夕美・美波「「アインフェリアでお花見するよ!」」 (25)

(事務所)

美波「アインフェリア再集結だよ! 夕美ちゃん!」カッ!

夕美「アインフェリア再集結だね! 美波ちゃん!」カッ!

2人「「みんなを呼ぶよ!!」」ガシッ!

美波「まずは文香さん! さあカモン!」

ピュ-イ!

夕美「指笛? そんなもので文香さんは来るわけ…」

文香「お呼びでしょうか…」シュタッ!

夕美「降って来たァ!!」

文香「ふふふ…30分前から天井裏に潜んでいたのでござるよ…」ニンニン!

夕美「忍者なの? 忍者に憧れてるの?」

文香「先日…司馬遼太郎の『梟の城』を読んだんだってばよ…」

夕美「でも、その口調『NARUTO』だよね!?」

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美波「さて。あとは藍子ちゃんとありすちゃんね。へい! カモンッ!」

ピュ-イ!

夕美「…」

文香「…」

美波「…あれ?」

夕美「こないね」

文香「まだ集合時間の15分前ですからね…」

美波「ところで2人はどうしてこんなに早く来たの?」

夕美「え、普通じゃない?」

文香「私も早めにくるのが常です…」

美波「なんだかんだみんな真面目よね」

(10分後)

カチャ

藍子「おはようございます♪」

ありす「おはようございます」

美波「熱意に格差があるね! 夕美ちゃん!」カッ!

夕美「熱意に格差があるね! 美波ちゃん!」カッ!

文香「藍子ちゃん…ありすちゃん…そのようなのほほんとした気構えではこのビッグウェーブに飲み込まれて消えてしまいますよ…?」クワ-

ありす「そ、それほどすごい剣幕で迫るということは…重要なミッションが待ち受けているというわけですね…!」

藍子「聞いてませんでしたけど、一体何をするんですか?」

美波「お花見よ」

藍子「ほんわかしていいじゃないですか!!」

夕美「甘いよ! 藍子ちゃん!」

文香「甘いですね…藍子ちゃん…」

藍子「も、もしかしてお花見以外のこともするんですか…?」

美波「もちろんよ…桜の木の下でやることといえばまずお弁当を食べ…」

夕美「缶コーラをがぶ飲みし…」

文香「心ゆくまではしゃいで過ごすのです…!」

藍子「お花見じゃないですか!!」

美波「お花見よ? ありすちゃんは反対?」

ありす「私は美波さんたちに地の果てまで付いて行きます」フンス

藍子「ありすちゃん。そろそろ目を覚ました方がいいよ。この人たち女神に見えて、その実、悪ノリしがちな普通の大学生だから」

美波「心外ね。私たちは女神よ」

文香「左様…我が名は女神サギサワ…コンゴトモヨロシク」

藍子「何故急に『女神転生』を」

夕美「八艘ビート!」シュインシュインシュインシュイン!

美波「ガデンツァ!」

藍子「それ『ペルソナ』! 微妙に違います! スキルのチョイスも若干マイナーですし!」

ありす「コ-ル!!」

藍子「『デビルチルドレン』! ありすちゃんまで乗らないでー!! 作品を派生させないでー!!」

文香「ボンボン版のデビルチルドレンは展開がハードでしたよね…」

美波「私。コロコロ派だったから知らないのよね」

夕美「え、2人ともちゃおじゃないの?」

藍子「雑誌談義をナチュラルに始めないでくださいっ!」

夕美「さて。お花見の計画を立てようか」

藍子「もう…この流れからごく普通に切り出さないでくださいよ」

美波「話はきちんと進めるから安心してちょうだい」

夕美「まずは場所と時間だね。ちなみに桜の開花日とお花見スポットは抑えてあるよ」

文香「ビニールシートや飲み物も確保済み…小分けにすればみんなで持っていける量です…」

美波「お弁当は私が当日作ってくるから…他に必要なものないわね。不安なのは雨くらいかしら。藍子ちゃん、ありすちゃん、何か聞きたいこととかあるかな?」

藍子・ありす「「ありません」」

美波「ではお疲れ様でした。会議終了です」

夕美「お疲れ様でした♪」

文香「したっ…」ピシ-

藍子「恐ろしく手際がいいですね」

ありす「これです。私が憧れているのはこのそつなくこなす手際なんです」フンス

藍子「わかるけど…」

美波「あ、文香さん。余興用の着ぐるみは借りられたかしら?」

文香「もちろんです…ピ◯チュウのものを5着…」ウキウキ

美波「ようし。当日はみんなで着てフィーバーしましょう♪」グッ!

藍子「ようし、じゃありませんよ! あんまりハメを外しすぎちゃ駄目ですよ!?」

ありす「文香さん!」

文香「おや、ありすちゃん…何でしょう…」

藍子「(ありすちゃん…! 止めてくれるんだね…!)」

ありす「私の着ぐるみはSサイズでお願いします!」

文香「オゥケーイ…」グッ

藍子「止めるどころじゃなかったよー!」ヒ-ン!

夕美「ツッコミ1人で大変だね」

美波「藍子ちゃんもボケていいのよ♪」

藍子「駄目です。私がボケの『最終処分場』何ですから。機能停止したらまずいです」

ありす「あ、そうだ。美波さん。当日のお弁当作りは私も手伝います」

美波「ありがとう。ありすちゃん♪」

ありす「問題ありません。いちご料理は得意なんです」フンス

藍子「待って!?」

夕美「ところで美波ちゃん。プロデューサーさんは?」

美波「当日は少し遅れてくるみたい。でも参加してくれるって言ってたわ」

文香「数に限りがあり…プロデューサーさんの分まで着ぐるみを借りられなかったのが悔やまれます…」

藍子「プロデューサーさんは着たくないと思うなぁ」

(お花見当日)

美波「晴れたわね!」

夕美「晴れたね!」

文香「晴れましたね…」

藍子「晴れました!」

ありす「晴れです!」

5人「「「お花見だー!」」」

美波「では乾杯の音頭をとります! みんな! 飲み物を用意したかしら!」

文香「ええ行き渡っています…1人分は志希さん特製のドリンクですが…」

藍子「何をさらっと爆弾発言してるんですか!?」

夕美「ロシアンルーレットってことだね! よーし、負けないよ!」

ありす「勝利を確信しています」

藍子「ありすちゃん。危ないから飲まなくていいよ」

夕美「あはは♪ 所詮1/5なんだからそう簡単に当たらなグファァァァァッ!」ゲフッ

藍子「フラグ回収が早い!」

美波「1人目でクリティカルが出たわね」

文香「ちなみに…今回の薬は…」

ボン!

夕美「あれ。わたしどうなってるの…?」キョトン

文香「名探偵コナンの小さくなる薬こと…『コナンニナール』です…飲んだ人が7歳児になります…」

藍子「夕美さぁぁぁぁぁん!!」

美波「夕美ちゃん! 可愛い!」ガシッ!

文香「ほっぺたがプニプニしてますね…」ツンツン

ありす「ふふん。私がお姉さんです。何でも教えてあげます」フンス

藍子「お姉さん風を吹かせている場合じゃないよ! ありすちゃん!」

夕美「ありすお姉ちゃん…この世はどうしてこんなに憎しみと悲しさに満ちているの…?」

ありす「え、ええと…」オロオロ

藍子「重いですよ! 世界には明るいこともたくさんありますよ!」

文香「かんぱーい…」スッ

美波「乾杯♪」

藍子「この流れで乾杯します!? 乾杯!」

ありす「乾杯です」

夕美「カンパーニュ♪」

美波「見た目は7歳児だけど、言動は50過ぎのおばちゃんね! 夕美ちゃん!」

夕美「へっへっへっ」

藍子「子供の姿で下卑た笑いをしているとホラーですよ」

ボンッ!

夕美「あ、戻った」

文香「効能は2分のパーティグッズだと言っていましたから…」

美波「はい、乾杯が済んだところでお弁当。大したものじゃないけど、よかったら食べていってね♪」スッ

藍子「わぁ。ありがとうございます。中身は…サンドイッチですね♪」

ありす「この中に私の作ったサンドイッチが入ってます」フンス

夕美「何を挟んでいるのかな」

ありす「いちごです!」

藍子「案の定」

文香「サンドイッチですから…横から見ればどれがありすちゃんのサンドイッチなのか丸わかりですね…」ヒョイ

藍子「ふ、文香さん!?」

文香「ふむ…美味です」モグモグ

藍子「!?」

夕美「まあ、美波ちゃん監修だからね。どんな料理音痴がいても『食べられるもの』に仕上がるんだよ」ムシャムシャ

文香「どんなことでも80点以上を取る女。それが美波さんなのです」ムシャムシャ

美波「そんなに凝ったものは作ってないけどね。ホイップクリームをパンに塗ってスライスしたイチゴと何種類かのフルーツを挟んでもらっただけ。中のフルーツはありすちゃんに考えてもらったわ」

藍子「流石です…それなら失敗のしようがありませんからね。あ、美味しいです」ムシャムシャ

ありす「最初はパスタを挟むことを提案したのですが。それはまた次の機会にと」

藍子「(そんな機会永遠に来て欲しくないなぁ)」

美波「ふふふ♪ こうしておけばみんなが美味しいサンドイッチを食べられて幸せなお花見にグファァァァァッ!」ゲフッ

夕美「み、美波ちゃん!?」ガ-ン!

文香「な、何故です…!?」

藍子「誰かー! 水を! 水をー!」

美波「な、何か痛烈なクセが…!」

ありす「クセ? 私はブルーベリーとラズベリーとマンゴー…それから『乾燥ドリアン』くらいしか使っていませんが」

藍子「最後のッ!」

夕美「ドリアンが入ってるやつと入ってないやつがあるみたい。私のは当たりだ」ムシャムシャ

美波「」

文香「私は好きですが…好き嫌いがはっきり分かれる味です…エフッ」ムシャムシャ

藍子「むせているじゃないですか!」

文香「く、クリームとの…食べ合わせがすごく悪いです…」ガクガクガク

夕美「大丈夫? 口直しによっちゃん食べる?」スッ

藍子「よりにもよってどうしてそんなパンチの効いたものを差し出すんですか。生クリームとの相性最悪ですよ?」

ありす「よっちゃんください」

夕美「どうぞ」

ありす「薄くて柔らかい奴が美味しいんですよね」ムシャムシャ

夕美「私は硬い部分も好きだよ」

藍子「よっちゃん談義はいいので美波さんと文香さんの介護をお願いします。特に元凶」

(しばらくして)

文香「それでは始めましょう…チキチキ・ピ◯チュウの着ぐるみかけっこ対決~…」

美波「パチパチパチパチ~♪」

夕美「フゥフゥー♪」

ありす「頑張ります」フンス

文香「ルールは簡単…50メートルをピカチュウの着ぐるみを着て走り…ビリの人が罰ゲームです…」

藍子「『ガキ使』のノリに全員が付いてくると思わないでください。ていうかよく持ってこれましたね!?」

文香「業者さんに運んでもらいました…さあみなさん着てください…!」

美波「ピッピカチュ-」シャキ-ン!

夕美「ビギュン!」デッデッデンデ-♪

ありす「ピチュ-」テ-レ-レ-テレレレンレレ-♪

藍子「みんなすでにスタンバイオッケーだぁ!」

文香「ところで藍子ちゃん…」

藍子「な、何ですか?」

文香「よかったら…私たちと一緒に着ぐるみ着ませんか…?」グッ!

藍子「この段階で言います!?」

文香「ピッカチュ-」

藍子「ああ! そんなことを突っ込んでいる間に文香さんまで~!」

夕美「チャ-」

藍子「…」

藍子「も、もう! 着ますよ! 着ます!」

文香「藍子ちゃんは流される女ですね…」ニタリ

藍子「仕方ないじゃないですか! 1人は寂しいですから!」カッ!

ガサゴソ...

藍子「ピカチュウ」

文香「では…あそこの木まで走り…ビリだった人が負けです…いいですね?」

4人「「「はい」」」

文香「では…よーい…どんっ…!」

パァン!
ドタドタドタドタ...!

(木の近く)

P「美波たち…ここで花見してるって聞いたけど…どこだろう?」キョロキョロ

ドタドタドタドタ...!

P「…ん? 何か変な音が」

ドタドタドタドタ...!

美波「ピッカァ!」

夕美「ビギュン!」

文香「チャ-!」

ありす「チュピ-!」

藍子「ピカチュウ!」

P「何事!?」

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美波「はぁはぁ…ゴール!!」ゼイゼイ

夕美「あ、暑いよぉ…」

文香「は、走り辛いです…」

ありす「な、なんとか走りきりました…!」

P「キミたち何してるの?」

美波「見ての通り!」

夕美「ピ◯チュウだよ!」

P「知らんわ! なんでそんなもん着て走ってるのかって聞いてんだよ!」

P「…つーか。あそこで倒れてるピ◯チュウはもしかして藍子?」

藍子「~~~!」ジタバタジタバタ!

ありす「途中で転んじゃったんですね」

文香「藍子ちゃんが罰ゲーム決定です…」

P「状況がまるで掴めないよ」

(しばらくして)

美波「では、プロデューサーさんが来てくれたところで罰ゲームいってみましょう♪」

夕美「パチパチパチパチ~♪」

文香「yeah…」

ありす「頑張ってください。藍子さん」

藍子「うう…あんまりだよ…」

P「罰ゲームって何するの?」

美波「『罰ゲーム箱』を用意してあるのでここから引いてもらうんです」

夕美「中に色々な罰ゲームが書かれたカードが入っているからね」

文香「引いたものは絶対に実行してもらいます…これマフィアの掟…」

藍子「いつから私たちはマフィアになったんですか」

文香「とにかく絶対なのです…」

藍子「うーん。辛くないのがいいなぁ…」

ガサゴソ...ヒョイ

【左隣の人に1分間抱きつく】デ-ン

藍子「左隣…って」

P「へいカモン」

藍子「ぷ、プロデューサーさんですか…///」

4人「「「!?」」」

藍子「で、では…失礼して…///」

美波「待った! これはやり直しね!」バ-ン!

夕美「ずるいよ不公平だよ! 罰ゲームになってないよ!」

文香「断固反対します…!」クワ-

ありす「許しませんよ!」

藍子「…」

藍子「で、でも! 絶対って言いましたよね!」カッ!

P「言ったな」

夕美「そ、それは…」

藍子「罰ゲームですから実行しなければいけません! すみませんプロデューサーさん! 抱きつきます!」ガシッ!

P「あ、はい」ギュ-

4人「「「!!!」」」

藍子「♪」スリスリ

美波「」

夕美「」

文香「」

ありす「」

(しばらくして)

藍子「(今日来てよかったなぁ♪)」ニマニマ

美波「もう一度…もう一度…競争を…!」

夕美「次は絶対負けてみせるんだから!」

文香「やりましょう…!」

ありす「当然です。こんなふざけた結果のまま帰れませんから」フンス

P「でも着ぐるみは業者さんがいま運んでいったぞ?」

4人「「「え?」」」

ブロロロロロ...

4人「「「あーっ!?」」」

藍子「あ、あの…私が言うのもなんですけど…普通にお花見しませんか?」

美波「何をふざけたことをぬかしているのかな!?」ギロッ!

夕美「そうだよ! 勝ち逃げならぬ負け逃げは許さないよ!」バ-ン!

文香「反対…!」クワ-

ありす「藍子さん。それはフェアではありませんよ!」

藍子「…来週、事務所のみんなで行くお花見がありますよね? そこで4人が罰ゲームが引けるように協力しますから」ヒソヒソ

4人「「「…」」」

4人「「「手を打とう!」」」ガシッ!

藍子「あ、あはは…」

P「何を盛り上がっているんだい。ていうかお腹空いたんだけど何かない?」

美波「…あ、それなら私のサンドイッチを♪」

ありす「私が作ったものもあります」フンス

文香「飲み物をどうぞ…」スッ

夕美「せっかくだし。食べ終わったらこの辺を少し歩いてみようよ」

藍子「そうですね。私、写真撮ります♪」

キャッキャ♪

(次の日)

藍子「(昨日は突っ込むのが大変だったけど…楽しかったな♪)」

カチャ

藍子「おはようございます」

美波「あ、おはよう。藍子ちゃん」

夕美「おはよう」

文香「おはようございます…」

ありす「おはようございます。藍子さん」

藍子「皆さん。何を書いているんですか?」

夕美「昨日の罰ゲーム箱の中身を考えてるんだよ」

藍子「へぇ…って、ん?」

【結婚】ド-ン!

【ハグ24時間】ド-ン!

【同棲】ド-ン!

【18歳まで待ち続ける】ド-ン!

藍子「これただの願望じゃないですか!?」

終わり

以上です。
お読みいただきありがとうございました。

ゲームでピカチュウの鳴き声が変わったことは普通に受け入れている派です。

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