彡(゚)(゚)「ワイは世界征服を企むマッドサイエンティスト!ドクターやきうや!」
彡(゚)(゚)「強力な能力を持った怪人を作り出して世界征服を狙うやで!」
彡(゚)(゚)「今回作ったのは怪人癌切除男や!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
彡(゚)(゚)「両腕の切れ味鋭い鋏で癌を切除する恐ろしい怪人やで!」
彡(゚)(゚)「この現代において先進国での死亡率トップの病気である癌!」
彡(゚)(゚)「この癌を制するものは世界を制す!論理的な結論や!」
彡(゚)(゚)「さあいけ!怪人癌切除男!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
( ゚д゚)「うわー!ドクターやきうの新しい怪人だ!」
('A`)「ひえええ!癌を切除されちまう!逃げろー!」
(´・ω・`)「そこまでだ!ドクターやきうと怪人癌切除男!」
彡(゚)(゚)「む、お前は……」
(´・ω・`)「正義のヒーロー原住民マン参上!」
彡(゚)(゚)「おのれー、原住民マンめ!またワイの邪魔をしにきおったんか!」
彡(゚)(゚)「こいつは正義のヒーロー原住民マン。いつもワイの世界征服を邪魔するにくいやつや」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(´・ω・`)「そう簡単には癌の切除はさせないぞ!癌切除男め!」
彡(゚)(゚)「なんで邪魔をするんや!原住民マン!癌なんてパパッと切り落とせばええやろ!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(´・ω・`)「癌の治療はそんなに簡単なものじゃない!そもそもおにいちゃんは癌のことをきちんと知っているの?」
彡(゚)(゚)「……あれやろ。その、あれや。なんか体の中に変な何かができるんやろ」
彡(゚)(゚)「そんで、それが他の臓器に移動したりでっかくなったりして人が死ぬんや」
彡(゚)(゚)「せやからその変な何かがでっかくなる前に切り取れば治療完了や!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(´・ω・`)「やっぱりそんな適当な認識だったか……」
彡(`)(´)「切り取れば治るんやから細かいことはどーでもえーやろ!癌になった!ハサミでちょっきん!それでお終いや!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(´・ω・`)「んもー、仕方ないなぁ。癌はそんなに単純なものじゃないよ」
(´・ω・`)「ちょきんと切るだけで終わるなら先進国の死亡率トップになるわけないでしょ」
彡(゚)(゚)「む、言われてみればせやな。なんでや?」
(´・ω・`)「そもそも癌とは何か、になってくるんだけど」
(´・ω・`)「お兄ちゃんがさっき言ってたように、体の中に何か変な物ができてそれが増えて大きくなっていく」
(´・ω・`)「そしてそれを除去すれば治る。それ自体は間違った認識じゃないよ」
彡(゚)(゚)「なんや、ワイは正しいんやないか。さあ怪人癌切除男!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(´・ω・`)「あーもう、そんなに単純なものじゃないの!」
彡(゚)(゚)「そうなんか?」
(´・ω・`)「もちろん初期の小さい癌なら簡単に除去できるものも多いけどね」
(´・ω・`)「だからってそれだけで済ませられるようなものじゃないんだ」
(´・ω・`)「癌の基本的なことから始めようか」
(´・ω・`)「癌というのは正式には悪性腫瘍と呼ばれ、癌とはその中の特定のものだけを刺すんだけど」
(´・ω・`)「区別してない人も多いし、ひとまずここでは癌という名前で統一しようか」
(´・ω・`)「悪性新生物なんて名前でも呼ばれるね。個人的にはこれが感覚的に分かりやすい言葉のような気がするよ」
彡(゚)(゚)「新生物?なんか不思議な言葉やな。腫瘍って言われたらなんか腫れ上がって膿んでるって感じがするんやが」
彡(゚)(゚)「新生物ってことは寄生虫か何かなんか?」
(´・ω・`)「そういう訳じゃないんだ。癌は患者さん本人の細胞だよ。自分自身の一部と言っていい」
(´・ω・`)「さっき言っていた『体の中で増える何か変な物』。これは元々自分自身の細胞なんだ」
(´・ω・`)「正常な細胞が何らかの働きによって異常な細胞に変化してしまうんだ。これが癌の元、癌細胞だよ」
彡(゚)(゚)「ファッ!?自分自身の細胞なんか!?それがなんでそんな変な物になるんや!?」
(´・ω・`)「それについては後で説明しよう。その前になぜ癌細胞が人を死に至らしめるかを説明するよ」
(´・ω・`)「動物の正常な細胞はね、周囲の広さに応じた増殖しかしないんだ」
彡(゚)(゚)「どういうことや?」
(´・ω・`)「こういうお皿の上で細胞を増殖させるとしよう
│ │
│ │ ←お皿を横から見た断面
│〇 │
└───────────────────┘
(´・ω・`)「するとね、細胞は規則正しく増えて、お皿の広さ以上にはならないんだ」
│ │
│ │
│〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇│ ←これ以上細胞は増えない。
彡(゚)(゚)「ふむふむ」
(´・ω・`)「これは体の中でも同じ。だから正常な細胞が過剰に増えて他の細胞や臓器を押し潰すことはない」
(´・ω・`)「ところがこれが癌細胞だと」
│ │
│ │
│● │
└───────────────────┘
(´・ω・`)「こうなる。無秩序にとにかく増えて増えて増えまくる」
●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●
│●●●●●●●●●●●●●●●●●●●│
│●●●●●●●●●●●●●●●●●●●│
│●●●●●●●●●●●●●●●●●●●│
└───────────────────┘
彡(゚)(゚)「おお、めっちゃ増えとるな」
(´・ω・`)「もし正常細胞と癌細胞が一緒なら、正常細胞は癌に押し潰されて死んでしまう」
●●●●●●●●●●●●●●●●
●●●●●●●●●●●●●●●●●●
│●●●●●●●●●●●●●●●●●●●│
│●●●●●●●●●●●●●●●●●●●│
│●●●●●●●●●●●●●●●〇〇〇〇│
└───────────────────┘
彡(゚)(゚)「なるほど。つまり体の中の癌は自分が増えまくることで正常な細胞を押し潰してしまうんやな」
彡(゚)(゚)「それで内臓が癌細胞に破壊されて死んでしまう訳か」
(´・ω・`)「そういうこと。なのでなるべく癌細胞の数が少ない時に癌を切除するか、癌細胞を殺してしまわないといけない訳だ」
(´・ω・`)「実際、癌は早期発見さえできれば大半はそこをちょきんと切っちゃってお終いなんだけど」
彡(゚)(゚)「なんや、ほんじゃ怪人癌切除男計画は間違ってないやんけ!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(´・ω・`)「まあね。癌がどこにあるかはっきりしていて、そこが生命維持に重要じゃないところならそれでいいんだけどね」
(´・ω・`)「しかし必ずしもそれでおしまいとは限らないのが癌の怖いところなんだ」
彡(゚)(゚)「どういうことや?」
(´・ω・`)「単に癌治療のために次々と臓器を切り取っていけばそりゃ癌はなくなるけど、患者さんも亡くなっちゃうよ」
彡(゚)(゚)「せやな。本末転倒や」
(´・ω・`)「つまり癌はどこからどこまでを癌細胞だと正確に識別して切除範囲を決めないといけない」
(´・ω・`)「直径1mmの胃癌を切除するために胃を丸ごと切り取るっていうのは言語道断」
(´・ω・`)「いや、胃は最悪全部切り取ってもそれなりに生きていける。もちろん消化能力は低下するけど致命的じゃない」
(´・ω・`)「でも、例えば肛門付近に癌がある時、肛門もまるごと取るべきか?」
(´・ω・`)「人工肛門になると生活は大変だ。できるなら肛門は温存したい」
彡(゚)(゚)「せやな。糞は自分の肛門でしたいな」
(´・ω・`)「肺なら術後の呼吸力は除去範囲の大きさでダイレクトに影響を受ける」
(´・ω・`)「脳腫瘍だってそう。治療後のことを考えれば丸ごとえいや!じゃすまないんだ」
彡(゚)(゚)「うーん、なるほどなぁ」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ……」
彡(゚)(゚)「でも、どうするんや?どうやって切除範囲を決めるんや?」
(´・ω・`)「癌治療は、『癌発見』→『癌の領域と種類の同定』→『治療』→『治療が適切だったかのチェック』」
(´・ω・`)「という段階を踏むんだ。まあ初期の小さな癌だと発見から治療が一工程で終わることもあるけど」
(´・ω・`)「この『癌の領域と種類の同定』で癌がどこまで広がっていて、どこまで切除すべきかを決めるんだ」
彡(゚)(゚)「なるほどな……。ん?種類?」
(´・ω・`)「どうしたの?」
彡(゚)(゚)「領域は分かる。ようするに体の中のどこからどこまで癌細胞が存在するかってことやろ」
彡(゚)(゚)「種類ってなんや?癌は癌やろ。胃癌とか大腸癌とかそういうことか?でもそんなの一目瞭然やろ」
彡(゚)(゚)「胃にできとったら胃癌、大腸にできとったら大腸癌。それで終いやないか」
(´・ω・`)「うーん、一般的に癌の種類と言えばお兄ちゃんが言うように胃癌とか大腸癌とか」
(´・ω・`)「癌が発生した場所を指すことが多いね」
(´・ω・`)「国の統計なんかでも胃癌の死亡率がこれこれです、みたいに言うし」
(´・ω・`)「病院の標語も乳癌検診を受けましょう、みたいに××癌と言えば場所のことばかりだ」
(´・ω・`)「でもね、実際は同じ胃癌の中にも様々な種類の胃癌があるし、肺癌だって何種類もあるんだよ」
彡(゚)(゚)「そうやったんか!全然知らんかったわ。……、でも、それって重要なんか?」
彡(゚)(゚)「ようするに癌細胞がどんどん増えていって周りの正常な細胞を潰すから患者が死ぬ」
彡(゚)(゚)「なので患者が死ぬまでに癌細胞の部分を切除すればいいだけや」
彡(゚)(゚)「癌に種類があったとしてもやることは同じちゃうんか?」
(´・ω・`)「大雑把にはその通りだよ。でも癌の種類によって切除の仕方が変わってくるんだ」
彡(゚)(゚)「どういうことや?」
(´・ω・`)「より正確には癌の種類ではなく、癌細胞の種類と言うべきなんだけど」
(´・ω・`)「お兄ちゃんは少し前に『なんで癌細胞が産まれるのか?』と聞いたよね」
(´・ω・`)「この癌細胞の種類にはそのことも関わってくるから一緒に説明するね」
彡(゚)(゚)「ふむ」
(´・ω・`)「癌細胞と正常細胞の最大の違いは、無秩序に増殖するか否か」
(´・ω・`)「正常細胞は周りの環境に合わせて増殖を規則正しく調整するけど」
(´・ω・`)「癌細胞は周りのことなんか無視して物理的に可能な限り限界まで増殖しまくる」
彡(゚)(゚)「つまり正常細胞はワイのように理性的な細胞で、癌細胞は酔っ払ったタイガースファンみたいなもんやな」
(´・ω・`u)(……)
(´・ω・`)「え、えっと、この違いがなぜ生じるかなんだけど」
(´・ω・`)「正常細胞の遺伝子、すなわちDNAには細胞分裂にリミッターをかける遺伝情報があるんだ」
(´・ω・`)「このリミッターによって、正常細胞は暴走することなく適切な増殖をするんだけど」
(´・ω・`)「DNAも実体を持つ化学物質なので時には壊れてしまうことがあるんだ」
(´・ω・`)「その時運悪く増殖リミッターの遺伝子が壊れてしまうと、その細胞は癌細胞になってしまうんだ」
彡(゚)(゚)「なるほどなぁ。元々正常細胞にはリミッターがあって、それが壊れると暴走して癌細胞になるってことか」
(´・ω・`)「そう。ブレーキを失った車みたいなもんだね」
(´・ω・`)「そういうDNAを破壊して癌細胞に変えやすい性質は発癌性と呼ばれるんだ。焦げたお肉とかお魚なんかがその一つだね」
(´・ω・`)「他にも紫外線や放射能もそうだし、有名なダイオキシンなんかもそうだ。アルコールや有機溶媒も身近な発がん性物質だね」
彡(゚)(゚)「ほへー。確かに紫外線を浴びすぎると皮膚癌になるとか、焦げた肉を食べると癌になるとかよく言われとったな」
(´・ω・`)「これ以外にも厳密には自然界の多くの物質は大なり小なり発癌性があるんだけどね」
(´・ω・`)「塩や酸素にだって発癌性はあるし」
(´・ω・`)「まあ体の中には免疫という癌細胞を殺してしまう仕組みもあるからちょっとやそっと癌細胞が産まれてもすぐには癌という病気にはならない」
(´・ω・`)「一度に大量の癌細胞が産まれたり免疫能力が低下すると対応しきれなくて癌細胞がいっぱい増殖して発病するんだ」
彡(゚)(゚)「なるほどなぁ。免疫に感謝やな」
彡(゚)(゚)「ちなみにリミッター以外の遺伝情報が壊れた細胞はどうなるんや?」
(´・ω・`)「特に悪さをせずに寿命が来たら死んで処理されるだけだよ。まあ細胞としては役立たずになるかもしれないけど」
彡(゚)(゚)「ほーん。まあそらそうか」
(´・ω・`)「話を戻すけど、つまりどんな細胞でも癌になる可能性はあるってことなんだ」
彡(゚)(゚)「ふむ?」
(´・ω・`)「話を分かりやすくするために大腸を例に出して説明するよ」
(´・ω・`)「大腸にはいろんな細胞がある。上皮細胞や間質細胞や腺細胞や平滑筋や……」
彡(゚)(゚)「ちょ、いきなり専門用語いっぱいださんといてや。混乱するで」
(´・ω・`)「ごめんごめん、つまり大腸も一種類の細胞だけでできてるんじゃなくて、内側の表面を覆う細胞もあるし」
(´・ω・`)「中に詰まってる細胞もあるし、外側の表面を覆ってる細胞もある」
(´・ω・`)「ようは大腸にはいろんな種類の細胞があって、それぞれ形も性質も全然違うと理解して欲しい」
彡(゚)(゚)「まあそれならなんとか」
(´・ω・`)「で、癌細胞は元になった細胞の性質を受け継ぐんだ」
(´・ω・`)「上皮細胞が元になった癌細胞は上皮に近い性質があるし、腺細胞が元になった癌細胞は腺細胞に近い」
彡(゚)(゚)「ふむふむ」
(´・ω・`)「そうなると、臓器の表面を横に平べったく広がりやすい癌だとか」
(´・ω・`)「横に広がらずにイボみたいに大きく盛り上がる癌だとか」
(´・ω・`)「その癌ごとに増殖の仕方に特徴が出てくるんだ」
(´・ω・`)「それで元になった細胞や病巣の特徴から扁平上皮癌とか腺癌とか小細胞癌とか、色々な分類をするんだ」
(´・ω・`)「こういう分類を組織型(そしきけい)と呼ぶ」
彡(゚)(゚)「ふむ。なるほど。同じ胃癌や大腸癌にも種類があるっちゅーのはそういうことか」
彡(゚)(゚)「つまり、その癌細胞の種類によって癌全体の形が変わってくるから、切除する時は種類も分かってないといかんてことか」
(´・ω・`)「その通り!癌は肉眼で見てもその全貌が必ずしも分かるとは限らない」
(´・ω・`)「明らかに目で見ただけで、ここからここまでが癌だなって分かりやすいのもあれば」
(´・ω・`)「癌がここにあるのは分かるけど、どこまで広がってるのかよく分からないっていうのもあるんだ」
(´・ω・`)「なのであてずっぽうに切除したら健康な部分まで大幅に切除してしまって患者さんを無駄に苦しめたり」
(´・ω・`)「癌の一部が残っててすぐに再発してしまったり、という恐れがあるんだ」
(´・ω・`)「まあ種類が分かればOKってほど単純でもないからいろんな検査をしないといけないんだけどね」
彡(゚)(゚)「せやな。特徴があっても実際の形は状況で色々変わりそうやしな」
(´・ω・`)「また、癌の分類は元になった細胞だけじゃなくて、違う観点からのものもあるんだ」
彡(゚)(゚)「どういうことや?」
(´・ω・`)「分化の度合い、これが重要になってくるんだ」
彡(゚)(゚)「ぶ、文化の度合い?飛鳥文化?どういうことや?」
(´・ω・`)「分かれて化ける、の分化だよ」
(´・ω・`)「人間の細胞は色んな種類があって形も機能も全然別物だ」
(´・ω・`)「皮膚の細胞みたいに平べったくて柔軟なものもあれば」
(´・ω・`)「骨格筋細胞みたいに細長くて力強く縮むもの」
(´・ω・`)「腺細胞みたいに胃液とかホルモンとかの化学物質を作って放出するもの」
(´・ω・`)「神経細胞みたいに情報伝達に特化したもの」
(´・ω・`)「色々あるよね」
彡(゚)(゚)「せやな。細かいことは分からんが全然違う形の細胞があるってのは分かったで」
(´・ω・`)「でもそれらの細胞も元をただせば同じ細胞が変化したものなんだ」
(´・ω・`)「その元の細胞を幹細胞というんだけど」
(´・ω・`)「すべての細胞は一種類の幹細胞が何らかの特殊な細胞に変化したものなんだよ」
彡(゚)(゚)「ほう。全部同じ細胞なんか。大したもんやな」
(´・ω・`)「幹細胞は特殊能力は一切持ってない。ただ増殖することしかできない赤ちゃんみたいな細胞だ」
(´・ω・`)「でも増殖した幹細胞はホルモンなどの働きで特殊能力を持つ細胞に変化していく」
(´・ω・`)「この、幹細胞が成熟して特殊な細胞になることを分化というんだ」
彡(゚)(゚)「ふむふむ。赤ちゃんが成長して大人になるようなもんか」
(´・ω・`)「そう。そして細胞は分化が進んでいくと特殊能力が高度になっていく代わりに増殖能力が低下していく」
彡(゚)(゚)「ふむふむ。特殊能力と増殖能力は両立せーへんのやな」
彡(゚)(゚)「分化の話は分かったけどそれが癌とどう関係するんや?」
(´・ω・`)「最初のほうの癌細胞の説明を覚えてる?癌細胞は増殖力がものすごく高いって」
彡(゚)(゚)「覚えとるで。癌細胞はとにかく限界まで増えまくるんやろ」
(´・ω・`)「うん。そして、未分化の細胞ほど増殖能力が高い。この二つを合わせて考えるとどう思う?」
彡(゚)(゚)「むむ……、どちらも増力能力が高い……、癌細胞は未分化の細胞に似てるっちゅーことか?」
(´・ω・`)「その通り!癌細胞というのは高度に分化した細胞が未分化の状態に戻っていく現象ともいえる」
彡(゚)(゚)「むむむ、つまりどういうことや?」
(´・ω・`)「細胞は高度に分化したままじゃ増殖できない。だから癌細胞は増殖するために特殊能力を捨てて幹細胞に近い状態になろうとしてる、といった感じだね」
彡(゚)(゚)「なるほどな。増殖するだけなら能力なんていらんし、むしろ邪魔ってことか」
(´・ω・`)「まあ厳密に言えば癌細胞に意志があるわけじゃないから結果的にそうなる訳だけど」
(´・ω・`)「えっと、癌細胞を顕微鏡で調べると、元の細胞にそっくりな癌細胞もあれば、元の細胞の特徴を失った癌細胞もあるんだ」
(´・ω・`)「元の細胞にそっくりな癌細胞は高度に分化しているので高分化癌細胞」
(´・ω・`)「特徴を失った癌細胞は分化の度合いが低いので低分化癌細胞、中間のは中分化癌細胞と分類される」
(´・ω・`)「高分化癌細胞と低分化癌細胞、どっちが怖いと思う?」
彡(゚)(゚)「高分化癌細胞……、ではないんやろな」
(´・ω・`)「そう。漢字からすると高分化癌細胞のほうが凄そうだけど、さっきの説明の通り、癌細胞としては低分化癌細胞のほうが発達しているんだ」
(´・ω・`)「すなわち低分化癌細胞のほうが増殖力が高くて恐ろしいんだ」
(´・ω・`)「この分化の度合いと、癌細胞の組織型の分類を併せて」
(´・ω・`)「高分化型腺癌とか中分化型扁平上皮癌、みたいに分類するわけだ」
彡(゚)(゚)「つまり高分化型腺癌っちゅう癌は腺細胞が元になった癌で、細胞の分化の度合いは高い、つまり癌としては増殖力は低めっちゅーことやな」
(´・ω・`)「そうそう。こういう情報を元にどう治療するかを決める訳なんだ」
(´・ω・`)「だから『あ、癌だ。ちょっくら切り取るか!』ってだけじゃないんだよ」
(´・ω・`)「また、癌細胞をきちんと観察することで、例えば大腸癌の検査をしたら癌細胞が肝臓の細胞だ、なんてことが分かる時もある」
(´・ω・`)「どういうことだと思う?」
彡(゚)(゚)「うーん?大腸なのに肝臓?……転移ってやつか?」
(´・ω・`)「そう。つまり肝臓からの転移であり、肝臓も癌に侵されているということが分かるわけだ」
(´・ω・`)「単に大腸癌だから大腸だけ治療してそれでお終い!ってやってしまうと肝臓癌を見逃すことになる」
(´・ω・`)「他にも血管やリンパ管の中を調べてその中に癌細胞があるかどうかをチェックすれば」
(´・ω・`)「他の臓器に転移しているかどうかも推測できるしね」
彡(゚)(゚)「なんで血管やリンパ管を調べると転移が分かるんや?」
(´・ω・`)「癌の転移は癌細胞が血管やリンパ管の中に入り込んで、それを通じて別の臓器に移動することで起こるんだ」
(´・ω・`)「なので血管の流れる方向からどこの癌がどこに転移しやすいか、なんてのもある程度は分かる」
(´・ω・`)「だから癌が血管やリンパ管まで到達しているかどうかを調べるのはとても大切なんだよ」
彡(゚)(゚)「うーん、そこまで高度な能力を怪人癌切除男に付与するのは無理やなぁ」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ……」
(´・ω・`)「あと、癌が臓器の外側まで突き抜けて直接別の臓器に転移することもあるけど、これは相当末期だね」
(´-ω-`)「残念ながらここまでくると治らない可能性が高い」
彡(X)(X)「ヒェッ……、内臓を突き抜けるとか怖すぎやろ……」
(´・ω・`)「そしてそもそもだけど、外科的に切除できない癌もあるんだ」
(´・ω・`)「血液の癌と言われる白血病とか、肺や脳の深部の癌なんかは切除のしようがない」
(´・ω・`)「そういうのは化学療法とかの外科以外の方法で対処しないといけないんだ」
彡(゚)(゚)「そうなんか。癌治療も奥が深いやで」
(´・ω・`)「ということで、今回の地球征服は諦めてね」
彡(゚)(゚)「おのれ原住民マン!次こそはさらに強大な怪人で地球を征服してやるからな!」
(´・ω・`)「ドクターやきう!お前が何度悪を企もうとも正義は必ず勝つ!」
(V)o¥o(V)(よし、医学部を目指そう)
「第一話:怪奇!癌切除男の恐怖!:完」
彡(゚)(゚)「ワイは世界征服を企むマッドサイエンティスト!ドクターやきうや!」
彡(゚)(゚)「強力な能力を持った怪人を作り出して世界征服を狙うイケメンや!」
彡(゚)(゚)「前回は残念ながらにっくき正義のヒーロー原住民マンに企みを食い止められてしまったが」
彡(゚)(゚)「今度はそうはいかん!前回開発した怪人癌切除男に加えて!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
彡(゚)(゚)「怪人抗ガン男や!」
(%)「シュワッチ!」
彡(゚)(゚)「怪人抗ガン男は抗癌剤注射器や抗ガン粒子ビームを搭載した対癌最終兵器とも言える怪人や」
彡(゚)(゚)「この二体がかりで今度こそ癌世界を牛耳って世界征服したるで!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(%)「シュワッチ!」
( ゚д゚)「うわー!ドクターやきうの新しい怪人だ!」
('A`)「ひえええ!抗ガン治療をされちまうー!逃げろー!」
(´・ω・`)「そこまでだ!ドクターやきうと怪人癌切除男と怪人抗癌男!」
(´・ω・`)「たとえ怪人二体がかりでも正義は負けないぞ!」
彡(゚)(゚)「む、お前は……」
(´・ω・`)「正義のヒーロー原住民マン参上!」
彡(゚)(゚)「おのれー、原住民マンめ!またワイの邪魔をしにきおったんか!」
彡(゚)(゚)「こいつは正義のヒーロー原住民マン。いつもワイの世界征服を邪魔するにくいやつや」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(%)「シュワッチ!」
彡(゚)(゚)「せやけど今回は負けへんで!」
彡(゚)(゚)「まずは怪人抗ガン男の抗ガン治療で癌を小さくし!」
(%)「シュワッチ!」
彡(゚)(゚)「怪人癌切除男で小さくした癌を切除するという二段構えや!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
彡(゚)(゚)「あれからワイも勉強したんや!この世には抗癌剤という癌を小さくする薬や!」
彡(゚)(゚)「粒子ビームやら放射線やらで癌細胞を破壊する抗ガン装置があることを知った!」
彡(゚)(゚)「即座にそれらを組み込んだ怪人を作ったんや!」
彡(゚)(゚)「どや!原住民マン!手も足もでえへんやろ!」
(´・ω・`)「それで、どの抗癌剤を使うつもりなの?」
彡(゚)(゚)「……どの?」
(%)「シュワッチ!?」
彡(゚)(゚)「どのって言われても、抗癌剤は抗癌剤ちゃうんか?とりあえず適当に通販でポチってきたんやが」
(%)「シュワッチ!」
(´・ω・`)「抗癌剤は普通は通販では買えないんだけど……、それはともかく」
(´・ω・`)「抗癌剤は何十種類もあるんだよ」
彡(゚)(゚)「マジか!?」
(%)「シュワッチ!?」
彡(゚)(゚)「……まあでも風邪薬も色々あるし、そんなもんか」
彡(゚)(゚)「でも抗癌剤は抗癌剤やろ。効果があればええやん」
(%)「シュワッチ!」
(´・ω・`)「いやいや、お兄ちゃん、前回、癌にはいろんな種類があるって説明したよね」
彡(゚)(゚)「せやな」
(´・ω・`)「癌の種類ごとに抗癌剤の効果もまちまちなんだよ」
彡(゚)(゚)「そうなんか!?」
(%)「シュワッチ!?」
(´・ω・`)「しかも抗癌剤は副作用も強い。適当に使っても効果がないのに副作用で患者さんを苦しめるだけだよ」
彡(゚)(゚)「うーん、でもそんな厳密なもんなんか?どの抗がん剤でもそれなりの効果があるんと違うんか?」
(´・ω・`)「そんな単純な話なら誰も癌で苦しまないよ」
彡(゚)(゚)「そうかぁ……。じゃあ、原ちゃん、ちょちょいとどの癌にはどの抗癌剤が効くか教えてくれんか?」
(´・ω・`)「無茶言わないでよ……」
彡(`)(´)「なんやねんケチ!それくらい教えてくれてもええやんか!」
(%)「シュワッチ!」
(´・ω・`)「ケチとかじゃなくて分からないんだよ」
彡(゚)(゚)「なんや、ホンマ使えんわ。あーつっかえ」
(´・ω・`)「んもう、じゃあちょっと説明するよ」
彡(^)(^)「せやせや、初めからそうすればええんや」
(%)「シュワッチ!」
(´・ω・`)「前回の説明で、癌は正常細胞の増殖にかかわる遺伝子が壊れて癌細胞になるって言ったの覚えてる?」
彡(゚)(゚)「おう。覚えとるで」
(´・ω・`)「実はね、その癌化に関わる遺伝子は分かってるだけでも何十個もあるんだよ」
彡(゚)(゚)「ファッ!?何十!?うせやろ!?」
(´・ω・`)「まだ分かっていないものも含めれば恐らく数百個はあると考えられてるんだ」
彡(゚)(゚)「ふぁー、そんなにあるんやなぁ……、で、それが抗癌剤とどう関係するんや?」
(´・ω・`)「抗癌剤っていうのは癌細胞の増殖に関わる化学物質や遺伝子を抑制して癌細胞の増殖を止めたり殺したりするんだ」
彡(゚)(゚)「ふむふむ」
(´・ω・`)「そして癌細胞の増殖のメカニズムはどの癌化遺伝子由来の癌かでも微妙に変わってしまう」
(´・ω・`)「そのためにどの癌化遺伝子の変異で癌化したかで特定の抗癌剤の有効性が変わってくるんだ」
(´・ω・`)「だから、『前回の大腸腺癌の患者にはAという抗癌剤がよく効いた。だから次の大腸腺癌の患者にもAが効くだろう』」
(´・ω・`)「そう思って次の患者にAを使っても全然効果がない。そんなこともあるんだ」
彡(゚)(゚)「はー、なるほどなぁ……、って、あれ、そうなると癌化遺伝子が何百種類もあるってことは……」
彡(゚)(゚)「同じ細胞からできた癌でも、どの癌化遺伝子によって癌化したかによって何百種類もさらに細かく分類されるっちゅうことか!」
(´・ω・`)「そういうことになる。当然、癌への抗癌剤の効果の大小も何百通りにもなるってことだね」
彡(゚)(゚)「ファッ!?つまり癌に適切な抗癌剤を選ぶっちゅーのは、数百分の1の確率ってことなんか!?」
(´・ω・`)「まあ実際はそこまでじゃないよ。遺伝子にもグループがあるから別の遺伝子が原因でも癌のタイプは同じになったりする」
(´・ω・`)「ただそれでも、適当にえいやで選んだ抗癌剤が最適な抗癌剤である可能性は低いってことだよ」
彡(゚)(゚)「なんてことや……。そんなんどうやって選べばええんや」
(´・ω・`)「特定の癌であればどの抗癌剤が適切かの検査方法(乳癌のHER2検査など)で絞り込めたりするし」
(´・ω・`)「統計的にどこの臓器のどのタイプの癌にはどの抗癌剤が効く確率が高いかは分かってる」
(´・ω・`)「でも絶対確実とは言えないのも事実だ」
(´・ω・`)「もしも効果のない抗癌剤を使えば、副作用に苦しめられるだけ苦しめられて、癌は元気で踏んだり蹴ったりってわけさ」
(´・ω・`)「それに癌の位置によっては血流の関係で癌だけに抗癌剤を集中できない場合もあるし」
(´・ω・`)「癌の元になった細胞によっては薬品が吸収されにくくてほとんどの抗癌剤が効果が出にくいなんてこともある」
彡(゚)(゚)「ひえぇぇぇぇ……。もうお終いや……人類は癌に敗北するんや……」
(´・ω・`)「安心してお兄ちゃん」
(´・ω・`)「現代だと遺伝子解析によって、その個々人や個々の癌に最適な抗癌剤を選ぶ治療方法が確立されつつあるんだ」
(´・ω・`)「がんクリニカルシーケンス検査と言ってね」
(´・ω・`)「残念ながらまだまだ全ての癌で確実にとは言えないけれど」
(´・ω・`)「以前に比べれば癌治療や抗癌剤選択の精度はずっと上昇してるよ」
彡(゚)(゚)「せやったんか。ほなら安心やな。医学の進歩は偉大やで」
(´・ω・`)「抗癌剤の注入方法や外科的切除方法も様々な新技術が開発されていってる」
(´・ω・`)「だから近年、癌による死亡率はどんどん低下していっているんだ」
(´・ω・`)「なのでもしも運悪く癌にかかったとしても、自暴自棄にならずに治療を受けて欲しいな」
彡(゚)(゚)「うーむ、ワイの怪人たちの出る幕はなさそうやなぁ」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ……」
(%)「シュワッチ……」
(´・ω・`)「そういうこと。分かったら世界征服は諦めてね」
彡(゚)(゚)「ちくしょー!今日のところはこれくらいで勘弁したる!ほなまた……」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(%)「シュワッチ!」
( ゚д゚)「やったー!正義のヒーロー原住民マンが今日も勝ったぞ!」
('A`)「ありがとう!原住民マン!」
「第二話:凶悪!抗ガン男の野望!:完」
彡(゚)(゚)「お、原ちゃんやん」
(´・ω・`)「あ、お兄ちゃん。久しぶりだね」
彡(゚)(゚)「せや。今ちょっとええか?」
(´・ω・`)「別にいいけど。どうかしたの?」
彡(゚)(゚)「いや、ネットで日本の癌の発症率の統計を見ててな」
彡(゚)(゚)「臓器によって癌のできやすい、できにくいのがあるのが不思議になったんや」
彡(゚)(゚)「胃とか大腸とか肺とかは多いのに脳とか筋肉とかはだいぶ少ないやろ」
彡(゚)(゚)「これってなんでなんやろ」
(´・ω・`)「ふむ……」
(´・ω・`)「前になぜ正常な細胞が癌細胞になるかっていうのを説明したよね」
彡(゚)(゚)「ああ。細胞の増殖のリミッターに関わるDNAが壊れて増殖が暴走するんやろ」
彡(゚)(゚)「んで、その原因は発癌性の物質とか紫外線とかやったな」
(´・ω・`)「それだけではないんだけど、まあそれは後で説明するよ」
(´・ω・`)「そのことと癌が発生しやすい臓器を見ると何か関連性が見えてこない?」
彡(゚)(゚)「癌が起こりやすいのは胃、大腸、肺。そして原因は発癌性物質と紫外線」
彡(゚)(゚)「紫外線は関係あらへんな。胃も大腸も肺も体の中や。紫外線が原因なら先に皮膚が癌になるはずや」
彡(゚)(゚)「とすると発がん性物質、せや!胃も大腸も飯が入ってくるところやし、肺は空気が入ってくる!」
彡(゚)(゚)「なんや、考えてみたらホンマに単純な話やな。外部の物質が入り込むところやから発がん性物質と触れやすい」
彡(゚)(゚)「そういうことか」
(´・ω・`)「そういうことだね。タバコとか汚染された空気が肺癌の原因になるっていうのは有名だし」
(´・ω・`)「それに紫外線に関しても、紫外線がきつい国では皮膚癌の発症率が高く、また、皮膚癌が発生する皮膚はほとんどが日を浴びやすいところだ」
(´・ω・`)「例えば顔とかだね」
彡(゚)(゚)「言われてみればすごく単純な話やな……、ってあれ、ちょっとまてや」
(´・ω・`)「なに?」
彡(゚)(゚)「それやったら口や食道や小腸はどうなんや?胃とか大腸と同じ条件やのに癌が少ないやんか」
彡(゚)(゚)「それに肝臓癌もけっこう多いし女やったら乳癌がすごい多いやん」
彡(゚)(゚)「こいつらはさっきの説明と矛盾せーへんか?」
(´・ω・`)「いいところに目を付けたね。もちろんそれにも理由があるんだ。1つ1つ説明していくよ」
(´・ω・`)「まず口や食道の癌が胃癌などに比べれば比較的少ないことについてだけど」
(´・ω・`)「口や食道は粘膜が厚いんだよ。これらの食べ物と触れ合う部分は重層扁平上皮細胞っていう細胞で覆われてるんだ」
彡(゚)(゚)「じゅうそうへんぺいじょうひさいぼう?なんやそれ」
(´・ω・`)「ごめん、もう少し最初から説明するよ。口とか食道とか胃腸の食べ物と直接触れ合う部分は皮膚みたいになってるんだ」
(´・ω・`)「その皮膚みたいなところを上皮(じょうひ)と呼ぶ。その上皮を構成しているのが上皮細胞」
彡(゚)(゚)「ふむふむ」
(´・ω・`)「口や食道の上皮は平べったい上皮細胞が何重にも重なって層になってて分厚いんだ」
(´・ω・`)「何重にも層になってるから重層(じゅうそう)。平べったいから扁平(へんぺい)」
(´・ω・`)「硬い食べ物とこすれ合っても大丈夫なように頑丈になってるわけなんだ」
(´・ω・`)「でも、胃腸の上皮はたった一層の上皮細胞しかなくて、上皮がとても薄いんだ」
(´・ω・`)「なので食べ物に発癌性物質が含まれてても口や食道は胃腸に比べて影響を受けにくいんだよ」
(´・ω・`)「まあ全く受けない訳じゃないから食道はそこそこ癌にかかりやすいけどね」
彡(゚)(゚)「ほう。ちゃんと理由があるんやな。ちなみになんで胃腸は上皮が一層なんや?」
(´・ω・`)「それは胃腸では食べ物の中の栄養を吸収するためだよ。胃腸の上皮細胞は栄養を吸収して、さらに奥に運ぶ働きがある」
(´・ω・`)「当然それは層になってるとやりづらい」
彡(゚)(゚)「ほーん。でもそれやと小腸が癌になりにくい理由が余計分からんな。条件は胃と大腸と同じやのに」
(´・ω・`)「小腸はちょっと特殊でね。小腸の細胞は胃や大腸に比べて、物凄い速度で入れ替わってるんだ」
(´・ω・`)「新しい細胞ができたらほんの数日でその細胞は捨てられて新しい細胞に入れ替わる」
(´・ω・`)「だから例え癌細胞が産まれても癌として成長する前に死んでしまうんだ」
(´・ω・`)「だから癌になりにくいんだよ」
彡(゚)(゚)「ほへー。そうなんやな。でもなんで小腸だけそんなに細胞の入れ替わりが早いんや?」
(´・ω・`)「小腸は食べ物の栄養を吸収する中心的な場所なんだ。胃や大腸でもある程度は吸収するけど、栄養の大半は小腸で吸収される」
(´・ω・`)「そして小腸の中には消化酵素で消化されて吸収しやすい栄養がたっぷり詰まってる」
(´・ω・`)「なのでここには細菌がいっぱい増殖しやすい環境なんだ」
彡(゚)(゚)「ばっちいな」
(´・ω・`)「そしてその細菌たちは隙あらば小腸の細胞に潜り込んでこようとする」
(´・ω・`)「なので小腸は細胞を高速で入れ替えることで細菌の侵入を防ごうとしてると考えられているんだ」
彡(゚)(゚)「なるほど。それで結果的に癌になりくいんやな」
彡(゚)(゚)「あれ、でもそれならなんで大腸は細胞の入れ替わりは少ないんや?あそこにも細菌はいっぱいおるやろ」
(´・ω・`)「大腸の中は小腸ほど栄養はないからね。数は多くてもそれほど細菌が元気じゃないので粘液や通常の免疫などで防御してるみたいだね」
(´・ω・`)「大腸にはリンパ球という免疫にかかわる細胞がものすごくたくさんいるんだ。たぶんそれらが防衛の役割を果たしているんだろう」
(´・ω・`)「癌の話とはずれちゃうけど、腸は栄養を吸収するだけでなく、リンパ球をいっぱい用意して彼らに体に入ってくる細菌を監視させてるんだよ」
(´・ω・`)「だから腸は感染症への抵抗力を高める役割もあるんだ」
彡(゚)(゚)「ほー、そんな働きもあったんやな。てっきり単なるウンコ製造機やと思っとったわ」
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)「まあともかく、大腸はその性質上体に吸収されなかった食べ物のカスと長時間触れ合うし、細胞の入れ替えも早くないから」
(´・ω・`)「非常に癌になりやすいって訳なんだ」
彡(゚)(゚)「胃も同じか」
(´・ω・`)「実は胃にはまた別の要因もあるんだ」
彡(゚)(゚)「別の要因?なんやそれは?」
(´・ω・`)「発癌性の物質は必ずしも無生物とは限らない。細菌やウイルスにも発癌を引き起こすものがいるんだ」
彡(゚)(゚)「マジか!?」
(´・ω・`)「そして、胃にはその一種であるヘリコバクター・ピロリという細菌が定着しやすいんだよ」
彡(゚)(゚)「ヘリコプター……ポロリ?」
(´・ω・`)「ヘリコバクター・ピロリ。ピロリ菌って呼ばれることが多いね」
彡(゚)(゚)「なんや、けったいな名前やなぁ」
(´・ω・`)「名前を和訳すると、『胃の幽門部(ピロリ)によくいる、螺旋状の形(ヘリコ)をした細菌(バクター)』って意味だよ」
(´・ω・`)「その名の通り、ねじれた棒状の細菌で胃の小腸側によくいるんだ」
彡(゚)(゚)「なんや、割とそのまんまの名前なんやな」
(´・ω・`)「このピロリ菌はね、アンモニアを分泌して強酸性の胃液を中和して胃の中に居座るんだ」
彡(゚)(゚)「ほへー。胃液を中和するとかごっついな」
(´・ω・`)「そのせいでピロリ菌に感染した人は胃炎にかかりやすい。そして胃炎がよく起こると胃の細胞がダメージを受けて癌にもなりやすくなる」
(´・ω・`)「しかもこのピロリ菌は現代日本だと30歳くらいなら約10%の人が感染してるくらい一般的な菌なんだよ」
彡(゚)(゚)「マジか!?じゃあワイも感染してる可能性があるんか!」
(´・ω・`)「もちろんあり得るよ」
彡(゚)(゚)「あかんやん!胃癌にかかってまう!どないすればええんや!?」
(´・ω・`)「まあまあ落ち着いて。ピロリ菌がいるからってすぐに胃炎や胃癌にかかるわけじゃないよ」
(´・ω・`)「ただ、将来的に胃癌にかかるリスクが高いのも事実」
彡(゚)(゚)「なんか解決策はないんか!?」
(´・ω・`)「だいじょうぶ。今なら胃腸専門の病院に行ってピロリ菌の検査を受けて、感染してたら一か月くらい薬を飲めば除菌できるよ」
彡(゚)(゚)「なんや、それだけで済むんか」
(´・ω・`)「なので気になるなら検査を受けてみてもいいかもね」
彡(゚)(゚)「現代医学様様やな」
(´・ω・`)「さて、癌を引き起こす病原体はピロリ菌にもいて、メジャーなところではヒトパピローマウイルスなんかがいるね」
彡(゚)(゚)「なんやそいつは」
(´・ω・`)「人間の皮膚や粘膜に潜むウイルスで、非常にたくさんの種類がいるんだけどそのうちの数種類が癌を引き起こすことが知られているんだ」
(´・ω・`)「そしてこのウイルスは主に性的接触で感染することが分かってる」
彡(゚)(゚)「ヒェッ」
(´・ω・`)「特に性風俗店はこのウイルスが蔓延しやすいから注意だね」
彡(゚)(゚)「マジか……、そんなこと言われたら怖くて夜のお店に行かれへんやないか!」
(´・ω・`)(行ってるのか……)
彡(゚)(゚)「こいつはどうすればええんや!?ピロリ菌みたいに除菌できへんのか!?」
(´・ω・`)「残念ながらこのウイルスを除去する方法はないんだ。感染自体を防ぐために多人数との性的交渉とか夜のお店に行くのを控えるしかない」
(´・ω・`)「そして実際に癌が発症してから治療するかだね」
彡(゚)(゚)「なんてことや……」
(´・ω・`)「まあ夜のお店にはそれ以外にもいろんな性感染症のリスクがあるし、どうしても行きたいなら自己責任でね」
(´・ω・`)「外部要因による発がんの説明はこれくらいにしとこう」
彡(゚)(゚)「とりあえず、臓器が癌にかかりやすいかどうかは発癌性の外部要因に触れるかどうかで決まるっちゅーことやな」
(´・ω・`)「もう一つ、癌にかかりやすいかどうかはその細胞の内部要因もある。例えばDNAがどれくらい使われているかにもよるんだ」
彡(゚)(゚)「DNAが使われる?どういうことや?」
(´・ω・`)「DNAは通常は糸を何重にもグルグル巻きにしたような状態で細胞の核の中に保存されてるんだけど
(´・ω・`)「細胞の中で何か化学物質を作る時はグルグル巻きがほぐされてDNAの情報の読み取りが行われるんだよ」
(´・ω・`)「その時に一定確率でミスったりDNAが壊れたりするんだ」
彡(゚)(゚)「マジか!はーつっかえ」
(´・ω・`)「まあそういう時はちゃんとミスを認識して修正したり、DNAを修復する機能も細胞にはあるけどね」
彡(゚)(゚)「ほへー。細胞もやるやん」
(´・ω・`)「だから普通はそうそうは癌細胞にはならないんだけど、活発にDNAを使いまくってればそれだけミスをする可能性は上がる」
(´・ω・`)「例えDNAが壊れて修復されない確率が1万分の1だとしても1000万回やればほぼ確実に起きるだろうし」
彡(゚)(゚)「たしかにせやな。いっぱい使えば壊れるのはDNAもバットも同じっちゅーことか」
彡(゚)(゚)「ほんで、どういう細胞がそれにあたるんや?」
(´・ω・`)「ずばり、腺細胞(せんさいぼう)」
彡(゚)(゚)「そういや何度もその名前は出てきてたな。具体的にはどういう細胞なんや?」
(´・ω・`)「簡単に言えば化学物質を合成して分泌する細胞のこと」
(´・ω・`)「胃には胃液を合成して作り出す腺細胞がいるし、腸には消化酵素を作る腺細胞がいる」
(´・ω・`)「胃や大腸で発生する癌細胞の大半は上皮細胞か腺細胞のどちらかなんだ」
彡(゚)(゚)「ほへー。上皮は食べ物の発癌性物質に触れるし、腺細胞はDNAを活発に使うからってことか」
(´・ω・`)「あと、腺細胞は化学物質を作る時にもミスをして間違った物質を作ってしまうこともある」
(´・ω・`)「そういう間違った物質は細胞の中で溶かしてしまうんだけど、量が多いと処理しきれなくて細胞の中にたまってしまう」
(´・ω・`)「その溜まった物質が細胞の中の活動に負担を与え、それも発癌の原因になるとも考えられる」
彡(゚)(゚)「意外と細胞もけっこうミスをするんやな」
(´・ω・`)「現実世界に物質として存在する以上は完璧な存在にはなれないってことだね」
(´・ω・`)「まあともかく、胃癌や大腸癌ほどじゃないけど肝臓癌とか前立腺癌とか発症率が高いでしょ」
(´・ω・`)「肝臓は全体が腺細胞の集まりと言ってもいい臓器だし、前立腺はその名の通り腺だしね」
(´・ω・`)「特に、肝臓は体の中に入った有毒物質の解毒なんかも行うから発癌性物質の影響も受けやすい」
彡(゚)(゚)「女に多い乳癌もおっぱいを作るところやな。ん?すると子供をいっぱい産んでおっぱいをいっぱい出したほうが乳癌にかかりやすいんか?」
(´・ω・`)「うーん、乳癌については実はまた特殊な原因があってね、おっぱいを作る量は関係がないんだ」
彡(゚)(゚)「どういうことなんや?」
(´・ω・`)「エストロゲンっていう乳腺の発達に関わるホルモンが体の中にあるんだけど」
(´・ω・`)「どうもこのエストロゲンは乳癌の発生確率を高める効果があって、このエストロゲンを長い間受けた人が乳癌になりやすい」
(´・ω・`)「このエストロゲンの発癌への影響は遺伝の影響が大きくて子供を産んだ数とは関係がないんだ」
(´・ω・`)「むしろ若いうちに出産するとエストロゲンの影響が減少して乳癌の発症率が下がるとも言われてるね」
彡(゚)(゚)「なんや、じゃあエストロゲンが悪役ってことか!なくしてしまうことはできへんのか?」
(´・ω・`)「エストロゲンは女性の体を適切に成長させる大切なホルモンなのでけして邪悪な物質って訳じゃないんだよ」
(´・ω・`)「ただ、体の形成に関わるってことは遺伝子の活動率にも影響を与えるってことだからメリットとデメリットの両方があるってことなんだ」
(´・ω・`)「他にも男性的な肉体を作るのに関わるテストステロンは前立腺癌のリスクを高める働きがある」
(´・ω・`)「癌に関わるとはいえ人体を健康的に発育させるためにエストロゲンもテストステロンも必須の物質なんだ」
(´・ω・`)「単純に無くせばいいってもんじゃないってことさ」
彡(゚)(゚)「むぐぐぐ。難しい話なんやなぁ」
(´・ω・`)「まあ発癌の基本的な原理はこんな感じかな」
彡(゚)(゚)「発癌性物質などの外部要因と、DNAの活動とかホルモンとかの内部要因があるわけやな」
(´・ω・`)「実際には個別の臓器や細胞によってさらに特殊な要因もあるから、この説明はあくまでも大雑把な概要だけどね」
彡(゚)(゚)「ふむふむ」
(´・ω・`)「そしてこういう要素の少ない細胞、筋肉細胞とか神経細胞とかは比較的癌に成りづらいわけだ」
(´・ω・`)「また、筋肉や神経は細胞の分化の度合いが特に高い。ほとんど増殖能力がないほどだ」
(´・ω・`)「その点からも発癌し辛いと考えられる」
(´・ω・`)「ちなみに筋肉や骨の癌は肉腫、脳の癌は一般的には腫瘍って呼ばれるよ」
彡(゚)(゚)「言われてみれば筋肉癌とか脳癌なんて言葉は聞いたことないな」
(´・ω・`)「もともと癌という言葉は上皮由来の悪性腫瘍を意味し、上皮以外の細胞由来の悪性腫瘍は肉腫と呼ぶんだ」
(´・ω・`)「一般的にはまとめて癌、あるいは平仮名で『がん』と呼ばれてて、癌と肉腫をきちんと区別してる人は医療関係者くらいだろうね」
(´・ω・`)「ちなみに生命保険だと癌と肉腫をきちんと区別してたりするんで保険の入会を考えてる人は注意したほうがいいよ」
(´・ω・`)「契約内容によっては癌にかかった時と肉腫にかかった時で貰える金額が違ったりするから契約文の言葉の定義は丁寧に調べておこう」
彡(゚)(゚)「ヒエッ、保険なんて気にしたこともなかったわ」
(´・ω・`)「医療に限らず一般的な言葉の使い方と専門家の言葉の使い方が違ってて、その違いを利用して契約を有利にしようとすることはよくあるからね」
彡(゚)(゚)「めんどい話やなあ」
(´・ω・`)「あと、余談だけど、キシレンとかアセトンとかシンナーとかの有機溶媒は発癌性が高い」
彡(゚)(゚)「なんやそれ。不良がよく吸ってるやつか?」
(´・ω・`)「油性の物質を溶かすために使われる液体だよ。油性マジックとかペンキなんかに含まれてて、意外と仕事で使ってる人は多い」
(´・ω・`)「プラモデルを本格的に作ってる人なんかも塗料を塗る時に体に触れたり吸ったりすることが多いね」
彡(゚)(゚)「ワイもガンプラはたまに作るが色まではは塗らんな」
(´・ω・`)「最近のガンプラは出来がいいからね。まあそれはともかく」
(´・ω・`)「普段よく使う分危機感が鈍るのか、意外と有機溶媒の危険性を深く考えずに素手でこれらを扱う人は多い」
(´・ω・`)「でもけっして安全な物質ではないからね。ちゃんとゴム手袋を付けて、換気をして、皮膚に直接触れたり肺に吸ったりしないように注意しよう」
(´・ω・`)「また、ゴム手袋の素材によっては有機溶媒が浸透してしまうものもあるんだ」
(´・ω・`)「有機溶媒を遮断できるかどうかは手袋のメーカーが表示しているはずだから、きちんと調べておこう」
彡(゚)(゚)「ワイも気を付けるか」
(´・ω・`)「さて、臓器ごとの癌のかかりやすさの違いについてはこんな感じでいいかな?」
彡(゚)(゚)「おう、勉強になったで。あんがとな」
(´・ω・`)「僕の説明はあくまでも大雑把なものだからね。色々端折ったり省略したことも多いから、あくまでも参考程度にね」
彡(゚)(゚)「まあワイもあんまり本格的な説明されても分からんしな」
彡(゚)(゚)「ほんじゃまたな」
(´・ω・`)「またねー」
「第三話:強襲!ドクターやきう!:完」
彡(゚)(゚)「原住民マン!出て来い!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(%)「シュワッチ!」
(´・ω・`)「ドクターやきう!今日は何を企んでいるんだ!」
彡(゚)(゚)「ふっふっふ。お前のその態度も今日までやで!ワイらは究極の作戦を考え付いたんや!」
(´・ω・`)「な、なんだって!?」
彡(゚)(゚)「ワイら三人は大学の医学部を受験し、本物の医者になるんや!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(%)「シュワッチ!」
彡(゚)(゚)「そして癌について本格的な勉強をして世界征服をするんやで!」
彡(゚)(゚)「そのために明日から毎日3時間勉強する予定や!」
(´・ω・`)「な、なんという邪悪な計画だ!」
(´・ω・`)「くそ、本物の医者の知識には僕も手も足もでない。そうなったら勝ち目がないや……」
(´・ω・`)「こうなったら僕も対抗して医学部に入らないと!」
(´・ω・`)「でも、僕は学校では落ちこぼれで勉強が苦手なんだ……医学部なんてとても無理だ……」
(´;ω;`)「もう、諦めるしかないのかな……」
彡(゚)(゚)「……」
彡(゚)(゚)「おっと、パンフレットを落としてしまったで」
(´・ω・`)「ん?これは……、赤ペン先生!?」
彡(゚)(゚)「せや。進研ゼミが主催する赤ペン先生。これは生徒一人一人の学力を元に最適な進み方で勉強を教えてくれるんや」
彡(゚)(゚)「分からない問題についてはプロの講師が丁寧に添削してきめ細かく解説してくれるんやで」
(´・ω・`)「す、すごい!これなら僕も勉強への苦手意識を克服してがんばれそうだ!」
(´・ω・`)「でも、なぜ敵である僕に手を差し伸べるようなことを……?」
彡(`)(´)「か、勘違いすんなや///。お前を倒すのはワイや!せやから受験戦争なんかにお前が負けたら困るんや!」
彡(`)(´)「べ、べつにあんたのことが好きだから一緒に大学に行きたいなんて思ってないんだからね///」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ///」
(%)「シュワッチ///」
(´・ω・`)「……、ありがとう、ドクターやきう、癌切除男、抗ガン男」
彡(゚)(゚)「ほんじゃ、あの夕日に向かってダッシュや!」
(´・ω・`)「よーし、負けないぞ!」
(V)o¥o(V)「フォッフォッフォッフォッフォッ!」
(%)「シュワッチ!」
「最終話:ありがとう赤ペン先生!希望の未来へレディーゴー!:完」
以上で終わりです
皆さんに赤ペン先生のすばらしさを知ってもらいたくてこのSSを書きました
皆も癌についてもっと詳しく知りたければ赤ペン先生で医学部を目指そう!
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