アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
書き溜めてありますのでサクサク投下していきます。
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モバP(以下P)「あ~…参ったなぁ」
ちひろ「あらPさん、どうしたんです?」
P「ああちひろさん、お疲れ様です」
ちひろ「はいお疲れ様です♪それで、どうかしましたか?」
P「いや、最近トシのせいかド忘れ…と言うんですかね?固有名詞がなかなか出てこなくなってて…」
ちひろ「トシって…Pさんまだ全然そんな年じゃないでしょう?」
P「そうなんですけどねぇ…」
ちひろ「固有名詞が出ないって、例えばどんな状態なんです?」
P「そうですね、やっぱり担当してるアイドルの名前が出てこなかったりするんですよ」
ちひろ「は?」
P「いやね?その子に関係するワードはポンポン出てくるんですよ、でも名前だけがどうしても出てこなくて…」
ちひろ「え~…そんな事ありますか?」
P「当人を前にしてればそんな事ないんですけどね、当人が居ない所でふと話題に出ると結構な確率で…」
ちひろ「あんまりイメージが湧きませんねぇ」
P「最近あったことですとそうですね…こんな感じになってましたね、よかったら誰の事か当ててみて下さい」
ちひろ「良いですよ」
P「その時だと…え~…こんな辿り方しましたね」
P「属性Coで…」
ちひろ(これだけじゃまだ分かりませんね)
P「バレンタイン反省会に居て…」
ちひろ(3人に絞れましたね)
P「その中の重い人で…」
ちひろ(わかんな~い)
P「凄く可愛い所もあって…」
ちひろ(美優さん?)
P「何となく影があって…」
ちひろ(やっぱり美優さんかな)
P「俺の行く先々に偶然居るアイドル」
ちひろ「留美さんじゃないですか!!!」
P「おお、よく分かりましたね!」
ちひろ「分からいでか!というか留美さんとそんなに偶然出くわすんですか!?」
P「ええ、彼女がオフの時は俺がどこに行っていようとほぼ会いますね」
ちひろ「えぇ~…」
P「偶然って凄いですよね、何か運命感じちゃいますよ」
ちひろ「いやまぁ…Pさんがそれで良いなら特に何も言いませんけどね?」
P「何か含みのある言い方ですね」
ちひろ「お気になさらず、それはそうとこの後のご予定はどうなってます?」
P「今日は少し書類仕事を片付けたら…アイツ、アイツの仕事の付き添いがありますね」
ちひろ「あいつ?」
P「え~っと…その…カワイイ子」
ちひろ「皆可愛いですけど?」
P「あ~…凄い自信家で…」
ちひろ「雫ちゃん?」
P「それ中身!」
ちひろ「中身?」
P「いえなんでも…え~っと、そうそう、よく休日一緒に買い物してます」
ちひろ「アンタのプライベートに干渉する気ないですけど、相手がアイドルだって理解してます!?」
P「だって付き合わないとゴネるんだもん」
ちひろ「おっさんの『もん』とかキモいだけなのでやめてください」(真顔)
P「アッハイ…え~っと他には…なんというか無茶振りした方が輝く…」
ちひろ「幸子ちゃんですね」
P「そうそう幸子!」
P「……自分で言っておいてなんですけど、そこで分かられるってアイツの方向性これで良かったんだろうか…」
ちひろ「ま、まぁ人気があるのは良い事ですよ!」
P「ですよね!」
ちひろ「でも、くれぐれも安全には気を使って下さいよ?」
P「分かってますって!カワイイ幸子に怪我なんてさせるつもりは無いですから!」
ちひろ「名前忘れてたくせに」
P「う”っ…だ、だから最近こういう事が多いんですって」
ちひろ「まぁ分かりましたけど…スタドリでも飲んでおきます?」
P「無料?」
ちひろ「まさか」ニッコリ
P「ひゃっは~ちっひまじてんしあいしてる~」
ちひろ「私もPさん(のお財布)のこと愛してますよ~♪」チャリン
P「んぐっ…んくっ…ぷっは~!さって、とりあえずお仕事頑張りますか」
ちひろ「それじゃあ私は各種手続きのためしばらく出てきますね」
P「は~い、いってらっしゃ~い」
ちひろ「いってきま~す」
(バタン)
…
……
………
ちひろ「は~…つかれた、全く!窓口で待たせすぎなんですよね!想像以上に時間食っちゃいましたよ」
ちひろ「さて、この後のお仕事はあれとこれと……」
ちひろ(ん?あの部屋って確か誰も使ってなくて閉鎖中だったような…)
「~…~~…」
ちひろ(声も聞こえますね、誰か居るのかな?)
ちひろ(ちょっとだけ扉を開けて…っと)
カチャッ…ススー…
ちひろ(…って、あれは志希ちゃんと…Pさん?)
P「あぁ…志希のラボは何か落ち着くなぁ」
志希「でっしょ~?何だったらずっとここに居ても良いんだよ~?」
P「そうはいかないよ、この後仕事の付き添いに行かなきゃいけないし」
志希「ふ~ん……ちなみに誰の?」
P「えっと…アイツだよアイツ、あの…ああやばいな、また名前出てこない」
志希「思い出せないならきっとそこまで大事な子じゃないんじゃないかな~?」
P「そんなことは…あのカワイくてつい弄りたくなる…」
ちひろ(さっき言ってた幸子ちゃんのことですかね)
志希「…ね~ね~、アタシは可愛くない?」
P「え?もちろん可愛いよ」
志希「じゃあアタシのコトってつい弄りたくならない?」
P「どちらかと言うと志希がいつも弄ってくるじゃないか…あ、でも」
志希「でも?」
P「志希のこの癖っ毛はつい弄りたくなるな~」サワサワ
志希「いやぁん♪オンナノコの髪の毛を気安く触るなんてイケナイんだ~♪」
P「あ~…なんか凄く落ち着く………あれ、そういえば何か忘れてるような…」
志希「何かってナ~ニ?」
P「なんだろ…何かしないといけなかったような…」
志希「思い出せないなら別に大した用事じゃなかったんじゃない?」
P「そうかも…あ~、このままずっと志希の髪の毛弄ってたい…」
志希「そんなに弄られたら髪の毛痛んじゃうよ~」
P「そっか~…志希の髪が痛んじゃうのはよくないな…ふわぁ…」
志希「おや~?おねむかな?」
P「そうだな…まだ昼間なのにこんなザマじゃアイツを注意出来な……ん?アイツって誰だ?」
志希「誰だろうね~♪」
P「体がちっこくて…ニートで…」
志希「不思議な雰囲気纏ってて、凄い記憶力で?」
P「あれ……そうだっけ…?なんかイメージがボヤけてきたな」
志希「じゃあ忘れちゃいなよ、きっとPにとってそんな重要じゃない子なんだよ」
P「そうなんだろうか…」
志希「そうだよ~♪」
P「そっか…そうかもな…」ウトウト
志希「ほら、お疲れみたいだし~、ちょっと寝ちゃいなよ、今Pが感じてる違和感も寝て起きたらスッキリ無くなってるハズだよ~♪」
P「ん…じゃあお言葉にあまえて…ふわぁ…」
P「ZZzzz……」
志希「んっふっふ~♪そうだよ~、Pにとって大事なのはアタシだけ…他の子のことなんか綺麗さっぱり忘れちゃえばいいんだよ」
ちひろ(Pさんの様子がおかしいと思ったら…まさか志希ちゃんが何かしてた?)
ちひろ(これはなんとかしないと…!)
志希「…ちなみにだけどねちひろさん」
ちひろ(ヒッ!?)
志希「アタシとPの邪魔をするなら~…何もかも全部忘れてもらう事になっちゃうよ~♪」
ちひろ(なっ!?)
志希「何も覚えてない状態で山の中とかに放り出されたくないよね?」
ちひろ()ガクガクブルブル
志希「わかったら…このまま黙ってソコの扉を閉めてくれるかな~?」
ちひろ(うう…こんなの逆らえないですよ…ごめんなさいPさん!)パタン
志希「……ふふっ♪もう少しでPの中に居るコはアタシだけになる♪」
志希「…アタシね、いつからかはわからないけど気が付いたらPの事しか考えられなくなっちゃったんだ~」
志希「気が付くといつもPの姿を目で追ってた」
志希「Pのニオイが近くに無いと落ち着かなくなっちゃった」
志希「Pをアタシだけのモノにしたい…誰にも取られたくない…」
志希「でもそう思ってたのはきっとアタシだけ」
志希「それって凄く不公平だよね?」
志希「だから…」
志希「アタシの事だけを見て?
アタシの事だけを考えて?
アタシの事だけを感じて?
Pの世界にアタシだけを住まわせて?
そうして…二人だけの世界で楽しく生きよ?」
P「ん…むにゃ…志希…」
志希「夢の中でまでアタシに会ってくれてるんだ…ふふっ、嬉しいな」
志希「これからは、寝ても覚めてもアタシとずっと一緒だよ♪」
…
……
………
「おはようございます」
俺は挨拶をしながら事務所へ入る。
「おう、おはようさん」
既に出社していた同僚達から挨拶が返ってくる。
「P~、今日もなんか眠そうだな」
「ええ、可愛い嫁さんがなかなか寝させてくれなくて」
「くっそ~!羨ましいなチクショウ!」
彼らと軽口を叩き合いながら自分のデスクへ向かう。
俺はP、昔は芸能事務所で働いていたらしいが今は普通の会社で働くしがないリーマンだ。
働いていた「らしい」っていうのは俺自身にその時の記憶が殆ど残っていないからだ。
嫁が言うには当時そこで嫌な事があって記憶を封じてしまったかららしい。
ま、嫁と過ごした記憶だけはちゃんと全部あるから特に問題は無いけどな!
幸いにも当時の俺はかなり稼いでいたようで、生活にはかなり余裕がある。
そのため殆ど残業などはせずに家に帰って毎日嫁とイチャイチャして過ごしている。
イチャイチャ…う~ん…どちらかと言うと…ハスハス?
「よ~し皆、ちょっと聞いてくれ!」
部長の声が俺のとりとめもない思いを中断させる。
「あ、はい」
「なんだろ?」
特に朝礼などがある会社でもないので皆が不思議そうに部長を見ている。
「今日からウチで働いてくれる新人の紹介をするぞ~」
部長の言葉を受け、奥の打ち合わせスペースから一人の女性が現れた。
「新人か…おっ、凄い美人!」
「本当だ」
クールビューティーといった形容がぴったりな女性だ。
スーツをピッチリと着こなし、一目で彼女が有能であるとわかる。
「そんじゃあ一つ、自己紹介を頼むよ」
そう言われ、彼女は半歩前に出る。
そして穏やかな笑みを浮かべながらこう言った。
「あら、偶然ね…Pさん」
終わりです、お付き合いありがとうございました。
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