【デレマスSS】千川ちひろ「檸檬」 (15)
昔書いたやつを題材だけ残して全部変えました。
おそらくキャラ崩壊あります。
一杯目から五杯目まで分けられています。
梶井基次郎「檸檬」
1925年初出。レモンを爆弾に見立て、鬱屈した現状の打破に希望を見出した青年を描く短編小説。
~一杯目~
ちひろ「感情って」
モバP「はい?」
ちひろ「絞り出すものじゃないですか」
モバP「はあ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1518195012
~一杯目~
ちひろ「感情って」
モバP「はい?」
ちひろ「絞り出すものじゃないですか」
モバP「はあ」
ちひろ「レモンと一緒ですよね」
モバP「・・・もう酔ってますか」
ちひろ「・・・まだ一杯目です」
モバP「・・・ですよね」
ちひろ「・・・あ」
モバP「はい?」
ちひろ「でも、感情っていうのは全部見せちゃダメですよね」
モバP「・・・まあ、そうですね」
ちひろ「いつまでかなあ、感情をストレートに出して、社会に迷惑かからないのって」
モバP「・・・うちのアイドルたちは出してるほうだと思いますけどね、全年齢」
ちひろ「それがかわいいんですから、アイドルは別物です、別物」
モバP「まあ確かに」
ちひろ「社会人ってそうはいきませんよね」
モバP「はいはい」
ちひろ「怒り、とか理不尽、とか、そういう感情は割と湧くことはありますけど、出せませんもん、どうなるか怖くて」
モバP「あるあるですね」
ちひろ「口に出すときは感情から濾過されまくってます、何番絞りだよ!っていうね」
モバP「・・・今ちひろさんが飲んでるやつ」
ちひろ「ん?」
モバP「スーパードライですよ」
ちひろ「乾いた社会だ」
モバP「全くです」
~二杯目~
ちひろ「檸檬っていう小説、知ってますか」
モバP「ええ、聞いたことあります、かなり昔の」
ちひろ「読んだことありますか」
モバP「理系なんで」
ちひろ「・・・まあ、この前文香ちゃんに貸してもらったんですよ」
モバP「仲いいんですね」
ちひろ「まあ、それくらいは」
モバP「カップ麺のふたを文庫本でしていたらマジギレされたことありますよ」
ちひろ「自業自得」
モバP「その後謝るの大変で・・・ピッチ早いですね今日」
ちひろ「まだ二杯目です、普通ですよ、あ、唐揚げください」
モバP「ほどほどに、ですよ」
ちひろ「はいはい」
ちひろ「それで、その檸檬って本、ぶっちゃけわけわかんないんですよ」
モバP「駄目じゃないですか」
ちひろ「無理です無理です、何かレモンを爆弾に見立てた青年の話なんです」
モバP「・・・はあ」
ちひろ「それで、店先にレモンとかおいて鬱屈した現状の打破、マジ爽快、みたいな」
モバP「こんなそそられないあらすじ紹介久しぶりですよ」
モバP「それで、文香的にはどうだったんですか」
ちひろ「それが普通の人の解釈です、悪くないですよって」
モバP「マジか」
ちひろ「・・・まあ、レモンは爆弾なんです」
モバP「・・へえ」
~三杯目~
ちひろ「・・・お嫌いで?」
モバP「僕はマヨネーズ派閥なんです」
ちひろ「あら、今後の参考にします」
モバP「・・・」
ちひろ「顔に書いてあるんでわかります、勝手に唐揚げにレモンかけるなって」
モバP「分かっててやったんだ」
ちひろ「勝手に唐揚げに平然とレモンかける女だとお思いで」
モバP「いえ全く」
モバP「・・・酔ってますよね」
ちひろ「そうかもしれませんね」
ちひろ「馬鹿ですね私たち」
モバP「・・・」
ちひろ「お酒に頼らないと少しも腹を割って話せない」
モバP「・・・」
ちひろ「・・・それが大人、なんですかね」
モバP「そんなこともないと思うけど」
モバP「・・・怒ってます?」
ちひろ「随分と野暮な質問ですね」
モバP「理由は・・・まあわかるんだけど」
ちひろ「わかってなかったら泣いちゃいます」
モバP「・・・」
ちひろ「爆弾です、爆弾」
モバP「・・・」
ちひろ「レモンの爆弾」
モバP「ああ、そういう」
ちひろ「ねえ」
モバP「・・・」
ちひろ「そろそろ、お互いに感情を絞り出さない?」
~四杯目~
ちひろ「・・・ぷはあ」
モバP「・・・飲みすぎ」
ちひろ「ヤケ酒ヤケ酒。好きな相手にいつまでたっても告白の返事をもらえないヤケ酒」
モバP「・・・明日に響くよ」
ちひろ「また仕事の話」
モバP「・・・大人だから」
ちひろ「大人は都合のいい時に大人を振りかざすんだ」
モバP「それが大人なの」
ちひろ「・・・大人の距離感って何だと思う?」
モバP「・・・わかんない」
ちひろ「・・・だよね」
モバP「・・・怖いんだよね」
ちひろ「・・・うん」
モバP「ただでさえ沢山の女の子扱ってるのにさ、一緒の仕事仲間と結ばれるの」
モバP「ちひろが好きすぎて怖い」
ちひろ「・・・うん」
モバP「どうなっちゃうかわかんないんだよ、自分が、自分を取り巻く環境が」
ちひろ「・・・素直に告白、拒否してもいいのに」
モバP「するわけないでしょ」
ちひろ「それを言っちゃうから、こっちも嫌いになれないんだよ」
モバP「面倒くさい男でごめん」
ちひろ「お互い様だよ、似た者同士」
モバP「何でこんなこじらせたかなあ」
モバP「前はもっと素直に話せたよね」
ちひろ「確かに」
モバP「いつ頃からかな」
ちひろ「・・・ああ、わかっちゃった」
ちひろ「貴方のこと好きになってからだ」
モバP「・・・嫌になるよ全く」
ちひろ「本当」
~五杯目(水)~
ちひろ「・・・気持ち悪い」
モバP「飲みすぎ」
ちひろ「仕方ないでしょう」
モバP「・・・まあ」
モバP「終電」
ちひろ「はい?」
モバP「フラフラしてると間に合わないよ」
ちひろ「いざとなったらホテルでも行きますか」
モバP「行かないよ・・・というかここで行くって言うような男をちひろさんは好きなの?」
ちひろ「行こうって言ったら気持ちよく告白を取り消そうと思ったのに」
モバP「無駄に奥手だから」
ちひろ「その無駄も含めて好き」
モバP「・・・あ、奢りますよ」
ちひろ「いやいやいやいや」
モバP「いやいや」
ちひろ「そこ以外で彼氏面してよ」
モバP「・・・善処するんで」
ちひろ「貴方が唐揚げなら、私はレモンだから」
モバP「酔ってるなあ」
ちひろ「・・・明日からどんな顔して仕事しようかな」
モバP「なんだかんだ一緒にいる時間一番長いからね」
モバP「・・・まあ、一歩一歩、近づいていきたいです」
ちひろ「・・・はい、プロデューサー」
ちひろ「・・・プロデューサーって言えるかな、ちゃんと」
ちひろ「プロデューサープロデューサープロデューサー」
モバP「・・・意識しすぎるとアレだよ多分」
ちひろ「じゃあちひろって呼んでくださいよ」
モバP「ちひろさんちひろさんちひろさん」
モバP「・・・これで赤くなってたらやっぱり駄目ですよ」
ちひろ「酔ってるんです」
モバP「レモン、感情ときて、次に絞り出すのは声ですか」
ちひろ「うまいこと言ってるつもりですか」
モバP「いえ全く」
モバP「・・・キスしませんか」
ちひろ「え!?」
モバP「・・・そんな驚きますか」
ちひろ「・・・急だったので」
モバP「・・・今キスしたら、まだレモン味ですよ」
ちひろ「・・・そういうのは嫌いです」
モバP「やっぱり」
以上です、失礼しました。
もしよろしければ過去作
島村卯月「卯月の1日」
依田芳乃「そなチネ」
小松伊吹「映画みたいに」速水奏「いかない」
などもお願いします。
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