照淡ですか?そらもう好き過ぎて2スレ目ですよ (802)
照「嫌い?」淡「でも好き」
の、おまけ専用スレになります。
ガチ百合
エロあり
書きためなし
前スレ
照淡ですか?まあ嫌いじゃないですね
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371733123
《注意事項》
このスレは、照淡が好きな>>1が自己発電に書きなぐっているだけのものです。
まともなssが読みたい、ダラダラ展開が嫌い、という方はここで閉じて下さい。
sage進行としますので、ご協力よろしくお願いします。
前
照淡ですか?まあ嫌いじゃないですね
照淡ですか?まあ嫌いじゃないですね - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1366966156/)
>>8
ありがとうございます。
注意事項にsage進行と書きましたが、立てたばかりですのでしばらくはage進行にします。
それと、いつもレスしてくれる皆さん、感謝しています。
ありがとうございます
《海の見える別荘へ旅行へ来たとある夏休み、2日目の朝》
厨房ーーーーーーーー
トントントントン ジュー
菫「ふんふふ~ん、ふふふ~ん」
淡「あれ、菫先輩?」
菫「おう、おはよう」テキパキ
モブA「すみません、朝食の準備は私と大星さんでやろうって話してたんですが…」
菫「目が覚めてしまって手持ち無沙汰だったんだ。気にしないでくれ」テキパキ
淡(菫先輩て料理出来たんだ…)
モブA「手伝いますね」
菫「……………」ジー
モブA「……え?あの…なんですか?」
菫「いや、ごめんなんでもない」フイ
モブA「 ? 」
菫(聞きたい……昨晩の情事の感想を猛烈に聞きたい……)
淡(私は味噌汁でも作ろっかな)
菫「そういえば淡は昨晩照と何してたんだ?」
淡「え!?な、なんで?」ギク
菫「だいぶ暴れてただろお前ら。ちょっとうるさかったぞ」
淡「あ、あぁ、あははははー、それはとんだ御迷惑お掛けしました」アセアセ
菫「……いや、いいんだが……」
淡「だからあんまり激しくしないでって言ったのに」ブツブツ
菫(こいつらは初日は普通に寝ると予想していたが……やはり海は人を開放的にするのか)
亦野「おはようございまーす」
菫「ん、おはよう」
菫「……………」ジー
亦野「へ?あ、あの、なにか」
菫「いや、亦野が幸せそうで私は嬉しいよ」
亦野「 ? 」
>>14
お恥ずかしい…
しかし思わずレスしてしまいましたが、あのスレ少し心配です。
やはり早々にsage進行にするべきか…
ガチャ
渋谷「おはようございます宮永先輩」
照「ああ、おはよう渋谷」
渋谷「…………」ジー
照「……なにかな」
渋谷「はっ。す、すみません、私ったら///」
照「 ? 」
渋谷(いけない、思わず脳内で妄想を爆発させてしまった)
渋谷(しっかりしろっ、たかみっ)ペチペチ
照(朝だからかな……渋谷が変だ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「よーしっ、今日も泳ぐぞー!」
モブA「大星さんは泳ぐの好きなんだね。昨日もひたすら泳いでたし」
淡「そりゃあ海に来たら泳がなきゃでしょ。他に何するの?」
モブA「えっ。例えばビーチバレーとか、かな」
淡「ああ、まぁちょっとした休憩には良いかもね」
モブA(なんだろう……海の概念って人それぞれなのかな)
淡「テルー、今日は一緒に泳ごうね」
照「………私お城建築に忙しい」ペタペタ
淡「お城?砂でお城作ってるの?」
照「うん」ペタペタ
淡「ふうん……楽しい?」
照「楽しいよ」ペタペタ
淡「じゃあ私もやるー」ストン
照「え?」
淡「駄目?」
照「いや、駄目って事はないけど…。泳ぎにいかなくていいの?」
淡「いいの。テルが楽しいって思えるものを私もしたいから」
照「淡…。分かった、一緒に築こう」
モブA(本当に素敵なカップルだなぁ。見ててなんだかほっこりするよ)
照「ちなみに実際の建築には足掛け9年、2500万人以上の人員を要したらしい」ペタペタ
淡「そうなんだー」ペタペタ
モブA(姫路城?)エッ
亦野「おーい、みんなー!ちょっとこっち来てみてよー!」ブンブン
モブA「ん?どうしたのー?」
亦野「すっごいとこ見つけたんだー!」
モブA「すごいところ?」
岩の洞窟ーーーーーーーーー
菫「おお……これはちょっと感動ものだな。洞窟を抜けた先にこんな拓けた場所があったとは」
亦野「はいっ。ここって昔あった映画で、えーと何でしたっけ」
渋谷「ビーチ?」
亦野「そうそう!その映画に出て来たところに似てるよね!」
菫「しかし綺麗な場所だが、恐らく潮が満ちたら来た道は通れなくなるな」
亦野「そうですね。残念ですがあまり長居は出来そうもありませんね」
モブA「でもホント映画みたい…」
菫「ああ…」
ザザァーン ザザァーン
淡「あれ?みんなどこ行ったんだろ」キョロキョロ
照「淡、集中して。姫路城は5重6階地下1階。まだ先は長い」ペタペタ
淡「地下は無理じゃない?」
夜
別荘ーーーーーーー
亦野「ふあ~、今日も遊んだ遊んだー」ノビー
渋谷「焼けたね、誠子ちゃん」
亦野「尭深はあんま変わらないな。ちょっと赤くなってるけど」
渋谷「少しヒリヒリする」
モブA「淡ちゃんもちょこっと焼けたね」
淡「えっへん。格好いいでしょ」フンス
菫「後で皮びろびろ剥けるんだろうな」
淡「う、それは何かやだ」
モブA「愛しの宮永先輩に剥いてもらったらいいんじゃない?」
淡「それ採用」
菫「ん?その照はどこに行ったんだ?」キョロキョロ
淡「さっきお菓子買いに行くって出掛けたよ」
菫「……なに?」
淡「え、なにってなに?」
亦野「ひとりで行かせたのか淡」
淡「だって一人で行くって……お店まで近いからすぐ戻るって……」
菫「亦野。店までの距離と経路は」
亦野「距離約800m。途中二度曲がります」
菫「マズいな……」
淡「ええっ!?な、何がマズいの!?テルどうにかなっちゃうの!?」
亦野「そうか、淡は知らないのか。宮永先輩の方向音痴属性」
淡「方向音痴………あっ、そういえばだいぶ前に地元に帰ろうとしてもめてたよね」
菫「ああ。照は自分の故郷に帰省するのも躊躇われるくらいの属性持ちだ」
亦野「そんな宮永先輩がこんな未知のフィールド(しかも夜)に一人で買い物だなんて」
渋谷「ちょっとした大冒険」
淡「わ、わたし探して来るっ!!」ガタッ
菫「よし、手分けして探すぞ。淡、照が出発して何分経った」
淡「んっと、だいたい15分くらいかな」アセアセ
菫「………手遅れにならなければいいが」
淡「テ、テルーーーー!!」バタバタバタ
ザザァーン ザザァーン
照「ここ……どこ……」ポツーン
ザザァーン ザザァーン
淡「テルー!テー!ルー!」
淡「ふぐっ、わた、私のせいだ。私が一人で行かせたからっ」グスッグスッ
モブA「大丈夫だよ、この辺は特に危ないところはないし」
淡「で、でも、もし波にさらわれたりしたら」グスッ
モブA「さすがに買い物に出掛けて海に突き進みはしないって」
ザザァーン ザザァーン
照「うわっ、冷たっ」ヒャッ
モブA(見付からない…。先輩方のあの言い方だとかなりの方向音痴…)
モブA(一般的な常識で考えない方がいいのかもしれない。そう、常人の発想を壊すような…)
モブA(例えば本当に海に向かって突き進んだとか)
モブA「海………」
モブA(………行ってみようかな)ザッ
ザザァーン ザザァーン
照「わー、すごいなぁ。なにここ、映画みたい」
ザザァーン ザザァーン
照(夜の海って少し恐いけど……嫌いじゃないんだよね)
照(吸い込まれそうになる……不思議な感覚……)ボー
照(どうやら迷ってしまったみたいだし、しばらくここに居よう)ストン
ザザァーン ザザァーン
モブA(浜辺にはいなかった。後はこの先だけど…)ザッザッザッ
モブA(もしそうだとしたら………マズい事になる)ザッザッザッ
モブA「…………ん?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モブA「うん、こっちは大丈夫だから。宮永先輩に変わるね」
モブA「はい、大星さんです」ケータイ
照「ありがとう。……もしもし淡?」
照「っ!ご、ごめん、そんな怒らないで」ビクッ
照「は、はい、すみません、すみませんでした。気を付けます、本当に、あの、ごめんなさい」ペコペコ
照「……な、泣かないで。潮が引いたらすぐ帰るから。……ごめんね、淡」
ーーーピ
照「はぁ…」
モブA「怒られた末に泣かれましたか」
照「うん…」ズーン
照「あ、モブAさんもごめんね。こんな事に巻き込んでしまって」
モブA「いえいえ、見つかって良かったです」
照「でも…」
モブA「本当に気にしないで下さい。発想の転換で、こんな素敵な場所に先輩と居れて幸せですよ」
照「ポジティブなんだね。でも今の発言、亦野が聞いたら泣くんじゃない?」
モブA「そうですね、オフレコでお願いします」
照「ははっ、分かった」
ザザァーン ザザァーン
モブA(静かだな……なんだか現実じゃないみたい……変な感覚)
モブA(宮永先輩、か)チラ
照「……」ボー
モブA(数年前は先輩と旅行に来るなんて予想だにしてなかった)
モブA(私はただの目立たない2軍選手で、まともに会話すらした事なかったのに)
モブA(いつからだろう……あぁそうか、大星さんと話すようになってからか)
モブA(何故かほっとけない大星さんの世話を焼いているうちに、この2人をなんとかくっ付けないと、って)
モブA(よく分からない使命感に駆られて…)
照「……ん、どうかした?」
モブA「い、いえ」ドキ
照「そう…」
ザザァーン ザザァーン
モブA「……先輩。少し昔の話、してもいいですか……?」
ーーーーーー旅行2日目。その夜ふたりは編おわり
照と淡、あの青春をもう一度編へ続く
《旅行2日目の夜》
とある綺麗なビーチーーーーーー
ザザァーン ザザァーン
照「昔の話?」
モブA「はい。宮永先輩が高校生だった頃の話です。前から気になっていた事があって…」
照「へぇ。いいよ、なにかな」
モブA「ありがとうございます。ええと、大星さんの話なんですが…」
モブA「大星さん、最初先輩に対してすごく酷い態度取ってましたよね、一方的に敵対心をぶつけて」
照「ああ、確かにすごかったね。嫌いって死ぬほど言われた」
モブA「その…、私はずっと横で見ていたし、話も聞いていたので、彼女の気持ちとか心の変化は把握出来ていたんですが…」
モブA「先輩はどうだったのかな、と思って」
照「どう、とは?」
モブA「普通、新入部員からあそこまでの態度取られたら怒るどころの話じゃないと思うんです」
モブA「名門麻雀部で、先輩はインハイチャンピオン」
モブA「いくら大星さんの実力が規格外だったとしても、許されるレベルはとうに越えていたはず。なのに…」
照「菫は怒ってたよ」
モブA「それが普通です。宮永先輩は頭に来たりしなかったんですか?」
照「頭に?来なかったな、全然。むしろなんだか微笑ましかった」
モブA「 え!? 」
照「まぁそれは淡が知り合いの子に似てたからっていうのもあるけど、」
照「そうじゃなくても腹を立てる事はなかったと思う」
モブA「………」
モブA「…私、先輩と大星さんの幸せそうな様子を見ていて、一度聞きたかった事があります」
モブA「宮永先輩は、いつから大星さんの事が好きだったんですか?」
照「それは――――」
時はさかのぼり
季節は春
バーン!
菫「こおらっ!ドアは静かに閉めろ!」
菫「まったくアイツは…。照、お前が引っ張って来たんだ、お前からも何か言ってくれよ」
照「え?何かって何?」
菫「いやだから、もう少し新入部員らしい態度というか、言葉使いとかドアの閉め方とか」
照「それは追々改善していくんじゃないかな。主に菫の指導で」
菫「私に放り投げるな!」
照「練習は熱心に真面目にやってる。そこさえ外れていなければ私は問題ない」
菫「麻雀部としては問題あるんだって…」ハァ
4月、私達は3年生に進級し、菫は部長に就任した。
そして私が声を掛けていた大星淡さんが入学、入部。
数日………早々に頭角を現し始めていた。いろんな面で。
淡「ねえ、ちょっと」
照「……」ペラ
淡「ねえってば」
照「……」ペラ
淡「む。おいこらっ」
照「…それは女の子の使っていい言葉じゃない」
淡「なっ。むぐぐぐぐ…」ワナワナ
照「……」ペラ
淡「馬鹿っ!アホっ!」
バーン!
照「……ドアが壊れたら修繕費って部費からなのかな。それとも学校……?」
5月、淡は菫の愛の鞭により徐々にであったが環境に慣れて来た様子。
闘牌も安定。
なかなかの傾向。
淡「あ、あの」
照「…なに?」
淡「さっき休み時間に、き、木の所で」モジモジ
照「木?」
淡「て、てが…、てが、み」モジモジ
照「……?」
淡「だ、だから、その」モジモジ
照「……」
淡「……」モジモジ
照「……トイレ?」
淡「なっ!なあああ////」カアア
淡「ば、馬鹿!アホっ!唐変木っ!もういいっ!!」
バーン!
照「なんなの……いったい」
合宿が始まる。この合宿でさらに成長してくれる事を望む。
ついでにいうなら、虎姫や他の部員、特に同級生と仲良くなってくれたら……嬉しい。
菫「なあなあ、今さ、大星が報告書持って来てくれたんだ」
照「へー。……なんだか嬉しそうだね菫」
菫「そ、そうか?はは、なんだろうな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「あ、昨日は報告書ありがとう。わざわざ持って来てくれたんだって?」
淡「っ!」
照「菫が喜んでた
淡「知らないっ!ふんだっ!」
ダカダカダカ
照「え……な、なんで……?」ポツーン
合宿2日目、2軍の子に呼び出された。
昨日から立て続け。みんな合宿をなんだと思っているんだ……
照(今日の子はなかなか分かってくれない。どう伝えたらいいのか…)ウーン
2軍選手「先輩、お願いです。私なんだってしますから」スッ
照(うおっ、実力行使!?最近の女子高生は進んでるな)アセ
照(とにかくここは逃げよう、後でもう一回話して…)
2軍選手「私には宮永先輩しか有り得ないんです!」グッ
照「 へ? 」
ぶちゅーーーーー!!
照(え、ええええええー!)
ガタン
淡「あっ……あ、ああ」カタカタカタ
照(な、なんとおおおお)サイアク
これはマズい。
淡を追い掛けなければ。
追い掛けて何を言えばいいのか分からなかったが、
その瞬間、そう思った。
照「 淡っ 」
淡「ふえ……ずずっ……ぐすっぐすっ」
照(な、泣いてる。どうしよう、何か言わなくては)
照「今のは…」
淡「馬鹿っっ!!」
照(馬鹿です。はい、その通りです)
淡「アンタなんて嫌い!大嫌いっ!!」
照(き、嫌われた)ガーン
淡「大嫌い!大嫌い!大嫌い!」
照(そ、そんなに!?)
淡「大嫌い!大嫌い……っ」
照(あ、なんか泣きそう私)ウル
ダッ
照「あ……………はぁ」ズーン
失った。
ファーストキスも
後輩からの信頼も
ザザァーン ザザァーン
モブA「なるほど、その話は聞いていましたが、実際はそんな感じだったんですね」
照「うん。その後打ち上げで酔っ払った淡が暴れて…、私は事態の収拾に回った」
モブA「大変でしたよね、あれは」
照「でもそれのおかげでお互い一度冷静になれたんだと思う」
照「私は淡の事を。淡は私の事を、ちゃんと考えるきっかけになった」
モブA「意識し始めたんですね」
照「少なくとも私は」コクン
モブA「そういえば大星さんの態度が急に変わったのは合宿から帰って来てからですね」
照「ああ、本当に180度変わったよね。驚いた」
モブA「もう毎日大変でしたよ、テルがーテルがーって」
照「そうなんだ。私も私で大変だった。嫌われてると思ってたのに急にくっ付いて来られて」
モブA「でしょうね。大星さん、素直じゃないくせに真っ直ぐだから、先輩は戸惑いましたよね」
照「でも………嬉しかったな。理由はどうあれ仲良くなれて」
モブA「先輩…」
モブA「あれ、じゃあ合宿後からですか?恋愛感情が芽生えたのは」
照「だいぶ後になってからだよ。最初は可愛い妹くらいに思ってたし」
照「私にも色々あって、恋愛とか遠ざけてた時期だから」
照「それでも徐々に淡をそういう目で見るようになっていったのは、淡が――――」
照「これ………お弁当?」
淡「う、うん。迷惑じゃなければ」モジモジ
照「迷惑だなんて。ありがとう、頂くよ」
淡「ほ、本当?良かったあ」ニコッ
照「あ……」
淡「えへへ、なんか嬉しいな」ニコニコ
照「……」
淡「ん?どうかした?」
照「いや、なんでもない」フイ
淡「 ? 」
照(…………可愛い///)
ザザァーン ザザァーン
照「淡の笑顔が可愛いくて。思わずクラッと来たね、あの時は」
モブA(それってやっぱり合宿後すぐなんじゃ)
照「妹の笑顔を見たい姉的な目線っていうのかな」
モブA「あぁなるほど」
照「でもついにやって来たんだ。決定的な瞬間が」
モブA「恋愛感情を認識した瞬間ですね?」
照「そう。あれは淡と一緒に下校していた時――――」
ザアアアアーーーーー
淡「ひゃあああ」バシャバシャ
照「淡、あそこ。バス停」バシャバシャ
ザアアアアアアアアーーーー
淡「止まないねー、雨」
照「夕立だから、しばらくしたら止むよ」
淡「そっかあ」
淡「あーあ、髪の毛も制服も濡れちゃった」ピチョン
照「淡は髪が長いから…。はい、ハンカチ」
照「っ…」ドキ
淡「ありがとー。はぁ、やだねー、雨は」フキフキ
照「………………」ジー
淡「……なあに?」キョトン
照「………けっこうあるね、淡」ジー
淡「え?なにが?」
ザザァーン ザザァーン
モブA「 は? 」
照「制服が濡れて、身体のラインがはっきり見えたんだよね」
モブA「つまり胸ですか?」
照「着痩せするタイプなんだなぁと思いながら、しばらく目が離せなかったよ」
モブA「……」
照「そしてその時、生で見てみたいって欲望が湧いたんだ。あわよくば揉みたいとも」
照「妹の胸にそんなこと思わないからね。だからそれがちゃんと淡を意識した瞬間」
照「懐かしいな…」シミジミ
モブA(意外とスケベだったんだな…宮永先輩)
照「それからモブAさんも知ってるとおり、仮眠室で色々あって」
モブA「あ、ああ」
照「試されてる気はしてたんだけど、私も若かったから」ハハハ
照「まぁ、こんな感じかな。モブAさんへの答えになっただろうか」
モブA「は、はい、ありがとうございます。スミマセン、何だか根掘り葉掘り…」
照「ううん。私も昔を思い出せて楽しかった」
「「 テーールーー!! 」」
照「ん、お迎えが来たようだね」
照「おーい」
淡「テルー!」バッ
ダキッ
照「おっと」
淡「ごめんね、ごめんねテル。私が悪いんだよ、ぐすん」ギュウ
照「大丈夫だよ。泣かないで、淡」
淡「でも…ぐすっ」
照「…………」ジー
ーーーーモミッ
淡「ひゃっ///」
照「今じゃ好きな時に揉めるもんね」モミモミ
淡「な、なにするのよー!///」
バキッ
照「痛い」アハハ
淡「ど、どうしようテルがおかしくなっちゃった」アワアワ
モブA(この2人は、会うべくして会った。そして、恋に落ちるのが必然だった)
モブA(そう……思える)
モブA「これからもお幸せに」ニコ
ーーーーーー照と淡、あの青春をもう一度編おわり
照「おっぱい揉みたい」ワキワキ
淡「きゃあああ!やだ、来ないでー!」バタバタ
《旅行3日目》
別荘ーーーーーーーーーーー
淡「ううう……痛い。ヒリヒリする」
菫「私も少し痛いな。日焼け止めはしっかり塗っていたんだが…」
亦野「ここ2日間ガッチリ海にいましたからね」
渋谷「変わらないのは宮永先輩だけ…」
菫「照はずっと日陰にいたからな。海に旅行中とは思えない白さだ」
照「みんな後先考えなさ過ぎ。日焼けすればヒリヒリするのは当たり前」
モブA「とりあえず今日は大人しくしていた方が良さそうですね」
菫「そうだな、それが賢明か。しかし一日中屋内というのも」
淡「退屈だよー!」バタバタ
亦野「うーん。………………あ、じゃあゲームでもしますかっ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「はいっ、あ~がりっ」ペシッ
菫「ああ、また淡が1抜けか」
モブA「本当に強いんだね。出だしから違うのかな」
淡「なんだろねー、トランプって昔から負ける気がしないんだよねー」
菫「牌だけでなくトランプにも愛されてるというのか…。オカルトだな」
淡「でも照はぱっとしないよね。亦野先輩よりはマシだけど」
亦野「う、うるさいなっ。まだまだこれからさ!」
照「頑張れ亦野。私も頑張る」
パッパッパッ
菫「配るぞー」
淡「次も勝っちゃうもんね~」シシシ
亦野「絶対負かしてやる……おっ」
渋谷「…いいの来たの?」
亦野「ま、まあまあかな(2が2枚にAまで!こ、これはアツい)」
モブA「そうだ、次は何か罰ゲームとかやっちゃいます?」
菫「例えば大富豪になったものが大貧民に命令、とかか」
淡「いいねいいねー、どうせビリは亦野先輩だけど」
亦野「な、なにおうっ!」
照(3位くらいになればいいか)
パシ パシ
パシ パシ
淡(アハハッ。これまた素晴らしいくらいに激アツな手札だよ)パシ
亦野(とりあえず2とAは大切に大切に…)パシ
菫(大富豪になったら何を命令するかな。まぁ相手にもよるか)パシ
モブA(さすがにそろそろ亦野先輩を勝たせてあげたい)パシ
渋谷(あ…革命起こせる。でも…)パシ
照(8ってなんだっけ)パシ
淡(よし、これで弱いカードは全部捨てられた。後は革命にさえ気を付ければ…)パシ
亦野(うーん、もったいないけどここは。あれ?なんだか…)パシ
菫(命令……命令……。どこまでが許容範囲だ……)パシ
モブA(亦野先輩、ずいぶん高いの捨てるなぁ。大丈夫なのかな)パシ
渋谷(どうしようかな……やっちゃおうかな)パシ
照(確かジョーカーで上がったらいけないんだよね)パシ
淡「えいっ、2!誰も返せないよね?(これで上がりっと)」パシ
照「ごめん、ジョーカー」パシ
淡「 へっ!? 」
照「で、8、9と」パシ
亦野「えーっと、13。(あ、マズい5で上がれるかな)」パシ
菫「パスだ」
渋谷「Aで、す、すみません革命です」パララ
淡(!?…………まぁビリにさえならなきゃいいんだよね)
渋谷(私は別に1位じゃなくてもいいや)パシ
パシ パシ パシ パシ
「 あ、上がりっ! 」
淡「なんでもいいよー、ほらほら早く命令しなよ」
モブA「えへへ。んーっとね」
菫「まさか淡が大貧民になるとはな。渋谷の革命が効いたか」
渋谷「ごめんね淡ちゃん」
亦野「はぁ、やっぱり勝てなかった。なんでだろ」
モブA「ホントになんでも聞いてくれる?」
淡「まぁ負けちゃったしね。仕方ないよ」
モブA「そっか。なら…」
モブA「今日1日、全員に敬語しゃべること~」
淡「え、そんなんでいいの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
渋谷「はい、淡ちゃんお茶」コト
淡「ありがとー。じゃなかった、ありがとうございます」
亦野「おほっ、なんかいいなそれ」
淡「むぐぐ……うるさい、ですよ亦野先輩」
菫「私がどんなに頑張っても成し得なかった事を。流石だなモブAさん」
淡「ひどいよモブAー。なんか嫌だこれ~」
モブA「ごめんね。深い意味はないんだ。今日1日だけだから頑張って」
淡「むう~。テルー、なんとか言ってよおー」
照「まぁ、仕方ないんじゃない?」
淡「そんなあー」
モブA「こらこらダメだよ大星さん」
淡「ふえ…?」
モブA「宮永先輩にもちゃんと敬語使わないと」
淡「ええっ、テルにも?」
モブA「私にはいつも通りでいいけど、宮永先輩はダメ」
淡「う、ううーん。テルぅ」
モブA「宮永先輩」
淡「み、みや…」
照「……」
淡「宮永…先輩」
照「…………ほほう///」
淡「ちょ、な、なに照れてるの!?」
照「いや、初めて呼ばれた気がして」
淡「え、そ、そうだっけ?」
照「そうだよ。だからなんだか新鮮で」
淡「そ、そっか」
淡「宮永先輩」
照「うん」
淡「宮永せんぱーい」
照「はーい」
淡「えへへ」
照「ふふっ」
モブA(昨日宮永先輩の話を聞いてて何となく思い付いた事だったけど…)
淡「宮永先輩、好きです」
照「私も」
淡「付き合って下さい」
照「よろこんで」
淡「えへへー///」
照「ははは///」
モブA(思ったより………いい)
ーーーーーこれを書きたかっただけ編おわり
《旅行3日目の夜》
別荘テラスーーーーーーーーー
照「分かる?こと座、わし座、はくちょう座。この3つで夏の第三角形」
淡「んーっと………あ!分かったっ。分かりました!」
照「山から見る星も綺麗だけど、海から見る星も素敵だね」
淡「はい。とてもロマンチックです。でもこの星空が素敵なのは、隣に先輩がいてくれるから…」
淡「宮永先輩と一緒に見る星空だから、今まで見たどの星空よりも輝いて見えるんです」
照「淡…」
淡「先輩…」
菫「お前らよく恥ずかしげもなく砂吐きそうな台詞言えるな」
照「羨ましい?宮永先輩だってよ。いいでしょ」
菫「いや、私は普段から菫先輩と呼ばれてるから」
照「…………」
亦野「先輩方ー!花火の用意が出来たんで降りて来て下さーい」
淡「やったー。行こ、テル」
照「うん…って、あれ?戻っちゃったの?」
淡「もー疲れた」
照「そ、そっか」シュン
淡「亦野先輩っ、私ロケット花火ね!」
亦野「お前人に向けそうだからちょっと恐いな」
淡「いくら私でもそんな事…………するかも」
亦野「絶対渡さない」
キャッキャッ キャッキャッ
照「…………」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照・淡の部屋ーーーーーーーーー
淡「花火楽しかったねー。あー今日もたくさん遊んだ~」
照「……」
淡「? なんか元気ないねテル」
照「罰ゲームって今日1日じゃなかったっけ」
淡「え、あぁ……。でもモブAもなんだか満足してたっぽいし、もういいじゃん」
照「………」
淡「………もしかしてちょっと機嫌悪い?」
照「そんなことない」フイ
淡「ふうん」
照「………」
淡「………」
淡「ねえ先輩」ツンツン
照「………なに?」
淡(あ、照れた)
淡「こっち向いてくれませんか」ツンツン
照「……淡は私にだけ態度が違う」フイ
淡(そんなの当たり前だよね)
淡「せんぱーい。宮永せんぱーい。ご機嫌直してよお」ツンツン
照「先輩だなんて思ってないくせに」
淡(珍しい。テルがふてくされてる)
照「そもそも淡は…。あ……いいこと思い付いた」
淡「? いいこと?」
照「大星先輩」
淡「………は?」
照「先輩。大星先輩」ズイ
淡「え、あ」タジ
照「私ずっと先輩の事が好きでした」
淡「っ!?」ゾク
照「好きです。キスしてもいいですか」
淡「っ!!!」ゾクゾク
グイッ
照「いいですよね……先輩」
淡「は、はい///」
――――ドサ
照「ん、ちゅ……ちゅっ」
淡「んん……はぁ…っ…」
淡(な、なんだろう)
照「ぷは……はぁはぁ……」
淡(テルに先輩って…。後輩から押し倒されるのって…)
淡(何故かやたら興奮する///)ドキドキ
照「淡……じゃなかった、先輩」チュブチュブ
淡(そういえば私、テルに少し乱暴にされると妙にドキドキするんだよね///)
淡(優しくして欲しいとは思ってるのに、何故だか嫌じゃないというか…///)
照「大星先輩、もっと口開けて下さい」グイッ
淡「っふああ///」ゾクゾク
淡(も、もしかしないでも私―――――)
数分後
淡「う………んうう……」クタ
照「ごめん淡。少し調子に乗っちゃった」
淡「……大丈夫」
照「先輩とか、呼び方ひとつで普段とは違った印象になるからさ」
照「淡にも分かってもらいたくて…」
淡「………」
照「あ、淡、本当に平気?」
淡「うん………ねぇテル」
照「ん?」
淡「もっかいする?」
照「……………ふえ///」
――――――己の性癖を理解してこそ大人編おわり
《4日目の昼間》
砂浜―――――――――――
亦野「今日も砂で何か建築してるんですね。お疲れ様です」
照「うん」ペタペタ
亦野「星、ですか?」
照「五稜郭」ペタペタ
亦野「ご、五稜郭…?」
照「そう。榎本武揚の気持ちで作ってる」ペタペタ
亦野「へぇ…」
淡「テルーっ!」ブンブン
亦野「淡が手振ってますよ」
照「あぁ」フリフリ
亦野「あんなにはしゃいじゃって、アイツもまだまだ子供ですね」
照「子供……か」ペタペタ
亦野「昨日なんて私目掛けてロケット花火噴射して来たんですよ。とても高校2年生のやる事じゃないです」
照「確かにそういうところは子供っぽいね」ペタペタ
照「でも………ふふ///」
亦野「えっ、なんですかその笑い。何かあるんですか?」
照「内緒」ペタペタ
亦野「宮永先輩のそんな緩い顔みたら気になりますよおっ」
照「んー……。じゃあ亦野も教えてくれたらちょっとだけ話す」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
亦野「あ、淡ってそんなになっちゃうんですか///」
照「もう立派な大人」
亦野「なんだか想像出来ません。あんなガキんちょが…」
照「想像はしなくていい。ところでさ」
亦野「あ、はい。私は何を教えたらよろしいんでしょう」
照「ズバリ、次の段階」
亦野「次の…」
照「私達なりに、ゆっくりながらもせっせと行為に励んで来た」
照「おかげで淡もだいぶ耐性が付いたようだし、私としてはそろそろもうワンステップ進みたいと考えている」
亦野「なるほど」
照「しかし恥ずかしながら私はあまりそういう知識が豊富ではない。だから教えて欲しい」
照「どうやるの?」
亦野「ど直球ですね」
バシャバシャバシャ
淡「ぷはっ」ザパッ
淡「はぁ……ちょっと休憩……」フヨフヨ
淡(………昨日…気持ち良かったな……)フヨフヨ
淡(海に来てからテルが異様に強引だからかな……なんかいい)フヨフヨ
淡「ってやっぱり私///」カアア
モブA「やっぱり何?」
淡「ぶほっ!!?」ザバッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モブA「へぇー、大星さんたらそういうのが好きなんだ」
淡「い、いや、何となくだよ!もしかしたらそうかもなーって程度」ワタワタ
モブA「だって優しくされるより乱暴に扱われた方が気持ち良かったんでしょ?どMじゃん」
淡「ハッキリ言い過ぎだよ!!///」
モブA「性癖なんて人それぞれなんだから、そんな恥ずかしがる必要ないよ」
淡「で、でも…」
モブA「たかがドMだったというだけの事」
淡「止めて言わないでえええ」ブンブン
モブA「認めたくないの?自分がドMだと」
淡「だってまだ分かんないじゃん!ていうかドMドM言わないでっ!」
モブA「分からない、か。なら試してみたら?」
淡「え、ど、どうやって?」
モブA「一度思いっ切り乱暴にされてみるとか」
淡「お、思いっ切り…」ゴクリ
モブA(その期待に満ちた反応で既に確定な気がするけど)
淡「あー、でも無理だな。テルが私をそんな思いっ切り乱暴に扱う訳ないもん」
モブA「それもそうだね(基本ヘタレだしな……先輩)」
淡「まぁしばらくやらせずに我慢させたら爆発して襲って来るかもだけど…」
モブA「え、ならその方法でよくない?」
淡「うーん…だってそれだと私もツラいよ。テルとイチャイチャしたいもん」
モブA「まったくもう…。じゃあすぐ我慢の限界が来るように、お酒を飲ますとか」
淡「お酒か……なるほど、キス魔になったテルはかなり強引」
モブA「まず酔わせる。その上でひたすら接触を断つ。そしたらどうなりそう?」
淡「…………試す価値はあるかも」
モブA「決定だね」
夜
別荘―――――――――――
照「むきゅ…」クタ
菫「誰だ照に酒なんか飲ませたの!」
淡・モブA「……」シラー
亦野「先輩、大丈夫ですか、宮永先輩」
照「んむうー…」クタ
淡「あ、あの、私お部屋に連れてくよ」
菫「そうだな、覚醒して暴れ出す前に隔離しといた方が得策か」
渋谷「暴れ出すんですか?」
菫「照は酔っ払うとキス魔になるんだ。過去何度かそれで騒ぎになっている」
渋谷「そ、そうなんですか」
淡「よいしょ…。行こ、テル」
照「んあ」グタ
――――バタン
淡「んしょ」
照「う、うう…」ドサ
淡(後はひたすら逃げ回る。それこそ、目の前にいるのに触らせない生殺し的な感じで)
照「ん……んあ……」
淡「目、覚めた?テル」
照「あわい……?ここ…どこ…」ムク
淡「私達のお部屋だよ。テル酔っ払っちゃったの」
照「……どーして淡はそんな離れたところにいるの……」
淡「気にしないで」
照「…そばに居てくんなきゃやだ」
淡(また可愛いことを)
照「あわい~…」ヨタヨタ
淡「っと」ヒョイ
照「……」
淡「……」
照「あわ…あわ…い」ヨタヨタ
淡「ほいっ」ヒョイ
照「むうう~」ヨタヨタ
淡「たあっ」ヒョイ
照「んあー」ヨタヨタ
淡「ていっ」ヒョイ
照「なんでにげるのー」ヨタヨタ
淡「なんでもっ」ヒョイ
照「んがあー」ヨタヨタ
淡「せいっ」ヒョイ
照「むう…」ムス
淡(ちょっと可哀想になって来たけど…。ここはぐっと我慢)
照「……もういい」ストン
淡「え?」
照「淡なんて知らない。どっか行っちゃえ」
淡「あ、あれ…、テル怒っちゃったの?」
照「ふんだ」ギュ
淡(丸くなって…………可愛い)
淡「えっと、ごめんね?別にテルが嫌いになった訳ではないんだよ」
照「だって避ける。私はあわあわとくっ付きたいだけなのに」
淡(襲われるどころか襲いたくなるな……)
淡(しかしこれは明らかに作戦失敗。思い返せば、酔っ払いのテルは少し幼児化するんだった)
淡(想定の真逆を行っちゃったなぁ。仕方ない、もう一回練り直すか)
照「淡のばか。きらい」
淡「テルー、仲直りしよ。ほら立って」スッ
ガシ
淡「ん?」
照「つーかまーえたー」
淡「へ?」
グイ――――ドサ
照「ちゅー」ノシ
淡「っ……ん、んう」
チュ チュ チュ
淡(こ、これは…)
淡(はっ!そうだ。このキスを拒否ればもしかして)
照「淡、ちゅー…もがっ」ムギュ
淡(キス魔がキスを拒否られたら、結構なフラストレーションが溜まるはず)グググ
照「もがっもがっ」グググ
淡(よおーし!断固ここは譲らないよっ!全ては襲われる為に!!)グググ
照「もがっ!もがっ!」グググ
淡(な、なんか……テルの欲求不満ゲージがみるみる溜まっていってるようだよ)ゾクゾク
照「ふん、があーー!」バッ
淡「ひあっ」
ドタッ
淡「あ痛たたた」
照「………」ハァハァ
淡(き、来た。つ、ついに私、無理やり…)ドキドキ
淡(強引に押し倒されて、力任せに口開かされて舌ねじ込まれて、)
淡(唾液飲め的な陵辱をされつつ気付いたら服はぎ取られて、その際ちょっと破けちゃったりして、)
淡(恥ずかしいなんて言っちゃった日にはもっと恥ずかしい事されちゃって、)
淡(前戯もなくまだ少ししか濡れてないのに無理やり挿れられちゃうんだーー!!)キャー
淡「さあ私を襲ってテルっ!ばっちこーいっ!!」バッ
照「ちゅー」
淡「 は? 」
照「あわいー、ちゅー」
淡「……………」
――――――キス魔はしょせんキス魔ですから編おわり
《旅行5日目の昼過ぎ》
砂浜ーーーーーーーーーーー
照「……」ペタペタ
亦野「あ、今日はいかにもなお城ですね」
照「最後の建築作業だから、集大成の意味も込めて外国のお城」ペタペタ
亦野「あ、宮永先輩の事だからもしかして実際にあるお城とかだったり」
照「うん。ノイシュヴァンシュタイン城」ペタペタ
亦野「へ、へー(本当にモデルがあったのか)」
淡「テルー」タタタ
照「んー」ペタペタ
淡「建築作業忙しいのは分かるけど、海で遊べるの今日だけだよ」
照「うん…」ペタペタ
淡「一回くらい海入ろうよ」
照「……」ペタペタ
淡「…私テルと一緒に泳ぎたい」
照「……うん」ペタペタ
亦野(そういえば海入ってないよなー先輩。なんでだろ)
菫「おい照」
照「菫…」
菫「亦野、向こうでモブAが呼んでたぞ」
亦野「え?あ、はいスミマセン」
照「……」ペタペタ
菫「はぁ…。なあ照」
照「なに?」ペタペタ
菫「気持ちは分からないでもないが、気にし過ぎだと思うぞ」
照「……」ペタペタ
淡「なにが?」
菫「誰だって苦手なものの一つや二つはあるだろ」
照「苦手じゃない」ペタペタ
淡「苦手?」
菫「……お前一生淡とは海で遊ばないつもりか」
淡「え!?」
照「それは…」
淡「な、なんで!?なんで私とは海で遊ばないの!?い、嫌なの!?」
照「ち、違う。そうじゃない」
淡「だって…」
照「菫…」
菫「おっとそういえば私急用があったんだったー」
照「はあ?ちょっ」
菫「素直になれよ、照。じゃあ淡、照をよろしくな」
淡「あ、うん」
ザザアァーーン ザザアァーーン
照「……」
淡「………ん…っと」
淡「お、お城、作ろ!」
照「え…」
淡「なんかごめんねテル。私たぶん余計なこと言っちゃったんだね」ペタペタ
照「淡…」
淡「なにか海に入りたくない理由があるんでしょ?それなのに誘っちゃって…本当にごめん」ペタペタ
淡「私はさ、テルが楽しいと思う事を一緒に出来ればそれでいいの」ペタペタ
淡「って、この前も言ったか。あはは、だからほら、お城建築に専念しよー」ペタペタ
照「……」
淡「よいしょ、よいしょ。ところで今日のお城はずいぶん大きいね」ペタペタ
照「………げない」ボソ
淡「ん?何か言ったー?」ペタペタ
照「私……泳げない」
淡「…………そっか」
照「何故だか淡には知られたくなくて黙ってた。…ごめん」
淡「テル…」
照「よ、よし。淡、海行こう」スクッ
淡「えっ、そんな無理しなくても」
照「いいから。このまま情けない先輩のままじゃいられない」グイ
淡「わわっ」
照「淡にはずっと……」
淡「ずっと?」
照(憧れててもらいたいから)
―――バシャバシャ
照「それに、正確には泳げない訳ではない。沈むのが若干早いだけ」バシャ
淡「そ、そうなの?」バシャ
照「うんっ」バシャ
照「ぶくぶくぶく」
淡「ってホントに早ーーいっ!」
テルー キャー
タスケ‥
菫「青春だなあ」
――――――いい加減にキャッスル編おわり
淡「帰ったら特訓」
照「はい…」ゲプ
《旅行最終日の夜》
別荘ーーーーーーーーーーー
菫「あっという間だったな。もう明日には東京か」
亦野「帰ったら宿題に追われる毎日……ひいい~」
渋谷「えっ、まだ終わってなかったの?」
亦野「終わってるの!?嘘でしょ!?」
菫「お前な…」
亦野「助けて尭深ぃ~」ガシッ
渋谷「えー…」
照「げふっ」
淡「テルー、少しは落ち着いた?」サスサス
菫「さてと、名残惜しいが明日に備えてそろそろ寝るぞ」
モブA「そうですね。あ、そうだ。最後の夜ですし部屋換えしません?」
菫「部屋換え?」
亦野「お!みんなで雑魚寝?」
モブA「それはさすがに厳しいので、シャッフルして2部屋に」
渋谷「3人ずつ…?」
菫「私は構わないが、お前らはそれでいいのか?特に照と淡」
淡「えー私はテルと一緒がいい」
菫「だろうな。照はどうだ?」
照「なんでもいい…」ゲプ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照・菫・亦野の部屋ーーーーーーー
菫「良かったのか?淡のやつ少しむくれてたぞ」
照「大丈夫。正直今日はゆっくり寝たい」ゲプ
菫「どんだけ海水飲んだんだ…」
照「今朝もなんだか体がだるかったし、気付かないうちに疲れがあったのかも」
菫(それは二日酔い)
亦野「ところで先輩、昨日の昼間の件はどうするんですか?」
照「ああ…あれは」
菫「なんの話だ?」
淡・モブA・渋谷の部屋ーーーーーーーーー
モブA「そっか、失敗に終わったかー」
淡「キス魔はキス出来れば満足らしいよ」ハァ
渋谷(ホントにキス魔になるんだ…)
モブA「ま、仕方ないね。今日溺れてたし、これ以上先輩を追い詰めるのは酷というものだよ」
淡「うん…。とりあえず帰ったらまた作戦考えてみる」
渋谷「純粋に、淡ちゃんが誘惑したらいいんじゃないの?」
淡・モブA「 え? 」
渋谷「え?だから、ちょっとエッチな格好して誘ってみるとか」
淡・モブA「……………」
淡・モブA「ありかも」
渋谷「もしくは場所を変えてみるとか」
淡・モブA「場所?」
渋谷「うん。公園とか」
淡・モブA(屋外ですか!?)
渋谷「人に見付かるかもしれない状況に興奮するかも」
淡「な、なるほど」
渋谷「後は手っ取り早く媚薬を盛るとか」
淡・モブA「媚薬!?」ガタッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
菫「ほ、ほほう///次のステップか///」
照「菫……興奮し過ぎ」
菫「ぐ、具体的には何をどうするんだ?や、やはりアレをアレにアレしたりするのか?///」
亦野「え、あ、いや」
照「何言ってるか分からないよ。そして変な目で私を見ないで」コワイ
菫(そういえば亦野たち露天風呂で色々やってたよな)
菫(つまり照たちも…)
菫「……………」
照「…菫?って血!鼻血出てるっ」
菫(これは忙しくなりそうだ)ボタボタボタ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
渋谷「神社とかもいいかも。神様に見られながらだね、とかいう台詞吐きそう宮永先輩」
淡「ああ、確かに言いそう」メモメモ
モブA「聞きたい…」
翌朝
菫「みんな忘れ物ないかー。出発するぞー…」フラフラ
モブA「だ、大丈夫ですか弘世先輩。なんだかお疲れのようですが」フラフラ
菫「そういう君もフラついてないか?」フラフラ
モブA「は、はは…寝不足で」フラフラ
菫「私もちょっとな…寝不足だ」フラフラ
淡「テル、東京戻ったら神社行こう」
照「神社?いいけど…」
淡「ふ、ふふ、ふふふふ」
照(なんだろ…。身の危険を感じる)ゾクゾク
渋谷「アキバ寄ってカメラ新調しなきゃ」
亦野「さあ帰ろう!白糸台へ!」
――――――さよなら海!こんにちは快感の波!編おわり
《旅行から戻った数日後のある日》
照のアパートーーーーーーーー
淡「はい麦茶」コト
照「ん、ありがとう」ペラ
淡「……」
照「……」ペラ
淡(海から帰って来て早数日…)
淡(かたみ先輩の御告げは未だ実行出来ずにいる)
淡(神社。この際細かい事は後回し。とにかく神社、まずは神社、なにはともあれ神社)
淡(テルを神社へ連れて行く…!)メラメラ
照「……」ペラ
照(旅行から戻ってすでに数日)ペラ
照(未だ新境地は拓けていない)ペラ
照(というかエッチな事をしていない)ペラ
照「ゆゆしき事態」
淡「え?」
照「なんでもない」ペラ
淡(……よし、今日こそ誘う。神社、神社、神社、神社)
淡「テ、テルっ」ガタッ
照「な、なに?」ビク
淡「あの……あのさ」
照「? うん」
淡「神社……行かない?」
照「は?」
淡「神社、行こう」ゴゴゴゴ
照「う、うん、分かった」コクコク
近所の神社ーーーーーーーーー
ガランゴロン パンパン
照(淡ともうワンステップ上のエッチな事が出来ますように)
淡(テルに思いっ切り乱暴に強引にめちゃくちゃにされてみたいです)
照「なにお願いしたの?」
淡「こういうの言ったら叶わないんじゃなかったっけ」
照「そうだっけ」
淡「ならテルは何てお願いしたの?」
照「え、あー…。内緒」
淡「じゃあ私も内緒」
照「そっか」
淡「うん」
照(相当来たかったみたいだし、よほどのお願いがあったんだろうな…)
淡(来たはいいけど、これからどうすればいいのかな…)
照「……」
淡「……」
照「せっかくだし散歩でもして帰ろうか」
淡「待って」
照「 ? 」
人気のない木の陰ーーーーーーー
照「……」
淡(思わず何も言わず引っ張って来ちゃった…)
淡(ここからどう展開すればテルに襲ってもらえるんだろう)
淡(強引にキスしてみる…?って私がテルを襲ってどうする)
淡「はぁ…」
照「……」
照(淡の様子がおかしい。急にこんな人気のない場所に深刻な顔して…)
照(はっ!も、もしかして)
照「淡、言ってくれたら良かったのに」
淡「え?」
照「ここなら誰も来ないし、死角だから大丈夫だと思う」
淡「う、うん。まぁそうだね」
照「ほら、もう我慢しなくていい。早くしなきゃ」
淡(は?え?え?まさかテル、私の考えてること分かってくれたの?ウソ!?でも凄い!)
照「……しないの?」
淡「する!もちろんするよ!」
照「そ、そう」
照(なんて眩しい顔。よほど危険なところまで来てたのか)
淡「じゃあはいっ。好きにしていいよ///」
照「 !? 」
照(い、今なんて言った?好きにしていい…?わ、私に下げてもらいたいって事!?)
淡「/////」
照(ま、真っ赤な顔して。でもめちゃくちゃ期待の眼差しでこっち見てる)
照(し、仕方ない。何故そんな事を期待されているかは分からないけど、悩んでいる時間はない)
照(取り返しのつかない事になる前に早く下げてあげなきゃ)
照「淡、じゃあ…」ソ
淡「っ!?」ビク
モゾモゾ
淡(初っ端スカートの中!?)
淡(さすがに抱き合うとかキスとかから始まるかと思ってたのに!)
淡(予想を越える強引さだよテルー!!///)キャー
モゾモゾ
照(う、うう…恥ずかしい。淡は何で私にこんな事///)
ゴソゴソ―――スルスル
淡「っ、スースーする///」ビク
照「……そりゃ…外だしね……」
淡(うわあああ///私ったら野外でパンツ下げちゃってるよ!いやああああ!!///)カアア
照「……さ、下げたよ。後は自分で出来るよね」
淡「……」
淡「………え?」
照「え?」
淡「じ、自分で?」
照(な、なに!?これ以上私は何をしたらいいの!?いったい何をしてあげたら)
淡(自分で……わ、私が一人でスルところを見たいって事だよね……)
淡(そう来たかあああー!最高にスケベな人だよテルー!!)イヤー
照(そうだ、咲が小さい頃を思い出すんだ…。何回も手伝ってあげたじゃないか)ブツブツ
照「とりあえずしゃがもうか」グ
淡「は、はい///」
淡(で、でも私、こういうの一回しかした事ない。正直どうやったらいいか分かんない…)
照(よし、後は出すだけだよね。あぁ疲れた)ハァ
淡「あ、あの…テルぅ」
照「っ!ど、どうした?(まだ何かあるの!?)」
淡「……///」シュン
照(照れながらシュンとしてる。さすがに気にしてるのか…)
照「って、ああそっか。私がいたら出来ないよね。ご、ごめん淡」
淡「えっ!?やだっ!」
照「 へ 」
淡「ちゃんとやる!だから見捨てないでぇ」ウル
照(み、見捨てる!?ていうか見てて良いの!?)
淡「私、頑張るから///」
照「う、うん…?」
照(なぜ私に頑張ってまで見せようとするんだ。淡の考えてる事が分からない)
淡「……んう///」クチュ
照「んんっ!?」エッ
淡(弄れば気持ち良くなる、はず)クチュクチュ
照「」
淡(ああ…わたし今、野外でパンツ下げて、テルに見られながら自分で弄っちゃってる///)ハァハァ
淡(す、凄い///こんな破廉恥な事…どうしよう、怖いくらい興奮して来た///)ハァハァ
淡「はあっはあっ」クチュ クチュ
照「………………」
淡「テ、テルー…///」ハァハァ
照「 っ! 」ビク
淡「テルぅ、テルぅ///」ハァハァ
照「淡…///」ドキドキ
淡「お願い……きて?///」クチュクチュ
照「」プッチーーン
テルー アッ アアー
アワイッ アワイイー
ガランゴロン パンパン
照(お陰様で、淡と新たなステップへ進む事が出来ました。ありがとうございました)
淡(ありがとうございます神様。テルに無事襲われました)
照「…帰ろっか」ニコ
淡「うんっ」ニコ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「って事があった」
菫「どこの神社だ。早く教えるんだ」
――――――困った時は神頼み編おわり
《とある夜》
照のアパートーーーーーーーー
照「淡、そろそろ出ないと歩いて帰る事になるよ」
淡「うー、帰りたくない」
照「明日から学校なんだからそれは…」
淡「いいなあテルは。まだ夏休み終わらなくて」
照「淡だって2年後にはこうなるよ」
淡「2年も先じゃん。あーもー高校やだー、早く卒業したいー」ゴロンゴロン
照「やれやれ」
照「私はたまに高校生に戻りたくなるけどな」
淡「えー、なんで?」
照「淡ともう一度高校に通いたいから」
淡「テ、テル///」
照「なんてね。ただ単に懐かしくなるだけ」
淡「もうっ、テルったら///」
プルルルルーーーー
照「っと、ごめん」
ーーーピ
照「はい、もしもし」
淡(誰だろ。菫先輩かな)
照「うん…うん…。そっちはどう?変わりない?」
淡(違うみたい。なら…)
照「明日の昼過ぎには着くようにするよ。……心配ない、大丈夫」
淡(え、どっか行くの?私なにも聞いてない)
照「ははは、まぁゆっくり待っててよ」
淡(……楽しそう)ムカ
照「うん、分かった。じゃあ明日」
ピ
淡「…テル、今の誰?」
照「妹の咲だよ」
淡「っ!もしかして明日長野に帰るの!?」ガタ
照「え?う、うん。淡学校始まるし、久々に帰ろうかと思って」
淡「………」
照「そんなに驚く事?」
淡(妹……宮永咲、か)
照「淡?どうかした?」
淡(数えるくらいしか話した事ないけど、あの子……あの子のテルを見る目……)
淡「……ねえテル」
照「なに?」
淡「妹さんと仲良いんだ」
照「無事仲直り出来たから、その反動というかね」
淡「ふうん…。やっぱり可愛いもの?妹って」
照「それはまあ、妹だし」
淡「甘えられたら嬉しかったりするの?」
照「咲はあんまり甘えたりして来ないけど…。そうだな、嬉しいかも」
淡「……あっそ」ムス
照「 ? 」
照(な、なんか淡が怖い。なぜ急に)
淡「……今日泊まる」
照「え、駄目だよ。明日から学校…」
淡「朝早く出れば間に合うもん」
照「いや、制服とかどうするの」
淡「っ………。朝早く出て、一回お家帰る」
照「そんな無理しなくても」
淡「いいのっ!」
照「え、ええ…」
―――キュ
照「淡…?」
淡「今日はずっと一緒にいたい」ギュウ
照「うーん…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ブロロロローーーー
淡「……ごめんね、結局送ってもらっちゃって」
照「いや…。それよりさっきはどうしたの?あんな無茶急に言ったりして」
淡「………」
照「……淡?」
淡「………テル、手」ス
照「? うん」
キュ
淡「…妹さんとも手、繋ぎたいって思う?」
照「咲と?んー、どうだろう……ちょっと恥ずかしいかも」
淡「そう…」
照「まぁ向こうが嫌がるんじゃないかな。高校生にもなってー、とか言って」
淡「そんな事ないと思うよ…」
照「んー、咲は意地っ張りで素直じゃないところもあるしなぁ」
淡「かわいくないね」
照「こ、こらこら。姉の前でそういうこと言わないの」
ブロロロロローーーー
淡「………」
照「…元気ないね淡。何かあった?」
淡「私……羨ましいのかも。妹さんが」
照(ずいぶん咲を気にするな)フム
照「羨ましいって、淡は私の妹になりたいの?」ハハハ
淡「…だって妹なら、何があってもずっと一緒にいれるでしょ…」
照「…?」
淡「私とテルの間には……何もないし……」
淡(もしあの子が私と同じ感情をテルに持っていたら…)
淡(勝てる訳ない…)ジワ
照「それは違うよ淡」
淡「え…?」
照「妹だからこそずっと一緒にはいられないんだと思う」
照「もちろん家族だから絆が切れる事はないけど、」
照「咲だっていつかは誰かのものになっちゃう時が来ると思う」
照「そしたらずっと一緒とはいかないよ…」
淡「……テル寂しそう」
照「うん、お姉ちゃん寂しい」シュン
淡(大丈夫だよ、多分あの子テルから離れない)
照「でも平気」
淡「……?」
照「だって淡がずっと一緒にいてくれるんでしょ?」
淡「っ!」
照「え、いてくれないの?」
淡「あっ、いや、いる!いるよっ」
照「なら寂しくない」ニコ
淡「もう……またくさいこと言ってテルは」
照「へへ…」
淡「……ふふっ」
淡「明日長野へ行って、いつ帰って来るの?」
照「その日に帰るよ。遅くなるだろうけど日帰り」
淡「そっか」ホッ
照「日帰りだから言わないでたんだけど、なんだか余計だったみたいだね」
淡「ううん、私が相変わらず子供なんだよ」
照(淡は立派な大人だよ)キラーン
淡「明日、気を付けて行って来てね」
照「うん」
――――――淡のやきもち編おわり
《白糸台高校、始業式の日》
2年生の教室ーーーーーーーー
淡「はあ…」
モブA「今日中には帰って来るんでしょ?あと数時間の辛抱じゃん」
淡「…まだ10時間以上ある」
モブA「そう考えると長く感じるね…」
淡「テル…きっと今頃妹とイチャイチャしてる。私の事なんか忘れて妹と…」
モブA「イチャイチャって。実の妹さんでしょ?何がそんなに心配なの?」
淡「ただの妹じゃないんだよ、アイツは」
モブA「あぁ確かに普通ではないかもね。インハイの個人戦で大星さん負かしてたし」
淡「っ!そ、そういう意味じゃないよ!」
淡「麻雀がどうとかじゃなくて、あの咲って子は…」
モブA「真面目で大人しそうな子だよね」
淡「うん。って違う!」
モブA「違うの?」
淡「いや、そうなんだろうけど、そうじゃないのっ」
モブA「へー」
淡「なんつーか……ひ、羊の皮を被った狼?」
モブA「なんて事を。先輩に言っちゃお」
淡「止めて!お願い!」
モブA「まぁ…相手が妹さんだろうと、先輩を独り占めしたい気持ちは分からなくもないけど」
淡「……」シュン
モブA「うーん…」
モブA「そういえば妹さんは、大星さん達が付き合ってるのは知ってるの?」
淡「たぶん…知らないと思う」
モブA「そうなんだ…」
モブA(もし大星さんが心配してるような事が実際あるんだとしたら、)
モブA(そのことを知った時、妹さんはどうするんだろう…)
長野
宮永家ーーーーーーーーーーーーー
照(9月だっていうのに暑いなこっちは)
咲「お、お姉ちゃん。あの…」
照「ん?」
咲「えっとね、これ…」スッ
照「クッキー?咲が焼いたの?」
咲「うん。昔よくお母さんが作ってくれて一緒に食べたよね」
照「そういえば…そうだね。……ぱく」モグ
咲「どう、かな」
照「美味しいよ」モグモグ
咲「そ、そっか。良かった」パアア
照(懐かしいな、お母さんの味だ…)モグモグ
咲「……」ジー
照「……食べないの?」
咲「っ!た、食べる。食べるよ」アタフタ
照「……」モグモグ
咲「……」モグモグ
照「……咲、」
咲「わ、私お茶いれるねっ」ガタ
照「あ、あぁ」
咲「////」タタタ
照「……」
照(なんだかなぁ…)
プルルルル――――
照「淡…」ホッ
ピ
照「もしもし」
モブA『あ、お疲れ様です先輩』
照「あれ?モブAさん?」
モブA『えへへ、すいませんモブAです』
照「着信が淡だったから少し驚いたよ。どうしたの?」
モブA『それがですね―――』ガサガサッ
照「 ? 」
モブA『ほらちゃんと言いたいこと言いなよ』ガサガサ
モブA『まったく変なところで小心者なんだから』ガサガサ
照「……」
淡『………もしもし』
照「淡?」
淡『うん、あの…』
照「何かあった?」
淡『特に何も…あ痛っ』
照「 ? 」
淡『……な、なるべく早く帰って来て欲しい』ゴニョゴニョ
照「? 分かった」
モブA『どうも変わりましたモブAです』
照「お、おお。何か忙しいね」
モブA『うちの麻雀部エースは、麻雀以外からっきしな様で…あ痛っ』
照「はは…」
カチャカチャ
咲(駄目だなぁ私……全然気のきいた話出来ない)ハァ
咲(未だまともに目を見て喋れないなんて…)
咲(自然にって意識し過ぎなのかな)
カチャカチャ―――コポコポコポ
咲「…よし、と」
ガラ
咲「お姉ちゃんお待たせ……あ」
照「―――――」
咲(電話中…)ソロ
照「―――――」
咲(学校のお友達かな)カチャ
照「……はは」
咲「っ!?」
咲「………」
照「―――じゃ、またね。……と、ごめんね咲」
咲「………」
照「咲?」
咲「……はい、お茶」コト
照「ありがとう」
照(淡とモブAさんのおかげで良い感じに力が抜けたな)ズズッ
照(何を変に意識していたんだろう。そう、姉妹なんだから普通でいいんだ)
照「ねえ咲
咲「お姉ちゃん」
照「っ、なに?」
咲「今……誰とお話してたの?」
照「ああ、高校の後輩だよ。麻雀部の
咲「そうなんだ」
照「う、うん」
咲「…………」ムス
照(あ、あれ…?なんだか咲…怒って…る?)アセッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モブA「声聞いて少しは落ち着いた?」
淡「ま、まー少しは」
モブA「相変わらず素直じゃな~い」
淡「もうっ。うるさいのー」プイ
――――ポツ ポツ ポツポツポツ
ザアアアアアアアーーーーーー
テレビ『大型の台風が近付いており――――』
照「咲、肩こってない?よ、良かったら揉もうか…?」
咲「凝ってない」ムス
照「そ、そか…」
―――――照、淡、そして咲編おわり
《照が帰省した日の夜》
長野
宮永家ーーーーーーーーーーー
ザアアアアアアアアーーーーー
照「―――本当にごめんね。うん…うん…、また明日」
ピ
照(天気予報くらい見てくれば良かった)ハァ
咲「お姉ちゃん」
照「どうだった?」
咲「会社に泊まるって」
照「そっか」
ザアアアアアアアアーーーーー
咲「凄い風…」
照「朝には通過してるよ」
咲「うん…」
ピカッ――――ゴロゴロゴロ
照「そういえば清澄は始業式いつなの?」
咲「……」
照「……咲?」
咲「え、あ、明後日だよ」
照(へぇ…東京の学校より2日も遅いんだ)
咲「そうだ、お姉ちゃんのお布団準備しなきゃ」
照「あぁ、お父さんのベッド借りるからいいよ」
咲「駄目駄目っ。朝になってお姉ちゃんがオヤジ臭くなってたら嫌だもん」
照「ならないと思うけど…」
咲「いいから少し待っててっ」タタタ
照「悪いね」
ザアアアアアアアアーーーーーー
ガチャ
照「本が沢山……」
咲「ご、ごめんね、お姉ちゃんのお部屋なのに勝手に置いちゃって」
照「私の部屋だったのは昔の話だし、気にする事ない」
咲「でも…」
照「……寝る前に借りて読んでもいい?」
咲「っ、うん」パアア
ザアアアアアアアーーーーーー
咲「ベッドメイク終わったよ」
照「ありがとう。じゃあ本読んだら寝ようかな」
咲「……」
照「あ、これ面白そう」パラパラ
咲「……おやすみなさい」
照「んー」
深夜
ザアアアアアアーーーーーー
照(……面白かった。全体通して暗い話だしラストも救いはなかったけど、)パタン
照(この話はこれが正解なんだろうな)
照(お、これも同じ作者。どれどれ……)パラパラ
ピカッ―――ゴロゴロゴロ
パリーン
照「……ぱりん?」
台所ーーーーーーーー
照「……咲?」
咲「っ!」ビクッ
照「コップ落としたのか。大丈夫?怪我してない?」
咲「だっ大丈夫だよ!」
照「そ、そう」
咲「大丈夫……大丈夫……」ブツブツ
照「 ? 」
ピカッ――ゴロゴロゴロゴロ
照「今のは近かったね」
咲「………」カタカタカタ
照「咲…?」
咲「だ…大丈夫…だから…」カタカタカタ
照「…………あっ」ハッ
照(私……なに忘れてるんだ…。馬鹿か…)
照「咲…」ソッ
咲「お姉…ちゃん」
照「ごめん…。私…こんな姉で……本当にごめん」
てすと
咲の部屋ーーーーーーーーーー
ザアアアアアアーーーーー
照「私の所に来ようとは思わなかったの?」
咲「だって…」
ピカッ――ゴロゴロゴロ
咲「……」プルプル
照「まぁいいや。こうしてれば怖くないよね?」ギュ
咲「うん…」モゾ
照(しかし参ったな…。仲良くしたいとか姉らしくしないとなんて、おこがましいにも程がある)
照(いくら離れていた時間があったって、忘れてはいけない事を私は…)
咲「あの……お姉ちゃん…」
照「ん…?」
咲「迷惑かけてごめんなさい。私…全然成長してなくて…その…」
照「……」
咲「こんな妹で……本当に…」
照(ああ……姉妹なんだな……やっぱり)
照「ねえ咲。バッドエンドの小説ってどう思う?」
咲「え?」
照「好き?嫌い?」
咲「えっと、嫌いじゃない、かな」
照「私も。読み終わってどんなに後味悪い終わり方でも、面白いものは面白いよね」
咲「う、うん。それが作者の世界だし、そこに読者は関係ないと思うから…」
照「咲の持ってる本、どれも面白そうだね」
咲「そ、そう?」
照「うん。全部読みたいくらい」
咲「えへへ……そうなんだ」モゾ
照「きっと私が持ってる本、咲も好きだよ。今度貸してあげる」
咲「うんっ」
ザアアアアアアーーーーーー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲「すう……すう……」
照「寝たか…」
スッ ナデナデ
咲「ん、んう…」モゾ
照「……」
咲「お…おね…ちゃん………だい…すき」ムニャムニャ
照「……私も好きだよ……咲」
――――――姉と妹編おわり
《照、帰省2日目の朝》
咲の部屋ーーーーーーーーーー
チュンチュン チュンチュン
咲「う……ううん……あつ…い」モゾ
照「すぅー…すぅー…」
咲(……?あぁそうか昨日…)
照「すぅー…すぅー…」
咲(………可愛い)
咲(いつ以来かな、こんな近くでお姉ちゃんの顔見たの)ジー
照「…ぁ……き…」ムニャムニャ
咲(寝言?ふふっ子供みたい)
照「…す……あわ…」ムニャムニャ
咲(なんて言ってるのかな?)
照「ぁ…わい……す」ムニャムニャ
咲(あわい…?あわいって何だろ)
咲(どこかで聞いた事あるような……。なんだっけ)
ブルブル ブルブル
咲「っ、お姉ちゃん、携帯鳴ってるよ」ユサユサ
照「ん……んん…」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「咲は今日なにか予定あるの?」
咲「特には…。明日から学校だしね」
照「そっか。ならどこか出掛けようか」
咲「え?いいの?」
照「今日の夕方までに向こうに着けば大丈夫だから。せっかくだしね」
咲「そ、そうなんだ」パアア
ブルブル ブルブル
照「おっとごめん」
咲(もうちょっとだけお姉ちゃんといれるんだ……嬉しいな)ワクワク
とある公園ーーーーーーーーーーー
咲「ほらっお姉ちゃん!ハトだよハトっ」キャッ
照「エサあげてみたら?きっともっと集まって来るよ」
咲「うんっ。えーい!」バッ
―――バサバサバサ
咲「きゃー、あははっ!たくさん来たー!」キャッキャッ
照「おお、すごいね」
咲「お姉ちゃんも一緒にやろうよっ」
照「うん。集え我が下部達よー」バッ
咲「なにそれー」アハハハ
照「昨日読んだ本であったセリフ」
咲「お姉ちゃんおもしろーい」アハハハ
照「そう?」
キャッキャッ キャッキャッ
クルッポー クルッポー
照「でも公園なんかで良かったの?買い物とかでも良かったんだよ?」
咲「買い物も捨てがたいけど、こうやってお姉ちゃんとのんびり過ごしたかったから」
照「そっか。咲が楽しいならいいけど」
咲「楽しいよ。お姉ちゃんと一緒なら私…」
ブルブル ブルブル
照「ん、ごめん」
咲「あ、うん。気にしないで」
照「……」ポチポチ
咲(お姉ちゃんてやっぱり人気者なんだなー。朝から何回もメール来て)
咲(インハイに続いてインカレまで優勝しちゃったんだもん、当たり前か)
照「……」ポチポチ
咲(……凄いなぁ。私もいつか…)
咲(いつかお姉ちゃんみたいに)
照「……咲?」
咲「ううん。あ、今年は負けちゃったけど、来年は清澄が勝つよ」
照「え?」
咲「インハイ。来年は絶対負けないんだから」
照「………」
咲「え、っと。ほ、本気だよ?」
照「あ、あぁ。いや、咲からそういうの聞くとは思わなかったから少し驚いた」
咲「たまにはね。私……お姉ちゃんの妹だし」
照「そ…か」
咲「そうだよ…」
クルッポー―――バサバサバサ
照(私の妹だから、か。嬉しいけど切ない…)
咲「ところでインハイの決勝、どっちを応援してたの?」
照「………え?」
咲「あ、違うの、変な意味じゃないの」アセ
咲「白糸台を応援するのは当たり前だけど、少しは私の事も気に掛けてくれてたのかなって」
照「そ、それはもちろん咲の事だって応援してたよ」
咲「本当?」
照「うん、当然だよ。ただ…正直に言うと、母校に勝ってもらいたいって気持ちも強かった」
照「インハイ王者としてのプライド、4連覇へのプレッシャー…」
照「麻雀部のみんなが、そういうのに負けじと毎日頑張ってたの知ってるからさ」
咲「そうだよね。うん、そうだと思うよ」
照「でも咲強いからなぁ。今年は優勝出来たけど来年は勝てるかどうか」
咲「わ、私なんてまだまだだよっ。白糸台の大星さんに比べたら全然」
照「十分強いよ咲は。淡にだって個人戦では勝ってたし」
咲「え?」
照「悔しがってたよ。次は1000回倒すって言ってた」
咲「……大星さんが?」
照「ん?うん」
咲(あれ……大星さん……大星さんの下の名前って)
ブルブル ブルブル
照「っと。またメールか」
咲「………」
照「この時間て授業中じゃないのかなぁ」ポチポチ
照「……」ポチポチ
咲「………ねぇお姉ちゃん」
照「なに?」
咲「んっと、お姉ちゃんてスゴく人気者だよね」
照「人気者…?」
咲「昨日電話してたし、今日も朝から何度もメール来てるし…」
照「ああ、それなら全部淡からだから人気者とは違うかもね」
咲「………大星さん?」
照「うん。まぁ昨日の電話はちょっと事情があったみたいだけど他は―――」
咲「お姉ちゃん」
照「っ、な、なに?」ビク
咲「…………」
照「……?」
咲(どうして大星さんから電話来たりメール来たりするの?)
咲(麻雀部のただの後輩じゃないの?どうしてOGのお姉ちゃんに頻繁に連絡が来るの?)
咲(どうしてそんなに当たり前のような態度なの?普段からそうなの?普段からそうやって連絡取り合ってるの?)
咲(どうして大星さんなの?大星さんてお姉ちゃんの何なの?お姉ちゃんはどう思ってるの?)
咲「……………」
照(…怒って、る?そ、そういえば昨日も確か…)
咲「…………どうして」ボソ
照「っ、」ビク
咲「昨日……電話中お姉ちゃん笑ってたよね」
照「そ、そうだっけ?」
咲「帰って来て一度も私に笑いかけてくれないのに、どうしてあの時笑顔だったの?」
照「え、あ」
咲「どうして?」
照(な、何て答えたら…。電話中笑った事も覚えてないし…というか咲にそれしか笑顔見せてない私って)
照「…ぁ……あの…」
咲「…あはっ。あはははは」
照「さ、咲?」
咲「ははははは、ご、ごめん、もういいよ」
照「へ…」
咲「だってすっごい困った顔してるんだもん。お姉ちゃんのそんな顔初めて見たよ」アハハ
照「お、怒ってない…?」
咲「えー?なんで私が怒るの?何か私を怒らせるような事したの?」
照「……咲に対して笑ってあげてない……」
咲「っ、それは……仕方ないよ…。お互い、これまで色々あったんだもん」
照「今はまだぎこちないけど、これから少しずつ距離…縮めて行こう?」
咲「……うん」
照(私は駄目なお姉ちゃんだけど、咲の事を大切に想ってる)
照(今後一切愛する妹に寂しい思いは絶対させない…!)グッ
咲「………」
咲(…昔から全く変わってないね)
咲(優しくて純粋で、いつも他人を思いやってる。そんなお姉ちゃんが私は大好きだよ)
咲(……大星さん。聞かなくても何となく分かっちゃった)
咲(私の幸せはお姉ちゃんの幸せだから。大星さんと一緒にいてお姉ちゃんが幸せなら私は…)チラ
照「……」
咲(でも……なんでかな)
咲(胸が……痛いよ……お姉ちゃん……)ズキズキ
――――――宮永咲の苦悩編おわり
《長野から戻った日の夕方》
白糸台高校校門前ーーーーーー
淡「テルー、お待たせ」
照「や、やあ。お、冬制服いいね」
淡「……」ジト
照「……ごめんなさい」ペコリ
淡「別に。台風来て帰れなかったんだから仕方ないよ。気にしてない」
照「あ、そう?良かったー」
淡「……」ジト
照「良くない、ね…」
照(なんだか年下を怒らせてばかりだな…私)ハァ
淡「妹さん、今頃寂しがってるんじゃない?」
照「ん、うーん、まぁそうかも」
淡「テルもやっぱり寂しかったり…」
照「え?」
淡「…いい。なんでもない」
照「 ? 」
淡「テルっ、手!」
照「はいはい」
駅前ーーーーーーーーーーー
淡「あ、アイス屋さんっ」
照「まだ食べるの?」
淡「もっちろん。せっかく何でも買ってくれるっていうんだから全力出すよ!」フンス
照「さすがに太るんじゃ―――」
ベシッ
照「……バニラでいいですか?」
淡「うん。あ、コーンね」
照「了解です」
淡「テルはさ、デリカシーがないよね。圧倒的に」
照「デリカシー…」
淡「無口なくせに言葉選ばな過ぎ。なんの為の無口な訳?」
照(…色々言い返したいのに返す言葉が思い付かない)
淡「もっと相手のこと考えてさー、喜ばすくらいのこと言わないと」
照「相手が喜ぶ言葉?」
淡「そう。私に対しても言う台詞がいつも同じなんだよテルって」
照「うーん、ちゃんと気持ちは伝えてるつもりだけど」
淡「好きだよの一辺倒じゃん」
照(それ言うのも結構恥ずかしいんですが)
淡「あ!今なにか言ってみてよっ」
照「ええー」
淡「ほらっ、さあっ、私を喜ばせて!」サアサア
照(仕方ない…)
照「えーと、愛してる」
淡「棒読みっ。ていうか好きが駄目なら愛してるって安易安直単純過ぎる!」
淡「気持ちがこもってないんだよ。心がない、全然伝わらない!はい、やり直し」
照「……可愛い」
淡「そんなの知ってるよ」
照「……笑顔が素敵」
淡「わたし今笑ってないじゃん」
照「……一緒にいて楽しい」
淡「楽しそうに言ってよ」
照(心が砕けそうだ)
淡「はあ…。テルって本当に私のこと好きなの?」
照「…」ム
淡「本気で好きならもっと何かあると思うけど」
照「……淡」
淡「え?」
グイッ――――ギュウ
淡「っ、ふえ///」
照「淡のからだ……やわらかくて良いニオイがするね」ボソ
淡「/////」ボンッ
淡「もうっ///テルったら///もうっ///」テレテレ
照(照れさせるのは得意かも)フム
淡「ま、まあ今日のところは許してあげようかなっ」
照「あ、喜ぶ言葉思い付いた」ピコーン
淡「なになに言って言って~」
照「淡のおっぱい美味しい」
淡「」
ベシッ
――――――淡といると幸せ。ずっと側にいて下さい編おわり
《長野から戻った日、夜中》
照のアパートーーーーーーーー
淡「すぅー…すぅー…」
照「…ぁ…も……か…」ムニャムニャ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『ねぇ…いいでしょ?』
?『……駄目』
照『なんで?ちょっとだけ』
?『やだ……止めて』
照『軽くだから』
?『駄目だってば』
照『うーん、ならキスだけ』
?『キス…?』
照『キスしたら止めるから』
?『………』
照『こっち向いて?』
?『……うん』
咲『お姉ちゃんて妹にキスしちゃうんだ』
照『 へ 』
咲『とんだ変態さんだね』ニコ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照「ふあっ!」ガバッ
淡「ん、んんん…」
照(ゆ、夢?な、なんというものを見てしまったんだ)ドキドキ
淡「どうしたのぉ…?テル…」ムニャ
照「淡…」
ソッ
淡「んー、だーめ。しばらくはお預けー…」モゾモゾ
照「むう…」
淡「すぅー…すぅー…」
照(欲求不満…なのかなぁ)ハァ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「という事があった」
菫「…………」
照「いくら欲求不満気味とはいえ、マズいよね」ハァ
菫「…………」
照「夢の中で妹から変態扱い。ある意味笑えるけどさ」ハハハ
菫「…………」
照「……菫?」
菫「あ、ああ悪い」
照「どう思う?夢って潜在意識とか言うし、こう見えて割と気にしてるんだけど」
菫「そ、そうだな……、ええと……」
照「はあー。参ったなー」
菫(なぜ私じゃないんだ)
菫(私と照は親友だ)
菫(高校3年間、そして現在と、青春時代を共に過ごし深い友情で繋がっている親友だ)
菫(照が困っていたり悩んでいたりしたら、すかさず駆け付けそのたび力になって来た)
菫(ずっと側にいたんだ。淡よりも長く)
菫(誰よりも理解しているんだ。妹さんにだって負けないくらい)
菫(それなのに…)
照「こんなこと淡に知れたらまた怒られる。そしてお預け。あぁ悪循環」
菫(どうして私じゃないんだ)
照「菫、聞いてる?」
菫「……うるさいな」ボソ
照「 え 」
菫「なんでもかんでも私に報告して来るなっ!」
照「……どうしたの?らしくない」
菫「っ!ら、らしくないってなんだよ」
照「いつもの菫じゃない」
菫「ならいつもの私ってどんなだ?お前は私の事をどんな風に思ってるんだ」
照「親友。違うの?」
菫「……そうだな、親友、だな」
照「本当にどうしたの?あ、もしかしてついに愛想尽かしたとか…?」
菫「……いや」
照「菫…」
菫「今日はもう帰る」
照「うん」
菫「……夢の話だけどな、夢の内容自体に意味はないと思うぞ。あまり気にするな」
照「分かった」
菫の部屋ーーーーーーーーーー
バタン
菫「ああああーー!やってしまったーーー!!」
菫(なんであんな事っ、馬鹿か私は、本当にどこまでガキなんだっ)
菫(くそっ!ただいつものように相談されて、それに私が答えて…それで良かったのに!)
菫(なんで……どうしたんだ私は……自分で自分がよく分からない)
―――ドサッ
菫(……そうだ……何で今日に限ってこんな気持ちになってるんだ)
菫(照が妹相手にスケベな夢を見たってだけの話だろ。たったそれだけの…)
菫「………」
菫「………くっ」
菫(なんだ、この胸の痛みは)ズキズキ
菫(辛い……どうしようもなく……辛いよ、照)ギュウ
ブルブル ブルブル
菫「……メール?」
パカッ
菫(今日はつまらない相談をしてしまってごめんなさい、か)
菫(違う、違うんだ。お前から相談され、頼りにされるのは嬉しいんだ)
菫(だってそれが私の存在価値だから。照の横にいれる唯一の私の…)
菫(………ふっ、なんだか悲しいな。きっとアイツは無条件に私の事を親友と思ってくれてるってのに)
菫(ああ……そういえば以前……)
照『菫に大切な人が出来るまで、私が一緒にいてあげる』
照『私がずっと側にいてあげる。それなら寂しくないでしょ』
菫「…………」
菫「照……、あれ…?」ジワ
―――ポロ ポタポタ
菫「泣くのなんていつぶりかな」グシグシ
菫「……ふう。いい加減これは認めろって心が言ってるのか」
菫「私……好きなんだな……照のこと……」
後日
照「菫、あの…」
菫「 照 」
照「え?」
菫「昨日のお前の悩みの解答だ」
照「あ、うん」
菫「お前が言うように欲求不満から来るものだろう。しかし夢とはいえ相手が妹はマズい」
菫「昨日は気にするなと言ったが、やはり気にしろ」
照「そ、そっか。分かった」
菫「そして解決方法だが、これは欲求を満たすしかない」
照「でも淡が…」
菫「私が相手をしてやろうか?」
照「は?」
菫「……」ジッ
照「菫…」
菫「冗談だ」フッ
照「……」
菫「なんだ、真面目な顔して」
照「……いや。アドバイスありがとう」
菫「ああ」
菫「私はお前の親友だからな」
―――――照と菫編おわり
>1
そういえば、あのころ照の着メロが♪ドナドナド~ナ~♪だったけど、
あれは菫からのみ設定だったの (?_?)
>>272
ドナドナに対した意味はありません
>>274
マジで!?
>>275
え?
ドナドナには本当に意味はないです。
「菫からのみ」がよく分からなかったんですが
マジで!?とか言われると、何かかみ合ってない気がしますね
《とある日》
白糸台高校ーーーーーーーーー
モブA「こ、これは……なかなかのなかなかだね」ペラ
淡「本当?インハイが終わってから密かにちょこちょこ描いてたんだ~」
モブA(海ではこんな感じだったんだ///宮永先輩ったら///)ペラ
淡「これなら少しは売れるかなあ」
モブA(お゛お゛!?神社キタ神社っ!!渋谷先輩のアドバイスをさっそく再現!?)ペラペラ
淡「ねえどう思う?前よりはマシになってる?」
モブA(自慰行為!!神社!野外!木の影!見せつけながらの―――自慰行為!!)ペラペラ
淡「なんとか言ってよー。ねえってば」
モブA「放尿イェイーーーーーーー!!!!」ガタタッ
淡「」
モブA「大変よろしゅう御座いました」ボタボタ
淡「そ、そう?なら良かった。とりあえず鼻血拭きなよ」
モブA(しかしまさかここまで急激に進展するとは思わなかったなー)
モブA(長野から先輩が帰って来なかったのなんて、もはや何の障害にもならないんだね)
モブA(やっぱり妹はあくまで妹なんだよ大星さん。そんな薄い本的な展開ないない)
モブA(……私は大好物だけどね)
モブA「この本のように、大星さんと宮永先輩もきっとラブラブなんだろうね!アツいよアツいよ!」ヒューヒュー
淡「え?」
モブA「まぁなんだかんだで付き合いも長いし、今更ケンカなんてしないかぁ」アハハ
淡「………」
モブA「………ん?」
>>276
なんか流れに竿さしてるがレス。
ドナドナメロディは三回ぐらい見た気がするんでなんかあるんかと思ってた。
たいがいの場合義務の履行を求められる菫着信を
「連行される」って意味でドナドナに設定してるのか? とか。
>>280
なるほど深い
いつかチン百景のおまけ書きます
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モブA「宮永先輩の様子がおかしい……、か」
淡「長野から帰って来た次の日あたりからなんとなく」
モブA「機嫌が悪いの?それとも落ち込んでるの?」
淡「うーん……なにかを考え込んでるって感じ」
モブA「考え込んでる?悩み事かな」
淡「分かんない。テル、そういうのは私に話さないから」
モブA「そうなんだ…。大星さんらしくズバッと聞いてみたら?」
淡「……聞いたらいけない気がする」
モブA「なんで?」
淡「なんでなんだろ」
モブA「うーん…」
モブA(意外…。お互い包み隠さず何でも言い合ってるイメージだったけど)
淡「テルは私が辛い時に励ましてくれたり支えてくれたりするのに、」
淡「私はテルに何もしてあげられない。どう声を掛けたらいいかさえ分かんない」
淡「つくづく子供だなって思うよ」
モブA「そんなこと…。大星さんが側にいてくれるだけで幸せだって、先輩は」
淡「側に……」
淡(今まではそれで良かったかもしれないけど…これからは…)
夜
照のアパートーーーーーーーー
淡「……」チラ
照「……」
淡(やっぱりどこか元気ないんだよね…。どうしたらいいんだろ)
照「淡、もうすぐ終電の時間だよ」
淡「へ?あ、ホントだ」
照「駅まで送る」スクッ
淡「ちょ、ちょっと待って。私今日泊まって行く!」
照「え、でも明日学校だよね」
淡「んーとんーと、そ、そーりつ…きねん…び」
照「創立記念日?今の時期だっけ」
淡「う、うん。だから、が、学校はお休み…なの」
照「まぁそれなら」ストン
淡(思わず渾身の嘘をついてしまった…。パパ、ママ、ごめんなさい。私いけない子だよ)ズーン
淡(でも私には、学校よりも大切な事があるから!)
照「泊まるんなら着替えたら?制服シワになるよ」
淡(テルを、大切な人を元気づけるって使命があるんだよ!)
照「……淡?」
淡(だって私テルの彼女なんだもん!好きな人を支えるのは恋人のつとめなんだっ!!)フンス
淡「ねえ、テル」
照「なに?」
淡「私に何かしてもらいたい事ってある?」
照「淡にしてもらいたい事?」
淡(正直、元気づける方法なんて思い付かないけど、)
淡(テルが望む事で私が出来る事をしよう!)
照「淡にしてもらいたい事……勉強とか?」
淡「は!?違うよそういうのじゃなくてっ」
照「違うの?うーん…何が正解なのかな」
淡「別にクイズじゃないから。本当にテルがしてもらいたい事を言ってよ」
照「本当に……私が……淡にしてもらいたい事……」
淡「何でもいいよ。肩揉みでも耳掻きでも爪きりでも精一杯頑張るから」
照「……………」ジー
淡「? ほら、なんでも大丈夫だよ。言って言って」
照「………特にない」フイ
淡「えっ!?いや、何かあるでしょ!?」
照「ない事もないけど………いいよ」
淡「な、なんで?」
照「だって……どうして急にそんなこと言い出したの?」
淡「それは…」
照「淡が何を考えてるのかは分からないけど、なんだか命令するみたいで嫌だなそういうの」
淡「………」
照「淡とは対等でいたいから。だから…」
淡「命令して」
照「 え? 」
淡「命令してよ。私テルに御奉仕する」
照「ご、御奉仕っ!?」
淡「うん。テルが言う事ならなんでもやる」
照「あ、淡…。なんだか意地になってない?」
淡「なってるかも。テルが素直じゃないから」
照「う…」
淡「私が意地になったらどうなるか知ってるよね?」
照「…………分かった。どうなってもしらないから」ハァ
――――――テルを元気づけたい!編おわり
《とある夜》
照のアパートーーーーーーーー
照「本当にどんな事でもいいの?」
淡「いいって言ってんじゃん。くどいよ」
照「じゃあ……とりあえず立って」
淡「分かった」スクッ
照「制服のブレザー脱いで」
淡「……」ヌギヌギ
照「脱いだらちゃんとハンガーに掛けて」
淡「……」カチャカチャ
照「軽くシワを伸ばしてファブリーズ」
淡「……」サッサッ
シュッ シュッ
照「以上おわり」
淡「………」
照「………」
ガンッ!
照「じ、冗談だよ、は、ははは」ビクビク
※ちなみにガンッという音は、淡がゴミ箱を蹴っ飛ばした音であって
照が蹴られた音ではありません
淡「わたし真剣なのに酷いよ」
照「だ、だって突然して欲しいこと言えとか御奉仕とか言われても困る」
淡「そんなに思い付かないもの?」
照「いや、そういう訳でもないけど………エッチな事はどうせNGなんだろうし」チラ
淡「え…」
照「どうせ。どうせ淡は。どうせさ」チラ チラ
淡「……………テルのエッチ」
照「うぐ。や、やっぱり駄目なんでしょ」
淡「駄目なんて言ってない…」
照「 へ 」
淡「それがテルの望む事なら」
照「………」ゴクッ
淡(というか…)
淡(そんなの一々確認しなくても問答無用で命令しちゃえばいいのに)
淡(へたれ)ハァ
照「後で怒ったりしない?」
淡「しないよ」
照「じ、じゃあそうだな、えっとえっと」ワクワク
淡(うわあ、急に意気揚々と…。てか私って普段そんなに怖い存在なのかな)
照「ネ、ネクタイ取ろうか」
淡「……」シュルシュル
照「ブラウスのボタン、は、外して」
淡「……」プチプチ
照「あ、裾はスカートから出していいから下まで全部ね」
淡(細かい)ゴソゴソ
照「ス、スカート」
淡「? 脱ぐの?」
照「スカートの前、め、めくって」
淡「…………変態?」
照「…」シュン
淡「わ、分かったって」
―――ヒラッ
照「……………」ジー
淡(とはいえこれは………恥ずかしい///)
淡「あ、あの…まだ?」
照「もう少し」ジー
淡「脱いだ方が早くない?」
照「分かってないな。赤面しながら自らの制服のスカートをたくし上げ、下着を見せる女子高生」
照「見せるか見せないかの瀬戸際の羞恥心&見えるか見えないかのチラリズム」
照「そして垣間見えるロマンという名の恥部。この素晴らしさが理解出来ないなら…」
照「淡は制服を持て余しているっ!」ドーン
淡「お巡りさんこいつです」
照「高校を卒業して制服を着なくなると誰もがこうなる」
淡(嘘だ)
照「まぁとりあえず満足した。もうスカート戻していいよ」
淡「……」スッ
照「じゃあ次は」
トタトタ――――ギシッ
照「よいしょ」ゴロン
淡「……添い寝?」
照「違う。私このまま仰向けで動かないから、」
淡「 ? 」
照「淡からキスしてよ。普段してくれないから、してみて欲しい」
淡「え……///」
照「嫌?」
淡「そんな事ない、で、出来るもん」ギシッ
淡「いくよ……、んっ」チュ
照(おお…)
淡「ん、んっ」チュッチュッ
照(気持ちい……でも少し……)
淡「はぁはぁ、ん、んっ」チュッチュッ
照(もどかしい)ムズムズ
淡「……っはあ。ど、どう?」
照「んー、うん。ありがとう」
淡「へへっ」
照(………無茶苦茶にしたい。でも動かないって言ったし…)
淡「なんだってしてあげるよっ。ほら次は?」フンスフンス
照「じゃあ…」
照「パンツ脱いで顔に跨って」
淡「」
※この世界にはパンツというものがあります
淡「そ、それはさすがに///」
照「何でもしてくれるんだよね?私が望む事なんでも」
淡「う、うう///」
照「私は動かないから。ただ顔に跨るだけだよ」
淡「で、でも直接…///」
照「………分かった。駄目なら仕方ないか」
淡「あ…」
照「調子に乗りすぎた。ごめん、もういいよ」
淡「テ、テル…」
照「さ、着替えてお風呂入って寝よう」ムク
淡「ま、待って!」
淡「こ、これでいいの?///」
照「うん。腰降ろして」
淡「………」ソー
照「ぺろっ」
淡「ふああっ!?///」ビクッ
照「……ほら、淡」
淡「う、うん」ソー
照「ちゅっ、ちゅぶ、ぢゅ、ぢゅぷ」
淡「あうっ!や、ん、あっ!///」ビクッビクッ
アアーーン イヤーーン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「テルって本当にエッチだよね」
照「そうかな」
淡「そうだよ。みんな騙されてる」
照「……ところで淡。どうして急に『何でもする』だなんて言い出したの?」
淡「……テルを元気づけたくて」
照「 え? 」
淡「最近ずっと元気なかったでしょ?だから元気になってもらいたかったの」
照「……」
淡「でもどうしたらいいか分からなかったから、せめてテルが望む事をしてあげたかった」
淡「それがたとえエッチな事でも、テルが喜んでくれるなら……って」
照「淡…」
照「明日が創立記念日っていうの、もしかしてウソ?」
淡「うん。怒る?」
照「……いや、たまにはいいんじゃない」
淡「朝早く出れば大丈夫かなとも思ってたんだけどさ」
照「あ、スカート汚しちゃったか」
淡「主にテルのせいでね」ツンツン
照「…ごめん」
淡「ふふっ。許す」ギュ
照「………」
照(気……使わせてしまったんだな……反省)
淡「ね、少しは元気出た?」
照「うん。元気。ありがとうね淡」ナデナデ
淡「えへへ…///」
照(ちゃんとしないと……いろいろ……)
―――――淡、頑張りました編おわり
《とある深夜》
長野
咲の部屋ーーーーーーーーーー
咲『あ、あの……手、繋いでも……いい?』
?『いいよ、ほら』ギュ
咲『えへへ、あったかい』
?『……』グイッ
咲『ふあっ!?え、と///』
?『抱き締めたらいけなかった?』
咲『う、ううん。駄目じゃ…ない///』
?『そう。ならこれは?』スッ
咲『っ!?ま、待って、なにするの?』
?『なにって、それはもちろん―――』
照『キスに決まってる』
咲『えええっ!!///』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
咲「ひあああっ!!!!」ガバッ
咲「はあっはあっ…………ゆ、夢?」
咲「………」
咲「わ、私なんて夢見ちゃったんだろ……///」ドキドキドキ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
清澄高校中庭ーーーーーーーーー
咲「………」ポケー
咲(あんな夢見ちゃうなんて……私って)ハァ
咲(でも夢の中のお姉ちゃん、かっこよかったなぁ……なんだかお姉ちゃんじゃないみたいな)
咲(キス、か…。した事ないから分かんないけどやっぱり気持ちいいのかな…)
咲「……」
咲「…………」
咲「…………………」
咲「///////」ボン
咲(だ、駄目。もう下手に考えるの止めよ。おかしくなりそう///)
咲(ていうか私とお姉ちゃんがそんな関係になる訳ないし)
咲(し、姉妹でなんて、そんな…ごにょごにょ…だよ)
咲(そ、それにお姉ちゃんは大星さんとお付き合いしてるんだろうから私となんて)
咲(………本当にお付き合いしてるのかな)
咲(そういえばちゃんと確認した訳じゃないんだよね)
咲「…………」
東京
とある公園ーーーーーーーーー
照「………」ポケー
照(まさかまた見てしまうとは)
照(最近は欲求不満ではないはずなんだけど……何でまた)
照(他の理由……)
照「…………」
照「だ、駄目だ。ろくな結論に達しない」ズーン
ブルブル ブルブル
照「淡…?あれ、違う」
照「っ!さ、咲」ギク
照(め、珍しいな。なんだろ)ドキドキ
照「…………」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「テルー、お待たせー」
照「………」
淡「……テル?」
照「え?あ、ああ」
淡「どうしたの?なんか変」
照「………淡」
淡「なに?」
照「週末…なんだけど」
淡「うん」
照「ええと、さ…妹が遊びに来たいって言うんだけど、ど、どうかな」
淡「え…」
照「あ、もちろん淡が
淡「いいんじゃない?」
照「へ。いいの?」
淡「なんで?駄目な理由がないじゃん」
照(あれ…私の考え過ぎ…?)
照「そう、だよね。じゃあそういう事だから週末は悪いんだけど…」
淡「私も一度ちゃんと話してみたかったんだー」
照「 え? 」
淡「大会で何回も打ってるのに挨拶くらいしかしてないからねー。楽しみだなあー」
照「…………淡。えーとさ」
淡「せっかくだからテルのアパートで麻雀でもする?菫先輩も呼んで」
照「っ!?す、菫は別に誘わなくても」
淡「菫先輩には私から連絡しとくよ」
照「そ、そう…ですか」
淡「なんだかワクワクして来たよー私」アハハ
照「………」
そして週末――――
咲「えっと、こ、こんにちは」ペコリ
菫「久しぶりだな、前回のインハイぶりか」
咲「は、はい。あらためてよろしくお願いします」
菫「ああ、よろしく」
淡「全国ではどうも」
咲「っ、……大星さん」
淡「淡でいいよ。同級生だし、私も咲って呼ぶから」
咲「淡……ちゃん」
淡「ん、よろしく」
菫「……」
淡「……」
咲「……」
照(なにもない)
照(なにもないはず)
照(そうだ。ただ妹と親友と恋人が集まっただけの話)
照(なにもおかしい事はない)
菫「 照 」
照「っ!な、なに?」ギク
菫「突っ立ってないで座ったらどうだ?」
照「あ、あぁうん」スッ
淡「テルそこに座るの?」
照「えっ」ピタリ
淡「……別にいいけど」
照「……」
咲「じゃあ私はここに」スッ
菫・淡「……」
咲「 ? 」
照(……なにも……起きない……はず……なんだ)ダラダラダラ
――――――私は貝になりたい編おわり
>>1です
ここで一度再確認
このスレはあくまで照淡です
とだけ。
《咲が東京に遊びに来たとある週末》
照のアパートーーーーーーーー
淡「今年は負けたけど、来年は絶対私が勝つよ」タン
咲「え、白糸台優勝したよね」タン
淡「私は咲との勝負の話をしてるんだよ。来年は個人でも優勝してやる」
咲「あ、あはは…」
菫「こらこら淡、あまり脅すなよ。妹さん怖がってるだろ」タン
淡「脅してないし」
菫「気にしないでくれな?ちょっと負けず嫌いなだけで根はいい奴なんだ」
咲「は、はい。大丈夫ですので」
淡「むう…」
照(やっぱり頼りになるな菫。居てくれて良かった)タン
菫「ロン」パラ
照「……はい」
菫「ところで今日はどこに泊まるんだい?」カチャカチャ
咲「えっと、お母さんのところに」カチャカチャ
淡「そりゃそうだよね、ここに3人は狭いもん。前に菫先輩が泊まった時なんか暑苦しくて」カチャカチャ
菫「悪かったな」タン
咲「3人?」タン
淡「んー?ああ、私はここに泊まるから」タン
咲「え…」
菫「……」
照「あ、淡。明日朝から部活じゃないの?」タン
淡「明日は10時からだから全然大丈夫」タン
照「そう…」
咲「…淡ちゃんはよくここにお泊まりするの?」タン
淡「するよ」タン
咲「へぇ…」
菫「……」タン
照「た、たまにだよ。学校あるし」タン
咲「ロン」パラ
照「……はい」
淡「ここら辺て終電早いから2人とも気を付けてねー」カチャカチャ
菫「……私も泊まるかな」カチャカチャ
淡「へ?」
咲「わ、私もやっぱりここにお泊まりしたいですっ」カチャカチャ
淡「ちょ、な、2人してなに言ってるの!?」
菫「いや、終電早いんだろ?せっかく妹さんが居るのに時間を気にしたくないし」タン
咲「私も時間気にしたくないですっ。その、せ、せっかくだし」タン
淡「な、なああ…」
菫「いいよな、照」
咲「だ、駄目かな、お姉ちゃん」
照「い、いや、駄目という訳では」タン
淡「ロン」パラ
照「……はい」
菫「ただまぁ確かに4人は狭いか」カチャカチャ
淡「そうだよ、無理だってば」カチャカチャ
咲「あ、私ならお姉ちゃんと一緒に寝ますから大丈夫です」カチャカチャ
菫・淡「は?」
咲「先日実家でも一緒に寝ましたから。ね?お姉ちゃん」
照「………そう…だね」カチャカチャ
菫・淡「ふうん…」
照「………」
咲「ぎゅってしてくれて、すごく安心しました」エヘヘ
淡「テル…」タン
照「か、雷が。そう、雷が鳴ってて、だ、だから」タン
菫「ほう、雷が鳴ると一緒に寝て、更に抱き締めてくれるのか。今度嵐の日にでも来るかな」タン
照「す、菫?それどういう意味…」
菫「そのままの意味だが」
照「………」
淡(菫先輩…?)
咲「………」タン
菫「妹さん、悪いがロンだ」パラ
咲「……はい」
淡「とりあえずテルとは私が一緒に寝る」カチャカチャ
菫「いいんじゃないか?お前らは付き合ってるんだし、それが一番妥当だと思う」カチャカチャ
咲「付き合って…る…」
照(はあ…、この猛烈な疲労感。生命エネルギーをゴリゴリ削られていってるような感覚…)
咲「え、っと。やっぱり淡ちゃんはお姉ちゃんと?」タン
淡「……まあ」タン
咲「そ、そっか…」
菫「………」タン
照(ドラクエでいったらオレンジくらいかな。あぁベホマが欲しい)タン
咲「どっち、から…?」タン
淡「んん……私から、かな。一応」タン
照(あれ?ベホマの上ってなんだっけ。…ズン?ベホマズン…?)
照(ベホマズンだったかなぁ。いまいち思い出せない)ウーン
咲「……普段のお姉ちゃん、どんな感じですか?」タン
淡「普段?」タン
咲「私達、ずっと喧嘩してて……離れて暮らしてた時間も長いから」
淡「ああ…」
菫「照は恐らく変わってないぞ?妹さんの知っている照のままだと思う」タン
咲「私の知ってる…。そうですか」
淡「うん、変わってないだろうね。知らないけど」タン
咲「大星さん…」
淡「淡ね」
咲「淡ちゃん」
照(ベホマラーはなんだっけ。全員回復?)タン
照(現実にもあればいいのに、回復呪文)
菫「しかし急だったよな。何かあった訳ではないんだろ?」タン
咲「あ、はい。ただ…」タン
淡「会いたかっただけ?」タン
咲「それはそうなんですけど……夢を……見て」タン
淡「 夢? 」
菫「……」ピク
咲「なんていうか、ちょっと困っちゃうような内容の夢で」タン
淡「うーん?」
咲「どうしてあんな夢を見たのか、お姉ちゃんに会えば分かるかなって」タン
淡「どんな夢なの?」タン
咲「そ、それが…」
菫「照、おい照」
照「ぱるぷんて…」ブツブツ
菫「おいって」
照「え?あ、ごめん。ぼんやりしてた」
菫「いいのか?」
照「なにが?」
淡「え、なに?テルと何したって?」
咲「だ、だから…お姉ちゃんと、キ、キ///」カアア
淡「………」
菫「あ~あ」ハァ
照「え、え?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲「すぅー…すぅー…」
菫「すぅー…すぅー…」
照(夢、か。まさか咲も似たような夢を見ているとは…)
淡「テル、寝た?」コソ
照「起きてるよ。どうかした?」コソ
淡「……キスしたくなった」コソ
照「っ、な、」
淡「しっ」
照「……」
モゾモゾ
淡「……ん」チュ
照「ん、ん…」チュ
淡「……っはあ」
照「淡…」
淡「ねえ、しちゃう?」コソ
照「ばっ馬鹿」
淡「ふふ、冗談」
照「……もう寝なさい」ハァ
淡「うん……テル?」
照「なに?」
淡「大丈夫……だよね?」ボソ
照「 ? 」
淡「……おやすみ」モゾモゾ
照「うん、おやすみ…」
菫「……」
咲「……」
――――――照、瀕死。編おわり
《とある土曜日》
白糸台高校
麻雀部2軍部室ーーーーーーー
モブA「実の姉とキスする夢、か」
淡「つまりそういう意味でテルを意識してるって事だよね」
モブA「でも妹さんの言い方だと、本人的にはまだその自覚はないんじゃない?」
淡「そんなの時間の問題だよ。はぁ……やっぱりこうなるんだ、予感通り過ぎて嫌になる」
モブA「ま、宮永先輩の彼女になった子の使命みたいなものかもね」
淡「使命…。確かにテルには数え切れないくらいこういう思いさせられてるや」
モブA「カッコいいもんねー、先輩。私も好きだったなぁ」
淡「………」
モブA「……な、なんて…ね」
>>352
訂正
使命→宿命
モブA「あー、えっと、それで今妹さん達は何してるの?」
淡「たぶんテルの通ってる大学にいる。咲が見てみたいとか言ってたから」
モブA「2人で?」
淡「ううん。菫先輩もくっ付いてったはず」
モブA「なら安心だね」
淡「……うん……」
モブA「大丈夫だって。弘世先輩ならちゃんと上手く間に入ってくれるって」
淡「間に……は入るかもね」
モブA「 ? 」
とある大学―――――――――
咲「ほえぇ……」キョロキョロ
照「咲、あんまりキョロキョロしてると転ぶしはぐれる」
咲「う、うん」
照「そんなに珍しい?」
咲「だってなんか…広いし建物大きい」
照「そのまんまの感想だね」
咲「むう。仕方ないじゃない…大学なんて初めてだし、東京自体数えるくらいしか来てないんだもん」
照「咲は生粋の長野県民だからなぁ」
咲「お姉ちゃんだってそうでしょ」プク
照「私の青春時代は東京だから」フンス
菫(白糸台で東京を語るのは違う気がする)フム
咲「はわっ」コテ
照「おっと」
咲「ご、ごめん」
照「だから言ったのに。平気?」
咲「うん。ありが…」ハッ
照「 咲? 」
咲「あ、あ……の……///」カアア
照「どうかした?」
菫「……お前が抱いたまま離さないからだろ」ハァ
照「え?あ、あぁ」パッ
咲「///////」
照「………さ」
咲「わっ私おトイレ行って来る!」
照「 え 」
ダダダダダダダダ
照「……トイレの場所知ってるのかな」
菫「知ってる訳ないだろ」ハアァー
照「ま、ゆっくり探そ」
菫「……なあ照」
照「なに?」
菫「夢の話なんだが」
照「……」
菫「似たような夢見て。やっぱり姉妹だな、お前たち」
照「姉妹だよ」
菫「……」
照「だから…」
菫「照はそれで済むかもしれんが妹さんは納得してないみたいだぞ」
照「納得ってなに」
菫「言っていいのか?」
照「……言わなくていい」
菫「どうするんだ?」
照「どうするって……どうもしないよ」
菫「ふうん。ならお前の方はどうするんだ?」
照「私の方?」
菫「一回じゃないんだろ?見たの」
照「っ、に、二回だけ、だよ」
菫「淡の様子からして、欲求不満でもないみたいだし」
照「菫……あんまり私をいじめないでよ」
菫「いじめてなんかないさ」
照「そ…」
菫「ああ」
照(最近の菫は少し対応に困る)ハァ
菫(私だってなぁ…)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲(私のバカ。お姉ちゃんに迷惑かけて何やってるんだろ)
咲(こんなんじゃ……これじゃ何のために東京まで来たか分かんないよ)
咲(私は……私はお姉ちゃんに)
部長「あら、あなた」
咲「ふえ!?」ビク
部長「うちの生徒、じゃないわよね?……中学生かな?」
咲「こ、高校2年生ですうっ!」
部長「あはははは」
ジャー キュッキュッ
咲「はあ…」フキフキ
部長「それでそれで?どーして高校生がこんな所にいるのかな?」
咲「えっと、お、お姉ちゃ、あ、姉がここの学生で」
部長「お姉さんが。へえー、なるほどなるほど」
咲「私が行ってみたいって言ったら連れて来てくれたんですけど…」
部長「迷子になっちゃったと!」
咲「は、はい」
部長「事態は把握したっ。でさあ、ところでさあ」
咲「 ? 」
部長「あなた、似てるわ。私の知り合いにとっても似てる」ズイ
咲「ふえぇ」
部長「お姉さん、もしかして麻雀しない?」
咲「え、あ、はい。大学でも麻雀部です」
部長「やっぱりっ!」ガタ
咲「し、知ってるんですか?あの、宮永照っていうんですけど」
部長「キターーーーーーーーー!!」ガターン
咲「ひああっ」ビクウッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
部長「あー…それはなんというか…」
咲「はい…」
部長(まったく…相変わらずというか宮永さんらしいというか…)
咲「す、すみません初めて会った方にこんな話」
部長「いやいや私が無理やり聞いた訳だし」
部長「それで、咲ちゃんはどうなりたいの?」
咲「どうなりたい…?」
部長「恋愛的な意味で好きなんでしょ?お姉ちゃんの事」
咲「え、えええ!?」
部長「やっぱりちゃんとお付き合いしたいの?」
咲「ま、待って下さい!私まだそう…」
部長「なんで認めないの?」キョトン
咲「っ!だ、だって」
部長「好きなんだよね、お姉ちゃんの事。お姉ちゃんとしてではなく」
咲「………分かんないです」
部長「素直じゃないね、姉妹揃って」
咲「……」
部長「んー、じゃあ最後の質問っ」
咲「へ、は、はい」
部長「実際にお姉ちゃんとキスしたいと思いますか!」
咲「キ、キス!?無理ですそんなの!///」
部長「無理とかじゃなくて、したいかしたくないか」
咲「っ……」
淡『キスしたくなった』
照『な、…』
淡『ねえ、しちゃう?』
照『ばっ馬鹿』
咲「…………」
部長「咲ちゃん?」
咲「したい、かはやっぱり分からないけど……して欲しくない、って思います」
咲「わたし以外の人と」
部長「そっか」ニコ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「見知らぬ土地で迷子になって、心細くなかった?」
咲「大丈夫だよ。親切なお姉さんが、色々よくしてくれたから」
照「そうなんだ。なら良かった」
咲「…」チラ
照「ん?」
――――キュ
咲「ま、また迷子になったら嫌だから///」フイ
照「咲…」
菫「………」
菫(照。お前はさ、きっと今まで通り、このまま変わらない日常を望んでるんだと思う)
菫(でももう恐らく無理だぞ、それ)
菫(周りはみんな本気になった。そして、誰も引く気はない)
咲「今日もお姉ちゃんとこに泊まる」
照「…お母さん寂しがるよ」
咲「それでも、……いい」
照「……」
咲「私、お姉ちゃんと一緒にいたい」
照「…分かった」
菫(変わらない日常を貫けるか……楽しみだな、照)
――――――戦いの火蓋は切って落とされた編おわり
咲さんの台詞抜粋的に照と淡がキスしていたのは気づいてないのか?
《とある土曜日、夜》
照のアパートーーーーーーーー
咲「美味しかった?」
照「うん。美味しかったし凄く懐かしかった」
咲「お姉ちゃん好きだったよね、すりおろしたリンゴがたくさん入った甘いカレー」
照「いつ以来かなぁこれ食べたの」
咲「私が4年生の時だから、7年は経ってるかな」
照「7年……そんなに経つのか」
咲「ずっと離れてたから…。でも、これからは食べたくなったらいつでも作ってあげるね」
照「咲…」
淡「……」ボー
咲「あ、あの、お口に合ったかな」
淡「へ…、あぁうん。美味しかった」
咲「良かった」ホッ
淡「………」
ガララ
菫「お風呂掃除終わったから順番に入ってくれ」
照「ありがとう菫、なんだか申し訳ない」
菫「入り浸ってる身だ。これくらいはするさ」
照「でも…」
菫「そういえばシャンプーが残り少なかったから補充しといたぞ。勝手して悪い」
照「いや…」
淡「………」
淡「……お皿洗うね」スッ
照「手伝う」
咲「待って、私が洗うよっ」スクッ
照「え…」
咲「わ、私もその、入り浸ってる身だから」
照「2人して…。気使いすぎ」ハァ
菫「こんな事くらいしか出来ないからな、私も妹さんも」ボソ
照「ん、ごめん聞こえなかった」
菫「早く風呂入れって言ったんだ」
照「そっか」
淡「………」
淡「……私……いらないね……」ボソ
照「え?」
淡「なんでもない。あ、ちょっとコンビニ行って来るよ。みんな欲しい物ある?」
菫「私は特に。照はプリンか?」
照「プリン……良いね」ホッコリ
淡「アハハ、了解。じゃー行って来る」
咲「ひとりで大丈夫?私も行こうか?」
淡「大丈夫だよー、お風呂でも入ってて~」
ガチャ
――――バタン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ブロロロロロローーーー
淡「はあ…」トボトボ
淡(カレー、美味しかったな。甘くて)
淡(知らなかったよ、テル甘口の方が好きだって)
淡(出した物なんでも美味い美味いって食べるんだもん…いつも)
淡(でもよくよく考えたら甘党なんだからカレーだって甘口だよね)
淡(はあーあ、わたし今まで何やってたんだろ)
淡(テルの為に、テルを喜ばせたくて自分なりに頑張って来たつもりだったけど、)
淡(全部独り善がりだったのかなあ…)
淡(菫先輩……前は否定してたのに。ズルいよ)
淡(私より付き合い長くて、私の知らないテルをたくさん知ってる)
淡(凄くしっかりしてて、頭良いし大人だし綺麗だし)
淡(菫先輩が本気になったら私なんかかなうはずないじゃん)
淡(ズルい……先輩も咲も……ズルいよ)
淡「……」トボトボ
淡「………」トボトボ
淡「…………」トボトボ
ピタ
淡「ああもうっ!ムシャクシャするっ!!」
ガンッ←空き缶を蹴っ飛ばした音
ヒューーーーーー――――
――――カンッ
照「あ痛っ」
淡「え?」
ブロロロロロロロ―――――
照「……」サスサス
淡「周り見て歩かないからだよ」
照「うん、ごめん。まさか空き缶が降ってくるとは思わなくて」
淡「……何か頼み忘れたの?」
照「いや。なんとなく……風にあたりたくて」
淡「ふうん」
照「それと」
淡「 ? 」
照「久しぶりに淡と歩きたかったから」
淡「……」
照「……」
淡「………痛かった?ごめんね」サスサス
照「大丈夫だよ」
照「……淡」
淡「んー?」
照「ええっと、さ」
淡「……菫先輩と咲の事?」
照「やっぱりその、怒ってる?」
淡「怒ってないよ。空き缶蹴っ飛ばしといてあれだけど」
照「なんかごめん」
淡「……分かってるから」
照「淡…」
淡「咲は大切な妹。菫先輩は掛け替えのない親友。ちゃんと分かってる」
照「………」
淡「分かってるんだけど……ただ……ちょっと」
淡「ちょっとだけ……辛くなっただけ……」
照「うん…」
―――ピタ
照「……」
淡「? 急に立ち止まってどうしたの?」
照「あー、えー」ゴホン
淡「テル?」
照「つ、月が綺麗ですね」
淡「………は?」
照「い、いや、だから」
淡「なに?」
照「月が、き、綺麗……な訳で」ゴニョゴニョ
淡「………」
照「………////」カアア
ブロロロロロロロ――――
照「もういい」プイ
淡「ご、ごめんごめん、あはははははっ!」
淡「き、急に何を言い出すかと思ったら、テルってば!あーはっはっはっ」
照「だ、だって前に淡が、ていうか笑いすぎだよ」
淡「ああ、あったね、インハイの決勝前夜だっけ。だからってさ、ははははは」
照「たまには良いかなと思ったんだよ。でももう二度と言わない」ムス
淡「えー、やだ、また言って~」キャッキャッ
照「言わなーい」
淡「もー、テル赤くなって可愛いー」ツンツン
照「こ、こら、年上をからかわないの」
淡「照れてる照れてるー」キャッキャッ
照「まったくもう」ハァ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「みんなテルと付き合うのがいかに大変か知らないからホイホイ寄って来るけどさ、」
淡「私じゃないと無理なんだよ、この人は」ツンツン
照「めんぼくない」
淡「ふふっ、………ちゅっ」
照「……///」
淡「ねえテル」
照「ん?」
淡「私、信じてるから」
照「うん」
淡「だから……私の事も信じて?」
照「……うん」
――――――淡の気持ち編おわり
>>373
がっちり気付いてます
ついでに
咲と菫が好きな方、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
読んでて不快になる恐れがあるので、無理だと思ったら閉じて下さい
過去に○○が好きすぎるシリーズ書いてなかった?
キャラのかませ方とかハーレムっぽさが似てる
>>398
何度も聞かれるのでハッキリ言いますが、
違います。
でも大変よく知ってます
あんまり突っ込まないで下さい
《とある土曜日、夜》
照のアパートーーーーーーーー
ガララ
菫「なんだ、まだ帰ってないのかあの2人は」ホカホカ
咲「何かあったんでしょうか」
菫「いや、どうせどっかでスケベな事でもしてるんだろ」
咲「 え!? 」
菫「淡が『まだ帰りたくない』とか言ってだな、照が盛大に流されているとみた」
咲「そ、そう…なんですか…」
淡「ねぇテルぅ…私まだ帰りたくない」
キュ
照「う、うん」
淡「もう少し2人っきりでいたい。……公園、寄らない?」
照「淡…」ドキドキ
菫「恐らく公園あたりでイチャイチャしてるんじゃないかな」
咲「公園…」
菫「ベンチに座り、淡はずっと照の手を弄っている」
咲「い、弄る?握る、じゃなく弄る、ですか?」
菫「そうだ。あいつら手は暇さえあれば握ってるからな、今の雰囲気だと弄るが正しい」
咲「は、はあ」
淡「テルって綺麗な指してるよね」
ニギニギ
照「そうかな」ドキドキ
ムニムニ
淡「スベスベしてて気持ちい」
ワキワキ
照「淡の指だって…気持ちいよ」ドキドキ
菫「トロンとした顔で照を見詰める淡。未だヘタレな照はどぎまぎしながら様子を伺う」
咲(お姉ちゃんてヘタレなんだ…)
菫「ヘタレなくせにスケベな照は、少しずつ距離を縮めて淡にキスする」
咲「キス…」ズキ
菫「嫌か?」
咲「え、あ、………はい」
菫「ふっ、素直だな」
咲「……」
菫「……最初は軽く」
咲「……」
菫「だんだん深く」
咲「……」
照「淡…」ソ
チュ
淡「えへへ…キスされた」
照(か、可愛い///)
淡「ねー、もっとして」クイクイ
照「いいの?」
淡「なんでそこで聞くかなあ。してって言ってるのに」
照「そっか」スッ
淡「…ん、ちゅ、ちゅ」
菫「深く深く、確かめ合うように舌を絡ませる2人。そして―――」
咲「ま、ままっ待って下さい!///」
菫「……どうかしたか?」
咲「どうかって…」
菫「聞きたくないか。大好きなお姉ちゃんの情事は」
咲「っ、……あ、あの」
菫「なんだ?」
咲「弘世さんはいいんですか?」
菫「なにがだ?」
咲「……お姉ちゃんの事、好きなんですよね?」
菫「……」
咲「辛くないんですか……そこまで分かってて」
菫「まあ……普通は辛いんだろうな。だが私は平気だ」
咲「どうして…」
菫「あいつらの事はずっと近くで見て来たし、照の奴が事細かに逐一報告して来るし」
菫「というか、好きだと気付いたのが最近だからな。もはや辛いなんてのは無いんだ」
咲「でも…」
菫「まあまあ。私はいいんだよ。それよりそろそろ帰って来ると思うぞ?」
咲「 え? 」
菫「調子に乗った照が淡にビンタされた頃だ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――ガチャ
照「だだいま」
菫「お帰り。ずいぶんとゆっくりだったな」
照「ごめん」
咲「お姉ちゃん、お帰りなさい」
照「うん。はい、プリン」ガサ
咲「ありがとー、ちゃんとみんなの分買って来てくれたんだね」
照「そりゃね」
咲(……ほっぺた赤くなってる)
菫「淡、淡」チョイチョイ
淡「なにー?」
菫「少しは満足したか?」ボソ
淡「なっ、なにが!?」ギク
菫「さあな」
淡「むうう…」
菫「そうむくれるなよ」ハハハ
淡「菫先輩め」プク
照「プリンプリン」ガサガサ
咲「……」
咲(弘世さんもお姉ちゃんが好き)
咲(淡ちゃんとお姉ちゃんはとっても仲良し)
咲(私は…)
咲(私は明日長野に帰らなくちゃいけない)
淡「あー、テルもう食べてる!」
照「美味い」モグモグ
菫「一口くれ」アーン
照「はい」アーン
淡「ちょ、ちょっと!」
咲(私………)
―――――シャープペンシル菫編おわり
《とある日曜日》
公園ーーーーーーーーーーー
照「咲は本当に公園が好きだね」
咲「うん」
照「もっと行きたい場所はないの?ちょっと遠くても大丈夫だよ」
咲「……」
照「 咲? 」
咲「あのね……お姉ちゃん」
照「 ん? 」
咲「夢の……話、なんだけど」
照「……うん」
咲「どう思った?」
照「……」
咲「私が見た、お姉ちゃんの夢。聞いてどう思った?」
照「……私は……」
照「……」チラ
咲「……」
照「…特になにも思わなかったよ。ただの夢なんだし」フイ
咲「で、でも夢の中で私お姉ちゃんと」
照「やっぱりどこか行こう!」
咲「えっ?」
照「んーと、そうだな、とりあえず駅前まで行って、それからー」
咲「あ、あの」
照「とにかく行くよ、ほら咲」スッ
咲「 ? 」
照「? 手。はぐれるから」
咲「っ、あ、はい」スッ
キュ
咲「……///」
照「よし、咲に似合う服をお姉ちゃんが見立ててあげよう」
咲「ょろしくぉねがぃしましゅ////」ゴニョゴニョ
駅前
とあるお店ーーーーーーーーーーー
照「咲はちょっと子供っぽいからな、少し落ち着いた感じのやつにしよう」カチャカチャ
咲「落ち着いた感じ?似合うかなぁそういうの」
照「似合う似合う。可愛いんだからどんなのでも咲は似合うよ」
咲「な、なに言ってるのそんな事ない///」カアア
照「じゃあまず、これとこれ、後これ」パッパッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲「ど、どうかな」ドキドキ
照「悪くないね。悪くはないけど……ちょっと待ってて」
照「はい、これとこれ、スカートはやっぱりもう少し短め」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲「ど、どう?」
照「うん、可愛い。あ、でも色はこれより……これ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲「はい」
照「いいね、似合ってる。じゃあ靴下はこれで、靴はこれ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲(靴下と靴まで…)モゾモゾ
咲(スカート短いなあ)モゾモゾ
照『まだ?どんな感じ?』
咲「も、もう少し」アセアセ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咲「着た事ない服だからよく分かんないな///」
照「お、おお…」
咲「な、なにか言って///」
照「うん、可愛い」
咲「そ、そっか///」
照(これから寒くなるからトップスにファー付き黒のポンチョ)
照(ブラウンカラーのキュロット、ボーダー柄のソックスに黒ブーツ)
照(最終的に短めスカートからキュロットにしたのは姉心。しかしそれが正解だった)
咲「そんなに見られると恥ずかしいよお…///」
照(当初のイメージからだいぶ離れたけど、やっぱり咲は可愛い系が似合うな)
照「すごく可愛い。本当に似合ってる。最高」グッ
咲「ふえぇ///」カアア
とある喫茶店ーーーーーーーー
照「……」ジー
咲「えっと、ありがとう。でも高かったんじゃ」
照「気にする事はない。せっかくコーディネートしたんだから買わなきゃ意味ない」
咲「う、うん…」
照「……」ジー
咲「……」
照「……」ジー
咲「うう…」
照「………」ジー
咲(見過ぎだよおっ!)
照(可愛い)ジー
咲(それにしても)
咲(ショッピングしてプレゼント貰って喫茶店でお食事しながら談笑)
咲(考えないようにしてたけどこれって…)チラ
照「にこっ」
咲「っ、/////」ドキッ
咲(もしかしなくてもデートだよね)ドキドキ
照「……」
照(最初はどうなる事かと思ったけど喜んでくれたようで良かった)
照(少しは姉らしく振る舞えただろうか)
咲(お姉ちゃんて、私が見た夢の内容ちゃんと聞いてた……よね)
照「ねぇ咲」
咲「な、なに?」ドキ
照「咲さえ嫌じゃなければ、また会いに来て欲しい」
咲「へ…」
照「もちろん私も行く。これからは連絡も頻繁に取ろう」
咲「お姉ちゃん…」
照「それで…」
照(空白の時間を少しでも埋められたら)
咲「 ? 」
照「……いや。あ、そろそろ時間だね」
咲「う、うん」
咲(え、え、これ……これって、私、いいの?)
咲(好きでも、お姉ちゃんを好きなままでいいの?)
咲(お姉ちゃんはそれでいいの?)
改札ーーーーーーーーーーーー
咲「じゃあまたね、お姉ちゃん」
照「咲。あのさ」
咲「ん?なあに?」
照「……ううん。お父さんによろしく」
咲「分かった」
照「……」
咲「お姉ちゃん」
照「なに?」
咲「えっと………確認」
照「確認?」
咲「私の今の気持ち、お姉ちゃんに対するこの気持ち………お姉ちゃんは困らない?」
照「……困ってるよ」
咲「っ、そ、そっか」ズキ
照「でも」
照「咲は何も心配しなくていいから」
咲「? それってどういう…」
照「とにかく私に任せておけばいい」
咲「分かった…けど。え、んっと、じゃあ私は…」
照「夢の事も……私に対する気持ちも、悩む事はない」
咲「……」
照「ただ約束して」
咲「約束?」
照「咲が感じたり思った事、ごまかしたり逃げたりしないで欲しい」
咲「……」
照「自分の気持ちを、素直に受け入れるようにして欲しい」
咲「……うん。約束する」
照「よし。いい子だ」
ナデナデ
咲「………」
―――――お姉ちゃんが分からない編おわり
《とある日曜日、夕方》
菫「ほう、照がそんな事を」
菫(うやむやにごまかしたのか?いや、それならもっと…)
菫「ん、いや大丈夫。まぁ約束したんなら守るべきだな」
菫「………ああ。じゃあまた」
ピ
菫(自分の気持ちを受け入れる、か)
照「菫、お待たせ」
菫「ああ」
菫「妹さん、えらくスッキリした様子で電話して来たぞ」
照「そ。ていうか連絡取り合ってるの?」
菫「まあな」
照「私の大切な妹に変なこと教えないでね」
菫「…私にそういうこと言うのお前くらいだぞ」
照「菫は優等生だからね。でも私は知ってる。意外とあれな事を」
菫「あれってなんだ、あれって」
照「言わない」
菫「なんだよ…」フン
照(咲はあれでいい)
菫「さて、夕飯の買い出ししてさっさとアパート行くぞ」
照(でも菫はそうもいかない)
>>435の、菫に対する「あれ」と
咲に対する「あれ」は違いますので
訂正
照「咲はあれでいい」→照「咲はこれでいい」
照「今日は外で食べよう」
菫「…淡は?」
照「来ない。だから久しぶりにどこか食べに行こう」
菫「そうか、分かった」
照「……嫌?」
菫「馬鹿。嫌な訳ないだろ」
照「じゃ行こうか」
菫「ん…」コク
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
公園ーーーーーーーーーーーー
菫「ふう、食べ過ぎたな」
照「そう?私まだ入る」
菫「お前体重で悩んだ事ないだろ」
照「? ないね」
菫「……」ハァ
ギーコ ギーコ
照「ブランコ乗るの久々。懐かしい」
菫「……で?」
照「え、なにその返し。冷たい」
菫「……私に何か話があるんだろ?」
照「……」
ギーコ
照「菫こそ私に何かあるんじゃない」
菫「……」
照「なら私から言う。私は菫と―――」
菫「待て。私が言う」
照「……」
ー――ガチャン
菫「私、お前が好きだ」
照「……うん」
菫「言わないでおこうと思っていたんだがな」
照「ごめん」
菫「いや、いいんだ。内に秘めた想いなんて、最終的にはろくな物にならん」
照「そうなの?」
菫「さあ」
照「ははっ、意味分かんない」
菫「ははは」
ギーコ ギーコ
菫「前に言ってくれただろ…。私に大切な人が出来るまで側にいてくれるって」
照「ああ、うん」
菫「私が大切に思ってる人は、私の事どう思ってるんだろうか」
照「…大切に思ってるよ」
菫「そっか」
照「でもそれは…」
菫「親友として、だろ?」
照「……」
菫「そんな顔するなよ。私が辛くなる」
照「…菫。私さ…………淡が好きだよ」
菫「……」
照「菫の事も好きだけど、淡が一番好き」
菫「……」
照「好きなんだ」
菫「……知ってるよ」
照「ごめんね」
菫「謝るな。分かりきってた事だ」
照「……」
菫「しかし照らしくないよな。いつものお前なら流れに身を任せてただろ。正直、本気で私は言うつもりはなかったんだ」
照「うん、色々考えてみた。菫も淡も、そして咲も出来るだけ傷つけないようにって」
菫「相変わらず平和主義だな」
照「ない頭絞って考え出した結果、菫とはハッキリさせなきゃと思った。ハッキリさせても大丈夫だって思ったから」
菫「おいおい、私だって傷付くんだぞ?」
照「それはごめん。でも私…」
菫「分かった分かった、私だってお前の事はよく分かってるから」
照「ありがとう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ギーコ ギーコ
菫(長い付き合いで、ずっと近くで見て来たから)
菫(もはや辛いなんてのはない……か)
ギーコ ギーコ
菫(我ながら弱い人間だな。最後の最後まで、照はおろか自分にも向き合えなかった)
ギーコ ギーコ
菫(本当に好きなら、しがみついて涙流しながらすがりつけば良いんだ)
菫(そしたら馬鹿なアイツの事だ。断り切れずに優しくしてくれたはずだ)
ギーコ ギーコ
菫(……なんて。今更なにを思ったところで答えは出た)
菫(とっくに答えなんて出ていた)
ギーコ ギーコ
菫(なあ照。前に私さ、自分の居場所はどこなんだろうって悩んだ事があるんだ)
菫(もしこんな私にも)
ギーコ ギーコ
菫(居場所と呼べる場所があるなら)
菫「やっぱりお前の横が良かった」
―――――菫の失恋編おわり
《とある日》
白糸台高校
2年生の教室ーーーーーーーー
淡「……」ポケー
モブA「元気ないねえ」
淡「まぁ…ね…」
モブA「妹さんは長野だし、弘世先輩の事も宮永先輩ちゃんと振ったんだよね?」
淡「菫先輩との話は詳しく知らないけど…。うん、ハッキリさせたって言ってた」
モブA「ならまだ何を悩んでるの?」
淡「テルが…」
モブA「 ? 」
淡「辛そうにしてる…」
モブA「……そうなんだ……」
モブA「優しいからね、先輩」
淡「優しいし、テルにとって菫先輩は特別な存在だから…」
モブA「……」
淡「お互いがお互いをすごく大切に思ってる。信頼し合ってる」
淡「テルには菫先輩が必要で、菫先輩にはテルが必要」
淡「そうやって、ずっと長い間一緒に支え合って来たんだと思う」
モブA「うん…」
淡「もし……、もし、さ」
モブA「……」
淡「私がテルを好きにならなかったら…」
モブA「そ、それは」
淡「きっと2人…」
モブA「大星さん…」
淡「……」
モブA「……はあ。ね、大星さん」
淡「…なに?」
モブA「宮永先輩とどっか旅行でも行ったら?」
淡「え?」
モブA「不謹慎とかなしね。なんていうかさ、節目っていうか、新たなスタート?んー、ちょっと違うか」
モブA「とにかく一度、心をまっさらにした方が良いと思うんだ」
淡「心をまっさら?」
モブA「そう。疲れた心を休ませるっていうか、見つめ直すっていうか」
淡「………」
モブA「知らない土地で2人っきりになってみたら?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とある温泉街ーーーーーーーー
淡(という事でテルと温泉へ来ています)
淡(この旅行で心をリフレッシュして新たなスタートを切るんだ!)
淡(それにはまず傷心のテルを私が癒さないと)フンス
淡「あ、あのさ、テル」
照「淡っ、ほら!お城!熱海城!」
淡「へ?あ、うん」
照「凄いね!大きいね!早く行こう!」グイグイ
淡「わ、分かった」
照「おおー、資料館!素晴らしいっ!いやっほう!」
淡「」
淡(あっれ、なにこのハイテンション。落ち込んでたんじゃないの?)
淡(辛そうに見えたんだけど…。私の取り越し苦労だったのかなぁ)
淡(それかまさか熱海城パワー?いやでもこのお城にそんな大層なもの感じないし)
照「淡知ってる?熱海城は歴史的に実在したお城ではないんだよ」
照「鉄筋コンクリート造りの、観光用に建てられた建築物なんだ」
淡「うん、中身ゲームセンターだしね。……実際のお城じゃないのに……それでもいいの?テルは」
照「まぁ言いたい事は分かるけど、私はそれでも十分楽しいよ」
淡「そう…」
照「よし、上に行こう」
ヒュオオオオーーーーー
淡「わぁ…」
照「熱海市街、初島、大島、相模灘。ね?けっこういいでしょ」
淡「うん」
照「価値をどこに見出すか。それは人それぞれ。私は熱海城好きだな」
淡「そっか」
照「はぁ……気持ちいいな……」
淡「………」
ヒュオオオオーーーー
淡「……ねぇ…テル」
照「景色は一望したし、次は秘宝館かな。行くよ淡」
淡「えっ、ちょっと待っ」
とある旅館ーーーーーーーーー
淡「つ、疲れた…」グッタリ
照「へばったの?情けないな女子高生」
淡「……」
照「さーて温泉温泉」
淡(熱海に来てから)
照「一泊で何回入れるかな」
淡(テルがやたら元気だ)
メロンブックスの阿知賀6巻の特典きたよ~
http://www.melonbooks.co.jp/contents/comic/saki_side_a6/data.jpg
こいつ、誘ってやがるっ…!
>>460
誘ってますな
これは誘ってますよ
ええもう完璧誘ってます
淡(もちろん元気なのにこしたことはないんだけど)
照「露天風呂楽しみだなー」
淡(なんか……)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「痛い」ジンジン
淡「テルが無理矢理バスタオル取ろうとするからでしょ!」プンプン
照「だって温泉はタオル外すのがマナーだし」
淡「それとこれとは違うの!」
照「今さら何故そこまで恥ずかしがるのか。淡の裸なら何度も…」
淡「テルの馬鹿っ!エッチ!」
照「ええー」
淡「そんなだからデリカシーがないって言われるんだよ!まったくもう」
照「ごめんごめん、悪気はなかったんだよ」
淡「どうだか。スケベなテルの事だもん、きっと……ていうか裸が見たいならごにょごにょ」
照「あ、少し早いけどそろそろ寝ようか。淡疲れたでしょ?」
淡「このあと好きなだけ………え?」
照「明日早起きしてもう一回温泉入らなきゃだしね」モゾモゾ
淡「そうだね……いや、そうだけど……」
照「おやすみ」
淡「あ、はい、おやすみ…なさい」
シーーーーン
淡(………ほ、本当に寝たの?)
照「……」
淡(嘘でしょ!?旅行に来て、こんな、え、本当に!?)
うわぁ
淡(やっぱり変だよ今日のテル!だっていつもなら…)
淡「ねえ、テル」ユサユサ
照「……ん、どうしたの?」
淡「もしかしてどっか具合い悪いの?」
照「? 悪くないよ」
淡「じ、じゃあ、その……な、なんで」
照「 ? 」
淡「んっと、な、なんで何もしないの?」
照「え?」
淡「だっ、だから…てか言わせるな!///」バシッ
照「あ痛っ」
淡「どうしちゃったの!?いつものテルに戻ってよ!ねえっ」ユサユサ
照「いつもの私?私はいつもこうだよ」
淡「そんな悟り開いたお坊さんみたいな顔しないでよおっ!」
照「え~?えへへ」
淡「うわああーん、テルが壊れちゃったよーー!」
照「あははは、おかしな淡」
淡「おかしいのはテルでしょおおお」ウワーン
淡「ぐすっ、テルが、テルがあ」グスングスン
照「……淡」
淡「ずずっ、なに?」
照「ありがとうね」
淡「ふえ?」グスン
照「旅行。私に気を使ってくれたんでしょ?」
淡「テル…」
照「ごめんね、わたし大丈夫だからさ。淡は何も気にしなくていいんだよ」スッ
ナデナデ
淡「……別に……気なんて……ぐすっ」
照「そう?なら笑ってよ。淡の泣き顔なんか見たくないな」
淡「んぐ……ふぐっ」
照「よしよし。大丈夫、大丈夫だよ」ナデナデ
淡「……テル」
照「んー?」ナデナデ
淡「私……私ってそんなに頼りない?」グスッ
照「……」
淡「テルが辛そうにしてたの知ってるよ?ずっと何かを考えてるのも知ってる」
照「……」
淡「私に心配かけないように楽しそうに取り繕ってたんでしょ?」
淡「最初は気が付かなかったけど、ちゃんと分かるもんそれくらい」
照「いや…あわ」
淡「私だって、テルのそばにいたんだから!」
淡「菫先輩より、テルのこと分かるんだから!」
私「もっと私のこと信頼してよっ!!」
>私「もっと私のこと信頼してよっ!!」
ん?
>>471
訂正
淡「もっと私のこと信頼してよっ!!」
痛恨
マジ痛恨のミス
あ、ごめん前後文みればわかるのについ(テヘッ
照「淡…」
淡「菫先輩にだって、咲にだって負けないもん。私が一番テルのこと知ってるんだもん」グスン
淡「テルは……私のものだよ」
照「……」
淡「ねぇテル」ソ
照「ん…?」
淡「私ね、テルが好き。だから」
グイ――――トサッ
照「? 淡…」
淡「私にテルちょうだい?」
朝
チュンチュン チュンチュン
照「ん、んん…」
淡「おはよ」
照「ふあ……ぁふ。おはよう」
淡「えへへ~」
照「…淡、怖いくらい顔が緩んでる。平気?」
淡「だって。だってえ~」
ギュッ
照「んお」
淡「昨日のテル思い出すともう///」グリグリ
照「は、ははは」
淡「はああ……なんかさ、やっとテルと一緒になれた気がするよ」ウットリ
照「淡があんなに頑張るとは思わなかった。やる時はやるね」
淡「えっへん」
照「……」ジー
淡「ん?」
照「いや、全裸で胸張られると、その胸に吸い付きたくなるよね」
淡「は!?」
照「ちょっとだけ…」ソロー
バキッ
照「きゅうう~」バタン
淡「朝からなにすんのよっ!エッチ!!」
照(……何も変わってない……)
――――――元気付けようとしたら結ばれました編おわり
《とある温泉街へ旅行に来た二日目の朝》
とある旅館ーーーーーーーーー
照「あたた…、ねぇ淡。すぐ殴るのってどうかと思う」イタイ
淡「テルがいつも殴られるような事するからでしょ」
照「殴られるような事?それってどんな事?」
淡「た、例えば今みたいな…事」
照「おっぱい舐めたら駄目なの?昨日は良かったのに何で今は駄目なの?」
淡「え、ええ?」
照「淡だって私の舐めてたよね。美味しそうに吸っ
淡「言わないでえええっ///」
照「おっぱいどころか凄く敏感なところも
淡「やめてええ///」
照「私が反応したら嬉しそうにして口だけじゃなく手まで使っ
淡「分かった、分かったからああああ///」
照(可愛い)
淡「テルのばかあ」グスン
照「ごめん、ちょっとイジメたくなった」
淡「もう…」
照「……」ジー
淡「な、なによお」
照「ありがとう」
淡「へ?」
照「淡のおかげで元気になった。あらためてありがとう」
淡「っ…、…………うん」
淡「テル、私さ、テルより二つも下だし頼りないと思うけど…」
照「頼りなくなんてないよ。これでも淡の事は頼りにしてるし信頼してる」
淡「……ほんと?」
照「ほんと。私があんまり相談とかしないのは、ただ単に心配かけたくないだけだから」
淡「そっか…」
照「でもこれからはちゃんと言う。それで淡が辛くなる事もあるかもしれないけど」
淡「言って欲しい。どんなに辛くても支えてみせる。それに…2人一緒ならきっと大丈夫」
照「淡……」
淡「私がテルを支える。任せてっ」
照「ふふっ、分かった。私は淡のものだしね」
淡「うんっ///」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「って感じでいつものテルに戻ってくれた」
モブA「……」ポカーン
淡「これからは変に気持ちを隠したりしないで、お互い弱い部分を補えたらって話を………聞いてる?」
モブA「はっ!う、うん聞いてる聞いてる」
淡「旅行に行って良かったよ。おかげで色々と再確認出来たし、今までより更にテルと分かり合えた」
淡「モブAには本当に感謝してる。ありがとね、モブA」
モブA「へ?あ、あぁ、うん」
淡「また行きたいな~旅行。今度は傷心旅行じゃなくて新婚……きゃっ///」
モブA「あ、あの…さ、大星さん」
淡「ん~?なに~?」デレデレ
モブA「さっきスッゴくあっさり話してたけど、宮永先輩と繋がったってどういう意味?」
淡「えっ、どういう意味って、そ、そういう意味だよ」
モブA「いやだからもっと具体的に」
淡「言える訳ないじゃん!なに具体的にって///」カアア
モブA「じ、じゃあ具体的にはいいから一つ答えて」
淡「う、うん」
モブA「繋がったって、精神的に?それとも物理的に?」
ベシッ
モブA「」バタ
照のアパートーーーーーーーー
淡「はあ……モブAめ」
淡「……」
淡「………」
淡「…………」
淡「/////」ボン
淡「わあああー!煩悩に!主に性欲という煩悩に頭が支配されるーー!!」ガターン
淡「108つあると言われる人間の煩悩の中の一つ!性欲というものに!性欲と!いうもの!にっ!!」
淡「私の一挙一動にビクンビクン反応して可愛い声漏れちゃうテルが頭から離れないよーー!!」
淡「やだーー!こんなんじゃまるで痴女だよ私ーー!!」ウワーン
『テルー!好きだよテルーーー!!』
照(どうしよう怖くて玄関開けられない)ブルッ
ガチャ
照「た、ただいま」
淡「ふわあっ!!」ビクッ
照「えっと、来てたんだ」
淡「う、うううううん、来て、来てたよ」
照「あの…」
淡「な、なに?」
照「………欲求不満?」
淡「」グサ
照「あ、ごめん」
淡「」
照「淡?おーい」
淡(モブA……明日お仕置きだな)
照「あわい~」
――――――照と淡、新たなスタート編おわり
《新たなスタート的なものを切ったとあるバカップル…のとある夜》
照のアパートーーーーーーーー
照「さあ淡、遠慮する事はない。ドーンと来て」
淡「え、あ、あの、いや」
照「……早く来てくれないと寒い」
淡「そ、そそそそっか。う、うん分かった。いくよ?いくからねテルっ」
照「どうぞ」
淡「ま、まずはキスをする。…します」ススス
――――チュ
淡「はふ///」
照(キスなんてこれまで星の数ほどしてるのに…)
淡「し、舌入れてもいい?」オドオド
照「…そういうの聞いて私が何度叱られた事か」
淡「うっ。ごめんね、今まで」
照(しかしこれはなかなか…)
淡「よ、よし!もう覚悟決めた。私のやりたいようにやる!」
ソロ… ――――チョン
淡「ふああ///」
照「あわい~、はやく~」
淡「んぐ……ぐすっ」ジワ
照(可愛いなあ)ゾクゾク
可愛い(確信
照「交代する?」
淡「やだ……私だってテルのこと気持ち良くしてあげたいもん」グス
照「んー、でもそろそろ動かないと風邪引いちゃうから……あ、そうだ」
グイ――――ドサッ
淡「ひゃっ、駄目だってばあ」
照「違う違う。レクチャーしてあげるだけ」
淡「レクチャー?教えてくれるの?」
照「うん。どこをどうしたら気持ち良くなるか、一から教えてあげる。それならいいでしょ?」
淡「そっか!分かったよテルっ」
照「ちゃんと覚えるんだよ?」
淡「うんっ」
アッ ヤダ…
アアーン
数分後
淡「う、ううん…」グッタリ
照(やりすぎてしまった)ハァハァ
淡「ひどいよテル……何回も……」
照「で、でも色々分かったでしょ?これだけ身をもって経験したら次はバッチリだね」
淡「頭真っ白でそれどころじゃなかったよ…」
照「ご、ごめんね」シュン
淡「謝る事はないけどさ……気持ち良かったし」ボソ
照「え?」
淡「なんでもない。ね、ギュッてして」
照「はーい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「って事があった」
モブA「………」
淡「…どうかした?なんか塙みたいな顔になってるけど」
モブA「はっ!あまりのショックにお花畑が見えた」
淡「え、大丈夫なのそれ」
モブA「大丈夫!それでそれで、その後どうなったの!?」
淡「その後?それで終わった」
モブA「はあっ!?」
淡「いやだって無理だよ。もう箸も持てないくらいにまでされたんだよ?」
モブA(されてええええええーー!!)ガンッガンッ
淡「あ~あ、こんなんでテルを満足させる事なんて出来るのかなぁ」
モブA「うーん」
淡「普段されてる事をすればいいって思ってたけど、実際やるとなると全然出来ないし」
モブA「もたついてると攻守交代されちゃうしね」
淡「そうなんだよー。テルってばエッチだから」
モブA(人生終わる前に一度でいいからエッチな宮永先輩を拝みたい)
淡「……勉強しようかな」
モブA「勉強?」
淡「うん、本とかで。それかネット」
モブA「あ、ああ」
モブA(一瞬わたしと練習的な展開を考えてしまった自分が恥ずかしい)
モブA「勉強して知識蓄えるのも大事だけど習うより慣れろだと思うよ」
淡「まあね」
モブA「それともう少し具体的に話してくれたら私もアドバイス出来ると…」
淡「やだ」
モブA「だよねー」
淡(そういえばテルはどう考えてるんだろ…)
――――――淡のエッチな勉強は前途多難なようです編おわり
《とある放課後》
白糸台高校麻雀部部室ーーーーーー
亦野「宮永先輩!?どうされたんですか急に」ガタ
照「ちょっとね」
亦野「淡なら歯医者だからって帰りましたよ」
照「知ってる。今日は亦野に用事があって来た」
亦野「私に、ですか?」
照「うん。報告」
亦野「報告?」
照「そう。とりあえずここじゃマズいから仮眠室行こう」
亦野「は、はい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
亦野「ホントですか!良かったじゃないですか!」
照「まだうまくいったのは一回だけだけどね」
亦野「それでも十分凄いですって。新境地開拓おめでとうございます!」
照「ありがとう」
亦野「高校の頃からの苦労を知ってる分、自分の事のように嬉しいです」
照「うん……長かった。ここまで来るのは本当に長かったよ」
亦野「頑張りましたね先輩。その忍耐力、さすがです」パチパチパチ
照「いやいや、支えてくれたみんなのおかげ」
照「それに淡も頑張ってくれた。あんなに恥ずかしがり屋な淡が…。私は幸せ者だ」
亦野「先輩…」
照「まぁ二回目は恐らく当分先になるだろうけど、焦らず待つよ」
亦野「ふふっ、二回目達成の報告楽しみにしてます」
照「っと、そうだ亦野に聞きたい事もあったんだった」
亦野「なんですか?」
照「最近淡がやたら薄っぺらい漫画を読んでるんだ」
亦野「 え? 」
照「しかも私に隠れて。何か知らないかな」
亦野「う、薄い漫画…」
照「漫画くらい普通に読めばいいのに何故かコソコソしててさ。どうしてなんだろう」
亦野(間違いなくアレだよな…。多分モブAの影響だろうしちょっと責任感じる)
照「私の予想としては、新学期すぐにテストがあったでしょ?」
亦野「? あ、あぁ、ありましたね」
照「その結果が悪かったんじゃないかと思うんだ。だから大っぴらに漫画が読めない」
亦野「……やっぱり怒るんですか?そういう時」
照「怒りはしないけど注意はする」
亦野(保護者か)
照「赤点取ったとか聞いてない?」
亦野「聞いてませんね」
照「そっか。じゃあもっと普通に読んでもいいのに…。そんなに私から勉強しろと言われたくないのか」
亦野(宮永先輩……なんて真面目で純粋)
亦野「淡のこと心配なんですね」
照「んー…平日もウチに来るからいつ勉強してるのかと気にはなる」
亦野「淡はあれで割りかし成績は悪くないらしいですよ。良くもないみたいですが」
照「そうなんだ…」
亦野「はい。意外と授業はしっかり受けてるんだと思います」
照「ならいいんだ。ごめん変なこと聞いて」
亦野「いえいえ」
亦野(後で淡に言っとかないとな…)
夜
照のアパートーーーーーーーー
照「ご馳走さまでした」
淡「お粗末様でした。あ、お風呂沸いてるよ」
照「ありがとう。じゃあ入って来ようかな」
淡「うん、いってらっしゃい」
照「……」ジー
淡「? どうかした?」
照「…いや」フイ
淡「変なテルー」アハハ
照(今日もこっそり漫画読むのかな)
淡(めっちゃ怪しまれてるー!亦野先輩から聞いてなかったらヤバかったよマジで!)ヒイイ
照(この間、お互い変な気の使い方はしないようにしようって話したばかりなのに)
照(……言おうかな。堂々と読んでいいよって)
淡(もうここでは読めないな。仕方ない、勉強はネットにするか)
照「…あのさ、淡」
淡「っ、な、なに?お風呂入らないの?」
照「入る。入るけど…」
照(なんて言えばいいか…。漫画がどうとかよりもっと根本的な事を伝えないと)
照「ええと」
淡「どしたのー?」
照(根本的……だけどやんわり。じゃないとまた気を使われる)
淡「テル?」
照(最初は遠回しに……徐々に核心に……。まずは)
照「べ、勉強はかどってるみたいだね」
淡「えっ、えええっ!?」
照「っ!?」
照(な、なんだこの反応。そんなリアクションになるようなこと言った?)
淡(どうしてテルが勉強のこと知ってるの!?ま、まさか既にバレてる!?)ダラダラ
淡(い、いや、まてよ……私がエッチな勉強をしているのと薄い本の存在がバレてるのを結びつけるのはまだ早い)
淡(ここは…)
淡「わ、私が密かに勉強してるのよく分かったね」
照「亦野に聞いたんだよ」
淡(あ の や ろ う)ゴッ
照(密かにしてたのか…。てっきり授業以外はさっぱりだとばかり。偉いなぁ淡は)ホッコリ
照「ねぇ淡。きっと私に気を使ってるんだろうけど、そんな必要はないんだよ」
淡「 へ 」
照「やることやってるなら私は何も言わないから。だから堂々と漫画読んで?」
淡「っ!……ど、堂々と?漫画を?」
照「うん。あ、そうだ。私にも見せてよ」
淡「ふえっ!?」
照「? 私だって漫画くらい読むよ。淡が好きなものなら私も一緒に読みたいな」
淡「い、一緒に?テルとあれを?」ゴクリ
照「え、駄目?」
淡「いいに決まってるよおっ!」
照「そ、そう。それは良かった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「じ、じゃあこれ、最近の私のイチ押し」
照「どれどれ……………ん?」
淡「拘束もの。あ、別にテルを縛りたいとかそんなんじゃないからっ」アセ
照「……」
淡「そりゃ興味がない訳では…って違う違う。純粋に勉強としてだよっ」アセアセ
照「……」
淡「ひとつの知識として今読んでるだけ!本来ははね、シャープペンシル先生のばっかりだから」
照「……」
淡「そのシャープペンシル先生ってのが実は、って言わない方がいいかやっぱり」
照「……」
淡「でねでね、これは今読んでるやつで、他にこういうのもあるんだよ」ゴソゴソ
照「……」
淡「青姦!」
照「」バサッ
――――――勉強熱心なもので編おわり
《とある日》
とある大学の麻雀部部室ーーーーーーーーー
照「……」カタカタカタ
ターン
照(…主に18歳未満禁止の同人誌。すなわちエロ同人誌を差す言葉)
照「エロ同人誌…」クラ
照(以前からたまに挙動不審な時があったけど、原因はこれか)
照(そういえば明らかに隠し事をされて菫と尾行した事もあったな)
照(あの時は菫がそっとしておいてやれとか言うから結局はそのまま…)
照(…菫はこの事を知っていた…?)
照(聞いてみるか。でも…)
照「今さら頼れないよね」ハァ
照(傷付けておいて困った時だけ頼るとか……私ってやつは)
部長「ふむふむなるほど、薄い本かー」
照「んおっ」ギクッ
部長「宮永さんもこういうの読むんだー。意外」
照「ち、違いますよ。これはその…ただ調べてただけで」
部長「何で調べてたの?興味があるからじゃないの?」
照「興味と言ってもそういう興味ではないです」
部長「なにそれ」
照「ちなみに部長は…その…読んだ事ありますか」
部長「あるよ」
照「っ!?」ガタ
部長「? 持ってはいないけど友達と一緒に読んだ事はあるよ」
照「と、友達と?こ、これいわゆるエッチな本ですよ?」
部長「中学生の時だったなー。まぁ思春期ってやつ?そういうのにやたら興味があったんだね」シミジミ
照「中学…、そんな幼い時期に」oh
部長「珍しい事じゃないと思うけど。エッチな本って言っても所詮漫画だし」
照「そ、そうですか」
部長「中には読むどころか制作側に目覚める子もいるんだよ」
照「へえ…」
部長「で、結局どうして調べてたの?」
照「……」
部長「……言わない気なら……」ユラ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
部長「なるほどねー、淡ちゃんが」
照「……」ハァハァ
部長「宮永さんは嫌なの?そういう薄い本を彼女が読んでるの」
照「だって18歳未満禁止の本ですよ?淡はまだ17歳です」
部長「宮永さんて決起会の時も思ったけど…」
照「…なんですか?」
部長「なんでもない。それで?読むのを止めさせたいんだ」
照「それは……分かりません。すごく嬉しそうに語る淡に、止めてとも言えなそうだし」
部長「なら仕方ないね」
照「はぁ…」
夜
照のアパートーーーーーーーー
淡「これこれ!この公衆トイレのシーンなんて本当に凄いんだよっ」
照「こ、公衆トイレ?外のトイレでやっちゃうの?」
淡「そうだよ!あとねーあとねー」
照(そうだよってそんな当たり前のように)
淡「このロッカーのも読んでみて!オススメ!」
照「……淡は狭い場所が好きなの?」
淡「え?」
照「いや…いい」
照(これを一人で隠れて…淡はどんな気持ちで読んでたんだろうな…)チラ
淡「テル?」キラキラ
照(…なんて素敵な笑顔)
照「それにしても沢山あるね。いつの間にこんなに揃えたの?」ペラペラ
淡「全部わたしのって訳じゃないから。半分くらいはモブAに借りてるやつだよ」
照「そう…」
照(モブAさん…あんな可愛い顔して…。人ってほんと分からない)
照(しかしあらためて見てもこの内容。確実に淡の情操教育に悪影響を及ぼす)ペラペラ
照(やはり止めさせるべきか…)
淡「あ、そういえばねー、モブAと亦野先輩はねー」モジモジ
照「 ? 」
淡「ま、漫画にあるプレイを実際試したりしてるらしいよ///」カアア
照「」バサッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「淡っ!これ!これなんてどうだろう!屋上っ!」
淡「えー、なんか寒そう」
照「開放感あっていいかなと思ったんだけど……ならこれは!教室っ!」
淡「んー、先生に見つかったら退学になっちゃう」
照「それは困るね……あ!なら部室は!?前に仮眠室でした事あるしこれなら…」
淡「まあ…鍵掛かるし…そこなら…」
照「ほ、ほんと!?」
淡「うん」
照「いよおーーし!それなら次は具体的なプレイを決めようっ!」ペラペラッ
淡「痛いのはやだよ?」
照「分かった任せてっ!」ペラペラッ
―――――――薄い本って最高です編おわり
>>535
素晴らしい
しかし何故照淡ssはこんなに少ないのか
他の人も書いてくれ…
本当は書くより読む方が好きなんです
《とある夕方》
白糸台高校麻雀部部室ーーーーーーーー
オツカレサマデース
亦野「じゃあ帰るかー。小腹空いたしどっか寄ってこーよ」
渋谷「うん。淡ちゃんも行くよね?」
淡「え?あー、今日はちょっと」
亦野「なんだ付き合い悪いなあ…。あ、そっか宮永先輩のとこ行くのか」
淡「ん、んん…、まあ…会う事は会う…」
亦野「 ? 」
亦野「とりあえず出るかー。鍵掛けなきゃだし」
淡「それなんだけど…私まだ残ってちゃ駄目?み、見たい牌譜があって」
亦野「淡が!?牌譜を!?」エッ
淡「う、うん。駄目?」
亦野「駄目って事はないけど…」
淡「……」
亦野「……まあいいや、はい鍵」
淡「ありがとです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
淡「もー、めちゃくちゃ怪しまれたんだからねっ」
照「大丈夫大丈夫」
淡「なにが大丈夫なんだか」ハァ
照「淡…」ソッ
淡「も、もうするの?」ビクッ
照「だって時間ないし」
淡「そうだけど…、な、なんか…」
照「なに?」
淡「き、緊張する。部室でなんて…変な感じ」モジモジ
照「そっか」
スッ――――チュ
淡「んっ」ピク
照「おお凄い。この距離でも淡の心臓の音聞こえる」
淡「……ばか///」
照「……ちゅ、ちゅっ」モゾモゾ
淡「っ、あ、汗くさくない?一応、んっ、拭いたんだけど」ピクッピクッ
照「いい匂い………ぺろ」
淡「んっく」ビク
照「少ししょっぱい。美味しい」
淡「うう///」
照「…顔上げて?」
淡「テル……ん…ちゅ、っ……はっ…ちゅぶ…」チュル
チュッ チュッ
淡「っ…は……んっ…テル…ま、待っ」
照「はぁはぁ」
淡「んう、ちょっ……ほんと待って…立ってられな…あう」ガクガク
照「…ソファに寝て」
淡「う、うん」ハァハァ
――――ドサッ
照「淡…淡…」
淡「な、なんか手つきが…やらしい」
照「やらしい事してるんだから当たり前」ゴソゴソ
淡「そうじゃなくて、あっ、んうっ」ビク
照「立ってる。気持ちいい?」コリコリ
淡「ふあっ、ひあっ」ビビクン
照「……」スッ
淡「っ!そ、そこは駄目!」
照「なんで?」
淡「…汚れてる…から」
照「……」
スッ――――シュル
淡「ネクタイ…?」
照「痛かったらごめんね」
淡「 え? 」
―――キュッ
淡「あ……」
照「これで拒めないね」ニコ
淡「っ…」ゾクゾク
アッ ダメ ヤダ
ア、アアーーンッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「はぁ…はぁ…、大丈夫?」
淡「うん…テル…好き」ギュウ
照「私も。…と、あんまり悠長にはしてられないんだった」
淡「動けない…」クタ
照「寝てていいよ。全部やってあげる」
淡「ん…」コクン
照「それで…どうだった?」フキフキ
淡「…テルが普段の倍スケベで引いた」
照「んぐっ、そ、そう」フキフキ
淡「声我慢しなきゃいけなくて辛かった」
照「う、うん」ゴソゴソ
淡「誰か来ないかも心配で廊下の方が気になった」
照「……」ゴソゴソ
淡「でも………すごく興奮した」プイ
照「そ、そっか」
淡「気持ち……良かった…よ?///」チラ
照「淡///」キュン
淡「だ、だからまぁ…またやってあげても…」
照「あわいいいいー!!」ガバアッ
淡「きゃあああっ!今はもう無理っ!駄目っ!やだっ!」
アワイーー! スキダーー!
モウムリーー!
―――――部室でエッチ編おわり
《とある日》
とある大学の麻雀部部室ーーーーーーーー
照「……」カタカタカタ
ターン
照(おお、凄い数。同人誌ってこんなに種類があるのか)
照(沢山ありすぎて素人にはよく分からないな。…そうだ、淡が言ってたやつは…)カタカタ
照(シャープペンシルだっけ。……お、出た。どれどれ)
照「……」ジー
照「………」ジー
照「…………こ、これは///」ジー
部長「エロいね」
照「ふおあっ!!」ビックウッ
ドンガラガッシャーン
部長「あらら大丈夫?」
照「け、気配消して至近距離にいるの止めてくれます?」バクバク
部長「別に普通にしてたけど。よっぽど集中してたんだねー」
照「……」
部長「……」
照「……なんですか」
部長「……スケベ」
ドンガラガッシャーン
部長「あらあら」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
部長「へえ~、じゃあ今は宮永さんも薄い本愛好家なんだね」
照「愛好家というほどでは…」
部長「いいじゃんいいじゃん。恋人とそういう本見て良い雰囲気になれるなら素晴らしい事だよ」
照「はあ」
部長「この幸せ者~」ウリウリ
照「や、止め…まぁ幸せは幸せですがね」
部長「なんだノロケかぁ~」ウリウリ
照「そ、そうではなく。ただ…」
部長「んー?」ウリウリ
照「麻雀以外で初めて一緒に楽しめるものが出来たので…嬉しいです」
部長「……ふうん」
照「淡は本当に良い子で…。いつも私に合わせてくれるんですよね」
部長「へー」
照「私がついつい読書に没頭してしまっている時も、本当は構って欲しいのに文句も言わず横にいてくれるし」
照「日々の料理の味付けも私好みに少し甘いんです」
照「あ、海に行った時なんか、泳げない私に付き合って一緒にお城建築を手伝ってくれました」
照「泳ぐのが好きなのに…。『テルが面白いと思う事を私もしたい』とか言っちゃって」
照「健気というか、可愛げがあるんですよね。まぁたまにワガママな時もあったりはするんですが」
照「それはそれで淡らしいワガママなので、もうそれさえも可愛いく思えて」
照「あ、怒ってる顔も可愛いんですよ。ほっぺたぷくーって子供みたいな顔になるんです」
照「もともと子供っぽいんですけどね」アハハ
部長「………」
照「最近特に思うんです。あんな良い子と一緒にいれてなんて幸せ者なんだろうって」
部長「ほー」
照「私たち2人を出会わせてくれた神様に感謝しなくてはいけませんね」
部長「それはそれは」
照「ああ……なんだか会いたくなってきた」
部長(まさか)
照「早く夜にならないかな」
部長(あの宮永さんにここまでノロケられるとは)
照「明日は土曜日だから今夜はまったり過ごせる…」
部長(ちょっと、いや、かなりイラつくな)
ブーーン
部長(ん?ずいぶんと季節はずれな…)
部長「宮永さん、」
照「久々に一緒に入ろうかな…なんて」デレ
部長「……」
照「…ん、どうかしました?」
部長「ううん、なんでもない」ニコ
夜
照のアパートーーーーーーーーー
淡「テルー、お風呂沸いたから入っちゃってー」
照「うん」
淡「さってとー、洗い物済ませちゃお」
照「……」
――――キュ
淡「ん?どうしたの?」
照「一緒に入ろう」
淡「えっ」
照「たまにはさ」ギュ
淡「テ、テル///」
照「いや?」
淡「いやじゃない…///」
照「はい、ばんざーい」
淡「じ、自分で脱げる///」
照「いいからいいから」
淡「もう…。なら私もテル脱がす」
照「脱がしっこだね」ヘラヘラ
淡(テルってヘタレのくせにたまに変なスイッチ入るよね…)
プチプチ
淡「……あれ?」ピタ
照「どうかしたー?」ヘラヘラ
淡「……」ジー
照「あわい~、手が止まってるよ~」
淡「……ねえテル……今日たしか大学あったよね」
照「? うん」
淡「何か変わった事なかった?」
照「ないと思うけど」
淡「本当に?私に言えない事しなかった?」
照「淡に言えない事?それってどういう…」
淡「白状するなら今のうちだよ?今正直に言えば特別許してあげるかもしれない」
照「な、なななに?本当に何もなかったよ。というかその言い方だと許してくれない比重の方が」
淡「分かった3つ数える。さ~ん、に~い」
照「ちょ、ちょちょちょちょ、せめて10からにしてよっ」アワワ
淡「い~ち、ぜ~ろ」
照「ごめんっ、よく分からないけど謝るから」
淡「分からない?まだ言う?」
照「そう言われても…」
淡「ならそのキスマークはなに!?」
照「 へ 」
淡「その首に付いてるキスマークは何かって聞いてんのっ!」
照「キ、キスマーク…?」
淡「しらばっくれて!どうせ例の部長に付けられたんでしょ!」
照「い、いや、知らない。本当に、知らない」ブンブン
淡「嘘つきっ!浮気者っ!」
照「う、浮気?してない、してないよ」
淡「テルなんか」フルフル
照「あ、淡?」
淡「「「 だいっきらーーーーいっ!!」」」
照「」
ブーーン
ペチッ
部長「また蚊だー。や~ね、異常気象?」
―――――虫刺されには気を付けよう編おわり
《とある昼下がり》
白糸台高校
2年生の教室ーーーーーーーー
モブA「は?そんな事で宮永先輩を責めたの!?」
淡「……」プイ
モブA「はあー…。あのさ、大星さん。本気で先輩が浮気するような人だと思ってるの?」
淡「思ってないよ!」
モブA「ならどうして…」
淡「忘れたの?去年の合宿」
モブA「…私たちが入学してすぐの?なんかあったっけ」
淡「あったよ」
モブA「うーん…?」
淡「まだ私がテルを嫌いだった時の話だよ。懐かしいね」
モブA(大星さんが宮永先輩を嫌ってた時期なんて多分ない。…というのは黙っておこう)
淡「あれはそう……大嫌いなテルに文句の一つでもと合宿所を探し回っていた時の話」
回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淡『くっそー、いないなぁアイツ。私をほっぽりだしてどこに消えた』キョロキョロ
淡『せっかくこの私が少しは歩み寄ってあげよっかな~なんて天使の気紛れを起こしてやったってのに』
淡『馬鹿なチャンピオン!私との距離を縮める絶好のチャンスを棒に振るなんてほんと馬鹿』
淡『てか合宿来てからまともに話してないじゃん!もーー!どこ行ったのよおっ!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「あの頃は私も子供で尖ってたからね」フフフ
モブA(たしか先輩が告白されてるかもって慌てて探してたんだよね)
淡「んで見つけた。案の定冴えない後輩に呼び出されてた」
回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
冴えない後輩『好きです!大好き!めっちゃ好っきゃねん!』
照『えー』
冴えない後輩『あなだの事があ~すんきだがらあ~』
照『へー』
冴えない後輩『あだしと~、付き合ってくんろ~』
照『あー』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「恐らくその時点で私の事が好きだったんだろうね。とっても気の抜けた返事してたよテルは」
モブA「ふーん」
淡「そんなこんなであの事件」
回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
冴えない後輩『先輩、ちょっと正面向いて目瞑ってくれます?』
照『いいよー』
冴えない後輩『動いたらダメですよ』
照『分かったー』
ぶっちゅうううううううーーーーー!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
モブA「 え? 」
淡「物陰から見ていた私はあまりの衝撃にその場を走り去ったよ」フーヤレヤレ
淡「分かった?私が必要以上にテルを心配する理由」
モブA「ご、ごめんよく分からなかった。えっと、もしかして宮永先輩が隙だらけって事を言いたいのかな?」
淡「そうだよっ!告白されて有無を言わさず唇奪われるなんて普通有り得ないよ!」
モブA「それは、うん、たしかに。回想がかなり改変されてるのはもういいや」
淡「私はね、別に本気でテルが浮気してるなんて思ってないんだよ」
淡「そういうの出来ないっていうのも、どれだけ私のこと好きかっていうのも知ってるから」
モブA「ほ、ほう」
淡「なんていうの?こう…ガッチリ掴んでるからね!私は!テルのハートをさ!」
淡「私以外の子なんて視界にも入らないんじゃないかなあ」
淡「ぞっこんだし、テルったら私に。だから浮気はしないよ絶対。ぞっこんだし」ドヤア
モブA「……」
モブA「でもそれなら浮気者だなんて言うのは酷くない?浮気してないのに」
淡「ちっちっちっ。分からないかなぁ」
モブA「分からない」
淡「わざとに決まってるじゃん。そんなの」
モブA「えっ」
淡「さり気なく隙だらけのテルに釘を刺してるんだよ」
モブA「釘…」
淡「そうしておけば、ガードも固くなるしもしもの浮気もない。一石二鳥」
モブA「……大星さんてさ……」
淡「ん?」
モブA「……いや、なんでもない」
モブA(宮永先輩がいなくなったらどうするんだろ)
―――――淡、本当にそれでいいのか編おわり
《とある日》
長野
宮永家ーーーーーーーーーーー
咲「ごほっごほっ……はぁ」
照「咲、起きれる?お粥作ったから食べて」
咲「ありがとうお姉ちゃん」
照「食欲ないだろうけど少しでもいいから頑張って」
咲「うん。あ、あの…」
照「なに?」
咲「えっと…」モジモジ
照「ん?」
咲「……な、なんでもない。いただきます」
照「 ? 」
咲(さすがに食べさせてはくれないよね)モグモグ
照「これ薬ね。食べ終わったら飲むんだよ」
咲「うん」モグモグ
照「さてと」スクッ
咲「あ…」
照「…タオル取ってくるだけだから」
咲「そ、そっか」
――――バタン
咲「はあ…」
咲(ただの風邪なのにわざわざ東京から来てくれるなんて)
咲(お姉ちゃん、私の気持ち知ってるんだよね?こんなに優しくされたら私…)
咲(期待しちゃうよ。もしかしたらお姉ちゃんも同じ気持ちなんじゃ、って)
咲(そんな訳ないって、そんなの有り得ないって分かってるけど…)
咲(でも……でも私……)
咲「好きだから…」
ガチャ
咲「っ!」ビク
照「…食べ終わった?」
咲「え、あ、もうちょっと」パクパク
照「ゆっくりでいいよ」
咲「/////」パクパク
スマホにしました
1です
>>614
せっかくなので酉つけましょ
酉の付け方教えて下さい
>>616
方法を転載しておきますね
◆トリップ(酉)に関して
名前欄に#(半角シャープ)と適当な文字や数字を入れるとトリップ、いわゆる酉が表示されます。
例 #SS速報VIP → ◆82qWBuLEU6
#123 → ◆TJ9qoWuqvA
これを使うと作者本人の証明となり、他人になりすましをされる危険性もありません。
また、既に他の誰かが同じトリップを使っている可能性もあるため、一度そのトリップで検索することをお勧めします。
あれ?酉が違う
IDもいちいち変わるし
三点リーダーは…ですか
ありがとうございます
慣れるまで投下は厳しそうです
>>624
酉バレしとる
変えた方がいいよ
咲(だ、ダメダメ!なに考えてるんだろ私。今回はお父さんが出張でいないからって……そ、そうだよ、お父さんに言われて仕方なく、)
咲(仕方なく来てくれたんだよ、じゃなきゃ)チラ
照「薬飲んだら着替えようか」
咲「ぶはっ!」
照「!? だ、大丈夫?」
咲「き、着替え?ってあの、汗かいたからタオルで拭いて、っていう」
照「そ、そうだけど」
咲「良いって言うまで見ちゃダメだよ…とか、前は自分で拭けるから…とかいうあの!?」
照「あのっていうのがどの事を言ってるのかは分からないけど……多分そう」
咲「」
照「咲?」
咲(立っちゃったかも…お見舞いフラグ…!)フオオ
照(咲が元気だ)
スマホ厳しすぎ
テスト
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
照「強すぎない?痛かったら言って」ゴシゴシ
咲「へ、平気///」
照「よいしょ、よいしょ」ゴシゴシ
咲(お姉ちゃんて…)
照「はい、腕上げて」
咲「う、うん」
―――――サワッ
咲「ひゃわっ///」
照「あ、ごめん」
咲(意識しなすぎいいい///)
照「次は左ね」
咲(これじゃなんだか私ばっかり…)
サワサワ
咲「んにゃあっ///」ビクン
フニフニ
咲「はわっ///」ビビクン
モミモミ
咲「ああんっ///」ビクビクッ
照「それじゃ次は……咲?」
咲(私ばっかり意識しちゃってバカみたい…)クタ
咲(確かにはっきり言ったわけではないけどさ、それでも気持ちは知ってるんだから少しくらい…)
照「……」
咲「いくら背中向けてるとはいえ…あ、な、なにか言った?」
照「うん。自分で拭けない箇所は拭いたから、後は自分で出来るよね?」
咲「あ、ありがとうお姉ちゃん」
照「じゃあはいタオル」
咲「うん……はっ」
照「え?」
咲「……」
照「どうかした?」
咲「………あの」
照「ん?」
咲「ま、前も…」
照「?」
咲「お姉ちゃんに…拭いて欲しい…」
照「え…」
咲「な、なんて……そ、その、だから…」
照「……」
咲「……」
照「咲…」
咲「ご、ごめん冗談」
照「いいよ」
咲「っ!?」
照「タオル貸して。拭いてあげる」
咲「……」
照「咲、タオル」
咲「…お姉ちゃんは…」
照「なに?」
咲「……なんでもない。自分でやる。終わったら呼ぶから…」
照「分かった」スクッ
―――――――バタン
咲「ばか…」
白糸台高校麻雀部部室ーーーーーーーーーー
淡「モブA~、宿題みせてー」
モブA「あれ?元気だね」
淡「元気だけど。なんで?」
モブA「てっきりいつもみたくテルーテルーって涙目で泣きついてくるんだとばかり」
淡「っ、い、いつもじゃないもん!///」
モブA「今回はなんでそんなにどっしり構えてるの?」
淡「ふふん。私がいつまでも子供だと思ったら大間違いだよ。この前も言ったでしょ?テルってば私にぞっこんなんだから」
モブA「ふうん。明らかに先輩に気のある妹さんと今頃一つ屋根の下でも何も心配はしてないと」
淡「ま、まあね」
モブA「へえ…」
亦野「おーい淡ちょっと来てくれー」
淡「ちょっと行ってくる。あ、宿題後で見せてね」タッ
モブA「うん」
――――ガンッ!ドンガラガッシャーン
亦野「うわっ大丈夫か淡」
淡「な、なにが?」ダラダラ
亦野「何もないところで…って鼻血出てるぞ」
淡「へーきへーき」アハハ
モブA「はあ…」
淡「だ、大丈夫大丈夫?」ヨタヨタ
モブA「……」
モブA(宮永先輩が理由で大星さんがおかしくなるのはよくある事)
モブA(やれキス魔やら、やれ合宿やら、やれ浮気やら……過去何度すったもんだがあった事か)
モブA(幾度となく繰り返される痴話喧嘩。もはや定期的に行われる恒例行事のような気さえしてたくらいだ)
モブA(宮永先輩が無自覚に問題を起こし、大星さんが怒って泣いて謝られて収束。それがいつものパターン)
モブA(二人とも想い合ってるし、二人とも……とっても良い人。だからどんな事が起こってもきっと大丈夫だって根拠のない自信があった)
モブA(でも…)
淡「……」ボー
モブA(今回はなんていうか…)
モブA(そうだ。宮永先輩の意図が見えないんだ…)
モブA(先輩…。私は今回どう動いたらいいんですか)
モブA「宮永先輩…」
モブA(なんて。別に私がなにかしなきゃならないって訳では…)
淡「テルぅ」ボソ
モブA「……」
長野
宮永家ーーーーーーーーー
咲「はあ…」フキフキ
咲(離れてた時期があるからとかじゃなく…もっと前…子供の頃からそうだったかも)フキフキ
咲(たまにお姉ちゃんが分からない時がある)フキフキ
咲「姉妹……なのにな」
チカチカ チカチカ
咲「…ん?」
咲「お姉ちゃんの携帯が点滅してる……メールかな」
チカチカ チカチカ
咲(きっと淡ちゃんだよね。心配してるんだろうなぁ)
咲(なにも心配するような事ないのに…)
チカチカ チカチカ
咲「……」
チカチカーーーーブルルルル
咲「!?」ビクッ
ブルルルル ブルルルル
咲「で、電話?どうしよ、お姉ちゃーん!」
咲(メールの返信が来ないから電話?心配し過ぎだよ淡ちゃんっ)
ガチャ
照「呼んだ?」
咲「あ、あの、電話…」
照「え?ああ、ありがとう」
ブルル………ピ
照「もしもし」
咲「……」
照「どうしたの?……うん。…うん」
咲「……」
照「そう…」
咲「……」
照「それは…、ん、ごめん」
咲(お姉ちゃん…)
照「分かってる。でも今は…」
咲(淡ちゃんともめてまで、なんで?なんでそこまでして…)
照「―――そういうことだから。じゃあまた」
ピ ツーツー
照「ふう」
咲「お姉ちゃん」
照「あ、ごめんね。体は拭き終わった?」
咲「今すぐ帰って」
照「え?」
咲「私はもう大丈夫だから。東京に帰って」
照「…今のは気にしないでいい」
咲「気にするよッ!」
照「っ!?」
咲「淡ちゃん怒ってるんでしょ!?今電話で帰ってきてって言われたんでしょ!?」
照「淡?いや今のはちが
咲「もういいよそういうの!」
照「咲…?」
咲「お姉ちゃんが優しいのは分かったから……私のこと大切にしてくれてるの…分かったから…」
照「……」
咲「来てくれて嬉しかった。ただの風邪なのにわざわざ……ほんと勘違いしちゃいそうなくらい…嬉しかった」
照「……」
咲「でも、でもね、違うんだ。私は…その…なんていうか、やっぱりお姉ちゃんには幸せでいてもらいたいっていうか、」
、
咲「あ、別に淡ちゃんと幸せにっていうんじゃなくて、って、あああ、だからってわ、別れちゃえって意味では、なくて」
咲「いや、正直分かれては欲しいけど、って、ああもう、なに言ってるんだろ私」
照「……」
咲「と、とにかく私は……お姉ちゃんには笑ってて欲しいんだよ…」
照「咲…」
咲「だから…。ね?東京に戻って…?」
照「……帰らない。咲の風邪が良くなるまでここにいる」
咲「な!?な、なん、で」
照「なんでって……心配だから。姉が妹の心配するのも世話を焼くのも当たり前の事でしょ?」
咲「……」
照「それにこれはいい機会だと思うし」ボソ
咲「え、なに?」
照「こっちの話。分かったら横になって休んで」
咲「話はまだ終わってないよっ!お姉ちゃん、私は!私は…!」ガバッ
照「っ、あまり興奮すると」
咲「私はお姉ちゃんが、お姉ちゃんのことをっ…あ…」フラ
照「咲っ」ダキッ
咲「あ…れ…な…なんか目の前が暗く…なって…」ダラリ
照「だから言ったのに。また熱上がってきたね。ほら横になって」
咲「ん…んん…おねえ…ちゃん、私…わたしね…」
照「はいはい、今はとりあえず寝よう、咲」フトンフトン
咲「好き…」
照「…」ピタ
咲「好きなの……わたし…お姉ちゃんが……好き」
照「……知ってるよ」
咲「そ…か…」
照「…咲、私は」
咲「……すう……すう……」
照「……」
照「寝たの?」
咲「すう……すう……」
照「……ごめんね。つらい思いさせてるね」
咲「すう……すう……」
照「夢…見てるかな」
咲「すう……すう……」
照「私は出てる?もし出てるなら夢の中の私は何してるかな」
照「咲と一緒に遊んでる?子供の頃みたいに、山に登ったり川に入ったりしてる?」
照「それとも…」
咲「すう……すう……」
照「咲が見た私の夢の話…、聞いたとき驚いた」
照「夢の内容はもちろんなんだけど、それだけじゃなくて……私と同じだったのに驚いた」
照「ねえ咲……私も咲と……キスする夢、見たんだよ?」
咲「すう……すう……」
照「姉妹揃ってなんて夢見てるんだろうね、はは…」
照「夢から覚めたとき、やっぱり動揺した?戸惑った?私は大変だったよ」
照「どうしてあんな夢をって悩んだ。もしかしたら、気づかなかっただけで咲の事そういう対象として…とか考えた」
照「もしそうならちゃんとしなきゃって思ったし、咲との事だけでなく淡との事も…。いろいろ悩んだ」
照「……咲が東京まで会いに来てくれた時も実ははっきり答えは出てなくてさ。動揺してたのバレてたら恥ずかしいな」
照「でも……今はちゃんと答え出たから」
咲「すう……すう……」
照「私は、やっぱり咲のこと妹としてしか見れない」
咲「すう……すう……」
照「咲はどう…?私のこと……好きって気持ちは……その気持ちはどっちの好き?」
咲「すう……すう……」
照「ねえ咲……前に私が言ったこと覚えてるかな。咲が長野に帰る日、駅で…」
照『咲は何も心配しなくていいから』
照『とにかく私に任せておけばいい』
照『夢のことも……私に対する気持ちも、悩む事はない』
照『ただ約束して』
照『咲が感じたり思った事、ごまかしたり逃げたりしないで欲しい』
照『自分の気持ちを、素直に受け入れるようにして欲しい』
咲「すう……すう……」
照「姉として咲に出来る事……なんだろうって、何をしてやれるんだろうって考えた時……」
照「とことん咲と向き合う。それしかないと思った」
咲「すう……すう……」
照「咲の私に対する好きが、家族愛なのか恋愛感情なのか。咲はきっともう分かってるって言うだろうけど、本当にそうかな」
照「あの夢に惑わされてはいない?感情を勘違いしてないって言い切れる?私に対する気持ち……どこかお母さんに対する気持ちと似てる部分はない?」
照「私と……キスしたいって思う?触れて欲しいって……思う?」
咲「……」
照「……時間がかかってもいいと思う。大切なことだから」
咲「……」
照「…でももし」
咲「……」
照「本当に恋愛感情として私の事を好きでいてくれているのなら」
咲「……」
照「私は咲をフラなくてはいけない」
咲「……」
照「咲は大事な妹だから。そしてなにより……淡が好きだから」
咲「……」
照「……ゆっくりおやすみ……咲」
スク ―――ガチャ バタン
咲「……」
次の日
咲「お姉ちゃーん、お腹減ったあ」
照「すっかり良くなったみたいで良かった。今食べる物持ってくるから」
咲「うんっありがと。お姉ちゃんのおかげだよ」
照「ふふ、そう言ってもらえるとわざわざ東京から来た甲斐があるよ」
咲「ね、もしまた…」
照「ん?」
咲「私が弱ってたり……悲しんでたり辛い時、お姉ちゃん助けてくれる?そばにいてくれる?」
照「当たり前でしょ」
咲「……」
照「……咲?」
咲「ううん。なんでもない。それよりご飯ー、お腹減ったあー、早くーう」
照「ええ?まあいいか、ちょっと待ってて」
咲「ずっと一緒……私それだけでいいよ」
――――――――宮永咲の選択編おわり
《とある普段となんら変わらない、でもなにかが変わった気もしないでもない昼下がり》
白糸台高校近くの眺めのいい公園ーーーーーーーーーー
照「……」ソワソワ
ガサ ゴソゴソ
照(お土産…もう少し奮発すればよかったな)
照「はあ…」
淡「テルー」タタタッ
照「っ!あ、淡」
淡「お帰りっ」
照「た、ただいま…」
淡「思ったより早く着いたんだね」
照「朝早くに出て来たから」
淡「そっか」
照「うん…」
淡「咲はもう大丈夫なの?」
照「えっ!?」
淡「え?」
照「あ、いや…。えっと、熱も下がったしお父さんも帰ってきたから」
淡「なら安心だね」
照「まあ…ね…」
淡「……」
照「……」
淡「…ふ、ふふふ」
照「淡?」
淡「ふふ、ごめん、テルがあんまりにもビクビクしてるから面白くて」
照「う、うう…だって…」
淡「別にわたし怒ってないよ?」
照「でもモブAさんが…」
淡「モブA?……ああ、そういえば電話したって言ってたっけ」
照「すごく怒られたからさ…。それはもう…すごく怖かった…」
淡「そんなに?」
照「普段とのギャップが…」
淡「あー、テルの前ではおしとやかで上品ぶってるからね。でも実際全然違うよ?」
照「そうなんだ…」
淡「本当はお下劣だし変態だしスケベでドSだよ?」
照「それは…ギャップどころのレベルじゃないね…」
淡「でもまあ、いいやつ、かな」
照「…後でちゃんと謝る」
ザアアアアアアーーーーーーーー
ザアッ
淡「いい風。もう秋だね」
照「うん」
淡「あっという間に寒くなって、あっという間にあったかくなるんだろうね」
照「春になったら淡も3年生か…。ついこの前高校生になったばかりな気がするのにほんと早い」
淡「ちょっと。私もう立派な大人ですけど」
照「冗談冗談。淡は大人だよ、分かってる」ハハハ
淡「むう…またそうやって」
照(本当に分かってるよ。初めて会った時から淡がどれだけ成長したか。強くなったし……綺麗になった)
淡「私だっていろいろ……ぶつぶつ」
照(調子に乗るだろうから言わないけどね)
淡「あ、そういえば」
照「ん?」
淡「最近菫先輩とは会ってるの?」
照「え?ど、どうして?」
淡「もし私に気を使ってるんだとしたら、いいからね?」
照「そういう訳じゃ…ないよ。菫とはなんていうか…。とにかく淡はなにも心配しなくて大丈夫だから」
淡「はあ…、またテルの悪い癖」
照「癖?」
淡「そう。口では私のこと信用してるとか言うけど、なんだかんだ結局はひとりで抱え込む」
照「……」
淡「ねえ、テル」
照「…なに?」
淡「菫先輩はテルの大切な人なんじゃないの?」
照「……」
淡「ずっと支え合って来た……お互いかけがえのない、必要とし合ってる存在なんじゃないの?」
照「それは…」
淡「私、テルのこと好きだけど、菫先輩といるテルも好き」
照「……」
淡「それともちろん、菫先輩の事も大好きなんだ」ニコ
照「淡…」
照「な、なんだか今日の淡はいつもと違うな」
淡「えー?そう?」
照「雰囲気が落ち着いてるっていうか…発言もなんか…」
淡「ふっふーん。だから言ったでしょー?おとなだって」ドヤ
照「はいはい」
淡「まあそういうことだから、その…菫先輩の事はほんと気にしないでいいからね!」
照「うん、分かった」
淡「あー、スッキリした!これで安心だよ」
照「安心って…。私のこと心配してくれてたの?」
淡「んー?まあ、これで私がいなくなっても平気かなって」
照「……」
淡「菫先輩なら安心してテルを任せられるよ。やっぱりテルといったら菫先輩だよね」
照「……え?」
照「な、なに…?急に。いなくなるとか、任せるとか。あまりそういう誤解を招くような事は…」
淡「テル」
照「……」
淡「私さ、少し前から考えてた事があるんだ」
照「考えてた事…」
淡「そう。私ね――――――
春になったら
――――――――――テル、わたしね……編おわり
次回
最終話
テスト
テスト
テスト
テスト
《とある夏の真っ只中》
照のアパート―――――――――――
照「……」
テレビ『優勝おめでとうございます。では―――よりさっそく今大会の感想を―――』
テレビ『ありがとうございます。今年も去年と同様たいへん厳し―――』
菫「今年のインハイも終わりか…」
照「うん」
菫「まあなんというか……いろいろ残念だったな……今年は」
照「うん」
菫「……麦茶飲むか?」
照「うん」
菫「……」
テレビ『去年はくしくも準優勝という結果でしたが、見事雪辱を―――』
テレビ『はい。とても嬉しく思います。このために毎日練習に励んで―――』
菫「……ん」コト
照「ありがとう」
テレビ『決勝では一瞬ひやりとする場面もありましたが、終わってみれば2位との差が―――』
テレビ『そうですね。彼女ならやってくれると思っていました。ただ……今年は……』
テレビ『はい?なんでしょう』
照「……」
テレビ『……いえ、なんでもありません』
テレビ『? 以上、優勝を決めた―――』
――――ピ
照「……」
菫「照…」
テスト
シーーーーーーーン
菫「……でも頑張ったよな、うん」
照「そうだね。エース不在なのによく頑張ったと思うよ」
菫「え?あ、ああ」
照「……」
菫「……」
シーーーーーーーーーーーーン
菫「……ち、ちょっと暑いな!暑いよな!よし、換気して夏の清々しい風でも」ガラッ
ザアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーー
ピカッ
―――――ゴロゴロゴロ
菫「……」ピシャ
照「…冷房の温度下げる?」
菫「いや…いい…」
菫「(´・ω・`)」シュン
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