俺ガイルのいろはssです。短めです。
わたしは、今年、高校二年の夏、せんぱいに告白をしました。わたしも本物が欲しくなってしまったのです。
けれど、もう一つ理由があって、それは、その頃せんぱいが奉仕部と少し疎遠になっていたのです。
あわよくば、という思いで言ってみたものの、期待は全くしていなかったのです。本当ですよ?
けれど、せんぱいは私を受け入れてくれました。
きっと、あの2人のことを大切に思うが故の行動だったのだと思います。
やっぱり悔しかったけど、わたしはせんぱいといっしょになることができたのです。
そして時は流れ、12月。生徒会室でわたしたちは二人きりです。
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いろは「ねえ、せんぱい」
八幡「ん」
いろは「どうして、わたしを選んだんですか?」
八幡「また唐突だな」
いろは「かわいかった、以外の理由でお願いしますね、せんぱいがわたしをかわいがってることぐらいはお見通しなんですから」
八幡「あざといあざとい…、ていうかまず選んだも何もぼっちに選択肢なんてあるわけないだろ。むしろ選んでいただいて光栄だと思うまである」
いろは「今日ははぐらかされませんよ」
八幡「はぐらかしてるわけじゃあ…」
いろは「せんぱいだって、わかってましたよね?結衣先輩と雪ノ下先輩の気持ち」
八幡「ずいぶん、突っ込んだことを聞くんだな…」
いろは「ごめんなさい、けれど、もうそろそろ聞いてもいいと思うんです。」
八幡「…」
いろは「わたしたち、付き合ってもう半年、ですよ」
八幡「そう、だな」
八幡「…」
八幡「…雪ノ下は…おそらく違う」
いろは「…じゃあ、結衣先輩は?」
八幡 「どう、なんだろうな」
八幡 (俺の自意識過剰でなければ、恐らくあの、可愛くて優しい、彼女がどんなに否定しようとも優しい、けれど人間臭い、そんな魅力的な由比ヶ浜由衣という女の子はきっと俺の事を想っていてくれていたのだろう。)
八幡 (それはとても嬉しい、嬉しいことで、けれど、俺はどうしても由比ヶ浜が「ヒーロー」である俺を求めているんじゃないかと思ってしまった。彼女がどんなに否定しようと、俺と彼女の出会いはそういうモノだったから。)
八幡 (そんなのは当たり前、ヒーローになってこそ男だろうと、そういう人間もいるのかもしれないが、この比企谷八幡という人間は、醜くて汚い、それこそ人間臭い部分をありのまま、受け入れ、あわよくば愛してくれるような、ヒーローじゃない比企谷八幡を愛してくれるような人間を望むのだ。)
八幡(だから俺は、由比ヶ浜の想いに応えることはしなかったのだ。)
いろは「まあ、せんぱいの考えることも一理あるかもですけど」
八幡「俺何も言ってないよね、エスパーなの?」
いろは「先輩の考えることなんて五分五厘わかりますよ」
八幡「打率だったらとんでもない好成績だな」
いろは「ほんとはわかりませんけど、きっといろいろ考えあぐねた結果、由衣先輩を振ったんですよね」
いろは「でも、わたしも人間なんですから、心配になるんです」
八幡「心配?」
いろは「はあ、鈍いですね」
いろは「あの、当たり前じゃないですか、内情はどうであれ、自分の好きな人に一定以上の感情を抱く人が2人もいて、しかもその2人はすごく綺麗な人で、そして部活まで一緒なんですよ。いくらせんぱいがいろいろ考えて私を選んでくれたとしてもちょっと不安になっちゃいますよ。」
八幡「…」
いろは「なんかいうことはないんですか」プンスカ
八幡「なんだか…」
いろは「なんですか」
八幡「今日はやけに素直だな」
いろは「…う」
八幡「…」
いろは「だって、せっかくせんぱいと一緒になれて、半年間も過ごしてるのに、何一つ、わたしとせんぱいの距離が変わることがないんですもん」
八幡「…ごめんな」
いろは「そうやって、せんぱいは謝って場をしのぎますけど、せんぱいはわたしとの距離、どう思ってるかなんて聞いたことがありませんよ」
八幡「どうって…」
いろは「今日という今日は、答えてもらいますよ」
八幡「…変わらなきゃ…駄目なのか」
いろは「…やっぱり」
いろは「あのですね、駄目というか、きっと、先輩は変わるのが怖いんですよね」
八幡「う…」
明日続きかきます。草稿はできているので完結はします。
いろは「ねえせんぱい」
八幡「なんだ」
いろは「今から嫌な女の子になりますね 」
八幡「…おう」
いろは「わたしと付き合っても、やっぱり変わりたくないと言ったせんぱいは、今までの、危うげで居心地のいい空間をやっぱり、失いたくないんですよね」
八幡「…」
いろは「もし、せんぱいが一線を越えたら、二人はもっと離れていくかもしれない。せんぱいはそれが嫌なんですよね」
八幡「…」
いろは「例えそれが今は歪なもので、お互いが距離を測りかねていたとしても」
八幡「…」
いろは「やっぱり、結衣先輩を、雪ノ下先輩を、失いたくないんですよね」
いろは「こんな美少女侍らせたいだなんて、ごうまんですよ。ごうまん」
八幡「…」
ID変わっていますけど同じ人間が書いてます。
いろは「…でもね、せんぱい」
いろは「それはもう、ムリなんですよ」
八幡「…そうだな」
いろは「そうやって物分りのいいフリをしてますけど、内心、後悔してるんじゃないですか?」
八幡「そんなこと」
いろは「わたしを選んじゃった時点で、あの場所は守れても、2人を繋ぎ止めておくことは出来ないんですよ。」
八幡「…」
いろは「ばかだなあせんぱいは、」
いろは「もっとうまいことできたかもしれないのに」
八幡「…」
いろは「例えば、わたしと付き合っていることを隠し通すとか、わたしをそれこそ体の関係だけにするとか」
八幡「そんなこと」
いろは「でも、できたんですよ。せんぱい」
いろは「わたしはたとえそういう関係でもいいと思ってせんぱいに告白したんですもん」
八幡「一色…」
いろは「ほんとうに、ばかですね。わたしもばか」
いろは「…ばか」
いろは「…だって、だって」
いろは「わたしを、えらばなければ、せんぱいは、ほんものを、てに」
ナデナデ
いろは「せんぱい…?」
八幡「あのな一色」
八幡「今からお説教な」
いろは「普通逆じゃないですか?」
八幡「確かに俺はあの教室が、あの二人のことが恋愛的な意味、という点では違うような気がするが、好きだった。」
いろは「…はい」
八幡「…すまんな」
いろは「…いいです、続けてください」
八幡「おう、…あいつらとなら、本物が見えるかも、分かるかもしれないって。だから、壊したくなかった。そんなんで本物なんて見えないのかもしれないがな。」
いろは「…」
八幡「あのな…今から似合わないことを言うけどな」
いろは「…はい」
八幡「その、気づいたらあの教室と同じくらいに俺はお前のことも大切で、守りたくなっていた自分がいたんだ。」
いろは「!…はい…」
八幡「だからな、お前が本物じゃないかなんてお前がが決めることじゃないんだ」
八幡「本物なんて、初めからあるかすら分からないんだ。けれどな、今の俺はお前と2人でそれを探していきたいって思ってるんだ」
いろは「…」
八幡「これで…いいか?」
いろは「…//」
いろは「全然ですまず奉仕部とわたしが同等ってどういうことですかあと普通頭撫でながらじゃなくて抱きしめながらとかですよね子供じゃないんですしやっぱりせんぱいはごみいちゃんですね」
八幡「小町かそんな単語教えたの。…結構頑張ったんだけどな」
いろは「知ってますよ、そんなの」
チュッ
八幡「!」
いろは「だから、これは労いのチューです。わたしを少し安心させることが出来たせんぱいに対するご褒美です。」
八幡「少しって…そんなキャラだっけお前」
いろは「わたしはお砂糖だけじゃなくてスパイスとケミカルXもいっぱい詰まった、ただの寂しがりな女の子なんです」
八幡「…そうか」
ダキッ
八幡「こうすれば、もっと安心するのか?」
いろは「っ…せんぱいのくせに、なんでそんな余裕そうなんですか」
八幡「いや、実はめちゃくちゃ緊張してる」
いろは「ばかですね、ほんとにばか」
いろは「言っておきますけど、まだ全然納得してませんからね。あくまで、今日のところはわたしがまけてあげるってことですからね」
八幡「わかってるよ、一色」
いろは「いろは」
八幡「…マジ?」
いろは「当たり前じゃないですか、ほら、早く」
八幡「ほんとにやるの?」
いろは「はーやーくー」
八幡「…いろは」
ダキッ
いろは「…よくわかってますね、ただ名前を呼んだだけじゃ減点でしたよ?」
八幡「へいへい…」
いろは「もっと、強く抱きしめてください」
ギュッ
八幡「ああ、これで少しはお前の胸の支えがとれるならいくらでもしてやるぞ、バカになってやる」
いろは「……ふふ」
八幡「……はは」
いろは「えい」
チュッ
八幡「っ…お前また」
いろは「嫌なんですか?」
八幡「嫌じゃないが」
いろは「…じゃあこんどはせんぱいから」
八幡「…」
チュッ
八幡「こんなの…バカになるな」
いろは「そう…ですね」
いろは「ばかになったら先輩のせいなんですからね」
いろは「責任、取ってくださいね」
完結です。処女作でした。読んでくださった方がいるかはわかりませんが、またいろはssを書こうと思っているのでその時はよろしくお願いします~。
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