まゆ「もう一年の半分が終わったってことですねぇ」

橘ありす「ほんの少し前に年が明けたばかりのような気がしますけど」

まゆ「藍子ちゃん能力使いました？」

藍子「使ってないです。そもそも能力なんて……そんなの持ってませんよー」

ありす・まゆ「えっ」

藍子「えっ」

まゆ「またまたご冗談を」

ありす「なんですかその口調」

まゆ「藍子ちゃんが時間操作能力を持っていないなんて……そんなの奈緒ちゃんからアニメゲーム要素を抜いたようなものです」

ありす「ただのツンデレになりますね」

神谷奈緒「聞こえてるぞお前ら」

まゆ「もしくは料理含めた家事が苦手になった響子ちゃんみたいなものです」

ありす「でも積極的にお世話をするんでしょう？ドジっ娘メイドでしょうか」

まゆ「さらに言うならフランス語がペラペラのフレデリカさんみたいなものです」

ありす「アイデンティティ崩壊してます。それはフレデリカさん以外のナニカです」

藍子「そこまで言いますか……？」

まゆ「泰葉ちゃんがいきなりキャピキャピギャルになって語尾に星とかつけちゃうようなものです」

奈緒(キャピキャピって……)

ありす「……それは泰葉さんならできそうでは？」

藍子「できそうですね。どうですか？」

岡崎泰葉「……できると思いますけど、やりませんよ？」

藍子「でもこの前そういう撮影……」

泰葉「ありましたけどやりませんよ？」

まゆ「ギャル崎泰葉ちゃん……」

泰葉「や り ま せ ん よ ？」

まゆ「はい」

奈緒(後ろになんか見えたぞ……)

ありす(泰葉さんなら守護霊かなにか召喚できそうですし)

奈緒(わかる、先輩だからな)

ありす(先輩ですからね)

泰葉(できません、2人にとって先輩ってなんだと思ってるの……)

まゆ「七夕もいつの間にか終わってましたねぇ」

ありす「ほんとはこれ七夕の前予定だったらしいですよ」

藍子「予定？」

奈緒「メタいメタいメタいメタい」

まゆ「七夕……織姫と彦星の話ってロマンチックですよねぇ」

ありす「ちなみにまゆさん、どっちがベガでどっちがアルタイルかご存知ですか？」

まゆ「えっと……ベガが織姫でアルタイルが彦星……？」

藍子「言われてみるとパッと出てこないですね」

奈緒「あってるぞ。こと座のベガが織姫、わし座のアルタイルが彦星。そこにはくちょう座のデネブが入ると夏の大三角ってやつだな」

ありす「奈緒さん意外と詳しいんですね」

奈緒「ま、まぁな……」

奈緒(アニメの主題歌の影響とはいえねえ)

藍子「1年に1度だけ会える……って話ですよね」

泰葉「いわば身分違いの恋を引き裂かれた……という感じですが、実際そんなに悲哀でもないんですよね」

ありす「どういうことですか？」

泰葉「んー……捉え方にもよると思うんだけど、お話としてみると半ば自業自得とも言えるような……」

奈緒「あー……まぁ確かにそれはあるな」

まゆ「まゆはそこの話知らないです……一年に一度しか会えないってこと以外あんまり」

奈緒「簡単に言うと、織姫は牛飼いの彦星と恋に落ちて父親の許しを得て結婚する。でも結婚したら織姫は織り物をしなくなって、彦星は牛の世話をしなくなった。だから織姫の父親が激怒して2人を天の川で引き裂いた……って話だな」

泰葉「今後は真面目に働くことを条件に一年に一度だけ会うことを許された……それが七夕の日ですね」

まゆ「それは確かに2人も悪いかもしれません」

藍子「もしまゆちゃんが同じ立場でプロデューサーさんと引き裂かれたらどうします？」

まゆ「天の川を泳いで渡ります」

ありす「渡れないから七夕の日にしか会えないんですよ」

まゆ「Pさんのためならまゆに不可能はありません」

泰葉「織姫たちの立場だとしたら自分たちに責任はあるとしても？」

まゆ「Pさんのためであればまゆが正義です」

藍子「あとはやっぱり七夕といえば願いごとですね」

ありす「笹に短冊を、ですね」

まゆ「まゆの今年のお願いは」

藍子・ありす「聞かなくてもわかります」

まゆ「あうっ」

奈緒「そういえば笹にも花言葉があるんだよな」

ありす「え、笹って花なんですか」

奈緒「詳しくは知らないんだよなぁ……聞いたことあるくらいで」

まゆ「こんな時」
藍子「花言葉に詳しい」
ありす「そんなアイドルがいたら……」


相葉夕美「私のこと呼んだかな！」ﾊﾞｧﾝ!


泰葉「なんですかこれ」

奈緒「とんだ茶番だ」

泰葉「さっきからずっとウズウズしてるのは見えてましたけど」

夕美「笹についてだよね？笹は竹の仲間ではあるんだけど全くの別物なんだよ」

ありす「イメージ的に竹の小さい頃が笹って思ってたんですけど」

夕美「んー完全に間違ってはない……かな？単純に笹は小さくて竹は大きい品種なの。成長途中が笹ってわけじゃないんだよ」

藍子「そうなんですか……大きさ以外にも違いはあるんですか？」

夕美「葉っぱの葉脈ってわかるかな、表面の筋みたいなものなんだけど……あれが格子になってるのが竹で、平行になってるのが笹なんだよ。それ以外にも似てるんだけど違いはあるよ」

まゆ「それじゃあさっきの話ですけど、笹って花は咲くんですか？イメージないんですけど……」

夕美「咲くよ」

奈緒「マジで？」

夕美「マジだよ」

夕美「笹だけじゃなくて、竹の仲間は花が咲くよ。ただ普通の植物と違って周期がとても長いの」

ありす「周期？」

夕美「普通は1年に1回咲くでしょ？だから周期は1年。でも竹の仲間は短いもので60年、長いものだと100年以上に1回だけ花が咲くの」

奈緒「そりゃあ随分長いな……」

まゆ「花言葉もあるんですか？」

夕美「あるよ。笹全般の……ってことだと花言葉は『ささやかな幸せ』だね」

藍子「なんだかいい言葉ですね」

泰葉「もともと竹は縁起物ですし、そこからの繋がりかもしれませんね」

ありす「たしかに七夕の日にはぴったりな言葉です」

？？「笹の『ささ』やかな幸せ……ふふっ」

夕美「でもあんまり竹や笹の花っていい印象ないんだよね……」

まゆ「そうなんですか？」

夕美「うん、たまにしか咲かないでしょ？その年に災害があったりして不幸の前触れだなんて言われることもあるの。偶然だと思うんだけど言い伝えってそういうものだから……」

藍子「綺麗な言葉なのになんだが残念ですね」

奈緒「……まて、今の誰だ」

夕美「ちなみにカエデの花言葉は『大切な思い出』『美しい変化』だよっ！」

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佐々木千枝「えへへ、できました♪」

塩見周子「おっ、上手にできとるやん」

泰葉「むっ、意外と難しいですね……」

千枝「千枝が教えてあげますね！えっと……」


ありす「あれなにやってるんですか」

まゆ「お団子作ってるみたいですよぉ」

藍子「なんでまたそんな……？」

まゆ「8月の十五夜の予行演習だそうです」

ありす「予行演習って……」

藍子「それで団子作りですか……」

ありす「まったく、なんでそんな……」

藍子「ならうどん作りも練習した方がいいですねっ♪」

ありす「なんでですか！」

まゆ「月見と月見うどんってことですか……？」

奈緒(藍子って時々すっとぼけなこと言うよな)

藍子「む、すっとぼけとは失礼ですよ奈緒ちゃん」

奈緒「ナチュラルに心を読むな心を」

ありす「はぁ……相変わらずよくわからないところですねここは」

まゆ「わからないことほど面白いって有名なアイドルも言ってましたよ」

ありす「誰ですか」

まゆ「今考えました」

ありす「まゆさん！！」

奈緒(ありす過労死が見える)

藍子「は～まゆちゃん威嚇してるありすちゃん可愛いですねぇ……」

奈緒「藍子って結構……いやなんでもない」

藍子「ふふっ、こんな平和な日常こそが私が願ったささやかな幸せですよ」

奈緒「あ、コイツうまいことシメようとしやがった」