あずさ「姉妹対決」千鶴「ですわ!」【ミリマスSS】 (56)


あずさ「いつもごめんなさいね千鶴ちゃん、お兄さんにもよろしく言っておいて?」

千鶴「はいはい。もう慣れましたわ、毎度の事ですものね。」

恵美「おっはよー。ん、何かあった?」

千鶴「あら、ごきげんよう。いつもの事ですわ。」

あずさ「昨日は収録が順調でね、予定より早く終わったのよ。時間あったから前から気になってたお店に行こうとしたんだけど。」

恵美「ああ、うん。もう大体分かったよ。」

千鶴「報せを聞いて飛んでいきましたわ。おかげで平日に横浜デートを楽しむ羽目になりましたわよ。あ、お土産の月餅どうぞ。」

あずさ「ごめんなさいね〜」

恵美「どこをどう行けばそうなるんだろね?」

千鶴「本人にも分かってない事を考えるだけ無駄ですわ。」

恵美「手厳しいね〜。けどあずさってしょっちゅう迷子になる割には、それが原因で遅刻したり何かトラブルを起こしたりは無いよね。なんでだろ?」

千鶴「それについてはわたくしも考えた事がありますわ。あずさが迷子になるのには、一定の条件があるのです。」

恵美「条件?」


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千鶴「つまり、この子がふらふら出歩くのは迷っても助けを呼べる人がいると分かってる時だけなのです。その証拠に自分一人での仕事の時や、年少組といる時はそんな事ないですもの。」

あずさ「言われてみれば、そういう時はなるべく気を付けるようにはしてるわね。千鶴ちゃん達が入ってくる前に色々あったせいからかもしれないけど。」

恵美「なるほど。で、プロデューサーや千鶴なんかがいる時はつい気が緩んでふらふらさ迷っちゃうってワケか。」

あずさ「そう言われると、なんだかすごく申し訳ないわね〜。」

千鶴「困ってる人を助けるのもセレブの役割ですわ、お気遣いなく。」

恵美「ニャハハ。ま、少しくらい迷惑かけたっていいじゃない。普段あずさはみんなのお姉さんなんだし。」

千鶴「ですわね。もっともわたくしからすれば同い年の妹という感じですが。」

あずさ「…え、妹?私が?」


恵美「どうかした?」

あずさ「千鶴ちゃんはたしかにみんなのお姉さんだと思うけど。私と千鶴ちゃんなら、お姉さんなのは私の方でしょう?」

千鶴「あら、何を言いますの。普段わたくしがどれだけあなたの面倒を見てると思って?」

あずさ「誕生日は私の方が先よ、それに芸能界じゃ先輩なんだし。」

千鶴「そういう事ではないでしょう、日頃の立場やふるまいがものを言うのですわ。」

あずさ「なら、いつもファッションやお仕事のアドバイスをしてあげてるじゃない。それに、この間あの俳優さんに実家の事を聞かれた時だって…」

恵美「ん?」

千鶴「わ、わー!なんでもありませんわ。」

恵美「?」

千鶴「あの時はちょっと不意を付かれただけですわ。別にあなたがいなくったって…」

あずさ「あらあら、ごめんなさいね〜『姉』として『妹』の事が心配だったものだからつい。」

千鶴「冗談じゃないですわ、こんな手のかかる姉なんてお断りしますわよ!」

恵美「何をムキになってんだか。」


千鶴「ここだけは譲れませんわ、絶対にわたくしの方が姉ですわよ。ねえ恵美?」

恵美「えっ?あーいや、どうだろね?」

あずさ「私の方でしょ、ねえ恵美ちゃん?」

恵美「う、う〜ん。アタシから見れば、どっちもお姉さんって事でいいと思うんだけど。」

千鶴「今はそういうのいりませんわ。」

あずさ「あらあら。ムキになった妹をなだめるのも姉としてのつとめよね。」

千鶴「またそれを言う!いいですわ、はっきりさせましょう。ちょうどこれからダンスレッスンでしたわね?」

あずさ「なるほど。そうね、そういうのもたまには悪くないわ。じゃあ恵美ちゃん、またね?」

千鶴「参りましょう。姉になって戻って来ますわ!」

恵美「お疲れ…行っちゃった。こんな事でねえ。そんなムキになるモノなのかな?」

(劇場控え室)
恵美「・・・という事があってさ。今ダンス対決の真っ最中らしいよ。」

千早「あの二人が?珍しいわね。」

響「だな。千鶴はともかくあずさがムキになってるとこなんて見た事ないぞ。」

ジュリア「レアなモン見られて良かったじゃないか。アタシもちょっと見たかったね。」

恵美「別に面白くはなかったよ、いつもと違うノリだったけど。一体何であそこまでこだわってるのかな。」

響「さあ?よくわかんないけど、きっと自分達にはわかんない何かがあるんだと思うぞ。」

ジュリア「なんだそりゃ。」

千早「でもそうね。あの二人は同い年だし、ライバル心はあるんじゃないかしら。」

ジュリア「こういうのもライバル心っていうのか?」

恵美「ま、同い年だからあんな風に言い合えるってのはたしかだろうね。」

ジュリア「たしかに。アタシたちに話す時とは違うカンジだね。」

響「年が近かったり同じだったりの相手の方が話しやすいもんな。」

恵美「だからこそ譲れない何かがあるのかな・・・お、そういや今ここにいるのも全員同い年じゃん。」

響「おー、ほんとだ。」

ジュリア「あれ、そうだっけ?」

千早「ちょっとジュリア。」

ジュリア「悪い悪い、普段そういうのあんまり気にしたことないからさ。」

千早「そういうのはきちんと覚えておかないと駄目よ。外で聞かれたりする事あるかもしれないんだから。」

ジュリア「そんなことあるか?」

恵美「なくはないんじゃない。けど、千早は意外と細かい所気を配るよね。」

響「というか、単に皆の事が好きってだけだと思うぞ。誕生日とかもきちんと全員分把握してるしな。」

千早「ちょっと?違うわよ、私はあくまで仕事を円滑に進める上でコミュニケーションの一環として…」

恵美「おー、照れてる照れてる。」

響「分かるかジュリア、これがツンデレというやつだぞ。」

ジュリア「なるほどね。」

千早「怒るわよ、我那覇さん?」


響「ごめんごめん。けど、これだけ付き合い長いのに自分の事は苗字呼びなんだもんなー。ちょっと寂しいぞ。」

恵美「アタシの事もだよね、琴葉とかのり子はさん付けだけど名前で呼ぶのに。」

千早「いや、それはなんとなくというか。それに今更呼び方を変えるのもなんか変じゃない?」

恵美「そんな事ないって。むしろ距離縮まった気がして嬉しいよ。」

響「そうそう。自分も同じだぞ。」

千早「そう、じゃあちょっと試してみようかしら。その代わり変だとか言わないでよ、我那覇?」

響「うん、驚かないぞ。たぶんその辺りで来るだろうなと思ってたからな。」

ジュリア「さすがヒビキ、カンペキだね。」

恵美「ヒビキ、カンペキ!ってなんか語呂いいね。」

千早「なんだったかしら、そんなキャッチコピーがあった気がするわ。エドガーは覚えてない?」

恵美「そこ持ってきたかぁ。」

ジュリア「チハもずいぶんノリが良くなったよな、初めて会った時とは大違いだよ。」

千早「あら、あなただって同じじゃない。でしょ、ジュリアーノ?」

ジュリア「そりゃそう来るよな!」

恵美「ニャハハ。どんなクールな子でもここにいたらこうなるんだよね〜。」

ジュリア「そう考えたらおっかない話だね、一体誰の影響だろ。プロデューサーかピヨ姉、それともボスか?」

響「うーん。全員かな?もしくは『それが765プロだから』とか。」

恵美「お。なんか、ちょっとカッコいいねそれ。」

響「へへ、そうだろ。何せ自分、カンペキだからな。」

千早「ジュリア、今のがチョロ可愛いよ。覚えておいて?」

ジュリア「なるほどね。」

響「こ、こら!」

ここまで。続きはまた後日に投稿させていただきます。

(劇場・レッスンルーム)

千鶴「はあ、はあ…い、今のところほぼ五分五分ですわね。」

あずさ「え、ええ…」

歩「二人とも、もうおしまいにしなよ。」

千鶴「いいえ、このままでは終われませんわ。決着がつくまでやるのがセレブというものです。」

あずさ「そうね、私も不完全燃焼はちょっと嫌だわ。」

歩「駄目だって。そもそも今日は振り付けのチェックだけの予定でしょ、何いきなり本格的なダンス始めてるんだよ。」

あずさ「仕方が無いわ。どうあってもきちんと終わらせないとすっきりしない事って、歩ちゃんにもあるでしょう?」

千鶴「セレブにはどうしても譲れない時があるのですわ。」

歩「もう。二人とも明日撮影あるんでしょ、迷惑かけることにでもなったらどうするの?」

千鶴「心得ておりますわ、そちらはそちらできちんとこなしてみせますとも。」

あずさ「大丈夫よ、もっと大変なスケジュールをこなした時もあったんだから。」

歩「いや、そんなムリする場面じゃないから…あれ。」

千鶴「よし、ではもう一度…わっ!?」

あずさ「ええ、いいわよ…きゃあっ。」

まつり「そこまでなのです。二人とも、レッスンルームは自分たちだけが使う場所ではないのですよ?」

千鶴「え、でも今日は他に誰も使わな…いたた、引っ張らないで下さいまし!」

あずさ「あと少しだけ。ね?そしたらおしまいにするわ…ちょっと、服伸びちゃうってば!?」

まつり「はーい、お疲れさまでした。歩ちゃん、後片付けよろしくなのです?」ズルズル

歩「あ、ああ。助かったよまつり、ありがと。」

歩「女性とはいえ大人二人を引っ張って普通に歩ける、か。フォークより重たいもの持ったことない、なんていうお姫様がねえ…。」

歩「…という事があってさ。いやあ、今日のレッスンは大変だったよ。」

律子「ごめんね、手間かけさせて。明日のお仕事前にきっちり注意しておくわ。」

歩「あの二人のあんな所初めて見たよ。ま、たまにはいいんじゃない。」

律子「仕事の事考えたらそうも言ってられないわよ、バカバカしいにも程があるような理由だし。」

歩「姉対決ねえ。千鶴は世話焼き体質だから分からなくはないけど、あずさがそんな事にこだわってるのはちょっと意外だね。」

律子「そうでもないわよ。あなた達が入る前は最年長だったし、みんなの前では常にお姉さんらしくしないといけないって思ってたみたいだもの。」

歩「そうなんだ?」

律子「ええ。今は千鶴さんや他の成人組達にあれこれ世話を焼かれたりしてるから少し変わったけど、やっぱりその辺の意識はあるでしょうね。それに先輩だからって気持ちもあるんじゃないかしら。」

歩「なるほどね。千鶴の方も似たような感じなのかな、日頃皆にあれこれうるさいし。」

律子「でしょうね。だからってどっちが上とかどっちでもいい事で張り合っていい理由にはならないけど。」

歩「はは、まあアタシが真や響なんかとダンスで張り合うみたいなものなんじゃないの。」

律子「もう少しアイドルらしい事で張り合って欲しいわよ。」

歩「まあまあ。でも姉妹対決かぁ。同い年のアタシ達ならどうだろね?」

律子「ん?そりゃあなたが三女で次女はまつり、それから私が長女でしょ。分かりきってるじゃない。」

歩「ええ、律子が長女?なんかなぁー。」

律子「あら何よ、まさか自分の方が私より姉らしいとでも言うんじゃないでしょうね。」

歩「そうは言わないけど、なんか律子って一番上ってイメージがわかないんだよね。」

律子「ちょっと、どういう意味よそれは。」

歩「いや律子はほら、しっかり者だけどたまに抜けてる次女って立ち位置の方がしっくりこない?」

律子「誰が抜けてるですって。よりによってあなたには言われたくないわよ。」

歩「こら、失礼だろ。なんだよ、こないだ衣装のボタン止め忘れてステージ上がりそうになったくせに。」

律子「あれはあなたがタイムスケジュール間違えて私を呼んだせいでしょ!何よ、それを言うならあなたの方こそ。こないだウチに泊まった時に私のパンツを…」

歩「まだ根に持ってるのかよ、あれは寝ぼけて間違えただけだってば。それを言うなら律子こそ、一昨日間違えて真のブラを付けようとして入らない、縮んだって騒いで…」

律子「眼鏡かけてなかったんだから仕方ないでしょ!あなたの方こそ…」

歩「なんだよ!」

律子「何よ!」

まつり「戻ったのです…ほ?どうしたのです、二人とも。よくわかんないけどケンカはめっ、なのですよ?」

歩「まつり。アタシは悪くないよ、律子のせいなんだから。」

律子「何言うのよ、どう考えたって原因はあなたでしょ。」

歩「いーや、そっちだ。」

律子「あなたよ。」

まつり「二人とも、仲良くしないとダメなのです。言うこと聞かない悪い子は…」


歩「あだだだだだ!痛いよまつり、悪かった、アタシが悪かったから腕掴まないで!ほんとに素手で掴んでるのこれ!?」

律子「痛い痛い、何これ万力!?分かったから離して、手首砕ける! 」

まつり「………ね?」

歩「すみませんでした。」

律子「申し訳ございません。」

まつり「分かってくれて嬉しいのです。さ、仲直りの印にみんなでお茶にするのですよ?」

歩「まつりには逆らえないね。」

律子「そうね。とりあえず、誰が長女なのかはよく分かったわ…」


ここまで。続きをまた投稿させていただきます。

(劇場キッチン)
千鶴「いたた。もう、まつりがあんなに力が強いとは思いませんでしたわ。」

あずさ「ちょっと調子に乗りすぎたかしら。お互い反省しなきゃいけないわね。」

千鶴「ええ。それはそうと、ダンスが駄目となると何で決着を付けましょうか。」

あずさ「そうね、何かあったかしら。」

貴音「お疲れさまです。おや二人とも、どうかなさいましたか?」

あずさ「あら。今ちょっと、対決の真っ最中なのよ。」

貴音「はて?」


(説明中)
千鶴「…というわけですわ。どちらが姉なのかを決めようというわけですの。」

貴音「何故そのような。どちらも皆の姉という事で良いでしょうに。」

千鶴「事務所でのわたくし達の立ち位置というなら、それで構いませんわ。あくまでもわたくし達二人の間柄の話ですわよ。」

あずさ「つまり、どっちがより相手の面倒を見ているのかをはっきりさせようというわけね。」

貴音「なるほど。しかし、それをだんすれっすんで決めるというのはおかしいようにも思えるのですが。」

あずさ「言われてみればそうね。じゃあ、何かそれらしい事を考えないと。」

貴音「ちょうど良いものがあるではないですか。」

あずさ「なあに?」

貴音「時計をご覧なさい、もう午後一時過ぎです。姉らしく振る舞うのであれば、規則正しい生活を送るべきでしょう。」

千鶴「要は、お腹が空いたという事ですわね?」

あずさ「でも、お料理対決というのはいいんじゃない。」

貴音「審査役はお引き受け致します。こういう事は第三者からの公平な視点で決めるべきものですよ。」

千鶴「はいはい、調子いいんですから。」

のり子「お疲れさま。お、貴音。」

琴葉「お疲れ様です。ちょうど良かった、これからのり子とお昼食べに行く所なんです。貴音さんもどうですか?」

貴音「いえ、わたくしは…そうだ、あなた方にも審査員を務めていただきましょうか。」

のり子「審査員?」

のり子「…なるほど。対決うんぬんはさておき、お昼食べられるんなら喜んで参加するよ。」

琴葉「お手伝いしましょうか?」

あずさ「ありがとう。でも、この人数くらいなら一人でも平気よ。」

千鶴「ここで調理するのは二人が限界ですからね。我が家のゴージャスなキッチンに比べればいささか手狭ですが、セレブ筆を選ばずですわ、おーっほっほっ…ゲホゴホッ。」


のり子「ここ以外はよく知らないけどさ。アイドルがライブやる劇場とかホールって、こんなに調理設備が充実してるもんなの?」

琴葉「違うと思う。多分、あの子のせいね。」

貴音(ふふ。今日は美奈子が地方への仕事で不在ゆえに昼食を悩んでおりましたが、この二人ならば問題無しでしょう。楽しみですね?)

のり子「…貴音はご飯食べたかっただけだろうね。」

琴葉「まあまあ。私達も釣られちゃったわけだし。」


千鶴「さて、まず材料の確認ですわね。冷蔵庫にあるのは挽き肉と卵、それから野菜室に玉ねぎその他。」

あずさ「こっちにはパン粉に小麦粉、サラダ油に調味料各種。となると…。」

琴葉「どうやら、何を作るかはほぼ決まりみたいね。」

貴音「ええ。子供からお年寄りまで大人気、洋食の王様とも言われるあの一品。」

のり子「そう。みんな大好き、ハンバー…」


千鶴「メンチカツなんていかが?」

あずさ「いいわね、それにしましょう。」


貴音(´・ω・`)

のり子(´・ω・`)

琴葉「ま、まあほら。千鶴さん揚げ物得意だし…」




千鶴「…よし。完成ですわ。」

あずさ「こっちも出来たわ。さあどうぞ。」

のり子「おお。さすが、どっちも美味しそうだね。」

琴葉「本当。冷めないうちにいただきましょうか。二人とも、ありがとうございます。」

貴音「審査ですから順番に食べるべきでしょうね。ではまず、あずさの方から。」

あずさ「デミグラスソースも作ったわ、これかけて食べてね。」

のり子「いただきまーす…うん、すっごくいい味。」

琴葉「美味しいです!あの時間でこんな本格的なお料理が作れるんですね。まるでお店で食べてるみたい。」

貴音「まことに。文句のつけようがない味ですね。」

あずさ「うふふ、どうもありがとう。」

貴音「さて、次は千鶴の分ですが。」

千鶴「はいどうぞ。ウスターでもトンカツでも、お好きなソースをかけて召し上がってくださいな。」

琴葉「いただきます…こっちも美味しいわね。」

のり子「どれどれ…ほんとだ。でも、こういうの食べてるとさ。」

貴音「のり子。わたくしも今、あなたと同じ気持ちです。御二方。」

千鶴「どうかなさいまして?」

貴音「あの、ご飯はないでしょうか?」

あずさ「ええ、炊いておいたわ。」

貴音「ありがとうございます…いいですね、思った通り。ご飯によく合います。」

のり子「うんうん、こういうのはやっぱりご飯と一緒に食べなきゃね。」

琴葉「ちょっと二人とも、あんまり食べ過ぎちゃ駄目よ?」

のり子「いいの、アイドルは身体が資本なんだから。それより琴葉はご飯いらないの?」

琴葉「…すみません、私にもいただけますか?」

あずさ「あらあら。はいどうぞ。」

琴葉「ありがとうございます…二人の言う通りね。千鶴さんのはご飯によく合うわ。」

貴音「あずさの方も良いですよ。」

のり子「お、ほんとだ。こっちでもご飯が進むね。琴葉、ソース取って?」




のり子「…ごちそうさまでした。いや〜美味しかった。」

貴音「真に。良い味を堪能させていただきました。」

千鶴「満足してもらうのはいいんですけどね、審査はどうなりましたの。」

のり子「あ、そうだった。うーん、貴音はどっちが良かった?」

貴音「そうですね、優劣を決めるのは非常に困難だと申し上げておきます。」

あずさ「琴葉ちゃんは?」

琴葉「そうですね。あずささんのはお店で食べるような味でとっても美味しかったんですけど、千鶴さんの方もご飯が進む味でしたし。」

のり子「あずささんのは特別な時とかに食べたいけど、毎日食べるんなら千鶴さんの分、てところかな。」

千鶴「なるほど。で、結局どっちが良かったんですの?」

のり子「うーん…引き分け!」

千鶴「へ?」


貴音「そうですね。わたくしも引き分けで良いと思います。」

あずさ「琴葉ちゃんは?」

琴葉「すみません、私もその、やっぱり引き分けで…。」

千鶴「ちょっと、それじゃあ意味が無いではありませんの。」

貴音「あなた方はどちらにもそれぞれ良い点がある。それで良いではありませんか。」

琴葉「そうですね。競い合うのは大切な事ですけど、上下関係を決めるのはあんまり良いとは思えませんし。」

のり子「いいライバルで、良い友達。理想的な関係じゃん。」

千鶴「食べてから言わないで下さいまし。」

のり子「まあまあ。そう言っただけじゃ納得出来ないだろうから、貴音もあえてこんな事させたんでしょ。ね?」

貴音「・・・ソウデスネ。」

琴葉(絶対そこまで考えてなかったんでしょうね。)

千鶴「うう…いえ、やっぱりそれでおしまいとはなりませんわ。これはわたくし自身にとって大切な問題なのです。」

あずさ「ここだけはどうしても譲れないというのは、私も同じかしら。」

のり子「まだやんの?正直、決着付きそうなイメージ全然ないんだけど。」

千鶴「白黒ハッキリさせるのがセレブというものですわ。あずさ、次の勝負と参りましょう?」

あずさ「受けて立つわ。じゃあね、三人とも。」


のり子「行っちゃった。なんだろ、どうしてあんな事にこだわるのかな?」

琴葉「不思議よね、特にあずささんはそういう事するの好きじゃないと思ってたのに。」

貴音「おそらくですが。千鶴はともかく、あずさは決着を付けることより、同じ目線の相手との対決そのものを楽しんでいるのでしょう。」

のり子「あんな事でも?」

貴音「半分遊び感覚でしょうが。それだけ仲が良いという事だと思います。」

琴葉「なるほど。レッスンでも競いながらやる方が楽しい時もありますし、それと似たような感じなんでしょうか。」

のり子「そう言われると分かる気がするね…そうだ、アタシ達もやってみない?」

琴葉「え?」

貴音「ふふ。親睦を深める為なら良いかもですね。」

のり子「でしょ。ちょうどここにいるのも同い年だけだしさ。琴葉、何かない?」

琴葉「急に言われても…あ、じゃあひとつ思いついたわ。」

のり子「お、何?運動でもゲームでもやるよ。」

琴葉「食べたら片付けないとね。というわけで今から三人で食器洗いと後片付けしましょうか。一番きちんと出来た人が三人の中でお姉さんってことでいいよね?」

のり子「ええ?いや、まあたしかにやらなきゃだけど。そういうので決めるんならアタシは妹でいいかなあ。」

貴音「物心ついた時より姉として生きて参りました。こういう時くらい、妹として振る舞うのも良いかもしれませんね。」

琴葉「こーら。二人とも、私が姉だというならズルは許さないわよ?」

のり子「はいはい。しょうがない、ちゃっちゃとやるか。」

貴音「姉上の言うことには逆らえませんね。」

琴葉「よろしい。じゃあしっかりやりましょうか、きちんと出来たらご褒美にアイスが待ってるわ、頑張ろうね?」

更新ここまで。続きはまた後日投下させていただきます。

(劇場控え室)
千鶴「で、そのあとは杏奈オススメの対戦ゲーム対決をやって。わたくしが勝ったんですけど、あずさが再戦を希望しましたの。」

あずさ「未来ちゃんや可奈ちゃん達と一緒にカラオケに行って、採点で勝負。こっちは私の勝ち。」

千鶴「これでイーブンだし、次で決着をと思ったのですが。時間も遅くなりましたので、いったんここまでということにしましたの。」

あずさ「昨日はお互い別にお仕事があったから、今日に持ち込みというわけね。」

伊織「ふーん。くだらない事してるわね。」

千鶴「ま、あなたまでそんなことを。わたくし達にとっては大切な事なんですのよ?」

あずさ「でも、他の人にはよく分からないこだわりなのかもしれないわね。」

千鶴「あら。では、わたくしの勝ちという事でよろしくて?」

あずさ「うふふ。そこまでは言ってないわよ?」

伊織「あずさがムキになってるなんて、レアな所を見られたのだけは良かったかもね。にしても…」

美希「あずさ、手が止まってるの。約束の時間はまだ終わってないよ?」

ロコ「ああ、もう!チヅル、いつまでロコをトイにしてるんですか!」

伊織「お互い、美希とロコに何してるわけ?」

あずさ「お姉さんというのは、やっぱり妹を可愛がってあげなきゃでしょ?だから。」

千鶴「ちょうど劇場に来ていた、美希とコロちゃんを思う存分甘やかすことにしましたの。二人にどちらが良いお姉さんなのかを決めてもらおうというわけですわ。」

美希「久しぶりだけど、やっぱりあずさの膝枕は気持ちがいいの。」

あずさ「うふふ、どうもありがとう。」ナデナデ

ロコ「ロコはこんな事されるほどチャイルドじゃないです!チヅル、もうリリースしてください!」

千鶴「ワガママ言っては駄目ですわよコロちゃん。30分ずつって決めたでしょう?」

ロコ「うう…ああもう、撫でないで下さい、ヘアーが乱れます!」

あずさ「あらあら。ロコちゃんは千鶴ちゃんの膝枕がお気に召さないみたいね。」

伊織「どうかしら。にしては、さっきから少しも起きようとしてないわよ。」

ロコ「う、それはその。ショーダウンのジャマをしてはいけないですし。」

千鶴「コロちゃんは素直じゃないですもの。そこが可愛いんですけどね。」

美希「ふふ。口で色々言っても、カラダはショージキなの。」

ロコ「ストレンジな言い方はしないで下さい!あと、さっきからスルーしてましたけど、ロコですからね!」

千鶴「はいはい。分かりましたわ、コロちゃん。」

ロコ「分かってないじゃないですか!」

美希「ふわぁ、眠たくなってきたの。あずさ、このまま寝てもいい?」

あずさ「ええ、かまわないわよ。」

ロコ「ミキ、ストップです。時間が来たらチェンジするルールのハズですよ。」

千鶴「いいじゃないですの。コロちゃんも眠たいのなら寝てもかまいませんわよ?」

ロコ「もう、真面目にやって下さい。」

美希「ありがとうなの。横向きだと寝にくいから仰向けになるね。」

美希「…真下から見ると、スゴイ眺めだね。あずさの顔が全然見えないの。」

あずさ「あ、あらあら〜/////」

ロコ「…少なくとも、アレはチヅルの負けですね。」

千鶴「失礼ですわね。わたくしだって大きい方なんですの、基準が不公平すぎますわ!」

伊織「………」

ロコ「イオリ、フィールは分かります。」

あずさ「大丈夫よ伊織ちゃん。こういうのはある日突然成長したりするものだから。」

千鶴「美希やあずさが特殊過ぎるだけですのよ、あなただって気にするほどではなくってよ。」

伊織「ヘンな気遣いしないで!!」



千鶴「…二人は時間切れでお仕事へ、か。結局また引き分けですのね。」

あずさ「なかなか勝負がつかないわね、難しいわ。」

伊織「決着付けたいならもう少しまともな物にしなさい、さっきのどこに勝負要素があったのよ。」

千鶴「仕方ないじゃありませんの。姉らしい事で競おうとすれば、どうしても限られてしまうのですわ。」

伊織「そもそも、どっちが姉かなんてのを勝負で決めようとするの自体が間違ってるんじゃないの。」

千鶴「うぐ、そう言われると。だいたい、あずさが悪いのですわ。普段あれほどわたくしや兄に世話を焼かせておきながら…」

伊織「お兄さん?そういや千鶴には兄さんがいたんだっけ。」

千鶴「ええ、迷ったあずさを探し出すのが上手いんですのよ。この前の横浜の時も、偶然そこに出掛けていたのに見つけ出して来ましたわ。」

あずさ「ちょっとそんな、人を犬や猫みたいに言わないでよ。」

千鶴「フラフラさ迷うという点なら似たようなものじゃありませんの。変装して男性と一緒にいたなんて、万が一バレたら大騒ぎになってたかもしれないんですからね?」

あずさ「そ、それを言われると。」

伊織「ふーん………ねえ、対決の話だけど。確実に決着をつける方法を思いついたわ。」

あずさ「なあに?」


伊織「あずさがその千鶴の兄さんとやらと結婚すればいいのよ、そしたら名実ともに千鶴のお義姉さんになるじゃない。」

千鶴「はあ!?ちょっと、冗談ではないですわ。あんなのにあずさは任せられませんわよ。」

伊織「そう?でもあずさを見つけるのが上手いんでしょ、だったらちょうどいいじゃない。」

千鶴「駄目です、とんでもない。未だにわたくしにあれこれ言うシスコンなんですのよ?それにいつも家族優先で、自分の事は後まわしにするような要領の悪い人ですし。」

伊織「なんだ、いいお兄さんなんじゃない。」

あずさ「家族想いで他人の為に頑張れるだなんて、素敵な事だと思うけど。」

千鶴「あずさまで何を言い出しますの!?駄目、ぜーったいに駄目ですわ。」

あずさ「あらあら。この子ったらお兄さんを取られるのがよっぽど嫌なのね、いつになったら心を開いてくれるのかしら。」

伊織「今はまだ悔しい気持ちが消えないだけよ。大丈夫、あずさのまごころはいずれ必ず伝わるわ。」

千鶴「急に寸劇を始めないで下さいまし、しかもわたくしをブラコンみたいに!」

伊織「いいじゃないの、たまには私にもボケやらせてちょうだい。」

あずさ「うふふ。すぐに返してくれたから助かったわ。さすがは伊織ちゃんね。」

伊織「ま、冗談よ。アイドルにそんなスキャンダルみたいな真似勧めるワケにはいかないしね。」

千鶴「まったくもう。あずさにあんなのはもったいなさすぎですわ、もっといいのがいくらでもいますわよ。」

あずさ「ならいっそ、直接千鶴ちゃんと付き合うのはどうかしら?」

伊織「なるほど。それでもあずさがお姉さまになれるわね、ちょっとというか全然意味違うけど。」

千鶴「丁重にお断り申し上げますわよ!」

伊織「はいはい。怒っちゃイヤよ、お・ね・え・さ・ま?」

千鶴「んもう。ほら、この後みんなレッスンでしょう。早く準備する。」

あずさ「ええ、お姉さんが妹に遅れるわけにはいかないものね。」

千鶴「いいですわ、今回のレッスンでこそ決着を付けましょう?」

あずさ「ええ、望むところだわ。」

伊織「熱心なのもいいけど、こないだみたいなムチャはしない事。『お姉様』なんだから『妹』の命令は当然聞くわよね?」




朋花「……それで、結局勝敗はついたのですか?」

伊織「あんなので付くわけないでしょ。明日は小学生組三人とお泊まり会やって、どっちが面倒見いいかで対決ですって。」



朋花「おやおや。二人とも、決着を付ける気あるんですかね〜?」

伊織「さあね。ま、そのうち飽きて止めるんじゃない。」

百合子「でもお姉さまかぁ、ステキな響き。あの二人なら、以前やった聖ミリオン女学園の制服を着てそんな会話してるのがまさにぴったりだろうな……はぁ。」

朋花「百合子さん?妄想の世界に行きたいのなら、おひとりの時にお願いしますよ?」

百合子「はっ。ご、ごめんなさい。あまりに魅力的な素材だったものですからつい。」

伊織「あんたは小鳥といい勝負ね。」

朋花「小鳥さんをお姉さまと呼んであげたら、喜ばれるかもしれませんよ?」

伊織「小鳥が帰って来れなくなるからやめときなさい。姉弟子くらいでちょうどいいんじゃないの。」

百合子「たはは……。」

朋花「同い歳で姉対決、ですか。私たちでやろうとすると六人姉妹という事になりますね〜。」

伊織「今ここにいる三人に、美希とロコと昴か。ちょっと多いわね、若草姉妹物語でも四姉妹なのに。まあでも、長女というならやっぱり私かしら。」

朋花「さすが伊織さん、自信満々ですね〜。では、私は次女を希望しましょうか。」

伊織「あら、謙虚ね。私と長女を張り合わなくてもいいの?」

朋花「うふふ、伊織さんと勝負するのは大変そうですから〜。」

百合子「待ってください!若草物語の次女はジョーです、ジョーは女流作家ですよ?であれば、次女は私の方が相応しいんじゃないでしょうか。」

伊織「いや、朋花と百合子ならどう考えても朋花の方が姉じゃない。というか人数違うって言ったでしょ。」

朋花「百合子さんはむしろ、おっちょこちょいな四女のエイミーみたいな感じですかね〜。」

伊織「エイミーならロコの方が似合うんじゃない?」

百合子「そんなあ!?読書好きアイドルとしての矜恃が…」

朋花「でしたら、どちらが次女に相応しいか、対決と参りましょうか?」

百合子「え?」

伊織「あら、面白そうじゃない。ちょうど良かった、ここに昴が持ってきたカラーバットとボールがあるわ。」

百合子「ス、ストップ!ここで野球をしてはいけないって、琴葉さんが何回も注意を……」

朋花「劇場の敷地内でなら問題無いですよね?」

伊織「そうね、私が審判やってあげるわ。相手から多くヒットを打った方が次女ね。」

百合子「あ、あの。私にかなり不利なような。朋花さんに勝てるビジョンが全く………」

伊織「ジョーになりたいなら身体を動かすのも得意じゃないとね。さ、行きましょ?」

朋花「ふふ、腕が鳴りますね。それじゃ百合子さん、ジャージに着替えてきましょうか?」

百合子「うぐ………風の精霊よ、私に力を貸して!!」

ここまで。あとちょこっとだけ続けさせていただきます。

(765プロ・事務所にて)

莉緒「姉妹対決?」

歌織「あずささんと千鶴ちゃん達がやってるそうよ、同い年でどっちがお姉さんなのかを決めるんですって。」

小鳥「二人の影響なのか、似たような事するのが劇場で流行ってるみたいですよ。この前も春香ちゃんがエレナちゃん紬ちゃん達とお菓子作り対決なんてやってましたし。」

このみ「変なことしてるわね。」

莉緒「でも、ちょっと面白そうじゃない?」

歌織「優劣じゃなくて、同い年の中で誰が一番しっかりしてるか競うというのはたしかにちょっと楽しいかもしれないわね。」

莉緒「まあ、私達の場合競わなくてももう分かってるけどね。」

歌織「そうね。私と莉緒ちゃんならどう考えても。」



莉緒「歌織ちゃんがお姉さんよね。」
歌織「莉緒ちゃんがお姉さんだもの。」

莉緒「……え?いや、私は姉ってタイプじゃないでしょ。歌織ちゃんの方がずっとしっかりしてるじゃない。」

歌織「あら、そんな事ないわよ。いつも自分で考えて色々行動してるじゃない。私はむしろついていく方だから、妹だと思うわ。」

莉緒「歌織ちゃんだってけっこう行動力あるじゃない。それにお姉さんって、みんなの事を落ち着いて見守る存在でしょ?だったらやっぱり歌織ちゃんの方よ。」

歌織「お姉さんにも色々あると思うわ。見守るんじゃなくて引っ張っていくタイプもあると思うの。それだったら私より莉緒ちゃんの方でしょ?」

莉緒「うーん。姐さんはどっちだと思う?」

このみ「どっちでもいいわよそんなの。」

莉緒「何よ、ノリ悪いんだから。」

歌織「だったら勝負で決めない?」

莉緒「お!いいわね、何にする。セクシー対決とか、もてテク発表会なんてのはどうかしら。」

歌織「も、もう少し違う物にしてもらえると助かるわ…」

このみ「やれやれ。あんな事でムキになるだなんて、二人ともまだまだ子供よね。言い出しっぺのあずさちゃん千鶴ちゃんもそうだけど。」

風花「楽しそうじゃないですか。私は同い年がいませんから、ちょっと羨ましいかも。」

このみ「風花ちゃんはお姉さんがいるんでしょ。私も妹がいるし。実際に妹なんだからいいじゃない。」

風花「それはそうですけど、やっぱりちょっと違いますよ。」

このみ「ふーん。私はここでも家でもお姉さんだけど、別に妹になってみたいとは思わないかな。」

小鳥「姉妹がいるのってちょっと羨ましいですね。私と美咲ちゃんなら、どっちがお姉さんかな。」

このみ「えっ……」

風花「あの、それはちょっと…」

小鳥「どうかしましたか?」

風花「いや、同い年どうしでの話をしてるんですよ。」

このみ「というか美咲ちゃんと小鳥ちゃん××歳差でしょ、それで妹になるつもりだったの?」

小鳥「い、いいじゃないですか。ずーっと一人で事務員やってたんです。たまには誰かに甘えたくなる時だってありますよ!」

風花「お気持ちは分からなくもないですけど、だからといってその対象が美咲さんというのは…」

小鳥「年下に甘えて何が悪いんですか!」

このみ「うわぁ……。小鳥ちゃんが忙しいのは分かってるけどね。美咲ちゃんだって大変なのよ?」

風花「そうですよ。小鳥さんはむしろ、いたわってあげないといけない立場でしょう?」

小鳥「うう、アイドルが冷たい。私のこの悩みを分かってくれる優しいお姉さんはいないのかしら…」

千鶴「ごきげんよう。あら、プロデューサーはまだですの?」

あずさ「お疲れ様です。こっちに来るのは久しぶりだったけど、無事にたどり着けました。」

千鶴「わたくしに会ったおかげで、が抜けてますわ。どこへ行くつもりだったんですの?」

あずさ「ごめんね、道順は覚えてるつもりだったんだけど。」

このみ「おはよう二人とも…そうだ、ちょうどいいじゃない。姉対決をしてる子が二人も来たわよ。」

小鳥「おおっ、なるほど!」

あずさ「なんの話?」

このみ「あなた達、どっちがお姉さんなのかを決める勝負をしてたんでしょう。ここにね、癒しを求める事務員が一人いるのよ。」

千鶴「え?」

このみ「拗らせた事務員の一人ぐらい、お姉さんなら甘やかせても平気でしょ。」

風花「良かったわね千鶴ちゃん、ずっと勝負付かなかったんでしょう?これで決まるわよ。」

小鳥「ぐへへ、よろしくお願いします。」

千鶴「あ、あ〜。えっと………こ、ここは任せましたわよ、あずさ…ではない、お姉様?」

あずさ「えっ!?い、いや。私はほら、妹だもの。ここは千鶴姉さんの出番じゃないかしら。」

千鶴「遠慮はいりませんわよ。ほら、わたくしの兄を差し上げますから。」

あずさ「け、結構よ。私は千鶴ちゃんの妹でじゅうぶん満足してるから…」

小鳥「あの、私はどちらともって選択肢でも全然かまいませんよ?」



あずさ「…やっぱり、仲間内で勝負なんかはよくないわ。そう思わない、千鶴ちゃん?」

千鶴「その通りですわね。同い年で上下関係を決めるだなんておかしかったのですわ。」

小鳥「ええっ!?」



このみ「露骨なまでに拒否られてるわね、小鳥ちゃん。自業自得とはいえちょっとかわいそうになってきたわ。」

風花「でしたら、このみさんがお姉さんになってあげたらどうですか?」

このみ「それとこれとは話が別よ。」



小鳥「はあ。仕方ない、じゃあ妹ならいいですよね。小鳥お姉さんにどーんと甘えてくれませんか?」

千鶴「バカな事言ってないで仕事して下さいな、お姉様?」

あずさ「ほどほどにしておかないと皆も困っちゃいますよ、小鳥姉さん?」

小鳥「ぐはっ!手厳しい妹達だわ。でも、これはこれで…。」


おしまい。

随分間隔を空けてしまい申し訳ありませんでした。

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