にこ「……」

真姫「……」

しんのすけ「……」

にこ「何よ？この子供？どうして子供が道端で倒れてるのよ」

真姫「知らないわよ。そんなの」

にこ「もしかして…病気とかじゃ？あんた医者志望でしょ？」

真姫「そ、そんな事急に言われても」

しんのすけ「……」

真姫「ねえ、君？大丈夫？」

しんのすけ「……」

真姫「僕ーー？」

しんのすけ「もう。どしたの？」

にこ「ひぃぃ、喋った」

真姫「こんな所で寝っ転がってたらダメじゃない。何してるのよ？」

しんのすけ「死体ごっこ」

真姫「へ？」

しんのすけ「死体ごっこだゾ」

にこ「それ…楽しいの？」

しんのすけ「おぉ…」

にこ「な、何よ？」

しんのすけ「小学生はもう帰る時間だゾ」

にこ「誰が小学生よ」

真姫「ねえ？君…お家は？お母さんは？」

しんのすけ「かあちゃんならもう居ないゾ」

真姫「え？」

にこ「そうだったの…」

真姫「ご、ごめんなさい。そんなつもりじゃ…」

しんのすけ「お隣のおばさん家に行ってるはずだから」

真姫「なんて紛らわしい言い方するのよ」

しんのすけ「お？」

真姫「もう。お家は？」

しんのすけ「あそこ」

にこ「何よ。近くじゃない」

しんのすけ「誰も遠いとは言ってないゾ」

にこ「なっ！？このっ」

真姫「にこちゃん。相手は子供…」

にこ「分かってるわよ」

しんのすけ「ねえねえ」

真姫「どうしたの？」

しんのすけ「お姉さん達は何してるの？」

真姫「え？何って…」

にこ「にこ達…スクールアイドルなのよ。聞いた事ない？」

しんのすけ「酸っぱいアイドル？」

にこ「スクールアイドルよ」

しんのすけ「聞いた事ないゾ～」

にこ「そう。要するにアイドルなのよ」

しんのすけ「え～お姉さん達が～？」

にこ「何よ？信じられないの？」

しんのすけ「だってアイドルっていつも水着を着てるお胸の大きな女の人でしょ？オラ大好きだゾ」

にこ「それはグラビアアイドルよ！アイドルは歌って踊って皆んなを笑顔にするのよ」

しんのすけ「じゃあ、お姉さん達も歌って踊るの？」

にこ「まあね」

しんのすけ「ふ～ん。どっちが上手なの？」

にこ「そりゃあ、勿論」

真姫「私に決まってるでしょ？」

にこ「はあ？いつ決まったのよ？」

真姫「いつも何も…客観的に見て？」

にこ「客観的に見れてたらそんな答えは出ないはずよ」

真姫「なんですってぇ」

しんのすけ「まあまあ。ケンカはよくないゾ」

にこまき「あんたに言われたくない」

しんのすけ「おっ！」

～公園～

にこ「いい？ここで踊ってどっちが上かこの子に判断して貰うのよ？」

真姫「いいわ。受けて立とうじゃない」

にこ「曲はあれで良いわね？」

真姫「何でも良いわ」

にこ「それじゃあ…行くわよ」

I SAY～HEY HEY HEY

にこ（この曲ならにこの方が上のはずよ）

真姫（この曲なら私の方が上手に踊れるわ）

しんのすけ「ぶりぶり～ぶりぶり～」

信じてるよ。だからスタート！

にこ（決まった）

真姫（私の勝ちだわ）

にこまき「どうだった？」

しんのすけ「オラ、そろそろ帰らなきゃ。じゃ！」

カァー カァー カァー

真姫「……」

にこ「……」

「迷子のアイドルの巻」

両津「何だってぇぇぇぇ」

バリーーーーン

麗子「ちょっと。急に大きな声を出さないでよ」

中川「イタタタッ」

麗子「どうしたのよ？」

両津「日光と月光の二人から連絡が来たんだが。あの二人アイドルを始めるらしい」

麗子「へえ。良いじゃない。二人とも可愛いんだし」

両津「あいつら芸人の夢はどうしたんだ」

穂乃果「あの～グスッ」

両津「お？何だ？」

穂乃果「迷子…グスッ…迷子になっちゃったんです～」

両津「どこ行くんだ？」

穂乃果「グスッ…それが分からなくて…グスッ…」

両津「自分の行きたい所が分からないのかよ」

麗子「そこには何しに行くの？」

穂乃果「ライブを…グスッ…しに行くんですけど」

麗子「ライブ？ライブ会場かしら？圭ちゃんわかる？」

中川「う～ん。それだけだと…」

両津「ライブ出来る場所なんか沢山あるからな」

両津「で？名前は？」

穂乃果「高坂穂乃果です」

両津「家は？」

穂乃果「東京都千代田区神田…」

両津「何？穂むらの娘なのか？」

麗子「両ちゃん知ってるの？」

両津「穂むらの饅頭は有名だからな。あそこの饅頭は凄い上手いんだ」

穂乃果「そうなんです。あっ！今日皆んなで食べようと思って持って来てたんですけど良かったら食べます？」

両津「お、おう。そうだな。お前喜怒哀楽が激しいな」

穂乃果「これが新作で…こっちは」

凛「迷子になっちゃったにゃ～。うわ～ん」

両津「な、何だ？また、迷子か？」

穂乃果「凛ちゃん！」

凛「穂乃果ちゃん？」

穂乃果「凛ちゃんも迷子に？」

凛「穂乃果ちゃんも？」

穂乃果「うん」

凛「良かったにゃ～。凛一人ぼっちかと思ったにゃ～」

両津「お前ら知り合いなのか？」

穂乃果「はい」

中川「じゃあ、もしかして行きたい場所を覚えてるんじゃないですか？」

両津「おおっ！そうだな」

穂乃果「凛ちゃん？場所覚えてる？」

凛「え？………忘れたにゃ」

両津「こいつらの記憶力どうなってるんだ」

穂乃果「どうしよう。今頃海未ちゃん怒ってるかな？」

凛「きっとツノが生えてるに違いないにゃ」

穂乃果「ええ？それは困るよ～」