小日向美穂「アホ毛が無いっ!!」 (45)

 モバマスより小日向美穂(たぬき)達のSSです。
 独自解釈、ファンタジー要素、一部アイドルの人外設定などありますためご注意ください。


 前作です↓
渋谷凛「プロデューサーvsニセプロデューサー」
渋谷凛「プロデューサーvsニセプロデューサー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1525442326/)

 最初のです↓
小日向美穂「こひなたぬき」
小日向美穂「こひなたぬき」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508431385/)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1526048861


  ―― 朝 アイドル女子寮


  チュンチュン


美穂「ん……ぅ……」

美穂「ふぁあぁ~……」


美穂「おはよぉ、プロデューサーくん」モフモフ


美穂「え、と……着替えて……今日はお昼から収録が……」モゾモゾ


美穂「おはよう、みんな」ムニャムニャ

蘭子「煩わしい太陽ね!」

響子「朝ごはんもうできてますよ! さっそく食……べ…………」

蘭子「? ……!?」

紗枝「はてぇ?」

由愛「あ、あれ……?」

美穂「え? み、みんなどうしたの? 私の顔に何か付いてる?」

周子「いや……付いてるってか、付いてないってか」


みく「ね、ねぇ美穂チャン」


みく「アホ毛、どこいっちゃったのにゃ?」


美穂「アホ毛……って、え?」ペタペタ

美穂「!!?」

美穂「な、無い!? なんでっ!?」

菜帆「あらほんと~……お布団に置いてっちゃったのかしら~?」

芳乃「ふむー」

菜帆「芳乃ちゃん、何か知ってるんですか~?」

芳乃「さきほど玄関先で掃き掃除をしておりましたところー、なにやら天翔けるものがー」

芳乃「黒いぶーめらんの如きものでしたがー……もしやあれこそがー」

美穂「飛んでっちゃったの!? どどど、どうしよう~っ!!」

響子(アホ毛って飛ぶんだ……)

由愛(知らなかった……)

美穂「芳乃ちゃんっ! それってどこに飛んでったの!?」

芳乃「北東ー……事務所の方角でしてー」


美穂「お、お、追いかけなきゃ!!」

響子「あ、でも朝ごはん、えと……そうだ! おにぎりにしますね!」

みく「みくPチャンに電話してくるにゃ!」

周子「すぐタクシー呼ぶわ!」


美穂「うぅう、無いってわかったら急に気分が……」

蘭子「魔力の枯渇か!?」

美穂「だ、大丈夫。でもなんだか、頭とおしりがむずむずするような……」


芳乃「今一度、気配を探ってみるのでしてー。むむん」

芳乃「これはー……事務所に着いてしまったようですー」


周子「やっば。なんかわからんけど、早いとこ捕まえなきゃマズい気がする」

周子「美穂ちゃん、あたしも付き合うわ。芳乃ちゃんも来てくれる!?」

芳乃「無論でしてー」


  ―― 事務所


P「――と、今日のスケジュールはざっとそんな感じになってる」

奏「わかったわ。今日も楽しませてね、プロデューサーさん?」

P「おう……ん? みくから電話だ」

P「はいもしもし。どうしたそんなに慌てて……」

P「……『美穂のアホ毛が飛んでいった』ぁ??」

奏「……?」

P「ハハハこやつめ。ギャグにしても脈絡ってものをだな」

みく『ほんとだもん! 事務所の方に飛んでったって芳乃チャンが!!』

奏「ねえ、窓の外に何か……」

   パリーン

   ヒュンヒュンヒュン

奏「あ゙」プスッ

P「奏ーッ!?」


みく『Pチャン!? どうしたの!?』

P「アホ毛が窓突き破って奏の頭に刺さった!!」

みく『ほら言ったにゃあ!!』

P「と、とにかく一旦切るぞ! ――奏、大丈夫か!?」

奏「ぅ……ん、大丈夫、なんともないわ」フラッ

P「ちょっと見せてみろ! ええと、前髪の生え際に刺さって……」

P「……ない? 傷一つ無いし、普通に髪として生えてる感じが……」

奏「ええ。どこも痛くないし、気分も悪くはないけど――」ビクッ

P「どうした? やっぱりどこかマズいのか?」

奏「いえ……言ったでしょう? 気分は悪くないの……けど……」


奏(……不思議だわ)

奏(彼って、こんなに……その……魅力的だったかしら?)

P「って、なんか熱っぽくないか? 一回病院行った方が……!」

奏(心なしか声も、匂いも……いつもより、響いて……)

奏「ごめんなさい、やっぱり少し体が熱いかもしれないわ……」

P「やっぱりか。くそっ、よくわからんがこのアホ毛のせいなのか……?」

奏「かも、しれないわね」ガシッ

P「んお!?」グイッ

奏「プロデューサーさん。熱、測ってくれるかしら……?」グググ

P「それはいいけど近い近い近い近い」ググググ

奏「……もっと近付かないとわからないわ。もっと、あなたを近くに……」グイイイイ


美嘉「プロデューサーっ! 周子から電話来たけど、美穂の……!」バァン!

奏「あ」

P「あ」

美嘉「なっなっなっ何してるのこんな時に!!」

P「ま、待て! 奏は今正気じゃないんだ!」

アホ毛(……♪)ヒョコヒョコ

美嘉「――って、アホ毛! デビルチョップ!!」シュバッ

P「何その技!?」


奏「ゔっ」

  バシィーッ

  シュポーン

美嘉「抜けた……!」

  ヒュンヒュンヒュン

P「待てアホ毛! こっちに来るんだ!」

アホ毛(!)ビクッ

アホ毛(///)テレテレ

美嘉「照れてる」

  ヒューン


P「ああくそっ、待てって!」


  バーン

周子「おはよ! アホ毛は!? どこいったん!?」

美穂「はぁ、はぁ、ふぅ……」ゼヒゼヒ

芳乃「一歩遅かったようなのでしてー」

P「三人とも! ちょうど良かった、お湯とタオルを持ってきてくれないか?」

奏「……」グッタリ

周子「……って、奏ちゃんどうしたん?」

P「頭にアホ毛を受けてしまってな……」

周子「あれ刺さるもんなの!? ヤバいやん!!」

美嘉「それだけじゃなくて、なんだか様子がおかしくなって……」

美穂「んん……」グテー


  カクカク シカジカ

周子「…………ほー、なんやお楽しみの最中だったってわけね」ジトー

P「うぅっ視線が痛い……じゃなくて、奏がそうなった原因はやっぱアホ毛にあると思うんだが」

芳乃「おおかたの事情はわかりましてー」

周子「お、マジ?」

芳乃「あの毛はー、美穂さんの人としての意識を司る、いわば外部記憶装置ー……」

美嘉「な、なんか急に難しい話になったんだけど」

芳乃「美穂さんの記憶、情動、感覚があのアホ毛にいんぷっとされておりましてー」

芳乃「すなわちー、アホ毛を植え付けられた者はー、美穂さんに近い感情や感覚を得るものかとー」

周子「そんな寄生生物みたいな生態してたんアレ……」

P「まさかと思うけど、アホ毛が本体なんてこと言わないよな?」

芳乃「そこまでではありませぬがー、重要な器官であることは間違いなくー」

芳乃「外れて長く時が経てばー、美穂さんにも何かよからぬ影響があるものとー……」


P「美穂に、悪影響……?」

周子「そういやさっきから黙ってるけど、美穂ちゃ――」


美穂「ぽへぁ」ポケー


周子「IQ溶けた顔しとる!」

美穂「へぅー」ポポポンッ

美嘉「耳と尻尾が出ちゃった!?」

芳乃「おそらくー、あれは狸さんの化け術の核なるものー」

芳乃「お早く頭に戻さねば、美穂さんの体調に著しい不調がもたらされるやもしれませぬー」

美穂「ぁぅぁぅぁ」ガクッ

P「美穂! 大丈夫か!?」ガシッ

美穂「ぅー」ギュー


周子「こうなりゃうかうかしてられんね。あたしが捕まえてくるわ。芳乃ちゃん、サーチ頼める?」

芳乃「おまかせあれー」

美嘉「アタシはこの二人を介抱するね」

P「俺も……」

IQが溶けた美穂(以下みほ)「ぅゅ」ギュー

P「……しがみつかれて動けんので、頼む」

P(尻尾がめっちゃもふもふする……)


周子「うし、じゃあ行きますかね! ホンキで走るのなんて久しぶりだけど……!」


  ―― プロダクション 廊下


アホ毛「スキスキスキアナタガスキー」ヒューン

周子「こらーっ! 待ーちーなっつの!」タタタ

アホ毛「ソーンーナーニー ミーナーイーデー」

周子「てかなんか歌っとるねんけど!」

芳乃「あれもまた美穂さんの一部なればー。持ち歌を歌うも必然とー」

周子「そういうもん!?」

芳乃「やはりー、独自の自我を形成しておりまするー。急ぎ美穂さんに返さねばー」テテテ

芳乃「ほっ、ほっ、ほー」トテトテ

芳乃「ほー…………」ノソノソ

芳乃「おちゃがほしいのでして」グッタリ

周子「走るの苦手すぎかーい」


  ―― 事務所


奏「……」スー

美嘉「毛布をかけて……と。こっちは大丈夫そうだけど」

みほ「♪」スリスリ

P「ハチャメチャに懐かれている」

美嘉「日向ぼっこしてる時以上にゆるい顔になってるじゃん……」

P「なんだろう、何か生まれて間もない小動物と似たアトモスフィアがある」

美嘉「そんなまるで仔狸みたいな」

みほ「ぽこー」モゾモゾ

美嘉「……言い得て妙、かも……」

P「うーむ、周子と芳乃はうまくやってくれてるだろうか」

P「気を揉んでいても仕方ないな。コーヒーでも淹れよう」ガタッ

みほ「やーっ、やぁあ~」ギュー

P「お、おぉ……ちょっと離れるのもダメ?」

みほ「ぅ~♡」スリスリ

美嘉「うーん……子供っぽくなっちゃっただけで、意識はちゃんとあるんだよね?」

美嘉「試してみよ。美穂、こっち見て。この指何本かわかる?」


みほ「?」ジーッ

美嘉「ほら、ぴーすぴーす」

みほ「はぷっ♡」カプッ

美嘉「ひょえ!?」

みほ「ちゅっ、ちゅっ、ちうぅ♡」

美嘉「わっひゃ、ちょっ、くすぐったいってばぁ!」

P「絵面が大変デンジャーですね?」

美嘉「見てないで助けてよっ! もう、指なんて口に入れちゃダメ!」

みほ「あもっ」チュポンッ

みほ「~♪」ゴロゴロ

P「…………」

美嘉「…………」

P「なんか……不謹慎かもしれないけど」

美嘉「うん」


P・美嘉「かわいい……」


  ―― プロダクション 廊下


アホ毛「トオクー トオクー」ヒューン

周子「あーもう、無駄に速いっ!」ハァフゥ

芳乃「追いつけませぬー……」ホー

周子「お? 曲がり角の向こうに誰か――」


  がしっ!


こずえ「んー……?」シゲシゲ

周子「こずえちゃん!?」

アホ毛「マダダメ」ピチピチ

周子「と、とにかくナイスキャッチ! そのままこっちに――」

こずえ「はむっ」

周子「アカーン!!」


こずえ「むしゃむしゃー」

アホ毛「マダダメ! マダダメ!」ビチビチビチビチ

こずえ「たぬきあじー……」

周子「こずえちゃんそんなん食べちゃあかん! ペッしなさいペッ!」

こずえ「ぺぅ」

アホ毛「ドキドキドキ ムネガナルノー」ヒューン

芳乃「幼子はー、お口になんでも入れてしまうものなればー」

周子「だからって野生のアホ毛食べちゃあかんよ。拾い食いとかもしないでね?」

周子「……って逃げたし! 待たんかーい!!」ダッ

芳乃「あちらでしてー」タッ

こずえ「おー……ばいばいー……」


   プスッ

幸子「フフーン! 今日のボクは一段とタヌカワイイですね!」

小梅「たぬ?」

輝子「どことなく、幸子ちゃんがたぬきっぽい……な」


   プスッ

楓「今夜の打ち上げなんですけど、馬刺しと辛子蓮根のおいしいお店にしません?」

瑞樹「あら、楓ちゃん今日は熊本料理の気分なのね」

早苗「そういえばそっちに熊本の子がいたわね。なんかいいとこ教えてもらったの?」

楓「そうなんです。今日はそんな気分になったもので♪」


   プスッ

智絵里「え……私……なんだか気分がとってもたぬき……?」

智絵里「うさぎ……たぬき……うさぎ……たぬき……」

智絵里「うさぬき……?」


   プスッ

ブリッツェン「ブモモッポコ、ブモポコ! ポコポコブモッ!」

イヴ「あれぇ? ブリッツェン、いつの間にたぬき語覚えたの~?」


  ―― 事務所


P「ほらほらこっちだぞー!」

美嘉「あんよが上手、あんよが上手っ」

みほ「ぽこっ」ガシッ

P「よーしゴールだ! よく頑張ったなぁ!」ワシャワシャワシャ

美嘉「偉い偉い! 凄いよ美穂!」ナデナデナデ

美嘉「あははっ、莉嘉の小さいころ思い出すかも――」

奏「楽しそうね」

美嘉「起きてたーッ!?」

P「奏! 気が付いたのか!? いつから!?」

奏「『この子そろそろ一人で歩けるかな?』『美穂ならきっとできるさ』とか言ってた辺りから」

P「しまった! 普段さっぱり縁の無い父性スイッチが入ってしまっていた!」

美嘉「あ、アタシもなんか、正気失ってた気がする……」

みほ「♡」モフモフ

奏「ところで、そろそろ説明して欲しいんだけれど……」


  ―― プロダクション 廊下


周子「はー、はー……ぜんっぜん追いつけへんし……見失ったし……」

周子「てかやっぱ空飛ぶとかズルやんな! つくづく思うわ!」

芳乃「むー……わたくしもあまり疾(と)く走ることはできませぬゆえー」


志希「にゃん」ヒョコッ

アーニャ「ミャウ?」ニュッ


周子「わぁびっくりした」

志希「なにしてんのー?」

アーニャ「なにか、スルゥチィ……事件、ですか?」

周子「あー……話せば長いようで短いんやけど」


 カクカク シカジカ


志希「にゃはははははははははははははははははははははははははははは!!!」

周子「ウケすぎやろ! こんな爆笑してる志希ちゃん初めて見たわ!」

志希「だっだってアホ毛が飛っ、飛んっ、うふひ! 不条理! 最高! ひひ!」

アーニャ「ンー、シキ? あんまり笑うと、ミホとアホゲがかわいそうですね?」

志希「アホ毛がかわいそう!!!」ブホー

アーニャ「シキっ」ペチッ

志希「あうち! ――んにゃー、しかしえらいことになっちゃったねぇ」

芳乃「どこにいるかはわかるのですがー。なにぶん、わたくし達の足では追いきれずー」

周子「なんか天才的発想で解決とかできん?」

志希「んー? んー」

志希「それって美穂ちゃんの一部なんでしょ?」ポクポクポク

芳乃「間違いありませぬー」

志希「ひらめいた」チーン

周子「はやっ」


  ―― プロダクション 中庭


周子「開けていて風通しがいい場所……って、何すんの?」

志希「んー。ちょい待ってねーここらへんにあった筈だから」モゾモゾ

志希「あったあった。これを使うよん」ペカペカーッ

周子「……小瓶? 何の?」

志希「独自製法によって調合した特濃プロデューサースメル!」

周子「ぉぉぅ」

志希「にゃはは、引かない引かなーい。イロイロ便利だから常備してるのだよ」

志希「まーあたしが自分で吸引(キメ)る用でもあるんだけどね」

周子「非合法っぽい言い方やめーや」

芳乃「ふむー……。アホ毛さんは、付近を周回しておりましてー」

アーニャ「シキ、どうしますか?」

志希「この小瓶を、ちょっともったいないけど――」


志希「割るっ」パリンッ



芳乃「ほほー。これはまたー」

周子「うわほんとに香ってきた」

アーニャ「まるでプロデューサー、ここにいるみたい、ですね?」

志希「一瓶丸ごとだもんね~」

周子「なんか大体わかってきたんだけど、つまりこれで……」

志希「そ。引き寄せられて来るんじゃない?」

周子「でもなぁ、こんなアバウトなんで本当に……」

アホ毛「スキスキスキ♡」ヒューン

周子「来たわ」

志希「おっけおっけ、次はアーニャちゃんゴー!」

アーニャ「ダー!」タタッ


  プスッ

アーニャ「アウッ」

周子「おおぉい!? 自分から刺さってどうすんのさ!?」

志希「このまま経過を見守るといいよ~」

アホ毛(♪)

アホ毛(……?)カチカチ

アホ毛(!!?)カチコチカチ

周子「あ、アホ毛が……」

芳乃「凍ってしまわれましてー」

アーニャ「アー……やっと止まってくれた、ですね」スポッ

アホ毛「」カッチーン

周子「さ、さすが雪の娘(スネグーラチカ)……」

アーニャ「この子は、急いでミホに返さないといけないです」


  ―― 事務所


周子「ただいま!」バーン

芳乃「志希さんとアーニャさんに協力していただきましてー」


P「しっ。今やっと寝かしつけたとこだから」

美嘉「遊ぼう遊ぼうって大変だったよー。かわいかったけどね」

みほ「くー……くー……」

P「いやぁ美嘉が慣れててほんと助かったわ。俺だけじゃ手に余ったろう」

美嘉「当然! ま、莉嘉に比べたらずっと大人しかったし★」

周子「……あのーお二人さん。あたしらアホ毛を回収しましてね?」

P「アホ……」

美嘉「毛……?」

周子「忘れとんのかい!!」

奏「目先の愉しさに耽るあまり、やがては目的すら見失ってしまう……。それも人生よね」フッ…

周子「あ、奏ちゃん起きてたんだ」


みほ「すぴょ……むにゃむにゃ」

志希「これが今の美穂ちゃん? なんか赤ちゃん的なニオイがするー」クンカクンカ

アーニャ「ンー……これは、直接返してしまって、いいですか?」

アホ毛「」コチーン

芳乃「元あった場所に戻せば、自然と根付くことでしょうー」

P「まっ待てっ美穂をどうするつもりだ!? 殺るなら俺を殺れい!!」

周子「ええいめんどくさい! そのままいったれアーニャちゃん!」


アーニャ「ダヴァイッッ」ドスッ


みほ「ぽこッッ!!?」グサー



みほ「はぁ! あう、あ! えうう?」

みほ「ふぇっ、んっく、はぁおぉぉおぉっ??」

みほ「あっいっいっ、ゃ、んぃいぃいいいい~っ」


美穂「――はうあ!!」ポンッ!


芳乃「戻りましてー」

周子「よっしゃやった!」


美穂「あれ? えっと私、急に頭がぽわーってなって……」

美穂「プロデューサーさんや美嘉ちゃんと一緒に……?」

美穂「…………!!!!」

周子(あ、これ全部覚えてたパティーン……)

芳乃(そのようでー)

美穂「!! !? い、今まで!? 私!?」

美嘉「美穂落ち着いて! もう大丈夫だから!」

P「そうだぞ、まずは深呼吸だ。息を大きく吸って――」

奏「ちなみにその二人、画像や動画をたくさん撮ってたわよ」

P・美嘉「ぎくっ」

美穂「け、消してください~~~~~~っ!!」ポコポコポコ


奏「……一件落着ってことでいいのかしら?」

周子「せやな」

アーニャ「イナタヴィードナヤ・サバーカ……」

芳乃「むー? 稲がどうかしましてー?」

アーニャ「アー、タヌキのことですね? 日本のタヌキ、とても不思議で、カワイイです♪」

志希「それで奏ちゃんはここで何してたのー?」

奏「私は別に。事の経緯を見守っていただけよ」

周子「そういえば奏ちゃんも災難だったっぽいねぇ。もう大丈夫なん?」

奏「……………………」

奏「ええ。よくあることよ、これくらいは」

周子(あっ耳赤っ)

芳乃(これはー、あまり深く聞いてはならぬことでしょうー)


  ―― 後日 女子寮


                     美穂「ぽこ」

周子「美穂ちゃーん。お布団にくるまってないで出てきなー」

菜帆「あらぁ、お饅頭さんみたいです~」

                     美穂「うぅ……」

響子「晩ご飯は美穂ちゃんの好きな太平燕ですよー?」

           美穂「……」

周子(寄ってきた!)


芳乃「菜帆さんのご実家より、誉の陣太鼓を送って頂いておりましてー」

     美穂「ん……」

響子(もう少し!)

志希「ねーねー仔狸モードの時どんなだった?」ヒョコッ

志希「二人にいっぱい甘えたー? シキちゃん所感が聞きたい!」

                               美穂「ぽこん!」モゾッ

周子「ああっしまった離れた!」

アーニャ「シキっ」プニッ

志希「むにょぁっ」



美穂(その後、私は観念してお布団から出てきました)

美穂(寮のみんなや、遊びに来た志希ちゃんやアーニャちゃんとご飯を食べて……)


美穂(で、でもしばらくは、プロデューサーさんと美嘉ちゃんの顔を見られませんでした……)



ブリッツェン「ブモポコ? ポコポコッブモッ。ブモポコーッ!」

野生の狸「ポココ! ポコポーン!!」

イヴ「ブリッツェン? たぬきさんとお友達になったの~?」

こずえ「たぬきあじー……」


 ~オワリ~


〇オマケ

  ―― 城ヶ崎家

美嘉「ふぅ……アタシとしたことが、すっかり魅了されちゃうなんて……」

美嘉「ああでも、かわいかったなぁあの美穂。できればもう一回……」


美嘉「って、いけないいけない。――ただいまー」ガチャ

莉嘉「お姉ちゃんおかえりーっ!」ガバ

美嘉「わわっと。よしよし、ただいま莉嘉」ダキッ

莉嘉「聞いて聞いて! 今日ね学校でね、数学の小テストが新しいシールでカブトムシのサッカー!」

美嘉「何言ってんのかわかんないし! 一回まとめなって!」


美嘉「……にしても……」ジー

莉嘉「どしたのお姉ちゃん?」

美嘉「……うん、可愛い。やっぱりアタシの妹は莉嘉しかいない!」

莉嘉「??? よくわかんないケド、やったー!」



城ヶ崎母「莉嘉ー? アンタ郵便来てたわよー?」

莉嘉「って、ヤバッ! わかったー! お姉ちゃん後でねっ!」ダッ

美嘉「学校のお知らせとかだったらちゃんとママにも見せなよーっ! アンタすぐ後回しにするから!」

莉嘉「はーい!」ガチャバタン


美嘉「んー? 何あんなに慌ててたんだろ……」


  ―― 莉嘉の部屋


莉嘉「……」ガサガサ

莉嘉「……!」パサッ


 【城ヶ崎莉嘉様 書類選考通過ならびにオーディション開催のお知らせ】


莉嘉「ふっふっふ……とうとうこの時が来たっ……!」


 ~つづく~

 以上となります。お付き合いありがとうございました。
 依頼出してきます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom