・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります
-----事務所----
ガチャ
杏「おっつかれー」
智絵里「お疲れ様ですっ」
かな子「お疲れ様でーす……誰もいないね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520094547
杏「ふははー。この事務所は我々キャンディアイランドが占拠したー」
智絵里・かな子「えぇっ!?」
杏「ささ、魔王チエリエル様。玉座にどうぞ」
智絵里「わ、私がボスなの……?」
かな子「玉座ってそれ、杏ちゃんのうさぎソファーじゃ……?」
杏「いやぁ、フォルム的には近いっちゃ近いかなと」
智絵里「で、では、お言葉に甘えて……」ポスン
智絵里「……ふわぁ……やわらかい……」フニャー
杏「でしょー」
杏「って、しまった。杏の座る場所が無くなってしまった」
かな子「ふふっ。残念でした」
杏「しょうがないなぁ。それじゃ、今日はかな子ちゃんソファーで……」ムギュ
かな子「ひゃっ。もう、杏ちゃんったら。急に寄りかかってきたら、びっくりするよぉ」
杏「いやー。それにしても、珍しいこともあるもんだねぇ」
かな子「びっくりだよね。今日は三人とも別々のお仕事だったのに……」
智絵里「事務所に戻ってくる時間が、ぴったり重なるなんて……偶然っていうか、ちょっと運命的、かも」
杏「運命はさすがに大袈裟じゃない?」
かな子「智絵里ちゃんは、モデルのお仕事だったっけ?」
智絵里「あ、はい。今度新しく刊行される雑誌の……。ちょっと緊張しました」
杏「かな子ちゃんは、お菓子のCMの撮影、どうだった?」
かな子「うん! とっても美味しかったよ♪」
智絵里「……それって、お仕事じゃなくて、お菓子の感想だよね……?」
杏「まさか、また大量につまみ食いしてきたんじゃ……?」
かな子「そっ、そんなことないよぉ! ……撮影のあと、ちょっとだけ分けてもらったけど……」
杏「で、杏はきらりと一緒にネット配信番組の撮影、と」
智絵里「そういえば、きらりちゃんはどうしたの?」
杏「んー? まだ仕事。これから凸レーションでロケだってさ。まったく、よく働くよねぇ」
かな子「でも、アイドルとしては、忙しいのはいいことなんじゃないかな?」
智絵里「プロデューサーさんも、頑張ってあちこちを回って、お仕事を取ってきてくれてるから……」
杏「ほどほどでいいんだよ、ほどほどで……。ほら、ゴハンだって腹八分目がちょうどいいでしょ?」
かな子「私は、スイーツならお腹いっぱい食べたいなぁ」
智絵里「甘いものは別腹、ですよねっ」
杏「はいはい。おいじょぶだね、おいじょぶ」
智絵里「……? 杏ちゃん、『おいじょぶ』って?」キョトン
杏「『美味しいから大丈夫だよ』の略だよ」
かな子「りゃ、略されちゃった……」ガーン
杏「テレビとかでどんどん使ってさ、流行らせようよ、『おいじょぶ』。……流行語大賞って、賞金出るのかな……?」
智絵里「さあ……?」
かな子「流行らせようって言われても……これは、そういうのじゃなくて……」
智絵里「でも、蘭子ちゃんの『やみのま!』も、前に事務所でちょっと流行ってたよね」
かな子「あ、確かに……。いつだったか、莉嘉ちゃんが真似して使ってて、それを聞いた美嘉ちゃんが固まってたよね」
杏「あったあった。『新種のギャル語かなにかかと思った……』って、あれは相当困惑してたね」
かな子「あはは……。妹が突然、知らない言葉を使いだしたら、びっくりするよねぇ」
杏「杏だって、智絵里ちゃんがいきなり『あー、仕事マジメンディーなんだけどー。テンションさげぽよー』とか言い出したら、耳がどうにかなったのかと思うよ」
智絵里「ええっ!? な、なんで私!?」
杏「だって、妹いないし」
かな子「想像すると、違和感がすごいね……」
杏「ファンが泣くよね。……いや、一部の層には需要があったりするのか……?」チラッ
智絵里「や、やりませんよ……?」ビク
かな子「智絵里ちゃんは、今の感じが一番似合ってて、可愛いもんねっ」
智絵里「かな子ちゃん……あ、ありがとう」
杏「そりゃそうだけどさ。新境地に挑戦してみるのもアリかもしれないじゃん。魔王系ギャルアイドルなんて、超斬新だよ」
智絵里「えっ、魔王の設定も続いてたの!?」
杏「世界の半分をクローバーで埋め尽くしてやろう、みたいな」
かな子「それって、ただの緑化運動じゃない?」
智絵里「そうなっちゃうと、四つ葉のクローバーを探すのが大変そう……」
杏「だいじょーぶ。もう魔王レベルになると、魔力で四つ葉の場所くらい一発で探し当てられるから」
かな子「べ、便利なんだね」
杏「それどころか、三つ葉からもう一枚葉っぱを生み出す魔法なんかも使えたりして」
智絵里「うーん……それって、ありがたみが無くなっちゃいそうな……?」
かな子「苦労して探した四つ葉のクローバーだからこそ、幸せを運んでくれるって感じ、するもんね」
智絵里「だよね。苦労して探した、クローバー……」
智絵里「……はっ」
かな子「……えっ!? ち、違うよ!? そういうつもりじゃないからね!?」ブンブン
杏「意図してなかったのに偶然ダジャレになっちゃった時って、なんか気まずいよね」
かな子「もしかして、楓さんがよくダジャレを言ってるのは、実はたまたまだったり……?」
杏「いや、あれは絶対に確信犯でしょ」
智絵里「……えぇと……」
かな子「……智絵里ちゃん?」
智絵里「……クローバーで、押し花を作ろう……ばぁ……」ウーン
杏「……智絵里ちゃん、一応聞くけど……何言ってるの?」
智絵里「はうっ!///」
智絵里「その、わっ、私もかな子ちゃんみたいに、クローバーのダジャレを考えようとしたんだけど……うまく出来なくて……」シュン
かな子「だ、大丈夫だよ! クローバー大好きな智絵里ちゃんなら、きっと凄いのが思いつくよ!」
杏「ていうか、二人してダジャレ乱発されると、杏のツッコミが追い付かなくなるから勘弁してくれない?」
かな子「そうだ! いいこと思いついたよ」ガサゴソ
かな子「今日はクッキーを持ってるから、うまいダジャレを言えたら、座布団の代わりにこれをプレゼントするよっ!」
智絵里「わぁ、おいしそうっ」
杏「……ねぇ、聞いてる?」
かな子「あっ、杏ちゃん。早速何かいいの思いついた?」
杏「ちがわい!」ヒョイ パク
智絵里「あ、クッキー……」
かな子「もう、ずるいよ杏ちゃん」
杏「いいじゃん、普段別に交換条件なんて設けてないんだし」
かな子「……確かに、言われてみればそうだね」パク
智絵里「ですね。……あの、私も貰っていいかな?」
かな子「どうぞどうぞ。今日のはココア風味なんだ♪」
杏「んー、やっぱり仕事終わりは甘いモノに限るよねー」モグモグ
かな子「だよねー♪ 疲れなんて、すぐにどこかへ行っちゃうよ」モグモグ
智絵里「かな子ちゃん、お仕事でもお菓子を食べてきたところだったんじゃ……?」モグ
杏「……杏、もうかな子ちゃんのお菓子無しじゃ生きてけない身体になっちゃったかも」
かな子「えぇっ!?」
杏「だってさ、もしお菓子のご褒美が無かったらって考えると、働く気力が湧かないし、動くのもだるいし……」
かな子「……えぇと。それは、元からじゃなくて?」
杏「むー。さてはかな子ちゃん、杏をただの怠け者だと思ってるなー?」
かな子「そ、そういうわけじゃないよ! でも……」
杏「怠け者は怠け者でも、杏はやれば出来るけど面倒くさいからやらないタイプの怠け者だから」
智絵里「結局怠け者なんだ……」
杏「もっと正確に言うと、怠けたいのは怠けたいけど将来怠けるためにちょっと怠けるのを我慢して、でもやっぱり怠けたいから怠けられる時はしっかり怠ける……」
かな子「ちょ、ちょっと待って! なんだかこんがらがってきちゃった……」
智絵里「えっと……つまり、一言でいうと?」
杏「怠け者だよね」
かな子・智絵里「なんでやねん!」ビシィ
杏「あぅ」
智絵里「なんだか今の、早口言葉みたいだったね。杏ちゃん」
杏「そう? ふふ。生麦生米怠け者、ってね」
かな子「あははっ、杏ちゃんうまいっ! クッキー三枚あげちゃうっ♪」
杏「お、やったね。……さっきからフツーに食べてるけど」
智絵里「かな子ちゃんボーナス、だね」
杏「智絵里ちゃんボーナスは無いの?」
智絵里「ふぇっ!? わ、私は……えぇと……はい、あーん」
杏「んむ」パク
かな子「ふふっ、無条件だったね」
杏「ボーナスというか、サービスというか」
智絵里「うぅ……自分でやっておいて、ちょっぴり恥ずかしかったかも……///」
ガチャ
卯月「お疲れ様ですっ!」
智絵里「ひゃぁ」ビクッ
杏「おー、卯月ちゃんお疲れー」
卯月「今日も皆さんお揃いで、お仕事のお話ですか?」
智絵里「な、内緒……ですっ」
卯月「えー、隠し事ですかぁ?」
杏「……仕事だけに、隠し事……ふむ、なかなかやるね」
かな子「おぉー……! 凄いね、卯月ちゃん! はい、クッキーどうぞ♪」
卯月「えっ!? あ、はい! ありがとうございます……」パク
卯月「……あの、凄いって、何がでしょうか……?」キョトン
おわり
以上、お付き合いありがとうございました。
きっと年がら年中もぐもぐタイムしてるんだろうな、このユニット。
前回
キャンディアイランドの得てして毒にも薬にもならないおしゃべり
カケくぼシリーズ
まゆ「寒さに負けず!」 美玲「もりくぼカケル!」
も、よろしければどうぞ。
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