花陽「ゲームフェスティバル」 (14)

私の自己紹介をします。

ーー小泉花陽16歳。好きな食べ物は白米。嫌いな食べ物は特にありません。特技は特にありませんが苦手な物は運動です。
どこにでもいる平凡な高校生、それが私。(とは言っても一応アイドルをやっていますが…)

ツバサ「打ちなさい」

穂乃果「花陽ちゃん…打って…」

花陽「で、でも…」

そんな私があの綺羅ツバサさんに銃口を向けています。事件です。絵面的にも事件ですし、私的には大事件です。

花陽「ああ…ど、どうしてこんな事に…」


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話は一週間前に戻ります。始まりは真姫ちゃんです。

穂乃果「ゲームフェスティバル?」

真姫「そう。パパの知り合いが開発に関わってるんだけど…。私がμ’sのメンバーって話したら是非参加してくれないかって」

海未「ゲームですか?」

凛「凛…ゲームなんて出来ないにゃ」

真姫「大丈夫よ。ゲームって言っても仮想体感ゲームって奴で」

仮想体感ゲーム?それってあれかな?ハロウィン的な何かかな?

穂乃果「仮想ってあのハロウィンでやる奴?」

真姫「何馬鹿な事言ってるのよ。違うわよ」

穂乃果「えへへ~」

良かったです。言わなくて…。

真姫「仮想体感ゲームって言うのつまり…ヴァーチャル世界をまるで実際の世界の様に体感出来るゲームって事よ」

穂乃果「つまり?」

海未「ゲームの内容を実体験出来ると言う事ですね?」

穂乃果「面白そう!」

真姫「参加する?」

穂乃果「勿論!」

穂乃果ちゃんの一言で私達のゲームフェスティバルへの参加が決まっちゃいました。

穂乃果「うわ~、人がいっぱいだ~」

真姫「当たり前でしょ?世界初なのよ?」

ええ?世界初ですか?そんなものに私達は参加するのですか?私なんかが大丈夫ですか?

絵里「そんな凄いイベントに私達が参加しても大丈夫なの?」

真姫「大丈夫よ。ただ、ゲームするだけですもの」

絵里「そうだけど」

穂乃果「うわ~見て?凛ちゃん、あそこに面白そうなのがあるよ」

凛「うわ~本当にゃ~」

海未「こら。穂乃果!凛!走らない!」

絵里「本当に大丈夫かしら?」

分かります。絵里ちゃんの気持ちすっごい分かりますよ。私も物凄い不安です。

ーーーーーあら?μ’sの皆さん。

え?この聞き覚えのある声は?

絵里「ツバサさん?」

ああ…。やっぱり、ツバサさんだ。

あんじゅ「ハロー。あなた達もこのイベントに参加するの?」

絵里「あんじゅさんも…。もしかして?」

英玲奈「ああ…。私達も参加する」

真姫「そうだったの。A-RISEも…」

ツバサ「これは面白くなりそうね」

絵里「え?」

え?面白く?面白くってどう言う事ですか?

ツバサ「何も聞いてないの?」

絵里「それって…」

司会者「さあ、それではゲームに参加する人はフロアへお集まりください」

ツバサ「呼ばれちゃったわね」

絵里「そうですね。ごめんなさい。穂乃果達を呼びに行かなきゃ」

ツバサ「ええ。良い勝負にしましょうね」

え?勝負?勝負ってどう言う事ですか?今日って何か勝負をするのですか?

穂乃果「いたいた。絵里ちゃーん達~」

凛「こっちにゃ~」

絵里「もう。どこ行ってたのよ。ほら、フロアに行くわよ?」

その前に一回。私は今日何をするのか確認したい。ゲームをやるんですよね?

真姫「仮想体感ゲームって言ったでしょ?」

花陽「そ、それは聞いたけど…」

司会者「今日、体験者の皆さんには仮想世界に入って頂いて勝負をして貰います」

穂乃果「勝負?」

司会者「ルールは簡単。仮想世界には各個人に銃が用意されています。その銃で相手を倒し最後まで残ったチームが優勝です」

えっ…。銃で撃ち合い?そ、そんな事するの?仮想世界で?

スタッフ「それではμ’sの皆さん」

穂乃果「花陽ちゃん?呼ばれたよ?早く行かなきゃ」


花陽「う、うん」

スタッフ「それではこの機械の中へ」

この機械の中へ?機械の中に入るのですか?そうですか。私はこれからどうなってしまうんだろう。

司会者「それでは、開始します。それでは頑張って下さい」

え?説明は終わりですか?少し雑じゃないですか?説明が足りないと思うんだけど…。

花陽「ん…んん…ここは?」

海未「花陽?」

花陽「海未ちゃん?」

海未「良かった」

ここはどこでしょうか?えっと…どこかの工場?

海未「どうやら、仮想世界のようですね」

成る程。そういう事ですか……。海未ちゃん飲み込み早くないですか?

海未「どうやら、私と花陽の二人みたいですね」

あ~海未ちゃんと二人きり。

海未「そしてこの銃…。これで対戦相手を撃つと…」

ええ?そんな…。本当にそんな事するの?

海未「銃の形が見るからにオモチャの様ですが…。それがせめてもの救いですね。本物に近いと生々しいですから」

何が生々しいのかな?もしかして…海未ちゃんやる気満々?

海未「やるからには勝ちましょう!花陽!」

あ~やっぱり。海未ちゃんのやる気に火がついてるよぉ~。

バキューーン

海未「うっ…」

花陽「海未ちゃん?」

海未「だ、誰です?」

いやいや、海未ちゃん?今撃たれたよ?思いっきり撃たれたよね?

海未「花陽。気をつけて下さい。誰かが狙っています」

花陽「あの…海未ちゃん?痛くないの?今撃たれたよね?」

海未「ええ。流石に痛みはないのですね。そして、一回撃たれたくらいでは大丈夫みたいですね。果たして何回まで撃たれても大丈夫なのか。撃たれないに越した事はないですが」

海未ちゃん飲み込み早すぎだよ。あれかな?経験者なのかな?

海未「いいですか花陽。向こうに扉があるでしょ?ここに居ても狙われるだけです。格好の餌食です。私が合図したら走って扉に飛び込み直ぐに閉めます」

花陽「う、うん」

海未ちゃん…頼もしすぎだよ。どうして、そんなに頼もしいの?凄い、イキイキしてるよ?

海未「行きます!」

バッ!

え?ま、待って。海未ちゃん。

バキューーン。カーン

うわぁぁぁ。今、私の前を弾が走ったよ?当たるところだったよ?

海未「花陽!走って」

海未ちゃんもう扉の向こう側にいるよ。速いよ海未ちゃん。足速すぎだよ。

花陽「はあ…はあ…」

海未「よく頑張りました。これでなんとか助かりました」

バタン

何とか助かったみたいです。撃たれずに済んだみたいです。


バキューーン

花陽「ひいっ」

花陽「う、海未ちゃん?イキナリどうしたの?急に銃を撃つなんて」

海未「いえ…。このゲームは何処までリアルなのかなと」

え?どう言う事ですか?

海未「銃で撃たれても血も出ないし怪我もしなかった。驚きはしましたが痛みも感じませんでした」

当たり前だよ。そこまで、リアルにしたらこの先誰もやらないよ。

海未「この銃の威力も分かりませんし…。何処まで出来るのかも分からないでしょう?」

花陽「うん。それで?」

海未「例えばこの銃で扉の鍵は壊せるのか…とか。知っていればこの先タメになると思うのです」

うん。海未ちゃんってサバイバルに凄い向いてるんだね。きっと…。

海未「やるからには勝ちます。行きますよ?必ず最後まで生き残ります」

うわぁ~燃えてるよ。海未ちゃん燃えてるよぉぉぉ。

でも、海未ちゃんの側に居れば怖い思いをしなくていいかも知れない。

海未「……」

そう言えば、海未ちゃん何処に向かってるのかな?ただ、闇雲に歩いてるのかな?

ガチャ

花陽「それにしても…」

最初は工場かと思ったけど…ここって?また広い部屋に出たけど…。

海未「倉庫のようですね。ここは…」

花陽「へ?」

海未「一つ一つの部屋の広さからして。そして、床に05と書いてあるでしょう?多分ここは05倉庫と言ったとこでしょう。向こうの扉の上に04と書いてあるのであっちは04倉庫ですね」

花陽「う、うん」

海未「部屋の作りとしては…部屋の端には中二階へ行く階段が二つ…。中二階は壁に沿って足場があるだけの部屋」

海未ちゃん、分かるよ?説明してくれなくても私でも分かるよ?

海未「言語化する事で心を落ち着かせているのです。お互いの現状把握にもなりますし」

ああ…そういう事だったんだ。なるほど。でも、あれかな?海未ちゃんには私の声が聞こえてるのかな?

海未「花陽…」

花陽「へ?何?」

海未「狙われています。花陽から見てちょうど背後の通路からこちらを伺っています。もちろん、私が気づいた事に向かうも気がついているみたいですね」

花陽「さっきの人かな?」

海未「分かりません。ですが、姿を現さないと言う事はμ’sのメンバーではないでしょう」

な、なるほど。μ’sの皆んなは何処にいるんだろ…。

海未「花陽!しゃがんで」

花陽「え?」

海未「早く」

そ、そんな事言われても。

バキューーン

花陽「え?」

海未「撃ったのは私です」

花陽「な、何で?」

海未「向こうから仕掛けて来ました」

あんじゅ「ハロー。μ’sのお二人さん」

花陽「あんじゅさん…」

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