【バンドリ】パスパレの初夢 (17)
――ライブハウス 楽屋――
大和麻弥「うーん、新年初ライブは大成功でしたね!」
若宮イヴ「はい! お客さん全員がとっても楽しそうな顔をしていました!」
氷川日菜「ねー! あたしもきゅるるるん♪ って感じですっごく楽しかったー! 帰ったらお姉ちゃんに褒めてもらおーっと!」
白鷺千聖「ふふ、みんな大はしゃぎね」
丸山彩「今年最初のライブだったもんね。やっぱり大盛況で終われたし、今年もいい一年になりそう!」
千聖「でも彩ちゃん、相変わらず音を外してる部分があったわよね」
彩「うっ……やっぱりバレてた……?」
彩「何度も練習してたんだけど、あの部分だけはどうしても外しちゃうんだよね……」
麻弥「いえ、彩さん、そんなに落ち込むことはないですよ! ああいう、生ライブだからこその失敗っていうのはなかなかいい味を出すことだってあるんですから!」
日菜「確かにそうかもねっ。MCでそれに突っ込まれるとワタワタする彩ちゃん、ネットでファンに大好評だし!」
彩「そ、その評価のされ方はちょっとヤだな……」
麻弥「ま、まぁまぁ、それはそれとしても、やっぱりライブの空気ならそれもいい演出の一つですよ!」
千聖「確かにそれは彩ちゃんの持ち味の一つかもね」
イヴ「他の人にはないアヤさんだけの強みですね!」
彩「……これ、褒められてるのかな……?」
麻弥「ほ、褒めてますよ! やっぱり彩さんはああじゃないとって方たちも一定数いますし!」
彩「うーん、それならいい……のかな……?」
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麻弥「それに音程はともかく、リズムは完璧じゃないですか! ジブン、彩さんが歌ってくれてるとドラムが叩きやすいですよ!」
彩「……フォローしてくれてありがとね、麻弥ちゃん。私も麻弥ちゃんがドラムでリズムを作ってくれると、すごく歌いやすいよっ」
千聖「そうね。同じリズム隊として、ライブに慣れている麻弥ちゃんがいてくれると心強いわ」
日菜「あたしもお姉ちゃんにしょっちゅうギターが走り過ぎって言われるけど、麻弥ちゃんの音を聞いてるとしっかり合わせられるな~」
イヴ「確かにその通りです! マヤさんは私たちパスパレのダイコクバシラですね!」
麻弥「み、みなさん……そう言ってもらえると嬉しいですね……フヘヘ」
麻弥「おっとと、フヘヘは禁止でしたね、千聖さん」
千聖「……いえ、私、改めて考えてみたの」
麻弥「はい? 何のですか?」
千聖「その麻弥ちゃんの笑い方も、麻弥ちゃんの大事な個性の一つなんじゃないかって」
麻弥「え、そうですかね……?」
千聖「ええ。だから禁止にするって言ったのは辞めにするわ。むしろパスパレのみんなで使っていくべきだと思うわ」
麻弥「……えっ!?」
日菜「フヘヘ……お姉ちゃんに褒められちゃった~」
彩「フヘヘ……次は音程外さないように、しっかり練習するね、みんなっ!」
千聖「フヘヘ……練習するのは大事だけど彩ちゃんはそのままでいいと思うわ」
イヴ「次のライブも頑張りましょうね、みなさん! フヘヘヘヘ!」
麻弥「え、ちょ……」
彩「フヘヘ」
千聖「フヘヘ」
日菜「フヘヘ」
イヴ「ブシドー! フヘヘ」
四人「フヘヘヘヘヘヘヘ」
麻弥「」
――――――――――
―――――――
――――
……
麻弥「うわぁぁ!!」ガバッ
麻弥「……あれ……ユメ……?」
麻弥「…………」
麻弥「思いつく限りで最悪の初夢だ……また悪夢として見そうな絵面だった……」
麻弥(今年は本当に笑い方を直そう……『フヘヘ』はアイドルがやっちゃいけない……)
――氷川家――
日菜「お姉ちゃーん! 一緒にパスパレが出てる年末特番見よー!」
氷川紗夜「……日菜、私の部屋に入る時はノックをしなさいと言っているでしょう」
日菜「あ、ごめんなさい」
紗夜「まぁいいわよ。いつもの事だし、可愛いあなたのすることだもの」
日菜「うん、ありがと、お姉ちゃん!」
紗夜「それで、一緒にテレビを見るんだっけ?」
日菜「そうそう! 彩ちゃんが体を張ったバラエティーがあるんだ! それ、一緒に見よっ!」
紗夜「はいはい。見る場所は……」
日菜「お姉ちゃんの部屋!」
紗夜「……だと思ったわ、まったく。今飲み物を用意してくるから、ちょっと待ってなさい」
日菜「はーいっ。えへへ、優しいお姉ちゃんだーい好き!」
紗夜「別に優しくはないわよ。可愛い日菜のためだもの、当然のことだわ」
日菜「えへへへへ~」
……………………
TV<......エ、コノカツドンヲジュップンデタベキレッテ......デキラァ!
日菜「おおー、やっぱり彩ちゃん、体張ってる時が一番輝いてるな~」
紗夜「……あなたたち、アイドルバンドよね……? なんで超大盛かつ丼の早食いなんてやってるのよ……」
TV<マルヤマ......カツノウミヘケッシノダイブ......!
日菜「事務所の方針だって~」
紗夜「アイドル事務所よね、あなたが所属してるの……これが今の流行りなのかしら……」
TV<ウ......モウムリィ......
TV<アヤチャン......ムリッテイウノハウソツキノコトバナノヨ?
TV<シラサギノコトバガマルヤマヲカリタテル......! マルヤマ......カツノウミヘニドメノダイブ......!
日菜「千聖ちゃんもお仕事には厳しいなー」
紗夜「これそういう問題の話なの……?」
日菜「大丈夫大丈夫、割といつものことだから!」
紗夜「そう……芸能界って怖いところね」
紗夜「それより日菜、寒くはないかしら?」
日菜「んー? 大丈夫だよっ、お姉ちゃんにぴったりくっついてるから!」
紗夜「そう。それならいいわ。寒くなったらいつでも言いなさい。私の膝はあなたのために空けてあるから」
日菜「ほんとー!? じゃあお姉ちゃんの膝の上に座るー!」
紗夜「わ……っと。まったく、日菜はいつも甘えん坊ね」
日菜「えへへー、だってお姉ちゃんが甘やかしてくれるんだもんっ!」
紗夜「ふふ、仕方のない子ね」
日菜「お姉ちゃん、だーい好きっ!」
紗夜「私もよ、日菜」
――――――――――
―――――――
――――
……
紗夜「……菜、日菜」
日菜「んん……あれ……お姉ちゃん……?」
紗夜「こたつで寝てると風邪ひくわよ。それにあなた、テレビもつけっぱなしのまま寝て……まったく」
日菜「んー、おねえーちゃーん……」
紗夜「ちょっ、日菜……?」
日菜「えへへー……お姉ちゃんの膝枕……気持ちいーなー……」
紗夜「寝ぼけてる……まったく、しょうがないわね」
紗夜「……今日だけよ」ナデナデ
日菜「おねえちゃん……だーいすきぃー……えへへ……」
――富士山をバックにした草原――
イヴ「…………」
イヴ「……来ましたね、ミスターダークブシドー……」
ミスターダークブシドー(以下MDB)「ふっ、まさか貴様が果たし状の差出人とはな……おとめ座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない」
イヴ「そのようなザレゴトを言えるのも今のうちだけです!」
イヴ「アナタとの奇怪なウンメイ……今日、ここで断ち切ります!」
MDB「いいだろう……刮目させてもらおう、貴様のブシドー!」
イヴ「志半ばで、無念に散ったアヤさんのセツジョク……ここで晴らさせてもらいます!」
MDB「痴れた事を! 所詮あの小娘は我がダークブシドーの試し切りでしかない!」
イヴ「減らず口をっ!」
――キィン
MDB「ふふふ……いきなりカタナを抜くとはな……私も我慢弱く落ち着きのない男だ……それでこそ我がライバル……!」
イヴ「アナタは……アナタは何故戦うのですか!?」
MDB「私は純粋に戦いを望む!」
MDB「貴様のブシドーとの戦いをっ!!」
MDB「そしてブシドーを超える、それこそが私の生きる証だ!!」
イヴ「そんなものの為に……!!」
MDB「貴様にとってそんなものでも、私にとってこれはウンメイだ!」ガギィン
イヴ「っ、クッ……」
MDB「貴様の圧倒的なブシドー、私はそれに心を奪われた……」
MDB「この気持ち、まさしく愛だ!」
イヴ「愛……!?」
MDB「だが愛を超越すれば、それはニクシミとなる……いきすぎた課金が生活を逼迫するように!!」
イヴ「それが分かっていながらナゼ!?」
MDB「課金に意味を問うか! ナンセンスだな!」
イヴ「アナタは歪んでいます!」
MDB「そうさせたのは限定☆4だ!」
MDB「排出率1.5%という確率だ!!」
MDB「だから私は貴様を倒す……パスパレファンのユーザーなどどうでもいい、己の意思で!」
イヴ「アナタだってユーザーの一人でしょうに!」
MDB「ならばこれはユーザーの声だ!!」
イヴ「違います! アナタは自分のエゴを押し通しているだけです!」
イヴ「その歪み……私が断ち切ります!!」
MDB「よく言った、ブシドー!!」
イヴ「ハァァァァ!!」
MDB「チェェストォォォ!!」
――ガギィン......
イヴ「…………」
MDB「…………」
MDB「……ぐっ」ガク
イヴ「……私の勝ちです、ミスターダークブシドー」
MDB「くっ……なんとブザマな……!」
イヴ「アナタのニクシミに囚われたカタナでは、私を斬ることはできません」
イヴ「私のブシドーには、散って逝ったアヤさんの魂が……私の帰りを待つ仲間の気持ちがあるんです」
イヴ「アナタ一人のダークブシドーでは……私に届きません」
MDB「私は……この程度だというのか……!」
MDB「くっ……情けは無用……斬るがいい」
イヴ「いいえ、斬りません」
MDB「私をブジョクするか! 生き恥を晒すは耐えきれぬ!」
イヴ「…………」
MDB「ならば……ブシドーとは、死ぬことと見つけたりっ……!」
イヴ「させません!」キィン
MDB「なっ……!?」
イヴ「……セップクもさせません」
イヴ「アナタが死ぬことなど……天国のアヤさんは望んでいません」
イヴ「きっと……生きて、世のため人のためにその命を使ってほしい」
イヴ「そう思っているハズです」
MDB「っ……」
イヴ「もし生きる意味が必要なら、私がいつでもお相手します」ニコ
イヴ「だから、その命……残された人たちのために使ってください」
MDB「……あえて言う、覚えておくがいい!」
イヴ「はい。いつでも、挑戦をお待ちしてます」
イヴ「ふぅ……これにて一件落着、ですね!」
――――――――――
―――――――
――――
……
――チュンチュン
イヴ「…………」パチ
イヴ「……うーん、なんだかとてもいい夢を見たような気がします!」
イヴ「ニホンでは元旦の初夢に縁起がいいものを見れるといいことが起こるって言いますし、去年よりも素敵な一年になりそうですね!」
イヴ「よーし、今年はもっともっとニホン文化を学んで、色んな人と仲良くなれるように頑張りましょう!」
イヴ「ブシドー!」
――芸能事務所 レッスンルーム――
彩「あー、あー……ううん、やっぱり上手く音程が取れないな……」
彩「これでダンスもしながらやらなくちゃいけないんだもんね……もっと練習しなきゃ」
彩「……~♪」
――ガチャ
千聖「……あら?」
彩「~♪ ……うん? あれ、千聖ちゃん」
千聖「どうしたの、彩ちゃん。今日はパスパレの活動はお休みじゃなかった?」
彩「あ、うん、そうなんだけど……ちょっとね、この前のライブで失敗しちゃったところがあったから、自主練しに来たんだ」
千聖「そうだったの……」
彩「千聖ちゃんはどうしたの?」
千聖「私も彩ちゃんと同じ理由よ。他のお仕事があったんだけど、それが延期になったから少し体を動かしていこうと思って」
彩「そうだったんだ。じゃあ一緒にレッスンしようよ!」
千聖「そうね。折角だし、そうしましょうか」
彩「それじゃあ千聖ちゃん、ちょっと私の歌とダンス、見てもらっていい?」
千聖「ええ、良いわよ」
彩「それじゃあ……」
……………………
彩「はぁ、はぁ……どうかな?」
千聖「うーん、最初の出だしはほとんど完璧だったんだけど……二番の変調するところから、ちょっとずつ体がブレているわね」
千聖「それに引きずられて音程も少し外していたわ」
彩「あーやっぱり……どうしてもそこが苦手なんだよね……」
千聖「でも一番はしっかり出来ているんだし、ひょっとして技術的な問題じゃなくて体力的な問題なんじゃないかしら」
彩「うん……確かにだんだん息が上がっちゃって……余裕がなくなってきたところで変調するからそこでぎこちなくなるんだよね……」
千聖「なら体力トレーニングをするのが先かしらね」
彩「それは分かってるんだけど……一人だとあんまり身が入らなくって」
彩「みんなとのレッスンの時はやっぱり全体の動きを合わせなきゃだからそういう時間もなくて……」
千聖「そうね……でも今日は私と二人の自主練なんだし、ちょっと頑張りましょうか」
彩「うん……ごめんね、私のレッスンに千聖ちゃんを付き合わせちゃって」
千聖「ああ、それなら大丈夫よ。ついでに私のレッスンにもなることをすればいいんだし」
彩「え?」
千聖「やっぱり歌を歌うのには肺活量が大事よね?」
彩「あ、うん、そうだね」
千聖「で、私、今度の映画でキスシーンがあるのよ」
彩「うん……うん!?」
千聖「その練習を彩ちゃんに付き合って貰えば一石二鳥じゃない?」
彩「え、いや、それは……」
千聖「さぁ、彩ちゃん」
彩「ま、待って待って! 私、ずっとダンスとかしてて汗臭いし、せめて歯を磨かせて!!」
千聖「大丈夫よ。大丈夫……」
彩「大丈夫じゃない目をしてるよ千聖ちゃん!? 待って、私の両肩に手を置かないで!?」
千聖「いつもしてるじゃない」
彩「そっ、そうだけどさ……流石にこんなところで――んむ!?」
千聖「ん――」
彩(あああレッスンルームで千聖ちゃんとキスしてる……!)
彩(いけない事なのに頭がクラクラして抗えない……!!)
千聖「――ん」
彩「ぷはっ、ち、千聖ちゃん、強引すぎるよ」
千聖「ごめんなさい、彩ちゃんが可愛くてつい……」
彩「もう……千聖ちゃんなんて知らないっ」
千聖「ああ、拗ねないで、彩ちゃん。今度は優しくするから……ね?」
彩「……それなら……許してあげる」
千聖「それじゃあ彩ちゃん……」
彩「うん……ん――」
――――――――――
―――――――
――――
……
――チュンチュン
千聖「…………」ムク
千聖「…………」
千聖「……新年早々、なんて夢を見るのかしら……」
千聖「欲求不満なのかしらね、私って……」
彩「うーん……千聖ちゃーん……」
千聖「……ああ……そう言えば昨日は彩ちゃんが泊まりに来てたわね」
彩「流石に……それは私に入らないよ……マズイって……」
千聖「……くす、どんな夢を見てるのかしら」
彩「アイドルがピッチリの全身ピンクタイツは……絵的にも……版権的にも危ない……よ……」
千聖「彩ちゃんの夢にも私が出てきているのかしらね。そうだと嬉しいわ」
千聖「……私も二度寝しよう」
千聖(私はもう一度ベッドに横になって、少しうなされてる彩ちゃんを抱き枕にして、目をつぶる)
千聖「今年もよろしくね……彩ちゃん……」
彩「タイトルは……やまあやちゃん……? それもう完全に……宣戦布告だよ……」
おわり
1月中なら初夢ネタ書いてもいいだろう
夢なんて支離滅裂だしちょっとくらいトンデモ展開でもいいだろう
今日は「ゆら・ゆら Ring-Dong-Dance」の発売日だしパスパレファンの人も怒らないだろう
そんな安易な考えで書きましたすいませんでした。
僕はパスパレで彩ちゃんが一番好きです。
HTML化依頼出してきます。
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