――深夜、神谷家(奈緒の部屋)
奈緒「おっ、そろそろハートフルままゆの時間か」カチッ、カチッ
奈緒「先週のままゆの殺人鬼っぷりは凄まじかったな……まさかプロデューサーの結婚疑惑回であそこまで暴れるなんてなぁ」
奈緒「まあ、一応は女児アニメ枠のはずだし、プロデューサーも結婚はしないと思ってたけど……」
奈緒「でもいっそのことプロデューサーがままゆと結婚でもすれば、ままゆの凶暴性も少しは落ち着いたりしてな、ハハッ!」
奈緒「おっ! 始まったはじまった」
――
――――
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『前回までのお話し』
――東京、池袋
まゆ「ぁぁぁああああっ!! Pさんを幸せにしてあげられるのは、まゆだけなんですううう!!」ビュンッ!
ザシュザシュザシュッ!!
魔物「びっ――」ブシャーッ!!
魔物「びぎっ!!」ブシャーッ!!
ふじとも「ままゆダメよ! 暴走しないで、自分を見失わないで!」
もりくぼ「あ、あれだけ呼び出されていた魔物が全部血祭りに……ままゆ無双なんですけど……」ショワアアアア……
瑞樹「もうアレ止められないわよ……下手に近付くと私たちまで巻き添えになりそうだし、先に帰りましょうか、ミユミユ」
美優「えっ、ええええええ……い、いいんですか……?」
瑞樹「多分大丈夫よ。それに、ミユミユが近付いたらもっと危ないことになりそうだし……」
もりくぼ「もりくぼは一刻も早くこの恐ろしい惨状から目を背けたいんですけど……幹部たちも今日は諦めたのか、いつの間にか帰ったみたいですし……」フワフワ
まゆ「ああああああクリムゾンスラッシュ!!」シュパアアアアアンッ!!
魔物「びにゃああああああ!!!!」ブシャアアアアアッ!!
ガシッ!!
まゆ「このっ! 死んで、死んで! 死ねえええええええっ!!」ザシュッ! ザシュッ! ザシュッ! グシャッ!!
ふじとも「ままゆー!!」
……
…………
『第38話 赤点なら魔法少女引退!? 地獄の学力テスト開幕!』
――さいたまスーパーアリーナ前
もりくぼ「魔物が上に飛んだんですけど……!」
瑞樹「逃がさないわよっ! ミズキスピアー☆」パアアアアアッ!
ドシュシュシュシュッ!!
魔物「ぴにゃあああああっ!」ブシャーッ!!
瑞樹「トドメいくわよ♪ アイスソード☆」ジャキィンッ!!
瑞樹「ブリザードスラッシュ!!」
シュパアアアアアンッ!!
魔物「びっ――」
ブシャアアアアアアアッ!!
瑞樹「マジカルミズキの大勝利ー☆」
……
…………
――代々木競技場前
魔物「ぴにゃっ!」ズガアアアアアンッ!!
美優「きゃっ! こ、この衝撃……押し潰されそう……!!」
ふじとも「頑張ってミユミユ! シールドで受け止めているうちに、魔物にトドメよ!」
美優「は、はいっ……吹き荒れる風よ……切り刻んでください、サイクロン!」
ビュオオオオオオオッ!!
魔物「びにゃああああああっ!!」ザシュザシュザシュザシュッ!!
パアアアアアッ!!
ジャラジャラジャラッ!
ふじとも「やった、魔物を倒したわよ! スタージュエルも回収しないと!」ヒューン
美優「な、なんとかなりました……」
ふじとも「ここ最近は魔物が多くて大変ねー……よし、帰りましょっか」
……
…………
――マジカルランド、マジカルランド城(会議室)
「うーむ、ではやはり……」
「そうです、このままでは遅かれ早かれ、国民の信頼を失うことになります!」
「そうだそうだ! 現状が許されるわけがない!!」
「今すぐ対策を練るべきだ!」
ちひろ「み、みなさん落ち着いてください! そうやって声を荒げるだけでは会議になりませんよ!」
「国王の言う通りです。ですが、この問題をそのままにしておくのは、いけませんなぁ……」
「では、やはり……」
「そうするしかありますまい。この案件、他に反対の者は?」
「……」
「決まりですな。それではこちらの準備が出来次第、対象となる魔法少女たちには集まってもらいましょう」
……
…………
――数日後、事務所
まゆ「はふぅ……」グデー
瑞樹「はー……」
美優「ふわぁ……」
ふじとも「全員、平和ボケしてるわね」
もりくぼ「こ、ここ最近は魔物との戦いも多くて、みなさん疲れていると思いますし……」
まゆ「そうですよぉ……お仕事もありますし、少しくらい休みませんと……」ゴロッ……
ふじとも「もう、ソファで寝ちゃって。パンツ丸見えよ?」
まゆ「Pさんもいないから、大丈夫です……」ゴロゴロゴロ
瑞樹「そうねぇ、体のメンテもしたいし……」
美優「エステ……行きたいですね……」
ふじとも「みんな全然動かないわね」
もりくぼ「静止画で済んで作画班も楽になっていると思うんですけど……」
ふじとも「人件費もバカにならないものね……ん、王国から通信……もしもし?」
ふじとも「はい……はい、はいぃ? 緊急招集? この世界の魔法少女全員?」
もりくぼ「え……」
ふじとも「はぁ、わかりました……それじゃ」
もりくぼ「ど、どうしたんですか……?」
ふじとも「王国からの緊急招集、まゆちゃんたちもみんな連れてきてって」
まゆ「なんのお話ですかぁ……?」
ふじとも「うん、いま上長から連絡があったんだけど、まゆちゃんたちみんな連れてマジカルランドに来てくれって」
瑞樹「まーたあの夢も希望も無い国に行くのね」
もりくぼ「せ、せめて夢や希望くらいは持ちたいっていう意気込みの国なんですけど……」
美優「でも……呼ばれているなら、行かないといけませんね……」
まゆ「はぁ、まゆたちはマジカルランドの為に魔法少女として戦っているのに、お迎えもないんですねぇ……よいしょっ」
ふじとも「マジカルコンパクトもあるしね。それじゃみんな、準備はいい?」
瑞樹「ちょっと待って、今日はプロデューサー君が外出してるから代わりに留守番しているわけだし、一応連絡しておかないと」
まゆ「はぁ……Pさんがいないと、1日が退屈ですねぇ」
ふじとも「愚痴っても仕方がないでしょ? 魔法少女は弱音を吐いちゃダメなんだから、ほら行くわよっ!」
……
…………
――マジカルランド、マジカルランド城(会議室)
まゆ「えええええええっ!?」
瑞樹「わ、私たちが魔法少女として問題有りですって!?」
美優「そんな……」
大臣「うむ」
ふじとも「いつか言われると思っていたわ……」
もりくぼ「ある程度は覚悟していたんですけど……」
美優「ど、どうして、いきなりそんなお話になったんでしょうか……」
大臣「説明しましょう。まず魔法少女のみなさんも、マジカルランドの現状は把握していると思います」
瑞樹「現状って、あのブサイクたちや幹部たち、大神官穂乃果と戦っているんでしょう?」
大臣「うむ、そして私たちは、みなさんのような魔法少女を探すために様々な世界に妖精を派遣しています」
大臣「魔法少女であるみなさんのご活躍は、マジカルランドの国民の力となっています。まだ我々にも希望はある、魔法少女たちと一緒であれば、戦えると」
大臣「魔法少女たちの戦いの姿は、マジカルランド全ての国民に向けて発信されています。映像記録をあらゆるメディアで公開し、バックログもいつでも見れるようになっているのです」
美優「みなさん、応援してくれていたんですね……」
まゆ「良いお話ですねぇ……まゆたちも頑張った甲斐があります」
大臣「ですが!」バンッ!!
まゆ「え?」
大臣「最近の魔法少女たちは、その力の強大さに増長し、いたずらに力を振るっている!」
大臣「魔法少女の力は、夢、希望、平和の為の力、それを好き勝手振りかざすようなことがあってはならないのです!」
まゆ「残念ですけど綺麗事だけじゃやっていけないんですよねぇ」
瑞樹「ちょ、ちょっと待って! 何も私たちは魔法少女の力をそんな風に使っているつもりはないわ! 何かの誤解よ!」
美優「そ、そうです……少しでも、みなさんのお力になれるようにと、日々一生懸命に……」
大臣「みなさんの言い分も分かります。では、こちらをご覧ください。今回、マジカルランドで問題となった資料の一部です」
大臣「様々な魔法少女たちの行動をランダムでサンプリングした資料となりますので……キミ、映像を出しなさい」
職員「はっ!」ピッ!
パッ!
シャアアアアアア……
美優『ふんふんふーん……♪』シャアアアアアア……
美優『ふぅ……ようやく今日のロケも終わって、こうしてホテルのお風呂に入って……』
美優『はぁ、気持ちいい……んんぅ……』シャアアアア……
美優『そうだ……この後、Pさんたちを呼んで、ラウンジでお茶でも……ふふっ』
シャアアアアアア……
まゆ「……」
瑞樹「……」
美優「は……え……?」ボンッ!!
もりくぼ「……」
ふじとも「えー……」
大臣「失礼、これはサンプリング対象外の映像でしたね。キミ、正しい映像を出しなさい」
職員「はっ!」ピッ!
パッ!
ふじとも『ままゆ、チャンスよ! ミユミユが魔物の動きを食い止めているわ!』
まゆ『いきますよぉ! あなたは死んでください!!』
まゆ『クリムゾンハート……バスター!!』
まゆ『死ねえええええ!!!!』
瑞樹『ミズキブリザード☆』
瑞樹『うんっ、さっすが、ミズキね♪ 今回もカンペキなんだから☆』
美優『ウィンドシールド……ダ、ダメ、魔物の力が強くて、防ぎぎれない……きゃあああああっ!!』
瑞樹「私たちの戦っている映像ね」
美優「いつも通りの戦いですけど……」
まゆ「これ、何が問題なんですかぁ?」
大臣「問題しかありません!」
大臣「この映像も、この映像も……敵だとしても魔物に対する異常ともいえる残酷な殺し方、死ねや殺すといった魔法少女にあるまじき発言!」
ふじとも「切り替えられている映像、8割くらいはままゆの映像ね」
もりくぼ「見慣れた光景過ぎて、もりくぼたちも感覚がマヒしているような気がするんですけど……」
大臣「結論を言いますと、あなたたちは魔法少女としてはあまりにも逸脱しているのです!」
まゆ「な、なんですってー!」
大臣「まずはマジカルミズキ!」
瑞樹「は、はいっ!?」
大臣「28歳でありながら魔法少女を名乗り、あまつさえ『うふっ♪』や『ミズキも、頑張っちゃうんだから☆』などのキツイ発言! 国民のモチベーションに大きな影響を与えている!」
瑞樹「年齢は仕方がないでしょ!」
大臣「次にハートフルままゆ!」
まゆ「ま、まゆもですかぁっ!? この中で一番魔法少女をしているのはまゆなんですけど……」
大臣「3人の中で唯一ギリギリ魔法少女の範囲に収まっている年齢でありながらも、狡猾にして残忍な戦い、凄惨な殺戮を繰り広げるその姿! 国民からは紅の悪魔とも呼ばれているほどです!」
まゆ「そ、そんなわけありませんよぉ! まゆは立派な魔法少女なんですから、そうですよねふじともちゃん?」
ふじとも「それでねもりくぼちゃん、駅前に新しく出来た喫茶店の無料券当たっちゃってラッキーなの。一緒にお茶しにいかない?」スタスタスタスタ
もりくお「お、お供するんですけど……」スタスタスタスタ
まゆ「ふじともちゃああああああん!!」
>>14訂正
大臣「結論を言いますと、あなたたちは魔法少女としてはあまりにも逸脱しているのです!」
まゆ「な、なんですってー!」
大臣「まずはマジカルミズキ!」
瑞樹「は、はいっ!?」
大臣「28歳でありながら魔法少女を名乗り、あまつさえ『うふっ♪』や『ミズキも、頑張っちゃうんだから☆』などのキツイ発言! 国民のモチベーションに大きな影響を与えている!」
瑞樹「年齢は仕方がないでしょ!」
大臣「次にハートフルままゆ!」
まゆ「ま、まゆもですかぁっ!? この中で一番魔法少女をしているのはまゆなんですけど……」
大臣「3人の中で唯一ギリギリ魔法少女の範囲に収まっている年齢でありながらも、狡猾にして残忍な戦い、凄惨な殺戮を繰り広げるその姿! 国民からは紅の悪魔とも呼ばれているほどです!」
まゆ「そ、そんなわけありませんよぉ! まゆは立派な魔法少女なんですから、そうですよねふじともちゃん?」
ふじとも「それでねもりくぼちゃん、駅前に新しく出来た喫茶店の無料券当たっちゃってラッキーなの。一緒にお茶しにいかない?」スタスタスタスタ
もりくぼ「お、お供するんですけど……」スタスタスタスタ
まゆ「ふじともちゃああああああん!!」
大臣「そしてプリティーミユミユさん!」
美優「わ、私もですか……!?」
大臣「貴方の魔法少女としての姿! 魔法少女でありながらも不健全極まりない卑猥な衣装!」
大臣「貴方の映像を発信するだけで国民の労働の手が止まり、国の生産性が著しく低下しているのです! 大変申し訳ないのですが、これも問題視せざるを得ません!」
美優「ど、どうして私だけそんな理由なんですか……!」
瑞樹「ちょっと待って! こんなの言いがかりよ、私たちはマジカルランドの為に一生懸命戦っているのよ!」
まゆ「そうです! まゆたち魔法少女はみんなの希望や夢の為に戦っているんですよ!」
ふじとも「それについてはあたしたちからも一言言わせてもらうわよ! まゆちゃんも川島さんも美優さんも、命がけで魔物や幹部たちと戦っているんだから!」
もりくぼ「そ、そうです! 問題はあるかもしれませんけど……魔法少女として、みなさんは力を尽くしてくれているんですけど……!!」
大臣「無論、私たちも重々理解しています。深く感謝し、最大限のバックアップが出来るようにと日夜活動しています」
大臣「ですがどうか分かってください。貴方たちの魔法少女としての力は国民の税金で賄われている部分もあるのです」
もりくぼ「マジカルバリアブルカードなんですけど……」
大臣「国民は、自分たちが納めた税金がどのように使用されているのかを知る義務があります。透明性の高い国づくりを目指しているマジカルランドとしては、みなさんのありのままの姿を国民に伝えなければならないのです」
瑞樹「税金の話をされると何も言い返せないわね……」
大臣「それにみなさん、あそこを見てください」
瑞樹「あそこ?」チラッ
「わーい! あたしはマジカルプリティーハート!」
「わるいまものはマジカルガール・アクアがやっつけちゃうんだからね!」
「あたしたちマジカルガールズが、マジカルランドを守るのよっ!」
キャッキャ……
大臣「見てください。あの子供たちの笑顔……魔物との争いが続くこのマジカルランドで、なんと穏やかな光景でしょう」
まゆ「なんでお城の会議室で子供が遊んでいるんですかねぇ?」
美優「さっきまで私たち以外は誰もいなかったような……」
大臣「あの子たちが今でも笑顔でいられるのは、魔法少女たちの活躍があってこそ。子供たちにとって、魔法少女は正しくあるべき存在なのです」
瑞樹「そんなこと言われても……他所はよそ、うちはうちよ。伝説の魔法少女たちが凄いのはこの前会ったから知ってるけど」
大臣「かもしれません。魔法少女それぞれに個性があるのも事実。ですが限度というものがあるのです!」バンッ!
大臣「なので、私たちは考えました。みなさんには、魔法少女らしく振舞ってもらう為に、魔法少女として健全であるかどうかのテストをしてもらいます!」
まゆ「テ、テストですかぁ……?」
……
…………
――夜、女子寮(隠し部屋)
瑞樹「テストねぇ……」
まゆ「大臣さんはあんなこと言ってましたけど、魔法少女のテストって何なんですかねぇ」
大臣『一週間後、様々な世界から魔法少女を集めてテストをしてもらいます。魔法少女として適切である方については、これまで通り私たちに協力してもらおうと考えています』
大臣『ですが、もし適切でないと判断した場合……残念ながら魔法少女として私たちに協力して頂くのはこれまで、ということになります』
大臣『テストまでの間、魔法少女としての振る舞いについてしっかり勉強して頂ければ、と』
ふじとも「ごめんねみんな、王国の上層部が変なこと言い始めて」
瑞樹「まあ仕方が無いわよ。国を守る立場っていうのも、色々あるでしょうし……」
ガチャッ!
美優「た、ただいま帰りました……」
ふじとも「おかえりなざい。どうだった?」
もりくぼ「い、一応……この世界の魔法少女の資料になりそうなアニメのブルーレイやDVDを集めてきたんですけど……」ガサゴソッ!
まゆ「魔法少女の資料ですかぁ……」
美優「よ、よくわからなかったのでお店の人に、オススメの魔法少女アニメを選んでもらったんですけど……」
『看護婦魔女大麦ちゃん魔法て』
『魔法少女ピリカルいろは』
『魔法少女ピリカルいろはB's』
『魔法少女ピリカルいろはSS』
『絞殺天使ガイコツちゃん』
『魔法少女どこだ☆マジデ』
『新機動戦記ガシダムM』
まゆ「うーん……これ全部見るのも大変ですねぇ」
瑞樹「一週間後にテストでしょう? これ、全部見るなら毎日徹夜よ……」
美優「でも……しっかり勉強して、テストで合格しないと……」
ふじとも「そうね……あたしたちも協力するから、みんなで頑張りましょう!」
まゆ「ふじともちゃん……はい、まゆも頑張りますねっ」
瑞樹「ところで1本、全然違うジャンルのアニメ混ざってない?」
もりくぼ「あ、それは……もりくぼが気になって借りてきたものなのでお気になさらず……」
……
…………
――1日目夜、視聴中
まゆ「うーん……こう、最近の魔法少女って結構激しいんですねぇ」
瑞樹「私の子供の頃に見ていたアニメとは全然違うのね」
美優「最近の……流行、なんでしょうか……?」
まゆ「まゆたちみたいに、夢溢れる魔法少女っていうのは廃れたんですねぇ」
ふじとも「ふわぁ……全部見るのきっつ……」
もりくぼ「……」スヤスヤ
……
…………
――3日目夜、視聴中
瑞樹「ちょっと、この流れ絶対あの子死ぬでしょ!?」
まゆ「なんでそんなことするんですかぁ! おかしいですよ!」
ふじとも「あーもうまどろっこしい! ズバッとやっちゃいなさいよ!」
美優「色んな葛藤が、あるんですね……」
もりくぼ「……」スヤスヤ
……
…………
――4日目夜、視聴中
まゆ「……」ウトウト
瑞樹「眠い……お肌が荒れる……」
ふじとも「話が頭の中に入ってこない……」
美優「……」スー、スー……
もりくぼ「……」スヤスヤ
瑞樹「明日は気分転換に別のヤツ見ましょ……」
……
…………
――5日目夜、視聴中
ふじとも「あーっはっはっはっはっ! 何この流れ!」ケラケラケラ
瑞樹「ビルの屋上から落ちて腕折っただけって有り得ないわよ!」ケラケラケラ
まゆ「自分で自爆して痛がってるとか意味わからないんですけどぉ!」ケラケラケラ
美優「カッコいいキャラクターが……たくさんいるんですね……」
もりくぼ「エレガント過ぎるんですけど……」
……
…………
――1週間後、マジカルランド、マジカルランド城(正門)
まゆ「……」ボケー……
瑞樹「ね、眠い……」
美優「昨日は……早めに寝たはずなんですけど……」
ふじとも「そりゃあれだけ魔法少女アニメ見てれば頭もボケてくるわ」
もりくぼ「テ、テスト当日ですし頑張りましょう……!」
瑞樹「うーん……仕方が無いわねぇ。えっと試験会場は……」キョロキョロ
『各世界よりお越しの魔法少女の皆様はこちらへ』
ふじとも「多目的ホールの3階でやるのね」
まゆ「テストが始まるまではちょっと寝たいですねぇ……」
美優「そういえば……よくよく周りを見てみると、私たち以外の人間も今日はたくさんいるんですね……みなさん、魔法少女なんでしょうか……?」
ふじとも「色々な世界の魔法少女が来ているみたいだし、今日のマジカルランドみたいに人間がたくさん来ているのも中々ないわね」フワフワ
まゆ「みなさん、試験前だからか浮かない表情ですねぇ」
瑞樹「そりゃそうでしょ。魔法少女のテストなんて何すればいいか分からないもの」
……
…………
――多目的ホール前
『受付の前に魔法少女に変身してください』
ふじとも「あ、看板がある。魔法少女に変身しておかなきゃダメなんだ」
もりくぼ「今週のノルマなんですけど……」
まゆ「テスト受けるだけなのに……仕方ないですねぇ」
ふじとも「これも仕事だからね。みんな、スタージュエルよ!」ビュッ!
まゆ「いきますよぉ!」
「「「マジカルチェーンジ!」」」
パアアアアアッ!!!!
まゆ「魔法少女、ハートフルままゆ!」
瑞樹「マジカルミズキ!」
美優「プリティーミユミユ!」
ザッ!
美優「魔法の力を希望に変えて!」
瑞樹「私たち!」
まゆ「マジカルトリオ……」
「「「マジカルガールズ!」」」
まゆ「さて、行きましょうか」
……
…………
――多目的ホール、3階(廊下)
ゆっこ「おっ、みなさーん!」ヒューンッ
ふじとも「ユッコちゃんじゃない! 今日はどうしたの?」
ゆっこ「はい! ユッコが派遣されている世界で、お手伝いしてくれている魔法少女の方の試験結果を受け取りに来たんです!」フワフワ
もりくぼ「あ、あれ……ユッコちゃんが行ってる世界の魔法少女は、もうテストしたんですか……?」
ゆっこ「実は向こうで色々とトラブルがあって、前倒しで試験を受けさせてもらっていたんですよ。いやはや困ったもので」
ゆっこ「ユッコの行った先の世界に別の幹部が現れて、てんやわんやで大ピンチで……もー大変でしたよ!」
ふじとも「お互い大変ねー」
ゆっこ「ふじともちゃんたちほどじゃありませんけどね。こっちが落ち着いたらユッコもまた応援に来ますから」
まゆ「もうテストを受けた人もいるんですねぇ」
ゆっこ「おお、みなさん! はい、どうやら120分の筆記試験だけみたいですよ!」
瑞樹「あら、それならラッキーね。体力テストとかあったらどうしようかと思ってたわ」
ゆっこ「私の世界の魔法少女は『簡単過ぎました。あんなテスト、誰でも満点を取れます』って言ってましたよ!」
美優「易しいテストならよかったです……」
ふじとも「ま、あたしたちが命懸けで見つけた魔法少女を簡単にクビにするようなことなんて、上もしないでしょうしね」
ゆっこ「そういうことです! あ、ユッコはそろそろ戻りませんと……みなさんも、頑張ってくださいねー!」フワフワ
ふじとも「まー、簡単そうなテストで安心したわ」
まゆ「そうですねぇ……あ、もうそろそろで試験の時間ですね」
瑞樹「あらホント。それじゃ会場に入って準備しましょうか」
美優「試験中に寝ないようにしませんと……」
ふじとも「みんな頑張ってね! 終わったらどこか遊びに行きましょ!」
もりくぼ「テスト後の打ち上げってやつなんですけど……」
……
…………
――試験会場
試験官「今回の試験につきましては、基礎、応用、発展、特殊の四科目が出題されます」
試験官「試験時間は120分となります。120分以内に四科目全てを解答してもらいます」
試験官「終了の合図がなりましたら速やかに筆記用具を置いてください。会場後ろに設置してある、あちらの時計で120分が経過した時点で試験終了となります」
試験官「それではこれより試験開始です」
バババババッ!!
カリカリカリカリカリ……
瑞樹(受験みたいな空気ね……若い頃を思い出すわ……)
美優(えっと、最初は忘れずに名前を書いて……)
まゆ(最初の問題は……)
まゆ「えっ……?」
http://i.imgur.com/vXnXU2P.png
まゆ(うーん……いきなり記述しなきゃダメなんですねぇ……どうしましょうか)
まゆ(大切な人……もしPさんが、あのブサイクに酷い目に遭ったら……!!)ギリッ!
バキィッ!
まゆ「あっ……すみません、鉛筆が折れたので新しいのをもらってもいいですか……?」
試験官「どうぞ」
まゆ「すみません……」
まゆ(えっと、何て書こうかな……お勉強のときに見たアニメだったら……)
まゆ(……)カキカキ
http://i.imgur.com/prjv822.png
まゆ(えっと、次の問題は……)
瑞樹(基礎は簡単ね……あるあるって状況ばっかりだし)
美優(えっ……応用からいきなり問題数が……え、この問題ってもしかして物理……?)
まゆ(応用から問題数がすごく増えてますねぇ……とりあえず一通り問題を読んで、選択問題から埋めていきましょうか)
瑞樹(この問題、勉強した内容を応用すれば解けるわね……あっ、この問題も!)
瑞樹(ふふっ、やっぱりマジカルミズキはカンペキな魔法少女なんだから♪ この調子でどんどん解いていくわよー!)
……
…………
――マジカルランド、神社
ふじとも「お賽銭は奮発して250ジュエルよ!」ジャラッジャラッジャラッ!
パンッ! パンッ!
ふじとも「みんなが試験に合格しますように……」
もりくぼ「合格しますように……」
ふじとも「ふー……」
もりくぼ「だ、大丈夫でしょうか……」
ふじとも「大丈夫だとは思ってるけど、ちょっと不安ねー。受験当日の子供を家で待っているお母さんの気分って、こんな気持ちなのかな……」
もりくぼ「も、もりくぼはまだ若いので、こういう気持ちを覚えるのはもう少し先のほうがよかったんですけど……」
ふじとも「まあまあいいじゃない。貴重な体験ができたってことで。あたしたちも、王国に就職したときは結構大変だったでしょ?」
もりくぼ「い、今思い返しても、もりくぼなんかがどうして採用されたのかが分からないんですけど……」
ふじとも「まっ、その時の運勢によるわよ。ラッキーだったらそのまま受かっちゃうしね」
もりくぼ「ラッキー……み、みなさんも、今日はラッキーだと、良いと思うんですけど……」
ふじとも「そうねー。でもみんな、今までだって魔法少女として頑張ってきたんだから、きっと今日は特別ラッキーでハッピーな日になるわよ!」
もりくぼ「そうだといいんですけど……あっ、あそこにおみくじが売っていますけど……」
「どうもー♪ おみくじ1回250ジュエルですよー」
ふじとも「ええっ!? 60ジュエルじゃないの?」
「残念ですけど、一時的に物価が高騰してしまって……明日になれば60ジュエルになるんですけど」
ふじとも「うーん……でも、みんなの為におみくじでスピリチュアルパワーをチャージしておくのもいいわね。それじゃ1枚頂戴!」
「はーい、どうぞ♪」
http://i.imgur.com/v13G9jZ.jpg
もりくぼ「こ、これで凶だったら笑えないんですけど……」
ふじとも「だ、大丈夫よ、たぶん」
天井回すなら今日からが良かったんじゃないかって思っていますが私は元気です。
http://i.imgur.com/IRzyySH.jpg
ふじとも「ほらっ、まあ中吉ってところね」
http://i.imgur.com/P6Q2zIt.jpg
ふじとも「やったわ! さっすがあたし、今回も大吉ね!!」
もりくぼ「意味が分からないんですけど! 1枚のおみくじで大吉なんて全く想定されていない流れだから脚本の修正もできないんですけど!!」
ふじとも「まーいいじゃない。大吉は大吉、これでみんな合格間違いなしね!」
もりくぼ「そ、そうですけど……うう、明日は魔物に襲われるかもしれません……」
……
…………
――120分後、試験会場
試験官「試験終了の時間となりました。筆記用具を置いてください」
瑞樹「ふぅ……」
美優「はぁ……」
まゆ「終わりましたぁ……」
試験官「解答用紙は試験官が回収に回ります。回収が終わるまで、席を立たないでください」
瑞樹「なんだか学生に戻った気分ね……就職してからも試験は受けたことあったけど」
美優「無事に合格出来ればいいんですけど……」
まゆ「途中から問題数が多くてビックリしちゃいました」
瑞樹「そうねぇ。思ったよりも難しかったし、問題用紙と解答用紙で分かれていたら、後で答え合わせできたのに……」
美優「でも……とりあえずは終わりましたから……少しは、ホッとしました」
まゆ「発展科目のところ、最後の問題ってどう書きましたか?」
瑞樹「世界と大切な人、どっちを選ぶかってところ? それなら……」
試験官「解答用紙の回収が終わりました。速やかに退出してください」
瑞樹「あら、早く出ましょうか。さーて、ふじともちゃんともりくぼちゃんを迎えに行って、今日はパーッと遊ぶわよー!」
まゆ「はいっ!」
美優「そうですね……」
……
…………
――数日後、女子寮
「まゆちゃーん、川島さーん、美優さーん、お手紙来てますよー」
まゆ「はーい」
……
…………
――女子寮(隠し部屋)
ふじとも「テスト、返ってきたの!?」
まゆ「はいっ、封筒12枚も来てますねぇ……科目ごとに結果が入ってるみたいです」
もりくぼ「合格点って、基礎が70点、応用と発展が60点、特殊が50点だった気がするんですけど……」
ふじとも「特殊科目はねー。あたしも問題見たけど、変な状況の問題ばっかりだったし」
瑞樹「こういうのって、いくつになってもドキドキしちゃうわね」
美優「は、はい……結果、どうなったんでしょうか……」
もりくぼ「は、早く開けてみてほしいんですけど……」
瑞樹「それじゃあ、最初は基礎の封筒から開けるわよ、いい?」
まゆ「はい! みんな一緒に開けましょうか。せーの……!」
http://i.imgur.com/75bj89J.png
http://i.imgur.com/WeIxDDS.png
http://i.imgur.com/tRQ7v6F.png
「「「「「ええええええええええっ!?」」」」」
――ままゆ、ミズキ、不合格……!!
つづく
……
…………
『次回予告!』
「東京湾に謎の巨大生物が出現!」
「自衛隊を出動させろ! 総理からの承認はまだか!?」
――東京湾に、魔物とは異なる謎の巨大生物が出現した。
ちひろ「あれは……いけません! あの生物の力は計り知れません! 彼女たちだけでは危険です!」
ふじとも「でも王様! ままゆたち以外に戦える人間なんて……!」
もりくぼ「魔物の侵略が無くてもあの世界はもうおしまいだと思うんですけど……」
――マジカルランドから見ていることしか出来ないちひろ、ふじとも、もりくぼ。
瑞樹「たった一発の熱線で東京が壊滅した……!?」
美優「そ、そんな……なんで、こんなことに……」
まゆ「Pさん……Pさぁん!!」
――人々を、大切な者を守ることが出来ず絶望する魔法少女たち。
真奈美「なに、非常事態ともなれば、私たちは手を組むべきだろう」
美波「一時休戦、ですね♪ 私たちが支配する世界が無くなるのは困っちゃいますから」
瑞樹「いまはそれしかないようね……」
まゆ「はい、あの巨大生物を倒すために」
美優「みなさんで、力を合わせましょう……!」
――魔法少女たちと幹部、それぞれの思いで巨大生物に再び立ち向かう。
ふじとも「ままゆ! あたしたちの力を受け取って! みんなの力があれば!!」
まゆ「ふじともちゃん! はいっ、いきますよぉ!!」
――すべての希望が集うとき、奇跡の力が目覚める!!
『次回、魔法少女ハートフルままゆ第39話!』
『巨大怪獣出現! 東京湾から迎撃せよ!』
千佳「みんなのピンチに駆けつけて、ラブリーチカのフルパワー☆」
まゆ「まゆたちの活躍なんですから全部持っていかないでくれませんかねぇ! 主人公はまゆなんですから!」
『次回もお楽しみに!』
――
――――
――深夜、神谷家(奈緒の部屋)
奈緒「2人落ちてるじゃねーか!」バンッ!
奈緒「……っと、釣られて叫んでしまった……そうだ、実況スレどうなってんだろ」カチカチッ!
『ミズキ落ちてるじゃねーか!』
『よく見たら28歳で減点されてて草』
『26歳と28歳にどれほどの差があるというのか』
『多分参考にするアニメを間違えたと思うんですけど(名推理)』
『そもそも今回は魔法少女である必要性が全くない回じゃなかったか?』
『いつものこと定期』
『この世界の魔法少女は相手を殺すことが通常運転だと思っていたけど、やっぱり異常だったことが分かって安心した』
『おう大臣、ミユミユのシャワーシーンを盗撮した映像は全部よこせ』
奈緒「はー……もう今回も糞みたいな話だったな。ていうか、まーた東京は壊滅するのか」
奈緒「だけど予告でマジカルプリティーハートが出てたし、スタッフも本気出すだろうから来週は期待できそうだな……よし、あたしも来週に備えておくか」
奈緒「とりあえず今日は寝よ……はぁ、見てるだけで疲れた……」
……
…………
おわり
今回は魔法少女らしい学校でのテスト回っぽい話だったんですが戦闘パートが無かったので>>1なりに工夫してみました。
だけど単発回でSSR出ると思ってなかったので負け展開しか用意していませんでした。
HTML化依頼出して終了
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