一舞「なつひとくじを引きに行こう」 (21)
◆ひなビタ♪SSです
◆リクエストにお応えして健全ななついぶでお送り致します
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夏陽「やっほー」
一舞「なつひ、よく来たし」
夏陽「急に呼び出したりして、何か用なの?」
一舞「ふふふ、紛れも無くなつひにしか頼めない事だし」
夏陽「私にしか……?」
一舞「そう!実はね」
夏陽「うん」
一舞「あたしと一緒にくじを引いて欲しいんだしっ!」
夏陽「くじ?なにそれ」
一舞「いやね、「スーパー北極」でポイントを貯めると引けるくじがあるんだけど」
夏陽「あああそこね、最近はスーパーって大きさじゃなくなってる気がする」
一舞「そこになんと!あたしの密かに好きなバンド「永遠の庭」のCDが入荷したんだし!」
夏陽「結構コアなバンドが好きなのね」
一舞「いやあ、なんかあたしの趣味にピッタリでさ、あんまりCD出回らないからさ、ゲットしたいんだけど」
夏陽「それで私?さっちゃんとかまりんとかじゃダメなの?」
一舞「いやね、さきこはね、今全国ちくわパフェ王者決定戦で遠征してて」
夏陽「何その決定戦」
一舞「まりかとめうもそれについて行っちゃったから、あたし一人なんだし」
夏陽「いぶきも行けばよかったのに」
一舞「今はちょっとそう思う」
一舞「くじは一人一回しか引けなくて……だから人を増やすのがいいんだけど」
夏陽「なるほど、だから私にお鉢が回ってきた訳ね」
一舞「そういう事だし」
夏陽「それならここなやお姉さんも連れてきたら」
一舞「いや、それはなんだか気が引けるっていうか……なつひならいいかなって!」
夏陽「ど、どういう意味よそれ」
一舞「さあ!こんな所で屯してないで!早速スーパー北極に出発だし!」
夏陽「え、ちょ、ちょっと!」
一舞「ほらなつひ!くじには限りがあるから急いで!」
夏陽「もう、誤魔化そうとしてるでしょいぶき!」
一舞「さ、さあ、何の事か分からないしっ」
夏陽「うむむむ」
一舞「着いたし」
夏陽「なんで北極って名前なのかしら」
一舞「さあ?きっと北極が好きとか、そんなんだよきっと」
夏陽「そうかなー」
一舞「さぁまずはくじを引くためのポイントを貯めるしっ!」
夏陽「買い物をすればいいのよね」
一舞「その通り!ここスーパーって名前の割には色んな店舗が入ってるからそれ自体はそんなに難しい事じゃない!」
夏陽「そうだ牛乳が切れてたんだった、買ってきていいかな」
一舞「勿論!あたしは、そうだなー、アクセサリーショップで適当になんか見繕ってくるから!」
夏陽「アクセサリー?なんだかそっちも楽しそう……やっぱそっち見ようかな」
一舞「おっ、着いて来るの?ふふーん、あたしがなつひピッタリのアクセサリーをチョイスしてやるしっ!あたしの都会派のセンスになつひもタジタジ……」
夏陽「それは無いんじゃない?それよりいぶきを都会派コーディネートしてやるわ!にゃはは!」
一舞「という訳で選んできたし」
夏陽「早いわね」
一舞「早くしないといけないからね!ほら、じゃーん」
夏陽「赤と青のイヤリング……」
一舞「やっぱあんたと言えば赤と青かなって!二つ合わせると輪っかになるのもいい感じじゃん?」
夏陽「んー、まぁ似合いそうではあるわね」
一舞「おっ良い反応だし!ついになつひもあたしのセンスを認めたか~」
夏陽「でも安直と言えば安直じゃない?私のイメージと言えばまぁ赤と青だろうし」
一舞「う」
夏陽「あとこのイヤリング綺麗だけどでかすぎて耳に付けると重そうっていうか」
一舞「うぎぎぎ」
夏陽「でもまあ、悪くはないわね、70点!」
一舞「微妙だし」
夏陽「私もいぶきのアクセサリー選んであげたわ!」
一舞「ほおん、どれどれ」
夏陽「じゃーん!見て見て!生花で出来たアクセよ!」
一舞「生花って……大丈夫なの?変色しない?」
夏陽「ふふーん、これはちゃんと加工してあるから、半年程度は持つのよ」
一舞「結構長持ちするんだ」
夏陽「生花って所がお洒落でしょ!いぶきには派手なのもいいけどこういう清らかな奴も似合うかなーって」
一舞「おお……思った以上に真面目に選んでくれてびっくりだし」
夏陽「にゃはは!私は何に対しても手を抜かないんだから当然でしょ!」
一舞「うーん、やっぱなつひは凄いしっ」
夏陽「おお、なんか素直ねいぶき……」
一舞「という訳で付けてみたけどどう?」
夏陽「私の目に狂いは無かったわね!なかなか良い感じよ!」
一舞「そう?ならよかったし」
夏陽「いぶき、次は生活品が見たいんだけど」
一舞「じゃあ次はそこね」
夏陽「うん」
一舞「えーっと、生活用品は二階……」
夏陽「このスーパー七階建てですごいよね」
一舞「もうデパートって感じだし」
夏陽「将来は百貨店とかになるのかな」
一舞「百貨店ってなんか都会って感じで好き!」
夏陽「そ、そうかな……いや、いぶきが好きならいいけどね」
一舞「生活用品で何見るの?」
夏陽「うんとね、ジェルボール!」
一舞「ああ、洗剤ね」
夏陽「そうなのよ!最近のジェルボールって凄いのよ!3層もあってね!凄く夢が詰まってると」
一舞「あー、うん」
夏陽「……いぶき、ここなと同じ反応するのね」
一舞「あ、ここなもこういう反応なんだ」
夏陽「ジェルボール、すごいのに」
一舞「すごいね」
夏陽「すごいのよ」
一舞「あたしもジェルボール買っちゃった」
夏陽「一度使えば良さが分かるんだから!」
一舞「ならいいけど……これでポイントは溜まったし!」
夏陽「くじ会場は一階だったわね」
一舞「ようし、このまま栄光のロードへ急ぐし!CDが無くなる前に!」
夏陽「そこまで言う?」
一舞「ほらなつひ!急いで!」
夏陽「なんか今日のいぶき、テンション高いわね……」
一舞「よし!まだCDはあるね!」
夏陽「まだ結構あるじゃない」
一舞「でもいつ無くなるか分かんないでしょ!さぁ引くしっ!」
夏陽「一人一回かー」
一舞「今日こそ手に入れてやるしっ!えいっ!」ガララ
夏陽(ガラポン……)
一舞「赤色!赤色!」
夏陽「楽しそうね」
一舞「当たればもっと楽しいしっ!」
一舞「ティッシュ……」
夏陽「ポケットティッシュじゃない、あって困るものではないわよ」
一舞「そんな慰めはいらないしっ!もうこれ7個目!」
夏陽「そんなにいっぱいあるなら少しほしい」
一舞「後であげるから!次はなつひ!頼んだし!」
夏陽「うん……正直当たるとは思えないんだけど」
一舞「やってみなきゃ分かんないしっ!ほらほら!」
夏陽「ううむ」
夏陽「じゃあ一回引いてみるわね」
一舞「どきどき」
夏陽(いぶきめっちゃ見てる……)
一舞「じーっ……」
夏陽(そんなじっと見られると緊張するっていうか……)
夏陽(うぐぐ、ええい、ままよ!)
夏陽「イヤーッ!!」
コロン
一舞「あっ、白じゃない!?」
一舞「なつひっ!?」
夏陽「……」
一舞「な、何色だったんだし?」
夏陽「……」
一舞「……」
夏陽「……あ」
一舞「赤!?」
夏陽「青色!景品はヘッドホン!」
一舞「……」
夏陽「なんで音楽関連品が商品なのかしら」
一舞「さぁ……」
~ケーキ喫茶店「新しいエーゲ」~
一舞「うーん、なつひでもダメだったかぁ」
夏陽「そもそもなんで私ならイケると思ったのよ」
一舞「いや、くじ運あるタイプかなーってさ」
夏陽「何よそれ」
一舞「まぁそうでもなかったみたいだけど」
夏陽「うぎぎ」
一舞「まぁあたしの我儘に付き合ってくれたお礼だし!好きなケーキ頼んでいいからさ!」
夏陽「さっきからずっと悩んでるんだけど、どれがいいかなー、どうせならうんと高級なやつ」
一舞「お、お手柔らかにね?」
夏陽「どうせならここなとお姉さんにお土産買ってきたいな~」
一舞「わ、分かったし!選んでいいから!」
夏陽「やった~」
夏陽「私はこのいちごとラズベリーレールガンのタルト!」
一舞「高級そうなのを選びおって……あたしはクリームチーズケーキにするしっ」
夏陽「シンプルなのにしたのね」
一舞「まぁたまにはこういうのもいいかなあって」
夏陽「おいしそう」
一舞「う……一口だけだし、はい」
夏陽「あらいぶき、優しい」
一舞「い、いちいち指摘しなくていいから!ほら」
夏陽「あーん♪」
一舞「どう?」
夏陽「んー、とっても美味しい!」
夏陽「じゃあいぶきにも、あーん」
一舞「あれ、なつひもくれるの?」
夏陽「一方的なんて不公平じゃない」
一舞「まぁそうだけど……いいの?」
夏陽「もう何言ってるのよいぶき!私といぶきの仲でしょ!」
一舞「仲って……まぁいっか、あむ」
夏陽「ふふ、美味しいでしょ」
一舞「酸っぱ」
夏陽「えっ」
……
一舞「CDは手に入らなかったけど、今日は良い一日だった気がする」
凛「あら、洋服屋」
一舞「あっりん!戻って来てたんだー」
凛「ちょっと里帰りしてただけよ……レコード屋とかはんこ屋はまだ留守のようね」
一舞「あたし一人で暇だったし」
凛「その割には、なんだか楽しそうな表情ね?」
一舞「あ、分かっちゃった?あのね、今日はね」
凛「待ちなさい、その話長くなるかしら?なら喫茶店で聞きましょう」
一舞「さきこは出張中だけど、シャノワール自体はやってるしっ!」
……
夏陽「ただいまー」
心菜「おかえりなっちゃん、どこ行ってたの?」
夏陽「うーんとね、デート?」
心菜「えっ?」
夏陽「いや、いぶきとショッピングしただけよ?ここなやお姉さんへのおみやげもあるんだから、ほら」
心菜「あ、ここのケーキ屋、すき……」
夏陽「でしょ!私はここな以外の人と一緒にいる時もここなの事を考えてるんだから!にゃははは!」
心菜「でもなっちゃん、とっても楽しそうな顔してる」
夏陽「まぁ、それは、実際、そうだったからね!」
おわり
お疲れ様でした
最近はバンめし♪が気になる所です
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