少年「……ん」
ギシギシ… ドタンバタン…
少年「んもう、うるさいなぁ……真夜中だってのに」
少年「パパとママがまたプロレスごっこしてる……」
少年「ぼくも混ざりに行くか……」
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カーンッ!
少年「さぁ、始まりました! WGY(我が家)タイトルマッチ!」
少年「実況はいたいけな少年である、このぼくがお送りいたします!」
パパ「……」ジリ…
ママ「……」ジリ…
少年「さぁー、リング(寝室)の中央で両者様子をうかがっているが……?」
ママ「うおおおおっ!」ダッ
ドカッ!
パパ「ぐはっ!」
少年「いったぁーっ!」
少年「ママのラリアットがパパに炸裂ゥ! パパの首の骨は大丈夫かーっ!?」
パパ「ぬうっ!」ガシッ
ママ「!」
パパ「でやぁぁぁっ!」ドシッ
少年「しかし、すかさずパパがボディスラムを返す!」
少年「マット(布団)に背中から叩き落としていったーっ!」
パパ「オラッ! オラッ! オラァッ!」
ドカッ! ドカッ! ドカッ!
ママ「……!」
少年「そのまま容赦ないストンピングを浴びせていくーっ!」
少年「ママ防戦一方かーっ!」
少年「いや……!」
ママ「ふんっ!」ギュルルッ
パパ「うおっ!」ドザッ
少年「ママ、一瞬のスキを突いて足をとらえ、アキレス腱固めを決めたーっ!」
ママ「しゃああっ!」グググッ…
パパ「ぐぐぐ……!」
少年「ギブアップ?」
パパ「ノー!」フルフル
ママ「しゃああああっ!」ググググッ…
パパ「ぐぐぐぐぐ……!」
少年「パパ、なんとかロープ(カーテン)に逃げ込もうとする!」
パパ「でやっ!」ガシッ
ママ「くっ……!」サッ
少年「ここでロープブレイク!」
少年「両者立ち上がって、再び攻防が始まります!」
ママ「だああっ!」ダッ
ドカッ!
パパ「ぐはっ!」
ママ「よっしゃあ!」ガシッ
ママ「そりゃ!」ブオンッ
パパ「ぐおおっ!」タタタッ
少年「ママ、十八番のラリアットから、パパをロープにふって、返ってきたところを――」
パパ「オラァッ!」ブオッ
ズガァッ!
ママ「あがぁっ!」ドザッ
少年「うわっと、カウンターでパパのエルボーが火を噴いたぁっ! これは強烈だ!」
パパ「だあっ!」ガバッ
少年「パパ、すかさず押さえ込んだ!」
少年「ワン! ツー! スリ……」
ママ「ふんっ!」グンッ
少年「カウント2.9! カウント2.9でママが立ち上がりました!」
少年「もう両者、スタミナは残っていないでしょう! 二人に残るのは気力のみか!」
少年「果たしてどちらがWGYチャンピオンの栄光をつかむのか!?」
パパ「うおおおっ!」グオッ
ママ「……!」
少年「パパが仕掛けた! 伝家の宝刀エルボーを――」
ママ「だっ!」サッ
パパ「!?」
ママ「もらったぁ!」ガシッ
グオオッ! ドシンッ!
少年「き、決まったぁーっ!」
少年「エルボーをかわして後ろに回り込み、みごとなジャーマンスープレックス……」
少年「いや、ジャーママンスープレックスを決めてみせたぁぁぁ!」
少年「ワン! ツー! スリー!」
カンカンカンカンカーンッ!
少年「決まったーっ!」
少年「WGY王者は、ママだーっ!」
ママ「いよっしゃあああああああああっ!!!」
ママ「ふぅ~、楽しかったわね」
パパ「ああ、寝る前にいい汗かけたよ」
少年「ぼくも楽しかったーっ!」
ママ「この子ったら……こんな時間なのに起きてきちゃうんだから」
パパ「だけど、いつもながらいい実況とレフェリングだったよ。盛り上げてくれてありがとう」
少年「へへっ」
パパ「それじゃ、明日も学校だろう? おやすみ」
ママ「ちゃんと布団かけて寝るのよ」
少年「おやすみなさーい!」
……
……
少年「ってわけで、大変だったよ」
少女「まぁっ、真夜中にプロレスごっこなんて元気なご夫婦ね」
少年「だろう?」
少年「おかげで、今日は睡眠不足で、眠くて眠くて。ふああ……」
少女「授業中もずっとあくびしてたものね」
少年「だからさ……今から一緒に寝ない?」
少女「えっ、まだ昼間だよ?」
少年「真昼間だからいいんじゃないか……」
少女「まあいいけど……野外ってのはイヤよ。お洋服が汚れちゃう」
少年「あっちにいいラブホがあるんだ。頼めば小学生でも入れてくれる」
少女「えっ、ホント? すごい!」
少女「あっ、だけどちゃんとゴムはつけてよ」
少年「分かってるって!」
おわり
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