処刑人「……」チラ
神官「どうなさいますか、王」
国王「……」
国王「良かろう、申してみよ」
戦士「最後まで迷惑をかけてすまない、王様」
戦士「はぁ……」
戦士「どうしても話したかったが、誰も話を聞いてくれなかったんだ」
戦士「何故、俺が勇者達を殺したのか」
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『ふざけるな……!! 殺せー! 裏切り者の魔物を殺せー!!』
『そうだそうだ!! 命乞いをするつもりだ!殺せ!』
『早く処刑しろー!!』
< ヒュッ!!
戦士「つッ……!」ゴスッ
神官「鎮まれ民達よ! 我が王の御意向である、静まれッ!!」
『『・・・』』シーン
戦士「……本当に迷惑をかけてすまない」
神官「貴様の為ではない、命乞いがしたければ好きにしろ戦士」
戦士「ああ……」
戦士「俺は戦士。知っての通り勇者一行で前衛を務めていた」
戦士「二年前俺は『勇者』、『魔法使い』、『賢者』、『剣士』達と共に旅に出た」
戦士「果ての島にいる悪しき存在。 魔王を討つ為にだ」
戦士「少なくとも俺はそのつもりで勇者の仲間になった」
戦士「魔王を倒して数百年、再び現れた伝説の魔物と戦う為に生まれた勇者と旅をする事に、俺は誇りを感じていた」
戦士「だが……」
戦士「あの男は正義ではなかった」
……【二年前】……
戦士「敵の匂いだ勇者」スンスン
勇者「やっとか! 行くぞ諸君、全員戦闘準備!」
勇者「私と魔法使いが援護する。 戦士君と剣士君は前へ、賢者は戦況を見て指示を出してくれたまえ!」
剣士「行くぜ戦士ィ! ヒャァッ!!」バッ
戦士「……」
……俺達は碌な訓練もしていなかった。
だが、勇者に導かれた者故か連携は完璧だった。
まるで長年の戦友と共にしているかのように、俺達は互いの動きを把握して動けていた。
悪くは無かった。
常に危険と隣り合わせの旅が、頼もしさで満たされていた。
勇者「やぁやぁ、私達は勇者一行だよ」
町長「お待ちしておりました勇者様、どうか旅のお疲れを取って下さい。町総出でおもてなしの用意をしていますとも!」
勇者「殊勝な事だね」
勇者「しかし、私が欲しいのはもてなしではないのだよ町長殿」
町長「はい?」
勇者「旅は一刻を争うものだ、長々と滞在するつもりは無いのだ」
町長「こ、これは大変な失礼を……! では必要な物資の補給を……」
勇者「適当な馬車を数台、そこに次の街まで若い娘と男を乗せてくれたまえ」
町長「…………は?」
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