真「『ベルトファイター』ですか」P「ああ」 (31)

P「平成ライダーとか(笑)」シリーズにインスパイアされてます

のんびりやる予定です

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真「これ企画書見た限りまんま仮面ライダーですよね」

P「もちろん当方からは許可を貰ったいる。ま、公認パロディーって奴だ」

真「生っすか!?の新しい企画ですよね」

P「ああ、来月終了予定の『菊地真改造計画』の後釜としてスタート予定だ」

真「…プロデューサー」

P「いや、お前の言いたい事は分かる。だが先に話を聞いてほしい」

真「内容によっては分かってますよね?」ポキンッ

P「任せんしゃい」

P「先に言っておくがまだ『ベルトファイター』の企画はまだ確定というわけじゃないからな」

真「そうなんですか?」

P「お前が立案した『真ちゃんが行くケーキ屋巡り』もまだ候補として残っている」

真「よかったー…。ならベルトファイターの話は蹴ってそっちで進めましょうよ」

P「果たしてそうして良いものかな?」

真「…どういう意味ですか」

P「断言しよう!俺の説明を聞き終わったらお前は迷わずベルトファイターを選択すると!」

真「なら早く説明して下さいよ」

P「どんだけしたくないんだよ…」

真「当たり前です」

P「そりゃそうか。では気を取り直して説明しよう!『ベルトファイター』とは普通の女子高生菊地真がある日特別な力に目覚めて以降、可憐な戦士ベルトファイターに変身し悪の組織と戦う物語である!ちなみにこれがスーツのデザインね」ペラッ

真「…あれ、仮面ライダーじゃない…?」

P「さっきから言ってるがベルトファイターだからな。玩具展開の関係上、仮面ライダー同様ベルトで変身するが基本的なデザインはどっちかと言えばプリキュア寄りだ」

真「口元から上が仮面ライダーチックなデザインの装飾があるだけで、基本的には顔が見えるデザインなんですね」

P「そりゃそうだろ。アイドルが顔を見せなくてどうするんだ」

真「でもこれって必然的にアクションとかもボクがするん感じですよね?」

P「そこまで派手な事をする予定はないがそうなるな。『可愛い少女が可憐に悪の組織と闘う』それがベースコンセプトだからな」

真「か、かわ、かわいい!?」

P「なぜそこで反応する」

真「い、いえ。てっきり『カッコ良く』的なものとばかり思ってて…。ほら、ボクは、」

P「あのなぁ、女性アイドルってのは基本的に可愛くてなきゃできんだろ。真が男なら別の話だか」

真「ボクは女です!」

P「分かってる分かってる。だから気にすんな、真はかわいい女の子だ。ついでにカッコよく見える要素があるだけだ」

真「……」

P「…おいおいなんかこっちも気恥しくなってきたぞ。とにかく!この企画はお前のその『可愛さ』と『カッコ良さ』を同時に引き立てる為として俺が考案したものだ。是非検討してほしい」

真「プロデューサーが立案したんですか?」

P「ああ」

P「最初はそれこそ闘うヒロインみたいな感じなのを出したんだかな…。如何せんスポンサーと少し折り合いがつかなくてな。で、調整した結果こうなった」

真「じゃあこのスーツのデザインは…」

P「一応俺が監修した。あくまでもアイドルがメインだからがっつり本家みたいな変身スーツに出来んしな」

真「…もう1度企画書読ませて貰っても良いですか」

P「いいぞー」

真(『カワいくカッコよく』ベルトファイター菊地真は正義のヒロインである。彼女が戦うマッキョーは世界征服を企む悪の秘密結社である。ベルトファイターは人間の自由のためにマッキョーと戦うのだ。…放映時間は番組コーナー内の10分。女子高生菊地真が街で事件を起こすマッキョーを倒すショート特撮。主演女優『菊地 真』…)

P「…どうだ?もし嫌ならお前の出してるやつで話を進めるけど…」

真「今回だけですからね」

P「おっ?」

真「今回だけはこれをやりますから。好評だったらもっとかわいいデザインの強化形態出してくださいよ?」

P「と、いうことは…」

真「…これで進めて下さい」

P「おっしゃー!な、言った通りだろ?」

真「別のこの企画を好きで選んだ訳じゃないですからね。ただ、プロデューサーが大変だったろうと思って…」

P「なに、俺はただ半年間関係各所に土下座して回ってただけだ。そんなでもない」

真「いや結構大変じゃないですか!?」

P「ふっ、お前の為なら苦でもないさ」キリッ

真「本音は?」

P「特撮の撮影現場見たい」

真「ですよね」

P「はっ!?」

真「まあいいですけど。プロデューサーなりにボクの事考えて企画してくれたんでしょうし」

P「おうよ!じゃあ早速今から先方に伝えくる次いでに今後のプランを話し合ってくるから」

真「動きが早いですね」

P「本来なら最低半年は必要な事を1ヶ月で済ませないといけないからな。で、真はこの後予定はないから先に上がっておいてくれ」

真「あ、はい」

P「じゃ、お疲れさまっ!」

真「お疲れ様でした」

バタバタバタ、ガチャン

〈自宅〉

ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛アマゾン!エボリュ・エ・エボリューション!!

アンコントロールスイッチ!ラビットタンクハザード!ヤベーイ!

真「一応変身シーンの参考にって渡されたけど、思ってたイメージと結構違うなぁ」

真(こう、『ライダー変身!』的なのかと思ってたんだけど…)

真「でもこんな感じでCGもりもり使ってるなら少しはかわいく変身できたりして…」

真一「なんだ、今更ハマったのか」

真「うあっ!?と、父さん!」

真一「昔お前に勧めた時は泣いて嫌がったのにな」

真「ち、違うよ。これは今度の設営の参考にって渡されたやつで」

真一「……」ポクポク、チーン

真「……」

真一「…そんな時もあるさ」ポンッ

真「この手はなに!?」

真一「いや、俺は別に育て方を間違ってるつもりもないし、よく分からんがその撮影も正直羨ましそうな話だと思ってるんだが」

真「いったいなんのはなしを…」

真一「次のライダーの主役に選ばれたんだろ?」

真「ふっ!」

フヒュッ!

バシンッ

真一「甘い甘い」

真(割と本気でやったのに簡単にとられちゃった…)

真一「なんだ、違うのか」

真「…説明するから聞いてよね」

カクカクシカジカ

真一「あの番組のコーナーの企画で、か」

真「…見てるの?」

真一「まさか。こないだ母さんがつけてたから偶然目に映っただけだ」

真「ふーん」

真(でもボクは知っている。母さんから父さんが録画してチェックしてくれている事を。これをツンデレって言うのかな)

真一「ともかくだ。媒体はどうあれ、男ならテレビでヒーローになれるのは憧れるものさ。そのベルトファイターっていうのでもだ」

真「ボクは女の子なんだけど」

真一「でも受けるんだろ?」

真「まあ、ね」

真一「ならこれだけ忘れるなよ」

真「?」

真一「男も女も関係なく、ヒーローたるは者は常に他者を想って動け。これだけは忘れるな」

真「いや、あくまで撮影だからね?」

真一「俺は演技に詳しくないが、気持ちの持ち方一つで見てる人が受ける演技の印象は変わってくるんじゃないか?それに…、」

真「それに?」

真一「…いや、なんでもない。ただ、折角ヒーローをやるんだ。誰かのヒーローになることは自覚してやるんだ」

真「そんな大袈裟な」

真一「ま、頑張れよ」

スタスタスタ...

バタンッ

真「ヒーロー、か」

真(視聴者層はちょっと違うけど、ボクも誰かに憧れるヒーローになるんだよね。どうせならヒロインの方が良かったけど)

真「でも、やるからには全力でやらないとダメだよね」チラッ

コッチ、コッチ...

真「よし!まだ寝る時間には早いけど、朝からレッスンがあるからもう寝ようかな」

ソノトキフシギナコトガ-

ピッ

真「よいしょっと」

キイッ

母「あら、もう寝るの?」

真「うん。明日早いからね」

母「何時に起きるの?」

真「5時くらいかな」

母「じゃあテーブルに朝ごはん並べておくから食べて行きなさいね」

真「はーい。おやすみなさい」

母「おやすみ」

スタスタスタ...

バタンッ

「……」

〈自室〉

真「よし、準備はこれでいいかな」

ピロリン♪

真「メール?雪歩からだ」

『件名:気をつけて

ついさっきお父さんから聞いたんだけど、最近真ちゃんの家付近で不審な事件が増えてるって…。明日も朝早いから、住宅街でも気をつけてね』

真「そう言えば母さんがこないだそんな事言ってた気がする…。確かに気をつけるに越したことはないか」

『re:ありがとう!雪歩も気をつけてね』

真「さて、寝よっか」

カチッ、カチッ

真「おやすみなさーい…」

真「……」

zzZ...

「……」

〈???〉

「…き……い………」

真「……」

「………さ………お」

真「……ん?」

「起きなさい、真」

真「うわあっ!?」

ドシンッ

真「ここは…」キョロキョロ

真(1面真っ白で何もない…)

真「ゆめ?」

「はい、ここは貴女の夢の中です」

真「いや、おかしいでしょ!?夢の中で夢って宣告は!」

「すいません。ですが、この様な形でしか出れないものですから…」

真「よく分からないんですけど、さっきから声だけ頭に響いて気持ち悪い…」

「これは失礼しました…。では直接お話ししましょう」

フワッ

真「っ!」

男?「これなら頭の中で響いては聞こえないでしょう」

真「え、ええ」

真(声質は男性的だけど、見た目はとても女性的な感じに見える…)

真(と、いうより…。さっきからなんだこれは)

男?「混乱させてしまい申し訳ありません。ですが、時間がないのです。例えこれが貴女にとってはただ夢の中であっても、刻は確実に針を進めています」

真「あの、これって夢…。ですよね?」

男?「それは貴女次第です…」

真「えっ」

男?「時間がありません。…少し辛い思いをさせるかもしれませんがこれを見てください」

ズオッ!

真「ちょっ…!飲み込まれっ」

ズズズ...

「こっちにいたぞ!」
「あっちはまだ無事らしい!?」
「くっ、自衛隊も麻痺してるのかよ!」
「誰か助けて…!」

ワー!キャー!

真「これは…」

真(燃える街に逃げ惑う人々…。まるで怪獣映画のような光景がボクの目の前に広がっている)

真「いったい何が」

男?「これは今から1年後の未来…。その可能性の1つです」

真「1年後の未来?」

男?「はい。そして今私たちはその未来に干渉不可の思念体として来ています」

真「…信じられない」

男?「…あくまでも貴女の夢の中です」

真「そう思いたいところですけど、夢にしてはあまりにも壮大すぎて…。もう、」

男?「そうですか…」

「zizizizi...」
「ば、化け物め!」
「防衛ラインが突破されました!」

真「あの黒い…、ゴキブリみたいな化け物は?」

男?「ある者達によってばら撒かれた悪意の化身です。これが同時刻に世界中で大量発生したことで、この後世界は破滅へと向かいました」

「くたばれ害虫がっ!」パンッ
「zizi...」ドチャッ
「ちっ、次から次に…」

真「自衛隊や他の国の軍隊では対抗出来なかったんですか?」

男?「…アレは人のほんの少しの悪意や怒りの感情だけでもそれを糧に増えていきます」

真「それって!」

男?「彼らは全ての感情のある生物が滅びるまでは無限に増殖するのです」

真「…どうして。どうしてこんなことに…」

男?「…本来ならば今貴女の目の前に広がる光景は、生きとし生きる子らが全ての判断を謝ってしまった場合にのみ辿りつく未来でした」

真「ならこの未来は、」

男?「残念ながら今、ほぼ全ての運命がこの未来へと歩みを進めています」

真「原因とかは分からないんですか!」

男?「私の方でもほぼ全ての可能性を覗いたのですが。殆どが一切共通点がない状態からちょっとした瞬間にこの状況へと変化していた為、解明出来ていません」

真「打つ手がないと?」

男?「現状では」

真「…なんだよそれ」

男?「…ですが、どの可能性でも唯一『ある共通点』が存在していました」

真「?」

男?「貴女の存在です」

真「…ボクの?」

男?「ええ。貴女の存在が私の知る唯一の共通事項でした。ですから貴女の前に現れたのです」

真「もしかしてボクは今この『可能性』にしか存在せず、それ以外では存在しない的な感じのことですか?」

男?「…当たらずも遠からずと言ったところでしょうか」

真「それってボクが!」

男?「あなたはどの可能性においても必ず、アレが出現する半年前に」

「 消 さ れ て い る の で す 」

真「」

男?「事件、事故、失踪、突然死。理由は様々ですが、恐らくは無関係とは言えない次元で確実に消されています」

真「…なんて反応してよいのやら」

男?「私は貴女を最重要特異点と見ています。だから貴女に―――、」

「こっちだ!こっちのシェルターは無事だ!」
「あっ…!おじさん!」
「その声は雪歩ちゃん!?」
「おじさんも無事でしたか?」
「ああ、なんとか」
「それは良かったですぅ…」
「さ、とにかく中へ…」

真「あれは雪歩と父さん!2人とも無事だったんだ…、良かったぁ」

バタンッ!
「逃げろ!すでに侵入されている!ここはもうダメだっ」
「ば、ばかな…。シェルターが機能しないならどうすれば」
「どうして…」

真「なっ!?」

男?「やはり…」

「ダクトから入られたのか?」
「分からん。何かに侵入された時点でアラームがなるはずだったんだか、どうにも避難先のホールに突如現れたらしい。時期に生き残ってる奴らがここに殺到するだろう」
「…とりあえずここから離れましょう。まだ無事なシェルターも残ってる筈ですし…」
「…それが懸命か」

真「設備の故障?」

男?「…このシェルターに異常はありません」

真「ならどうして化物がこの中にっ」

男?「…先程も言いましたが、彼らは該当する感情だけで無限に増殖します。しかし、それはある地域で発生し襲来するという形ではありません」

真「まさか、」

男?「…彼らはその場で誕生します」

真「……そんな」ヘタリ

男?「例えこの場を逃げきれたとしても、その先で必ず彼らは誕生します。安全な地域など、この時間で既に存在してません」

真「あなたの!あなたのその力でなんとかならないんですか!」

男?「私の力は直接干渉で使うことが出来ません」

真「…力があるのに見殺しにするんですか」

男?「…もし、私がほんの少しでもこの世界に直接干渉する力を使った場合、その瞬間この世界はビッグバンを起こすでしょう」

真「」

男?「申し訳ありませんが、私が直接力を使うことは出来ません」

真「じゃあ、どうすればいいんですか!?なぜ、ボクの前に現れたんですか!あなたが言う通りなら死ぬしかないボクの前に現れて!何の意味がっ」

「ぐわぁぁぁ!」
「うおっ!?前にもっ!?」
「囲まれてますぅ!」
「お、おしまいだ…。みんな殺さてしまうんだ…!」
「zizizizi…!」

男?「…これは一方的なお願いです。本来ならば考える時間を与えるべきですが、もう時間がないのです」

真「お願いってなにを、」

男?「真、生き残りなさい。運命に抗い、未来を創りなさい」

ポワッ

真「この光は…?」

ドクンッ!

真「あぐっ!?」

男?「…限界まで干渉力を抑えました。あなたには私の、そして、あなたに秘められている力を与えます」

ジュアアアアアア...!

真「あ、あつい…!体が…、あついっ」

男?「ここから先は私にも未来がどうなるかはわかりません。ですが、」スッ

真「!」

「ぐあっ!」
「zizizizi」
「あ、あ、あ……」
「逃げるんだ萩原さん!早く!」
「で、でも!血、血が…」
「俺が抑えている内に…。早く!」
「zizi!」
ブシャッ!
「がああああああああっ!」

真「父さんっ!!」

「はやく、早く逃げるんだ!」

男?「真。あなたの手で、この凄惨な未来をかえるのです…」

「っ!」ダッ

ジュアアアアアア...!

真「『これ』が…、この『力』が、あれば……!変えられるのか、この未来を…!」

「来いよ化物がっ!ここから先には、行かせねぇ!」バキッ!

男?「…全てはあなた次第です」

「zizizizi!!」

真「ボクが…、みん










――ブツン――

〈?〉

「おーい。そろそろ起きろー」

真「!?」バッ

ゴチンッ!

「ぐほおぁっ!」ドサッ

真「―――っ!」

「あ、真ちゃん起きました?」

「おう。見ての通りピンピンだ」ヒリヒリ

「大丈夫?結構寝てたけど」

真「あー、うん。特には問題ないかな」

「それは良かった。雪歩も心配してたからな」

雪歩「だって急にでしたし…」

真「ところでさ、」

雪歩「えっと今の時間かな」

真「それもだけどさ、ここどこ?」

「…まだ寝ぼけてるのか?」

真「いえ、割とスッキリしてますよプロデューサー」

雪歩「えっと、私たちの荷物を置いていたベンチの近くだけど…」

真「…時間聞いてもいい?」

雪歩「今ちょうど16時だね」

真「……」

P「おいおいどうしたんだ。やっぱりまだキツイのか?」

雪歩「撮影が終わった途端に寝ちゃってましたし、ここで溜めてのが出ちゃったんじゃ…」

P「すまん、真。どうやら俺はお前に無理をさせていたようだ」

真「…いえ。大丈夫ですよ。ちょっと思う事があって考え込んでただけですから」

雪歩「ほんとに?」

真「もちろん」

真(そんなことはない)

真(なんとか取り繕っているが、少し早寝をした次に目を覚ますとお日様じゃ無くて夕焼けが見えているのは普通にビビる)

真「くう〜…」ノビー

真(うん、寝巻きじゃなくてガッツリ着替えてるや)

雪歩「それにしても今日の真ちゃんは…」

真「ん?」

雪歩「ナチュラルにカッコイイね」

真「へ?」

P「そうだなぁ。今はそうでもなさそうだが、撮影が終わるまでの今日の真はなんつーかイケメン臭が凄かったんだよ」

雪歩「服も男ものみたいに見えるし…」

真「ま、まあちょっとした気分転換だよ」

真(なぜ父さんのをボクは着ているのだろうか)

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