろそろ終わりにします

残り五日

女「おはようございます男さん」

男「悪いな。急に呼び出して」

女「いえ、私も暇でしたので」

女「妹ちゃんには少し睨まれましたけど・・・」

男「仲が良さそうでよかった」

女「ええ、おかげさまで」

男「じゃあ、行こうか」

女「・・・そう言えば、二人きりで出歩くのは初めてですね」

男「そうだな。いつもはあいつか妹が居たからな」

女「なんだか、少しドキドキします」ニコッ

男「あ、ああ」ドキッ

女「今日はどちらへ?」

男「内緒」

女「え?」

男「お前を連れていきたいところがある」

男「まぁ、持ってるもの見ればわかるかな」ガサッ

女「・・・ええ、なんとなく」

男「最後に、顔を見せたくてさ」

女「ええ、お付き合いします」

その頃

男友「なんだよいきなり呼び出しやがって」

妹「うるさい。いいから付き合ってよ。どうせ暇だったんでしょ?」

男友「まぁな。で?どこ行くんだ?」

妹「どこに行くってわけじゃないんだけど」

妹「今、一人で居たくないっていうか」

男友「はぁ?俺じゃなくても、女ちゃんかあいつが居んだろ?」

妹「あの二人は、二人で出かけた」

男友「なんだそうか」

妹「・・・だから、一緒にいて欲しいの。家に一緒にいてくれてもいいし」

男友「・・・はぁ・・・わかったよ。じゃあとりあえずファミレス行くぞ」

男友「ジュース飲みながらでもどこ行くか考えようぜ」

妹「ん・・・ありがと」

ファミレス

妹「パフェ美味しい」

男友「そりゃよかった」ズズッ

男友「・・・それで、どうする?」

妹「何も考えてないよ」

男友「どこに行くかじゃなくて、五日後」

妹「・・・」

男友「どうせ、それが不安で俺のこと呼びつけたんだろ」

妹「・・・あんたは、寂しくないの?」

男友「さぁな」

妹「なにそれ」

男友「俺は半信半疑だ。冷静に考えたら、ありえない話なわけだ」

妹「でも、あのふたりが口裏合わせて嘘ついてるとは思えない・・・でしょ?」

男友「そんなところ」

男友「あいつは嘘を付けないし、女ちゃんも嘘をつけるほど器用じゃない」

妹「それは、私もわかってる。あの二人、すぐに顔に出るし、癖も出る」

妹「お姉さんに至っては、姉さんそっくり・・・」

男友「俺は五日後、どうなろうとなんとかなると思っている」

男友「だけど、お前はそうはいかないだろ」

妹「・・・わかってる。全部、自分の中では答えがある」

妹「だけどさ・・・」

男友「深く考えるな。悪い癖だ」

妹「あんたと一緒にしないで」

男友「悪いな。俺は小さい頃からお前らと違って頭も悪いし考えるのが苦手なんだ」

男友「それに、あいつに頼まれた事を無視するわけにはいかないしな」

妹「・・・私について、何か頼まれたの?」

男友「さぁな。全部終わったら、話してやるよ」

妹「・・・ケチ」

男友「奢らねぇぞ」

妹「ごめん。っていうか割り勘でいいよ」

男友「いいよ。最初から奢るつもりできてる」

墓場

男「・・・よし・・・綺麗になったし、黙祷もした」

女「幼馴染さんのお墓ですね」

男「ああ、亡くなった奴に優しくしても、いいことはあってもバチが当たることはないからな」

女「ええ、そうですね」

男「付き合ってくれてありがとな・・・それと、お前さ」

女「はい?」

男「幼馴染の日記の最後のページ見たのか?」

女「・・・まだですよ。あのページを開こうとすると、左目が痛むんです」

男「日記の最後のページの内容と幼馴染の最後、知りたいか?」

女「教えていただけるのなら」

男「・・・少し、きつい話になるが、それでもいいか」

女「・・・っ」ズキッ

女「ええ、大丈夫です」

男「そうか・・・じゃあ、話すぞ」

男「日記の最後のページに書かれていたのは、人間が嫌いなこと」

男「いじめっ子達に犯されてからの下世話」

男「それを業務的に受け入れていた自分が嫌になっていたこと」

男「・・・そして、俺に向けての言葉だった。それが淡々と、綺麗な字で書かれてただけだったな」

女「そ、そうですか・・・っ」ズキッ

男「大丈夫か?」

女「ええ・・・続けてください。幼馴染さんの最後は?」

男「妹から聞いた話と警察から聞いた話を簡単にまとめたものだから、正しくはないんだが」

男「いじめっ子達はいつもあるところに幼馴染を呼び出して、性的な事をしてきた」

男「そして・・・妹も何回か拉致られた。それで」

女「妹ちゃんに手を出そうとしたんですよね」

男「そう言えばここまでは話したんだっけな」

女「聞けなかったこと、聞かせてもらいます」

男「あまり想像したくないことなんだけどな・・・」

男「その時、いじめっ子は三人全員居て、幼馴染は二人の男の性器を上と下で咥えさせられてた」

男「だが、もうひとりが妹に手を出そうとした」

男「幼馴染は、妹の叫び声を聞いた瞬間に、口で咥えさせられていた性器を噛みちぎった」

男「噛みちぎられた男は、突然のことに一瞬放心し、その後の激痛によりショック死をしたらしい」

男「もう一人、下に入れていたいじめっ子は後ずさりし、そして、幼馴染は妹に手を出そうとしたいじめっ子に近づき」

男「不敵な笑みを浮かべながらいじめっ子の髪を掴み、死ぬまで壁に頭を叩きつけた」

男「妹はその間、怖くて声も出せなかったらしい」

男「それから、妹を脅していたナイフを、叩きつけて殺した、いじめっ子から抜き取り、そのナイフを腰を抜かしたいじめっ子の胸に」

女「うっ・・・」ズキンッ

男「なんの躊躇いもなく、突き刺して殺した」

女(左目が痛い。頭も痛い。胸が痛い)

男「その後、縛られていた妹を助け、先ほどまでの怖い笑みではなくいつもの優しい笑顔でこういったそうだ」

幼馴染『ごめんな。お前の優しいお姉ちゃんには、戻れそうもない。振り返らずに逃げてくれ』

男「妹は少し戸惑ったけど、お願いだ、と言われて仕方なくその場から逃げた」

男「逃げている後ろで、幼馴染の高笑いが聞こえてたらしい」

女「・・・壮絶な最後ですね」

男「妹はその後、警察に連絡した」

男「幼馴染は、自分の首を切って自殺したと聞いた」

女「妹ちゃんに直接話させようなんて、すごく酷でしたね」

男「・・・」

女「どうして、私に話したんですか?」

男「知りたかったんだろ?」

女「そうですが・・・あまり教える事に乗り気じゃなかったじゃありませんか」

男「そうだな。俺が、お前を本当に好きになったからかな」

男「何も出来なかった男にこのまま付き合わせるのはなんか嫌だったから」

女「・・・うっ!?」ズキンッ

女「ひ、左目と頭が・・・!!」ズキンズキン

男「大丈夫かっ!?」

女「・・・あれ、痛みが・・・」スゥ

男「わ、悪い。俺がこんな話したせいで」

女「いえ・・・あれぇ・・・身に覚えのない記憶が・・・」

男「どうした?」

女「この記憶って・・・幼馴染さんの・・・」

男「・・・っ!?どういうことだ!?」

女「・・・いえ、気のせいです。ごめんなさい」

男「お、おい!」

女「・・・今日はもうよろしいでしょうか?」

男「あ、ああ・・・今日は付き合ってくれてありがとうな」

女「いえ・・・それでは」ザッ

男「・・・あいつの左目・・・右と同じ色になってたぞ・・・?」

その夜

妹「お姉さん?」

女「・・・」

妹「お姉さーん?」

女「あ・・・はい?なんですか?」

妹「どうしたの?なんか上の空だけど」

女「いえ、深い理由はないですよ・・・今日はちょっと疲れたので部屋で休みますね」

妹「そっか・・・おやすみ」

女「はい、おやすみなさい」

女の部屋

女(鏡を見たら、私の左目の色が右目と同じになっていた)

女(ハーデス様との契約が切れたと言う事でしょう)

女「しかし、何が原因で」

男『本当に好きになった』

女「・・・」ギュッ

女「頭も目も痛くないのに、胸が苦しい」

女「・・・日記」スッ

女「痛くならない・・・」ペラペラ

ペラッ

女「・・・男さんの言った通り、書いてありますね・・・」

女(でもなぜでしょう。この文面、私が以前・・・)

女「幼馴染さんの記憶でしょうか・・・でもどうして」

日記『男へ。お前のためなら命を捨てられるほど本当に大好きだった』

男の部屋

男「ああ、そうか。ありがとな」

男友「オッドアイじゃなくなったのかー残念だな」

男友「俺もなんとなく、女ちゃんには幼馴染の影を感じてはいたよ」ペラッ

男「やっぱりそうか」

男「でもなんで隠してたんだろうな」

男友「隠してたわけじゃないんじゃねーの?」

男「それだったらいいんだが」

男友「まぁ、後五日の命だ。せいぜい、大好きな女ちゃんのためにも頑張るんだな」

男「うるせぇ。ってかなんでお前泊まる気満々なんだよ」

男友「いいだろう別に。明日一緒に出かけんだから」

男「俺はもう寝るぞ」

男友「ん。俺も少ししたら寝るよ」

男「寝るときは電気消して苦慮」

男友「へいへい」

今回はこの辺で

苦慮ってなんだよ・・・

訂正
苦慮⇒くれよ

ちょっと再開

数十分後

男「・・・」

男友「・・・」ペラッ

男「・・・お前は、寝ないのか」

男友「なんだ。まだ起きてたのか」

男「まぁ・・・」

男友「悩んでたって仕方ねぇよ。女ちゃんの言葉が嘘だということを信じるしかない」

男友「死ぬ方も、記憶の方も」

男「・・・あいつが嘘をついてるとは思えない」

男友「お前は相変わらずお人好しだな」

男「死ぬのは怖くない。元から自殺しようとしてたんだ」

男友「初耳」

男「死ぬのは怖くない。ただ、死にたくはない」

男「たった二十日ほど一緒に居ただけなのに、ここまで思えるのはなんでだろうな」

男「そう考えだしたら、眠れなくて」

男友「もしかしたら、幼馴染なんじゃないかって、思ってんだろ?」

男「・・・」

男友「人は生き返ったりしねぇよ」

男「そりゃ・・・」

男友「死んだら、そいつは居なくなるんだ。それはお前が一番知ってるはずだ」

男「・・・俺の気持ちなんて」

男友「分かりたくねぇよ。そんな辛い気持ち。せめて三十路超えてから分かりてぇよ」

男「あのさ・・・お前に一つ言いたい事があるんだ」

男友「やめろ」

男「・・・ありがとな。俺なんかと一緒に居てくれて」

男友「・・・もし、五日後、生きてたら、二発に増やすからな」

男友「俺だって・・・寂しいんだよ」ペラッ

男「ごめん」

男友「お前は、俺にとって初めての友達だったから」

男友「・・・寝る」パタッ

男「・・・おやすみ」

男友「ああ・・・おやすみ」バサッ

四日後の夜

夕食後

男「・・・よし・・・書き終わった」

妹「・・・書き終わっちゃんたんだ・・・」

男「ああ・・・母さんと、父さんに宛てた手紙」

妹「そう言えば、こうして二人きりで話すのは久しぶりだよね」

男「そうだな。最近はずっとあいつらのどっちかが居たからな」

妹「もう、こうする事ができないんだね」

男「今は泣くな。泣くなら、俺の葬式の時にでも盛大に泣いてくれ」

妹「泣かないよ。お兄さんと約束した。私はちゃんと一人で生きていく」

男「頼るときは男友に頼れよ」

妹「どうしようもなく我慢ができなくなったらね」

男「さて、明日も学校だ。早めに寝よう」

妹「やだ」

男「わがまま言うな」

妹「やなものはやだ」

妹「最後のわがままぐらいいいでしょ」

男「・・・しょうがねぇな」

妹「・・・久しぶりにあれやってよ」

男「そんなんで本当にこれからやってけんのかよ」

妹「最後だから・・・最後だからお願い」

男「わかったよ・・・」

妹「・・・姉さんにも何回も頼んだなぁ。膝枕」

男「いつもしてたもんな。俺かあいつの膝で」

妹「すごく落ち着くから」

男「・・・」ナデナデ

妹「ん・・・」グスッ

男「泣くなよ」

妹「泣いてない。鼻水」

男「誤魔化し下手か」

妹「お兄さんに嘘ついたことなんて滅多にないもん」

妹「このまま寝たい」

男「好きにしろ。俺は何とかして寝るから」

妹「でも・・・まだ、話したいことが・・・うう・・・」

男「・・・」

男(気疲れしちゃったのか・・・俺の知らないところで泣いてんだろうな)

ブーッブーッ

男「ん?こんな時間に着信?」

ピッ

男「もしもし」

???『・・・』

男「もしもし」

???『泣きます』

男「いきなり泣きます言われても困る」

女『あなたにはやはり、死んで欲しくありません』

男「死神の仕事放棄すんな」

女『私個人の気持ちです。あなたには、生きて一緒にいて欲しい』

男「そんなこと言われてもな」

女『どうにか出来ないでしょうか・・・』

女『ハーデス様の所にはいけないし、ずっと涙が流れて困っています』

男「よく喋れるな」

女『声を殺してます』

男「何言ってるかわかんねぇや」

女『急に、お墓参り行った日から、どうしてもあなたが気になって仕方なくて』

女『死んで欲しくなくなってしまって、毎日、寂しくて』

男「・・・」

女『なんでしょうか。突然なんです』

女『私はどうしたらいいんでしょうか』

男「・・・今まで通りでいいだろ。初めてあった時みたいに」

女『・・・そう・・・ですよね。それしかありませんよね・・・』

男「切るぞ」

女『はい・・・ごめんなさい。あなたの声が聞きたかったんです・・・』

男「・・・おやすみ」

女『おやすみなさい・・・』

ピッ

男「・・・バカ野郎・・・せっかく・・・せっかく覚悟決めたのに・・・」

最後の日

昼の屋上

男「・・・」

男友「・・・」

女「・・・」

妹「・・・」

黒猫「ニャー」スリスリ

男「・・・」ナデナデ

男(不思議だな。会話がないのに、ちょっと嬉しそうな雰囲気が漂っている)

妹「このまま・・・何も起きなければいいのに・・・」

女「こうして、ずっと座っていたいです・・・」

男友「・・・」

放課後

帰宅中

女「あとは家に帰って、家でじっとしてれば勝ちですね!」

男友「ああ、そうだな」

妹「後で何かご飯作って持ってくよ!」

男(時間が経つに連れて、三人のテンションが徐々に上がっていくのがわかる)

男(俺もこいつらと、もっと一緒に居たいもんだ)

???「すみません・・・女さん・・・ですよね?」

女「え?はい・・・そうですけど・・・」

???「よかった!人間違いだとしたらどうしようかと思いましたよ!」スッ

???「実はですね・・・」キラッ

男「・・・っ!?女!逃げろ!」バッ

女「えっ・・・」

ドスッ

ポタっ

ポタっ

男(これが死因か)

男(冷静に考えてる場合じゃないけど、なんとなくそれがわかる)

男(脇腹に刺さる。冷たい物)

???「あ・・・あ・・・」

ズズッ

男「いてぇ・・・」ガクッ

男(お前ら、救急車でもいいから呼んでくれよ。何ぼーっとしてんだよ)

男「まぁ・・・こんな死に方もいいかな・・・」ドサッ

男(なぁ・・・幼馴染・・・これでよかったんだよね)

男(大切な人を守って死ぬなんて、君みたいでかっこいいよね・・・)

男(でもどうしてだろう・・・今、すごく幸せな気分だ)

人が知りえぬ場所

ゼウス「ほっ!?この賭けは引き分けかの?」

ハーデス「今日中に死ねば引き分けだな」

ゼウス「息も絶え絶えではないか」

ハーデス「私の目にはまだ死ぬとは出ていない」

ハーデス「ゼウスよ。私の勝ちだ」

ゼウス「何を根拠に」

ハーデス「あなたには見えなくて、私には見える。それだけのことだ」

ハーデス「ゼウスよ。人間は不思議な生き物だ」

ハーデス「自分のためだけに生きようとする人種と、誰かのために生きようとする人種」

ハーデス「その二通りも居る。細かくすれば数え切れぬほどに」

ハーデス「その人間一人一人、必死に、例えば雑草の様に生きようとする」

ハーデス「私は、一生懸命に生きようとする姿が好きだ。どちらも捨てがたい」

ハーデス「だが、それよりも、神と呼ばれる我々の決めた必然を」

ハーデス「人間が言う運命。それに抗う様はもっと好きだ」

ゼウス「何が言いたいのじゃ」

ハーデス「人間が言う奇跡。それを起こる瞬間ていうのが、とても好きなんだ」

ハーデス「我々に逆らおうとする彼らの姿、そして奇跡を起こした時の笑顔がとても好きなんだ」

22時

病院

男友「・・・」

妹「うぐっ・・・えぐっ・・・側に居たのに・・・」グスッ

女「・・・私のせいで・・・」

キィ

男友「先生!」

妹「お、お兄さんは!」

医者「あの男の子の手術は成功した。あとは、あの子の気力次第だ」

医者「君も治療をした方がいい」ソッ

女「・・・いいんです。私は」

男友「・・・あいつの事は俺と親に任せて、お前は治療しにいけ」

女「・・・」コクッ

男「・・・ここは」

ハーデス「目が覚めたか?」

男「あんたは?」

ハーデス「あの子の雇い主だ」

男「あんたがハーデスさんか・・・じゃあここはあの世か?」

ハーデス「さぁね。あとは君の気力次第だ」

男「・・・そうか」

ハーデス「このままでは、肉体から魂を切ってあの世につれていかなければならなくなるが」

男「俺は、死んだのか?というか、あんたたちが弄んだんだろ。俺の命を」

ハーデス「ふむ。少し違うな」

男「はっ?」

ハーデス「君の死は、元から決められていた。それを目安に、私達で賭けをしただけさ」

男「結局、俺はこの日に死ぬのか」

ハーデス「ああ」

男「・・・魂になると、力が抜けるんだな。何もする気が起きない」

ハーデス「そうか」

男「大切な人を守って死ねるなら、本望さ」

ハーデス「そうか」

男「なぁ」

ハーデス「なんだ」

男「一つだけ知りたい。あの子はどうなる」

ハーデス「お前の望む通りにしてやろう」

ハーデス「私と奴が、送り込んでしまった人間だからな」

ハーデス「命を張った君に、ご褒美だ」

男「そうか・・・じゃあ、頼もうかな」

0時過ぎ

ピッ

ピッ

男友「なぁ、お前の体力次第だってよ。早く元気になって殴らせろよ」

男「」

妹「ねぇ、お兄さん。元気になったら、私の買い物付き合ってね。」

妹「私はまだ、お兄さんが好きだから」

男「」

女「・・・」

女(咄嗟の事で、私の腕であの人に刺さる刃を止められなかった・・・)

女(私の腕を掠めて、刃物はあの人に)

男「」

女「また、あなたと、一緒に・・・幼馴染さんの・・・」

ピッ

ピーーーーーー

翌日

世の中の人間の記憶が塗り替えられた

女は、当たり前の様に、妹の姉として育った事になっていた

女の記憶から、使命は消え、男という幼馴染の死に直面した普通の女の子になった

ハーデス「さて・・・賭けは私の勝ちだ。ゼウスはまともに仕事をするためにした賭けだが・・・」

ハーデス「これで、世の中もうちょっとはましになるだろう」

???「結局、あんたの必然に人間が踊ろされていただけだな」

???「と言うより死因が、イケメン妹による復讐から女を守るためって・・・」

ハーデス「あの子らしいんじゃないか」

???「ああ・・・そうだな」

ハーデス「どうだ。君の魂の片割れが、普通の人間として、過ごしているのを見るのは」

???「あの子はいい子だから、いいんじゃないの?」

ハーデス「にしても、君は少し、露骨すぎたんじゃないか?」

黒猫(幼馴染)「猫なんだから仕方ないでしょ」

黒猫「まったく、あんたの思い通りになって面白くない」

ハーデス「生き物の魂にはそれぞれの一生を記憶されている。それを封印して、転生させるのが世の理」

ハーデス「彼女との契約は、感情を無くすための契約に過ぎない」

ハーデス「神との契約を、人間同士で打ち破った。十分な奇跡だと思うが」

黒猫「どうせそれも計算済みでしょ」

ハーデス「視野には入れていた」

黒猫「だったら、必然じゃん」

ハーデス「必然だった時間より、大幅に更新して翌日に死んだんだ奇跡だ」

黒猫「はいはい。あの子が腕で掠めなければ予定通り死んだってことでしょ」

ハーデス「感情を取り戻すことによって、一緒に出てきた君の記憶が拍車を掛けたんだろう」

ハーデス「君は真面目だ。だから、もし感情を取り戻さなければ、予定通りだっただろう」

ハーデス「にしても君は演技の才能があるんじゃないか?」

黒猫「そりゃどうも」

ハーデス「さて・・・そろそろ仕事に戻るとするか」

黒猫「不幸を適度にばら蒔く仕事、お疲れ様」

ハーデス「どうだ?私の使い魔にはならないか?人が一人減ったんだ」

黒猫「遠慮しとく。このまま猫としての一生を全うする」

黒猫「私の魂を入れるために使ったこの猫の体も、もう限界みたいだし」

ハーデス「そうか」

黒猫「あいつによろしく」

黒猫は目を閉じた

ハーデス「・・・すまない。この先、未来で生まれ変わったのなら、マシな世になっていることを誓おう」

ハーデスは姿を消した







その後、小さな不幸がばら蒔かれ、人は幸せをかみしめながら生きた





これにて終わり

強引なのは百も承知

人間に、過度な幸せを与えてはいけない(戒め)

本当は生き残らせたかった(小声)

もう依頼してしまったので後日談はなしだ!
申し訳ない


後日は皆さんのご想像にお任せします

便利な言葉ですよねこれ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月03日 (水) 23:58:28   ID: f3ekvve-

これぞ人間の心理の核心。
マジ感動した。

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