最原「僕らが往くは恩讐の彼方!」 巌窟王「これで終わりだ!」 (1000)

巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」
巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506772669/)


巌窟王「亜種並行世界!」 アンジー「虚構殺人遊戯:才囚学園ー!」
巌窟王「亜種並行世界!」 アンジー「虚構殺人遊戯:才囚学園ー!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1510833531/)

に続く三作目。今度こそ! 終わる! はずだ!
ていうかもう伏線残ってないしね!

FGOとダンガンロンパ両作品のネタバレ注意だよ!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515924300

カルデア

ナーサリー「ううーーー! 本の角が湿って力が出ないのだわー!」

ナーサリー「今は人間形態だから全然関係ない? そんなことなくって、パーマがくりんくりんになりすぎて不快なのだわー!」

アルテミス「はいはーい! 泣き言言わない! みんなあの子たちの姿を見るの楽しみにしてるのよー?」

ナーサリー「うえーん! 私のせいじゃないのにー!」

エレシュキガル「ほら。私も手伝ってあげるから、早く復旧できるよう頑張りなさい!」

エレシュキガル「キビキビ動くキビキビ!」






マシュ「……先輩。なにか帰ってきてから、ずっと女神系のサーヴァントのみなさんが騒がしいような……」

マシュ「……え? しばらくは放っておいていい、ですか?」

マシュ「まあ、邪気は感じないので確かに緊急性は薄そうですが……」

マシュ「念のため、それなりに探りは入れておきますね?」

BB「さあ! 本腰入れて復旧させますよー!」

イシュタル「女神たちの加護が妙に働いているから、予定よりは早く復旧が終わりそうね……」

BB「ちっともありがたくありませんけどね! 凄まじい勢いでジメジメして不快ですから! 雰囲気的に!」

BB「ていうか女神ってなんでみんなあんなネチネチしてるんですか! もうちょっとサバサバ系後輩の私を見習って――」



「アイ・オブ・ザ・エウリュアレー!」ビュンッ



BB「お尻がーーーッ!」ブスゥッ

イシュタル「……男性でなくて本当よかったわね。アンタ」

BB「こ、この矢、どこから……!?」ガタガタ

イシュタル「考えない方が身のためよ。早く復旧なさい」

イシュタル「あの事実を知らないまま『何らかのトラブル』に巻き込まれたら、絶対に面倒なことになるわよ……!」

才囚学園
学級裁判 開廷

モノクマ「まずは! 学級裁判の簡単な説明から、始めましょう!」

モノクマ「学級裁判では誰が犯人かを議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘できれば、クロだけがおしおき。ですが、もし間違った人物をクロとしてしまった場合は……」

モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、生き残ったクロだけに晴れて卒業の権利が与えられます!」

モノクマ「……あ。そうだ。今までずっと言い忘れてたことあった。巌窟王さんのせいでさ」

巌窟王「……?」

モノクマ「学級裁判での投票の放棄は認められません! その場合、死が与えられます! 気を付けてね!」

モノクマ「これ、本来なら学級裁判の基本ルール説明の最後に付け加えておくルールだったんだけどさぁ……」

アンジー「ああ。そういえば神様の処理をどうしようかなって悩んでたねー。毎回さー」

百田「でも投票をわざわざ放棄するヤツなんていねーだろ。正しい人物に票が集まらなけりゃ、どっちにしろ全員死ぬんだからよ」

赤松「じゃあ最初に……何から話せばいいかな?」

茶柱「……第一発見者の最原さんが、夢野さんを見つけたときのことを話すべきでは?」

最原「うん。そういえば詳しく言ってなかったしね」

何のことかさっぱりわからん
そんなやばいことあったっけ

最原「新世界プログラムから出た後、全員が現実世界に帰還したのは午前三時のことだった」

最原「巌窟王さんが破壊したドアを再度粉砕して、外に出ようとする直前に謎の爆音が響いたんだよね」

星「大きな音だったな。耳どころか体全体が震えるような」

最原「で。巌窟王さんが扉を粉砕。その後、熱も冷めないうちに入間さんが血相を変えて出て行った」

最原「心配になった百田くんは、僕を引っ張り出して一緒に扉から出て入間さんを捜索」

百田「だが、そこで終一は入間を見つける前に気付いたんだよ」

百田「焦げ臭い臭い……つまり、学園のどこかが燃えているってことに」

最原「ひとまず入間さんのことは放置して……いや、正確に言うと入間さんの捜索を続ける傍ら、僕たちは一階へと降りた」

最原「そこで僕たちが見たのは、白煙がもくもくと立ち込める校舎だった」

モノクマ「その時点で、火事はもう消し止めておいたけどね! 流石に本校舎が燃えるのは困るからさー」

最原「地下が火元だったということに気付いて、僕はイヤな予感がして、一気に駆け下りて行ったんだ」

春川「……あれ? 百田は?」

最原「別行動だったよ。百田くんは一階に残しちゃったんだ」

春川「ふーん」

最原「地下に降りた僕は火事の有毒ガスに注意しながら、火元を探した」

最原「……火事が起こっていたのは図書室だった。モノクマが火事を消し止めていたことは聞いていたから、中に入って状況を調べようと思って……」

最原「あのドアが開いていることに気付いたんだ……!」

天海「モノクマカラーの隠し扉……確かに、俺たちがそこにかけつけたときにも全開のままでした」

天海「最原くんはその先に、彼女を見つけたんすね」

最原「……遺体の損壊は激しくって、腐敗臭も酷かった。でも見間違えるはずがないよ。あの隠し部屋の中に転がっていたのは……」

茶柱「夢野さん、でしたね。最原さんに次いで転子も見ましたよ」

茶柱「……外に出たいっていう願望を持っていることを差し引いても、人が人をあそこまで壊せるなんて……!」

東条「……」

茶柱「……あ。東条さんのことを言っているわけでは……」

王馬「そういう配慮はいいよー。もう何回もされちゃって東条ちゃん本人も飽き飽きでしょー?」

東条「そうね。それに……犯人は本当に外に出たいと思っていたのかしら?」

茶柱「え?」

王馬「ま、それは置いといて! ご苦労様、最原ちゃん! これで状況が随分と整理されたんじゃない?」

最原「うん。それじゃあ、これからみんなで一緒に事件を解決していこう」

王馬「ん? 解決してるんじゃない? 流石に犯人が二人に絞られてるんじゃさ!」ニヤニヤ

入間「は? 二人……?」

王馬「断言するぜッ! 巌窟王ちゃんか、ゴン太のどちらかが犯人だ!」バァーンッ

巌窟王「何?」

獄原「ええっ!? ご、ゴン太が!?」

最原(またこの人は……突拍子もないことを)ハァ

今日のところはここまで!

アンジー「……ねえ小吉ー。アンジーはね? 三つ嫌いなものがあるんだー」

アンジー「一つ、白い服を着たチビ。二つ、嘘吐き。三つ、神様にあらぬ疑いをかける人」

王馬「全部合わせてキー坊じゃんッ!」ガビーンッ

キーボ「キミですよキミ!」

アンジー「ねえ。第六親等までバチが当たるよ? なんでそんなことを言ったのか教えて?」

王馬「もちろん根拠はあるよ。だって、夢野ちゃんの死因って銃殺で間違いないんでしょ?」

王馬「だったら、凶器の観点から言って犯人はゴン太か巌窟王ちゃんくらいしかいないんだって」

茶柱「凶器の観点、ですか?」

春川「ああ……王馬はアレのこと言ってるんだね」

王馬「S&WモデルM500。俺の知っている限り最強のリボルバー」

王馬「特徴はなんといっても威力だよね! 人間に撃ったら人体に穴が開く程度じゃ済まないってくらい!」

王馬「ただ同時に、大きな欠点……いや『反作用』があるんだけど」

最原「……春川さん。あの……王馬くんのことを信用してないわけじゃないんだけどさ……」

春川「わかってる。補足するよ」

春川「王馬の言った通り。夢野の近くに落ちていた銃は反動が大きすぎて使い物にならないんだよ」

春川「私でもあんなもの使いたくないよ。下手すれば肩が外れるしさ……」

キーボ「え? 超高校級の暗殺者なのに、ですか?」

春川「暗殺者だから。そもそも人を撃つ用の銃じゃないんだよ、アレ」

春川「まあ、天海が超高校級の狩猟者とかなら使ったことあるかもだけどさ」

天海「銃が一般的な場所を旅したことはあるんすけど、アレを間近でまじまじと見たのは初めてっすよ」

赤松「……で。結局王馬くんはなんで巌窟王さんとゴン太くんが怪しいって思ったの?」

王馬「わかんないかなー。非常識な筋力がないと、あの銃はまともに扱えないんだって」

王馬「で。この中で非常識な筋力を持ってるのは、この中ではゴン太と巌窟王ちゃんだけなんだってば」

最原「……王馬くん。キミ、もしかしてふざけてる?」

王馬「ん? なんのこと? 大真面目に議論している生徒を捕まえておいてさ」ニヤニヤ

最原(やっぱり完璧にふざけてるよなぁ……)

巌窟王「……王馬。一つ勘違いをしているようなら指摘しておくが、アレは凶器ではないぞ」

王馬「銃殺なのに?」

巌窟王「銃殺故に、だ。仮に夢野の死因が撲殺だったのであれば、アレが凶器である可能性もあったやもしれんが」

巌窟王「……反動が大きいということは、そも威力が大きいと言うことだ。春川、そうだな?」

春川「うん。あの銃は間違っても凶器じゃないよ。それにしては夢野の死体の損傷が『少なすぎる』から」

最原「……あ。やっぱり巌窟王さんも、今回はキチンと議論に参加してくれるんだね?」

巌窟王「前回も参加していただろう」

最原「アレはアンジーさんの事件だったから……」

巌窟王「……」

アンジー「終一ー。神様が『心外だ』って言ってるよー」

巌窟王「言って『は』いない」

最原(思ってはいるんだな……)

王馬「へぇー。勘違いしちゃったや。アレって犯人の偽装工作だったのかな」

王馬「あれ? だとすると、おかしいな? 犯行に使われた銃は一体どこに行っちゃったんだろう?」

茶柱「……」ヒクッ

最原「王馬くん。茶柱さんがそろそろ本気でキレちゃいそうだからさ……」オロオロ

王馬「にししっ! ごめんごめん、ちょっとした冗談だってば!」

王馬「あったよね。本物の凶器」

白銀「え? 本物の凶器?」

最原「薬品か何かで表面がドロドロに溶けてたけど、中から銃弾が出て来たから間違いないよ」

最原「白銀さんの研究教室周辺に捨ててあった」

春川「……本当に?」

王馬「ホントだよ! ほら、春川ちゃんの大好きな銃弾もここに!」ヒョイッ

春川「!」パシッ

百田「お。ナイスキャッチだ」

春川「うるさい……うん。確かに銃弾だけど……この血は?」

王馬「最原ちゃんの血だよ。発見時に思いっきり着弾したんだよね」

茶柱「……」

春川「……二十二口径かな。夢野の近くに落ちてた銃が使う弾の半分もない」

春川「なるほど。これだけ小さければ、夢野の遺体の損傷が思ったよりも小さかったことも納得かな」

最原「威力が小さいってことだよね。それなら反動は……」

春川「問題ないよ。この弾程度なら、この場にいる誰でも使える」

星「つまり、凶器の観点から犯人を絞ることは不可能ってことだな」

星「……いや。そうでもねーか。銃が発見された状況から絞りこめるかもしんねーな?」

白銀「表面がドロドロに溶けてたって……いや、そもそも何をどうしたら最原くんに弾が当たるの?」

最原「ええと、それは……」

茶柱「犯人の杜撰な証拠隠滅のせいですよ。そもそもその薬品は、別のものを溶かすためのものでしたから」

茶柱「……ですよね? 最原さん」

最原(別のもの……それって、どう考えてもアレのことだよな)

休憩します!

人に弾が当たったのは本当に偶然だったのか、見つけた人間が被弾するように仕掛けてて今までの様子から茶柱あたりが狙いだったのかはて

茶柱狙ってたなら白銀まじ許せんわ
一応入間か最原だと思うけど。
最原も死んだりしたらまじ転子が精神的に死ぬ

最原「……イリスアゲートエレクトボム」

春川「!?!?」ガビーンッ

入間「はぎゃあっ!?」ガビーンッ

獄原「……どうしたの入間さん。締め上げられたシャモみたいな声出して」

百田「ハルマキもだ。暗殺者として、なにか気が付くことがあるのか? 今までみたいによ!」

春川「それ以上口を開いたら皆殺しにしてやる」ゴゴゴゴゴゴゴ

百田「突然のジェノサイド宣言だと!?」

赤松「な、なに? そのイリスアゲートエレクトボムって。相当の厄ネタ臭しかしないんだけど」

入間「黙れ処女膜ぶっこ抜くぞピアノサイコ! 略してPP!」

赤松「PP!?」ガビーンッ

春川「命が惜しかったら部屋の隅で口を閉じてガタガタ震えてなよピアノパラノイア。略してPP」ゴゴゴゴゴゴゴ

赤松「どっちにしろPP!?」ガビーンッ

最原「春川さん。入間さんを売ってくれれば『春川さんの秘密』は守るよ」

春川「私が入間に頼んで作ってもらったEMP兵器だよ」ケロリ

入間「」

春川「……暗殺者だから。背中から刺すことに抵抗はないよ」

王馬「鬼?」

夢野アンジー以外の女子たちが問題児しかいない件

巌窟王「……で。春川。お前は入間に具体的に何を頼んだ?」

春川「多分最原ならわかってると思うけど」

最原「……巌窟王さんのデバイスと、ホームの通信を妨害する爆弾だよね」

最原「起爆したが最後、最低でも三日の間は通信が効かなくなるはずだよ」

春川「入間。私、そんな長い効力までは注文してなかったんだけど」

入間「こ、このアマァ……ヌケヌケとよくも……!」ガタガタ

巌窟王「……何故そのようなくだらないものを作ろうと思った?」

巌窟王「いや。いい。春川の方は、いいとしよう。最原の取引を無にする結果になるからな」

最原「あ、ありがとう……」

巌窟王「断じて貴様を立てたわけではない。勘違いをするな」

最原「あ、あははははは……」

赤松「最原くん。どんまい」

入間「じゃあ俺様もこの件に関しては無罪放免でいいよな?」

巌窟王「……詳細を聞く必要があるだろうな。最原、続けろ」

最原「うん。このEMP兵器は『物理的破壊力のない爆弾』でさ。その代わり、破片も纏まってほとんど飛ばないんだ」

最原「そして、この爆弾はおそらく起爆したときに薬品が飛び散って、破片を溶かし、元の判別が困難になるギミックが仕込まれていたはずだよ」

星「待て。巌窟王のデバイスが実際に動かなくなっている以上、それが本当に起爆したことは納得するとして、だ」

星「何故それを入間作のEMP兵器だと認識することができた?」

最原「一つだけ不発の爆弾があったから、そこから割れたんだよ」

星「二つ目に、なぜその爆弾の存在をお前さんが知っている?」

最原「……入間さんの素行が最近おかしかったから、変なこと企んでないかって捜索してたんだ」

最原「そのとき、たまたまイリスアゲートエレクトボムの設計図を見かけたんだよ」

星「……よし。悪かったな。話の腰を折っちまって。続けてくれ」

最原(嘘は吐いてない)

キーボ「破片を溶かす薬品のギミック……もしかして、表面の溶けた銃と何か関係が?」

最原「まず間違いなくあったはずだよ。そもそも、その銃だったものが見つかったのが、爆弾の捜査のときだったから」

茶柱「爆弾の破片にしては妙に大きいな、と転子が拾い上げたときに最原さんが気付いたんです」

茶柱「血相を変えた最原さんが暴発する前に遠くへぶん投げたのですが……」

百田「弾だけは終一に運悪く着弾しちまったってわけか」

最原「暴発の原因は、多分薬品と火薬が反応を起こして、それがたまたまあのタイミングで起爆したからだと思う」

最原「でも、結果だけ見ると全体的に運はよかったと思う。だって、あの暴発がなければ銃弾は見つからなかったわけだし」

最原「あそこまで解けた金属を見ても『大きい破片だな』程度にしか思えなかったよ」

茶柱「……運? 最悪に決まってるじゃないですか」

茶柱「そこで自分が怪我したことを勘定に入れないから最低なんですよ、あなたは」

最原「……」

百田「今日はなんだかみんなの当たりが強いな、終一」

最原「うん……泣いていいかな……」

アンジー「アンジーの胸を貸すよー?」

巌窟王「俺の目の前で借りたら即焼くぞ」ゴォゥッ

最原「泣くのは後回しにするよ!」

白銀「でも、そんなものを触って茶柱さんと最原くんは大丈夫だったの?」

白銀「金属を溶かす薬品だよね?」

茶柱「転子は一応、ハンカチで包んでから拾い上げましたけど……よく考えたら最原さんはあのとき素手でしたね?」

最原「……あっ。そうだった。全然気付かなかった」

茶柱「あなた……まさか、怪我を誤魔化したり……?」ゴゴゴゴゴゴゴ

最原「し、してないしてない! 大丈夫だよ、ほら! 手のひらは無事だって!」

キーボ「最原くんが拾い上げた時点で、表面の薬品はほぼ蒸発しきっていたということでしょうか」

キーボ「……相当の技術力ですよ。こんな薬品を作り出せるとするなら、それは……」

入間「……」ダラダラダラ

巌窟王「……ところで、春川。注文段階で『起爆後の証拠隠滅』に関する注文はどうなっていた?」

春川「特に指定はしてないけど……」

巌窟王「そうか」

入間「あわわ……」

今日のところはここまで!

ん?どうしたんだ入間?

入間は第四の事件起こすときの証拠隠滅用にでも作ってたんでしょ
にしても転子かわいい

救った相手含む多数からツッケンドンな態度とられたり
物理的にも酷い目に遭ったりと最原その内ストレスと衰弱で死にそう

今の最原は自分を省みない行動をとって周りを心配させまくってるからなぁ

士郎。僕はね、ジャンぬにカルデアに来て欲しかったんだ

巌窟王「……入間。どう思う?」

入間「えっ。ど、どう思うって?」

巌窟王「お前の爆弾の傍に落ちていた銃が、やはりお前の作ったと思われる薬品で焼けていたのだぞ」

入間「……」ガタガタ

巌窟王「ふ……やはりか。言葉も失おうというものだ」

王馬「だよねー! だって入間ちゃんが犯に――!」

巌窟王「自分の発明品をまたもや盗まれるとはな。自らのマヌケさに呆れ果てて物も言えないだろう」

王馬「えっ?」

入間「えっ?」

巌窟王「ん?」

裁判場全体「……」







百田「なあ終一。今更言うことでもねーけどよ。コイツ、俺たちのこと信じすぎだろ」

最原「悪ぶってるけど学級裁判向きじゃないよね。性格が」

巌窟王「?」

王馬「……マジで毒気抜かれちゃったよ。真宮寺ちゃん。後頼んだ」

真宮寺「なんで僕……いやまあいいけどネ」

真宮寺「ねえ入間さん? 夢野さんを殺したのって、キミじゃないの?」

入間「ひぎっ!? な、ななな何言ってんだよ! 何の根拠があってそんなこと……」アタフタ

真宮寺「だってさァ、証拠隠滅機能付きの爆弾の傍に、かつて銃だったと思われる金属が落ちていたということは、だヨ?」

真宮寺「少なくとも銃を置いた人に『そこに爆弾があったこと』と『爆弾の細かい機能』を知られていたということだよネ?」

入間「ちょ、ちょっと待て! そもそも、そこに爆弾を置いたのが俺様だという確証はどこにもねーはずだ!」

入間「そうだ! 俺様にこの爆弾の発注をしたのは春川だぞ! 春川が俺様の研究教室から爆弾を持ち出したんだよ!」

春川「あのさ。二つ目の条件『爆弾の細かい機能』についてを私は知らないんだけど。証拠隠滅機能なんて頼んでないし」

入間「……あっ! い、いや! テメェは俺様に証拠隠滅機能を頼んでた、ぜ?」アタフタ

春川「……は?」

入間「だ、だから、春川だって二つ目の条件を満たすんだよ! コイツだってイリスアゲートエレクトボムのこと知ってたんだ!」

春川「バカバカしい。そんな言葉を誰が信じるって?」

王馬「入間ちゃんごめん! 春川ちゃんも疑うべきだったよ!」ニヤニヤ

春川「……コイツがいたか」

最原(実際、一切信じてないだろうけど……)

最原「……あそこに爆弾を設置したのは入間さんだよ。間違いない」

入間「だ、ダサイ原ァ……!」ギリィッ

最原「そう思われる根拠はいくつかあるけど……一番わかりやすいのは新世界プログラムから出た直後の入間さんの行動かな」

最原「爆音が聞こえた直後に時間を気にしていたよね?」

百田「その後、巌窟王を急かしてドアを破壊させて、熱が冷めない内からスパコン室を抜け出したんだったな?」

最原「あのとき、おそらく入間さんにとって予想外の何かが起こったんだ」

最原「その予想外の何かっていうのは、爆弾に関係しているはずだよ」

入間「ざ、ざけんな……俺様は……俺様はそんな……」ガタガタ

最原「ごめん。やめないよ。最後まで言う」

最原「……赤松さん。どうして白銀さんの研究教室周辺にまで足を運んだの?」

赤松「え……なんでって……」

赤松「上の階から爆音が聞こえたんだから当たり前じゃない?」キョトン

裁判場全体「」ザワッ

赤松「……え? なに? どうかしたの?」

天海「また赤松さんは……その聴力は常軌を逸しているってことを、いつになったら学習してくれるんすかね?」

赤松「……え? わからなかったの!?」ガビーンッ

最原「爆音があったところに入間さんがいた。そして、その証言をもとに捜査したら爆弾が見つかった」

最原「入間さんが爆弾を設置した可能性は、この時点でかなり高いんじゃないかな?」

入間「い、いや! 思い出した! 俺様には絶対音感があったんだよ!」

入間「赤松と同じだ! 爆音があった場所にたまたま向かっただけなんだって!」アワアワ

赤松「凄い! 絶対音感なんか持ってたんだ!」キラキラキラ

天海「赤松さーん。百パー嘘っすよー」

最原「そう。まだ認めてくれないんだね」

最原「……今のうちに認めてくれれば面倒が省けるんだけどな」

巌窟王「……」

巌窟王「入間?」

アンジー「美兎?」

入間「や、やめろ……俺様をそんな目で見るんじゃねぇボンクラどもッ!」

最原「多分、すべての爆弾はタイマー制御だったんじゃない?」

入間「!」ビクッ

最原「……図書室に仕掛けられていた時限発火装置に使われていたタイマー。アレって出所はどこだったんだろう」

最原「アレって、入間さんの爆弾から転用したものだったはずだよ」

入間「う……うううううう……!」

真宮寺「あのタイマーがキミのものだったということは、キミ自身が白状したことだよネ」

王馬「観念する? ゲロる? ゲロっちゃう?」キラキラキラ

入間「……あの爆音が――」

最原「そもそも爆弾と関係あったかどうかわかるはずがない?」

最原「流石にわかるよ。だって、あの爆音が鳴る直前までは間違いなく、僕たちの目の前で巌窟王さんが通信をしていたはずだよ?」

巌窟王「……確かに通信が使えなくなったことに気付いたのは、あの爆音の後だったな」

春川「時間帯が相当限定されている。偶然の一致じゃ済ませないよ?」

最原「入間さん。アクシデントが同時にいくつ起こったのかはわからないけどさ……」

最原「爆弾が爆発したことが、最大の――」

入間「もうやめてくれえええええええええっ!」

最原「!」

入間「……そうだよ。確かに、俺様が爆弾を設置したよ。でも……」

入間「俺様は……夢野を殺してなんかいねぇ……あんな残酷な方法で……人なんか殺せねぇって」グスグス

入間「人が死ぬことが、あんなに臭くて、生々しくて、グロいことなんだって知ってたら、俺様は……!」エグエグ

最原「……あ。えーっと……」

最原(ちょっと……責め立てすぎたかな。別に入間さんが犯人だと主張してるわけじゃないんだけど……)アセアセ

今日のところはここまで!
交換分は全クリ。後は手稿を集めるだけだァ!

せんせーい!最原くんが女子を泣かせましたー

でもまあ入間ちゃんだし

王馬「さて。それじゃあ名残惜しいけど、そろそろ投票タイムと行こうか! さらばだ! 入間ちゃん!」

入間「ひっ……ま、待って! やめてやめてやめて……! 俺様じゃ……!」

真宮寺(ない、とは思うけど。まあボロ出してくれそうだし、乗っておこうかな)

真宮寺「ククク。往生際が悪いヨ。まあ、キミの作り上げた殺人トリックなんてこんなものだろうネ」

入間「……さ、最原。助け……助けて……! お前ならわかってくれるよな? な?」ガタガタ

最原(わかる。わかるけど……ここで助けていいものかな)

最原「……入間さん。一つ聞かせてくれる?」

最原「一体なにを企んでたの?」

入間「う……!」

最原「キミ自身の口から直接聞きたいんだ。お願いだから、隠してることがあったら全部話してよ」

最原「……僕もキミを助けたい。それには絶対に必要なんだ」

入間「……あ、ああああああああ……!」

入間「うわああああああああああああ……!」

アンジー「……」

アンジー「美兎。アンジーは怒らないよ」

入間「……あ?」

アンジー「神様のことも、きっと抑えるからさ」

アンジー「だから、ね? 本当のことを話して?」

入間「……お前、まさか気付いて……」

アンジー「なんとなくだけどねー……神様に向ける目で、ちょっとだけわかっちゃってたんだよー」

アンジー「……お願い。美兎」

巌窟王「……!」

巌窟王(お願い、か……祈りしか捧げないと言っていたあの小娘が……)

巌窟王「アンジー。後でとらやの羊羹をやろう」

アンジー「わーい!」

赤松「え? なんで?」

入間「……アンジーを……殺す気だったんだ」

巌窟王「……」

巌窟王「……クハハハハハハ! この期に及んで意味不明な冗談を言うとは、案外余裕だな入間!」

入間「……」

巌窟王「……?」

巌窟王「……」

巌窟王「!?!?!?!?!?」ガビーンッ

百田「驚きすぎだテメェ! どんだけ入間のこと信用してたんだよ!」

巌窟王「驚いてなどいない。なるほど。貴様らしい浅はかな考えだな」ガタガタガタ

赤松「巌窟王さん! タバコがさかさま!」アタフタ

巌窟王「さあ。最後に全力で申し開きをするがいい。聞くかどうかは俺の気分次第だがな」ボッボボボッボボボッ

獄原「た、大変だ! ライターを持つ手が震えて体中のあちこちに引火してるよ!」

白銀「モノクマー! 水! 水ーーーッ!」

モノクマ「はいはい」パチンッ



バシャアッ

巌窟王「……」ポタポタ

入間「その……巌窟王が新世界プログラムを勝手にいじくったせいで計画は完璧に頓挫したんだけどよ……」

入間「工作の一環で学園中に仕掛けたイリスアゲートエレクトボムのタイマー設定を、ショックのせいで切り忘れてて」

入間「……で。この通りだよ」

最原「それだよ。新世界プログラムで、どうやってアンジーさんを殺そうと思ったの?」

入間「ザックリ言えば、あのプログラムの中での死は現実での死に直結するんだよ」

王馬「……ふーん。なるほどね。新世界プログラムに人を殺傷する能力は一切ないって大嘘だったわけだ」

赤松「でも機械に関して、私たちは入間さん以上の技術力も知識もない……」

赤松「もしも計画が実行に移されてたら、入間さんの嘘を否定する材料もなかっただろうね」

茶柱「あなたって人は、どこまで愚かなんですか……! あの時点で夢野さんが行方知れずだったというのに!」

入間「わ、悪かったって……!」

巌窟王「今更ながら、何故アンジーが入間を警戒していたのか理解したぞ」

巌窟王「……アンジー。何故先に言わなかった?」

アンジー「だってこういうの一番不得意そうだしー」

アンジー「仮にどうこうする気になったとして、是清に対する態度を見てて『あ、コレ駄目だ。専門外だもん』って思ったんだよー」

東条「まあ、過激すぎて目も当てられない惨状になることは確実だったでしょうね」

巌窟王「……」ズーン

白銀「でも動機は? なんでアンジーさんを殺そうと思ったの?」

入間「……令呪、ひいては巌窟王が欲しくってな。わからねーか? そいつを解析すれば、俺様はきっともっと世の中を良くできるんだぞ?」

入間「そのためなら少数の犠牲なんぞ屁でもクソでもねぇ」

入間「なあ東条! 『元』総理大臣のテメェならわかるよなぁ?」

東条「ッ!」

星「……」ギロッ

入間「……な、なんだよ! 本当のことだろ?」

最原「議論を元に戻そう。入間さんがこういう困った人だってことは、とっくにみんなわかってたことだし」

百田「……で。結局のところ、入間は犯人なのか。そうじゃねーのか」

最原「少なくとも、入間さんの用意した爆弾の近くに銃が落ちていたからと言って」

最原「入間さんだけを疑うには、まだ全然足りないのは確かだよ」

王馬「ふーん? なんで?」

最原「現状、犯人に関してわかってることを、ここで一旦整理しよう」

最原「そうすれば理屈が逆だってことを証明できるはずだ」

最原「『入間さんの爆弾を知ってた人間が犯人』なのではなく『犯人には入間さんの爆弾を知る術があった』ってことに」

春川「……同じことじゃないの?」

最原(いや。違う。まったく違う)

今日のところはここまで!



女子に寛容な転子すら怒らせる時点でもう入間ちゃん最原以外から見限られる一歩手前位になってそう(巌窟王はもとより星と東条からも反感買っただろうし)

塩共々巌窟王のブラックリスト入りした時点で詰みかけてね?
はたして入間の明日はどっちだ

白銀がモノクマと仲良すぎるだろ
まあ学級裁判中にオシオキ以外で死なれたら困るんだろうが

そういや生徒でもない巌窟王がもしコロシをしたらオシオキとかどうするんだろう

うおおおおおおおお!
溜めて来たQPをぶっぱしてルーヴル周回用の頼光公を育て上げた! バーサーカー!
これから食事は……お茶漬けだけだあああああああああああ!

ルーブル周回のため今日の更新はマジで遅くなります

3ターン周回できるようになると楽しくなるよね。特効礼装ガン積みはできないけど

CM

酒呑「へえ。旦那はんも頑張ったんやね? こんなにボックスを開けるなんて……」

頼光「大体三十箱ほど開けたそうですよ」ニコニコ

酒呑「へえ。そんなに……」

酒呑「……なあ。一つの箱に四つの凶骨が入った箱を三十開けたら凶骨はなんぼ溜まる?」

頼光「ええと……百二十個でしょうか」

酒呑「アンタのスキルマックスに必要な凶骨の数は?」

頼光「(15+29)*3ですから……百三十二個ですね」

酒呑「ほうかほうか。そんならもう一つ聞いてまうけど」








酒呑「ここにあった凶骨、どこ行ったん?」ギロリ

頼光「……あなたのような勘のいい虫(ガキ)は嫌いですよ」



ダ・ヴィンチと七人の贋作英霊
間もなく終了! 悔いのない周回ライフを!

明日の十三時から連載再開っす!
おやすみなさい!

ほんと凶骨要求数おかしくて頭剥げそう
頼光引いたときはマジいらんと思ったけど、周回で役立ち過ぎて手のひらかえした

骨用意してあとは酒呑引くだけだから節分で来てお願い

オルタニキとジャックの分の凶骨を集めてホッとしたかと思えば、ラーマくんまで要求しだしたときの絶望感といったら

赤松「犯人についてわかっている情報……」

春川「ハエのせいで荒らされてはいたけど、犯行現場はあの部屋でほぼ間違いないと思う」

春川「傷口に関しては死後にほじくり返されたみたいで、ぐちゃぐちゃだった。銃弾も見つからなかったよ」

百田「裏を返せば、犯人はあの部屋で夢野を銃殺した後、ゆっくりと銃弾を摘出できるだけの時間があったってことか」

春川「まあ、だから『夢野の殺害現場』が偽装された可能性はほとんどないんだけど……」

春川「……最原。やっぱりそういうことでいいの?」

キーボ「そういうこと、と言うと?」

最原「……犯人は首謀者。その可能性が高い」

赤松「えっ!?」

最原「ほら。だとすると、納得できることも多いでしょ?」

最原「体育館でのモノクマの伝言。開かれた隠し扉。モノクマファイルを作るデバイス……」

真宮寺「……というより、犯人が首謀者でなければ納得できないことだらけだネ」

茶柱「もしかして、あの体育館での伝言の時点で、夢野さんは……」

白銀「それはどうだろう。だって、モノクマファイルの死亡推定時刻には日付は書かれてなかったよね?」

白銀「誰かがあそこに閉じ込めるだけ閉じ込めておいて、今日の内に殺した可能性だって……」

真宮寺「待って。話が脱線してるヨ。それも大事だけど、ひとまず置いておこう」

真宮寺「入間さんの爆弾を知る術があったって、どういうこと?」

最原「赤松さんの学級裁判のときでも話題になったけど、首謀者に学園を監視する手段があることは間違いないと思う」

最原「じゃないと巌窟王さんが死んだ事件のとき、あんなちょうどいいタイミングで隠し扉の本棚を動かせないよね?」

巌窟王「モノクマ。どうだ?」

モノクマ「あそこまで踏み入られちゃった以上、もう隠す必要性もないから言っちゃおうか」

モノクマ「うん。もしも首謀者なんてものが実在するとしたら、オマエラに気付かれない手段で学園中を監視していたと思うよ!」

最原「あのとき首謀者は、赤松さんが砲丸を持ち去ったことや、図書室に仕掛けられたカメラのことまで網羅していた」

最原「……これだけ万能の監視技術を持っている首謀者が、今回に限って入間さんの爆弾のことを知らなかったと考える方が不自然じゃない?」

キーボ「だとすると、今回の事件はボクらが想像していたよりも遥かに大事です」

キーボ「この事件の犯人が、そのままコロシアイの首謀者だったとしたら……!」

赤松「この事件が解決すれば、コロシアイは終わり……!?」

最原「……」

最原(そんな簡単に行くかな……?)

巌窟王「最原。今回は止めるな。いや、お前が泣き叫ぼうと止まらないがな」

アンジー「アンジーも止めないよー……仲間だった人がまた消えちゃうのは悲しいけどさー」

百田「捕らぬ狸の皮算用だな。そういう話は後にしろってーの」

天海「そうっすね。それじゃあ……改めて、夢野さんの事件を解決させるとするっす」

天海「いや? 犯人が首謀者である以上、首謀者を割り出すことで犯人を割るってアプローチもあるかもしれないっすね」

最原「夢野さんの事件を解決させよう。首謀者に関しては、僕らもわかってないことが多すぎる」

天海「了解っす」

ひとまず休憩!

流石に首謀者に関しては最初から敵でしかも仲間を殺してるから許さないか・・・

最原「他に夢野さんの事件でわかっていないことと言えば……」

星「待て。今回の場合、モノクマファイルは充実していたな?」

星「わかっていないことを埋めるよりは、わかっていることから犯人を辿る方が効率的じゃねーか?」

入間「現状の夢野のことでわかっていることって言うと……死因、凶器、死亡推定時刻、だよな?」

東条「この中で有用そうな情報と言えば、死亡推定時刻かしら」

東条「午前二時半と書いてあるけど、具体的にいつごろの午前二時半なのかしら」

入間「ボケたかババァ。午前二時半は午前二時半だろ」

東条「……」パチンッ

ボーンッ

入間「ああああああああああああッ!」ジタバタ

キーボ「入間さん!? どうしたんですか入間さん!?」

東条「親知らずを起爆させたわ」

最原「えっ!? なんて!?」ガビーンッ

入間「て、てめぇぇぇぇぇぇ……!」

東条「人の話は最後まで聞くものよ。次は上あごの右を起爆させましょうか」スッ

入間「ひいいいいいいいい!」

巌窟王「……ときどきお前の芸の細かさには驚くぞ。東条」

治療したときに仕込んでたのか仕込みなしで爆発させる化け物かどっちだ

東条「さきほど白銀さんもチラリと言っていたでしょう。モノクマファイルの死亡推定時刻は完璧ではないの」

東条「日付が書かれていないのよ」

赤松「でも夢野さんの死体は相当腐敗が進んでいたし、最後の目撃証言の直後あたりから死んでいたって考えるのが自然じゃない?」

東条「……春川さん。重ねてお願い。どう思うか聞かせてくれるかしら?」

春川「そうだね……ハッキリ言って、赤松の言っていることは正しい。ただ『常識の範囲で考えるなら』だけど」

春川「夢野の死体の場合は計算があまりにも合わなくってさ……」

獄原「計算? なんの?」

春川「白銀の目撃証言どころか、私が最後に夢野を見た時間に照らして見たとしても、あの腐敗具合は常軌を逸してるってこと」

春川「虫とか相互汚染とかそれ以前に、私たちには知覚できない何らかの方法で腐敗を促進させていた可能性も否定できない……」

春川「『常識で考えるだけ損』ってことが最初からわかっているなら、裏を返すと『今日死んでいたとしても不思議ではない』って私は思う」

入間「常識の範囲外、ねぇ」

入間「実は、俺様たちは気付いてないだけで、新世界プログラムの中で一週間過ごしていたー、的な?」

入間「ギャハハッ! んなわけねーか! 流石にそんなことありえるはずが……」

春川「……」







裁判場全体「……」

入間「……?」

入間「い、いや。冗談だぜ?」アタフタ

巌窟王「本当か?」

入間「……後で新世界プログラムを調べてみる」

白銀「一瞬だけゾクッと来ちゃったけど、流石にそれはありえないと思う」

百田「まあ、一週間眠りっぱなしとかシャレになんねーしな……そんなに長い間、人間の体を放置してたら普通に死ぬだろ」

星「ただまあ、常軌を逸した何らかの方法で夢野の死体を急速に腐敗させることができるとしたら、だ」

星「確かに春川の言う通り、今日殺された可能性も否定はできねーか」

星「……証拠がない限りは、な」

白銀「あ。なんか隠してる悪い顔」

星「ふん。勘が鋭いな。出鼻を挫かれちまったぜ。最原、お前さんが答えてやるといい」

最原(星くんが言っている『夢野さんが今日殺されたわけじゃない根拠』って……)

最原「巌窟王さんが壊した、スパコン室の扉のことだよね」

赤松「あ……そっか! 確かに巌窟王さん、新世界プログラムに入る前に……!」

天海「……扉を破壊して誰も中に入ってこれないようにしてたっすね。確かに」

最原「逆に言うと、入間さんが出て行ったときみたいに、巌窟王さんが再度あの扉を破壊しないと外に誰も出られないんだよ」

キーボ「ついでに、巌窟王さんが別行動中に新世界プログラムから抜け出して、夢野さんを殺した可能性もナシです」

キーボ「ボクらが新世界プログラムに入る直前と、入間さんがスパコン室から出る直前の扉に差異はありませんでしたからね」

キーボ「流石に、出入りする度にまったく同じように破壊するのは不可能でしょう」

最原「だから、僕らが新世界プログラムに入る前に夢野さんは死んでいた。そう考えるのが妥当だろうね」

赤松「……結局、私たちの夢野さん捜索は無駄だったんだね」

茶柱「……悔しくてたまりませんよ……!」

巌窟王「……」

巌窟王(夢野の死体について確かな情報があるとすれば、獄原の虫の知見だけだな)

巌窟王(少なくともクロバエがバラ撒かれたのは二十四時間以内……)

巌窟王(常軌を逸した腐敗の違和感……この事件そのものが、どこか……)

最原「……やっぱり気持ち悪いな……」

巌窟王「!」

百田「それ、ちょいちょい言ってるよな? モノクマファイルを見てからよ」

最原「うん……事件そのものは、多分このまま行けば解決できるとは思うけど……」

最原「夢野さんの死亡推定時刻の謎だけはどうしても解けない気がするんだ」

最原「……僕らは致命的な何かを見落としている」

巌窟王「……議論を先に進めろ。話はそれからだ」

最原「うん。そうだね」

今日のところはここまで!


さすがの東条も入間の言動にはもはや嫌気がさしまくってるな

死亡推定時刻が有耶無耶が実は罠なのに気づきかけてる?

イベントは終わっても……ピックアップは続く!

ジャンぬ「回さなかったら許さない」

ああ……わかってる。
俺は止まらねぇからよ! お前らが止まらねぇ限り、その先に俺はいるぞ!

だからよ……止まるんじゃあ……ねえぞ……


それはさておいてボックスの交換は水曜日までだし(結構短い)、プレゼントボックスは300件を超すと自動的に古いヤツから消去されていくから、ボックスガチャを開けるときは必ずいいところで止まって中身を整理しましょう

白銀「夢野さんが今日の午前二時半に死んだわけではないとすると、消去法で昨日の午前二時半に死んだってことになるよね?」

茶柱「白銀さんの最後の目撃証言がありますし、そうでなくとも春川さんが一昨日の時点で夢野さんを見ていたんですよね?」

春川「まあね。だから夢野は一昨日以前に死んだとは絶対に考えられない」

春川「そのことは巌窟王も証言するはずだよ。アイツにプレゼント渡してたよね?」

巌窟王「ああ。確かに渡したな。単なる在庫処分だが」

真宮寺「プレゼント……?」

王馬「……あっ」

アンジー「……神様ー。是清に何か渡したー?」

巌窟王「……」サッ

最原「凄い勢いで目を逸らさないでよ! 肯定したも同然じゃないか!」

真宮寺「あ、あの……聞くの怖いんだけど、最原くんは……最原くんすら何か貰ったの……!?」ガタガタ

最原「……」サッ

真宮寺「!?」ガビーンッ

百田「議論を先に進めようぜーーーッ! 夢野は一昨日以前には絶対に死んでないんだなーーー!?」ズガァァァンッ

アンジー「……是清。後で膝枕してあげるからー」

真宮寺「……遠慮しておくよ。姉さんが嫉妬するから、気持ちだけで……」サメザメ

入間「……昨日の午前二時半ってことは、ほとんどのヤツが寝静まってるころだよな。例によってほぼ全員にアリバイがねーんじゃ……」

東条「何を言ってるの。あなたにはアリバイがあるでしょう」

入間「は?」

入間「……あっ! そうだ! 俺様と東条は、ずっと病院にいたんだった!」

天海「……ああ。治療してたんすっけ?」

東条「ええ。お互い病室から一歩も外に出ていないわ」

入間「まあ、俺様は治療中はずっと寝てたから、東条のアリバイに関しては証明できねーけどな?」

東条「……」

百田「んだよ。またこのパターンか?」

最原「待って。東条さん。病室から一歩も外に出なかったって?」

東条「……ええ。一歩も」

最原「そのとき、何か変なことは起こってなかった?」

東条「なんのことかしら?」

入間「俺様の睡眠はぶっ浅いからよ。何か変なことがあったら流石に起きると思うぜ」

入間「あの夜、ダサイ原と東条の話声も夢現ではあったけど聞こえてたしな?」

入間「……ところで何が『舌を噛み千切った方がマシ』って言ってたんだ?」

最原「聞かない方がいいと思う……」

最原「……でもそうか。うん。なるほど。入間さんの病室はなんともなかったのか。あのとき」

入間&東条「?」

夕飯の休憩!

選択肢
東条さんにアリバイがある根拠は……

1.病院から出れなかった。
2.実は入間が起きてた。
3.東条も寝ていた。

1

最原「……東条さんのアリバイは確実だと思う」

入間「あ? なんでだよ。俺様の治療の最中に抜け出すことも一応……」

最原「不可能だよ。だってあのとき病院が」

東条「病院が?」

最原「……あー」

最原「……してたから」ボソッ

アンジー「んー? 終一、今なんてー?」

最原「……迷宮化……してたから……」

東条「ふざけてるの?」ギロリ

最原「だから言いづらかったんだよ!」ガビーンッ!

百田「……あっ! そうだよ! あの状態の病院から抜け出せるわけがねぇ!」

百田「なんかの魔術のせいで、病院全体が迷宮化してたんだからよ!」

東条「え。本当だったの?」

巌窟王「待て。それ以前に魔術だと?」

最原「うん。多分、これもやっぱり巌窟王さんのホームからの干渉のせいだと思う……」

アンジー「あ。心当たりあるよー。あの日だけはアンジーも悪夢見なかったからねー」

最原「……代わりとして僕らが弄られてたってわけだよ……」ズーン

百田「あの夜のことは思い出したくもねぇ……」ガタガタ

巌窟王「……」



巌窟王の回想


ジークフリート『すまない……本当にすまない……』



回想終了



巌窟王「すま……いや、なんでもない」

アンジー「?」

百田「これで東条のアリバイも完璧だな!」

百田「あ。今気づいたけどよ。同じ理由で、終一と俺のアリバイも証明できてるじゃねーか」

最原「うん。あの迷宮を一緒に駆けずり回ってたからね」

百田「怪我の功名か……? だからって感謝したくもねーけどな……」

巌窟王「……もしかしたらそのとき、何か『変な物』も貰っているかもしれんな」

巌窟王「純性のスキルであるなら聖杯でも取り除けないが、借り物なら廃棄する。後で調べさせてもらうぞ」

最原「う、うん。お願いするよ。よくわからないけど」

最原(……でも、このアリバイの立証はもしかしたら、議論が進めばまったく逆の結果をもたらすかもしれないな)

真宮寺「それで。他に午前二時半にアリバイがある人っている?」

巌窟王「……アンジー。そして赤松」

赤松「あ。私たち、か」

アンジー「うん! 楓とアンジーはねー! あのときお泊り会をしていたのだー!」

赤松「本当、結構深夜まで夜更かししてたし、あのときは好き勝手に遊んで喋って色々してたからさ」

赤松「お互いがお互いのアリバイの証人になっちゃうよね」

王馬「あれ? 巌窟王ちゃんは?」

巌窟王「……」

王馬「……追い出されてたんだね?」ニヤァ

巌窟王「……」ズーン

天海「無駄ないびりはやめた方がいいっすよ! 反動で面倒臭くなりそうっす!」

キーボ「六人だけ……ですか。アリバイの方向から犯人を割り出すのは不可能ですね」

星「無駄ではなかっただろうがな。六人の容疑が晴れたとなれば、残るはあと約三分の二だろう」

王馬「は? いや、何言ってんの。犯人は女子に限定されてるんだからもっと少ないって」

最原(え?)

星「……今、なんて言った?」

王馬「だからさー! 犯人は女子に限定されてるんだから、もっと犯人候補は絞れるんだってばー!」

白銀「ま、待ってよ。なんで犯人が女子って決めつけて……」

巌窟王「……隠し扉だな?」

王馬「さっすが巌窟王ちゃん! 冴えてるー!」キラキラキラ

百田「隠し扉だと?」

王馬「おバカな百田ちゃんに解説してあげよう! あの隠し部屋へと至るルートは二つあってね?」

王馬「一つはカードキーで開閉する図書室の隠し扉」

王馬「もう一つは女子トイレと繋がっているカードキーなしで開閉する隠し扉なんだよ!」

王馬「赤松ちゃんの事件の議論では、犯人は未知のもう一つの通路を使った可能性が高いって話も出てたよね?」

王馬「さあて……その隠し扉が女子トイレにあるということは……?」

春川「犯人は女子の可能性が高い。女子が女子トイレに行っても何も不自然じゃないからね」

王馬「逆に、男子が女子トイレに入るところなんて見られた日には、仮に首謀者じゃなくってもギルティでしょ!」

王馬「だから犯人は被害者である夢野ちゃん、アリバイのある赤松ちゃんアンジーちゃん入間ちゃん東条ちゃんを抜いた……」

最原「白銀さんと春川さんと……」チラッ

茶柱「転子……だとでも!?」

茶柱「冗談じゃない! 転子が夢野さんを殺すわけがないでしょうッ!」

春川「……当然、私でもないよ」

白銀「じ、地味にピンチかな? 私でもないよ!?」アタフタ

最原(……本当に、この中に犯人が……?)

今日のところはここまで!

あれ?逆に首謀者自身がリーチかかってねこれ

また転子ピンチなのか

赤松につけた傷意味なくなる?…いやそんなわけがない。俺は騙されんぞ

雪のせいで特異点と化した新宿に閉じ込められました。残念ながら更新はめっちゃ遅くなるかなしになりそうです。スマホからはキツイしねえ!

新宿のアーチャーさんによろしくな
滑りやすいから気をつけて

気をつけてな
道路凍ってるときはひざを軽く曲げて、お断りしますのポーズを意識して歩くと滑りにくいよ

電車には期待できねーか?
歩いて……今度こそ我が王を殺すのだ。
違う。帰るのだ

ペンギン歩行だと楽らしいね
お気を付けて

>>77
   ハハ
   (゚ω゚)
  /  \

((⊂ )  ノ\つ))
   (_⌒ヽ
   ヽ ヘ |
εニ三 ノノ J


やっと半分くらいだ!
これまでで二回転倒! 習っててよかった柔道の受け身! ヴィシュヌの加護を……!
キャメロットに帰るまで死ねるかよ……!

我が王。我が主よ。今こそ……この防寒具をお返しします……


ちょっと……眠る……明日は休みになっちゃったし……

……あ! 死んでいる場合じゃねぇ!
明日はジャンぬのオンリーピックアップ(備蓄石的には完全にラスト)の日だ!


や、やるっきゃない……! 残りの無課金石で……!
明日はジャンぬが引けてたらハイテンションで朝から更新です!
そうでなかったら悲しみで引き続き死んで通常通り夕方からです!

アンジーに、1のとこにジャンヌが来るようお祈りしてもらわなきゃな

???「お会いできて本当に良かった」

???「呼ばれてしまいましたか……」

朝なのに更新が来ていない…妙だな…

逝ってしまったわ、円環の理に導かれて……

残念なことに課金した分含めて石がお亡くなりになってしまいました……更新再開するよ!

王馬「まあでも、この中に犯人がいるとするとさ。自然と犯人がたった一人に絞られるんだけどね」ニヤァ

獄原「え!? そ、それって、誰のこと!?」

王馬「死亡推定時刻を考えてくれれば自然とわかるんじゃないかな?」

最原「あっ」

茶柱「……なんのことです? 死亡推定時刻は深夜なのですから、ほとんどの人にアリバイが……」

最原「……王馬くん。お願いだから、そこから先は口にしないでくれるかな?」

最原「冗談じゃ済まないよ……」

赤松「……あ。そうか。そうなの!?」

白銀(あ。いい感じに赤松さんも引っかかってくれた)

白銀「え!? な、なに!? どうしたの? 何に気付いたの?」

赤松「殺せないよ! あの時間に、あの部屋で夢野さんを!」

赤松「だって、どうやって呼び出すの!?」

百田「どうやってって、普通に部屋にいる夢野を呼び出して……」

百田「……」

百田「呼びだせるわけねーよ! 怪しすぎんだろ!」

王馬「そう。例えば『学園中をさらっていたらたまたま隠し扉を見つけた。先があるみたいだからついてきて』と言ったとして……」

王馬「それに素直についていくのは余程生徒を信じていた赤松ちゃんか、好奇心旺盛な最原ちゃんだけ」

王馬「いや? 生徒を信用していた巌窟王ちゃんも、かな?」

巌窟王「……王馬……!」

王馬「仮に俺が夢野ちゃんに『ついてこい』とか言ったとして『怪しすぎるから』って警戒されて絶対に連れ出せないよ」

王馬「深夜だし?」

赤松「逆に言えば、余程信用していた人なら問答無用で外に連れ出せる……」

王馬「さて。夢野ちゃんに一番つき纏っていた……もとい仲良くしていた女生徒は……?」

茶柱「……」

茶柱「えっ」

アンジー「本当にそうかなー? そんな上手くいくー?」

アンジー「アンジーには転子と秘密子がそこまで仲良かったようには見えなかったなー」

茶柱「それはそれで傷つくんですけど! 超仲良しでしたよッ!?」

王馬「じゃあ逆パターンだったのかもね。もしかしたらそっちの方が可能性高いかも」

獄原「逆パターンって?」

王馬「そうだなー。例えば茶柱ちゃんがあの隠し扉をたまたま見つけて、夢野ちゃんに助けを求めた、とか」

百田「いや。それのどこが逆パターンなんだよ。一緒のことじゃねーか」

最原「……」

最原「いや! 違う! このパターンはさっきの仮説とは逆だ!」

百田「あ? 何がだよ。一緒だろ?」

最原「だって、さっきの話だと茶柱さんが夢野さんを殺したがっていた犯人ってことになってたよね」

最原「これまでの議論で犯人が首謀者って方向は固まってたから、首謀者が茶柱さん自身っていう前提を含んだ仮説だった」

最原「でもこのパターンだと、茶柱さんは純粋に、本当に単純に隠し扉を見つけただけの生徒ってことになってる」

春川「……夢野と茶柱。二人の登場人物しかいないのに、茶柱が首謀者じゃなかった場合は」

春川「残るところは夢野が首謀者自身だったっていう可能性、だけになるね」

入間「……いやいやいや。いくらなんでもあのロリロリファンタジックが首謀者なんてことがあるわけ……」

入間「え? マジで?」

天海「それはいくらなんでも荒唐無稽すぎる仮説っす! だってこの学級裁判は……!」

王馬「首謀者が死ねばコロシアイは続行不可能……っていうのは考えてみれば随分と希望的な観測だと思わない?」

天海「それは……その……」

王馬「……このコロシアイ自体の存在意義も、目的も、未だに見えてこない。もしかしたら首謀者を殺したところで終わらないのかも」

王馬「なんてね?」ニカッ

茶柱「違う……違いますよ! 転子も、夢野さんだって、首謀者じゃありません!」

茶柱「仲間に向かって、なんでそんな残酷なことが言えるんですか! あなたは!」

王馬「でもコレは学級裁判なんだッ!」

茶柱「……!」

王馬「俺だって……俺だって大好きだった夢野ちゃんや、茶柱ちゃんを疑いたくなんてない!」

王馬「でも俺たちは、いつだってこうして生き残ってきた」

王馬「こうしてでしか生き残れなかったんだ……ッ!」

王馬「だから……だから!」ポロポロ

最原「……」

百田「……」






最原&百田(白々しい)イラッ

天海「でも夢野さんが首謀者だったとして、どうして夢野さんが殺されるんすか」

王馬「茶柱ちゃんを口封じに殺そうと思ったら殺し返された、みたいな?」

天海「すげぇテキトーっすね」

百田「終一! どうなんだ?」

最原「……」

巌窟王「そんな仮説はなしだ。茶柱の犯人説に関しては保留するとしてな」

最原「!」

巌窟王「今回、夢野の死後に首謀者が動いていたという可能性がいくつも残されている」

巌窟王「これがある限りは、夢野が首謀者だという仮説は掻き消えるだろう」

茶柱「巌窟王さん……!」

巌窟王「……」

巌窟王「俺に救いを求めるな。お前を救うのは……」

茶柱「……!」

王馬「へえー。巌窟王ちゃんには何か心当たりが?」

巌窟王「当然、ある」

休憩します!
ほうら小鳥ちゃんたち。爆死した後にできたマナプリよ

Yeah!!!!

うわぁこれで種火とフォウくんがもらえるぞぉ

巌窟王「夢野が死んだ後で首謀者が動いていると考えられる根拠……」

巌窟王「空調。その他、様々な機能をロックしていた首謀者権限だ」

天海「あ……! そうか! 夢野さんが死んだ後で、アレを動かせるとするなら、首謀者はまだ生きている!」

天海「なら夢野さんは首謀者じゃないっすよ! 絶対!」

王馬「本当にそうかなぁ? そのロックが行われたのが夢野ちゃんが死ぬ前ってことはない?」

アンジー「ないんじゃないかなー? だって、あの部屋って居住性が最悪になってたしー」

天海「そうっすよ! 空調! ありえないほど加湿されてて蒸し暑かったっす!」

天海「事件以前からああなっていたとは、とてもじゃないけど考えられないっす!」

巌窟王「その空調すら首謀者権限のせいで操作が不可能になっていた」

巌窟王「……夢野の死体への腐敗工作をしていた人物は首謀者以外にありえないという根拠だ」

最原(へえ。空調。そういえば確かに蒸し暑かったっけ……)

最原(他にもう一つあるんだけど、これならもう充分、かな?)

王馬「あ。でも茶柱ちゃんが犯人って件に関しての反論は、一切ないんだね?」

最原「ッ!」

王馬「じゃ、一旦夢野ちゃんの立場になって考えてみようか」

王馬「まず春川ちゃんや白銀ちゃんが私室に深夜訊ねて来たと仮定して、夢野ちゃんは絶対に外に出ない。単純に怪しいから」

春川「怪しいって……」

白銀「あれ? 地味に春川さんと同列なんだね、私」

春川「……イヤなの?」

白銀「えっ!? あ、あはは……」

王馬「理由は簡単。『なんで自分に訪ねて来たのか理由が一切わからない』から」

王馬「だって。春川ちゃんならそんな扉を見つけたら夢野ちゃんじゃなくって百田ちゃんを連れだすだろうし」

王馬「白銀ちゃんなら……」

王馬「……」

王馬「あれっ」

白銀「は、ははっ……いいよ。どうせ独り身だから……リア充末永く爆発しろ……」ズーン

獄原「白銀さん! ゴン太も応援するから頑張って!」

ここの王馬は白銀を怪しんでるのか?

少しでも怪しいやつ全員に嫌疑をかけるのが王馬だと思う

王馬「半面、茶柱ちゃんなら夢野ちゃんも警戒しないよ」

王馬「だって! 丸わかりじゃん、なんで自分のところに来たのかなんて!」

天海「……信用されている、という自負が理由になる。だからまったく怪しく見えないってことっすね」

王馬「ちなみに『なんで最原ちゃんや巌窟王ちゃんを誘わなかったのか』と訊かれたら、赤松ちゃんの事件にこれまた倣うだろうね!」

王馬「『一番信用できそうな人に声をかけた。他の人が首謀者である可能性があるから』って!」

最原「……」

王馬「で。巌窟王ちゃん。茶柱さんを庇う証拠が何かある?」ニヤニヤ

巌窟王「そんなものは! ない!」ギンッ

アンジー「なっしんぐー! いえーい!」

巌窟王「クハハハハハハ! ないな!」

アンジー「にゃははははははー! ないなーい!」キラキラキラ

茶柱「そんなテンション高く言わないでくださいッ!」

白銀「本当に変なところでコンビネーション見せるよね……」

茶柱「違う……違います! あんな残酷に夢野さんを殺すわけないでしょう!」

茶柱「あなたたちは転子の何を見てたんですか!」

真宮寺「むしろ、キミこそ今までの学園生活で何を見てたんだい?」

茶柱「ッ!」

東条「……信用されていたからこそ、バレる可能性が少ないかも」

東条「かつての私も、そう思っていたことは否定できないわ」

茶柱「……待ってください。待って……違う。こんなの……」

茶柱「転子が夢野さんの信頼を裏切るようなマネをするわけが……!」

王馬「いい加減観念しろよッ! お前がやったんだろ! みんな疑ってるんだから観念しろって!」

王馬「全部白状して、俺たちをコロシアイから解放しろよォ!」

茶柱「……」

巌窟王(……妙だな。嘘臭すぎる。王馬は最初から茶柱のことを疑っていないのではないか?)

アンジー(これ、もしかしなくっても挑発だねー。でもこんなことしても転子の性格的に反論は……)

茶柱(……みんな……転子を疑ってる?)

茶柱(でも転子に反論できる材料は……!)

茶柱「違う……違うんですって……みなさん、信じてくださいよ……!」

茶柱「……誰か」

王馬「誰も助けるわけないじゃん? 薄汚れた首謀者なんかをさ!」

王馬「じゃあ、そろそろ投票と行こうか。異論はないでしょ?」ニコニコ







最原「……あるよ」

茶柱「!」

最原「あるに決まってるじゃないか……好き勝手に言いすぎだよ、王馬くん!」ズガァァァンッ

今日のところはここまで!

そういえばぐだ男らしき男の影の謎もあったけどそれについてはいつごろ判明するだろう?

これもう茶柱さん惚れるしかなくなってきてるな……

アンジーヒロインと思わせておいてのまさかの転子ルートだったとはこの李白の目を(ry

最原への好感度高い女子上位3名が現時点だとアンジー転子赤松だろうな

逆転シリーズ→赤松
東条が本気の1週間→東条、赤松
2週目→白銀
今回→アンジー、転子
あとヒロインになってないのは春川除いて入間と夢野だけか

待った 二週目ってなに? そんなのあったっけ? 霧切の一週間なら知ってるけど

最原と白銀のみ記憶を継いで、コロシアイ学園生活を繰り返すやつっすよパイセン。

これっすよこれ

最原「二周目は彼女と共に」 白銀("嘘"! だけどね!) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493942027/)

春川ちゃんはいつだってヒロインでしたよ。百田の。

節分一区切りしたら再開します!

王馬「……へえ。あるんだ? じゃあ聞かせてくれない? どうせ真宮寺ちゃんのときみたいな壮大なハッタリだろうけどさ!」

最原「この……!」ギリィッ

アンジー「……終一?」

巌窟王(そうか。王馬が挑発していたのは茶柱ではなく……)

赤松「さ、最原くん? 落ち着いて。かつてないほど凄い顔になってるよ」

最原「……」

最原(落ち着け。王馬くんのペースに乗せられるな……)

最原(この証拠を出したら、後にはもう引けなくなる)

最原(ここで茶柱さんを庇わないといけないけど、果たしてこのまま行っていいのか?)

百田「迷うな! 終一!」

最原「!」

最原「……百田くん?」

百田「お前が何迷ってんのか知らねぇけどよ……茶柱を助けたいって思いは本物だろうが!」

百田「ならその思いを俺は信じる! お前はお前を信じりゃいい!」

百田「誰かを助けたいって願いが間違いなんてこと、絶対にありゃしねぇんだからよ!」

百田「それでお前の望み通りの結果にならなかったら……そんときゃ俺がどうにかしたらァ!」

春川「百田。安請け合いしすぎ」

最原「……ははっ」

最原「うん。わかった。ありがとう百田くん」

最原「……茶柱さん。安心してていいよ。キミが犯人じゃないってことは、僕が信じてる」

茶柱「最原さん……」

最原「まあ、余計なお世話って思ってるんだろうけどさ。善意の押し付け具合は巌窟王さんより百倍マシだよ!」

巌窟王「!?」ガビーンッ

白銀「特に理由のない流れ弾が巌窟王さんを襲う!」

最原「答えは、既存の証拠の中にある。僕にはそれが見えている」

最原「……ひとまず、もう一つの可能性がないのか考えてみようよ」

王馬「もう一つの可能性?」

最原「誰かに招かれて夢野さんがあの部屋へと赴いたわけではなく……」

最原「ましてや、無理やり連れ込まれたわけでもない」

最原「そう。『夢野さんが自分の意思であの部屋に入った可能性』だよ!」

王馬「……」

真宮寺「本気で言っているの? そんな可能性、僕には信じられないんだけど」

百田「ひとまず終一の話を聞いてみようぜ。話はそれからだ」

獄原「うん……夢野さんと仲良しだった茶柱さんが犯人だなんて、絶対に信じたくないしね」

最原「ありがとう。じゃあ、続けさせてもらうね」

最原「……なんで夢野さんが狙われたんだろうって、僕はずっと考えてたんだ」

最原「夢野さんの死体が発見される前からさ」

巌窟王「……そんなに前からか?」

最原「だって、おかしいよね? おしおきを破壊してきた巌窟王さんを狙うとかならともかく」

最原「夢野さんだよ? 今まで、このコロシアイに支障をきたすようなことをした?」

最原「……そこで考え付いたんだ。夢野さんは、無自覚にコロシアイに支障をきたすような行動を取ったんじゃないかって」

最原「そのトリガーを作ったのは……!」



人物指定

→巌窟王



最原(……これが僕の答えだ!)

最原「……巌窟王さんだよ」

巌窟王「……」

アンジー「……神様?」

最原「巌窟王さん。夢野さんに、あるプレゼントを渡したよね?」

最原「確か――」

巌窟王「聴診器だろう。そう、ちょうどこんな形の」ゴソゴソッ

最原(巌窟王さんがポケットから出したのは、本格的な造形の聴診器だった)

最原「……それ、どこで?」

巌窟王「夢野が持っていたらしい。春川が気を利かせて俺に持たせたものだ」

春川「……この聴診器がどうかしたの?」

最原「春川さん。言ってたよね。夢野さん、これを使って遊んでたって」

春川「うん。壁に当てて、内部の音を楽しんでた。最初はぶつくさ言ってたけど、割と気に入ってたみたい」

最原「女子トイレの隠し扉のことを、ここで思い出してほしいんだけどさ……」

最原「隠し扉って言うだけあって、見つけることは至難の業だよね。特に、丸腰で肉眼ならほとんど絶対に見つけられないんじゃないかな?」

東条「……図書室の隠し扉を見つけた最原くんや、6.0の驚異的な視力を持つ獄原くんならともかくとして」

東条「確かに私たちでは隠し扉を見つけることは不可能でしょうね」

東条「万が一、壁の向こうに空間があることに気付いたとしても、それを隠し扉だと認識できるかどうかは別――」

東条「……」

東条「……超高校級のマジシャンである夢野さんだけは、そうでなかったとでも?」





裁判場全体「」ザワッ

最原「事実、そうだったんだろうね。夢野さんは自力で女子トイレの隠し扉を見つけたんだ」

王馬「えー? でもそれっておかしいよ。夢野ちゃんが死んだのはド深夜なんだよ?」

王馬「夢野ちゃんがド深夜に隠し扉を見つけたとしても、多分彼女の性格なら……」

春川「怖がって見なかったフリをするか、さもなくば茶柱を引っ張り出してくるか……」

白銀「ていうか、夢野さんの性格からして、ド深夜に校舎で遊ぼうとか考えるかな?」

最原「……彼女が隠し扉を見つけたのが、周囲の明るい昼の間だったとしたら?」

茶柱「まあ、好奇心に負けて入ってしまおうと考えてもおかしくはないと思いますが……」

茶柱「……結局それもないと思います。昼から深夜までの間、何をしてたのかって話になりますし」

茶柱「即座に突っ込んで、即座に口封じをされたのならまだしも、昼に入って深夜に殺されましたじゃ話になりません」

茶柱「それとも、夢野さんには拘束の痕が残ってたんですか?」

春川「いや……腐敗は酷かったけど夢野は『無抵抗で射殺』されてた。多分、周囲の血飛沫の方向から見てもそのとき直立姿勢だったはずだよ」

春川「右手の指が何本かなくなってたからそこだけは検視できなかったけど、指三本でどうやって拘束するんだって話だし」

百田「夢野は不意打ちで殺されたってわけか……くそ。胸糞悪いぜ」

最原「即座に入って即座に口封じされていれば、この謎は解ける。そうだよね?」

白銀「……話を聞いてたの? それは――」

最原「本当にないの? なんで?」

白銀「なんでって、そんなの決まってるよ」

アンジー「モノクマファイルに書かれていたから、だよねー!」

百田「……おい」

百田「モノクマ。確認するぞ? モノクマファイルには真実しか書かれてないんだよな?」

モノクマ「うん? まあ大前提として、モノクマファイルは僕が作っているわけだけど」

モノクマ「当然、ボクは真実しか書かないよ! 情報を伏せることはあれどね!」

天海「……待って。再度確認させてください」

天海「もしも誰かが、モノクマがファイルを作った後、あのモノクマファイル作成デバイスを触ったとしたら……」

天海「モノクマ。その場合の処理は?」

モノクマ「お咎めなしだけど?」

天海「……!」

天海「やられたッ! くそっ! くそおっ!」

白銀「え? え? え? なに? どうしたの?」

最原「事件現場は首謀者しか入れないと思われる隠し部屋」

最原「その中にあるモノクマファイル作成デバイス」

最原「……こうは考えられないかな? 『犯人によってモノクマファイルは改竄されている』って!」

入間「なっ……何ィーーーッ!?」

今日のところはここまで!
節分節分



天海の言った事が一瞬理解できなかったけど、

1 モノクマが事実をパソコンで記載する
2 直後に白銀が書き換えてモノクマファイルへと作成する

ってことか

こうなると、モノクマと黒幕は一枚岩じゃないと意味してるけど……

もはや限りないほど黒(アウト) に近い白(セーフ)だな。

英霊は誰だろうか…

>>111

情報サンクス 早速読ませていただきます

赤松「ちょ、ちょっと待って! それって校則違反にはならないの!?」

春川「可能かどうかはひとまず放置するけど、可能なんじゃない? そんな校則ないし」

真宮寺「その時点ではなかったとして、モノクマは必要に応じて適宜校則を追加していたよネ?」

真宮寺「仮に、誰かがモノクマファイル作成デバイスに触ったとしたら、モノクマがそのときその場に応じた校則を追加するんじゃ……」

モノクマ「生徒にむやみやたらと触られたくない、とはボクも思ってるよ」

モノクマ「……思ってるだけだけど」

東条「……含みのある言い方ね」

最原「モノクマはデバイスに触る生徒に手出しができなかったんだよ。だって、モノクマルールがあったから」

赤松「モノクマルール?」

天海「校則とは別の、モノクマを縛るルールのことっすよ。ファイル作成デバイスの中に一部が書かれてたっす」

最原「『このパソコンへの干渉を禁止する校則を作ってはならない』……だよね?」

モノクマ「ボクにもボクの都合があってさー。むやみやたらと無秩序に、生徒を雁字搦めに縛るわけにもいかないんだよねー」

モノクマ「それもこれも、ボクが生徒の自主性を尊重するいい先生だからだよ……! 仰いでくれ! 尊んでくれ!」

白銀「わあ図々しい」

獄原「モノクマファイル作成デバイスに触れば、モノクマファイルの改竄が可能……」

獄原「首謀者って悪い人だね。ゴン太たちを騙すことを、何とも思ってないみたい」

王馬「本当だよ! 嘘を吐くなんて最低の人間がすることだッ!」ウガァ!

百田「……ツッコミ入れた方がいいか?」

王馬「とまあ、冗談はここまでにしておくとして。ゴン太。ダメだって。最原ちゃんに丸め込まれちゃさ……」

王馬「だって、モノクマファイルが改竄された証拠なんてどこにもないんだし」

最原「あるかもしれない……と言ったら?」

王馬「見せてみろ人類……と言うしかないね」

白銀「え? どこから目線なの?」

最原「わかった。じゃあファイル作成デバイスを見てみよう」

最原「……ところでアレって誰か持ってきてる?」

春川「一応、今は私が持ってるけど……」

モノクマ「コネクタと繋いでくれれば、画面を上部モニターに大写しにするよ!」

春川「じゃあ……」カチッ


ブゥンッ

春川「で。大事なのはどこ?」

最原「編集履歴のページだね」

百田「ん? おいおいハルマキ。なんかこのパソコン、時計が狂ってねーか?」

春川「今はどうでもいい」カタカタ


編集履歴

・第一の事件 巌窟王
死因
死亡推定時刻
☆その他死体の細かい状況


・第二の事件 巌窟王
☆死因
☆死亡推定時刻
☆その他死体の細かい状況


・第三の事件 夜長アンジー
なし


・第四の事件 都合により欠番

・第五の事件 夢野秘密子
死因
★死亡推定時刻
その他死体の細かい状況

東条「第四の事件が欠番……? 夢野さんの事件は第五の事件?」

獄原「あ、あれ? 事件のカウントがおかしくない? この学級裁判って、確か四回目だよね。ゴン太の数え間違い?」

最原「多分、第四の事件は入間さんの起こす予定の事件だったんだと思う」

入間「あ……? 俺様の?」

最原「ねえ入間さん。モノクマからの伝言の『ほとぼりが冷めたら』の本当の意味って、なんだったと思う?」

最原「キミは、本当はわかってたんじゃないかな?」

入間「……」

入間「『入間美兎の事件を無事乗り越えることができたなら』だろうな」

茶柱「えっ……!? あの伝言って、そういう意味だったんですか!?」

真宮寺「その割には、図書室に時限発火装置を仕込んだりと行動がチグハグだけど……」

最原「入間さんのトリックが巌窟王さんのせいで破綻したことに首謀者が気付いたんだろうね。そこで即座に方向転換したんだ」

百田「それで、本来起こるはずだった騒動が起こらなかったから、扉が開くのも前倒しになっちまった……」

百田「……そう考えると、なんか行き当たりばったりだな? 別に無理に俺たちに勝負しかけなくってもよかったんじゃねーか?」

最原(そこなんだよな……首謀者にしては、行動がどこかフェアすぎる。約束に律儀っていうか……)

最原(……今は置いておこう)

星「第四の事件が欠番になってるのは、入間が事件を起こさなかったからか……それなら理屈は通るが」

最原(それは違う、と言ったら横道に逸れちゃうから今は放置しておこう)

最原「……それぞれのモノクマファイルの項目の横に、星のマークが付いてたり、付いてなかったりしてるのが見える?」

最原「これは多分、誰かがモノクマファイルに手を加えた履歴を現してるんだと思う」

キーボ「……ああ。確かに、星マークが付いている項目は、これまでのモノクマファイルで伏せられていた情報ばかりです、けど……」

キーボ「あれっ?」

最原「うん。第五の事件、つまり夢野さんの事件に関しては、星マークがついている情報が公開されてるんだよ」

最原「……ついでに、星マークがこっちの場合は黒星マークになってるんだけど」

巌窟王「……最原。言いたいことがあるのなら迂遠にではなく単純に言うべきだぞ」

茶柱「あなたがそれを言いますか!?」

最原「今回のモノクマファイル、死亡推定時刻の欄に刻まれた黒星マークは何を意味しているのか」

最原「……手を加えられたにも関わらず、公開されているとするなら、コレは……!」

王馬「そう! モノクマファイルが改竄されているとしか考えられないってことさ!」

最原「!?」ガビーンッ

百田「終一の台詞を奪ってんじゃねーよ!」

王馬「あ、ごめん。あまりにも話の展開がトロ臭かったからつい」

最原「……」ガタガタ

赤松「最原くん! 元気出して! 王馬くんのいつもの意地悪だから!」アタフタ

探偵はいつだって話が長いからな

キーボ「なるほど! 黒星マークは『改竄』を意味する記号だったんですね!」

春川「逆に、他の項目に関してはマークがないから、正真正銘モノクマが書いたモノクマファイルの内容そのままってことだろうね」

最原「……どう? これだけ根拠があれば、茶柱さんを死亡推定時刻から疑うことは危険だとわかってくれるよね?」

王馬「……最原ちゃん。キミ、運転とか得意なタイプじゃないでしょ」

最原「は?」

王馬「危険から避けようとして、更なる危険へと自ら突っ込んでしまうタイプっていうかさ……」

王馬「じゃあ最原ちゃんの言う通り、夢野ちゃんが警戒の薄まる昼の間に隠し扉を発見したとして……」

王馬「その直後、首謀者から口封じに殺されたんだとしたらさ」

王馬「……わかるよね? この仮説に基づくと、たった一人、大きな嘘を吐いてるヤツがいることに」ニヤァ

百田「なん……だと……!?」

最原(大きな嘘。夢野さんの死亡推定時刻が改竄されているとしたら、絶対にありえないものを目撃した人)

最原(……僕はみんなのことを仲間だと思っている。茶柱さんのことも大切だ)

最原(『あの人』と茶柱さんに、一体なんの違いがあるんだ……?)

最原(でも……指摘しないわけにもいかない。真実に辿り着くために)

最原(僕たちの未来のためにも!)


人物指定

→白銀つむぎ


決定


最原「キミしか……いない!」

今日のところはここまで!

いいとこで!

追い詰められてるな白銀…

最原もなんかそろそろ王馬にキレそうな予感がするww

追い詰められているというよりかは、勝負を仕掛けにきてるとしか思えないな
最原も言ってるけどフェアすぎるし

正直王馬は白銀に最初から疑い掛けてたんじゃないかと思う
ワザと茶柱を追い詰めることでキレた最原の本気モードを引き出した様に見えるな

そう言えば逆転さんってダンロンの1とか2のSS書いたりしないのかな?

書いてたさ。ピクシブで。マジで何年前のだコレ……あ、タイトルでちょいちょいエゴサしてるのでそっちの感想も嬉しいっす。

高木さん見て来るので更新はその後

どんなタイトルなんです?

違くて! このSSのタイトルと『虚構殺人遊戯』のワードで検索してるって意味っす!

エゴサ?

あれ? 作者名だけでなくってタイトル検索の場合でもエゴサって言わない……?
まあいいや。再開します!

最原「白銀さん……」

白銀「ん? 何? 最原くん」

最原「キミは確かさっきこう言ってたよね」



白銀『少なくとも、昨日の夜時間周辺の時間に私が夢野さんを見てるから……』

白銀『それよりも前ってことはないと思う』



白銀「……」

最原「夢野さんの死亡推定時刻に関しては、モノクマファイルを信用できない」

最原「なんで夢野さんが死んだのか、という謎に合理的に答えを導き出すなら、夢野さんが死んだのは昼の間って考えるのが一番自然だ」

最原「ねえ。白銀さん。キミは本当に夢野さんを見たの?」

最原「……夢野さんは本当に、その時間に生きてたの?」

白銀「……」

白銀(欲張りすぎたかなぁ? ま、いいか。追及を避ける手段はまだあるしね)

百田「終一。まさか、白銀を疑ってんのか?」

東条「……最原くんの仮説が正しいとするなら、彼女以上に怪しい人物もいないわ」

東条「それなら、どうしてそんな嘘を吐いたのかの説明も付くもの」

真宮寺「……茶柱さんのアリバイを完全に潰すため、だよネ」

茶柱「えっ! 転子のアリバイを?」

真宮寺「そもそも、深夜に夢野さんを連れ出せる人間が相当限定されているっていうのが一つ目の理由だろうネ」

真宮寺「隠し扉が女子トイレにある以上、犯人は女性に限定される」

真宮寺「更に、その内の四人に完璧なアリバイがあり、夢野さん自身は被害者」

真宮寺「これで茶柱さんが、もしも捜索の手を広げるために誰かを引っ張り出したりしたら……」

春川「……茶柱に深夜のアリバイができてしまう。残る容疑者は私と白銀だけ。でもこの二人は夢野を深夜に呼び出せない」

春川「そうか。白銀が一番最初に、その目撃証言をしたのはモノクマの伝言より以前。茶柱が夢野を探しているときだったね」

真宮寺「モノクマファイルの改竄を活かすためにも、茶柱さんにはゆっくりと私室で寝てもらわなければならない」

真宮寺「だよネ? 白銀さん」

白銀「……」

百田「おい! なんか言えよ白銀! 反論があるんならどんどん言えって!」

アンジー「つむぎー。どうして黙ってるの? このままじゃ犯人にされちゃうよー?」

巌窟王「いや……今回の場合に限っては、ただの犯人ではない」

巌窟王「……真相に待ち構えているのは、このコロシアイの首謀者そのものだ」

白銀「……」

最原「……?」

最原(なんだ? 妙に落ち着いてるような……)

白銀「……バレちゃったか」

最原「!」

百田「テメェ、今、なんて……!?」






白銀「うん。ごめんね。夜時間周辺の時間に夢野さんを見たっていうのは嘘だよ」

あ。やばい。入浴させてた槍トリア出さないとのぼせちゃう。
休憩します!

最原「……えっ?」

王馬「あれあれー? つまんないな。そんな簡単に認めちゃうの?」

白銀「……ごめん。本当に、ごめんね」ポロッ

最原「し、白銀……さん?」

赤松「う、嘘だよね!? 白銀さんが首謀者だなんて、そんな……!」

百田「聞かせて……くれるよな? 全部!」

白銀「……うっ……ううっ……!」グスングスン

白銀「……最初に言っておくけど、私は別に、悪意があって嘘を吐いたわけじゃ……なかったんだよ」

白銀「ただ茶柱さんのことが邪魔だっただけでさ」

茶柱「へっ?」

白銀「本当に。本当にくだらない理由なんだけど……私、自分の研究教室でその……」

白銀「口にするのも憚られるようなエロエロな衣装を作ってて!」ズバーーーンッ

最原「……」

最原「え? なんて?」

白銀「だからぁ! 何度も言わせないでよ恥ずかしいから!」

白銀「私はっ! 自分の研究教室で、ストレスのあまり普段は絶対に作らないようなエロエロな衣装を作ってたんだって!」

獄原「……ごめん。ゴン太がバカだからかな。白銀さんがこの局面で何を言いたいのかまったくわからないよ……」

巌窟王「クハハハハハハ……クハハハハハハ……?」

巌窟王「……席を外しておいた方がいいか?」

アンジー「大変だー。神様が本気で気を使ってるよー」

春川「まさか……夢野を探すために学園中をさまよってた茶柱が邪魔だったから、あんな嘘を?」

春川「たったそれだけの理由で……!?」

白銀「ごめん。本当にごめんね……! 状況がどんどん悪化していくにつれて、こんなくだらない理由で嘘を吐いたって言えなくなってって……!」

星「確かにこんなくだらなさすぎる真相なら、隠したくもなるかもな……状況が悪化すればするほど」

茶柱「いやいやいや! だからって! あなたの嘘のせいで転子がどれだけピンチに陥ったか……!」

王馬「ん? いや。白銀ちゃんの嘘で? 茶柱ちゃんが不利益を? いつ被ったっけ?」

茶柱「!」

最原「確かに、こうやって素直に白銀さんが夢野さんの目撃証言を撤回した以上は……」

最原「茶柱さんを陥れていた嘘は、モノクマファイルの改竄だけだね」

茶柱「そ、それは確かに……そうですけど……」

最原(……それにしても肩透かしだな。白銀さんがもしも犯人だったとしたら)

巌窟王(何が何でも、夢野の目撃証言を撤回せずに、茶柱が犯人だという説で押し通すはずだ)

巌窟王(……それが充分に可能だった、はずなのだが……)

最原(白銀さんは犯人じゃない……のか?)

最原(それとも、他に何か手を隠してるのか)

最原「……それを引き換えにしても、タイミングが良すぎるのは気になるけど」

百田「まあ、そこで白銀が嘘を吐かなければ、茶柱にアリバイができていたかもしれねーわけだしな?」

最原「白銀さん。今この場で誓える? 本当に、その嘘に悪意はなかったんだよね?」

白銀「ふふふふふ……黒歴史確定。今すぐに消えてしまいたい……」ガタガタ

キーボ「白銀さーん。最原クンが呼んでますよー」

白銀「……ハッ! あ、ああ! うん! 誓えるよ! 本当に悪意はなかったんだって!」

王馬「……ふーん」ニヤァ

巌窟王「王馬? 何を考えている?」

王馬「いや。ちょっとした余興を思いついてさ」

王馬「ねえ白銀ちゃん! その言葉、この場で巌窟王ちゃんに誓ってみせてよ!」

白銀「え」

王馬「もしも嘘だった場合は……徹底的に焼いてもらっちゃったり?」

巌窟王「……勝手に俺の炎の威を借るな、と言いたいところだが……」

巌窟王「ふむ。その余興に乗ってやろう」

巌窟王「白銀。もしも貴様が首謀者なのであれば、今この場で名乗り上げろ。そうすれば先ほどの発言は撤回しよう」

巌窟王「『命だけは』保証してやる」

白銀「……」

巌窟王「……さあ」

白銀「大丈夫だよ。世紀末級の黒歴史を刻んだ私に、怖いものなんてないもん!」

最原(変なテンションになってる……)

巌窟王「……ふん。いいだろう。議論を再開するぞ」

巌窟王「ひとまずな」

白銀「……」

白銀(トラップはまだあるしね。茶柱さんに執着する必要はないんだよ)

白銀(さあ。次に行こうか)

今日のところはここまで!

あーあ…白銀、焼かれるの確定したな…

???「嘘…?焼いてしまいましょう」

にしてもここまで仕込むと白銀は首謀者関係なく茶柱と赤松嫌いなのかって思うわ

最原「……明確に夢野さんがいなくなったと僕たちが気付いたのは大体夕ご飯の時間のときだよね」

最原「巌窟王さん。食堂に夢野さんがいるのを見かけたりした?」

巌窟王「いや。見ていないな」

最原「他の人はどう?」

春川「……具体的な時間は覚えてないけど、私が大体昼前に夢野のことを校舎で見てるよ」

巌窟王「俺は……それ以前に夢野を見ている、というより話しているな」

春川「それって寄宿舎で早朝からプレゼントを配っていたときじゃなくって?」

巌窟王「……」



夢野『……のう巌窟王。もうすぐこの学園生活はきっと終わる』

夢野『ウチらはきっとお主のことを忘れん。だからお主も……』



巌窟王「……そうだな。中庭で見た。思えば、あのとき夢野は入間の研究教室で遊んでいたのかもしれん」

最原「本当にあっちこっち行ってたんだね……」

百田「マジで巌窟王のプレゼントを気に入ってたんじゃねーか」

王馬「ということは、夢野ちゃんが死んだのは巡り巡ると巌窟王ちゃんのせいかな……?」ニヤァ

アンジー「オブジェ風の家具にしてあげようか? 彫刻刀で丹念にさ」

王馬「悪かったよ……だからそんなガチトーンで言わないでよ……」

獄原「でも昼……昼か。それはそれで、各自にアリバイがないんじゃない?」

獄原「モノクマファイルの死亡推定時刻が当てにならないのなら、逆にアリバイを立てるのが全員難しくなるし……」

春川「思えば、あそこまで夢野の遺体の損傷が酷かったのも納得だよね」

春川「犯人はなんとしてでも、夢野が死んだ時間を誤魔化したかったんだよ」

最原「ちょっと待って! だとしたら、それを逆手に取れないかな?」

百田「ん? 逆手だと?」

最原「犯人は夢野さんの死亡推定時刻を午前二時半と限定させた」

最原「わざわざそんな時間に限定させたことには、何かの意味があったとしたら……」

最原「アリバイ工作とかさ!」

真宮寺「……あ」

白銀(……よしよし。エサに食いついたね。いい感じ)

白銀(こっちが大本命だったりして……)ニヤァ

真宮寺「確かに、夢野さんの死亡した時間が夜時間だと錯覚したから、茶柱さんの立場は微妙になった」

真宮寺「逆に、そのことで明確に有利になった人もいたはずだよネ」

入間「ん? 夜時間にアリバイがあったのは、えーと……」

王馬「入間ちゃん、東条ちゃん、赤松ちゃん、アンジーちゃん、最原ちゃん、百田ちゃんの六人だったよねー!」

入間「うげえ! 俺様も入ってやがる!」ガビーンッ

王馬「……というより、むしろ入間ちゃんが犯人なんじゃない? ここに来て容疑が全部彼女に向かうよ」

王馬「あの爆弾を作ったのも、入間ちゃんなんだしさ! 彼女を疑えない理由はアリバイしかなかったわけだし!」

入間「ひい!」

星「入間は確か、右腕を骨折していたんじゃなかったか? それじゃあ銃は使えないはずだぜ?」

東条「……あの夜の時点でかなり治癒はしていたけども、無理すれば使えないほどではないわ」

入間「と、東条!?」

東条「……ただ一つだけ懸念材料があるとするなら、その日の昼の間は私がほとんど付きっ切りだったことね」

東条「夢野さんがあの隠し部屋に入ったことに何らかの理由で気付けたとしても、その場に急行することは難しいと思うわ。不自然だもの」

巌窟王「東条の治療が一段落した後は、夕餉の時間まで入間は俺と一緒だった」

巌窟王「……やはりこれも、急に抜け出すのは難しいだろう」

最原「東条さんのアリバイに関しては、巌窟王さんのホームからの干渉が原因だ」

最原「不確定要素が強すぎる以上、これを担保にアリバイ工作とするのは危険すぎる。というより不可能だよ」

百田「俺と終一のアリバイに関しても同様だろうな。ついでに、女子トイレの隠し扉を活用できねーし」

最原(待てよ。じゃあ、残った容疑者は……!)

赤松「……アンジーさんと……私?」

アンジー「ありゃりゃー」

巌窟王「……なんだと?」

最原「……」

春川「本当にその二人しかいないの? もう一回考え直すべきじゃない?」

春川「首謀者がどっちにしても、ちょっとシャレにならないよ」

最原「……」

最原(犯人がモノクマファイルを改竄したとして、夜時間に死亡推定時刻を設定したのはブラフだったのかもしれない)

最原(その可能性もまだ消えないけど……)

最原(それならそれで、吟味しないわけにもいかない。仮に思考誘導だったとしても)

巌窟王「……本当にこの二人しかいないのか? 第一、この二人にアリバイができたのは」

アンジー「神様が気を利かせたから、だよねー」

最原「巌窟王さんが提案しなかったとしたら、犯人が自主的にアリバイを作ったのかも」

最原「……望外の幸運だったんじゃないかな」

休憩します!
異世界テニス無双……面白かったのになー。残念だ……また別のラノベ買って来よう……

赤松が首謀者だったらそもそも一番最初に事件起こす意味ないような
オシオキで死んだらその後誰がコロシアイ運営するのだしクロ勝ち抜けになったらそれこそあっさり終わって視聴者的に消化不良だし

そうだよねー。赤松が首謀者ってのは流石に無理じゃね?白銀、冤罪する相手間違えた?

百田「おいおい終一。いくらなんでもこの二人はねーだろ」

百田「アンジーは巌窟王と組んで二回も処刑をぶち壊しにしたし、赤松だってその悪趣味な処刑の被害者だぜ?」

百田「この二人が首謀者だなんて、そんなわけ……」

王馬「本当にそうかなー? 特に、赤松ちゃんに関しては『殺されかけたから』で容疑を片付けるのは簡単すぎない?」

百田「……どういう意味だよ」

王馬「だってさー。こうやって容疑をかけられている一番の理由を考えてみてよ」

赤松「死ななかったから、でしょ?」

最原「……!」

東条「結局のところ、そうやって巌窟王さんが何回も途中で割り込んだせいで、私たちはおしおきの全貌を誰一人として知らない」

東条「赤松さんが首謀者だった場合は、死んだフリをして学園生活から消えて、裏からコロシアイを操る気だったのかも」

東条「……そういう仮説も成り立つわね」

真宮寺「第一の事件の重要なファクターとなった、巌窟王さんを誘引する図書室の隠し扉に関しても説明はいくらでもつくかもネ」

真宮寺「要は、リモートで扉を操れる術と、監視技術があればいい」

真宮寺「最原くんは生徒たちが地下に向かうときに一回、ブザーが鳴ったときに急いで外に出たときに二回赤松さんから目を離している」

真宮寺「更に凶器の砲丸も彼女のものとなると……」

最原「……あまり愉快な話じゃないから、その話はここで打ち切ろう」

最原「大事なのは、今回の事件だ。どちらが犯人なのか。あるいは――」

巌窟王「どちらも犯人ではないことをどうやって証明できるか、だ」

最原(……待てよ。これが真犯人の思考誘導だとするのなら……どちらかの容疑者にアレがあるかもしれない)

最原(……いや! あってくれ! これで新しい証拠が出て来るかもしれない!)

最原「アンジーさん! 赤松さん! お願いがあるんだ!」

赤松「え? お願い?」

アンジー「なんでも言ってー! 未来のお婿様ー!」

最原「い、いや。結婚に関しては置いとくとして……」

最原「これで犯人のやろうとしたことを立証できるかもしれない!」

茶柱「そんな目の覚めるような一手が?」

最原「二人とも! 僕を信じて!」

最原「服を脱いでくれ!」ズバァァァァァンッ!

巌窟王&茶柱「……」ビュンッ!





ドカァァァァァァンッ!


最原だったもの「」チーン

百田「終一が死んだー!」ガビーンッ!

白銀「この人でなしー!」

アンジー「……アンジーの未来のお婿様は鬼畜だなー。そんなところも……」ヌギヌギ

巌窟王「やめろアンジー。やめ……おい。やめろ……やめるのだ……」アタフタ

赤松「凄い狼狽してる……」

最原ー、理由ちゃんと言わないからこうなるんやでー

最原「ぐ……ぐ……アンジーさんの方は……! 傷は!?」ガバリッ

ミシッ

最原「痛いよ茶柱さん。僕の顔面を踏みにじるのやめて」

茶柱「あなたはここで死ぬべきです」

最原「ああもう! いいよ! 別に確認するのが別の人でも! 巌窟王さん! アンジーさんに傷はついてない?」

巌窟王「……ヒルの噛み傷や、真宮寺に殴られた痕、その他前の事件の痕跡はモノクマと東条の治療によって消え去っているな」

巌窟王「それ以外に大した外傷はない」

アンジー「終一と神様に捧げるための綺麗なカラダだよー!」

最原「う、うん……」


ニジリニジリ


最原「痛い痛い痛い。足をにじるのやめて……顔の皮が剥けちゃう」

茶柱「……」

最原「じゃあ……次は赤松さん。流石に全部脱げとまでは言わないけどさ」

最原「袖くらいはまくってくれない?」

赤松「!」

赤松「……どうしても見せなきゃダメ?」

最原「お願い」

赤松「……」シュルッ

春川「……」

春川「赤松。なにその右手の包帯。ゆるゆるだけど」

赤松「やっぱりコレも取らないとダメ、だよね」シュルリ

春川「……!」

真宮寺「ッ!」

最原「……あるんだね。傷跡が」

最原「……とても痛かった」スクッ

百田「あ。やっと立ち上がりやがった」

最原「……」

最原(僕の予想通り。赤松さんの右腕には引っかかれたような爪痕が残されていた)

最原(これが僕の求めた新しい証拠――)

春川「……最原。最悪だよ。なんでこんなことしちゃったの?」

最原「……えっ」

春川「これ、夢野が引っかいた傷だよね?」

最原「い、いや。それはこれから調べてみないとわからないけど」

最原(……なんだ? 春川さん、今にも泣きそうな顔してるけど……)

アンジー「……?」

巌窟王「アンジー。後であの傷に関して確認したいことがあるが、今は黙っておけ」

アンジー「ん? でも神様、あれ……」

巌窟王「アンジー」

アンジー「……わかった。黙ってるよー」

真宮寺「図書室から見つかった夢野さんの指は、なにかに引っかかったように爪が割れていた」

真宮寺「それが果たして死後のものか生前のものだったのかは、火事によって損傷がひどくなってわからなかったけど」

真宮寺「……実際に彼女は、赤松さんを引っかいてたんだろうネ」

最原「え?」

最原(……いや。そんなはずはない。ないはず、なのに)

春川「赤松。どういうことか説明して。相当強い力で引っかかれていることは別として……」







春川「この傷、どう見ても付けられてから二十四時間以上が経過してるよね?」

最原「……は?」

ここまで計算済みか、白銀……

最原「……待って! そんなはずは……!」

最原「あっ!」

最原(……確かに、明らかに最近ついたものじゃない……ちょっとだけ、だけど治癒してる!?)

最原「そんなバカな……!?」

百田「ハルマキ! お前、さっき言ってたよな! 無抵抗で射殺されたはずだってよ!」

春川「語弊があったのなら謝るよ! 正確には『銃弾が当たるまでは絶対に抵抗してない』ってこと!」

春川「銃弾が当たった後、断末魔に犯人になにかをしていたとしても不思議じゃない!」

百田「……!?」

最原「な、んで……!?」ガタガタ

百田「終一?」

巌窟王「……アンジー。昨日は一緒にいたはずだな? 赤松にあんな傷があった記憶はあるか?」

アンジー「……なかった。なかったはず、なんだけど……」

アンジー「なんなら、一緒にお風呂入ったんだけどー。そのときにあんな傷があったら沁みて仕方ないんだろうけどさー」

アンジー「でも実際にこうやって目の前にあるんだよねー。なんでだろ?」

巌窟王「……」

アンジー「アンジーの記憶違い?」

巌窟王「最原。お前はこう思っていたのではないか?」

巌窟王「誰かがこの二人に容疑を向けようとしている。それなら、他に何かあるはずだ」

巌窟王「それを偽証だと証明できれば、翻って犯人を追い詰めることができる、と」

最原「……!」

巌窟王「……他に手を考えろ。さもなくば……この裁判は最悪の結果に終わる」

休憩します!

…もしかして新世界で一日経ってたの冗談ではなかったのか…?

もしそうだったならプログラム世界に行っている間に傷付けとけば時間的に合うのか…?

まさかパソコンの時間が狂っていたのって・・・

プログラム世界での傷は現実に反映されるけどその逆は何も反映されないのかな
だったら最後にログインする前か全員ログイン中にでも傷つけりゃバレないのか

あーなるほど…
これが白銀の企んだ最大のトリックか

最原「赤松さん! その傷に心当たりは?」

赤松「ないよ。気付いたのは新世界プログラムから出た直後、なんだけど……」

赤松「……ごめん。本当に何も覚えてないんだよ。いつついたのか、まるで心当たりがなくって」

王馬「へー。そんな嘘吐いちゃうんだ。赤松ちゃん」

赤松「ッ!」

最原「ま、待ってよ! これは多分、他の誰かが赤松さんに仕掛けた罠なんだって!」

王馬「ん? 他の誰かって?」

最原「それは……!」

最原(傷を見てみればわかるはずだった……のだけど!)

星「……最原。他にまともな反論はないのか? 少しは落ち着け」

最原「……そうだ! 誰かが新世界プログラムに入る前に、赤松さんの体に傷を付けたんだよ!」

春川「一番信じたい仮説だけど、見た限りの治癒加減ではそれもないよ……!」

最原「ま、待って。そもそも新世界プログラムと現実世界の時間の流れが同じとは限らないはずだ!」

最原「僕たちが気付いてないだけで、一日経っていたり……とか……!」

入間「……なあ。本気で言ってるわけじゃねーだろ?」

最原「……巌窟王さん……!」チラッ

巌窟王「最原。その可能性はない。ハエが散布されたのは『二十四時間以内』なのだ」

最原「え……」

巌窟王「獄原の知見だ。ハエの卵の状態からほぼ間違いないらしい」

獄原「ごめん。最原くん……巌窟王さんがスパコン室のドアを破壊した以上、夢野さんへの死体への工作も全部、その前に行われていたはずだ」

獄原「だから『ゴン太たちが知らない内に二十四時間、あの世界に閉じ込められていた』という仮説は絶対にないんだよ……!」

最原「そんな! そんなバカな……!?」

最原(あ、あれ……? おかしい。何かが狂ってる。赤松さんが犯人なんて、そんなわけが……!)

最原「……赤松さん」

赤松「最原くん……ごめん。反論したい。当然、私は犯人なんかじゃないんだからさ」

赤松「でも何一つとして身に覚えがないんだよ。どうやって反論すればいいのか、頭が真っ白で……!」

赤松「最原くん……助けて……!」

最原「赤松さん……」

最原(僕の……せいか? 僕が真実を探そうと足掻いたから?)

最原(だからこんな展開になってるのか……!?)

最原「あ、あう……ああ……!」ガタガタ

最原「うわあああああああああああああああッ!」







百田「まだだ。まだ終わってねぇ」

最原「……百田、くん?」

百田「言ったはずだぜ終一……お前の望み通りの結果にならなかったら……そんときゃ俺がどうにかするってよ!」ズガァァァンッ

…蠅の散布は時限装置でも仕掛けておいたんじゃね?

今日のところはここまで!

いいところで終わったなー
明日は何時頃開始するので?

……おやつの時間の15時かなぁ……? ひとまず陽炎の百十塔もクリアしたいっすよねー……

おつ

続きを楽しみにしながらtoeicの試験を頑張るとするか

というかどこかの怪しいクマにあれこれあらかじめ指示しておけば勝手にやってくれるから本人は好きにできるんじゃね

白銀は確実に新世界プログラムを他の奴らより先に出てるよな、ログはないけど巌窟王の怪我の理由知らないし。それかそもそも入ってないね
新世界プログラム入って無防備な赤松に傷を付けて、時間たってからクロバエ散布すればトリックは完成する。

最原は謎の黒髪の男と時間のズレをなんとなくは知ってるけど、反論にできるほどしっかりしたものじゃない。しかも今の状況だと赤松助けるために偽証してると思われても仕方ないから決定的な何かがないとやばいな

そもそも銃持ってるのに撃たれた相手に引っかかれる距離まで接近許すかってのも疑問だ
近づいてきたら撃ちゃいいし、最初からそんな近かったならそもそも心臓とか頭撃つわってなるだろうし
傷にしても赤松長袖なのになんで袖の部分には引っ掻いた跡も付いてなく肌にだけ付いているのか
犯行の間ずっと腕まくりしていたってのもそれはそれでツッコミどころがあるし

春川「百田。何か手があるの?」

百田「あるぜ! だから! ちょっと俺に時間をよこしてくれ!」

春川「……」

春川(絶対ないなコレ)

巌窟王「ほう……時間があるとどうなる?」

百田「知らねーのか? 赤松の無罪を証明できる」ニヤッ

巌窟王「ふむ……信じてみるのも一興か」

巌窟王「ただし。もしもその言葉が単なる戯れの類だったならば、今のうちに訂正しておけ」

巌窟王「……もう騙されるのには飽き飽きだ」

百田「おう! 期待しておけよ!」

春川「百田……」アタフタ

百田「……ハルマキ……」

百田(助けてくれ、というジェスチャー)シュッシュッ

春川(やっぱり何も考えてなかった!)ガビーンッ

春川(……でもこんな状況だけど、アイツが素直に私に頼ってくれるっていうのは、なんか……悪くないな)フッ

アンジー「魔姫ー。どしたのー。凄い上機嫌そうだけど」

春川「私が? 気のせいだよ」

春川「……もしもコレが犯人の偽装工作だったとするなら、暴くことはできると思う」

百田「ああ。犯人に騙されている俺たちは、逆に犯人をあと一歩のところまで追い詰めている!」

百田「詰将棋だぜ。ここから先は、一手上回った方が勝利する!」

赤松「アンジーさん。一緒にお風呂入ったとき、こんな傷はなかったよね?」

アンジー「なかった、と思うけど……あのときのアンジーは結構精神的に参ってたから、あまり記憶に自信が持てなくってー……」

アンジー「……ごめんねー」

巌窟王「アンジーの証言にはあまり期待はできない、か?」

王馬「いや? 万が一、赤松ちゃんが犯人じゃない場合は、翻ってアンジーちゃんが一番怪しいからね?」

巌窟王「後で覚えていろ」

王馬「あれ!? 情状酌量の余地すらない感じだ!」ガビーンッ

星「だが状況はかなり最悪だぜ。時間の方はゴン太の虫の知見の方で間違いはない」

星「本来の死亡推定時刻の方も、赤松の傷の治癒具合と一致しているとなると……」

最原(赤松さんの容疑を晴らすために必要な、僕たちの気付いていない盲点。それは一体、なんだ?)

王馬「やっぱり必要ないんじゃないかなー。赤松ちゃんが犯人だってー!」

赤松「違うよ! 本当に覚えがないんだって! 信じてよ!」

百田「むむむむむ……!」

白銀(……ふふっ。結構悩んでくれてるなぁ。でもまあ、仕方ないか。自信作だし)

白銀(謎解きが高度化してくると、ちょっとした小細工でも効果的なんだよね)

百田「むぎぎぎぎぎぎぎぎ……」

百田「ハッ! そういうことか!」ピコーンッ

白銀「どうしたの百田くん! 何か閃いた?」

百田「アンジーが昨日、寝ている赤松の腕に引っかき傷を付けたんじゃねーか!」

百田「そう! 実はアンジーは寝相が悪かったんだよ!」ズガァァァァンッ

最原「……ふっ……」

春川(凄いアンニュイな笑み浮かべて俯いちゃった……!)

アンジー「アンジーの寝相はそんな悪くないよー! 神様と終一に問い合わせてー!」

巌窟王「そうだな。確かにアンジーの寝相は……む? 待て。何故最原に?」

最原「!?」ビクッ

巌窟王「……」

巌窟王「……」ボォゥッ

最原「無言で炎灯すの本当やめてほしいなぁ!」ガビーンッ

春川(やっぱり百田には荷が重いかな……どうにか私も考えないと……)

休憩します!

巌窟王「……!」ギャーギャー!

最原「……!」ギャーギャー

春川「赤松の容疑を固めているものは……」

百田「?」

春川「偽装されたアリバイ。本当の死亡推定時刻。新世界プログラムから出て来たときの時間」

百田(終一と巌窟王、そしてその他それを庇ったり煽ったりしている生徒の喧噪の中、ハルマキの声だけがすり抜けて聞こえてくる)

百田(本当によく通る声だった。大きな声ではないのに惚れ惚れする)

春川「ハエの散布されたタイミング。夢野の失われた指。そして――傷」

春川「この中のどれかが偽装されていることを証明できれば赤松の容疑を晴らせる上に、新しい証拠すら出て来るかも」

百田「……ハルマキ。もう一回並べ立ててくれ。何か……何か思いつきそうなんだ!」

春川「偽装されたアリバイ。本当の死亡推定時刻。新世界プログラムから出て来たときの時間」

春川「ハエの散布されたタイミング。夢野の失われた指。そして傷」

百田「……!」

百田「それに賭けるしかねぇ!」

春川「え?」

百田「偽装されているものは、赤松の傷そのものだ!」

最原「アンテナの先端が焦げた……アンテナの先端が焦げた……!」ガタガタ

天海「大丈夫っすよ最原くん! もう消し止められてるんで!」アタフタ

王馬「あっはっはっはっは! 座興としては満点だったよ最原ちゃん!」

王馬「さて。それじゃあ投票タイムと行こうか」ニヤァ

最原「!」

最原(……間に合わなかった、か!?)

百田「いや。まだだ。まだ真犯人は決まってねぇ!」

巌窟王「来たか。百田。さあ、お前の理論を見せてみろ」

百田「いいや。俺が見せるのは理論じゃねぇ! 新しい証拠そのものだ!」

百田「それは『見えるけど見えないもの』。俺たちの目を真正面から欺くイミテーション!」

百田「ハルマキ! 立ち会え! テメェのお陰で浮上した証拠だ!」

春川「……本当にあると思う?」

百田「俺を信じろ!」

百田「赤松。ちょっと乱暴するぜ」スタスタ

赤松「え?」

春川「ほら。ハンカチ貸してあげる」

赤松「え。ハンカチ?」

春川「噛んでて。どっちにしろ凄く痛いと思うから」

赤松「……え? 本当に何する気? ちょ、待っ――」

ガシッ

赤松(腕を掴まれた!)

百田「赤松が犯人なわけがねぇ。なら、真相はこれしかねぇだろ!」

百田「不可能なものを除外して、最後に残った可能はどんな場合でも真実だ!」

ガリィッ!

赤松「痛だーーーーッ!?」ガビーンッ

最原「も、百田くん? なんで傷を更に引っかいてるの?」

百田「……!」

春川「どう?」

百田「手ごたえありだぜ!」



バリィィィィッ!


最原「……」

最原「は?」

最原(裁判場に鮮血が舞う。それは百田くんが、回復しかけていた傷を再度抉ったから……?)

最原(違う。これは……百田くんが持っている皮のようなものは!)

最原「シール……?」

春川「違うね。この場合は『特殊メイク』……赤松の『本当の傷の上に張り付けられていたイミテーション』だよ」

あー、これ犯人確定しちゃったな…
特殊メイク使えるのって彼女しかいないでしょ…

百田「傷は二種類あった。まず一つ目は赤松の肌に直接刻まれていた『強い力での引っかき傷』」

百田「そしてもう一つは『俺たちの目を騙すため、あるいは赤松自身を騙す特殊メイクシール』だ」

入間「おい! ちょっとそれを貸してみろ!」

百田「おう」ペイッ

入間「……な、なんだこりゃ……こんなもんに俺様たちは騙されてたのか? こんな安っぽい罠に!?」

春川「文字通りの薄っぺらな嘘だね。でも結構効果的だったと思うよ」

春川「まず見た目が滅茶苦茶リアルだったのが一つ目の理由」

春川「更に、見た目上は治りかけの傷なわけだから痛痒感はあって当たり前。強く掻きむしることもできない。ていうかしたくないよね」

春川「本来の出血の方はシール自身が絆創膏になり止血され、これもバレることはない」

天海「張られていたっていう違和感は……」

天海「いや。傷っすからね。違和感があっても、これまた当たり前っす……!」

最原「で、でも。なんで百田くんは特殊メイクに気付けたの?」

百田「気付いてねーよ」ケロリ

最原「……はあ?」

百田「でも赤松が犯人じゃねーって信じてた。なら傷が偽物で当たり前だろ」

最原「――」

巌窟王「……クハハ。バカめ」ニヤア

百田「バカって言うんじゃねーよ!」

キャー百田さーん
もしかしなくても今回のMVPだな

普通にプログラムから出たのが一日遅れかまだプログラム世界から出てないのかと思ったら
まさかの特殊メイクでしたって…流石にムリがありすぎないか

赤松「……あ……ありがとう、百田くん」

百田「礼なら終一に言えって。俺は約束を果たしただけだ」

最原「百田くん……ずっと疑問だったんだ。なんでキミは、そんなに僕の味方をしてくれるの?」

百田「んだよ。今更水臭いこと言いやがって」

百田「東条の学級裁判のときによ、俺が王馬に疑われたことあったろ。最後に巌窟王を見たのが俺だからってよ」

百田「そんときお前は俺のことを信じてくれた。それだけじゃねえ。お前はいつだって、この学園生活で頑張ってた」

百田「ならよ。俺もお前と同じくらい格好よくならなくっちゃあな! そうだろ?」

最原「……」

アンジー「終一ー。アンジーに神様がついてるみたいにさー、終一にも解斗がついてたんだねー」

最原「……ありがとう。百田くん。僕のことを信じてくれて」

最原「これでやれる。僕たちは真相に辿り着ける!」

百田「犯人がわかったんだな?」

最原「うん。ここまで背中を押されたんだ」

最原「……僕はもう、絶対にひるんだりしない!」ズガァァァァンッ!

休憩します!

でも超高校級のコスプレイヤーらしいトリックじゃない?

白銀が黒幕って知る前に二週目の白銀ヒロインを見てしまったせいで、こんだけ悪役やってる白銀を嫌いになれない

そしてそんな白銀に徐々に近づいている火刑の時間……

ところでBBや女神たちとの通信復旧はあとどれくらいだろう

陽炎85階踏破……!
このペースなら明日にはクリアできる!
あ、明日の更新は夕方以降っす

そう言えば思ったんだけどさ…視聴者の奴らも焼かれるのかなやっぱり?

最原「白銀さん」

白銀「……」

最原「犯人は、キミだよね」

王馬「あれ。また容疑が彼女に向くんだね?」

王馬「今度こそ、間違いないのかなぁ?」

最原「夢野さんの目撃証言を撤回してからも、ずっと僕は彼女のことを疑ってたよ」

最原「だから『赤松さんに対して容疑を向ける思考誘導』の存在にはアタリがついていた」

最原「……まさか、こんなトリックが刻まれていたとは予想外だったけど。今度こそ終わりだよ」

獄原「なんで? どうして白銀さんが怪しいの?」

最原「まず技術的な問題。あのシールが『特殊メイク』だから」

最原「……ねえ。キミならあのシールを制作できたんじゃないかな? いや、どころか他の人に、あそこまで効果的に使用できるかどうかも怪しい」

春川「ただ張り付ければいいってものじゃないからね。肌とシールの間をシームレスに見せるためには、それなりのファンデーションが必要だよ」

春川「できない、とは言わせないよ。超高校級のコスプレイヤー」

白銀「へえ。なるほどなー。いい推理だと思うよ。聞けば聞くだけ感心しちゃう」

最原「……?」

最原(……さっきも思ったけど、なんだこの余裕。追い詰めているはず、だよな?)

最原(いや。というか……むしろ『普段よりも冷静』なようにも見える)

最原(普段はもうちょっと自信なさげで挙動不審な感じだったと思うんだけど……)

最原「白銀さ――」





白銀「いやよく聞くとクッッッソムカつく!」反論!



バリバリバリッ ガシャアアアアアンッ!

白銀「最原くん。それはおかしいよ」

最原「……おかしい? 一体どこが?」

白銀「あははっ! 聞きたい? 聞きたい? なら教えてあげよっか!」ウズウズ

白銀「私に、赤松さんの傷をメイクできたわけがないってさ!」

最原(……なんだ、この態度。まさか、今の今まで猫を被ってたっていうのか?)

最原(まるで愉快犯だ。この危機的状況すら楽しんで……!)

最原(余計な分析は後にしよう。とにかく彼女の理屈を切り伏せる!)

反論ショーダウン真打!

白銀「本当に私にしかそれが使えなかったのかなー?」

白銀「もしかしたら超高校級の美術部のアンジーさんだって作れたかもよ?」

白銀「技術的な問題云々ってだけで私を疑われるのは心外だし」

白銀「『私にはできる』ってだけでは証拠としては全然足りないよ」

白銀「だから早めに撤回した方がいいと思うな!」キラキラキラ



議論発展!


最原「いや。技術的な問題だけじゃない」

最原「言ったはずだよ。見当が付いてたってさ」

白銀「茶柱さんのことを貶めるような嘘を吐いたから?」

白銀「それはさっきも言ったように偶然なんだってば」

白銀「第一、張られている最中は傷本体の痛みで誤魔化せるからと言って」

白銀「『特殊メイクを組み立てている途中では絶対にバレる』よね?」



最原「その言葉、斬らせてもらう!」ズバァァァァンッ!


BREAK!

最原「いや。気付かないよ。というより、気付かない期間があって、それを最大限活用できる人間がキミしかいないんだよ」

白銀「……!」

最原「巌窟王さん。なんでスパコン室のドアを焼いたんだっけ」

巌窟王「新世界プログラムの中に入っている間、無防備状態の体を晒す危険性を失くすためだろう」

最原「結果的に、その懸念は現実になったんだ。議論をここまで進めて、新世界プログラムの入退室のログを見た僕は確信したよ」

最原「白銀さん。キミは新世界プログラムに『一番最後に』入ってるよね?」

白銀「……だから何? それでも時間は足りないよね?」

最原「だからわざわざ『シール』っていう形にしたんでしょう?」

最原「あらかじめクラフトしておいた道具があれば、後は赤松さんの体に傷を付け、用意しておいたそれを張り付ければいい」

茶柱「事前準備で時間を短縮させたっていうんですか……?」

最原「……茶柱さんを夜時間にうろつかせない理由が、アリバイを作らせないためだけだったのかな」

最原「シールを作るとき、間違ってもその瞬間を見られないように。アリバイの件も含めて一石二鳥になると踏んだからわざわざ動いたんじゃない?」

入間「な、なんだよ! エロエロな衣装ってのは嘘かよ! ちょっと見てみたかったのに!」

王馬「入間ちゃーん。それ以上生き恥を晒すのはやめた方がいいよー」

入間「ふぎゃあ!」ガーン!

最原「……巌窟王さんが入間さんの計画を壊したのは翌日だった上に偶然だったから……」

最原「わざわざ『入間さんが失敗したパターン』も想定して作ってたってことになるけど」

最原(……なんでそこまでして勝負を仕掛けにきたんだ?)

白銀「……」

残り十階なので節分完全クリアしてきます! 休憩!



この白銀ちゃん顔長くね?反論台詞的には小さい方だけど

そういえば3話の小さい方は中の人繋がりだったな

踏破した! 踏破した! 踏破したぞおおおおおおおお!
うおおおおおおお!


ドゥン(過労死して冥界に落ちる音)

あの……ごめん。ちょっと檻入って休むんで……続きは明日の夕方……

お疲れ様。温泉にも入ってゆっくりするといいのです(檻ごと放り込む

無理しないでゆっくり毎秒投稿しろ

お疲れ様

お湯ぬるくないかい?今清姫とゲーマーインフェルノと茨木童子に頼んでお湯熱くしてもらってるから頭までゆっくり浸かりなさいよぉ

>>208
カルデア的には三蔵ちゃんだな

図書室のランサー
ホシカンダル
ハルマキちゃん
姉友王シオモン
も現在同じ場所にいるのか

>>215
不夜キャスメイドも追加で

明日からバレンタインか―

白銀「……それで? 他に証拠は? ないのならやっぱり机上の空論だけど」

巌窟王「まったくだ。疑わしきは白。まだまったく足りないぞ」

巌窟王「……俺の業炎の灰と化した後で、やっぱり間違いでしたなど。小気味良いブラックジョークだと思うだろう?」

アンジー「ねえ。つむぎ。お願いだから反論してくれないかな」

アンジー「変に斜に構えないでよー……」

白銀「ん? んー……」

白銀「本当に赤松さんの傷が偽装工作だと思う?」

最原「どういう意味?」

白銀「今回、犯人はひたすら捜査をかく乱させてるじゃない?」

白銀「だったらブラフにブラフを重ねて赤松さんが自分で自分の腕に特殊メイクをしかけた可能性も……」

百田「いや。本当の傷の方は本当に、つい最近ついたものだ。丸一日も経ってねぇ」

春川「百田の乱暴のせいで、傷口が無駄に増えたりはしてるけど。うん。私も立ち会ってたから証言するよ。間違いない」

赤松「二人とも……!」

白銀「だからって私が、新世界プログラムに入る直前にやったとは言えないよね?」

白銀「スパコン室に入る以前にも機会は……」

最原「あったと思う? 茶柱さん」

白銀「!」

茶柱「そうですよ。赤松さんはずっと転子たちと夢野さんを捜索してたんです!」

白銀「じゃあそれよりも以前だったんじゃない?」

キーボ「……それより以前って、アンジーさんとのお泊り会ですけど……」

アンジー「いやいや。流石に特殊メイクなんか同じ部屋でされたらアンジーも気づくってー!」

白銀「寝ている最中にしたのかもよ!?」

真宮寺「あのさ。いかな特殊メイクと言えど。いや、特殊メイクだからこそ、そんな長時間は維持できないヨ」

真宮寺「夢野さん捜索時に特殊メイクをしたわけではないのなら、それ以前にやっても意味はない」

真宮寺「テープの粘着は水や熱、その他肌からの分泌物で簡単に剥げちゃうからネ」

星「詳しいな」

真宮寺「ククク」

最原「短時間で決着を付けなければならない学級裁判だからこそのトリックだよね」

最原「百田くんがいなかったら自然にバレる前に投票タイムだったかもしれない」

星「お手柄だな。まあ、やり方は間違いなく乱暴そのものだったが」

百田「ハッ……まさかテメェに褒められる日が来るなんてよ」

獄原「それじゃあ、やっぱり白銀さんが犯人……?」

白銀「……」

白銀「なんで赤松さんに容疑を向けようとしたんだろうね?」

最原「……なんだって?」

白銀「ねえ。なんで赤松さんに、犯人は容疑を向けようとしたんだろう?」

白銀「最原くん。どうしてだと思う?」ニコニコ

最原「さっきからどうしたの、白銀さん。話を逸らそうとしてるの?」

白銀「ふふふ……ふふふふふ……」

巌窟王「……最原。答えてやれ。なにやら様子がおかしい。先ほどから一切の裏が見えなくなった」

最原(……赤松さんが狙われた理由か。まったく心当たりがないわけじゃないけど)

最原(凄く不気味だ。一体何を考えているんだ?)

最原(胸騒ぎがする)

夕ご飯の休憩!

最原「ここまでたどり着くために、一つすっ飛ばした謎があった」

最原「その謎も、二人の容疑者を示しているんだよ」

アンジー「あれれー? またアンジーが疑われちゃう感じかなー」

最原「いや。こっちの場合の容疑者は二人。白銀さんと赤松さんだ」

赤松「また私?」

最原「犯人は最終的に、赤松さんになんとしてでも容疑を向けたかったんだろうね」

最原「だから、あえてこの証拠が残されてたんだ」

最原「ファイル作成デバイス……それに内蔵されている時計だよ」

百田「ああ。なんかわかんねーけど時間が狂いまくってたな?」

王馬「キー坊の体内時計よりはマシだけどね」

キーボ「ボクは毎日早寝早起きです!」

キーボ「おっと。王馬クンに気を取られている場合ではありませんでした」

キーボ「……確かに時計が狂っていますが……これが?」

最原「うん。これ単体ではあんまり意味のない証拠なんだけど……」

最原「修繕直後の時計の状況と、中身のファイル情報と照らし合わせてみれば意味がわかるはずだよ」

入間「修繕直後の時計の状況っつったら、あー……」

春川「修繕直後では午後八時前後の時間を指し示してたはずだよ。忘却補正のある巌窟王に聞いてみれば?」

巌窟王「春川の証言は真だ。間違いない」

最原「じゃあ、犯人がこのファイル作成デバイスで具体的に何をしたのかを考えてみよう」

最原「犯人は多分、このファイル作成デバイスを使うこと、その後破壊することをモノクマに宣言したんだ」

最原「当然、モノクマは渋っただろうけど……モノクマルールのせいで強く制限はできない」

最原「その翌日に行われるであろう入間さんの事件のモノクマファイルも作れなくなるし」

最原「もしかしたらその腹癒せだったのかもしれない。モノクマは夢野さんのファイルを作るついでに、ある重要な証拠をここに残したんだ」

キーボ「それは?」

最原「『欠番となった第四の事件』の記録だよ」

星「……それは入間が巌窟王の介入によって、計画を破綻させたから無くなった……」

星「というわけじゃねーのか。その口ぶりだと」

最原「『入間さんの計画のことがわかっていた』上で『その前にモノクマファイルが破壊されることが決定した』からだと思う」

白銀「……」チラッ

モノクマ「……うぷぷ」

白銀「……チッ……」

アンジー「え。なんで舌打ちしたのー?」

最原「入間さんの事件が決行される前に、このパソコンは壊されていたんだ」

最原「そして夢野さんのファイルに関しては、当然ながら『夢野さんが死んだ後』じゃないと書けない」

最原「じゃあ、具体的に、どのタイミングでこのパソコンは壊されたのか」

最原「……午後八時だったんじゃないかな?」

天海「……いやまあ、納得はできるんすけど……」

天海「パソコンを壊されたときに時計が止まって、入間さんが修繕したと同時に時計も動き出した、と考えれば、確かに」

天海「でもそれがなんだっていうんすか。特に事件に関係は……」

春川「関係はあったと思うよ」

天海「え?」

春川「……また巌窟王に頼ることになるかもね」

巌窟王「……」

今日のところはここまで!
明日のバレンタインまでに備えられることとはなんだ。
神とはなんだ。神とは……そう。神とは諭吉ウォリアーだ

偶々一緒にいなかったからなすり付けられたのか
無実が証明されたとはいえ赤松踏んだり蹴ったりだな

赤松さんの不幸はこの後にもあるからな……確か

バレンタインガチャはスルーして頼光さんとゴールデン追うわ

あの……えっちゃんは……(震え声)

えっちゃんなら俺の横で和菓子食べてるよ

セミ様って神性持ってたっけな……かなり後で更新します

召喚できちゃったよ!
あ、やっぱり天草くん以外にはクソドSなんすね

>>231
おめでとう!取り敢えず>>1の家に巴さんの宝具放って貰うわ

>>231
おのれ…ヘラクレス、>>1を蹂躙しろぉ!!(爆死した)

最原「巌窟王さん。昨日の……じゃなくて、一昨日の午後八時に何してたか教えてくれるかな?」

巌窟王「……入間とアンジーの悪夢への対処について打ち合わせをしていた」

最原「そのとき、食堂にいなかった人のことを教えてほしいんだ。何人で、誰だった?」

巌窟王「白銀。赤松。夢野の三人……いや、正確に言うとアンジーもだが」

最原「ん? あ……あー、確かに。正確に言うなら、ね……」

巌窟王「……最原。お前も覚えていたな? わざわざ俺に確認する必要があったか?」

最原「いや。巌窟王さんのスキル以上に信用できる『記憶』もないし」

最原「裏を取るって用途においては便利だしさ」

巌窟王「英霊を証拠品扱いか。業突く張りめ」フッ

アンジー「あ、これ褒めてるよー。良かったね終一ー!」

最原(わ、わかりにくい……アンジーさんが言ってるのなら間違いないんだろうけど……!)

天海「そうか……赤松さんは一昨日の食堂にいなかった!」

天海「少なくとも午後八時前後には!」

最原「うん。だから選ばれたんだろうね。自分と同じ時間帯にアリバイのない赤松さんをターゲティングした理由がコレだよ」

最原「……パソコンの時計だけはどうしようもなかったってことかな」

春川「入間。どう?」

入間「んー……まあ俺様か巌窟王ならパソコンの時計を無理やり弄ることは可能だろうが」

入間「逆に言うと普通の手段では操作できねーな」

獄原「パソコンに内蔵されてる時計だよね? そんな難しい操作が必要だとは思えないんだけど」

入間「知らねーよ。なんか知らねーけど操作できねーんだ」

モノクマ「ああ。首謀者権限のロックのせいだね、それ」

モノクマ「あ、ちなみにロックをする前に時計を弄ったとしても……」

モノクマ「ロックをかけた瞬間にマザーモノクマとデバイスが同期して時計の時間のズレを直しちゃうんだ」

真宮寺「ロックされた状態でデバイスの時計を弄ろうとするなら技術、もしくはイリーガルな手段が必要ってことだネ」

白銀「ふふっ。いや、この文脈だと『犯人にとって時計の狂いは不本意なもの』だったんでしょ?」

最原「……不本意なら不本意なりに、赤松さんに罪を着せる偽装工作として転用したんだろうけど」

白銀「転用するしかなかった……とも言えるね!」ニコニコ

百田「白銀! お前本当にどうした! なんでそんなヘラヘラしてられんだよ!」

白銀「……」ニコニコ

セミ様を育成するのでちょっと今日は短め!
今日のところはここまで!

歴代サーヴァントで姉友ポイントが一番高いのは誰ですか?

↑塩は割と寛容だからなぁ…それこそ世界に召し上がられた存在なんて殆ど対象内っぽくない?
駄目な奴探した方がはやいかも。

>>238
刑部姫は第一印象ではアウトだけど今回のバレンタインイベント見たら友達認定されると確信した

最原「……巌窟王さんがアンジーさんとのお泊り会を提案したのは正真正銘、犯人にとっての幸運だったはずだよ」

最原「そうでなければ、他の手段で犯人が赤松さんにアリバイを用意しただろうね」

最原(いや。もしかしたらモノクマが何かした可能性もあるな……首謀者ならちょっとくらい強引な手段でも使えたはずだ)

赤松「その必要はなかったと思う」

最原「え」

赤松「入間さんのところに電子ピアノ持ち込んで、お詫びにオールで何か弾こうと思ってた矢先での提案だったからさ」

赤松「どっちにしても私にはアリバイができてたと思うんだよね」

入間「お願い。本当、必要とあらば土下座もするから、もう俺様に善意で何かしようとしないで。今度こそ死にそう」ガタガタ

赤松「!?」ガビーンッ!

最原「あ、ああ……なるほど。じゃあそれも監視で知ってたから計算に込み込みだったのか……」

キーボ「そういえばモノクマから貰ってましたね……電子ピアノ」

アンジー「そうは言ってもさー。『そのときは犯人がどうにかしたのかも』って推理したところで、実際にその手間は省けちゃったわけだからー」

アンジー「この仮説には何の意味もないよねー?」

王馬「巌窟王ちゃんが余計なことをしなければ、証拠が増えてたかもしれないね。犯人の手数が多ければ、それだけ残るのが証拠でしょ?」

王馬「いや本当、場を悪化させる天才だよねー! 前世は嫌気性生物かなにかだったの?」ケラケラ

アンジー「……何リットルまでなら抜いても大丈夫?」ギロリ

王馬「何が!? あ、血か! 血のこと言ってんの!?」ガビーンッ

獄原「王馬くん。そろそろ二人のことをイジるの危険だからやめようよ。残った一人に復讐されちゃいそうだしさ……」

王馬「だが断る」

百田「救いようがねェ」

白銀「まだ足りないな」

最原「……え?」

白銀「まだ全っ然足りないんだよ! 私が犯人だと断じる証拠がさ!」

白銀「伏線回収ご苦労様! じゃあ、話を本筋に戻そうか!」

白銀「私は犯人なんかじゃないんだよ! この主張、どうやって切り崩すの?」

白銀「ねえ! どうやって切り崩してくれるの?」ワクワク

巌窟王「……」

巌窟王「もう決まりだ。少なくとも俺の中ではな」

巌窟王「……白銀。何を企んでいようと無駄だぞ。その肥大化しきったエゴごと地獄の底へ叩き込んでやる」

白銀「……怖いなぁ」

最原「さっきからどうしたんだよ、白銀さん! 真面目に学級裁判をする気があるの!?」

最原「お願いだから、まともに反論してよ。僕はそれを待ってるのに……!」

白銀「……勝ちたいから?」

最原「えっ」

白銀「ねえ。最原くん。キミもしかしてさあ、この学園生活のこと嫌いじゃないでしょ」

白銀「いつ死ぬかわからない疑心暗鬼の学園。定期的に開催されるスリリングなデスゲーム!」

白銀「ねえ! 楽しかったんじゃないの? 赤松さんを、東条さんを、真宮寺くんを追い詰めたとき、ドキドキしなかった?」

白銀「……入間さんが事件を起こさなかったとき、内心すごーくガッカリしてたんじゃない?」

最原「な、何言ってるんだよ。僕がこの学園生活を楽しんでるわけ……!」

春川「……?」

春川(楽しむ?)

春川(なんだろう。凄く頭に引っかかる。これは、既視感……?)

春川(私は明確になにかを見落としている?)

最原「……楽しんでる、わけが……!」

アンジー「終一?」

最原「……」

最原(否定……できるのか? 白銀さんの言うことを)

最原(……できないかもしれない。興味がそのまま『人が全力を出せる範囲』を限定することは間違いない)

最原(僕は心のどこかでは、推理で人を貶めることを楽しんでたのか……?)

百田「そんなわけねーだろ」

最原「……百田くん?」

百田「テメェみたいな愉快犯と一緒にすんじゃねーよ、白銀」

百田「少なくとも、終一は仲間を殺したりなんかしねぇ! 裏切ったりもしねぇぞ!」

最原「!」

巌窟王「……綺麗ごともそこまで行くと、ただただ滑稽だな」

巌窟王「クハハハハ! 最原よ! 背徳を楽しむことに何の不思議がある?」

巌窟王「それは誰の心にも間違いなく存在する心の闇だ。ごくごくありふれたものでしかない」

巌窟王「白銀の弁の間違いはただ一つ。『それが存在すること』ではなく『それが恥ずべきこと』だと断じていることに他ならない!」

百田「ちげぇよ! 終一の教育に悪ィこと言ってんじゃねぇ!」

巌窟王「無菌室で育てることの方が余程不健全であろうさ!」

茶柱「この二人はもう……一周回って相性抜群ですね……」

春川「二人とも。そこまで。話が脱線してるから」

巌窟王&百田「……」バチバチバチッ

アンジー「あらら二次会はガン飛ばし合戦になっちゃったみたいだよー」

真宮寺「もう放っておこうヨ。静かになっただけマシだから」

休憩して! チョコ作ってきます!
九時過ぎてたらもう今日は更新しないで明日に持ち越します!

乙乙
先週までのイベントの難易度が高かったせいかバレンタインイベントの周回がめっちゃ楽

白銀ちゃんがおしおきを受けたあとに解除されるであろうロックの内容のこと考えると、
巌窟王に生徒たちが染められれば染められるほど絶望は強くなるし、
そう考えると今回の白銀ちゃん強すぎだし早く投票終わらせたい王馬君の先読みもすごすぎる……

でも逆転の人いわくこの後白銀可愛くなるって言うけど…ホントなのかね?

逆転さーん、上のホントなんですかー?

星君が慰めるのかね、地味に白銀と絡み多いし

このあと(岩窟王と一緒に二週目して)可愛くなる
最原が岩窟王に憧れる前に最原が惚れればセーフ

>>250
それ面白そうやな

まだ解放されてないのって
・思い出しライト作る教室
・百田、王馬、天海、キーボの研究教室
・デスロードの出口の扉
・エグイサルの格納庫

他に何かあったっけ?

どう転んでも(原作展開以外)ダンガンロンパ的に良い結果になる今回の白銀が二週目みたいに可愛くなるのは全然想像できないな…。どうせなら強キャラムーヴのまま終わって欲しいが…

おしおきを受ける女の子ってかわいいでしょ?

あっ(察

最原「……ものは考えよう、かな」

最原「白銀さん。もうすべての謎は解けてるんだ。赤松さんの特殊メイクが発覚した直後にね」

最原「どうしてキミは夢野さんを殺したりしたの?」

白銀「えっ? 私が? 夢野さんを?」

白銀「……最原くん! 私が仲間を殺したりするわけないじゃん! 悲しいこと言わないでほしいなぁ?」ニコニコ

王馬「……」

王馬「なーんか嘘臭いなぁ……ねえ最原ちゃん。本当に全部の謎が解けてるの?」

王馬「前の真宮寺ちゃんの事件みたく『事件の真相以上に大切な謎』がある可能性は?」

最原(ある。この裁判中で決着を付けることができてない宙ぶらりんのファクターがいくつか)

最原(……確かに不気味すぎて手を出すのが憚られるってのはあるんだよな……)

最原「……それでも決着は付けよう。今までと同じだ。真相を暴かない限り、対処法なんて思いつかない!」

白銀「いいよ。じゃあ、そろそろ終わりにさせようか」

白銀「……最終的に生き残るのは誰になるか楽しみだよッ!」ギラリ

そういえば赤松はおしおき未遂、キルミーはほぼ完遂……対して塩は……あっ

ああ、まさか…もう一人死ぬのか…

最原「ずっと疑問に思っていたんだ。図書室の時限発火装置のことについてさ」

最原「だって、アレって夢野さんの指を燃やすためだけに作ったにしては随分と大がかりすぎだよね」

最原「入間さんのタイマーを使って、彼女の動揺と疑惑の擦り付けを誘う目的もあったのかもしれないけど……」

最原「アレのせいで巌窟王さんが隠し扉を見つけることになったわけだし、やっぱりデメリットの方が大きすぎる」

最原「……そもそも、首謀者がコロシアイのゲームに則って勝負を仕掛ける理由が、どうしても見つからない」

天海「俺たちを皆殺しにするのなら、最初からエグイサルを使って全員をミンチに変えればいい話っすもんね」

最原「ただこの違和感を払拭する方法はなくもないんだ。つまり『犯行を隠すための行動』ではなく、犯人に『そのほかの行動原理』があったとしたら」

最原「……白銀さん。巌窟王さんが赤松さんの裁判のときに言った言葉を引用するよ」

最原「殺人の一番厄介な性質は、自慢したくなることだ」

最原「原因はまだ見当も付かないけど……これまでの議論で、今のキミの態度を見て、フェアすぎる謎を見て思ったよ」

最原「……モノクマと同じだ。僕たちに『謎解きのゲーム』をさせたいんだろう?」

春川「!」

春川「……それだ。既視感の正体がやっとわかった」

春川「入間!」

入間「えっ。ふえっ? な、なに?」ビクビク

春川「アンタの作ったゲームと同じだよ! 謎が解けるって点において、この事件はあまりにもフェアすぎる!」

王馬「……」ニヤァ

………ん?でも元々そのつもりで事件を起こしていたらそれっておしおきになるのか?
逆に殺さないのが最大のお仕置き?

このコロシアイが実は外の連中のエンターテイメントだって遂に判明かな

そう言えばこのSSの白銀、どういうタイプの黒幕なんだろう
本当にチームダンガンロンパの社員なのか最原たちみたいに植えつけられたのか

最原「……もっとハッキリ言おうか。今回の事件、キミは徹底的に凝ったものがあったよね」

最原「トリック本体ではなく、そう……こう言おう。演出に力を入れ過ぎてた」

最原「損壊の酷すぎる夢野さんの遺体。暴かれた隠し扉。時限発火装置は決戦の狼煙のつもりだったのかな」

最原「キミはこの事件を最後の殺人事件にするつもりだったんじゃない?」

最原「そうでないと説明が付かないよ。首謀者が起こしたことが間違いない事件なのに、使っている手段がフェアすぎる」

最原「モノクマルールで、暗に反則を容認されているにも関わらず、だよ? あまりにも話が出来過ぎてる」

白銀「……で?」

最原「……いや。で? って言われても……」

白銀「それが何? あのさあ。話が脱線してるんだよ」

白銀「私が犯人なら、さっさと証拠を出してよ……あんまり焦らさないでよお……」ニヤニヤ

巌窟王「……コイツ……」

最原「わかってる。話を逸らしているつもりはないよ。ただ『今回の犯人はこうだった』っていう前提がないと、話がスムーズに進まないんだ」

最原「思えば、最初から疑問に思うべきだったのかも。あのとき、なんでタイミング良く茶柱さんが僕のいたところに降りて来たのか」

最原「……茶柱さん」

茶柱「……ああ。そうか。そういうこと、ですか」

茶柱「最低です。あまりにも……それが本当なら、あまりにも、酷い……!」ポロッ

赤松「ちゃ、茶柱さん? どうしたの? なんで泣いてるの?」

白銀「そうだなぁ。『もしも』私が演出重視で事件を起こしたのだとしたら……」

白銀「何が何でも茶柱さんにだけは夢野さんの遺体を見て欲しいよね!」キラキラキラ

巌窟王「!」

白銀「あっはは! いや、まあ私は見てないから全然知らないんだけどさあ!」

白銀「だぁって、夢野さんの状態って本当に酷かったんでしょ? ハエがたかってたり腐ってたり胸が大きく開かれてたりさあ」ケラケラ

白銀「私が首謀者なら確かに! 茶柱さんにだけは絶対に見て欲しいなって思うよ! それは間違いないなあ!」

白銀「当然! 今回の場合は、茶柱さんを下に向かわせたのは偶然だけどね! ふふっ!」

百田「……!」

真宮寺「あまりにも酷いネ……吐き気がするよ」

赤松「もうやめて! 聞きたくない! それ以上口を開いたら……!」

白銀「あっはは! なに? 今度は間違いなく私を殺すの?」

白銀「……また間違えて巌窟王さんが死ぬんじゃない?」

赤松「ぐっ……!」

最原「……実際に聞いたわけじゃなかったけど、本当にそうだったんだね」

最原「ごめん茶柱さん。僕がちゃんとキミを止めることができていれば……!」

茶柱「違う。違います。この場合、悪いのは……転子が憎むべきなのは……ッ!」ギロリ

白銀「……」

白銀「……やめてよぉ! そんな顔で私を見ないで!」

白銀「だって……だって、仲間なんだよ! 私が夢野さんを殺すわけないじゃんッ!」

白銀「……東条さんみたく、もう存在しないもののために無駄な努力をして大迷惑をかけたりするわけないじゃん!」

東条「うっ……!」

白銀「もう……やめようよ……仲間同士で争うのはさ……ずっとみんなで一緒に、ここで暮らそうよ……」ポロポロ

白銀「……私たちに、帰る場所なんてもうないんだからさぁ!」

百田「もうやめろッ!」

百田「もう……やめてくれ……! これ以上、わけのわからないことを言われたら……!」

百田「怒りでどうにかなっちまいそうだ……!」

白銀「……終わりたいの?」

白銀「ならさ。もうわかってるよね。もう何回もしてるんだもんね」

白銀「終わらせるために必要なものが、なんなのかさ」

最原「証拠でしょ。もちろんあるよ」

最原「……お前なんかに言われなくたってわかってる」

白銀「……」ニコニコ

巌窟王「最原。まさか止めるとは言うまいな?」

巌窟王「……やっとだ。やっとだぞ。このときを俺はずっと待っていた!」

巌窟王「さあ。早く終わらせろ! 自分で自分の内臓を、喉を、舌を激怒で炭化させてしまいそうだ……!」

最原「……わかってる」

最原「今ので確認が取れた。キミは事件の撹乱よりも優先させているものが間違いなくあった」

最原「だからこそ、そこに決定的な隙が生まれたはずだ」

最原「……これで終わらせて見せる。すべてを!」

あーこれは死ぬの確実かな…?

今日のところはここまで!



夢野殺害と全員をここまで嘲笑った以上誰も助けも生かすつもりもないだろうな

乙!良いところで―!!
最終的にどれくらい生き残るのかな?

そう言えばスパコン室の謎も明らかになってないよね

これが最後の事件ならもうコロシアイもないとは思うがさて…

乙です
なんか白銀さん、キャスター・リンボ以上に一切嘲弄してるな…
やっぱり終盤の壮大なネタばらしのために溜めてるんだろうか…

ここまで来て夢野の死体がダミーとかいう可能性

この時点で300レス間近
本当にこのスレで終わるのか不安になってきた!

最原「入間さんのエレクトボムが見つかったのは白銀さんの研究教室周辺なんだよ」

最原「僕たちがスパコン室から脱出した直後から入間さんはそこにいて、その後は赤松さんが行っただけ」

最原「なら、化粧道具の類はどこに行ったんだろう。どこに処分したんだと思う?」

白銀「……!」

星「化粧道具? 何のことを言っている?」

最原「さっき春川さんも言ったけど、特殊メイクはシール単体だと意味がないんだ」

最原「シールと肌の間の差を埋めるためには、それなりの道具が別途必要になるはずだよ」

最原「それはおそらく、赤松さんの傷とシール本体を詳しく調べなおせばわかるはずだ」

最原「そして……白銀さんはそれを『まだ』処分していない。いや、できていない。迂闊なところに放置できないからね」

最原「今まで特殊メイクが使われているという発想が出なかったことからも明らかだ。絶対に適当な場所には捨ててない」

白銀「……これのこと? 悪いんだけど、コスプレイヤーなら持ってて当然じゃない?」ヒョイッ

獄原「あ、あれ。普通に出しちゃってるけど」

最原「……ここまで来て、ハッタリをかませるのは凄いと思うよ。もう引っかからないけどね」

白銀「で。コレと赤松さんの傷口に使われたものが同じだという保証は? できるの?」

白銀「あははっ! できないよ! だってこれ私の研究教室からじゃなくって、倉庫から持ってきた何の変哲もない……」

巌窟王「カタログにそんなものは載っていなかったぞ」

白銀「……は?」

巌窟王「聞こえなかったか? 倉庫の備品カタログに、そんなものは一切なかったと言っている」

白銀「――」

最原「……余計な嘘を吐いても逆効果だよ。巌窟王さんの忘却補正があるから」

最原「白銀さん。それを僕たちに貸してくれないかな? もしも百田くんの剥がしたシールの裏側……」

最原「つまり粘着部分にちょっとでも、その化粧品のパウダーが付いていたとしたら」

最原「これで、この上ない証拠と言えるんじゃないかな?」

春川「今までシールを触った入間と百田には、ほとんど嫌疑がかけられないからね」

春川「……証拠の偽造の可能性はないよ。微塵も」

あーこれ終わったな

化学捜査出来ないのに同じ成分なんて証明出来ないと思うが
化粧品なんて見た目はどれも同じだろう

白銀「ふふ」

白銀「ふふふふふふふふふ……」

白銀「あははははははははははっ」

白銀「あーっはっはっはっはっはっはっはっは!」

白銀「はいどうぞ」ペイッ

巌窟王「よし」パシッ

巌窟王「……」

巌窟王「ほとんど無臭だな……化粧品だというのに」

白銀「そこら辺が売りでさー」

巌窟王「百田。どうだ?」

百田「いやわかんねーよ。顕微鏡でもあれば話は別だけどよ」

獄原「あ。ゴン太に任せて。粒の形と色を見ることができると思うから。明かりが必要だけど」

キーボ「明かりなら任せてください!」ピカーッ

獄原「……ふむ……ふむふむ……」

獄原「こ、これは……そんなバカな!」ガビーンッ

赤松「ど、どうしたの!?」

獄原「色が一致したよ。間違いなくこの化粧品だね」

最原(紛らわしいよ!)

巌窟王「デバイスさえ使えればBBの精査で更に確実に調べられただろうが……」

巌窟王「贅沢は言うまいさ。獄原の視力も規格外なことは間違いない」

白銀「視力6.0だもんね! アレもちょっと見えちゃってたみたいだし……」

獄原「アレ?」

白銀「ううん! なんでもないなんでもない!」

白銀「……さて。おめでとう、と言うべきかな? ついに辿り着けたね、最原くん!」ニコニコ

最原「やっぱりキミが犯人だったんだね」

白銀「……」

白銀「ああ。夢野さんの件に関しては今となってはどうでもいいでしょ」

白銀「大事なのは判明したもう一つの事実でさ?」

赤松「どうでもいい……? どうでもいいって……?」ガタガタ

白銀「どうでもいいよ」

茶柱「……許さない。転子は絶対に許しませんよ。何もかも……!」

白銀「そういうのも後でいいんだってー。ね? 最原くん」

最原「……白銀さん。本当にキミが首謀者なんだね」

休憩します!

白銀「首謀者か首謀者でないか……それに明確に答えがあるとすれば、私はこう答えるしかないね」

白銀「はい! 白銀つむぎは、このコロシアイゲームの首謀者でーっす!」

ピコンッ

モノクマ「あ。キーワードが確認されたから、首謀者権限のロックが解除されたよ」

春川「え? あ、本当だ。なんか項目が増え……」

春川「……増えすぎだよ。調べるの時間かかりそう」

百田「待て! 今の今までかかってたロックが、なんで今解除されるんだ?」

天海「音声認証だからっすよ。つまり、今ので完全に確定っす」

天海「……白銀さん……!」

星「この学園生活において、アンタだけが正真正銘心の底から学園生活を楽しんでいた」

星「王馬に関しては言ってることと考えてることがまるでわからなかったから除外するが」

星「……なるほど。こういうことなら納得だな」

白銀「で? で? どうする? 何が聞きたい? 何を知りたい? 何一つとして答えないけどさ!」

白銀「……今更聞いたところで手遅れのことが多すぎるし」

巌窟王「いや。必要はない。そんな時間は後でいくらでも作ることができる」

巌窟王「……投票タイムだ。せめて貴様が作ったシステムで死ね」

白銀「本当にそれでいいの?」

最原「え?」

白銀「それならそれで構わないんだけどさ」

最原「……」

最原(どういう意味だ? まだ何かあるのか?)

最原(……いや。議論はこれで終わったんだ。コロシアイもこれで終わる……)

最原(終わるんだ……全部!)





アマデウス斎藤「聞くがいい! 俺の反論を!」反論!

最原「んっ!?」

春川「これは……例のあの仮面!」

アマデウス斎藤「混迷を極めた裁判場、駆けつけかしこみ、オブジェクション」

アマデウス斎藤「いいや。投票タイムはさせないっす。まだ!」

アマデウス斎藤「確かに俺も白銀さんが憎い! コロシアイが憎いっす!」

アマデウス斎藤「だからと言って、ここで終わらせていいんすか!?」

最原「……!」

巌窟王「ほう。いきなり現れてご挨拶だな。アマデウス斎藤……十七人目の高校生よ!」ギンッ

最原「天海くんだってば!」

巌窟王「……!」ハッ

巌窟王「そうだったな」

アンジー「いけない。アンジーもすっかり忘れてたよー」

最原「……天海くん。それはどういう意味?」

アマデウス斎藤「アマデウス斎藤っす!」

最原「それはもういいから! 本当に!」

アマデウス斎藤「そもそも、この裁判自体がおかしいっすよ!」

アマデウス斎藤「いきなり正体を現した首謀者が犯人で、しかも自分が用意したシステムで裁かれようとしている……」

アマデウス斎藤「俺たちを今まで脅かしていた害意の真価は、この程度のものだったんすか? 怪しすぎるでしょう!」

最原(一理ある……けど)

最原「……だからって代案があるの?」

アマデウス斎藤「それは……ないっすけど……」

アマデウス斎藤「それでもこの裁判をまともにやる価値があるとは思えないっす!」

アマデウス斎藤「コロシアイに勝つって、こういう意味じゃないっすよ! 俺が考えるコロシアイに勝つっていうのは、もっと……!」

アマデウス斎藤「……ゲームに則って勝つんじゃない。ゲームそのものをぶち壊して勝ちたいんす……!」

アマデウス斎藤「俺は……俺は……!」

最原「……」

最原「モノクマ。取引しよう」

モノクマ「ほえ? 取引?」

最原「このまま行けばコロシアイの首謀者である白銀さんは、おしおきか、さもなくば巌窟王さんに燃やされて死んでしまう」

最原「それはお前にとっても避けたい事態だろう?」

最原「だから、提案があるんだ。もうちょっとだけ猶予が欲しい」

巌窟王「最原?」

最原「……つまり、投票を保留してほしいんだ」

白銀「!」

モノクマ「具体的にいつまで?」

最原「……」






最原「三日。これしか考えられないな」

お?意外な展開になったぞ?

モノクマ「……うぷぷ」

最原「……どう?」

モノクマ「残念! そんなに待てないよーだ!」

キーボ「は? いや、最原クンの要求も中々に無茶なのは百も承知ですけど」

キーボ「首謀者ですよ? 首謀者の白銀さんが死んだら、モノクマだって困るはずです!」

白銀「……」

最原「どうしたの白銀さん。さっきまでの薄ら笑いが消えてるよ?」

白銀「ッ!」

最原(この事件、まだ裏があるんだ。僕らが見えていない、何らかの裏が……!)

最原(冷静になれ。僕が目指しているものは、決して首謀者の打倒なんかじゃなかったはずだ! 目的と手段を見誤るな!)

最原「一度、この事件を整理してみよう」

最原「……ありがとう天海くん。ちょっとだけ冷静さを取り戻せた」

アマデウス斎藤「えっ?」

最原「……頭を冷やしたい。だからこの事件を一回振り返って……冷静になって」

最原「それからみんなで考えよう」

最原「この裁判の着地点をどこにするか。それを、みんなでさ!」

休憩します!
次はクライマックス推理だけどちょっと整理したいんで……

まだ第一の事件の裏とか天海くんとか外の世界とか終わってないからな

ツイッターをちょいちょい見てる上に宣伝もツイッターでしてるので、パソコン版なら下の方にあるツイート、スマフォならやっぱり下の方にあるツイートのボタンを押して呟いてくれると、私が嬉しい!

百田の病気もあるよね

Twwitterのアドレス教えて

ついでに>>1のFGOでのアカウントも教えて

スレタイで検索しなさいな

へ?

クライマックス推理

最原「すべての犯行を暴くためには、時間を巻き戻す必要がある」

最原「始まりは一昨日。その昼の間のことだ」

最原「巌窟王さんから聴診器をプレゼントされた夢野さんは、女子トイレで隠し扉を発見」

最原「昼の間だったということもあって、周囲の明るさに警戒心が緩んでいた彼女は中へと入ってしまった」

最原「それが悲劇の始まりだったんだ」

最原「そこで彼女は、今まで僕たちが図書室の向こうにあると思っていた隠し部屋の中を見てしまった」

最原「おそらく、すぐに誰かを連れてこようと思ったはずだよ」

最原「でもその部屋の主……つまり、首謀者がそれを許さなかったんだ」

最原「具体的に何が気に障ったのかはわからない。僕たちがあの部屋に入ったときとはきっと様相が違ったんだろうね」

最原「理由はともかくとして、夢野さんに口封じをする必要が出た犯人は最悪の手段へと移った」

最原「夢野さんを銃殺したんだ……」

最原「そのとき使った銃はM500のような常軌を逸した威力を持つものではなく、女性でも使えるような小型銃だったはずだよ」

最原「夢野さんの死体の損壊は、銃殺にしても小さかったからね」

最原「夢野さんを殺害した犯人は、特に慌てることもなく冷静に偽装工作を始めた」

最原「まず夢野さんの遺体を徹底的に腐敗させることから始めたはずだよ」

最原「そして次に、犯人は『通常の生徒では絶対にありえない方法』を使った偽装工作を開始したんだ」

最原「学園の監視を利用した犯罪……そう。犯人が首謀者だと思われる根拠がこれだよ」

最原「監視によって冤罪を被せられそうな生徒をリストアップした犯人は本格的に行動を開始した」

最原「まず夢野さんの遺体を損壊させた後で……」

最原「モノクマファイル作成デバイスを使って、偽の死亡推定時刻をでっち上げたんだよ」

最原「もちろん、監視したからと言って完璧に生徒の行動を予測できるわけじゃないから、ある程度は犯人自身が動くこと前提でね」

最原「ただし、おそらくモノクマ自身が腹に据えかねていたからか、一つだけ不自然なものがモノクマファイルの中に残った」

最原「第四の事件の記録……記入されることはなかった『入間さんの事件』のモノクマファイルのキャッシュだよ」

最原「犯人はターゲティングした人物にアリバイがないことを確認してから、ファイル作成デバイスを破壊した」

最原「もしも入間さんが死んでいたとしたら、この証拠も見れなかったかもしれないけど……」

最原「今回は違う。入間さんの計画は巌窟王さんのお陰で未然に防がれたからだ」

最原「でも、入間さんの計画に便乗するという犯人の工作自体は行われたけどね」

最原「犯人が動く以前に、巌窟王さんの行動が原因で赤松さんにアリバイができたことは幸運だった」

最原「でもその裏で、茶柱さんの方は犯人の予測した通りには動かなかった」

最原「後で秘密裏に作成するものもあった上に、茶柱さんがそれから先の時間にアリバイを作るのは避けたい事態だ」

最原「だから、犯人は茶柱さんにだけは直接働きかけたんだよ。『夢野さんを見た』という悪質な嘘でね」

最原「茶柱さんを寄宿舎に帰し、目撃の危険性も緩和したところで、犯人はあるものを作り出した」

最原「後で赤松さんに張る予定の、特殊メイクシールだよ」

最原「犯人は入間さんの計画が失敗したときのことも想定して、これを作っていたんだ」

最原「さて。犯人の計画の本番は、むしろここから先だった」

最原「その翌日、体育館に集められた生徒たちはモノクマから『外の世界の真実』のことを聞くと同時に……」

最原「そこでやっと『夢野さんがいない』という事実を認識することとなった」

最原「入間さんが計画を進めている裏、巌窟王さんが新世界プログラムを弄って殺人計画を破壊」

最原「監視技術を使いながら様子を眺めていた犯人は、そこで方向性を確定させた」

最原「その夜の内に事件を起こすことを決めたんだ」

最原「イリスアゲートエレクトボムの傍に、夢野さん殺害に使った銃を置き……」

最原「夢野さんの遺体の傍には、かなり筋力がなければ使えないM500を置いた」

最原「更に、タマゴが孵化しないタイミングを見計らってクロバエを散布し……」

最原「図書室の本棚に時限発火装置と、あらかじめ切り取っていた夢野さんの指を仕込んだ」

最原「そして、ゆっくりと新世界プログラムへと入る時間を待ったんだ」

最原「全員が新世界プログラムへと入って、現実の体の意識を失っている間に、犯人は最後にして最大の偽装工作を仕掛けた」

最原「そう。ただ傷を作るだけじゃない。赤松さんの傷を使った特殊メイクだよ」

最原「あらかじめシールという形で持ち込んだそれを使えば、かなりの時間短縮ができたはずだよ」

最原「……どちらにせよ、僕たち全員を騙すだけの技術力は相当だけどね」

最原「僕たちが外の世界の真実を知って意気消沈している内に、犯人のトリックは動き出した」

最原「正確には、入間さんが解除し忘れていた爆弾とタイマーだけど」

最原「午前三時、入間さんは超高校級のコスプレイヤーの研究教室へと走り……」

最原「僕たちはそれを追って、その途中で火事に気付いた」

最原「遅れてきた犯人は、それとなく同行していた茶柱さんをけしかけ、地下へと送り込む」

最原「……そう。犯人は事件を隠蔽することよりかは、事件を演出することに重きを置いていた」

最原「それが犯人を追い詰める最後の隙になったんだ」

最原「数々の冤罪と偽装工作を突破し、数々の証拠を揃えた僕たちは、やっとキミに辿り着けた……!」

最原「"超高校級のコスプレイヤー"、白銀つむぎ!」

最原「さあ。ここから本当の……」

最原「最後の議論を始めよう!」


バリバリバリッ ガシャアアアアアアアンッ!


COMPLETE!

休憩します!

白銀「……」

白銀「議論? まだ議論することなんてある?」

最原「白銀さん。やっぱり今から考えてみるに、この裁判はおかしいよ」

最原「さっき天海くんが言ったみたいに、いきなり本性を現した首謀者が犯人だなんて」

最原「しかも、さっきモノクマに対して取引を持ち掛けても一笑に付されただけだ。考える素振りすら見せてない」

白銀「……」

春川「……第一、事件そのものがとにかく『フェアすぎる』のも気になるよね」

春川「白銀。アンタ、本当に死ぬつもりある?」

白銀「!」

アンジー「それ関係あるかなー? 仮につむぎがどんな切り札を隠していたとして」

アンジー「……神様がいれば運命は一緒だよ。つむぎの命はここで絶対に終わらせてみせる」ギロリ

王馬「あらー。アンジーちゃんも超乗り気だねー」

アンジー「……」

アンジー「産まれて初めてかもしれないんだー。こんなに怒ったのは」

巌窟王「アンジー……」

赤松(あ。わかりにくいけど感動してるみたい……)

百田「でもよ。だからって代案があるわけじゃねーんだろ?」

最原「そうなんだ。そこが唯一の問題でさ……」

最原「……だから三日の時間があればベストだったんだけど」

巌窟王「俺のデバイスの回復する時間か?」

最原「そう。それがあれば確実に何かわかると思うんだ」

最原「天海くん。キミはどうするべきだと思う?」

アマデウス斎藤「……えっ?」

百田「えっ、じゃねーよ仮面ヒーロー。テメェが言い出したことだろ?」ニカッ

アマデウス斎藤「そ、それは……」

アマデウス斎藤「……」

スチャッ

天海「そうっすね。まだ効果的な対処方法はわからないっすけど」

天海「このまま行ったら俺がどうするかだけは、もう決めてあるんす」

星「それは?」

天海「投票の放棄っすよ」

白銀「……!?」

うわ、こうきたか天海

モノクマ「あれ? さっき言ったの聞いてなかった? 投票の放棄は……」

天海「死を意味する。わかってるっすよ。でも……」

天海「それでも納得ができないんす。全部!」

天海「この裁判自体が信用できなくって! だって首謀者が犯人なんすよ!」

天海「最悪、投票した後で『やっぱりやめた。ルールとか知るか』って俺たちに害を成す可能性だってある!」

真宮寺「極論だけど。僕たちがこうやって集められてコロシアイをさせられている理由が未だに不明だからネ」

真宮寺「まあ相手が首謀者である以上『アンフェアな手段』を疑うのは当然の論理ではあるか……」

白銀「……」

最原「否定しないの?」

白銀「……」ギリッ

最原「……やっぱりまだ残ってるんだよ。夢野さんの死の真相を暴いたところで、まだ何も終わってないんだ」

巌窟王「知ったことではないな」

最原「え?」

巌窟王「……俺は白銀を殺す。邪魔をするな探偵」

最原「……ちょ、ちょっと待ってよ。だって、まだ……!」

茶柱「転子も巌窟王さんと同意見ですよ」

最原「……!?」

茶柱「知ったことじゃないです……仮にどんなアンフェアな切り札を残していようが、転子は……!」

獄原「……虫さんを利用して、仲間を傷つけた」

獄原「ゴン太も、とてもじゃないけど許せない、かな」

最原「なっ!?」

ん?これはもしかして…

百田「……おい。待てよ。確かにルール上はそれで問題ないかもしれねぇけどよ……」

キーボ「ルール上問題ないのであれば、ボクにも特に反論する材料がありません」

東条「……白銀さんの様子がおかしい、とは私も思うわ」

東条「でも、それだけを判断材料にするわけにもいかないでしょう?」

最原(……みんな怒ってる。当然だ。明確に、みんな傷ついて失って、悲しんでいたんだから)

最原(でも!)

最原「……」

最原「僕は天海くんに乗るよ」

天海「え……」

最原「僕も投票しない」

茶柱「まさか。本気で言っているわけじゃないでしょう? 最原さん。投票を放棄したら」

最原「……死ぬかもしれないね」

茶柱「あなた……そこまで狂ってしまったんですか? そこまで自分のことがどうでもいいんですか?」

最原「違うよ! 僕はただ……!」

茶柱「……今のうちに撤回してください。じゃないと転子は……転子も投票を放棄しますよ?」

最原「はっ!?」

茶柱「あなたがやろうとしていることは、こういうことです。無駄に命を散らさないでください!」

茶柱「……これ以上、悲しみを増やさないで!」

最原「茶柱さん……どうしてそこまで……!」

茶柱「……」

百田「……いいぜ。死出の旅路、付き合ってやろうじゃねーか」

春川「……百田。アンタまさか」

百田「俺も投票を放棄する!」

白銀「!」

百田「だってよ。実際、ムカつくしな。最後の最後まで首謀者の作ったゲームの上で踊らされるとかよ」

百田「俺の性に合わねーって」

春川「……本気?」

百田「おう! 本気も本気だぜ! 終一が撤回しない限りはな!」

茶柱「百田さんっ! 最原さんを煽るようなことを言わないでくださいよ!」

百田「いいんじゃねーの、別に。お前も付いて来ればよ」

茶柱「……はあ?」

百田「そんなに終一のことが好きならついてってやりゃあいいじゃねーか!」ニカッ

茶柱「ばっ……!?」カァァ

最原「も、百田くん! そういう余計なことは言わないでいいから……ほら! 茶柱さんも真っ赤になってるよ!」

茶柱「ま、真っ赤になんか……」モジモジ

最原「怒りで!」

茶柱「……」スンッ

春川(……茶柱……)

赤松(茶柱さんカワイソー……)

鈍感な最原ぁ……

まあ今まで何度も投げられていたし

今の一瞬で真顔になったことはわかる

アンジー「別に、好きにすればいいんじゃないかなー。どうせコロシアイのゲームは白銀が死ねば終了でしょー?」

巌窟王「……首謀者が死んだところでコロシアイが終わる保証がないとは言え、コイツが死んでまでコロシアイを続ける義理もない」

巌窟王「投票を放棄した場合は死、というルールを施行しているモノクマごと破壊すればいいだけの話だ」

真宮寺「悪いけど、僕は巌窟王さん側に付くよ。こっちの方が楽しそうという理由でネ……」

星「……投票する方があからさまな安全牌だからな。いくら死んでもいい命だとは言っても、だからと言って今までの議論を無駄にするのも気が引ける」

星「疑って、疑われて……そうして勝ち取った真実だぞ?」

入間「へっ。真実の価値なんて俺様にはどうだっていいが……」

入間「テメェらみてぇな自殺志願者には付き合ってらんねーよ」

王馬「……」ニヤニヤ

最原(王馬くんだけは本当に読めないな……)

赤松「最原くん。本当に投票を放棄するの?」

最原「……」

最原「うん。もう決めたことなんだ。天海くんに乗る」

赤松「そっか。それじゃあ……信じるよ。最原くんのこと」

赤松「……」チラッ

茶柱「!」

茶柱(……ああ。そういうこと、ですか)

茶柱(赤松さん。あなたは……)

今日のところはここまで!

これはスクラムかな?

放棄派が今のところ天海、最原、百田、赤松で
ここに茶柱春川と仮に王馬入ってもあと一人いないと半々にはならないけど
誰を味方につけるんだろ?

キーボ?

仮に投票されてたらオシオキされたふりして裏方に逃げてそこからコロシアイをまた操るつもりだったのかね?
動機にしてもまた全滅を仄めかすもの使うか、チートライトで好き勝手すれば問題無いし

この白銀がどうかは知らんけど、白銀は悪役は悪役らしく裁判に負けて死ぬべきってタイプじゃないのかな。
今回はイレギュラー過ぎるから考え方違うかもしれんけどね

なんにせよ転子がヒロインしてて嬉しい。最原が勘違いしたあとの真顔も簡単に想像できる
報われないかもしれないけど強く生きてほしい

たとえ黒幕が倒されても新しい黒幕を作ればいいだけだし

白銀とモノクマとモノクマーズ同時に制圧なり滅ぼすなりしてもこっそりTDRのスタッフが入ってきて新首謀者になるとかありそうなのが怖い

そう言えば前スレの白銀の「……やっぱ拳銃にライトとしての機能を期待しても無駄かぁ」 ってどういう事だろ?
もし[ピーーー]んだったら最初から期待しないよね?

そこは別に気にする必要ないだろ……
明るくなったらなったで「もう見えてないかなー?」とでも嘲るだけだろうし

あ、そっちのライトか
思い出しライトの方かと思った

茶柱「……止められないと言うのならせめて、転子もそれに乗りますよ」

最原「!」

茶柱「最原さん。あなたは転子に死ねと言うんですね? それなら別に構いません」

茶柱「本当に死んだら地獄でしこたまぶん殴ってやります」

最原「……ははは。怖いな……本当に怖い」

最原「でも頼もしいよ」

茶柱「……いや本当に魂魄が消滅するくらい殴りますからね?」

最原「流石に死んだ後くらい容赦してよ!」

獄原「……本当に投票を放棄する気?」ゴゴゴゴゴ

最原「……え? ご、ゴン太くん?」

獄原「流石に無視できないよ。ゴン太には……ゴン太には理由を付けてみんなが逃げているようにしか見えない!」

獄原「生きることは綺麗ごとばかりじゃないんだ……!」

獄原「ここで最後まで戦うことを放棄したら、夢野さんの魂は? 悔しさはどこに行っちゃうの?」

東条「……考え直してくれないかしら?」

最原「東条さんまで?」

百田「……まあ、当然っちゃ当然かもな。なんの証拠もなしに『投票を放棄する』じゃあ単なる自殺行為だしよ」

春川「百田。私も東条たちと同意見――」

百田「ハルマキ! 悪い! 俺と一緒の墓に入ってくれねぇか?」

最原「ん!?」ガビーンッ

春川「――」

春川「うん」

最原(過去最高に素直に!?)ガビーンッ!

天海(言い方間違えて完璧にプロポーズになってましたもんね……)

アンジー「……」ジーッ

茶柱「……ん? あ、あの。アンジーさん。気のせいじゃなければ転子のこと睨んでません?」

アンジー「……神様ー。ちょっと気が変わっちゃった。投票を放棄するのならそれはそれでいいと思ってたけどさー」

アンジー「やっぱり無駄に危険を増やすべきじゃないよねー?」ギンッ

最原「え」

最原(……なんだ? アンジーさん。もしかして怒ってる?)

巌窟王「……ふん。私怨か。この期に及んで……いや、この局面だからこそか? 余裕だな、アンジー」

アンジー「なんのこと? アンジーはただ正しいことを言っているだけだよー?」

巌窟王「……そういうことにしておいてやろう」ニヤァ

巌窟王「最原。気が変わったぞ? 勝手な行動は慎んでもらおうか!」

最原「……なっ!?」

巌窟王「さて。意見はおよそ半々と行ったところか?」

巌窟王「モノクマ。わかっているな? 例のアレを起動しろ!」

春川「例のアレって……まさか」





モノクマ「世界は今、絶望に至る!」待った!

やはりこれか!
さてどう分かれるか…

モノクマ「うぷぷ……うぷぷぷぷぷ……いやぁ、今回は出番がないと思ってたけど、まさかこの局面でお呼びがかかるとはねー」

モノクマ「お待たせしました! 才囚学園の誇る、変形裁判場が登場でーっす!」

百田「テメェ! 冗談じゃ済まねぇぞ、巌窟王! 俺たちに投票を強制するつもりか?」

巌窟王「クハハ! バカめ! 俺はいつも俺のやりたいようにやるだけだ!」

巌窟王「モノクマだけではない! 気に入らないと感じれば、貴様らにだって牙を剥こうさ!」

最原「そんな……!」

春川「……一人。二人。三人……?」

王馬「あれ? どうしたの春川ちゃん」

春川「いや。変形裁判場を使うのなら、意見が半々に割れてないとなって思ったんだけど……」

春川「放棄サイドの人数が明らかに足りてないなって」

王馬「あ。俺も放棄サイドだよ。楽しそうだし!」ヘラヘラ

春川「だとしてもあと一人いないと……」

白銀「ふっ。いるじゃないここに。神の才能を持つ女が……!」

春川「……アンタも?」

最原「なんのつもり? 冷やかしならやめてほしいんだけど」

白銀「ひ、酷いなぁ。まあ当然か。犯人だもんね」

白銀「最原くんたちの選択に敬意を表してちょっとだけ暴露しちゃうとさ。確かに投票の放棄は『予想外』ではあったんだよ」

白銀「でもま、首謀者として、裁判のバランスを取るのならこっちに付かざるを得ないかなってさ」

白銀「……ついでに言っておこうか。不本意だよ。私だって、こっちに付くのは」

最原「……」

最原(白銀さんの真意が未だに見えないな……撹乱か、ブラフか。それとも……)

夕飯の休憩!

東条も命を救われた恩で放棄にくるかと思ったが…
意外と滅私ではないな

キルミーは巌窟王寄りだし、メンタルは夢野に救われたところも大きかったからな
命を放棄するほうが滅私とも断言しにくいし

白銀「さて。最原くん。少なくとも『全員を説得してすべての投票を放棄させる』のは不可能なのはわかるよね?」

白銀「ならこれから先の議論での争点はどこになると思う?」

最原「……投票の放棄という選択そのものの是非。つまり『邪魔するかしないか』のみだね」

巌窟王「……白銀はそちら側か?」

春川「当然でしょ。私だってイヤだけど、白銀が『自分で自分への投票を勧める側へ』ってのも更におかしいし」

白銀「そういう意味での、消去法」ニコニコ

巌窟王「……」

天海「うわあ。凄い苦い顔……」

最原(これから先、何が起こってもおかしくない。投票するかしないかは、この場においては既に重要な論点だ)

最原(少なくとも僕たちのやろうとしていることを、巌窟王さんたちに邪魔されないように説得しないと!)

意見対立


投票の放棄は是か非か?

非だ!
巌窟王
アンジー
東条

真宮寺
入間
獄原
キーボ

是だ!
最原
赤松
百田
白銀
天海
春川
王馬
茶柱


スクラム開始!

今日のところはここまで!
チョコぉぉぉぉぉぉ……!

正直今までほとんど失ってこなくて投票放棄の選択肢が出てくるのには違和感

全部種明かしされて自分達が命以外何も持ってなかったってわかってる原作と違って
確たる証拠もないし帰る場所もあると思ってるしね。まだ早いと思う

正直投票放棄は裁判の延期が認められない場合の苦肉の策だしな…

結局入間が通信障害なんてさせなければこうならなかったんじゃね?
ある意味一番の大戦犯だよな・・・

モノクマは投票延期されたらなんか困ることでもあるのか?
リアルフィクションにしても本編じゃ白銀からバラしてるし知られたところでそこまで痛手とも思えんが

投票延期すると身内贔屓だって視聴者が納得しないってのはありそう
…ってのを言い訳に、本当にヤバイ何かを隠そうとしてるとか?

投票(オシオキ)の中止じゃなく延期で期限は3日とそこまで長くもない
本人がゲロっているのでクロ確定
物理的に拘束&岩窟王やハルマキ他多数で見張るなりすれば流石に白銀も何もできないだろう
ライト作る教室や天海の研究教室が解放されればコロシアイが見世物だというのにも遅かれ早かれ気づく

延期しようがしまいがそこまで状況が変わらない気もするけど何がマズイんだろう。

ライト作る教室は校舎破壊でもしないと見つからんから本命は天海の教室か

獄原「『夢野さん』のためにも、投票を放棄するべきじゃない!」

最原「赤松さん!」

赤松「『夢野さん』のことを復讐のダシにしちゃダメだよ!」

キーボ「今までもずっとこうしてきました。安全のためにも『ルール』は守るべきです!」

最原「百田くん!」

百田「首謀者が『ルール』を守る保証がどこにあんだよ?」

東条「あまりにも『危険』すぎるわ。考え直して頂戴」

最原「茶柱さん!」

茶柱「もちろん『危険』は承知です。でも止まる気はありません」

星「『白銀』は既に犯行を認めているんだぜ?」

最原「春川さん!」

春川「その『白銀』の様子がおかしいんだよ。様子見くらいはするべきだって」

真宮寺「『証拠』もなしに決めるべきことじゃないよネ?」

最原「天海くん!」

天海「『証拠』なら、裁判が終わった後で見つけてみせるっす!」

入間「いいから大人しく投票しろよ! 俺様に『迷惑』かけんじゃねぇ!」

最原「王馬くん!」

王馬「そもそも入間ちゃんの爆弾のせいでこっちは『迷惑』してるんだけどね?」

アンジー「もう『コロシアイ』は終わるんだよー? そんなに意地張る必要ないよねー?」

最原「白銀さん!」

白銀「本当に私が死んだだけで『コロシアイ』が終わる保証はないよねぇ?」

巌窟王「曖昧な推測のために、無為に『死ぬ』気か?」

最原(僕が!)

最原「『死ぬ』つもりはない! 僕は真実を見つけたいだけだ!」


全論破!


全員「これが僕(私)(俺)(転子)たちの答えだ!」


BREAK!

最原「……ごめん。そんなに深刻に考えすぎる必要はないんだ。保険だと思ってくれないかな?」

真宮寺「保険……?」

最原「コロシアイの目的が不明な以上、首謀者が命のかかった現状においてもルールを守る保証はない」

最原「最悪の場合、白銀さんに投票することそのものが致死性トラップである可能性もある」

最原「……あまりにも低い確率だとは思うけど」

百田「要は二手に別れるんだよ。テメェらは白銀に投票。俺たちは投票しねぇ」

百田「俺たちは裁判が終わった後、モノクマの制裁の手から全力で逃げる!」

百田「そのついでに、新しい証拠を見つけて来る!」

百田「巌窟王の方はデバイスの復活を待てばいい!」

入間「ふ、二手に別れるっつってもよ。そんな楽観的な考えでいいのか……?」

赤松「というより、楽観的に考えられる道が、これしか残ってないんだよね。だってモノクマが取引に応じないんだよ?」

最原「別に、罠でないならそれでも別にいいんだよ」

最原「……首謀者が負けたのなら、高確率でコロシアイは終わると思うし。そうなったら『投票の放棄は死』っていうルールも有耶無耶だよね?」

最原「だってそのルールはコロシアイの上で成り立つルールなんだよ? コロシアイが終わったら立ち消えだよ」

巌窟王「相変わらず口が回るな……」

最原「ただし、この場合において、どうしても協力してほしい人がいる」

アンジー「……神様でしょ?」

春川「モノクマの制裁の手から逃げるって言っても、あまりにも難易度が高すぎるしね」

春川「巌窟王の協力がなければ、この道も夢物語だよ」

最原「あと、白銀さんは何かを隠してる。もしも本当に白銀さんの投票に一切の罠が無くっても……」

最原「巌窟王さん。赤松さんや東条さんにしたみたいに、白銀さんを助けてくれないかな?」

巌窟王「!」

最原「わかってる! 白銀さんのことは僕も許せないよ! でも、彼女どう見てもまだ隠してることがあるよね!?」

最原「尋問もなしにサックリ終わり、というわけには絶対にいかないよ!」

巌窟王「……それが白銀の罠だったとしたらどうだ? 俺に助けられることを期待していたとしたら」

最原「それがわかったときに、どうにでもすればいいよ」

白銀「酷いなぁ。仲間だったのに」

最原「……どんな気持ちだったの?」

白銀「ん?」

最原「ずっと……僕たちを騙してて、どうしてあんな平気そうな顔で笑えてたの?」

最原「僕たちと一緒に泣いていたのも、怖がっていたのも嘘だったんだよね……?」

最原「なんで……どうして夢野さんを殺せたの?」

最原「流石に、ちょっとくらいは迷ったって言ってよ……!」

白銀「いや? 夢野さんを撃つのに躊躇なんかするわけないじゃん」

最原「……」

春川「クソヤロー」

フィクションのキャラ[ピーーー]のに躊躇なんかできないって事か…

アンジー「投票はするだけしておいて、つむぎのこともおしおきから助ける、とかじゃダメかなー?」

天海「百田くんの言っていた『保険』の意味がなくなっちゃうっすよ。それ」

最原「巌窟王さん。どう? 協力してほしいんだけど……」

巌窟王「……個人的にはハラワタが煮えくり返る思いだ」

東条「……それはどういう意味かしら? 個人的にはって言い方が気になるわ」

巌窟王「俺はサーヴァントだからな。最終的な意志決定は……」

最原(そこから先、巌窟王さんは口にしなかった。でも、そこまで言えば何を示したいのかはわかる)

最原「アンジーさん……!」

アンジー「……えー?」

休憩します!

ああ、最原が犠牲になるなこれ…何されるんだか最原…

最原って生きてる人間限定でのコロシアイ生活最大の被害者なんじゃ…

キスでもされるのかな最原…?
もしかして結婚してくれとかありえそうだよねー

お、ここからR18かな
流石>>1ちゃん!!

最原「お願いだ、アンジーさん。元をただすと巌窟王さんが投票の放棄に反対したのはキミの意思だったからだろう?」

最原「僕にできることなら……その、結婚以外ならなんでもするからさ!」

アンジー「なんでも?」

最原「あんまり過激なのはやめてほしいんだけど……」

アンジー「終一ー。アンジーはね、寂しかったんだよー? だからさー」

アンジー「アンジー、終一の子供が欲しい」

最原「……」









最原「……アポ?」

巌窟王「……」ダッ

天海「あ! 巌窟王さん! どこ行くんすか!? 巌窟王さーん!?」

赤松「巌窟王さんが逃げた!」

百田「追え!」

最原がアポになっちまった!?

茶柱「……ゑ? 今、なんと?」

アンジー「全部終わった後でいいからさー! アンジー、いっぱい欲しいなー! 終一との……」

最原「過激なのはやめてって言った傍からコレ!?」ガビーンッ



ガンッ ガンッ ガンッ



獄原「あれ? 何の音?」

真宮寺「錯乱した巌窟王さんが壁に頭を叩きつける音だネ」

巌窟王「……」ガンッ ガンッ ガンッ

天海「やめて! ちょっと! シャレにならない! シャレにならないっすよコレ!」アタフタ

百田「誰か巌窟王を止めろ! 死ぬぞコイツ!」

春川「駄目! 凄い力! 流石に無理!」

赤松「巌窟王さん! 戻ってきて! 現実にカムバーーーック!」

シリアスからいきなりカオスに!

入間「ま、マジで言ってるわけじゃねーよなコイツ……さては手を繋いだだけで子供がコウノトリ便で運ばれてくると思ってやがるな?」ガタガタ

アンジー「にゃははー! そんなわけないじゃーん!」

アンジー「……そんなわけないじゃん。ねえ?」ドロリ

最原(人間の目ってここまでドロドロな闇色になるんだなー。知らなかったなー。知りたくなかったなぁ……!)

最原「あ、あの……他のことで、なんとか……譲歩を……」

アンジー「断ったら……」

最原「こ、断ったら……?」

アンジー「……仕方ないから無理やり」ボソッ

星「最原。マズイぜ、これは……目の奥に『漆黒の決意』めいた何かを秘めている」

星「俺の戦ったマフィアのボスもこんな目をしていた……!」

最原「そんな裏社会の首領的な貫禄なの!?」ガビーンッ

茶柱「あ、あの……最原さん……」

茶柱「もう不潔とか言わないんで……ご勝手に済ませても構わないので……」ヒキッ

最原「ここに来て見捨てないでよッ!」

茶柱「もうどうしようもないでしょうが!」ウガァ!

キーボ「あ……音が止みましたね?」

王馬「頭がやっと冷えたみたい」

巌窟王「」チーン

白銀「体が全体的に冷えているの間違いじゃない……?」

東条「治療開始よ」ダッ

アンジー「で。答えは? イエス? はい? 了承? シェイシェイ?」

最原(なんだ……? 何が起こってる? これはなんだ? 現実なのか……?)

最原(事件も終盤なのに何でこんなことになってるんだ?)

最原「あ、あの……巌窟王さんがなんて言うか……さ?」

アンジー「神様ー。意見はー?」

巌窟王「……」

巌窟王「ふん……やはり逃れられるものではないな。人間が死を克服できないように」

最原(なんとかしてくれ、巌窟王さん……!)

巌窟王「祝福しよう……」ズーン

最原(巌窟王さーーーん!?)ガビーンッ

天海「不屈の意思の体現みたいな人がガックリと肩落としてるっす……」

東条「まあ……娘が目の前で嫁いだみたいな心境でしょうからね」

赤松「常々否定はしてたけど、とにかく可愛がってたもんね……」

アンジー「で。後は終一の返事だけだよ?」

アンジー「……ねえ? ねえ? ねえ?」

最原「……」ガタガタ

百田「終一……」

最原「も、百田くん!」

百田「あの……その……なんだ……」

百田「精一杯支援はしてやっから……な?」

最原「」

春川「……ごめん。救えない」

最原「」

アンジー「……終一。返事」

最原「……」

最原「……は――」



prrrrrrr!


最原「ん?」

アンジー「ん?」

巌窟王「……謝罪しよう。こういうときはデバイスの電源を落とすべきだったな。今すぐ通話を切って……」

巌窟王「……」

巌窟王「通話?」

白銀「は?」

白銀「……ゲッ!」ガビーンッ

今日のところはここまで!

よっしゃぁああああ!カルデアからの通信来た!

…3日もこの茶番やってたのか!すごい時間稼ぎだ!

最原は(恐らく)BBちゃんには死ぬほど感謝しないといけない案件

3日も待てないって、そもそもほとんど時間がなかったからとかそういうアレか…

ていうかそもそもこの場所が特異点になってる可能性とかありそうだけど…まさかね

……新世界プログラムからの退出ログは最初からなかった
つまり……そういう事だ

そのマフィアのボスさん今日もどこかで死んでそう

この場でウヤムヤにしても仕方ないから無理矢理路線に切り替わるだけだと思うんですがそれは

>>366
アンジー以外のみんなも仮マスターになっての大決戦も微レ存であるかな

>>370
その場合敵はこの学園の真の黒幕か…?

>>367
自分もそう思ってたけど言わなかった

最原「……巌窟王さん!」

巌窟王「……」ピッ

巌窟王「誰だ?」

BB『……こちら……ルデア……王さん! ……の世……は……!』ザザーッ

巌窟王「……ノイズが酷すぎるな。まともに聞き取れない」

赤松「あ。コレ、大丈夫だよ。慣れれば聞き取れる。ちょっと私に貸してみて?」

春川「流石にサイコなだけあって耳はいいんだよね」

赤松「サイコ関係なくない……?」

白銀「な、なんで? 三日の間は大丈夫のはずじゃ!」

入間「一個破裂しなかったからって、俺様の通信妨害にそうそう簡単に穴が開くわけねーのにな」

入間「……あ。いや。例外があったな。『誰かがエレクトボムの位置を動かした場合』は別だ」

白銀「は……?」

入間「あのイリスアゲートエレクトボムで一番重要なのは数じゃなくって場所でよ!」

入間「一個でも位置がズレたら、多分こんな感じに妨害に穴が開くんじゃねーか?」

真宮寺「それ、一個だけ不発になるのとどう違うの?」

入間「波を打ち消しちまうんだよ。そうだな、例えば一個でも爆弾が下の階に移動していたとしたら……」

入間「下の階にある爆弾と上の階にある爆弾とで干渉を起こして、致命的でないにしろ爆弾の効果を打ち消しちまうんじゃねーか?」

入間「まあ、ここら辺の計算は全部『暗算』でやってたから確定で言えやしねーけどな! ヒャハハ!」

白銀「暗算……? つまり、私が見れなかった情報……!?」

最原「入間さん。それって本当?」

入間「ああ。でも今回は関係ねーだろ。だって破裂した爆弾は一個たりとも移動してなかったしよ?」

最原「あの爆弾って、服の下に隠して持ち歩けるかな?」

入間「ほぼ『証拠隠滅の薬液』と『サイレンサー』のせいでかさばってるだけだから、それを分解すればポケットに入れて持ち歩けないことはない」

入間「……とは思うけどよ? だから関係ねーって! 確かに溶けてたけど、爆弾は全部所定の位置で爆発してただろ!」

赤松「ええと……何かを繰り返し言ってるみたい」

赤松「……世界は……」

白銀「も、モノクマ! まずいよ、この展開は!」

白銀「投票タイムに行っちゃおう!?」

百田「お? なんだよ。急に慌て始めやがって……別に巌窟王のホームとの通信が回復しただけだろ?」

最原「……」

最原「あの時点でも変だと思ってたんだ。新世界プログラムから出たとき……!」

最原「あまりにも時間が経つのが速すぎた。気が付いたら午前三時だよ?」

春川「今更、何のこと?」

最原「僕自身もわからない。でも『時間』がずっと変だと思ってたんだ」

最原「何か……何か閃きそうな気が……!」

赤松「その世界は……?」

白銀「モノクマっ!」

モノクマ「え? やだ」

白銀「」

モノクマ「だって最原くん、まだアンジーさんに返事してないもん。気になるなー、この先の展開」

モノクマ「超楽しいじゃん」

白銀「……」ブチッ

モノクマ「……はいはい。わかったよ。しょうがないなー」

夕ご飯の休憩!

代わりに食っとくから投下はよ

あ、白銀キレた

モノクマ「タイムアップ! タイムアップ! 投票タイムに移りたいと思います!」

星「タイムアップ……だと?」

真宮寺「今のやり取り見る限り、それ以前の何かが要因だよネ。誤魔化す気も皆無なのかな?」

獄原「……最原くんたちは、投票を放棄するんだよね?」

最原「うん。このまま逃げる!」

最原「……巌窟王さん。あの……」

巌窟王「……出口くらいは作ってやる。行くのならば勝手にしろ」

アンジー「……」

アンジー「返事はまた今度、ね?」ニコッ

最原「怖いよ!」

春川「最原。本音丸出しすぎ」

茶柱「同感ですがそれなりにオブラートに包んでください。愛情だけは本物っぽいので……」

モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰か!」

モノクマ「その結果は、正解なのか不正解なのかーーーッ!」

モノクマ「さあ! どうなんだー?」

モノクマVOTE

白銀:九票



結果は……



モノクマ「おっと。結果の発表の前に……どうやら投票を放棄した人がいるようですね!」

巌窟王「宝具限定解放……!」ボォゥッ!


ドカァァァァァァァンッ!


最原(天井に穴が開いた!)

巌窟王「ついでだ」

巌窟王2「人数分だけ分身を作ってやる」

巌窟王3「上まで連れて行ってやろう」

王馬「うわあお! 巌窟王ちゃんがいっぱい!」

百田「テメェこんな単細胞チックなマネができたのかよ!」

最原「あれ。待って。投票が九票?」

最原「白銀さん。律儀に自分に投票したの?」

白銀「いや。さっき最原くんに味方した手前、自分に投票するのも不義理かなって思って……」

百田「今更不義理もクソもねーだろ裏切り者」

王馬「……あれっ? じゃあ投票者の内訳は……」

茶柱「……やっぱり」

モノクマ「ちなみに投票者の内訳はこうなっておりまーっす!」


巌窟王
アンジー
東条

真宮寺
入間
獄原
キーボ
赤松



最原「……!?」

百田「赤松?」

赤松「……」

え…?

BBから聞いてしまったか……

茶柱「赤松さん。どうせこんなことだろうと思いましたよ」

茶柱「最原さんの選択を信じるとは言っても、それに参入する気はさらさらなかったんでしょう?」

赤松「……まあ、ね」

赤松「あはは。忘れちゃった? 最原くん。私は最初から首謀者のことを許してなかったし……」

赤松「今もずっと彼女のこと殺したがってたんだよ?」

最原「赤松さん……!」

赤松「これが最原くんについていかない理由その一。もう一つは……」

赤松「うん。巌窟王さんたちが心配だから、かな」

春川「……最原。もう充分でしょ。行こう」

最原「……」

赤松「……『真実』よりも『復讐』を望む私は、おかしいかな?」

最原「……わからないよ」

最原(自分自身の正当性すら曖昧なんだから)

巌窟王「さあ。時間だ。上にお前たちを飛ばそう」

巌窟王「……その選択を無駄にするなよ」

最原「もちろん、そのつもりだよ!」

ビュンッ!

赤松「行っちゃった」

巌窟王「……さて。ここから先……貴様はどうする気だ? 白銀」

獄原「絶対に逃がさないよ。最原くんたちにも手は出させないし、必ず罪も償ってもらう」

白銀「……ところで赤松さん。通話の音声、聞き取れた?」

アンジー「……今はそんなことどうでもいいってー」

赤松「……どうでもいい、のかな?」

赤松「うーん……どうでもいいってことはないんじゃないかな……」

赤松「……なんで気付かなかったんだろ」

巌窟王「赤松?」

赤松「巌窟王さん。もしかしたら、こっちの方がハズレだったかもしれない」

赤松「通信の全文はこう。その世界は――」

最原「ぶへっ!」ベシャッ

百田「ぐほっ!」ベシャッ

春川「……地上に辿り着けた瞬間に消えたね。分身」スタッ

王馬「さて。それじゃあ最原ちゃん! どこに向かって逃げる?」ニヤニヤ

天海「……どこに向かっても学園から逃げられないのなら同じっすけどね」

茶柱「……ですよねぇ。本当、血迷った選択です」

最原「ひとまずスパコン室に向かわない?」

最原「……もしかしたらそこに何かがあるかもしれない」

最原「再度ログインしたら何かわかることがあるかも……!」

百田「ん?」

最原「……どうかした? 百田くん」

百田「いや。なんか……月が明るくねぇか?」

最原「月?」

春川「……いや? 待って。それ以前にさ。ありえないとは思うんだけど……」

春川「空に文字が浮かんでない?」

王馬「んー? なになに?」

王馬「GAME OVER……?」




ピカッ

あ……

うわあああああああああああ
やっぱりかあああああああああああ

カルデアの通信の全文



BB「届いてください! 誰か聞いてください! その世界は……その世界は……!」

BB「未だに『プログラムの中の世界』のままです!」

BB「あなたたちは誰一人として、外に出ていないんですーーーッ!」

な、なんだってぇええええええええええええええ!?

今日のところはここまで!

え、なにこれどういう事!?これ、どこからプログラム世界だったの!?

…まさか、今最原たちが居る世界って現実世界を元に作ったプログラム世界でまだ最原たち自身は現実世界のスパコン室で眠っているのか…?
ようするに

現実の才囚学園のスパコン室

プログラム世界の才囚学園のスパコン室

新世界プログラム世界

って感じ

だからイリスアゲートエレクトボムの位置が違ったのか!入間の暗算した位置を正確にプログラミングしなかったから…
ん?ってことはもしかして…現実世界で夢野まだ生きてる!?

そうきたかーww

夢野の生存率は五分五分かなー
いつ誰が殺されたか、投票正解でどうなるかによって決まってくる

全然分からん…
残った方が外れ?ゲームオーバー?ほんとにこのスレでおわるのか?

何が起こっているんだ…。説明しろ苗木ィ!

ゲームオーバーってことは間違いだったのか?
残った側にちょうど事件起こしたりやらかしかけた人間が揃ってるけど、こっち側の人間がアンジーと巌窟王以外犠牲になったりして

夢野が死んでなかったら裁判の前提自体崩れるから投票した側が死ぬってこともないと思うけどな
クロと未遂は揃ってるけど星ゴン太キーボはやらかしてないし

いいから強制シャットダウンだ!!!

…もしかしてゲームオーバー、もしくはクリアしないと現実世界に出れないんじゃね?
んで裁判のはプログラム世界の事件を前提にした裁判だから現実世界では夢野生きてるかもしれない…

東条「この世界が……まだプログラムの世界?」

BB『……! ……!!』ギャーギャー!

赤松「えーと、なになに? 『頭の悪いチンパン一歩手前のあなた方人類にわかりやすーく言いましょう』」

入間「口悪ゥ」

キーボ「入間さんには劣りますよ?」

赤松「巌窟王さんと最後の通信をしたあの時点で、もうあなたたちはプログラム世界の中にいました」

赤松「でもまさか気付いてないとは思ってなかったんです。だってあの時点で私たちの視点では一目瞭然でしたから!」

赤松「何故なら……あっ! そう! そういうことね!」

赤松「ごめん! この辺りに関しては私の意思でボカすよ!」

BB『!?』ガビーンッ

アンジー「……神様のホームからの視点から一目瞭然……」

白銀「……ああ! アレのせいだね! 百田くんの持ってた……!」

巌窟王「百田の持っていた?」

白銀「……」

白銀「ボカす」

巌窟王「?」

赤松(ああ。百田くんが『デバイスどこかに失くした』って騒いでたけど、こういうことか)

赤松(こっちの世界に持ち込んでなかったんだね)

赤松(で。BBさんは通信が切れる前に、デバイスの感知していた音声に差異があることに気付いた……)

赤松(つまり現実空間のデバイスは無音なのに、巌窟王さんの持っているデバイスには音……私たちの音声とかが入っていた)

赤松(同じ場所、同じ部屋に存在しているのなら確かにありえない差異だけど……)

赤松(私たちがいた場所が、スパコン室に似て非なる世界なら説明は付く)

東条「そんなまさか。信じられないわ。だって……!」

キーボ「この世界は現実と遜色がありません! これでプログラムの世界だと言うのはあまりにも!」

入間「無理、とは言い切れないかもしれねぇ……!」ガタガタ

キーボ「えっ?」

入間「プログラム世界の洋館に入った時点で、描画の質が明らかに上がってた」

入間「あのときのクオリティまんまなら、帰ってきたと思い込んでもおかしくはねぇ!」

星「待て。巌窟王だけは、その理屈では無理があるだろう」

星「コイツだけは正規の方法でプログラムに入っていない。プログラムによらず、自分自身の意思で出入りができる」

星「なら巌窟王が外に出た場合、そこは間違いなく現実の世界のはずで……」

星「……」






星「自分の意思で、出てなかったな。そういや」

ちょっとエレシュキガルの魔力放出を育成してきます!
……あれ? 杭のクエストどこ行った?

もう終わったよそれ…

爪と杭のクエストは18時までなんだ、本当にすまない……

日付間違えてた……不貞寝する……

ちょ、待って!?せめて続きを!?

爪と杭はうちのアビーと北斎ちゃんが頑張ってくれたから大量だったわ、爪は最終再臨した鯖が何人かいるから無くなったけども

BBが変な反応してたからまさかとは思ったけど、やっぱりプログラム世界だったのか…。
良かった…だれも欠けなくて良かった…

農家のファラオ「まさかの『ピラミッドからカエサル』な展開だったなんて驚いたよ」

東条「……!」

東条「そうね。そういえば、そうだったわ。巌窟王さんだけは退去の仕方があまりにも不自然だった」

アンジー「アンジーの目の前から『消えた』……!」

巌窟王「なるほどな。確かにそれなら気付くものも気付くまいさ」

巌窟王「霊子の組成が現実とは違うことも、人が腎臓の不調に気づかないのと同じで、俺自身は気付けないからな」

キーボ「つまり全貌はこういうことですか?」

キーボ「ボクたちは夜八時にスパコン室にやってきて、そこで新世界プログラムへとログイン」

キーボ「そしてログアウトの手順を正式に踏んだ、と思いきや現実によく似た『別のプログラム世界』へと飛ばされていた……」

キーボ「なら本当のボクらの体は!?」

白銀「もちろん、まだ眠ってるよ」

白銀「さて。色々とヒントは仕込んでたんだけどなぁ? 入退室ログとか露骨すぎて、私自身やり過ぎかなって思ったくらいなんだけど」

白銀「割とバレないものだね?」

東条「……退出のログが無かったのは、誰かが消去したからじゃなくって」

入間「『あの時点で誰も新世界プログラムから出ていなかったから』ってことか……!?」ガーンッ

真宮寺「でもプログラム世界の中での爆弾が爆発したところで、それはゲーム内での『設定』に過ぎないはずだよネ?」

真宮寺「なら最原くんが気にしていたことは実は的外れだったのかな?」

赤松「最原くんが気にしてたこと?」

真宮寺「時間がおかしいってこと。実は僕たちは『午前三時という設定の世界にいただけで現実ではそうでなかった可能性』だヨ」

真宮寺「実際に巌窟王さんのホームからの干渉を妨害するためには、現実世界で爆弾を破裂させないと意味がない」

アンジー「いや……終一はもう一つ気にしてたよねー?」

アンジー「……エレクトボムを持ち歩きできるかってさ」

真宮寺「あっ」

白銀「いやぁー。流石に仕掛けられた爆弾一個一個のタイマーを全部ズラすのは目立つかなって思ってさ」

白銀「『分解してコンパクト化した爆弾』を一つ、ポケットに忍ばせておくだけに留めておいたのは失敗だったな」

入間「なっ……!?」

巌窟王「……現実の世界の方は、午前三時などではなかったのだな?」

白銀「大正解! みんながプログラム世界に入った後で、持ち込んだエレクトボムのタイマー設定を弄ったんだよ」

白銀「で。それを基に、新世界プログラムのコンソールをちょいちょい弄って……」

白銀「『プログラム世界内の午前三時の時間』に『現実世界の爆弾が起爆するタイミング』を重ね合わせればOK!」

白銀「このイリスアゲートエレクトボムにとって大事なのは数じゃない。大量に揃えてるのは保険のため……ってことはわかってたからね」

白銀「まさか『場所をズラすと効力が弱まる』だなんて知らなかったけど」

入間「待てよ……じゃあ、今このタイミングに巌窟王のデバイスが復活したのは……後から爆発したヤツが現在広げてる力場を乱したってことだから!」

アンジー「『現実世界に存在する残りのエレクトボムが、本来の時間通りに起爆したから』かなー」

アンジー「……なら、今の本当の時間は……」

巌窟王「やっと午前三時になった、というところだろう」

赤松「BBさん。どう?」

BB『……!』ギャーギャー!

赤松「体内時計が死んでいるあなたたちに悲報です。巌窟王さんとの最後の通信時点での、そちらの時間は午後十一時前後でした」

赤松「いちいち確認するまでもないことでしたから、こんなこと伝えるはずもないですけどね。私のせいじゃありませんよ!」

巌窟王「BB……!」ギロッ

赤松「ひっ! ちょ、ちょっと! 私を睨まないでよ! 代弁してるだけなんだから!」

巌窟王「ム……」

獄原「……本当に大したことをしてくれたね。白銀さん」

獄原「まさかゴン太の研究教室のクロバエさんまでトレースするなんて!」

白銀「細かいところまでキッチリやったんだよー? ゴン太くんのためにも、さ。泣いて喜んでくれる?」

獄原「……」

赤松「……やっぱりコレで終わりじゃないんだね?」

白銀「ん?」

赤松「わざわざ新世界プログラムの中におびき寄せたってことは、そういうことでしょ?」

赤松「具体的に何をするかはわからないよ! でもこんな大がかりな仕掛けをしておいて、何もせずに帰すわけもないよね?」

白銀「そうだなー……ま、そうだね」

白銀「余興」

赤松「は……?」

白銀「実はさ。巌窟王さんを急いでこっちの世界に飛ばしたのは失敗だったかなって思ったんだよ」

白銀「細かいところは知らないけど、どうも巌窟王さんのホームの人たちはこっちを見てるわけだしさ……」

白銀「下手したら即座にバレる可能性すらあった。今回の場合は即座にバレてたからこそ、みんなに情報が行かなかったわけだけど?」

白銀「でもまあ、その場合でも別によかったんだよ。余興だったんだから」

赤松「何を……言ってるの?」

巌窟王「……お前の楽しみはどうでもいい」

巌窟王「夢野をどうした?」

赤松「!」

白銀「……」

獄原「え……? 夢野さんは白銀さんが殺したんでしょ?」

東条「いえ。これまでのすべてがプログラム世界内での設定なら、現実の方はどうかはわからないわ」

獄原「あっ!」

白銀「生きてるって言ったら、許してくれる?」

巌窟王「まさか」

白銀「……ま、だよね」

白銀「それに、どうでもいい仮説だったし! 実際に夢野さんは死んでるよー!」キラキラキラ

赤松「ッ!」

白銀「……ふふっ。まあ、学級裁判の効力を本物にするためには仕方なくって、さ」

白銀「ま、余興を裁判仕立てにしようって考えたのは後付けだけど」

白銀「元からみんなをプログラム世界に巻き込んで『こうしよう』とは思ってたところを見つかっちゃってさ」

ホントに死んでるのかなー?

巌窟王「もういい。充分だ」

巌窟王「――死ね」



ゴオゥッ!


巌窟王「……!」

赤松(巌窟王さんの渾身の炎の一撃。それを放たれた白銀さんの前方には――)

赤松「エグイサル……!?」

白銀「オートパイロットだけど。実際にモノクマーズはこの中に入ってないからね」

白銀「現実の世界の方でやらなきゃいけないことがあって、さ」

巌窟王「バカめ。こんな鉄屑で今更……」

白銀「あと千台近くあるよ」

星「……今、なんて言った?」

白銀「容量不足の問題でこれ以上は用意できなかったけど、千台用意してる。流石にこれだけの物量なら、笑えないよね?」ニコニコ

巌窟王「……」

白銀「さて。それじゃあ、始めよっかな」

獄原「始める? 何を?」

白銀「間引き」

アンジー「間……えっ?」

白銀「おめでとう! あなたたちは見事に首謀者を打ち倒しました!」ニコニコ







白銀「なのでもう用済みです。後腐れなく消えて」



ピカッ

赤松(瞬間、私たちは悟りました)

赤松(……私たちは負けたのだと)

赤松(……そして、そのことを忘れました)

赤松「え……?」

赤松「あ、あれ?」

赤松(思い出した。思い出したのです。私は第一の事件のクロでした)

赤松(そして、そのことをシロの生徒全員に指摘されて、おしおきされたのです)

赤松(私はそこで、ピアノを模した悪趣味な処刑装置に殺されて――)

赤松「あ、や、やだ! 何、これ! 違う。こんな記憶……!」

赤松「助けて! 誰か……!」

赤松(殺されて殺されて殺されて殺されて……)

赤松「いや……やめて! 消さないで! いやあ!」

赤松「あああああああああああああ!」





白銀「そこで終わり、だよ」

裁判場


巌窟王「……!」

アンジー「え? 神様? なに? 何が起こったの?」

白銀「あらら。アンジーさんのことを咄嗟に庇っちゃったかー」

白銀「残念。全員一網打尽にできるはずだったのに、さ」

巌窟王「何をした?」

白銀「あははっ! わからないかな。思い出させてあげたんだよ」

白銀「みんなに。『自分が死んでいた』って記憶をね」

巌窟王「……」

アンジー「……何を言っているのか、わからないよー。だって――」

白銀「人間は死んだら終わり。思い出すのは生きた人間の特権。死んだ記憶を保持している人間なんていない……」

白銀「そうだね。そうだけど……」

白銀「……ま、これ以上は言う必要はないか」

白銀「とにかく思い出しライトの効力が一切ない巌窟王さんと、その巌窟王さんに庇われたアンジーさんだけは無事みたいだね」

白銀「今は……」ニコニコ

巌窟王「……」スタスタスタ

アンジー(神様は、アンジーから体を放して、地に落ちたデバイスを取りに向かっていく)

アンジー(楓の姿は……どこにもない)

巌窟王「……赤松たちをどこにやった?」ヒョイッ

白銀「さて。どこでしょう?」

アンジー「……!?」

アンジー(いない。どこにも。この裁判場に、アンジーと神様以外の誰も!)

アンジー(みんな、消えた……!?)

うわあああああああ!?

白銀「さて。どこから説明しようかな。元から巌窟王さんはこの世界に閉じ込める手筈だったんだよね」

白銀「あなたなら絶対に最原くんと対立するだろうしさ」

巌窟王「何が目的だ?」

白銀「すべての真相をあなただけに教えてあげる」

白銀「……そのつもりだったんだけど、アンジーさん以外にも予想外のことがあったみたいだね。そっちも処理しちゃおっか!」



ゴウンゴウンゴウンッ


アンジー「エレベーター……? こっちに向かって誰か来てる?」


チーンッ


ガシャンッ


最原「はあっ……はあっ……!」ゼエゼェ

天海「……ふー……!」ハァハァ

アンジー「終一? 蘭太郎!?」

白銀「……なんでまだこの世界にいるの?」

最原「質問はこっちがする! 白銀さん!」

最原「僕の仲間に何をしたんだッ!」

巌窟王「……!」

今日のところはここまで!

うわあああああ…これ、これまでの中で一番ヤバい…!!
一体最終的に何人生き残るんだ…!?

強制ログアウトで消されたにしても生きてるのか死んでるのか??
生きてても精神崩壊していそうだけど

一度に3人以上[ピーーー]のはアウトだったはずだから死んでないと思いたい

ハルマキじゃなくて天さんが残ってるのか

白銀「……間引き」

最原「はあ……?」

アンジー「それさっきも言ってたよねー。一体どういう意味?」

白銀「そのまま文字通りの意味だよ。今回の裁判は余興でさ。『ある一定のルールのもとに生徒をコロシアイから脱落させる』のが目的だったの」

天海「一定のルール……!?」

巌窟王「……最原。天海。他の連中はどうした?」

最原「わからない……わからないんだ。気が付いたら僕と天海くん以外、消えてたんだよ!」

天海「多分、あの光のせいっすね。月が妙に明るいと思ったらフラッシュを焚いて……気が付いたら全員いなくなってたんす」

巌窟王「思い出しライトか」

最原「……多分、そうだ。あの感覚は体に染みついてる」

天海「俺はそのときたまたま『月が眩しいな』って思ってて……ある行動のお陰で光を見ずに済んだんっす」

天海「ありがとう。アマデウスの仮面! キミには助けられてばっかりっす!」

アマデウスの仮面「」ババーンッ

白銀「そんなアホみたいな回避方法で!?」ガビーンッ

最原「でもわからない。なんで思い出しライトを浴びたらみんなが消えることになるんだ……?」

白銀「一応言っておこうか。最原くんたちのチームの方は、そんな酷い目に遭ってないよ」

白銀「ただちょっと記憶をいじくらせてもらったけどさ。単純に外の世界に出しただけ」

最原「僕たちのチーム?」

最原「……あ、あれ。巌窟王さん。赤松さんたちは?」

巌窟王「こちらも似たようなものだ。思い出しライトを浴びたと思ったら消えていた」

最原「……」

最原(さっき、白銀さんはなんて言った? 『僕たちのチームの方は』って、どういう意味だ……!?)ゾッ

白銀「ま、いっか。どうせ忘れることになるんだから、全部ここで終わらせちゃおう」

白銀「かなり私の身勝手が含まれるから、おそらく推理は不可能だろうからね」

白銀「さて。今回の間引きは、一体何を基準にして行われたのか。それは……」

巌窟王「裁判に正しい答えを示した者でもなく、裁判自体に違和感を示した者でもないのだろう?」

巌窟王「おそらく『最原の選んだ方が問答無用で正解。俺に付いてきた者は間引きの対象』と言ったところか」

白銀「!」

最原「え……? 僕?」

白銀「……凄いね。流石にこういうことなら最原くんより鼻が利くんだ?」

巌窟王「間引かれた者はどうなった?」

白銀「殺した」

最原「……」

最原「は……い……?」

白銀「……と言っても、巌窟王さんなら信じないだろうね。自分の目で見るまではさ」ニコニコ

巌窟王「ああ。もう俺は何も信じないことに決めたぞ」

巌窟王「……思い出しライトの『正体』にもアタリが付いてきたところだ。もう俺は迷わない」

巌窟王「必ず貴様を焼き尽くす」ゴオオゥッ

白銀「そっか。じゃあ下準備は完成かなぁ?」

最原(なんだ……? 何が起こってる? 殺された? 赤松さんたちが?)

最原(もうわからない。いや、何もわかりたくない……!)

巌窟王「アンジー。正念場だ。ここで決着を付けねば、後に残っているのは悲劇だけだと心得ろ!」

アンジー「……うん。わかった」

アンジー「ねえつむぎ。もう絶対に許さないよ。ここでブスブスの黒ずみになっちゃえ」

天海「ちょっ、待って! まだ彼女には聞きたいことが!」

巌窟王「答えると思うか?」

天海「いやそうっすけど!」

巌窟王「さあ。エグイサルを呼ぶがいい。すべてを蹂躙してやろう!」

白銀「ん? あはは! ごめんごめん! これが私の切り札だと思っちゃった?」ケラケラ

巌窟王「なに?」

白銀「そんなわけないじゃん! ただの物量で巌窟王さんに勝てるわけないんだからさぁ!」

BB『……! ……!?』ギャーギャー

最原(ん? 巌窟王さんの持ってるデバイスから声が……)

最原(外の世界……? 熱源感知……?)

最原(動いてるヤツが……いる?)



ブシュッ

アンジー「……お?」ポタッ

巌窟王「……アンジー?」

バタリッ

天海「アンジーさんッ!?」ダッ

白銀「ふっふっふー……『私は』何もしてないよ?」ニコニコ

アンジー「……? ……???」ガフッ

天海「や、やばいっすよコレ! 腹に穴が開いてるっす! 銃で撃たれたみたいな!」

巌窟王「!!」

巌窟王「バカな。この世界はそこまで荒唐無稽なのか?」

巌窟王「過程を経ずして結果が出る。銃を撃たずして銃創ができるとでも?」

白銀「もちろんそこまで滅茶苦茶な設定はないよ。ただ単に……」

白銀「リアルの方のアンジーさんの体が、誰かに撃たれただけ」

巌窟王「……!?」

天海「??」

最原「……ああ、そうか。完璧に理解した。やっぱりこの世界は……!」

白銀「あれ。言ってなかったっけ」

最原(いや。だとするとおかしい。白銀さん含めてみんなこの世界にいるんだ)

最原(外の世界でアンジーさんを撃てる人間なんているわけが……!)

最原「……」

最原「違う。そうか。わかったぞ!」






最原「キミは誰だ!?」

これ、バッドエンドルートじゃね?

天海「……え?」

白銀「……ハッタリのつもり?」

最原「ああ、そうだよ。ハッタリだ! ハッタリだった! でも『そういう反応をする』ってことは、やっぱり当たりなんだろう?」

最原「キミは白銀さんじゃない! ただのよくできたNPC……『アルターエゴ』だ!」

巌窟王「!」

白銀「あちゃー! 失態失態! ははっ、本当にやるねー最原くんはさ!」

白銀「流石は一番人気だ! キミを主人公に据えた甲斐があったよ!」ザザッ

最原「……ノイズが……!」

白銀「ふふふ……いや残念。こんな早く看破されなかったら『夢野さんは私の仲間だった』って嘘を流すつもりだったのにさ」

白銀「あはははははははは! あー、残念!」ザザザッ

巌窟王「……退室ログには何も無かったのではなかったのか?」

白銀「裁判中に抜け出したんだよ。ちなみに、本物の私は現実世界の方で悠々自適に、この裁判の様子を見ていたと思うよ?」

白銀「あ。そうそう。溶接した扉に関してはエグイサルで破壊でもしたんじゃない? こんなときのために中に入れなかったんだからさ!」

アンジー「……関係ない」ググッ

白銀「へ?」

アンジー「……関係ないよ。この程度、なんてことない!」グググッ

白銀「ああ。そう。じゃあ、あと何発かブチ込む?」


ブシュッ


アンジー「あぐっ!」

巌窟王「アンジー!」

白銀「あはっ」

アンジー「……どうでもいい! どうでもいいんだよ! こんな痛み!」グググッ

白銀「……あれっ」

アンジー「アンジーは……みんなと一緒に外に出る……!」

アンジー「神様と一緒に外に出る!」

アンジー「出るんだからぁ……!」バッ

白銀「……這いつくばってなよ」



ブシュッ ブシュッ ブシュッ


アンジー「ぎゃうっ……!」フラッ

巌窟王「……アンジー」

アンジー「大丈夫。アンジーのことは、気にしないで。もう倒れないから……!」

巌窟王「……」

巌窟王「いいだろう。マスターの意思を汲み取り、俺はヤツを焼却する」

白銀「……いいの? アンジーさんに無理させたら死んじゃうんじゃない?」

最原「ッ!」

巌窟王「……」

白銀「……イヤだなぁ。その眼。まずいなぁ。負けちゃいそうだなぁ」

白銀「だから攻め方を変えよう!」キランッ

ブシュッ

最原「は?」

天海「……え?」ポタッ

天海「お……俺……?」


バタリッ


アンジー「!」

白銀「あ。こっちはついで。大本命はこれからだよ!」ニコニコ


ブシュッ


最原「がっ……!?」

アンジー「あ……終一? 蘭太郎!?」

巌窟王「白銀……そこまでか? そこまで堕ちていたのか、貴様はッ!」

白銀「あはははははは……あー、楽しい。まさかモンテ・クリスト伯から『そこまで』とか言われちゃうなんてなぁ?」

白銀「……まだ『この程度』ってレベルなんだけど? まだまだこれからだよ?」ギロリ




ブシュッ ブシュッ ブシュッ


最原「がっ! ぐっ……ぎっ……ああああああああああッ!」

天海「さ、最原、くん……!」

アンジー「……」

白銀「アンジーさん。これでいいの? アンジーさんの命とか私自身も本当どうでもいいんだけどさぁ」

白銀「このままじゃ大好きな最原くんが死んじゃうよ?」

アンジー「……あ、あう……!」アセッ

巌窟王「アンジー。今更迷うな」

アンジー「神様。で、でも、終一が……蘭太郎も……!」オロオロ

巌窟王「チッ……!」

白銀「あ。大丈夫。人質なんだからギリギリまで殺さないって」

白銀「私の要求もそこまで理不尽じゃないしね?」

アンジー「要求?」

巌窟王「アンジー! 耳を貸すな!」







白銀「令呪一画残ってたよね? それ使って巌窟王さんに命令してほしいな?」

アンジー「!」

白銀「……命令内容は『一切の行動を取るな』ってところ。大丈夫。これで誰も死ななくて済むから」

BADEND直行ルートだこれもう…

たまにはBADENDでもいいけどね
正直無理やりの展開で全員生かしてきたし

白銀はコンピュータルームに入ったって言ったよね。外からエグイサル五体に開かせて銃持ち込んだってことか?

最原「待……て! そんな命令をさせて、巌窟王さんに何を……!」

白銀「最原くんが気にすることじゃないよぉ! 巌窟王さんには死ぬより辛い目に遭ってもらうだけ!」

白銀「ははっ! 大丈夫! 死にはしないから!」

天海「あ、アンジーさん! 俺のことはいいっす! いや、ていうか巻き込まれただけっすからマジでどうでもいいと思うんすけど!」

天海「巌窟王さんと一緒なら、そんな要求飲む必要は……!」


ブシュッ


天海「あぎっ!」

白銀「……最後まで役立たずだったね。天海くん」

天海「ッ!」

白銀「ふふっ。本当、何もできないんだなぁ。キミは」

天海「……」

最原「アンジーさん……お願いだ。やってくれ。僕は大丈夫だから……!」

最原「巌窟王さんを手放したら、それこそ本当のお終いだ! やめてくれ!」

アンジー「で、でも……!」

白銀「……」

白銀「死なせるつもりは私もないけどさぁ?」

白銀「ちょこーっと派手に傷つけるつもりは、あるよ?」

最原「え?」


ブシュッ



最原「ぎゃうっ……!?」

天海「え。あれ。今、頭から血を噴出さなかったっすか?」

天海「……あれ? え? さ、最原……くん?」

アンジー「ひっ……!」

てか白銀おしおきされそうにないし、それだと可愛くならないんだが

…これ逆行してハッピーエンド目指す展開か…?

やめろ……やめてくれ……

もはや首謀者による一方的な虐殺やリンチだし、視聴者からしたらこんなのダンガンロンパじゃねえ!ってなるんでは?

…もしかして巌窟王が夢野にプレゼント渡す前まで逆行するのかな?
タイガー道場行ってさ

最原「……だ、だい、じょう……ぶ……」

天海「そんな様子じゃないっすよ! コレ! 頭を思い切りぶん殴られて……!」

天海「これ、シャレになんないっすよ!」

最原「アンジー……さん……! やって……止まらないで……!」

アンジー「……」

白銀「私も本当に。本っ当ーに最原くんを殺したくはないんだよ? ないんだけどさ……」

白銀「それを引き換えにしても巌窟王さんは危険すぎる。だからどうしても制限したいんだ」

白銀「……わかってくれる?」ニヤァ

アンジー「……神様……アンジー……アンジー、は……!」

巌窟王「……」チラッ

最原(巌窟王さん……!)

巌窟王「……ふっ」

最原(……え? 笑った?)

巌窟王(仕方がない、か)

巌窟王「クハハハハハハ! 白銀よ! 悪手も悪手……最悪手だぞ! これはァ!」ゴオオウッ

アンジー「神様?」

白銀「!」

白銀「あ、あれ。状況見えてないの? 今、二人も人質に……!」

巌窟王「バカめ! こんなものに俺が惑わされると思うか!」

巌窟王「もういい! この程度で! 情に絆されて役立たずになるようなマスターならば必要はない!」

巌窟王「俺の足手纏いになるならば、生徒なぞ知ったことか!」

巌窟王「死ね! 死ね! 殺したければ殺せばいい! その瞬間、貴様の命を終わらせてやる!」カツンッ

アンジー「や、やめ……やめて! お願い! 止まって神様……!」

巌窟王「うおおおおおおおおおおおおッ!」

白銀「ひっ……!?」

アンジー「――!」

アンジー「令呪を持って命ずる! マスターの名において、我がサーヴァントに対し一切の行動を許可しない!」



ガキンッ



巌窟王「……」ギリリッ

最原「あん、じー……さん?」

天海「ああ……そんな……!」

最原(最後の、令呪が……)

アンジー「消えた……」ヘタッ

巌窟王「……」

巌窟王「アンジー」

アンジー「……」ビクッ

巌窟王「俺を、捨てるのだな?」

アンジー「あ……あ……いや……」ポロッ

最原(……アンジーさんは、何度も首を横に振る。でも、巌窟王さんは振り向いてないから、わかってない)

最原(そして……アンジーさんは巌窟王さんの顔を見ていないから、巌窟王さんの表情に気付いてない)

巌窟王「……そうか」

最原(その顔は、この最悪な状況にしては似つかわしくないほどに……)

最原(安心しきっていた)





巌窟王(よくやったな。アンジー)

夕飯食べてきまーす!

作者―!これハッピーエンドになるんだよな!?


仮想才囚学園入った直後に最原が見た人影って、白銀アルターエゴの事だったんだな ぐだ男かと思ってたわ

なんで岩窟王は霊呪使わせたんだろ
マスターきてたりすんの?他のやつをマスターにできるの?

いや、ぐだ男だと思うよ。黒髪の男子って書いてある

巌窟王「……」

白銀「あービックリした……まったくもう。完全に人格は『白銀つむぎ』なんだから、私だって死にたくはないんだよ?」

巌窟王「俺をどうするつもりだ?」

白銀「ふふっ。お望み通りにしてあげる! 巌窟王さん、憎まれ口叩いていてもみんなのことが大好きでしょ? だから……」

白銀「……せめて、その道筋には放置してあげるよ。ただ当然代償は貰うけど」

白銀「腕一本くらい残ってれば、這うには充分じゃない?」

巌窟王「!」

白銀「やっちゃえ、エグイサル」




ガシャコンッ ガシャコンッ ガシャコンッ……



巌窟王「最原」

最原「……巌窟王、さん……!」

巌窟王「思い出せ。お前には武器をやっただろう?」

最原(え……?)

白銀「しょーたーいむ」




ブチッ


ブチブチブチッ


バシャッ グチャッ バリッ



巌窟王「ぐ……うおあ……ぐああああああああああああああッ!」

アンジー「やめて……お願い。もうやめて……」

アンジー「なんでもするから……! 助けて……!」ガタガタ

白銀「ダーメッ。アンジーさんは助けないよ」

アンジー「え……?」

白銀「ふふ。サーヴァントの責任はマスターの責任。決めちゃった! あなただけは私が直々におしおきしてあげよう!」ニコニコ

最原「ッ!」

天海「な、なにを……こんな犠牲を払わせておいて、更にアンジーさんから何を奪う気なんすか!」

白銀「色々と。まだ残ってるもん、利用価値」

アンジー「……」

最原「逃げて……アンジーさん!」

アンジー「ごめん……」

最原「え」

アンジー「なんかもう……ここまでされて……それでも生きる意味が見つからないよ……!」ガタガタ

アンジー「逃げるって、どこに逃げるの……!? 教えてよ終一……! 神様……!」

アンジー「誰か……っ!」

白銀「バイバイ」

天海「!」バッ


ピカッ

最原「……」

最原「また消えた……?」

最原(なんだ……どこに消えて……?)

白銀「アンジーさんだけは特別室にご案内。そして……さて。通行料を頂いた巌窟王さんは、暗い暗い地の底へとご招待!」

白銀「……アンジーさんも待ってるよ。助けるために頑張ってね。腕一本で」

エグイサル「……」ペイッ

最原「!」

最原(一瞬だけ見てしまった。赤い沁みが大量についた、ボロ雑巾のような何か)

最原(それがいつの間にか床に開いていた穴に、あっさりと落ちていく)

最原(……叫び声が聞こえない。おそらく気絶したのか。さもなくば……声を上げるだけの体力がもう残っていないのか)

最原「……何をさせようとしてるの?」

白銀「巌窟王さんだけが知ってればいいこと。あなたたちにはもう、どうでもいいでしょう?」

白銀「ていうか……」

アマデウス斎藤「……」ハァハァ

白銀「その仮面を被って思い出しライトを浴びないようにしている天海くんはともかくとして」

白銀「なんで最原くんは平気なの? 裸眼で見てるよね?」

最原「……?」

…もしかしてなんかスキル渡したのか…?

最原(……いや。平気、というわけでもないのだけど……?)

最原(あの光を見るたびに、頭がボヤッとするし……)

最原(……あれ。僕は何か、大事なことを忘れているような……)




――はい。終一! アンジー、特にいらないからコレあげるよー!



最原「!」

最原(今の声……アンジーさんの……)

最原(そうだ。さっき巌窟王さんも言っていた。僕になにか『武器』を渡したとか……)

最原(心当たりはなくもないんだけど……クソッ! 思い出せない! あと少しなのに!)

白銀「ま、いっか。いくらでも見せてあげるよ。ちゃんと『上書き』できるようにね」

最原「え」

白銀「つむぎちゃんキーック!」カツンッ

天海「ああっ! 仮面が!」

白銀「……今度こそ、バイバイ。二人とも。天海くんにはそれなりに期待してたのになあ?」

天海「え……?」





ピカッ

――大丈夫。思い出せる。


最原「……!」


――ちゃんと巌窟王から貰っただろ?


最原(黒い髪の少年……! キミは誰……?)

最原(……)








GAME OVER

あーあ……

病院

最原「……ん……?」

最原「あれ。ここは……」

茶柱「あっ……! 最原さん! 最原さん、目が覚めたんですか!」

最原「え。茶柱さん? 無事だったの?」

茶柱「は……? 無事って?」

春川「……酷い傷だったからね。記憶が混濁してるのかも」

百田「しっかりしろよ終一! まだ死ぬには早ぇぞ!」

最原「……?」

最原「他のみんなは……?」

王馬「みんな? 何言っちゃってんの?」






王馬「六人全員、生き残ってる生徒は全員ここにいるけど?」

最原「……??」

天海「ははっ……最原くん、俺なんかより随分と酷い手傷っすね」

最原「……あれ。なんでこんなことになったんだっけ……痛っ!」

茶柱「ああ、もう! 無理しないでくださいよ!」

茶柱「覚えてないんですか? あなた、ゴン太さんのおしおきの最中に飛び出して行って、一緒にハチの巣にされたんですよ?」

茶柱「……ゴン太さんに続いて、あなたまで失ったらどうしようかと……!」

茶柱「もうっ!」ベシッ

最原「痛ーーーッ!?」

最原(あ、あれ……? そうだったっけな?)

最原(なんか違和感あるような……?)

茶柱「でもよかった。ちゃんと生きてて……」

茶柱「本当に……よかった……!」ポロッ

最原「……」

最原「?」

キーボ消してよかったのかねぇ…?視聴者代表なのに

タイガー道場ルートじゃないのかな?

プログラム世界の中

ズルッ ズルッ


巌窟王「……」ズルッ

巌窟王「……」ズルッ

巌窟王(……平気だ。この程度なら、慣れている)

巌窟王「……」ズルッ







白銀「ふふっふー……さあって! いつまで行けるか見物だなぁ」

白銀「一応、理屈上は『助けられる』ようにはしてるんだよ。ゲームだし」

白銀「ただまあ……ゲームオーバーの条件もキチンと用意してるんだけど」

白銀「大したものだなぁ。腕一本だけで進むなんてさ」

白銀「……最初に誰のところに到達したとして、腕一本で何ができるのかもわからないけどさ」ニヤァ

白銀「……おっと。そうだ。アレのことも忘れずに回収しないとなぁ」

白銀「百田くんのポケットに入れておいたヤツは……まあ処理は終了してるけど」

白銀「プログラム世界内に巌窟王さんが持ち込んだヤツはキチンとデリートしないと」スタスタ

白銀「お。落ちてた落ちてた。服の破片の中にちゃんと転がってた。エグイサル偉い」

白銀「よしよし、じゃあ回収して……」

BB『やばっ! トランスフォーム!』ガシャーンッ

白銀「は?」




ビシュンッ


白銀「……」

白銀「デバイスが飛行機に変形して飛んでったーーーッ!?」ガビーンッ!

白銀「え、えーっ……予想外なんだけど……まあいいや。放っておこう」

白銀「じゃ。始めようかな……」

白銀「白銀つむぎプロデュース。アンジーさんに対するおしおきターイム」

モノクマ「悪趣味ー」

白銀「ははっ。いいんだよ、それで」

白銀「あ。モノクマ。ちゃんとアレ、細工しておいてくれた?」

モノクマ「もちろん! キーボくんに関してはぞんざいに扱うわけにはいかないし……」

モノクマ「……投票を放棄した生徒を、放置しておくわけにもいかないしね?」

白銀「ふふっふー。楽しみだなぁ……楽しみだなぁ……」

白銀「この絶望を、みんなはどうやって乗り越えてくれるのかなぁ……?」

白銀「あははっ。あははははははははっ……!」

?????


セーッ……


ダセーッ……




夢野「うおおおおお! 出せーっ! ここからさっさと出すんじゃーっ!」

夢野「ていうか誰か気付けーっ! ウチはここにいるぞー!」ガンッガンッ

夢野「ふーっ……ふーっ……ダメじゃ! 開く気配がないのう! さてどうしたものか」



ヒュンッ


ガツンッ


夢野「ぎゃーっ! 後頭部に何か当たったーーーッ!」ガビーンッ

BB『ぎゃーっ! やっと現実空間に出れたと思ったらぶつかったー!』ガビーンッ

夢野「……」

BB『……』






夢野「んあっ?」

BB『あっ』

夢野いきてたぁあああああああああ!?

第四章
虚構殺人遊戯:才囚学園、改め、架空推理学園ダンガンロンパ


END


残り人数

六人(七人?)+〇騎



TO BE CONTINUED



忘れられた誰かの帽子を手に入れました!

今日のところはここまで!

半分以下になっちまったなー
これ、第五章どうなるんだ…?

夢野は生きてたし赤松達ももしかしたら生きてるかもしれない

ただ記憶を書き換えられて意識失ってるんじゃないかな?
でも白銀もなんで殺してなかったんだろうね夢野

白銀の言い回し的に巌窟王がプログラム世界内で死んだ赤松たちを助けていく形になるのかな

んで最終的に白銀も仲間になって真のラスボス倒すって事かな?
一応本当に殺さないでいたから救済余地あるし

えっちょっ
いいとこまで来たのにここで終わり?

夢野生きてたけどまた殺されそうで怖い
転子もどうなるのかな

私のツイッター。暇すぎてヘソからエイリアン産めそうってときに見るといい。どうせ明日も夕方更新っすからね

https://twitter.com/Japanesecastle

最原忘却補正スキル手に入れてる?

恐らく入手してるんじゃないかと

それにしてもらっきょ復刻嬉しいわー
これでCCCイベにも希望が出てきた……!

って事は後で思い出すのか…
百田と王馬の事件が起きる前に何とかしないと全員生還は不可能に近いな…

最原(白銀さんが赤松さんに殺され……赤松さんが処刑されて……)

最原(キーボくんがモノクマに逆らって処刑されて……)

最原(星くんが東条さんに殺され……東条さんが処刑され……)

最原(アンジーさんと夢野さんが真宮寺くんに殺され、真宮寺くんが処刑され……)

最原(入間さんがゴン太くんに殺され、ゴン太くんが処刑されて……)

最原(そして現在に至る)

最原(現在に至る……?)

最原「明らかに何か忘れているような……」

茶柱「何か言いましたか?」シャリ……シャリ……

最原「いや……」

最原「ところで茶柱さん」

茶柱「なにか?」

最原「ピーラーでリンゴの皮を剥くのは無理があるんじゃ……」

茶柱「安心してください。最悪手が滑って最原さんを殺すことになったとしてもリンゴは最終的にウサギになります」

最原「リスク評価って知ってる?」



第五章

Cosmos in the lostmemories

(非)日常編

学園某所

BB『えー。では現状を整理しましょう。そう、あなたのために。デバイスの向こうのあなたのために!』

夢野「そんな『画面の向こうのあなたのためだけに』みたいなセコいやり口に引っかかるような年齢じゃないぞ」

BB『昨日の午後十一時、私たちはある事件に遭遇しました。そう、あの悍ましい夢野さん殺人事件に……』

BB『巌窟王さん含め、残りのメンバーたちは必至こいて証拠を収集。なんとか白銀さんが犯人だという真相に辿り着いたのですが……』

BB『そもそも夢野さんが死んでいたことどころか、世界観すらプログラムの中での設定でしかありませんでした』

BB『そう! 巌窟王さんたちは現実の世界にいた、と思いきや思いっきりプログラムの世界に囚われたままだったのです!』

BB『というのが、通信が大分復旧してから掴んだBBちゃんの情報です』

夢野「毎度毎度気になっておったんじゃが、そろそろ聞かせてくれるかのう」

夢野「巌窟王のホームはどうやって、この才囚学園の様子を見ていたんじゃ?」

BB『手段は二つほど。いや二種類と言った方がいいですかね』

BB『まず一つ目。このデバイスのマイクとカメラを使って遠隔から見ています』

BB『当然、百田さんが最近まで持っていたアレもキッチリ稼働していましたよ』

BB『そして二つ目が……あなたたちの傍にいた謎の喋るカメラくんです』

夢野「んあ? 喋るカメラ? そんなものいたかのう?」

BB『ええっと、確かみんなは彼のことをキーボだとか言ってましたね』

BB『アレなんだったんです?』

夢野「超高校級のロボットじゃが……」

BB『えっ。ああ! 十六人目の高校生って彼のことだったんですね!?』ガビーンッ

夢野(酷い)

BB『というのは当然冗談です』キランッ

夢野(酷さ倍化)

BB『あの謎解きゲームの末、この学園の生徒は二つのチームに別れました』

BB『一方は裁判そのものに不信感を抱いた最原くん率いる現実組』

BB『一方は真実そのものを後回しにして復讐を遂げるために巌窟王さんが率いたゲーム組』

BB『なお命名はBBちゃん』

BB『白銀さんの言によれば現実組は記憶を弄った上で外に出したとのことでしたが……』

BB『ここから先は実際に調査しないとわかりませんね』

BB『まあだからと言ってゲーム組の全容もわかっているわけじゃないのですが』

夢野「ゲーム組は今どうしてるんじゃ?」

BB『それがBBちゃんでも片手間では調べられないどこかへと飛ばされちゃったようでして……』

BB『あの言動からすると、全員生きてはいるんでしょうが、巌窟王さんだけは死ぬより辛い目に遭っているはずです』

BB『いや……もしかするとゲーム組全員が……』

夢野「……なんとかできんのか?」

BB『さて。それを成すためにはどうしても夢野さんの協力が必要です!』

BB『脱出ゲームスタート! どうにかしてここから、一緒に脱出して学園へと戻りましょう!』

夢野「でもそれが白銀にバレたら、また閉じ込められるか、下手すれば殺されるかするじゃろうなぁ?」

BB『あ。大丈夫です。こちらにも奥の手がありますので……』

夢野「……?」

休憩します!
コラボイベントも復刻されるんだね……?

おお………夢野が最原たちに会えれば記憶の間違いを指摘できるな

夢野がいるのは一応現実側なんだよな?
学園の敷地以外で監禁できるような場所ってあったっけ?

格納庫って解禁されてたっけ?

課金と監禁って似てるよね

去年のGWから人理修復開始したうちのカルデアにもやっとしきやBBちゃんが来るんだね…これが希望なんだね?

イベント復刻あるって知ってたら
ジャックちゃんピックアップで全部溶かさなかったんだが……

らっきょ礼装ほとんど手元に残ってないんだよなぁ…。イベントどころか全てのイベントが復刻しないと思ってたから

病室

茶柱「できました! 可愛いウサギちゃんですよー!」

最原(過程は見るからに滅茶苦茶だったのになぁ)

最原「……食べるのがもったいないね」

茶柱「え?」シャクシャクシャク

最原「自分で食べちゃうの!?」ガビーンッ

茶柱「……冗談ですよ。キチンと最原さんの分もありますって」

茶柱「はい、皮の部分」

最原「嫁姑戦争並みの陰険さ!?」ガビーンッ

茶柱「……」

茶柱「いえ。本当はその……ちゃんとあげようと思ったのですが……」

茶柱「……」カァァ

最原「……」

最原(照れ隠しだったのか……!?)ガビーンッ

茶柱「……東条さんがいればもっと早く治ったのかもしれないのですが」

茶柱「しばらくは病室で絶対安静ですよ。三日ほど」

最原「三日で治るの?」

茶柱「そんなわけないでしょう。ただ『三日経ったら最低限動ける』程度の話でしかありません」

茶柱「無理したら死にますよ」

茶柱「そして死んだら地獄まで追跡してグーパンしますよ」

最原「死んだ後くらい静かに眠らせておいてよ!」

最原「……」

最原「ねえ茶柱さん。なにか忘れてることないかな?」

茶柱「忘れてること?」

最原「なんか……人数が足りない気がして……」

茶柱「……忘れてませんよ。忘れられるわけないじゃないですか」

茶柱「この学園に来てからのすべてを、忘れられるはずが……」

最原「……」

最原(そうだよな。やっぱり疲れてるのかな?)

最原「ごめん。頭がちょっとぼんやりしてるんだ。このまま寝ちゃうよ」

茶柱「ええ。おやすみなさい」

最原「……あ。その前に」

茶柱「その前に?」

最原「そこに飾ってあるぬいぐるみって誰が持ち込んだの?」

エウリュアレちゃん人形「」ドーンッ

ステンノちゃん人形「」ドーンッ

メドゥーサちゃん人形「」ドーンッ

茶柱「……さあ?」

最原「なんだろう。見てるだけで滅茶苦茶不安になるんだけど……」

茶柱「気のせいでは? 可愛いですよ?」

天海の研究教室

天海「……」

天海の映像『これはキミ自身が望んだコロシアイっす。だから……』

天海の映像『絶対に勝たなきゃダメっすよ』

天海(ああ。思い出した。ちょっとだけ……断片的にだけど)

天海(そうだ。俺は望んでこのコロシアイに参加したんだった)

天海(……そうか。こんな階層に、しかも四回の学級裁判を経た後に、この研究教室が解放された理由がやっとわかった)

天海「もうこの時点で……生存者特典に大した理由はない。ほとんどの区画が解放されてるんすから」

天海「そして、今この段階で俺が才能を思い出しても……」

天海「全部、手遅れなんすね」

天海「……ははっ。あはははははははは……」




ガシャンッ


パソコン「」バキンッ

天海「……う、うお……おおおおお……!」

天海「ああう……うううううううううううう……!」

天海「うわあああああああああ……!」

校舎の外

百田「……今日は調子がいいな! よしっ!」

春川「今日『は』?」

百田「なんでもねぇ! 今日もの間違いだ!」

百田「さぁって! 病室で暇している終一のために、図書室でなにかしら本を持ってきてやるぜ!」

春川(……妙に元気だな?)

春川「ちゃんとタイミングは見てよ?」

百田「お? おお……なんか最近茶柱と終一はいい感じだしな。空気は読むぜ。最低限」

春川「あと、変なのもちこまれたら困るから、私も付いてく」

春川「エロ本とか持ち込んだりして茶柱に見つかったら血の雨だよ?」

百田「……お、おう」ビクッ

春川(やるつもりだったな、コイツ)





図書室

王馬「えっろほーん。えっろほーん」ルンルン

(実はハルマキが2番目にまともな女子なんじゃ…)

カルデア

BB「さあ女神のみなさん! 夢野さん大脱出作戦の始まりですよーーー!」

女神陣「イエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!」

イシュタル「うわあ。随分とまあ視聴者が増えたわねー」

ナーサリー「今更だけど布教したことを凄まじく後悔してるのだわ」

BB「ひとまずアンジーさんに与えるはずだった加護を持て余しているみなさんは振るってご参加ください!」

BB「残っている女神系サーヴァントは……」

ジャガーマン「私かにゃあーん(猫なで声)」

BB「……」

セミラミス「一応神性はもっているが、我は加護なぞ与えんぞ」

BB「……」

酒呑童子「……」ニヤニヤ

BB「……」

BB「一番まともで使えそうなのが、なんとジャガーマンさんオンリー……!」ガビーンッ

BB「ま、まあいいです。幸い、こういうことに関してはジャガーマンさんの得手でしょう! 奇しくもね!」

イシュタル「今更だけど、アンタの娘たちも確か神性持ちよね?」

BB「刺激が強すぎるので今回はパスさせました!」

ナーサリー「わあ家族思い」

イシュタル「違うわよー。これ間違っても主導権を奪われたら困るっていう美味しいとこどりの本能だから」

セミラミス「あさましいな?」

イシュタル「え? あなたが言うの?」

酒呑童子「うちは協力してもかまへんよ?」ニヤニヤ

ナーサリー「進言するわ。BB。多分アレを巻き込むと未成年の生徒たちに間違いなく悪影響なのだわ」

BB「ですよねー」

夢野『うおーい。まだかー?』

BB「はい! 大丈夫です! やれます!」

BB「……一緒にみんなのところに帰りますよ!」

ジャガーは依り代もテンションがアレだけど割とまともな部類だと思うの、いつもテンションがアレだけど

今日のところはここまで!

まぁ依り代の藤ねえは作中屈指の良い人だからなぁ。他の女神陣より安心はできる。夢野にブルマ履かせて弟子にしなければ(使命感)

今更だけどここのカルデアの時間軸ってどうなってるの?
さらっとエレちゃんやら蝉様居るけど

エレちゃんやセミラミス登場のイベントは本編でも時系列が曖昧だから、多少ね?

才囚学園の生徒たちを救えるのは超英霊級のヒロインであるジャガーマン先輩だけ

いよいよもってこのスレで完結するのか分からなくなってきたな…清姫スタンバイさせとく?

そうだねぇ…もしこのスレで終わらなかったら逆転さんのお仕置きターイム!

もう道成寺はイヤだ……!

学園某所

BB『さて。じゃあ話を元に戻して……脱出ゲームで一番大事なところを確認です』

BB『そこ、どこです?』

夢野「隠し部屋……じゃと思う」

BB『隠し部屋?』

夢野「ウチもよくわからんが、とにかく隠し部屋じゃあ。女子トイレのあたりに隠し部屋の入口があっての」

夢野「そこに踏み込んだら、いきなり白銀に何かをされて……」

夢野「傷を見てみる限り弾でも撃ち込まれたんじゃろうなぁ? 麻酔弾とかそういうの」

BB『ふむ……周りに何があります? おそらくデバイスが出た先にこの部屋があったのなら電話回線くらい通ってるんでしょうが』

夢野「モノクマのデカい顔のオブジェ……?」

夢野「ウンともスンとも言わないから正真正銘の置物じゃろうな?」

BB『うっわ。本当だ。何これ。メトロイドのマザーブレインみたいに水中に浮かんでますけど……』

BB『うーん……端子とかあります? 繋いでくれれば充電するついでに中身調べられますけど』

BB『邪魔者だったとしたらウイルスぶちこんでぶっ壊します』

夢野「んん……ええと……ああ、おあつらえ向きにコードとかも放置されておるの。よし」カチッ

これモノクマ終わった?

BB『……中身、なし。いや、何かしらあった形跡はありますね』

BB『でもコレ見る限り引っ越しされたか、さもなくば完全消去された後です』

BB『権限も凍結済みだから、残骸を乗っ取ったところで特に何もできませんね』

夢野「つまり特に役に立たないというわけじゃな?」

BB『ええ。ひとまずは。さて、夢野さん。どうして外に出られないんです? 入口はあったんでしょう?』

夢野「それがじゃなあ、途中の道がコンクリか何かで埋められておってのう」

夢野「どうしても外に出られないんじゃよ。元来た道からは」

BB『カメラから見る限り、もう一つメカメカしいドアがありますけど』

夢野「ウンともスンとも言わない。こっちは物理的じゃなく電子的にロックされているようじゃの」

BB『よし。じゃあどこかしらにこのデバイスを繋いでください。深夜までには開くようにハッキングしますので!』

ジャガーマン『そこから先は、私の出番だぞっ』

ジャガーマン『弟子アウノウン号よ。先生の指導に、キチンとついてくるんだぞっ』キラーンッ

夢野「は?」

ジャガーマン『ついてくるんだぞっ!』ギランッ

夢野「ぴいっ!?」ガビーンッ

BB『威圧しなーい』

BB『しかし、これだけ怪しい部屋に何もないっていうのが妙に引っかかりますね』

BB『そこのオブジェには間違いなくなにかがあった形跡がありますし……』

夢野「不思議じゃのう」

BB『うーん。まあ、後で現地の誰かが調べてくれれば済む話、ですよね』

BB『さて。誰かが来る前にパッパッと終わらせちゃいましょう!』

BB『……そうだ。これも忘れてました。見回りに誰かが来たりは?』

夢野「一度たりともなかったのう」

BB『食事とかトイレとかはどうしてました?』

夢野「トイレは別室に。食糧もメモ書きと共に一週間分は置いてあった」

BB『メモ書き? 内容は?』

夢野「『ごめんね! by白銀』じゃ」

BB『……』

ジャガーマン『悪い子は可愛くて怖いジャガーマンちゃんが食べちゃうのであった。ぱく』

BB『なんというか徹底的にこちらのことをバカにしてますね。ふふふ。いいでしょう』

BB『ならばこちらも私情バリバリマックスでお送りしますよ!』

BB『食らって爆ぜろ! CCC(カースドキューピッドクレン――)』

ジャガーマン『ジャガーリセットボタン』ポチッ

BB『え――』


ブツンッ


夢野「……ん?」

夢野「おい。おーい。どうしたー?」ポチポチ

夢野「……」

夢野「通信が切れおった……」ズーン

今日のところはここまで!
AP消費しなきゃ……

今更だけど私の『これ以降事件は起こらない』という発言に関してはマジで真実だったよ!?

でもこの展開見る限りあともうひとつ事件起きるんじゃね?

病院

春川「……百田。ちょっと聞きたいんだけどさ」

百田「お?」

春川「この病院、なんで開設されたのか覚えてる?」

百田「あ? んなことも忘れちまったのかよ。そんなん……」

百田「……なんでだっけな?」ハテ

春川「……なんか忘れてる気がする……っていうか……」

春川「頭が最近、フワフワしてて現実味がない……」

春川(いや。なんというかそれを通り越して『生きている気がしない』)

春川「……百田。私たち、何か忘れてる気がしない?」

百田「忘れてるな? 明らかに」

百田「まあ必要なことなら思い出すだろ。人間そういうふうにできてんだ。慌てんな」

春川「……うん」

百田「さあってと! じゃあ見繕った本をさっさと終一の部屋にダイナマイッしてこようぜ!」

春川「そんなダイナミックに投下するようなものじゃないよ?」

病室周辺

百田「おっし! それじゃあ行くぜ! 終い――!」

春川「!」

春川「待って」グイッ

百田「首根っこ!?」グヘァ

春川「……ちょっと遅れた方がいいかも」

百田「お?」

春川「なんか楽しそうだし」

百田「……」





最原「……できた」カシャーンッ

茶柱「すごっ!? グチャグチャのルービックキューブが綺麗な六面クリア!? 嘘でしょ!?」

最原「……あれ。凄い苦手だったはずなんだけど……?」

茶柱「あの……五×五マスのヤツも持ってきてるんですけど、やります?」

最原「うん。やらせて」





春川「ね?」

百田「……いらねぇ世話焼いちまったかな」フッ

春川「ま、後ででいいでしょ。私たちは時間を改めて……」

王馬「やっほー最原ちゃーん! エログロな真っピンクのエロ本を持ってきたよー! 注文通りの親子丼特集のヤツ!」ガラララッ

百田「」

春川「」

最原「」

茶柱「……」

茶柱「やはり男死に希望などないのです」ゴッ

最原「待っ――ぎゃあああああああああああ!?」



ゴキンッ

新世界プログラムの中

白銀「起きて……」

白銀「ねえ。起きて……」

アンジー「……」

白銀「……言ってみただけだよ。当然、起きてるよね。寝る権利に関してはこっちで制限してるし」

アンジー「う……」

アンジー「何を……したの? みんなに……」

白銀「うーん。説明は長くなっちゃうなー」

白銀「まあ、死の体験?」

アンジー「この世界って確か……」

白銀「大丈夫。あくまでも体験版だからさ。本当に殺しちゃったりはしてないよ。興醒めでしょ?」

白銀「第一、あなたたちを皆殺しにしたいのならエグイサルでグチャッで事足りるしさ」

アンジー「じゃあ……」

白銀「記憶を消して再上映。記憶を消して再上映」

白銀「……最悪の結果で死亡する記憶を何回も何回も植え付けているだけだよ。ショック死しない程度にね」

アンジー「……衰弱死はするんじゃない?」

白銀「平気だよ。だって記憶を消して……詳しく言うなら記憶を『上書き』するのが思い出しライトの真の機能なんだもん」

白銀「精神が壊れたりはしないよ。これやられてる本人は無限ループだと認識してないもん」

アンジー「……?」

アンジー「じゃあ……やられている本人は、本来設定されている上限より上の絶望はできないよね?」

白銀「別にそれでいいんだよ。だって、仲間だもん。そんな酷いことできないよ」

アンジー(白々と……)

白銀「本当のターゲットは……別の人、だからね」

アンジー「……アンジー?」

白銀「それと、巌窟王さん」

アンジー「!」

白銀「ふふっふー……思い出しライトを巌窟王さん用に改造したんだ。これなら忘却補正があっても関係がない」

白銀「いや。忘却補正があるからこそ酷いことになる」

アンジー「何……してるの?」

白銀「思い出しライトの『上書き』の機能を消した。ただ単に記憶を『追体験』させるだけの代物にしたんだよ」

白銀「これで思い出しライトの内容を『自分のものだ』とは錯覚しづらくなったわけだけど……」

白銀「苦しみや痛みとか鮮烈な記憶は、ほぼ自分の物と遜色なく体験できるはずだよ」

白銀「……ふふっ」

アンジー「……な、内容は……なに……?」ガタガタ

白銀「……」






白銀「現状新世界プログラム内で『おしおき』を受けている生徒全員の記憶の追体験。ほぼリアルタイムで上映中」

アンジー「ッ!」

巌窟王「……」ズルッ ズルッ


――ごめんなさい。最原くん、白銀さん。私が首謀者を殺そうだなんて思わなければ……!


巌窟王「……」ズルッ ズルッ


――俺には……何もない。外の世界に俺の生きる動機は何も。

――ごめんなさい。星くん。ごめんなさい。あなたを殺した私を許して……!


巌窟王「……」ズルッ ズルッ


――や、やめて……お願い。僕にそんな酷いことをしないで。姉さん! 姉さんッ!


巌窟王「……」ズルッ ズルッ


――やめて! 死にたくない! 苦しい! 死にたくない! 苦しい! 苦しい! 助けて!

――ゴン太は……なんでこんな酷いことを……? みんなの役に立てないままで……!


巌窟王「ぐ……!」

巌窟王「……」ズルッ ズルッ

白銀「どの程度うまくいっているかわからないけど、もしかしたら生徒全員の怒り、悲しみ、後悔とかいった感情も巌窟王さんに逆流してるかもね」

白銀「あの人、本当に優しかったからなぁ。そういうこともあるでしょ」ケラケラ

アンジー「ひ、酷い……! なんでこんなこと……!」ガタガタ

白銀「ん? 酷い、のかな? どうだろ。自分でやってることだから全然わかんないや」

白銀「なので……どのくらい酷いことなのか、アンジーさんが試してみてよ」

アンジー「へ?」

白銀「巌窟王さんが見ているものを、そのままあなたにも見せてあげる!」

アンジー「ひ……!?」


ガシャンッ


アンジー「あ、や、やめて……! 何この鎖! 外してよ!」ガシャンッ ガシャンッ

白銀「だーめっ」ニコニコ

アンジー「お、お願い! 助けて! アンジー、何か悪いことした!? なんでこんなことされないといけないの!?」

アンジー「や、やめて! やめてやめて! いやだぁ!」ジタバタ

白銀「はい上映」



ピカッ



アンジー「あ、ぐ……ああああぐうううう!?」

アンジー「あひいいいいいいいいいいいいいッ!?」

休憩します!

ようするに超高校級の絶望的お仕置きのV3版みたいなのを体験するって事か…ヤバいことするなー

にしても白銀の目的は何なんだろうねー?

全員生還できてもここまでした以上、もう白銀を生かしたり助ける理由なんて皆無になりそう

それはそうと現実世界のコンピュータールームって封鎖中なのかね?
下手したら部屋の記憶そのものが消されてそうだけど

ここまで酷いことをしていながら最原たちがわざわざ勝てるゲームを用意してるあたり、
白銀ちゃんコロシアイ楽しみつつ巌窟王で憂さ晴らししてるだけな気がする

それなりに聞き流せ! 次回予告!

ジャガーマン「おっす! オラ、ジャガーマン! ジャガー道場、始めるよー!」

夢野「……ん!? なんじゃこの空間!? あれ!? 通信が切れてからウチ、暇だったから寝たはずなんじゃが!?」オロオロ

ジャガーマン「着替えろ」

夢野「は?」

ジャガーマン「着替えろっつってんだよ弟子アンノウン号コラァーーーッ!」シュババババッ

夢野「ぎゃあああああああああああ!」

弟子アウノウン号「うう……い、一体何を……ひい!? なんじゃこの格好! 今時ラノベかエロゲでしか見ないようなブルマ体操着!?」

ジャガーマン「お前の名前を言ってみろ」

弟子アウノウン号「は? ウチの名前は『弟子アウノウン号』じゃ……って、あれ?」

弟子アウノウン号「違くて。ウチの名前はそんな珍奇な商品名みたいなのじゃなくって『弟子アウノウン号』じゃ……」

弟子アウノウン号「ひい! 本名が言えん!?」ガビーンッ!

ジャガーマン「それじゃあ時間も時間なので次回予告だよっ!」

ジャガーマン「次回! 『ナイトメアビフォア夢野秘密子』! お楽しみに!」

弟子アウノウン号「脱げないー! 脱げないーーー! ぐおおおおおおおおおッ!」ジタバタ

詰んでるラノベが大量にあるので今日のところはここまで。
バレンタインは高難易度含めて全部攻略&回収したので気が楽……

死に続ける組がしんどい……アンジーも心配だし早く助けて

>>517
???「こら拉致監禁だよ!白銀さん、バック!」

これ救助したら一生忠誠誓ってもお釣りくるレベルの恩になりそう

それにしても赤松はやることなすことみんな最悪の方向に転がっていくな

首謀者殺そうとする→別人が引っかかる、自分がお仕置きされる
入間の見舞いでピアノ演奏→入間を余計怪我させる、デスロードの脱出が遠のく
日中ピアノ演奏→アリバイが作れずスケープゴートにされる
最原にアドバイスしようとする→茶柱が勘違いして最原投げられる
真実を掴むより復讐を選ぶ→エンドレスオシオキ 中 ←今ここ

ここまでくると本当は超高校級のピアニストじゃなく不幸や災難に遭う才能じゃないのかと思う

ふと思ったけど巌窟王じゃなくて他の忘却補正持ちが来てたらどうなっていたのだろうか…

アンリマユ
ジャンヌダルク[オルタ]
ゴルゴーン
ヘシアンロボ

下二人だったら完全に詰むなこれ。上二人も巌窟王ほど頼りになるイメージが湧かない

わかりきってたことだけどアヴェンジャーってキワモノしかいねぇ

ただセイバーやアーチャー、ランサーやバーサーカーとかが来ても大丈夫かとは思えないな
物理的に壁壊して脱出するなら別だけど

夢野「……ハッ! な、なんじゃ今の悪夢は……凄く理不尽な目に遭ったような……」

BB『あ。起きました?』

夢野「BB! 通信は復活したようじゃな?」

BB『ええ。一応。猫にリセットボタンを押されるとか、どこのファミコンですか……』

ジャガーマン『すまぬの極み乙女』

BB『利用価値がなかったら即座に地獄へボッシュートしてるところです』

BB『ああ、そうだ。デバイスの方はずっとドアの端子に繋ぎっぱだったので、あなたが寝ている間に調べられることは調べましたよ』

BB『……ええとですね。夢野さん。あなたの前に二つの選択肢があります』

夢野「選択肢?」

BB『このまま二日ほど時間を置くか、すぐに私のハッキングによって外に出るか、です』

夢野「……なんて?」

BB『実は、この扉、時限設定が施されていたんですよ。あと二日すれば何もしなくっても自動的に開くんです』

夢野「なんじゃと?」

BB『もちろん、私の手にかかればすぐにでもあなたを出すことはできるんですが……』

BB『でもちょっと意図的すぎて。二日という期間に何か意味を感じないこともないというか』

夢野「ううむ。食糧にはまだ余裕があるから、二日ぐらいは何ともないんじゃが……」

夢野「意図がまったくもってわからんのう」

ジャガーマン『え? 酷い目に遭ってほしくないんでしょ?』

夢野「なに?」

ジャガーマン『だってぇ、嘘だとは言え数日は仲間として接してきた生徒にゃんだから、多少の情は出て当たり前だにゃん?』

ジャガーマン『情は厄介だぞー? なにせ殺人鬼も独裁者も魔王だって平等に殺せる猛毒だからにゃん』

BB『いや、それは……』

BB『……都合の良すぎる仮説だと思うんですけどねぇ』

夢野「……」

夢野「正直、ウチには今でも信じられん。白銀は間違いなく仲間だったんじゃぞ」

夢野「酷いことはされたのかもしれんが……何か理由があって仕方なく、とウチは考えたい。思いたいんじゃ」

BB『うひー。やだやだ、カビが生えそうなくらい青臭い主張です』

ジャガーマン『だけどそれも真理なのです』

ジャガーマン『ふむ……どちらの選択肢を選ぶにせよ、まあ一晩くらいは考えるべきでしょう』

BB『……どうします? 夢野さん』

夢野「そうじゃな……ひとまずドアを開けるのは保留じゃ」

BB『了解』

夢野「……」

夢野(白銀……)

おやこれは…?

あ、やばいパソコンの接続が不安定。九時過ぎたら更新はないっすよ!

アンリマユ召喚された方がアヴェスターで犯人一発で分かるから事件めっちゃ簡単に解ける。
まぁアヴェられた犯人死ぬだろうけど。

ジャンヌオルタだとどうなんだろう?
オシオキされそうになるクロを助けるビジョンが見えない

アンリはなんやかんやいってサポートしたり馴染んだりブラックジョークばかり言ったりしそうだけど、オルタはそういう場面が思い浮かばないよなぁ

アルトリア軍団がやってきたら食糧難になりそう

おら、ふじのん来たぞ
引け

そ、そうそう何度も爆死してたまるか……!

ふじのんマジで来ちゃったよ!
おれ地上波で流れた空の境界くらいの知識しかないんだけど!

今日は投稿しないの?

最原入院二日目

最原「……」

最原(暇だ……おかしいな。ちょっと前はかなり騒がしかった気がするんだけど……)




赤松『あー! うわー! 入間さんが! 入間さんが怪我して……きゃー!』

入間『傷に響くから騒ぐなドグサレ女!』ギャーギャー



最原「……」

最原(……ありもしない過去の記憶が見える……気がする)

最原(変なの)

ガララッ

百田「おう、終一! 昨日は大変だったな」

最原「あ。百田くん」

百田「昨日茶柱がバラバラにしたエロ本の修繕が終わったから持ってきたぜ」

最原「有難迷惑だよッ!」ガビーンッ!

最原「……ねえ百田くん。僕たち、何か忘れてない?」

最原「ありえないことだとは思うんだけど、現状に凄まじい違和感があって……」

百田「ん。終一もやっぱ気になるか。まあでも、無理に思い出すなって。傷に障るぞ?」

最原「でも……」

百田「ヘーキだって。そのときがくれば絶対に思い出せるからよ」

最原「……うん」

百田「……気持ちはわかるけどな。さっき茶柱の研究教室の跡地に行ったらよ。モノダムの首があったんだよ」

最原「へ?」

百田「なんかよくわからないけどな。それ見た途端、胸が締め付けられるような気分になってよ」

百田「……久しぶりに見たアルバムの途中のページがゴッソリ抜けてる気分?」

百田「とにかくそういうのだ。やっぱ明らかに忘れてんだよなぁ。変だよな」

最原「……」

百田「思い出せねぇのは辛いよな」

最原「百田くん……」

百田「……」






百田「あと、そこに並べられてる人形を見てるだけで悪寒がする」

最原「だよね!? 僕もそこ本っ当気になってたんだよ!」

百田「明日になったらちょっとは動けるようになるんだろ? 激しい運動はできねぇだろうから、そんときゃ中庭で日向ぼっこでもするか!」

最原「うん。そうだね。ちょっと外の空気も吸いたいし」

百田「……なんで東条いねえんだろうな」

最原「……感傷?」

百田「違くってよ。いや、そう聞こえても仕方ねぇんだろうけど」

百田「ああ、クソ! 本当におかしいぞ! なんで東条がいねぇんだ!?」

最原「……」



夢野『おらあ! 東条先生のオペレーションの時間じゃあ!』

東条『治療開始よ』




最原「……また幻視……」

最原「僕たちに一体何があったんだろう」

中庭

王馬「……」

天海「……」

春川「……」

茶柱「……」

茶柱「で。みんな揃って『何かを忘れている気がする』という欠落感を覚えているのはわかりましたけど」

茶柱「これに関して、何か覚えていることはありませんか?」




謎の巨大時計オブジェ『アト3日15時30分54秒』



王馬「うーん。いや、覚えがないね」

王馬「……断言してもいいけど、コレだけは本当に覚えがないよ。病院とは違う。正真正銘、気が付いたらここにあったオブジェクトだ」

春川「……ああ、もう! モヤモヤする! 明らかに変なのに気付くの遅れたし……!」

天海「あと三日……? 何が起こるっていうんすか」

王馬「……」

天海「おや? 王馬くん。何か心当たりでも?」

王馬「いや。なんかカラーリングがキー坊に似てないかなって。このオブジェ」

春川「は? ああ……そういえばどことなく……?」

茶柱「……なんでしょう。すごくイヤな予感がします……」

新世界プログラム内

白銀「あと三日と十五時間くらいしたらフル武装したキーボくんが覚醒して学園全体を焼き払う手筈になってるんだ」

白銀「……これがあなたたちの、学園生活の果てだよ?」

アンジー「……あ……う……」

アンジー「……」

白銀「もう返事もできない? 無理もないけど」

白銀「つまらないなぁ。そろそろ準備できないものかなぁ」

白銀「……まだだな。もうちょっと時間かかりそう」

アンジー「……?」

白銀「ふふっ。楽しみにしててね。あなたには第二弾があるから。巌窟王さんも味わってないとっておきのおしおきが、さ!」ニコニコ

アンジー「……ろして……ころして……」

白銀「やだ。仲間だもん」

アンジー「……」

今日のところはここまで!

あれ?そうなると殺し合いゲーム続けられないんじゃね?
何考えてるんだろ白銀

番組のことなんて知るか!みたいなことになってんのかねこの白銀は。そこまで吹っ切れてたらそれはそれで面白そうだけど

実は中身が乗っ取られていてコスプレイヤーでも模倣犯でもない別のナニカになっているとか?

白銀乗っ取り説か…。
これダンガンロンパ ×「Fgo」なんだから、魔神柱とかありえるのでは…。

…もしかして生かしているのは白銀の善性がそうさせてるのか?

隠し部屋

BB『でー? 夢野さん、これからどうしますー?』ピコピコ

夢野「んー? そうじゃのー。やっぱり一晩考えてみたんじゃが、二日という期間には特に意図はないと思うんじゃよなー」

夢野「最低限、邪魔をされないようにとは思っておったんじゃろうが、そういう小細工は既に終わっているようじゃし……」

夢野「今出ていこうが、二日後に出ていこうが白銀にとってはどうでもいいと思うんじゃよなー」ピコピコ

夢野「今となっては明日じゃけど」

ジャガーマン『何してんのー?』

BB&夢野「桃鉄」

ジャガーマン『……なんでそんなところにあんの?』

夢野「薄暗い部屋に放置しっぱなしだと精神に異常をきたしそうだから、という配慮じゃろうなぁ」ピコピコ

BB『このデバイスのスペックなら電話越しでもコントローラーいじくれますし……』ピコピコ

夢野「……BB。今夜出るぞ。準備しておくんじゃ」

BB『あいあいさー』

病室

最原「……百田くん。もしかして今日はずっとここにいるつもり?」

百田「ああ。まあな。テメェだって退屈だろ?」

最原「まあ確かに退屈だけどさ……」

百田「安心しろって。ちゃんとテメェの体力の限界のときには外に出るし、茶柱が来たら席譲ってどっか行くからよ」

最原「妙に気を回すね?」

最原「……変にテンション高くなってない?」

百田「んん。まあな。最近妙に体の調子がいいんだ」

最原「……?」

最原(最近より以前はそうじゃなかった、みたいな口ぶりだな)

百田「クロスワードが載ってる雑誌持ってきたから一緒にやろうぜ」

最原「うん」

百田「お。付録に星座占いがついてやがる。何々?」

百田「……俺の星座の運勢が最悪だ。『信じられないものを見て腰を抜かすかも』だとよ」

最原「幽霊とか?」

百田「やめろよ縁起でもねぇ!」

最原「はは。ごめん。冗談だよ」

当たるなそれ

寄宿舎

王馬「ふんふんふーん。明日は最原ちゃんの仮退院の日だからねー! 思いっきり歓迎しないと!」

王馬「最原ちゃんの部屋のドアに『赤い絵の具の水風船と裁縫針』で作ったトラップを設置して……よし!」

王馬「これで完成! 悪の総統特製、血みどろホラーボム!」テレレッテレー!

王馬「さぁて。明日を楽しみにして、この仕掛けを作ったことを今すぐ忘れようっと」

王馬「天海ちゃんをからかいに行くかー!」スタスタ



※本当に忘れた

もしやと思ったが、本当に病気治ってるのか? でも何で?

今日のところはここまで!
イベントしないと……!

最原サイド:全員『何かを忘れているという欠落感』を覚えているものの『記憶が偽物』という発想には絶対に至らない

巌窟王サイド:おしおきリフレイン中。巌窟王とアンジーのみ『死ぬより辛い目』に遭っている

夢野サイド:脱出を計画中。なお夜に出るのは白銀を警戒してのこと。ジャガーマンの加護が最大限活用できるのは夜なので






学園崩壊まであと三日と十数時間

記憶が偽物かもしれないなんてそりゃあライトの実態知らない限り誰だって辿り着くの不可能だろうな



夢野「……よし! 行くぞ! 行くぞう!」ガタガタ

BB『足が大笑いしてますけど』

夢野「ああん? これはじゃなあ! さっき『蜘蛛駕籠』を聞いたから大笑いしているだけで怯えているわけではないぞ!?」

ジャガーマン『チョイス渋くね?』

BB『ていうか何で落語が置いてあるんですか、おかしいでしょ』

夢野「んあ? いやお主のデバイスに入っておったアーカイブデータの中にあったんじゃが?」

BB『は? あ、ほんとだ! 誰ですか落語を入れたの!』

酒呑童子『……野ざらしとかも入れておいたから暇になったら聞くとええ』

BB『秒で割れた!』

ジャガーマン『チョイス渋くね?』

BB『……話が逸れました! 開けますよ!』

ジャガーマン『ふっふっふー。我がジャガーの加護を受けるがいい!』ボンッ

夢野「ごふっ!? な、なんじゃ? 煙幕!?」

BB『にしか見えないでしょうが、あなたの周りを情報撹乱の結界で覆っています』

BB『夜の間に限定すれば、余程勘が鋭くない限り、誰にも気づかれることなく行動できます。監視カメラの類もほぼ無効化です!』

ジャガーマン『急ごしらえだからちょこーっと欠点もあるけどにゃん。何かを落としたりすると高確率でバレたり』

ジャガーマン『まあバレたとしても誰なのかは判別できないでしょうけど。黒い影に覆われたUMAが現れたくらいにしか思われないはずだにゃん』

夢野「そんなドジっ子キャラでもないし、安心せい」

ジャガーマン『流血とかもダメよ?』

夢野「誰にも見つからなければそもそも出血もクソもあるまい」

ジャガーマン『ま、それもそうだにゃん!』

ジャガーマン『あ。見えなくなっているだけだからくれぐれもトラップの類には気を付けて!』

夢野「外の様子を見て大丈夫そうだったらすぐに結界は解除するんじゃぞ。余計なことしてドツボにハマるのはこりごりじゃからな!」

夢野「ひとまず最原のところへと向かうか。私室におるかのー」

BB『じゃ、オープンザドアー!』


ガシャンッ!

今日のところはここまで!
今日誕生日のはるっ……両義式をどうにか正式加入させたいので!

ふじのんで満足していれば傷は浅かったものを…

空の境界イベントでは貴重なヤバい悪役感のある巌窟王が見れるぞ!

いやぁ、あの頃は本当にヤバい奴だと思ってたなぁ……。プラ犬級の怨霊連れてたし

寄宿舎周辺

王馬「……じゃあそろそろ、ここで決着を付けちゃおうか」ゴゴゴゴゴゴゴ

天海「王馬くん……!」ドドドドドドド

春川「……何あれ?」

茶柱「あ。春川さん。いや、王馬さんがついさっき天海さんに対してゲームを申し込んでですね?」

春川「ゲーム?」

茶柱「きっかけはいつも通りのくだらないものでしたけどね」

王馬「間違いないよ。キミが首謀者なんだろう、天海ちゃん!」

天海「くっ……冗談でも言っていいことと悪いことが……!」

春川「あ。うん。本当くだらないね……」

茶柱「天海さんは見た目がチャラいだけでひたすら無害ですからねー。ここ最近で気付きましたけど」

茶柱「なんというか……良く言って『毒にも薬にもならない』というか……」

春川「大分悪くなってるよ。素直に『役立たず』と言った方がむしろ角が立たないんじゃない?」

天海「うおおおおおお! 俺の味方がどこにもいないーーーッ!」ガビーンッ!

王馬「ルールは簡単! 今から三回コイントスをするから、表か裏かを天海ちゃんが当ててよ」

王馬「正解すれば天海ちゃんの勝ち。ハズレは俺の勝ち。何らかの理由で俺がコイントスを行わなくなったら天海ちゃんの完全勝利」

天海「イカサマは?」

王馬「俺がイカサマしていたことが発覚した場合も天海ちゃんの完全勝利でいいよ!」

王馬「ま! 俺はそんなセコいマネは絶対にしないけどね!」

春川(嘘だ)

茶柱(嘘ですね)

天海「……嘘っすよね?」

王馬「当然!」

王馬「天海ちゃん。この三回勝負で俺が勝ったら……」

王馬「俺のことはいい! みんなのことを外の世界に出してくれよ! お願いだから!」

天海「いやそんなこと言われましても……」

王馬「じゃあジュースおごって」ケロリ

天海「そのくらいなら……」

茶柱「軽い……」

王馬「じゃあ行くぜ! まず一回目!」キィィィン!





バシャッ



春川「ん?」

茶柱「どうかしました? 春川さん」

春川「今、寄宿舎の方から……いや、なんでもない」

王馬「一回目は俺の勝ち!」

天海「くっ。やっぱりあからさまにイカサマをしている……!」

春川「……」

春川「!」

ガシッ

茶柱「ん? 春川さん? なんで転子の手を掴んでるんです?」

春川「逃げよう」

茶柱「はい?」

王馬「じゃあ行くぜ! 二回目のコイントス!」キィィィンッ

天海「今度も表っす!」

茶柱「あの……二人とも置いてけぼりですけどいいんですか? ていうか何から逃げてるので?」スタスタ

春川「よくわからないもの」スタスタ

茶柱「?」

春川「死にはしないと思うから、あの二人には接触してもらおうかな。具体的に敵なのか味方なのか知りたいし」

王馬「さあ。今度は……どうなる!?」

王馬「……あ!」

天海「あ?」

王馬「天海ちゃんの勝ちでいいや! 俺ちょっと用事ができちゃった!」ビュンッ

天海「あ。ちょっと!」

王馬「死なないように気を付けてねー!」

天海「……はい? 何を言って」


ポタリ


天海「ん?」


ポタリ

「うま……」

ポタリ

「おうま……」

ポタリ

「おうまぁぁぁぁぁぁ……!」


天海「……えっ?」

数刻前

王馬「じゃあ次はどのゲームで遊ぶー?」

天海「もう遊びとか言っちゃってるじゃないっすか。完全に俺のこと疑ってるっていうの方便っすよね……」

王馬「えー? そんなことないよー! 天海ちゃんが絶対に首謀者だってー!」

王馬「だってそうじゃないとマジで天海ちゃんの存在意義が……ううっ。泣けてきた」

天海「歪んだ同情はやめてほしいっす!」

夢野「……おお。おー……」

夢野「すごいのう! すごいのう! ここまで近づいてもバレないんじゃのう!」

BB『曲がりなりにも神の加護ですからねー』

ジャガーマン『ふむん。割と普段通りにみんな過ごしているようだにゃん』

ジャガーマン『……いや待てよ。かなりの人数が欠けているのに、なんでいつも通りに過ごせているんだろう』

ジャガーマン『先生は訝しんだ』

夢野「うーむ……一応、もうちょい結界は維持じゃな。接触は最低限。最原のところに急ぐか」

夢野「お? コイツらも寄宿舎の前に行くようじゃの……同行する形になるか」スタスタ

王馬「にしし……このイカサマコインでジュースおごらせてやろうっと」

夢野「あくどいのう」

寄宿舎前

王馬「春川ちゃん! 俺と天海ちゃんの最終決戦を見届けてくれ!」

春川「……はあ」

夢野「めっちゃイヤそうじゃな」

春川「……百田のところ行きたい……」

夢野「ド至近距離だと色々駄々流しなのが丸聞こえじゃあ……」

春川「!」

夢野「む? こっちを見た?」

春川「……??」キョロキョロ

BB『微妙に気づいているようですが……まあ生身の人間じゃあこの程度でしょうね』

ジャガーマン『逆にここまで気付けるのなら流石は超高校級の暗殺者、と言ったところだにゃー』

ジャガーマン『弟子にしたい』

夢野「……寒気がする。やめとくれい」

夢野「さてと。じゃあ最原の部屋に向かうか」スタスタ

寄宿舎の中

夢野「最原ー! さーいはらー!」ピンポンピンポーンッ

夢野「……留守か? 気配がないのう」ガチャリンコッ

夢野「あれ。ドアは開いとる。不用心じゃのう」バツンッ


バシャアッ!


夢野「ぶへああっ!?」

BB『夢野さん!? どうしました?』

夢野「うごおおお! 何か液状のものを頭からぶっかけられたような……!?」

夢野「なんじゃあこりゃあ! 体中が真っ赤じゃぞ!」

BB『おや。どうやら扉の上方に水風船が仕掛けられていたようですね。ドアを一定以上の角度で開けると裁縫針が刺さって中身が飛び散る仕掛けです』

夢野「絵具かコレ……うええ。最悪じゃあ。一体誰がこんなイタズラを……!」

夢野「む。ドアの下の方に何か……」



カード『バカがかかるー! by王馬』



夢野「王馬ァーーーッ!」ダッ

現在

??「おう……まあ……!」ポタリッ

天海「ぎゃあああああああああああああ!?」ガビーンッ





遠くの茂み

茶柱「な、なんですかアレ! 何か黒い影のようなものが王馬さんのことを呼んでいるような……!?」

春川「わからない。わからないけど、手負いみたいだね。赤い液体が垂れてる」

春川「置いてきたの失敗だったかな。ダメかもアレ。天海死ぬかな?」

茶柱「そんな他人事みたいに!」ガビーンッ

王馬「あー。よかった。天海ちゃんが鈍感で」

茶柱「あなたはいつの間にこっちへ!?」

春川「相変わらずの逃げ足だね」

王馬「あ。天海ちゃんもやっと逃げた……あ、でも足をもつれさせて転んだ」

王馬「……」

王馬「し、死んだ……!」

春川「じゃなくて、どこかに頭ぶつけて気絶しただけだよ。多分」

茶柱「……一体、この学園に何が起こってるというのですか……!?」

春川「む。あれ。あのバケモノ……」

春川「病院の方に向かってない?」

茶柱「……え」

王馬「……最原ちゃんが危ないかもね」

茶柱「!」

夕飯の休憩!

夢野「ちいっ! 王馬は逃げたか! 逃げ足の速いヤツ!」

BB『ん……? あれ。ていうかみんな散り散りになっているような。天海さんに至っては悲鳴とか上げてませんでした?』

夢野「んあ? そういえば……」

ジャガーマン『にゃんでかなー!』

BB『なんででしょう?』

夢野「まあよい! ここにいないのであれば次じゃ! 何か怪我をして病院にいるかもしれん。行ってみるぞ!」

BB『おー!』

ポタリッ ポタリッ

ジャガーマン(あ。そっか。あの血のりのせいで存在の隠蔽が不完全になっちゃったんだにゃ)

ジャガーマン(……ま、教えるの後でいいか)

病室

百田「……」オリオリ

最原「……」オリオリ

百田「おっし! これが記念すべき百羽目の折り鶴だぜ!」シャキーンッ

最原「なんで自分の千羽鶴を折ってるんだろう、僕たち」

百田「暇すぎて恐ろしく生産性のないことしてんなー、俺たち」

百田「カジノとか行けば景品に携帯ゲーム機とか置いてあったりすんのかな」

最原「絶対にやめようね。百田くんがギャンブルに異常に弱いってことは春川さんから聞いてるから」

百田「は、ハルマキ……!?」ガビーンッ



ズルッ ポタッ


百田「……?」

百田「なんだ? 廊下から変な気配がするような」

最原「え?」

百田「誰かいんのかー?」スタスタ


ガララッ


??「……いはら……さい……はら……?」キョロキョロ

百田「……」


バタムッ


百田「終一。塩とか持ってねぇか?」

最原「ないけど……」

ジャガー後で太陽神のルチャを食らってもらうから

百田「オバケなんていないさー!」

最原「劇団四季ばりの肺活量で急に何言ってんの?」

百田「しゅ、終一。俺は多分、何か忘れてる。ていうか俺、多分だけど『二度と夜の病院なんかに近づくもんかよ』と思ってたはずなんだ!」

百田「なんかすげぇ恐ろしい目にあったっていうかよ……!」

ガタンッ

ガララッ……

??「ここ……か……?」


バタムッ


百田「は、入ってくんじゃねええええええええ!」ギリリッ

??「……うおお、お……!」ギリリッ

最原「百田くん? 外に誰かいるの?」

百田「ははははは! いるわけねえだろ! あはははははは!」

??「けろ……開け……ろ……!」ギリリッ

百田「おし! 大丈夫だ! 力そのものはそんな強くねぇ! この分ならドアを押さえつけているだけで大丈――!」


グアンッ


百田「何ィィィィィ!?」

病室の外

夢野「なんか知らんが、百田が悪ふざけをしているせいでドアが開かん! 最原がいたの一瞬見えたのに!」

BB『うーん、どうしましょうか』

ジャガーマン『ジャガーの力を全開だ! ちょっとだけ怪力を貸してあげちゃう!』


グアンッ


夢野「あ。ドアが軽くなった」

百田「何ィィィィィ!?」

夢野「おお。百田は元気そうじゃの」

最原「……!?」

夢野「ふむ。最原は怪我をしておるのか? 大分酷い怪我みたいじゃの」

百田「あわ……あわわわわわ……」

百田「ハッ! ビビッている場合じゃねぇ!」

百田「ああっ! アレはなんだ!?」ビシィッ

夢野「む? ウチの後ろに何かあるのか?」

百田「……」ガシッ

最原「うわっ」


ガララッ


百田「飛び降りるぞ終一ーーーッ!」

最原「ここ二階なんだけどーーーッ!?」ガビーンッ


ドスンッ


夢野「……んあ? あれ。二人とも消えとる!?」ガビーンッ

春川「やっぱり天海は普通に気絶してるだけだね。何やってるんだか」

王馬「あららー」

茶柱「天海さんたちのことは頼みましたよ! 転子は病院に行ってきます!」

百田「うおおおおおおおお! 痛ぇぇぇぇぇ!」

茶柱「……今の、百田さんの声!?」

春川「……」

春川「王馬。ジュースおごってあげるから天海のことお願いね」

王馬「よしきた!」

春川「行こう。茶柱」

茶柱「了解です!」ダッ




病院周辺

百田「でも割と大丈夫だ。大怪我ってほどでもねえ!」

最原「も、百田くん! 大丈夫?」

百田「ああ! このまま寄宿舎に行くぞ! あれはやべぇ! 見るからに常識の外からやってきた何かだ!」





病室の中

夢野「またバカなことやっておるのう、百田は……」

BB『どうします? 夢野さんも飛び降ります?』

夢野「普通に出入り口の方に向かうに決まっておるじゃろ……」スタスタ

ジャガーマン(……流石にこのままはダメだよにゃー。怒られちゃう)

ジャガーマン(そうだ! 病院の出入り口のあたりで合流したら、夢野ちゃんの加護を一旦解こう!)

ジャガーマン(感動の再開になるだろにゃー)ワクワク

今日のところはここまで!

死んだ人間が血まみれで出てきたように見えるなワクワク

病院ロビー

茶柱「地面に点々と赤い液体が……あのバケモノは間違いなくこっちに来ていますね!」

春川「百田は……多分大丈夫だろうけど……いや大丈夫じゃないだろうな」

茶柱「どっちですか?」

春川「あのバケモノ単体は脅威でもなんでもないと思うんだけど……百田ああいうの凄い苦手だから」

茶柱「ああ……」

ポタリッ

春川「来た」

茶柱「!」

??「……?」

茶柱「う! 至近距離で見るとかなり不気味ですね。遠近感が狂うというか現実感がゼロというか……!」

春川(……コイツ、こっちのことを気にしてはいるみたいだけど……)

??「……?」

春川(妙に親し気な視線を感じる。向こうは私たちのことを知ってるのかな?)



ブワッ


茶柱「ひゃっ!? 風!?」

春川「……あ。影が晴れてく。やっと擬態を解いて……?」

春川「!?」

茶柱「……ひっ……!?」

百田「おっし! このまま寄宿舎まで逃げるぞ! 最短距離で走るとどうしても病院の出入り口の前を通っちまうのが心配だが……!」

最原「ねえ。何がいたの?」

百田「オバケではない何かだ! オバケなんかじゃねぇ! アレは! 断じて!」

最原(まるで要領を得ない)

茶柱「きゃあああああああああああああ!」

最原「!」

百田「今の……茶柱の声か?」

最原「病院の方だよ! 多分、百田くんの見た何かと鉢合わせしたんだ!」

百田「ち、ちくしょう! マジかよ!」

百田「助けないわけには……でも終一を置いて行くのも……」オロオロ

最原「一緒に行こう!」

百田「……ははっ! そうこなくっちゃな! 全速力だからしっかり背中から落ちないよう捕まってろよ!」ダッ

病院のロビー

春川「……」オロオロ

最原「あ。あれ。あそこにいるの春川さんじゃ……」

百田「お。本当だ。ハルマキ! こんなところで何やってんだよ! あぶねーぞ!」

春川「百田……茶柱がその、気絶してて……」

春川「あとそれだけじゃなくって……」

百田「あ? テメェにしては歯切れが悪ィな。一体どうし……」

夢野「うおおおおおお! 転子ー! しっかりするんじゃ転子ーーー!」

百田「!?」ガビーンッ

最原「あ。夢野さん。久しぶり」

夢野「お。最原か。いや久しぶりってほどではないじゃろ。せいぜい数日ぶりじゃし」

最原「ああ、うん。そうだったね」

百田「!?!?」ガビーンッ

百田「……」オロオロ

春川「そうそう。そんな感じになるよね?」

最原「……?」

最原「……え? 夢野さん?」

夢野「そうじゃぞ?」

春川「……夢野は死んだよね? ていうか、その格好……」

夢野「ウチの格好? ああ、これは……」

百田「かなり鮮明に幽霊見ちまった……終一を背負ってなければこの場でぶっ倒れてぇ……」ズーン

夢野「……あい?」

夢野「ていうかウチは死んでおらんぞ! それはプログラム世界の中での話じゃろ!」

夢野「そんなんどうでもいいからさっさと転子を介抱せい!」

百田「あ、ああ。うん? ハルマキ?」

春川「私に振らないでよ……なんかもう関わりたくない。すぐに寄宿舎に帰って寝たい」

百田「そうだ。これ多分夢だろ。夢じゃなかったとしても夢だったものとして処理してぇ……」

最原(……)

最原(何か……何か思い出せそうな気が……!)

夢野「というかなんでこんな意味不明なタイミングで加護を解除したんじゃ!」

BB『知りませんよ! ジャガーマンさんに文句言ってください!』

最原「!」

最原「その声……聞いたことがある……名前も知ってる……!」

ジャガーマン『おや? 最原くんの様子が……!』

最原「……ぐっ!」


『思い出せ。お前には武器をやっただろう?』


最原「……誰の……声?」

最原「僕は何を忘れて……ぐううう……!」

百田「終一!?」

BB『おや……どうやら話が見えて来たようです。この場にいる全員、プログラム世界の中で記憶をいじくられているようですね』

夢野「白銀が言っていたというアレか? いや記憶を弄るって、どうやって……」

BB『手段に関しては後回し。重要なのはその記憶を弄られていた者の中でたった一人、最原さんだけが微妙に無事ということです』

BB『これは……なにかのきっかけで一気に記憶を取りもどすかもしれません!』

BB『キーワードをぶつければきっと……!』

夢野「キーワード?」

BB『候補はこちらで用意します!』

夢野「わかった! ぶつけるのはウチに任せるがよい!」

BB『了解! 候補検索……確定!』

夢野「目覚めろ最原ァーーーッ!」ブンッ

BB『え? ちょ、ぶつけるって物理的な意味じゃ、きゃーーー!』

最原「え?」



ビュンッ


BB『ええい! ままよ! このままキーワードを叩き込んでやります!』

BB『よろしくお願いしまーーーーっす!』


ガツンッ


最原「がっ――!」

百田「携帯が終一の額にーーーッ!」ガビーンッ!



巌窟王 カルデア 虎よ、煌々と燃え盛れ 待て、しかして希望せよ
第一の事件 第二の事件 第三の事件 第四の事件
忘却補正 忘却補正 忘却補正 忘却補正



最原(そう、だ。僕は……!)

最原(今まで本物だと思い込んでいた学園生活は!)

巌窟王『……東京ではないな! クハハハハハハ……』

巌窟王『間違えた!』ガビーンッ!

最原『何を!?』ガビビーンッ!




最原「そうだ。彼の名前は――モンテ・クリスト!」



BREAK!

夕ご飯の休憩!

よっしゃぁあああ!!思い出したぞ!!
残り400スレ、行けるのか…!?

イッチなら1000スレぐらい余裕余裕
その頃には話が宇宙戦争とかになってそうだけど

セイバーの式の召喚に大失敗……!? 礼装もしょっぱ……寝る

別ゲーで六万溶かすわ☆五礼装出ないわで散々ですわ
夢野が生きてると分かった転子の、最原への思いは何か変化あるかな

だからふじのんで我慢すべきだったんや

最原「……」

夢野「おお。思い出したか。よかったよかった。これで一件落着――」

最原「……」ブワッ

夢野「!?」ガビーンッ

百田「終一? 泣いてるのか?」

最原「ぐっ……うえ……!」グスグス

夢野「ええっ!? あれぇ!? 人々を笑顔にする魔法使いであるウチがよりにもよって人を泣かせてしまった!? 嘘じゃろ!?」オロオロ

夢野「あわわ。痛かったか? ウチが物理的にキーワードを叩き込んだせいか! ウチのせいか!? ウチのせいじゃな!?」

最原「違うんだ……! 僕は、なんで、こんな大事なことを……!」ボロボロ

最原「うわああああああ……!」

百田「……まるで話が見えねぇ。夢野。テメェ、間違いなく死んだはずだろ。なんでここにいんだ?」

夢野「……わからんヤツじゃのう。だから死んでおらんって」

春川「あのさ。こう言っちゃなんだけど、その姿で言われても説得力が……」

春川「……」クンクン

春川「……血じゃない。絵具だ、コレ」

夢野「やっと気付いたか!」

春川「だとしても、私たちの目の前で夢野は死んでた。私はそれを覚えてる」

春川「だからこうやってアンタを目の前にしても『夢野の幽霊が目の前にいる』って話の方が遥かに現実味があるんだよ」

春川「いや……どっちもどっちなんだけど、それでも『夢野が生きてる』って話よりは遥かに信じられる」

夢野「まあいいわ。そんなことより大事なことがある。最原が思い出せたのならお主たちもいずれ思い出すじゃろうし」

春川「……?」

百田「全然ピンと来ねぇ」

百田「……でも、そのデバイスに覚えはある。なんとなく『外と繋がってるわけじゃない』ってことだけはわかるぜ」

夢野「お」

春川「……そうだ。夢野。その携帯、なに?」

BB『んー。なんなんでしょう、コレ。なんか記憶の改竄に個人差があるというか……』

BB『後で天海さんや王馬さんにも問い合わせる必要がありそうですね』

最原「……百田くんが微妙に覚えていることに関して心当たりはないけど、僕が覚えていることに関しては一つだけ……」

BB『それは?』

最原「アンジーさんに譲ってもらったことがある。思い出したよ」

最原「あれはアマデウス斎藤と初めて邂逅した直後のことだったんだけど……」

第二章でのこと~最原の証言~

最原「アマデウス斎藤と名乗る天海くんに謎のテンションでぶん殴られて気絶した後、僕とアンジーさんは巌窟王さんの記憶を追体験したんだ」

BB『は? なんと?』

最原「金属バットで思いっきり殴られたんだって」





アマデウス斎藤『と、いうわけで。お嬢さん、ちょっとこっちにおいでなさいっす」』

アンジー『はーい!』

アマデウス斎藤『グンナイッ!』ガンッ

アンジー『ぐへあ』バタリッ

最原『アンジーさんが金属バットで殴られて気絶したーーーッ!?』ガビーンッ!

巌窟王『貴様……!』

アマデウス斎藤『こっちもグンナイッ!』ガンッ

巌窟王『』バタリッ

最原『巌窟王さんもーーーッ!』

アマデウス斎藤『ついでにグンナイッ!』ガンッ!

最原『何故ぶっ』バタリッ





最原「今から考えてみると僕まで殴られた理由はほとんど『その場のノリ』以上の何物でもなかったな」

BB『へ、へー……』

最原「ともかく、その場で気絶した僕はアンジーさんの夢を共感覚か何かで見たんだろうね」

最原「気が付いたときには石造りの監獄でさ」

最原「そこで僕たちは……巌窟王さんと戦った。まあ一方的に追いかけ回されてただけだったけど」

最原「見事なまでに、こっちに対抗手段がなかったからさ……」

BB『それ、よく無事に目覚めることができましたね?』

最原「まあ、助っ人がいたからね……」

BB『助っ人?』

最原「名前はわからない。でも令呪を持った黒い髪の少年だった」

BB『!』

BB『その令呪って、こんな形じゃありませんでした!?』

夢野「お? 最原。画面に何か表示されたぞ?」

最原「……」

最原「ああ。間違いない! コレだよ!」

BB『や、やっぱり……!? 変なところで顔が広いですね、彼も』

BB『いや。それとも巌窟王さんの記憶の中にいる彼の幻影であって、本人ではないのでしょうか……』

最原「で。その戦利品としてアンジーさんは巌窟王さんから忘却補正のスキルを貰った。元はそれが目当てだったんだけど……」

最原「そこで僕にとって予想外のことが起きた」

アンジー『はい。終一! アンジー、特にいらないからコレあげるよー!』

最原『えっ!? ちょっと待って! これのためにわざわざこんな危険な目に遭ったんだよね!?』

アンジー『いいのいいの! どうせアンジーが持ってても、あんまり役に立てられそうにないしー!』

アンジー『それにさ……うん。格好よかったから』

最原『え』

アンジー『アンジーのこと、守ってくれてありがとうね?』

アンジー『これはエンゲージリングの代わり』

最原『そ、そっか。そこまで言うのなら……』

最原『……ん? 待って。今、何の代わりだって?』





BB『忘却補正の所有権を譲ってもらったんですか!?』ガビーンッ

最原「今思い出したよ! もう! よく考えたらあの時点で、だったんだ!」

最原「そういえば東条さんの事件が終わった後、アンジーさんこんなことも言ってた! 結婚してって言われた後!」





第三章中



最原『なんで僕なの? 僕なんかしたっけ?』

アンジー『学級裁判で神様とは違う答えを出した』

アンジー『それ以前にもあったけど、このときピンと来たんだよー!』

アンジー『二人が揃えば無敵だってさー!』キラキラキラ




最原「それ以前にもって、このときのことだったのか! 心当たりがなくって当たり前だよ! 思い出せてなかったんだから!」

最原「でも、なんでこのタイミングで忘却補正の機能が戻ったんだろう」

BB『戻ったというよりは……ショックのせいで起動した感じですね』

BB『忘れられないという能力は人間の脳には過ぎた能力であることは間違いないですし』

BB『今の今までは防衛本能で起動してなかっただけです。これからはもう切れないですよ』

BB『ま。巌窟王さんからの借り物である以上、巌窟王さんが死んだら消えますけど』

夢野「そうじゃ! 巌窟王! 今、どうしておるか覚えておらんか!?」

最原「それは……」

最原「……」

最原「……」コテンッ

夢野「む? 最原」

最原「ぐー」スヤァ

夢野「寝とるーーーッ!?」ガビーンッ

百田「……話の途中でかよ。すげぇなコイツ」

BB『ああー……大怪我している状態で脳を酷使させすぎましたね。当然です』

春川「……まるで事情が見えてこないけど……夢野。説明してくれるんだよね? 一から」

夢野「もちろんじゃ。最原ほど上手くできる自信はないが……」

夢野「転子のことも心配じゃし、全員のことを片付けてからでもよかろう?」

春川「当然」

百田「おし! じゃあ全部片づけるぜ!」

今日のところはここまで!

数分後

ジャガーマン『The show must go on(ショーは続けなければならない)』

夢野「え? なんて?」

ジャガーマン『英語の有名な諺。意味はおおよそ『一度やったことは最後までやり遂げなさい』って感じ』

夢野「なんでそれ今言ったんじゃ」

ジャガーマン『いやジャガーマンもたまには本職の英語教師っぽいことしたくって……』

夢野「先生だったのか!? しかも担当が英語!?」ガビーンッ

BB『し、知らなかった……と言い切れないエッセンスを感じます……なんででしょう』

百田「ひとまず終一は元の病室に放り込んでおいたぜ」

春川「茶柱もね」

夢野「同衾?」

春川「そんなわけないでしょ。普通に別々のベッドだよ」

王馬「みんなー! 起きた天海ちゃんを連れてきたよー! 元気ー!?」タッタッタッ

天海「無様晒したっす! 大丈夫っすか!?」

夢野「おお! 天海! 久しぶりじゃな!」

天海「ぎゃあああああああああ!?」ガビーンッ

百田「気持ちはわかるけどよ」

夢野「ひとまず直近の危機はないようじゃから加護はもう使わないでよさそうじゃなぁ?」

夢野「……なんじゃろう。拍子抜けすぎるぞ。白銀はどこに……?」

春川「白銀までいるの?」

夢野「……認識がズレすぎてて話のすり合わせに時間がかかりそうじゃなぁ?」

BB『ひとまずじっくり! ゆーっくりと説明しましょう!』





数時間後



夢野「――というわけで、白銀の言を丸っと額面通り受けるならの話じゃが、お主たちは記憶を弄られていたようじゃな?」

夢野「ウチはこの通りピンピンしとるぞ?」

春川「……?」

百田「……?」

天海「……?」

王馬「あらら全員、脳のキャパ越えちゃったみたいだね。あんまりな真実に声も出ないみたい」

夢野「ここまで言ってもまだ思い出せんか?」

夢野「……というか、むしろどういうふうに記憶しているのか逆に興味が湧いてきたんじゃが……」

百田「見ての通りだっつの。いなくなったヤツは『全員死んだ』んだ。俺たちにとってはそれが現実で……」

百田「そんな都合のいい事実をいきなりまくし立てられても、何が何やら……」

夢野「弱気じゃのう。お主らしくもない」

百田「……」

百田「あっ。それもそうだな。うん、そうだ。話は簡単じゃねぇか」

春川「え?」

百田「夢野の話を信じるぜ!」

春川「は!?」ガビーンッ!

百田「だってよ! コイツの言う通りなら、俺たちを襲っていた害意はほとんど虚飾で構成されてたことになる!」

百田「夢野の話が真実なら俺たちにとって都合がいい! それでいいじゃねぇか!」

春川「そんな簡単な話じゃないでしょ。どう考えても」

夢野「春川の意図するところとは別じゃろうが、簡単な話ではないというところのみは本当じゃろうな」

BB『ですねえ。結局、消えた人たちが全員生きている可能性があるというだけの話ですし』

BB『さて。新世界プログラムの中に囚われたままの人たちはどうなってるのでしょう』

百田「どうなってるも何も、いなかったと言うしかねぇよな」

王馬「そだねー。最近俺も、何回かあの部屋に入ったけど特に何も無かったし」

天海「え? なんのために行ったんすか?」

王馬「遊んでたんだよ。あれ別にVRだけが能の全てじゃないからさ。ゲームとして他にも使えるんだよ?」

天海「へー」

夢野「……?」

夢野「赤松たちはいなかったのか?」

王馬「誰もいなかったよ。いたとしたら流石に気づくって」

夢野「むう……ここから先は最原が起きないと何もわからんのう」

天海「それはそれとして……なんか親しみがありすぎてまったく違和感を覚えてなかったんすけど」

天海「その通信機器はどこに繋がってるんすか?」

BB『……あ。天海さん見てて思い出した! 天海さん! アレ、どうなってます!? 紛失されてると困るんですけど!』

天海「あれ?」

BB『アマデウスさんの仮面ですよ!』

天海「!」

天海「……聞こえる……」

BB『え』

天海「俺の内から湧き上がる熱い声が……聞こえる……」

夢野「え。急にどうしたんじゃ天海。怖……」

天海「……そうだ。俺は知っている……その名前を!」

天海「俺の内に潜む熱い魂を!」




――叫べ。

――その衝動のままに。その仮面がきっとキミを強くしてくれる。

――さあ。迷いを捨てろ! そして叫ぶのだ!

――変身と!


天海「――変身!」


ピカッ ドカァァァァァンッ



アマデウス斎藤「思い出した……」

夢野「何を!?」ガビーンッ

百田「な、なんてこった……天海の正体は『超高校級の仮面ヒーロー』だったのか!」ガーンッ

春川「衝撃の真実だね」

王馬「だっせー!」ゲラゲラ!

アマデウス斎藤「思い出したっす……すべてを!」

夢野「ええーっ!? BB! これどういう理屈なんじゃ!?」

BB『あ。これは断言できます。考えるだけ無駄なイベントですね』

BB『思い出したと言うのならラッキー、くらいに捉えておきましょう。最原さんとは完全に別口です』

夢野「ええーっ!?」ガーンッ!






アマデウス斎藤「俺は俺だあああああああああああああ!」ドカァァァァァンッ!

夕飯の休憩!

ニトちゃん欲しいのでちょっと回しました。
ダメでした。Bright burning shout聞きながら寝る……

アマデウス斎藤がもう清涼剤みたいになってるな・・ww
もうデミデミデミサーヴァントくらいにはなってるんじゃないだろうか

個人的には「変身!」と書いて「フォルテッシモ!」と読んで欲しい

アマデウス斎藤「夢野さん! 生きていたんすね! 記憶をリメンバーした俺だからこそわかるひとしおの感動!」

夢野「天海。一つ教えておこう。そのテンションのままウチに近づいたら全力でパンチするぞ」

夢野「……春川が」

春川「なんで私……確かにテンションがウザいけどさ」

カチャリ

天海「よいしょ」

百田「戻っちまった」

春川「残念そうにするのやめて」

天海「……この学園生活で起こったことをすべて思い出したのはいいんすけど、やっぱりわからないことはありまくりっすね」

天海「中庭の時計とか」

天海(あとすべてって言った割には前回の学園生活のことは未だに思い出せないっす)

夢野「む? そこら辺はまだ聞いておらんの」

天海「ひとまず明日にしないっすか? 夜っすよ?」

夢野「そうじゃのう。まあ深夜にあーだこーだ言っても仕方あるまい。ひとまず寝て起きてから考えるぞ」

百田「……王馬はどこ行った?」

王馬「お? 呼んだー?」スタスタ

春川「どこ行ってたの?」

王馬「最原ちゃんと茶柱ちゃんにお見舞いサービスしてきたー」ヘラヘラ

夢野「余計なことしておらんじゃろうな?」

王馬「してないよ」ケロリ

百田「……」

王馬「じゃ、ひとまず寝ようか! 今日のところは解散!」ヘラヘラ

春川(不安……)

天海の部屋

天海「ふう……アマデウスの仮面……キミには助けられてばっかりっすね」

天海「さてと。明日に備えて寝ないとっすね。露骨にタイムリミットもあるみたいだし、一秒だって無駄にできないっす!」

天海「ベッドメイクしっかりしてから寝ないと……」サッサッ

白銀「衣服用のブラシがあるけど、使う? 毛布の毛玉とか取れると思うけど」

天海「ははは。流石にそこまでは……」

天海「は?」




パンッ



白銀「こんばんは。そしておやすみなさい」

白銀「悪いけど、天海くんは私が貰っていくよ。みんな」

翌朝

最原「……ハッ! 寝てた?」

最原(大丈夫だ。記憶はキチンとしている。前まであった欠落感も消えているし)

最原(問題ない。万事順調だ。疲れが祟って電池が切れたみたいに寝たことだけが心配だけど)

最原「……あれ。体が重いな……一体なんで……」

茶柱「すぴー」スヤァ

最原「ああ。茶柱さんが覆いかぶさってただけか。ああ、安心し――」

最原「」

最原(……危ない。悍ましいほどのリアルな命の危機に、悲鳴を上げるところだった……!)

茶柱「すう……すぴ……」スヤァ

最原「……」

最原(巌窟王さん。ごめん。どうやら僕、あなたたちを助ける前に終わりそうだ……人生が)ズーン

最原(ひとまず予定通り傷は塞がっているようだし、ちょっとくらいアクロバットなことをしても問題はないだろう。死にはしない)

最原「……逃げ切れるだろうか……いや、逃げ切るしかないんだ……!」ズリ……ズリ……

最原(密着している茶柱さんをゆっくりと引きはがし、ズラし、同時に僕も移動する)

最原(当然彼女との体の間に摩擦が生じることになるが、リスクなしに脱出はもう不可能だ)

最原(微妙に傷口が痛むが死ぬよりはマシだろう)

茶柱「んん……」スヤァ

最原「大丈夫、この分なら充分抜け出せ――」

最原(……摩擦で服がめくれあがって見えちゃいけないものを見てしまった)

最原(いや実際そこまで致命的なものではないけど、寝ている間に乱れたみたいで、ちょっと肌色率が高……)

最原(……)

最原「もう少しこのまま眺めているのもいいか」

茶柱「んん……?」モゾリ

最原(すごくいいかんじ)ガンミ

最原(いい。このアングルが凄くいい!)ガンミ

最原(……この光景に命を賭けるに値するか?)

最原(……)

最原「YESだ!」

茶柱「ん?」パチリッ

最原「あ」

茶柱「……」

最原「……」

最原(ティンダロスの猟犬と目があった)

今日のところはここまで!

さすが男のマロンを1人で行った男だ。男死の中で一番スケベだよね

今回の高難易度は中々面白いな。
我様を使えばすぐ終わっちゃいそうだけどうちに我様はいないので杞憂であった。

思考停止で久々にマシュとマーリンを動員しました

ふじのんが割とボスに対して有効的だった場面が多かったなー

茶柱「……?」ボーッ

最原(まだだ! まだ終わってない! どうやら寝ぼけているようだし、勝負はここからだ!)

最原(うおおおおおお!)ズリ……ズリ……

茶柱「むー」ギュッ

最原(だ、抱き着かれた!?)ガビーンッ

茶柱「こうすると……右腕が死ぬ」ギリリッ

最原(寝技だコレーーーッ!?)ギャァァァァ!

茶柱「たーのしー」ウフフ

最原(これでまだ寝ぼけてるんだよなぁ! 冗談じゃない! 激痛が走ってるし!)ジタバタ

茶柱「……もうどこにも行っちゃダメですよ……末永く転子の傍に……」

最原(ぎ、ギブアップすべきか……? いや! ギブアップしたところで『楽になれる』だけだ! やっぱり死ぬ!)

最原(ならこのまま激痛に耐えたまま二度寝に入る可能性に賭け……ん?)

最原「……」







最原「茶柱さん。起きてるよね?」

茶柱「え」

最原「いや、なんとなくそう思っただけなんだけど……もう完全に起きてるでしょ?」

茶柱「……」

最原「なんで寝ぼけているフリなんか……」

茶柱「ふんっ」ボキンッ

最原「うぼああああああああああああああ!?」

最原が死んだ!この人でなし!

茶柱「まったく。なんで最原さんと一緒に寝ているんですか、転子は」

最原「し、知らない……気が付いたらこんなことに……」ピクピク

最原(茶柱さんはもうベッドから降りて、服装をただしている。凄く残念だ)

茶柱「ここは病室……? ふむ。お互いに覚えがないとなると、どうやら王馬さんに担がれたようですね」

最原「ああ。僕がなにかしたとは考えないんだ。実際してないけど」

茶柱「王馬さんを拷問した後で彼が白なら、次はあなたですよ?」

最原「拷問!?」ガビーンッ

茶柱「でもまあ、あなたは転子のことを知ってますから、こんなバカげたことはしないでしょう」

茶柱「……ほぼ王馬さんですよ。間違いなく。あなたにこんな勇気はないでしょうし」

最原「うん。ないね」

茶柱「……」ジーッ

最原「……なんでそんな失望の眼差しを向けて来るの?」

茶柱「……別に……」プイッ

最原「?」

最原「よくわからないけど、まあともかくお互いに無事でよかっ……」

最原「あ! そうだ! 茶柱さん、大丈夫!?」

茶柱「……転子が?」

最原「そうだよ! だって昨日、夢野さんを見て気絶したって!」

茶柱「ッ!」

茶柱「……春川さんから聞いたんですか?」

最原「というか現場を見たんだよ。百田くんと一緒に」

茶柱「あれは一体、なにが……うっ」ガクリ

最原「茶柱さん!?」

茶柱「……思い出すだけで足に力が入りません。全身が震えてきます」

茶柱「とにかく、もう、身も心も凍えるようで……!」ガタガタ

最原(それはそうだ。当たり前だ。悪ふざけの産物だったとしても夢野さんは血塗れで)

最原(殺人事件自体が虚構だったとしても、そこに存在した感情は本物だったのだから)

最原(……巌窟王さんが言っていた。何かの奇跡で夢野さんが帰ってきても――)



巌窟王『今このときの感情は間違っても嘘にはならない』



最原「……茶柱さん。あの……」

最原「寒いのなら抱きしめるけど。投げたり関節技はやめてね?」

茶柱「……」

茶柱「そういうのは無言でやってください」

最原「ごめん。流石にそれは無理だよ」



ギュッ

休憩します!

白銀『……ふふふ。準備、できたかなー……?』

最原「ん?」

最原(……変だな。どこからか視線を感じるような……)

王馬「……」ジーッ

最原(病室の外に王馬くんがいる……ドアを半開きにしてこっち見てる……)

王馬「……」ジーッ

最原(しかも明らかに録画してるーっ! あのビデオカメラ、倉庫で見たことあるーっ!)

王馬「……!」

最原(ん? こっちから視線逸らして……)

王馬「……」チョイチョイ

百田「……」ナンダナンダ

春川「……」ナニナニ

最原(増えたーーーッ!?)ガビーンッ

百田「……」

百田「……」グッ

最原(うわああああああ! 『俺たちのことは気にするな』とでも言いたげだーっ! 無理だよ!?)

茶柱「……悔しいですが、安心します」スリ……

最原「そ、そう」

最原(見られているって言ったら絶対に第二ラウンドだな。勢いで殺されかねない)

最原(……あれ。天海くんがいない?)

中庭

謎の時計オブジェ「」ドーンッ

夢野「確かに見るからにヤバそうなオブジェじゃのう」

ジャガーマン『危険戦隊ヤバレンジャーのグリーンと言ったところか。ヤツは四天王の中でも最弱』

BB『戦隊ものなら五人ですよ』

夢野「BB。アナライズは?」

BB『おっと。そうでしたそうでした。うーん』ジーッ

BB『夢野さん。そこら辺の石ころを、あのオブジェクトに投げつけてくれません?』

夢野「それ多分危険じゃろ……まあ、仕方あるまい。時間もないしのう」

夢野「ほいっ!」ブンッ

ガンッ

BB『……キーボさんのカメラに反応あり。今の音がキーボさんの視点から聞こえました』

BB『映像は真っ暗ですが、間違いなくキーボさんはあの中にいますね』

夢野「やはりそうか。閉じ込められておるのか?」

BB『判別が付かないんですよねー。情報が不足しすぎてて』

BB『ていうかそもそも、今までラッキーだとしか思ってなかったのでまったく深く考えてなかったのですが』

BB『なんでキーボさんにこんな機能があるのかすらも疑問ですし』

夢野「こんな機能?」

BB『情報の送受信機能。これがあるからカメラとして使用できてたんです』

BB『……きっと黒幕がこの機能を使っているのでしょう、と思っていたから大して疑問には思ってなかったのですが……』

BB『この送受信機能は学園の外に向かって行われているものです。首謀者が白銀さんで、学園の中にいるのであれば……』

夢野「白銀が情報の送受信機能をキーボに取り付ける意味がない……?」

BB『……とまでは言いませんが、直接的な恩恵は皆無でしょうね』

夢野「うーん……後で情報を纏めて最原に報告じゃなあ」

夢野「そういえば、中庭も様変わりしたというか……変な建物がまた生えておるのう」

BB『なんでしょうアレ。夢野さん、なにか聞いてます?』

夢野「さてのう。さっぱりじゃ。さっぱりじゃが……ちょっと気になるし行ってみるとするかの」

夢野「転子がビックリするから事情を説明し終わるまで絶対に病院に顔出すなとか言われておるし」スタスタ

夢野「……?」

ダレカーッ……

夢野「……天海の声? あの建物からか?」

BB『はて。一体何をしているのやら』

ジャガーマン『ジャガーイヤーは天国耳っ!』

ジャガーマン『ええと……誰かいないんすかー、と叫んでるっすね』

夢野「どうしたんじゃアイツ」

ジャガーマン『さあ?』

今日のところはここまで!

>>600
今更なんだが400「スレ」かぁ…

日向クン、僕はね。このスレで終わるかどうかすらも心配になってきたんだ……
最悪、エピローグのみ別スレの可能性すらあるな……

長い分には一向に構わない

レスの内、ssと主のfgo進捗報告が半々なんだもの
そりゃそうなるよ

素直でよろしい

ちょっと時間は遡って深夜


バシャアッ


天海「……ハッ!? ここは……ここはどこっすか!?」キョロキョロ

ギシッ

天海「ああ! 当たり前みたいに拘束されている! ダメだ! 全然動けないっす!」

天海(いや。落ち着け。パニックになるな。口は塞がれていない。塞がれていないのだからやるべきことは一つだけ)

天海「誰かああああああああああ! 誰か助けてっすーーー! 殺されるーーーッ!」ジタバタ

白銀「そんなプリニーみたいに叫ばなくっても……」

天海「あ! 白銀さん!」

天海「……」

天海「ぐぬうううう。無念っす。このまま本当に何もできないままゲームオーバーだなんて……!」

白銀「あ。別に殺すためにこんな場所に連れて来たわけじゃないよ?」

天海「へ?」

白銀「……まさか最原くんを連れて来るわけにもいかないしなー。どうしようかなーと思ったところで天海くんが記憶を取り戻したからさ」

白銀「ちょっとサンプルになってほしくて。どの程度、記憶を取り戻したの?」

天海「!」

白銀「その確認をしたいんだー」ニコニコ

天海「イヤと言ったら?」

白銀「拷問してでも口を割らせる」

天海「……」

白銀「本気だよ? 三秒後には『何でも喋るドン! もう一回遊べるザウルス!』と泣きべそをかくことになるって」ニコニコ

天海「そうそう簡単に……いくと思わないことっすね!」

天海「俺は絶対に拷問なんかに負けたりしない!」

天海「うわあああああああ! やめろー! やめてー! お願い、それだけは! それだけはー!」

白銀「じゃあ三本目行っちゃうよー」ガリガリガリ

天海「ひいいいいいい! やめ……やめて! お願い! なんでも喋る! 全部喋るっすからー!」







天海「お願いだからバトエンを無意味に削るのだけはやめてーーーッ!」

白銀「書き味悪いー」カリカリ

天海「使うのもやめてぇ……本当になんでも喋るっすからー……!」


天海が拷問に屈するまでの時間、実に二分十秒。バトエンは三本お亡くなりになった

天海「――ということで、およそこの学園で起こった全部は思い出せたはずっす」

白銀「……」

白銀「それだけ?」

天海「……? それだけっすけど」

天海(なにかまだ話してないことあったっすかね? それとも俺が気付いてないだけで、まだ忘れていることが……?)

白銀「……拷問第二弾行っておく?」スッ

天海「本っ当にやめてくれっす! それもう絶版だから滅多に手に入らないんすよ!?」

天海「特にその星5のヤツはマジな激レアもんで、保存状態がよければマニアの間で数百万単位で取引が」


ガリガリガリ



天海「うわあああああああああ! いっそ爪を剥ぐとかの正統派拷問にしてーーーッ!」

数分後

天海「なぜ……なぜこんな残酷なことができるんすか……」グッタリ

白銀「私もコレが好きだからだよ。残酷さを理解できているからこそ拷問として転用できるの」

白銀「なにに価値があって、なにが壊れると人は悲しむのか。最低限理解してなければコスプレイヤーとしてとても活動できないよ」

白銀「……そういう意味では、仲間だったあなたたちをあそこまで痛めつけるのは私としても相当心が痛んだんだよ?」

天海「戯言を……」

白銀「嘘だと思う?」

天海「……」

天海(よく考えたら、白銀さんは結局、誰も殺してないんすよね)

天海(……いやいやいや。彼女のやったことを考えないと。結果はどうあれ過程が酷すぎる)

白銀「まだ時間はありそうだから、もうちょっと話そうよ」

白銀「……本当に思い出してないの?」

天海「……そんな白銀さんにとって致命傷になるような情報なんて……」

白銀「そっか。ならいいや。じゃあ後は私の単純な娯楽で……余った時間を全部あなたへ捧げようか」

天海「誰かーーーッ! 誰かいないんすかーッ! 助けてー! 俺のバトエンを助けてーーー!」ジタバタ

FGOのバトエンを大人買いしました。
休憩します!

天海(ということが起こったのは果たして何時間前だったのか。今、俺は相変わらず拘束されたままで……)

天海(放置プレイを受けている)

白銀『じゃ、そろそろ時間だから行くね。楽しかったよ』

天海(と言い残して白銀さんは姿を消してしまった……)

天海(……拘束がガチすぎて、このままだと俺は最悪、脱出のために色々な関節を折り曲げなければならなくなる)

天海(これ以上の最悪はない。あってはならない。何故なら俺が閉じ込められている場所はどうやらトイレのようだが……)

天海(拘束されたままだと行けない。つまり脱出できない場合を考えたくない)

天海「誰かー! 誰かいないんすかー! このままだと俺、やばいんすけどー!」ジタバタ

夢野「……んあー? 声がするのはこの小窓か?」ヒョイッ

天海「……夢野さん!?」

夢野「天海。こんなところで何を遊んでおるんじゃ。ていうかこの建物はなんじゃ?」

天海「俺自身よくわからないんすけど……夢野さん、どこからここに入ってきたんすか?」

夢野「中庭からじゃが……」

天海「あ! わかった! ここアレっすね!? なんか最近中庭にできた近未来的な建物!」

夢野「……縛られておるのか?」

天海「助けてほしいっす! このままじゃ俺はこれからの学園生活をずっと下ネタと共に生きていかなきゃならなくなるっす!」

夢野「そうしたいのは山々じゃが、縛られておるんじゃよな?」

天海「?」

夢野「ナイフなど持ってきておらんし、天海にほどけない拘束をウチが解ける道理はないぞ?」

天海「あ」

夢野「まあ助けくらいは呼んできてやるわい。それまで暴発しないように……その……祈っておくぞ?」

天海(希望を与えられてからそれを奪われる……これが……絶望……)ボーゼン

バトエンは良い文明
アルテラさんもそう言ってる

天海(……いや! もう限界だ! 漏らす選択肢はない! ならば!)ゴキンッ

天海「ぐおおおおおお……手錠は……あるいは手錠のように手首を拘束する縄は親指の関節を外せば抜け出せる……!」

天海「ぐ、ぐ。くそ。元に戻さないと」ボキンッ

天海「……まあ痛みは残るっすよね。そりゃそうっすよね」

天海(変な汗が出てまったく動けない……純粋な痛さで眩暈がする……)

天海(これだからやりたくなかったんすよ。白銀さんの目の前でやったところで不意を打てたりはしないだろうし)

天海「ふう……ひとまず済ませること済ませて……あ、小窓は閉じておかないと」パタンッ



数分後


天海「危なかった……!」

天海「……さてと。それじゃあ、探索を開始しましょうか」

天海「……エグイサル!? が、一、二、三機……」

天海「それにエグイサル用に作ったとしか思えない洗浄機とかもあるし……まさかここって」

天海「いや。間違いなくエグイサルの倉庫っすよね……」

天海(だとすると消えた二機は一体どこに……)

天海「……違う。逆になんで三機残ってるのかを考えるべきか」

天海(今までに死亡したモノクマーズはモノキッド、モノスケ、モノダム。残っているエグイサルのカラーリングと一致……)

天海(ここにエグイサルが三機残ってるのは単純に使い手がいないから)

天海(……なら、残る二機は稼働中、ということか……どこで?)

天海「……あれ? そういえば」




病院ロビー


BB『あれ? そういえば』

夢野「んあ? どうしたBB」




――モノクマ、どこ行った?

休憩します!

1200万は誰だろうな~。
村正がいいなぁ

新世界プログラム内

モノクマ「……憐れだなぁ。あれだけ大口を叩いていた巌窟王さんのこんな姿を見るのは心が痛むよ」

白銀「モノクマー。まだ編集終わらなーい?」

モノクマ「あと少し待って。もうちょっとで出来上がるから」カタカタ

白銀「……ねえモノクマ。本当の私からの定時連絡、来た?」

モノクマ「来たよ。天海くんと最原くんが記憶を取り戻した」

白銀「それは前回の連絡でしょ」

白銀「……天海くんは? どこまで思い出した?」

モノクマ「……今回の学園生活だけだよ。前回の学園生活に関しては一ミリも思い出してなかったみたい」

白銀「……なーんだ。ガッカリ」

白銀「本当、とことん見掛け倒しだなぁ。彼。本当に残念」

白銀「……」





白銀「やっぱり、私は――」

モノクマ「……」

病室

最原「……体中の痛みが消えたわけじゃないけど、ひとまず歩けるようにはなってる」

百田「おう! それじゃあこれで……」

最原「調査再開、だね。この学園の謎をどうにかして解き明かして、それで……!」

最原「みんなと一緒に学園の外に帰るんだ!」

春川「……」

春川「それが本当にベスト?」

百田「あ? どういう意味だよ」

王馬「そだねー。ひとまずモノクマはこっちの衣食住を完璧に保証してくれてるわけだし……」

王馬「このままコロシアイをせずに一生ここで暮らすっていうのも一つのベストアンサーなんじゃない?」

百田「は?」

最原「……」

王馬「ねえ。どう思う? 茶柱ちゃん」

茶柱「……え。何故転子に?」

王馬「……これ以上頑張ったら、最原ちゃん、本当に死ぬかもよ?」ニヤァ

茶柱「!」

春川「……どう思う? 百田」

百田「……仮にそうだったとしても、調べないのだけはナシだろ」

百田「最原、天海、夢野の三人が『消えたヤツらは生きている可能性がある』っつってんだ。なら助ける必要がある」

春川「助けた後の話をしてるんだよ。気が早いけどさ」

春川「……本当に外に出るべきなのかな」

茶柱「……」

最原「……負けたくないんだ。僕は」

茶柱「え」

最原(そうだ。負けたくない。そうでなければ、いつだって絶望と相対していたあの背中を見失ってしまう)

最原(あの背中は僕にとってあまりに眩しすぎた。今更見なかったことにするのは無理だ)

最原(……本当に格好よかったから。何よりも、彼はまだ何も諦めてなかったのだから)

最原「僕の答えは変わらないよ。みんな揃って外の世界に出る」

最原「……ごめん。付き合ってくれないかな?」

百田「ああ! 当たり前じゃねーか! 地獄の底まで付き合うっての」

茶柱「……」

茶柱「そんな場所まで行かせませんよ。転子は」

最原「ん?」

茶柱「いえ……なんでもありません」

春川「ひとまず最原。これ。現状やっちゃいけないことリストを軽く纏めておいたから。後で記入漏れがあったら書き足す」

最原「ああ、ありがとう。えーと、なになに」


・階段の上り下り禁止(傷が開く)
・激しい運動禁止(傷が開く)
・立った状態での小便禁止(激しい立ちくらみによる怪我の恐れ)
・喧嘩(カブトムシより強い相手だと返り討ちにされる)
・激しくなくとも筋肉を無駄に緊張させるのはダメ(腕相撲とか最悪)


最原「結構厳しいよ!?」

春川「アンタ、本当に死にかけてたから」

最原(自分自身ではそこまで危ないという自覚はないのだけど)

最原(……気を付けておくか)

春川「あと茶柱。今だけはノリと勢いで最原に暴力を振るうのは禁止ね」

春川「……大切な人を殺したい?」

茶柱「……わかりました」

最原「素直だね。茶柱さん」

茶柱「茶化さないでください。早速禁を犯してしまいそうです」

最原「ご、ごめん……」

王馬「で? どこから捜索する?」

最原「それは……」


コンコンッ


最原「ん?」

百田「誰だ? 律儀にノックなんかしてよ」

春川「……入ってこないね」

王馬「あ。もしかして……」

春川「ん? ……ん。そっか。私が出るよ。茶柱、ちょっと窓の外見ててくれる?」

茶柱「へ? なぜ?」

百田「ああ。アイツか」

最原(……夢野さんか)

春川「……天海が……漏れそう……?」

夢野「はやく……拘束……ガッチガチ……」

百田「……やべぇ……天海蘭太郎が下海乱太郎になっちまう……!」

最原(変なこと話してるなぁ)

茶柱「……やっぱり夢野さんがいるんですね?」

最原「ああ。うん。間違いなく夢野さんだよ」

茶柱「……信じられません。だって……だって……」

茶柱「……」

王馬「都合よく物事考えればいいのにさ。茶柱ちゃんも大概面倒だよね」

茶柱「窓の外に放り投げられたいです?」

王馬「最原ちゃんには優しいのに、俺に対しては冷たいんだなぁ」

王馬「……あ! 逆か! 俺には普通で、最原ちゃんに対しては優しいんだ! いやぁ、熱いなぁ! あはははははっ!」


ガシッ ブンッ ガシャアアアアアンッ



王馬「うわあああああああああ……」


ベシャッ


茶柱「悪は滅びました」

最原(窓の外にぶん投げたーーーッ!)ガビーンッ

茶柱「……別に! あなたのことなんてどうでもいいんですからね! 一緒にぶん投げてもよかったんですよ!」

最原「わ、わかってるって! 王馬くんの戯言だよね」アセッ

茶柱「わからないでくださいッ!」ウガァ

最原「ええっ!?」

今日のところはここまで!

この白銀もただコロシアイ楽しんでるタイプじゃないってことかな?
天海に何を思い出して欲しいんだろうか

前回のコロシアイの二人の生き残りは首謀者と生存者の役割が与えられる説かな?

前回コロシアイの生存者も特典ビデオも全部TDR側が作った可能性が高いだろうね
オーディションが本当で全員ダンロンファンだったら、プロローグでなんで前回の生き残りの天海に誰も反応しないのってなるし

自分も記憶いじられてる事に勘付いたか?

百田「わりぃ! 俺とハルマキとゆめっ……ええと……」

春川「百田と私とペンネーム『ロリロリファンタジック』は一緒に中庭に行ってくるね。天海がピンチらしいから」

夢野「!?」ガビーンッ

最原(ドアの向こうで夢野さんがショック受けてる気がする)

茶柱「……事情はサッパリわかりませんが……もういいですよ。夢野さんの名前を聞くくらいなら」

百田「そうか! なら俺たちはこれから別行動だ! 天海の方が片付いたらすぐに終一の方に合流すっからよ!」

春川「百田。まだ使ってないパンツとズボンはある?」

百田「……ああ。あるぜ……取ってくるからハルマキは先に行っててくれ」

夢野「ぐすっ。どんな姿になっても仲間じゃぞ、天海……!」

春川「ごめん。流石に私は漏らすヤツと仲間なのは抵抗が……」


ゾロゾロ


最原「行っちゃった」

茶柱「……寝ている内になんとなく思い出した気がします」

最原「ん?」

茶柱「最原さんのことを頼む、と赤松さんからアイコンタクトか何かで伝えられた気がするんです」

茶柱「……まあだから、不本意ながら、あなたに付き合ってあげますよ」

最原「最高の助手だよ。ありがとう」

茶柱「……素直すぎてムカッと来ます」

最原「ええー……」

ヨジヨジ

王馬「俺は最原ちゃんには茶目っ気が足りないって思うな!」バッ

茶柱「落ちなさい」ゲシッ

王馬「ぎゃあああああああああ……」


ベシャッ


最原「せっかくよじのぼってきたものを蹴落とさなくても!」ガビーンッ

茶柱「条件反射でつい……」

天海「……おー」ガシャコーンガシャコーン

天海「一度だけ、拡声機能を使ったことはあるんすけど、実際に乗りこなしてみると感動っすねー」

天海「ん? なんだろう、このボタン。ドクロマークがついてるから絶対に押さない方がいいんだろうけど……」

天海「……いやいや。俺はそんな愚かなことはしな」

グインッ

天海「ぐあああああああ! ケーブルか何かに足を引っかけて転んだー!」ゴテンッ ポチリッ

天海「え? ポチリ?」


カッ



格納庫の外

百田「天海ーっ! 助けにきたぞ! あと少しの辛抱だ! 頑張れーーーッ!」

春川「頑張れー」

夢野「もっと早く走るんじゃあ……ぜぇぜぇ……早くしないと天海の膀胱が爆発してっ……ごほっごほっ」

春川「アンタは運動不足すぎ」

百田「まあ流石に我慢しすぎて漏らすことはあっても、爆発することはねーだろ――」




ドカァァァァンッ


百田&春川&夢野「天海ィーーーッ!」ガビーンッ



☆――さらば天海……!

遊戯王ならここで特殊追悼ED。
休憩します!

主、いや きのこ。
そろそろ清姫の追加幕間とスキル強化 宝具強化、それとモーション改修もほしいんだ。

お願い、できるかなー?

種田さんが本調子になったらきっとくるさ……私はそう信じてる。希望は絶対に負けないんだ!

天海が死んだ!?この人でなし!!

百田「爆発のお陰で隔壁がぶっ壊れてやがる! ちょっと前は近づくと凄い警報鳴ってたのに!」アワアワ

春川「百田。流石にここから先に進みたくないんだけど……」

百田「わかる! 気持ちはわかるけどよ! 今となってはもう治療ができそうなヤツがお前しかいないんだ! 頼む!」

春川「……」アセッ

百田(マジでイヤそうだ)

春川「……あれ。唇がベタつかない」

百田「あ? それが?」

春川「普通、人って爆発すると脂肪分が空気中に飛びまくって唇がめっちゃベタつくんだよ」

夢野「ははは。なんじゃそれ。まるで人を爆発させたことがあるような口ぶり……」

春川「……」

夢野「……ごめんなさい」ビクビク

百田「もうこの話はやめよう! やめやめ!」

百田「だとすると天海は無事なのか?」

春川「うん。多分この爆発で天海は焼けてはいな……い?」チラッ

春川「あっ!」

百田「あ? なんだよ。天井になにか……あっ」

夢野「あ」







天井にぶら下がった状態で気絶している天海「」チーン

百田「アレどうやって降ろしゃいいんだよ」

春川「……天海の真下にトランポリンでも設置するのが一番早いんじゃない? あとは自力で体揺さぶって落ちてもらう」

夢野「クッションならあったのう。倉庫に」

春川「持ってくる。アホらしすぎ」スタスタ

数分後

天海「し、死ぬかと思ったっす……死ぬかと……」ガタガタ

夢野「よかったのう天海! よかったのう!」バッシバッシ!

百田「で。結局なんでこんな大爆発が起こったんだ?」

夢野「我慢できずに暴発したんじゃよな? この場に入間がいなくてよかったのう。一生起たないとか大笑いでネタにされそうじゃ」

天海「既に夢野さんがネタにしてるっすよね。違うっすよ。ただエグイサルブルーの自爆装置をうっかり押しちゃって」

春川(そこら辺に散らばってるのはエグイサルの残骸か……)

天海「巌窟王さんが前にぶっ壊したせいでバランス感覚が微妙におかしくなってたみたいっすね」

天海「自動的にバランスを取るって説明書には書いてあったんすけど……」

百田「巌窟王? 誰だ?」

春川「?」

天海「……」

百田「まあいいか。残りの二機はどこ行った?」

天海「それなんすよねぇ。あんなデカいものを隠そうと思ったらかなり大変だと思うんすけど」

夢野「……隠すつもりなのか? 本当に。探してみれば割と簡単に見つかるのではないか?」

天海「む……確かに。あの欠落感のせいで頭全体の動きが鈍くなってたのは否定できないっすし」

天海「案外、わかりやすいところにドーンッて置いてあったりするかもっすね」

スパコン室の中

最原「……」

茶柱「……」

王馬「あれ。どうしたの二人仲良く固まっちゃって」

最原「ええと……王馬くん。なんで新世界プログラムの横にあんなものが置かれてるのかな」

王馬「置かれているというのは正確じゃないな。多分アレって『停止』しているだけだよ」

王馬「……中にキチンとモノクマーズはいるんじゃない?」

エグイサルレッド「……」プシューッ

エグイサルピンク「……」ボファーッ

茶柱「これって……なんのつもりなんでしょう。なんでエグイサルがこんなところに……」

最原「新世界プログラムを守っているのかな。確かアレって校則でわざわざ『破壊したら連帯責任として全滅させる』って書いてあったし」

最原「……壊されたら困るんだ。今は」

茶柱「中に誰かいるとでも? でも……」

最原(そうだ。席には誰も座っていない。前に見たときとは随分と様変わりしてしまった)

最原「みんなは一体どこに……」

茶柱「探してみましょう。そのためにここに来たのでしょう?」

最原「うん! お願い! 王馬くんも手伝って!」

王馬「……」ペーイッ

最原(ん? 今、なにかを新世界プログラムの上の方に投げたか?)

王馬「うん! わかった! 一緒にみんなを探そう!」

王馬「あ。でもその前に、ちょっと出口のあたりまで下がった方がいいかも」

最原「なんで?」

王馬「爆発するから」




ドカァァァァァンッ



最原「」

茶柱「」

王馬「たーまやー。いやぁ、入間ちゃんが作ったにしては随分と綺麗な花火だなぁ。にしし」ケラケラ

最原(脳内に爆音がこだまする。そして、今の光景を焼き付けるように何度も脳内でリフレインが起こる)

最原(何度も何度も何度も……)

茶柱「……最原さん。さっき校則について、なんと?」

最原「端的に言うと僕たちは死ぬってこと」

茶柱「最原さん。転子の棺の中にはトレーニングウェアとか入れといてください」

最原「だから全員死ぬんだって!」

ガシャコンッ

最原「!」

茶柱「……いいえ。死なせませんよ。もう二度と……二度と……!」

最原「茶柱さん?」

茶柱「大事な人が死んでしまうのは耐え切れない!」

王馬「ヒューッ! 格好いいー!」

茶柱「結果如何によらず王馬さんだけは必ず道ずれにします」

王馬「!?」ガビーンッ

最原(当然の末路すぎる……けど)

最原「……なんで壊したの?」

王馬「特に理由なんてないけど?」

最原「……いや。こういうタイミングで意味のないことをするほど暇じゃないよね? キミは」

王馬「……試したいことがあってさ」

王馬「この中に、本当に新世界プログラムなんてあったのかなぁ?」

最原「……?」

王馬「あ。わからない? じゃあ付け足すよ」

王馬「さっき俺が壊した箱、前みたいに中身があったと思う?」

最原「!」



ガシャコンッ



エグイサルレッド「……」ガシャコンガシャコン

エグイサルピンク「……」ガシャコンガシャコン

茶柱「……」

茶柱「え? 素通りしてどっか行っちゃいました」

最原「まさか、この新世界プログラムだと思っていた巨大な箱……!」

王馬「うん。中身はゴッソリどっか行ってた。後に残ってたのは前の精巧なプログラムとは似ても似つかない『バカゲー』だったよ」

最原「じゃあ、中身は一体どこに……!」

白銀『さて。どこでしょう。ふふっ』

最原「……」

最原「あのさ。王馬くん。さっきから気になってたんだけど……視線を感じない?」

王馬「視線? どこから?」

茶柱「?」

最原(僕の気のせいか? 前とは違って、どこにいても見られている気がする……)

最原(前とは……違う?)

最原「忘却補正のせいかな。なにか……見た目ではわからないけど、新世界プログラムでの事件が終わった直後とは何か!」

最原「明確に、この学園に変化が起こってる気がする!」





エグイサル格納倉庫

BB『……変な磁場がありますね。前はこんなものなかった気がするのですが……』

夢野「変な磁場?」

ジャガーマン『んー。こんなこと言いたくはないんだけどさー……どこかから見られてない?』

BB『え? ああ、そういえば、このねっとりする感覚はまず間違いなく盗撮ですね。流石に野性の勘は鋭い』

夢野「盗撮ゥ?」

天海「……あ。そういわれるとなんだか変な感じっすね」

夢野「んー……? 気のせいじゃ、と言い切れない何かがあるのう」

百田「そうか?」

春川「……ピンとこないけど。気のせいじゃない?」

夢野「……んあー?」

天海「うーん……まあどうにでもできないから、ひとまず放置するしかないっすよね」




白銀『うふふっ。あはははっ……』



天海「……イヤな予感しかしないんすけど」

今日のところはここまで!

1200万は水曜かな??
下旬というよりはもう月末だけど

最原(こんなこと思っちゃいけないけど夢野さんと同行できないのが痛いな……)

最原(そういえば、夢野さんに今までどこにいたのか訊いてない)

最原(会うまで記憶が無くなってたことを考えると、どこかに閉じ込められていたと考えるのが一番自然だけど)

最原(どこに? 現状の僕たちに手出しができない場所と言ったら……)

最原「……地下の隠し部屋?」

茶柱「今、なんて言いました?」

最原「赤松さんの事件のときに議論の争点になったアレだよ。もしかしたら夢野さん、そこに閉じ込められてたんじゃ……」

茶柱「……」

最原「ええと……ごめん。大丈夫? 無神経だったよ」

茶柱「いいって言っているでしょうッ!」

最原「!」ビクッ

最原「……ごめん」

茶柱「……」

最原(もう全員、こんな学園生活は限界だ。いつまでも閉じ込められた状態でコロシアイを強要されている現状)

最原(頭がおかしくならない方が遥かに不自然だろう)

最原(多分……僕自身も、僕自身に見えない範囲で、段々と人間が壊れ始めている)

王馬「そして人間が壊れ始めている僕は理性も壊れ始めているので、茶柱さんの胸の内、正確に言うならブラジャーの内に対する興味も抑えきれず」

王馬「近い内にうっかり押し倒してエロイムエッサイム、エロエロワッショイショイ」

最原「不必要な副音声やめてくれる!?」ガビーンッ

茶柱「最原さん。死ぬときは一緒ですよ。転子は間違って最原さんを殺したら学級裁判で進んで自首しますので」

最原「やめよう! そういう悲しすぎる決意!」

最原(王馬くんだけは相変わらずだなぁ。壊れない精神してるのか、最初から壊れてるかのどちらかだな……)

最原「それにもしも僕が茶柱さんに殺されたとしても、絶対に茶柱さんには生き残ってほしいし……」

茶柱「……そ、それはどういう意図で言っているので?」アセッ

最原「いや、念のため。お願いだから全力で生き残ってね。僕はキミを絶対に恨まないから」

最原「だってキミは僕にとって……」

茶柱「……」ドキドキ

最原「大切な『仲間』なんだから!」

茶柱「……」シンナリ

最原「ん? あれ。微妙に元気が無くなったような……どうしたの?」

茶柱「あなたは目聡いのかクソ鈍感なのかどちらかにしてください。本当……」ハァ~~~~~~

王馬「ねえ最原ちゃん」

最原「?」

王馬「バ~~~~~~~ッカじゃねぇの?」

最原「!?」ガビーンッ

最原「と、ともかく、下に向かいたいんだけど……」

茶柱「……いいですよ。またおんぶですね?」

最原「あ、あの。本当にごめんね?」

茶柱「また謝る。もういいですから。どうせなら感謝を」

最原「……ありがとう」

茶柱「……」テレッ

王馬「……俺、先に行ってようか?」ニヤニヤ

茶柱「王馬さんがそういうカスみたいな気遣いするの本当気持ち悪いので、別にいいです」

王馬「厚意を厚意と正しく認識した上でコレかぁ。俺のお腹から元気な殺意が産まれそうだね!」ヘラヘラ

白銀『……充分すぎるね』ニヤァ

最原「……」

最原(視線が強くなった気がする。何かドツボにハマっているような……)

最原(白銀さん。キミは一体、僕たちに何をさせたい?)






新世界プログラム内

白銀「……生きてるー? よね。生きてるよね。だって死ぬこと許可してないし」

アンジー「……」

白銀「あ。でももう声を出す気力もない、と。ふふっ。私のやったことの重大さを見せつけられてるようで、罪の意識がまた重くなるなぁ」ニヤニヤ

白銀「……でもつまんない」

アンジー「……これ以上、何をする気……?」

白銀「まずはリンクを切るね。ひとまず第一段階は終了。飽きちゃった」

ブツンッ

アンジー「あ……う……」

白銀「はい。やっと解放された気分はどう? 今まで死の体験全マシのヴィジョンを見せつけられてたわけだけど」

アンジー「……」

白銀「じゃ、次に行こうか!」

アンジー「……」

白銀「あ。もしかして、今のより酷いものなんてそうそうこの世に存在しないと思ってる?」

アンジー「……ないでしょー? 実際……」

白銀「あるよー! 例えばコレとか!」

ブゥンッ

アンジー「……」

アンジー「――は?」

アンジー(光景が変わった。今度は直接脳に叩き込まれるヴィジョンではなく、VR空間を利用した非現実的なパノラマ)

アンジー(相変わらずアンジーは縛られたままだけど、アンジーのいる場所がまるごと病室に切り替わる)

アンジー(見たことがある。閉じ込められる前に何度か足を運んだ、才囚学園の病室)

アンジー(そこにいるのは――)



茶柱『――』

最原『――』



アンジー(終一と転子だった)

アンジー(……楽しそうに笑っていた。終一は前の学級裁判の怪我をそのまま引きずっていたみたいだったけど)

アンジー(何を喋っているのかは聞こえない……)

アンジー(……ただ、楽しそうだった)

アンジー「なに、これ……楓たちに見せているような幻想?」

白銀「ん? 違うよ。こればっかりは違う」

白銀「……紛れもない現実だよッ!」ギンッ

アンジー「……」

アンジー「やめて」

白銀「え?」

アンジー「見たくない」

白銀「んー? なんでー? せっかく見せてあげたのになー?」ニコニコ

白銀「今の今まで、アンジーさんたちとは別行動になっちゃったみんなのことが心配だったんじゃないのー?」ニヤニヤ




茶柱『――』

最原『――』



アンジー(楽しそうに笑っている。まるで……まるで――)

アンジー「やめて。お願い! 見たくない! 見たくないから!」ジタバタ

白銀「……」

白銀「聞くと思う? 今更甘いこと言うなぁ」

アンジー「ひっ……」

白銀「まだ続くよ。まだまだ続くよ。大丈夫、この空間はVRだから……」







白銀「まばたきしなくっても健康に一切、害はないから」

今日のところはここまで!

最原くん鈍感すぎ

なんだか犬空間やら虫空間を思い出すな

もしかして白銀、アンジーを第二のモンテ・クリスト伯にしようとしている…?

学園一階

夢野「……ハッ!」

百田「ん? どうした夢野」

夢野「ジャガーマン! アレじゃアレ!」

ジャガーマン『はい来た!』ブオンッ

百田「……お!? 夢野が消えた!?」キョロキョロ

春川「ああ。前に見たアレかな?」

夢野「夜じゃないから声くらいは聞こえるじゃろ。しばらくこのまま身を隠すぞ!」ヒソヒソ

百田「んだよ。一体どうし……ん」

天海「最原くん?」

最原「あ。天海くん。間に合ったんだね」

天海「お陰様で……なんでおんぶされてるんすか」

茶柱「階段の上り下りはちょっと危険なので……」

天海「俺より遥かに撃たれてたっすもんね……」

百田(茶柱から身を隠しやがったな)

春川(まだ整理ついてないだろうしね。仕方ないよ)

茶柱「……ん? なんでしょう。どこか懐かしい気配が……」

夢野(マジかコイツ。どんな嗅覚しとるんじゃ)

王馬「あ! 夢野ちゃん! スカートめくれてパンツ丸見え!」

夢野「ぴえっ!? 嘘じゃろ!?」ガビーンッ

王馬「もちろん嘘だよ!」

ジャガーマン『やっば。夜じゃないから今ので完璧に加護が解除されちゃった』

ボンッ

夢野「……え?」

茶柱「……」

夢野「……え? 見えてる? もしかして見えてるのか? ウチ丸見えか?」オタオタ

茶柱「……うっ……!」グラッ

最原「茶柱さん!?」

茶柱「最原さん。そろそろ降りてくれませんか? 半端なく気分が悪……うえ……!」

天海「無理もないっすよ! あの世界での夢野さんはちょっとシャレにならない死に方してたんすから!」

天海(俺の覚えている限り、改竄された記憶でも『実際に起こったことに即して死んでいた』感じだったし)

王馬「まあ超ド級のトラウマだったもんね。今更夢野ちゃんが帰ってきたところで、できた傷がなくなるわけじゃないし」ケラケラ

夢野「王馬ァ!」

王馬「……俺は俺の楽しみのために場を引っ掻き回しただけだよ! それの何が悪いんだよッ!」

百田「逆ギレがド下手すぎんだろ!」

春川「その反論まで含めて愉快犯だよね」

茶柱「ごめんなさい……ごめんなさい夢野さん。ごめんなさい……!」ガクリッ

夢野「あわわ……」オロオロ

最原「……許せないな。やっぱり」

百田「何がだ?」

最原「白銀さんだよ。吐いていい嘘と悪い嘘がある。彼女は明らかにその一線を越えてる」

王馬「え? そんな線があるの?」キョトン

天海「もう黙っててほしいっす」

夢野「……じゃ、じゃがのう。白銀だって何か事情があったのでは……」

天海「理由?」ギロリッ

夢野「!?」ビクゥッ

最原「どんな?」ギロリッ

夢野「!?!?」ビクビクゥッ

百田「よせよ二人とも。夢野が今にも心臓麻痺で死んじまいそうだ」

夢野「う、ウチは未だに信じられんのじゃ。白銀が首謀者だのなんだの……」

夢野「ウチが女子トイレにあった隠し部屋に入るまでは、白銀は仲間だったんじゃぞ! 絶対に!」

夢野「ずっと一緒じゃったろ……そうそう簡単に切り捨てられるか……!」

最原「キミはあの世界に行ってないから……あの世界でどんなことが起こったか見てないから!」

最原(ん? 隠し部屋? 女子トイレ?)

天海「……夢野さん。本当に色々あったんす。白銀さんは俺たちのことを、今までの学園生活を本気で踏みにじってきました」

天海「俺はその光景を覚えてるんす。無かったことにはできないんすよ……!」

天海「無かったことにしたらアンジーさんの決意も、巌窟王さんの臭い芝居の価値もどこかに行っちゃうじゃないっすか」

夢野「でも……だって……!」オロオロ

最原(……もしかしてあの事件、夢野さんが死んでないってこと以外は現実に即してたのか?)

最原(じゃあもしかしたら……!)

最原「……夢野さん。もしかしてキミって、昨日までどこかに閉じ込められてたの?」

夢野「んあ? 最原に話したかの?」

天海「あ……いや。記憶を取り戻したことに気を取られて聞いてなかったような……」

百田「俺は状況そのものが意味不明すぎて細かいところに気を配ってなかったな」

春川「アンタはいつだってそんな感じでしょ」

夢野「まあ実際閉じ込められておったんじゃが……」






夢野「図書室の隠し扉の向こうにな?」

全員「ッ!」

夕ご飯の休憩!

最原(気が付いたときにはもう走り出していた)

天海「あっ! さ、最原くん!」

茶柱「え?」

春川「……バカ! 運動するなって言ったのに!」

最原(夢野さんがあそこに閉じ込められていたことまでは予測できた)

最原(ただし、それが現実に則したものだったとまでは考えてなかった!)

最原(もしかすると……!)




図書室

最原「……」ゼッゼッ

最原(なんだか妙に体が怠くて息苦しい気がするが、そんなことはどうだっていい)

最原「ドアが開きっぱなし……中は!?」

最原「……ああ! 凄い! 全部プログラム世界で見たもの、そのままだ!」ダラッ

ポタリッ

最原(急に走ったせいだろうか。汗が止まらない。なにか汗が微妙に粘っこい気がするが、錯覚だろう)

最原「マザーモノクマ……現実にもあったのか! じゃあ!」

最原「くそ! ない! あのモノクマカラーのパソコンが……!」

最原「ここまで同じなら、無い方が不自然だろうに!」

最原(プログラム世界の中では結局、最後まで調べられなかった。アレさえあれば、きっとみんなを見つける手がかりになる!)

最原(アレさえあれば……!)ガサゴソ

最原「……」ゼエゼェ

最原(あれ。なんだろう。意識が朦朧としてきたような……)

最原(まあいいか。脳の機能が鈍っていようと、答えを間違わなければいい話だ。最低限、気絶しなければ動ける)

最原(見つけないと)ガサゴソ

百田「……」

百田「おい終一」

最原「……」ガサゴソ

百田「終一。こっち向け。おい」

最原「……あ。百田くん。ごめん、気が付いてなかった。何?」

ポタリッ

百田「ちょっと休め。血が出てんぞ」

最原「え? ……あ、ごめん。全然気付いてなかった。現場を荒らすつもりじゃなかったんだけど……」

最原「それより百田くん! ここを見てよ! いかにも何かありそうじゃない!?」ゼェゼェ

百田「それよりってこたねえだろ」

最原「……う。ごめん。本当に、現場を荒らすつもりじゃなかったんだ……でも――」ゼェゼェ

百田「もういい。話が通じねぇ。俺が心配してんのはテメェのことだけだ」

最原「……僕が? どうしたの?」



バキィッ



百田「寝てろ。俺はテメェを死なせるつもりはねぇ」

春川「……百田。最原は……」

百田「大丈夫だ。気絶してるだけだっつの」

春川「……どうしてこんなになってまで」

天海「気持ちは……わかるかもしれないっす」

天海「つい最近まで全員揃っていたものが、急にゴッソリ減ったんすよ?」

天海「……記憶を取り戻した俺なら共感できるっす。不安なんすよ。この状況が……」

夢野「文字通り、死ぬほどか」

夢野「……ああ、イヤじゃなあ……本当にイヤじゃ」

夢野「ウチら、なんでこんな目に遭ってるんじゃ? ウチらが何をしたっていうんじゃ?」

夢野「本当に……めんどい……!」ギリッ

茶柱「……」

夢野「……ウチはしばらく自分の研究教室に引きこもっておる。転子。最原を頼むぞ」

夢野「天海。デバイスはお主に渡す」ペイッ

天海「引き受けたっす」キャッチ!

茶柱「……」

天海(最原くんが探していたのは、あのノートパソコンか……)

天海(でも、この場にはないみたいっすね)

天海(……そもそも、白銀さんは一体どこに消えてるのだろう)

天海(今日のところは……調査はここまでっすかね)




残り時間 二日と九時間

あ。やべ。ラジオ聞きたい。早めに待機するので今日のところはここまで!

まだ解放されていないのってどこがあったっけ?
王馬と百田の研究教室がまだ行ってなかった気がしたけど

自分勝手な理由でやらかした真宮寺や入間も許した最原もさすがに白銀はそりゃ許さんか
死亡フラグが着々と積み重なっていくな

まぁ、白銀が仮に良いことしてようとなんだろうとムカつくのは間違いないわけだし最後には痛い目をみてほしいです。

絶望に立ち向かうために一度徹底的に潰そうとしてたりな
V3だと絶望云々あんま関係ない気がするけど

血が出てる人を気絶する位殴っても大丈夫なのか…?
あとステンノ人形とかは一体…

三月三日くらいからちょっと、とある☆5サーヴァントのお墓参りに行くので更新できません。月曜に帰ってきます

天海の私室

天海「……」キョロキョロ

天海「よし。大丈夫。大丈夫っすよね。今度こそ白銀さんはいない……!」

百田「夢野がいるってだけでも信じられねぇんだ。白銀が生きてるってのも変な気分だな」

百田「なんで出てこねぇんだ?」

天海「それは……」

天海「……その内に話をするっす」

百田「おう! そうか! じゃ、確認も済んだみてぇだから俺も帰るぜ!」

百田「……なんか悩みがあったらいつでも聞くぜ?」

天海「……ありがとう」

天海(そろそろ隠すのもバカらしいっすよね)

天海(でも……今の今まで隠していたことに関して、責められるのが怖いんすよねぇ)

天海「……明日になったら。落ち着いたら。今はそれどころじゃないから、か……」

天海「いつまで言い訳するんすかね。俺って」ポイッ

モノパッド「」ドサッ

天海「はあ……」

カルデア

BB「はあー……暗雲、暗礁、暗黒、暗い話のオンパレードです」

BB「はやく巌窟王さんを帰還させないとヤバイですよねー……はあー……」

セミラミス「……」キョロキョロ

セミラミス「おい。BBよ」

BB「セミラミスさん? どうかしました?」

セミラミス「我がこの間に開発した新作ゲームがどこかに行った。なにか知らぬか?」

BB「ああ。あのバカゲーです? なくなったんですか?」

セミラミス「知らぬか。ならばよい……よくない。今、なんと? 我の知力を結集させて作ったゲームぞ?」

BB「いやだってアレ、あなたの趣味全開で面白さは保証するとしてもジャンル的には完全にバカ……」


ジャラジャラジャラッ



BB「シェイクスピアガード!」サッ

シェイクスピア「ぎゃあああああああああああ!」

セミラミス「二人そろって毒にもがけ!」ジャラジャラ

スパコン室

王馬「……」

王馬「さようなら。『戦慄のファーストタイヤキング・オブ・バビロン』……楽しかったよ。バカだったけど」

王馬「これ作ったヤツはまず間違いなく甘党だったんだろうな……俺と趣味合うよ……すごく……」





セミラミス終身名誉たいやき工場長『さあ愚民ども! 今日も元気にタイヤキング!』

タイヤキング!

セミラミス『タイヤキング!』

タイヤキング!




王馬「目を閉じれば今もあの声が聞こえるようだ……」ホロリ



巴からの評価も上々の良ゲーだった

金曜日に時間が空いたら思い切り書く!
そして今日は寝る! 今週は旅支度で忙しい!

イギリスにでも行くの?

え!?ピラミッドのためにエジプトに!?

やはりエジプトか……
いつ出発する?
わたしも同行する

さらっと流れてるけどクソゲーを誰かが転送したんじゃないなら
白銀やモノクマがカルデア側に行けるってことなんじゃこれ…?

カルデア

BB「はあ……はあ……危なかった。セミラミスさんが飽きるまで防げて助かった」

BB「ノリで盾にした通りすがりのシェイクスピアさんは雑巾ボロボロくんになっちゃいましたけど」

ボロシェイク雑巾「」チーン

BB「さぁてと。作業を再開しないと」


ブゥン


BB「ん……? この反応は――」

BB「……そう、ですか。彼に示されたのはそういう選択肢、か……」






BB「私にできることは、もうこれ以上はないのかもしれませんね」

ズルッ ペタッ

巌窟王「……」

巌窟王(どれだけの時間が経ったのだろう。この光も、音もない空間に落とされて)


ズルッ ペタッ


巌窟王(腕一本で這いつくばり、少しずつ前へと進む)

巌窟王(流石に俺も、いい歳だ。アンジーを無傷で助けるなどという夢物語は抱いていない)

巌窟王(ただそこに向かうことだけが目的だ。後のことは、なんとでもなる)

巌窟王(そうだ。俺はいつでもそうだった。すべては辿り着いたときに始まる)

巌窟王(手遅れになっているというのなら、それもいいだろう。俺のやるべきことが変わるだけ。歩みを止めることはない)


ズルッ ペタッ


ザザッ


巌窟王「ぐ……」

巌窟王(またか。やはりアイツらも同様に処理しなければならないだろう。姦しいこと、この上ない)




――なんで……!



巌窟王(なんで自分がこんな目に、か?)

巌窟王(問うても無駄だ。理由などない。現実とは、そういうものだ)

巌窟王(だから諦めるな)

ズルッ ペタッ

巌窟王(……アンジーのいる場所は、大雑把な方角はわかる。契約は伊達ではない)

巌窟王(距離はわからないが、まあ些末な問題だろう)


ズルッ ペタッ


「うわあ。めっちゃ悪趣味な空間ですね。なんか見覚えありますけど」


巌窟王「!」

巌窟王「……」

BB「やっほー。久しぶりですね、巌窟王さん」

巌窟王「……」


ズルッ ペタッ


BB「無視しないでくださいよ。酷いなぁ」

BB「安心してください。本当にこっちに来たわけじゃなくって、この空間におけるアバターでしかありませんから」

巌窟王「……」ズルッ ペタッ

BB「さ。帰りますよ。巌窟王さん。そのために私はここに来たんです」

巌窟王「……」

巌窟王「ふざけるな」

BB「至極真面目ですよ。ていうか……」

BB「……そこまで酷い目にあってるんです。もう充分ですよ。逃げたところで彼らはあなたを責めません」

巌窟王「……白銀の差し金だな?」

BB「おそらくは。急にもう片方のデバイスが……」

BB「……あ。女神勢たちが勝手に生徒に渡した、あなたが持っていたのとは別のデバイスのことですけど」

BB「それが急に新世界プログラムに接続されたんですよ」

BB「デバイスの物理的な座標はパッとしないんですけどね。今まで最原さんたちが行ったことのないどこかから接続されているのでしょう」

巌窟王「……その情報を最原が知ったら喜ぶだろうよ」

BB「教えません。もう彼らのことは、私にとってはどうでもいいです」

BB「帰ってきてください。巌窟王さん」

巌窟王「……」



ズルッ ペタッ

BB「……」

BB「いつでも傍にいます。この世界での私に、巌窟王さんを基の世界に帰す以外の権限はありませんが……」

BB「諦めるときになったらすぐご連絡を」

巌窟王「……」ズルッ ペタッ

BB「……」






BB(ああ、絶対あきらめないだろうなぁ。この光景が『彼』と凄く……被る)

巌窟王「……」ズッ

BB(あれ。止まった)

巌窟王「……」フー

BB(そして息を整え始めた)

巌窟王「……!」カサカサカサカサッ

BB(そして機敏に動き始めたーーーッ!?)ガビーンッ

BB「待って!? なにか気に障ること言いました!?」

巌窟王「貴様が傍にいるという状況が一番堪えられん」

BB「逃げてるのか! 私からッ!」ガビーンッ

BB「ああ、本当に早い! なんて人!」

BB「もう絶対に助けてあげませんからねーーーッ!」

BB「……」

BB「まったくもう。頑固なんだから。そこら辺、計算外だったんじゃないですか。白銀さん」クスクス

BB「……最終的に勝つのはきっと、ああいう人ですよ」

今日のところはここまで!

頼光公のお墓って兵庫県なのかよ!

……無理すれば行けないこともない!
旅行の準備を続行する!

あぁ、犬空間か。
BBは未だにザビの事想ってるもんなぁ。絆礼装はマジ泣ける。

赤松「……う……?」

赤松「ここは……どこ?」

赤松「あれ。私は……おしおきされて死んだはずじゃ……」

????「目が覚めたか?」

赤松「誰?」

赤松(……いや。本当に誰だろう。さっぱり心当たりがない)

赤松(まず間違いなく初対面なのは当然だけど、見てくれにも私と決定的な齟齬がある)

赤松(そう。例えるなら、大昔の、色が白黒の映画の中の登場人物が目の前にいるような……)

赤松(……長い髪。長い髭。優しい瞳。賢そうな喋り方)

ファリア神父「ファリア神父、と呼ばれていたこともあるな」

赤松「……聞いたことがあるような……あっ」

赤松(思い出した。監獄塔シャトーディフで、巌窟王さんが出会った……!)

赤松(思い出して……思い出して……やっとここがどこなのか理解した)

赤松「石造りの監獄……!」

ファリア神父「彼の原風景だ。そして、私はそこに残る影法師だ」

ファリア神父「……エドモン・ダンテスはどうやら、自分の心に踏み入らせるほどにキミたちを気に入っているらしい」

ファリア神父「あるいは……かつての私がそうなったように、キミたちのことを既に『家族』だと認識しているのやもしれんな」

赤松「家族……?」

ファリア神父「なにせ二人で過ごした時間が長かったものでな。私はエドモン・ダンテスのことを息子のように思っていたよ」

ファリア神父「この監獄に囚われ、すべてを失った者同士だったからな」

赤松「……確かに、私たちと同じだね。いや、ですね」

赤松(……見た目は酷いけど、ちょっとだけ心が安らぐ)

赤松(多分これは、かつて巌窟王さんが感じたクオリアそのままを投影していたからだ)

赤松(……彼といる空間と時間だけは、地獄の中にある唯一の安息だったんだ)

赤松(巌窟王さんと一緒にいた私たちも、そうだったから、とてもわかる)

ファリア神父「……私はこの世の地獄と呼ばれた、この監獄にてエドモン・ダンテスと出会った」

ファリア神父「彼は明日の幸福を約束された有望な船乗りだった」

ファリア神父「だが、ここに放り込まれた彼はすべてを失った。父も、婚約者も、誇りも」

ファリア神父「……彼は陰謀に巻き込まれていた。だが、あまりにも無辜であった」

赤松「え? 巌窟王さんが無辜? でも……」

ファリア神父「……彼が私と出会ったのは、収監されて五年のことだった」

ファリア神父「そのときの彼は、ここまでされて抗うという選択肢が完全に頭からすっぽ抜けていたのだよ」

ファリア神父「誰も憎んでいなかった」

赤松「……信じられない!」

ファリア神父「そう。私自身もまさにそんな反応だった。顔には出さなかったがな」

ファリア神父「だが……私が彼に対してさまざまな知識を授ける内に、彼の中には確かに叛逆の意思が芽生えた」

ファリア神父「今となってはそれがいいことだったのか悪いことだったのかわからないが……」

赤松「……」

赤松「いいこと、だったと思います。だってあなたのお陰で外に出れたのだから」

ファリア神父「彼を外に出せたことに関しては一切の疑いはない。だが……」

ファリア神父「私の与えた影響のすべてが、彼にとっていい影響だったとまでは思わんよ」

赤松「……チラつくな」

赤松(瞼の裏に、最原くんと巌窟王さんの並んでいる姿が見えた)

赤松(ファリア神父が巌窟王さんにあげたものは、紛れもなく希望だ。先に進む絶対の原動力)

赤松(……でも先に進めば、踏みにじらなければならないものが沢山ある)

赤松(苦しいことも、泣きたくなる光景も、耳をふさぎたくなるような酷い現実も)

赤松(……そして私たちは、そのすべてに対して何のリアクションも示さない、ということもできない)

赤松(生きたいのであれば、生きている限りは……抗わなければならないだろう)

赤松(望む望まぬに関わらず、攻撃せずにはいられない)

ファリア神父「……果たして、私は正しかったと思うかね?」

赤松「……」

赤松(難しいな。ここで正しい、と言ったら、巌窟王さんが最原くんに与えた影響のすべてをも肯定しなきゃならなくなるだろう)

赤松(なにせやったことが、ほとんど……いや)

赤松(まったく同じなのだから)

赤松「……ごめんなさい。正しいか、間違いだったのか。それを答える言葉を私はもちません」

赤松「でも」

赤松(そう。でもだ。巌窟王さんと私たちが出会ってしまった以上……正しさも、間違いも関係ない)

赤松(生きることは残酷だ。すべての生きる人の望みが過不足なくすべて叶うわけがない)

赤松(でも彼がいなかったら、私が死んでいたことも事実だ。なら答えは決まっている)

赤松「必要でした。私たちには彼が……モンテ・クリスト伯爵が、必要だった!」

赤松「この答えの前に、正しいとか間違いとか、そんなレッテルはあまりにも些末です。小さなことです!」

赤松「それに、それすらも私たちにはどうでもよくって……!」

ファリア神父「なに?」

赤松「――楽しかったから!」

ファリア神父「――」

赤松「一緒にいて楽しかった! 本当に、心の底から、楽しかったんだよ!」

赤松「辛かった! 苦しかった! でもそれはそれ、これはこれだよ!」

赤松「みんな仲間で、ずっと一緒に乗り越えてきて……だから!」

赤松「正しさも、必要さよりも、ずっと大事だったから! 私たちには、それがすべてなんです!」

ファリア神父「……」






ファリア神父「……答えは得た、な」

ファリア神父「……逆転の一手がある。それをキミに捧げよう」

赤松「え」

ファリア神父「必ず我が息子を助けてくれ。それだけが私の望みだ」

赤松「……」

赤松「そう、だ。思い出した」

赤松(私は、そのためにここに来たんだ。そのために、ここに残ったんだ!)

ファリア神父「ところで……」

赤松「はい?」

ファリア神父「私はエドモン・ダンテスのことを息子のように思っている」

赤松「はい。さっき聞きました」

ファリア神父「そして、おそらく彼の方も私のことを第二の父のように思っているはずだ」

赤松「はい……はい? まあ、そうかもしれませんね?」

ファリア神父「そして、ここまで踏み入れた以上、キミたちもおそらくエドモン・ダンテスから息子や娘のように思われていることだろう」

赤松「……」








ファリア神父「おじいちゃん、と呼んでくれてもよいぞ?」

赤松「謹んで遠慮させていただきます」

休憩します!
十時過ぎたらもうどこかに行ったと考えてください!

時間が空かなかったか

赤松以外のおしおき組の覚醒も見たかったが間に合わなかったか

型月世界のファリア神父の遺産ヤバすぎ

旅行先でクレオパトラガチャしてエルキドゥを宝具3にし、吐きそうになっておる

あれだね 
「イチゴの種も3個まで」だね

新鯖のセイバーは 和風か中華風の髪が黄色と黒のまだら だそうだ。

誰やねん!

クレオパトラチャレンジ第二打ァ!
金回転! 来たぜーーーッ……
えっ、ライダー? ドレイク?
宝具レベル上昇? えっえっ

旅行して……塩川さんの石を使って……旅先で合計20連召喚して……!
戦果がエルキドゥ一騎とドレイク一騎! おかしない? こんな運があるんなら普通にクレオパトラ出てもよくない!?
あ、夕方帰るので更新再開するよー

七体のカエサルを集めて触媒にするのじゃ…

ザザッ……

――やめて。お願い……■■■■を置いて、幸せにならないで。


ザザザッ

――立ち上がれないくらい悲しんでいて。膝を折ったまま立ち上がらないで。

――そうじゃないと■■■■は……!


ザザザザッ


――忘れないで。忘れるくらいなら負けて。そこで終わって。■■■■と一緒に死んで。

――お願い。愛をこっちに向けて。こっちだけに向けていて!


ザザーッ



最原(……ノイズだらけの祈りを聞いた……気がする)

最原(ノイズが多すぎて誰の声だかわからない)

最原(アンジーさんの声に近い気がするけど……)

最原(……いや。彼女が僕たちの敗北を願うはずはないよな)

病室

最原「……ん……?」

百田「お。起きたか終一」

最原「百田くん? 僕は一体……」

最原(あ。忘却補正のお陰で、ノータイムで頭が冴えてきた)

最原「……そうか。百田くんに殴られて気絶してたんだった」

百田「げ。忘れてりゃいいもんを……」

百田「まあいい。ひとまず元気そうでよかったぜ」

百田「軽く輸血して、傷も再度塞いで、なんとかギリギリ取り繕ったんだ」

最原「ごめん。面倒かけたみたいで」

百田「……俺はよ。別にテメェのことを止めなくってもいいかって、一瞬思ったんだけどよ」

百田「だって、仲間のためなら俺もどんな無茶するか自分でわかんねーしな」

百田「ただ……」

最原「ただ?」

百田「ほら。そいつが泣きそうな顔してたから止めざるを得なくって」

最原「そいつ?」

最原(と、百田くんが指した先には、茶柱さんがいた)

茶柱「……すー……」スヤァ

最原(僕のベッドの端っこに頭を乗せて眠ってる)

百田「じゃ、俺はそろそろ出るぜ。夜の病院はマジでもうこりごりだからな」スッ

最原「あ、ああ。うん。だろうね」

最原(微妙に残ってるんだな。あの病院の迷宮化の記憶……)

百田「……茶柱に心配かけたことちゃんと謝っとけ」

最原「うん」


ガララッ スタスタスタ


最原「……茶柱さんを起こすべきかな。このままの体制で寝るの健康に悪そうだし」

最原「茶柱さん。起きて!」

茶柱「……すー……」スヤァ

最原「うーん……声だけじゃ無理があるかな。でも肩を揺さぶるために触ったら多分凄い悲鳴出された後で関節技だよなぁ」

最原「でも迷惑かけたし……」

茶柱「……」

最原「あ。起きた」

茶柱「だからあなたは、なんでそこまで聡いのに……はあ」スッ

最原(茶柱さんは上体を起こし、こちらに目を向けた。完全に呆れ顔になっている)

茶柱「それとも面倒を起こしたくないから、気付いてるのにわざと気付いてないフリをしているので?」

茶柱「もしそうなら、転子は別に……フラれても文句言いませんよ」

茶柱「こんな暴力女、こっちから願い下げだってキチンと言えばいいじゃないですか」

最原「……」







最原「??????????」

茶柱(ほ、本当にわかってない顔ーーーッ!? 嘘でしょ!?)ガビーンッ

最原「……なんかいい感じだね。今の時間」

茶柱「え」

最原「だってほら。いい感じに西日が差しこんで、夕日で部屋が赤くなってさ」

最原「小説のワンシーンみたいじゃない?」

茶柱(うわぁ。転子の言うことがマジでわからないから、気にも留めてない……だけど)

茶柱「確かに、なんか綺麗ですね」

最原「……みんながいつも通りにいればよかったのに。いつもみたいにバカ騒ぎしてくれていれば、きっともっと綺麗な景色だったのに」

茶柱「……そんなに不安ですか?」

最原「うん。不安だよ。みんながいなくなって、この学園が急に広く感じるようになったのがとても不安」

最原「うっかり泣いてしまいそうなんだ。寂しすぎてさ」

茶柱「……もう泣いてますよ」


ポロッ


最原「ん? あ、あははっ……ごめん。言ってる傍からダメだなぁ、僕」ポロポロ

茶柱「……」



ガバッ


最原「え……」

最原(一瞬、何が起こったのか理解できなかった)

最原(温かい。体中が……)

最原「……茶柱さん?」

最原(彼女に抱きしめられていることに気付くのに、本当に時間がかかった)

茶柱「本当、弱すぎてイヤになりますよ。だからすぐに泣き止んでください」

茶柱「泣きたいのはこっちなんですから。慰めている側が泣くわけにはいかないじゃないですか」

最原「え」

茶柱「転子は……あなたがいなくなってしまいそうで不安です」

茶柱「だから、転子は全力であなたを安心させます」

茶柱「全身全霊で、あなたを繋ぎとめて……そのために、あなたの傍を離れませんから……!」

茶柱「だから、あんな無茶もうしないでくださいよ。泣いたっていいし、弱音吐いたっていいですから!」

最原「……ねえ。茶柱さん。キミは優しい、いい人だけどさ」

最原「男子のことが嫌いじゃなかったっけ?」

最原「なんでここまでしてくれるの?」

茶柱「……わかりませんか?」

最原「うん。さっぱり全然まったくこれっぽっちも一ミリグラムたりとも心あたりがないよ!」ズバーンッ

茶柱「……」ブチッ





茶柱「好きだからですよッ! バカじゃないんですか!?」

最原「は?」

茶柱「……ハッ!?」

最原「……?」




ザザザッ……



最原(あれ……なんだろう。なにか『とても決定的な何か』が壊れたような気がする)

最原(気のせいかな?)




――だいきらい。みんな。

休憩します!

絶賛生放送中か…

この最原アンジーに呪いかなんか受けてる?
流石に鈍すぎるし自分以外からの好意に気付かない呪いかけられてそう

アンジーさんこのままだとアベンジャーになっちゃう……

別スレの最原も鈍かったから気にしてなかった

逆転最原ならまだそこらへん鈍感じゃなかったような気が

白銀ヒロインの時はガツガツ行ってたじゃねーか男を見せろ最原
女二人くらい何とかしてくれ

いっそ白銀とハルマキと入間以外全員食っちまおう

もしくは二週目最原召喚してこの世界の最原に説教してもらおう

茶柱「……さん! ……らさん! 最原さん! 聞いてるんですか!」

最原「……はっ! 意識が別のところに向かってた!」

最原「何の話してたんだっけ。茶柱さんが男子嫌いで、男子に褒められてもまるで嬉しくないって死んだ顔で言ってたあたりだっけ」

茶柱「え?」

茶柱「……あ! 初対面だ! 初対面のことですよねそれッ! 話遡り過ぎってか、よく覚えてますね!?」

最原「そうか……僕のことが好きだったのか……そうか……」

最原「嘘か冗談にしては体を張り過ぎじゃない? 意図もさっぱりわからないし……久しぶりに難問だな……」ウーム

茶柱「いい加減にしないと第五の事件の被害者にしてさしあげますよ?」

最原「落ち着いて」ガタガタ

茶柱「……仕方ないじゃないですか。好きになってしまったものは」

茶柱「それとも……その、迷惑、ですか?」

最原「うん」キッパリ



ゴキンッ



最原(僕の首から出ちゃいけない音がーーーッ! ていうか視界が人間ではありえない角度に!)ガビーンッ

ハッピー強化メルト

まあ手がすぐ出るうえ何度も痛めつけられてきたからなぁ・・・

つか最原も普通に不死身だな

最原「自力で治せた……人体ってこんなプラモデルみたいな仕組みだったっけ」

茶柱「……フラれました……まあ当然ですが……」ズーン

最原「え。いや迷惑だと言っただけで特にフッた気は一切ないけど」

茶柱「え」

最原「ところで茶柱さん。もうそろそろ夜だし帰った方がいいんじゃない?」

茶柱(こ、この男死ィ~~~! 面倒臭いからこのまま話を有耶無耶にしようとしているー……!)ワナワナ

最原「あの……本当帰って……」テレッ

茶柱「あなたちょっと喜んでますよねぇ!? 普通に転子に告白されて嬉しがってますよねぇ!?」

最原「いや……うん。これで嬉しがらないヤツがいるとは思えないっていうか……」

最原「やっぱり茶柱さんってかわいいから」

茶柱「でも迷惑なんですよね?」

最原「状況が状況だから間違いなく迷惑だね!」


ゴキンッ



最原(そろそろ首が取れそう)

最原「……余計な話をしすぎた。うん。嬉しいよ、茶柱さん」

茶柱「そうですか。で?」

最原「え? 他になにか言うことあるっけ?」

茶柱「……その……付き合ってはくれないのですか?」モジモジ

最原「励ました直後に励まそうとした対象に重たい要求するとか凄い面の皮だね!」

茶柱「うぐう!」グサッ

最原「とは、思ってないけど。ええと……ひとまず待っててくれる?」

最原「この学園生活が終わったらさ、僕は……」






最原「僕の方から、告白するよ」

茶柱「え」

最原「ありがと。負けられない理由が一つ増えた」

最原「……無茶をしないことを約束できないけど、今度はもっとマシな勝利の方法を探すよ」

茶柱「……はい。必ず見届けます。約束ですよ?」ニコリ

少し前ならここでエンダアァァァとか言うところだったんだが…いまの状況だと素直に喜べないなぁ…

アンジー黒化不可避
……黒化ってのも懐かしい単語だ

アンジーオルタ、登場決定やな

白銀「かくして、二人の男女はめでたく結ばれましたとさ。めでたしめでたし」

白銀「……ま、悲しい約束だけどねー。おそらくどっちか死んじゃうし」

白銀「……ところでさ。物語に組み込まれる定型文でこんなのあるよね」

白銀「『死んだアイツらの分まで幸せにならないと』ってヤツ、さ」

白銀「……凄い欺瞞だと思わない? いくら幸せになってもさ……そこに死んだ人の居場所はないんだよ」

白銀「……そこにあなたはいないんだよ。アンジーさん」

アンジー「……違う」

白銀「なにが?」

アンジー「アンジーは、喜べるもん……終一のことも、転子のことも大好きだもん……!」

アンジー「欺瞞なんかじゃない!」

白銀「……」

白銀「そうは思ってないんじゃない? アンジーさんは、さ」

白銀「ていうか聞こえてるし」




――殺してやる。二人とも。憎いから殺す。絶対に殺してやる。



アンジー「違う! アンジーはこんなこと思ってない!」

白銀「ここは電子の世界。精神と魂の牢獄。かなり時間はかかるけど、その人の『抑圧した心の声』もキチンと反映できるんだよね」

白銀「他の人にはやってないよ! アンジーさんだけ特別!」


――だいきらい。みんな。みんな。アンジーのことを悲しまないみんなのことなんて死ねばいい。



アンジー「誰か助けて……アンジーは……こんなこと思ってない……」ポロポロ

アンジー「誰かあ……アンジーのことを……赦して」

アンジー「悪くないって言ってよ。アンジーはいい子だって……!」

白銀「可哀想だけどさ……この声に嘘はないよ」

白銀「そうやって泣いているアンジーさんも本心なんだろうけど」

白銀「皮肉なことにそうやって押さえつければ押さえつけるほどに……その闇は深くなる」

アンジー「あ、あ、あ……やめ……やめて……お願い。誰かアンジーを止めて」

アンジー「目を潰して。耳をもいで。もう何も感じたくない」

アンジー「怖い。怖いよお……こんな感情、知りたくない……!」


――憎い。世界が、この学園に生きているすべての生徒が。


白銀「……ふふっ。あははっ……あはははははは!」

白銀「あーっはっはっはっはっはっはっは!」

白銀「笑えるなぁ。巌窟王さんはずっとアンジーさんのそういう姿を見たかったはずなのにさ」

アンジー「え?」

白銀「気付かなかったかなぁ。巌窟王さんはまさに、アンジーさんのそういう『感情』をゆっくり育ててきたんだよ」

白銀「彼自身のポリシーか、あるいは身勝手な優しさか……信仰心のみで心が空っぽだったあなたのことが本当に気に食わなかったんだろうね」

白銀「だから全力であなたを育てた。その結果、ちゃんと感情は産まれた」

白銀「……その極致がここだよ。ねえ。アンジーさん。あなたは、こんなことなら誰も好きにならなければよかったと思うかもだけど」







白銀「それはつまり、巌窟王さんと出会わなければよかったと言っているも同然なんだよ」

アンジー「――」

――堕ちるのは楽だよね。

アンジー「やめて」

――他人に責任を押し付ける甘美をもう知ってる。

アンジー「やめ……」

――全部あの方が教えてくれたこと。

アンジー「あぐ……」

――楽な方。楽な方に向かうのはとても楽しい。

アンジー「……」

――彼のくれた感情のまま、進むことは間違いじゃない。

――間違いじゃないことは、正しいことでしょう?



アンジー「……神様……」

白銀(堕ちた……!)



ベシャッ


白銀「ん?」

白銀「……えっ」

白銀「なんで……!? なんでここにいるの!? まだ辿り着けるはずがないのに!」

アンジー「……?」





「アンジー……!」

今日のところはここまで!

BBのおかげで予想外に速くクリアできたか

あ、やばい。
パソコンの調子悪い

さあ壊れる前にバックアップを取るんだ

こ、ここここここここで?!

AppleがFGOを止めている内にはやく!

アンジー「あ……あ……!」

アンジー(来てくれた! アンジーの希望! アンジーのすべて! アンジーの想像力の果てにいる至高のお方!)

アンジー(助けて! 助けて! あなたならそれが……!)

アンジー「え……」

白銀「まあでもどうでもいいか。そのナリじゃあ、ねえ?」

巌窟王「……」ウゾ

アンジー「……」

アンジー(そうだった。アンジーの令呪のせいで身動きが取れなくなっている隙に……バラバラに)

アンジー(アンジーのせいで……?)

アンジー「……」

アンジー「あ、ああああああ! 違う! 違う違う! 違うもん!」

アンジー「こんなの何かの間違い。こんなの……こんなの絶対に違う!」

巌窟王「アンジー……?」ウゾ

アンジー「助けてよ! アンジーを助けて! なんで!? なんでアンジーがこんな目に遭わないといけないの!?」

アンジー「ああ……やだ、やだやだやだ! 立ってよ! 倒れないでよ!」

アンジー「それができないのならせめて、アンジーのことを呼ばないでよぉっ……!」

巌窟王「……」

アンジー「何もかも……何もかも思い通りにならない! 誰も救ってくれない!」

アンジー「アンジーは何も悪くないのに……なんで!? どうして!?」

巌窟王「アンジー」

アンジー「気安く呼ばないでって言ってるでしょ……! お前なんか……お前なんか……!」







アンジー「アンジーの神様なんかじゃないッ!」

巌窟王「……白銀。貴様、アンジーに何を……!」

巌窟王「これは……」

白銀「うん! 茶柱さんと最原くんは両想いになったの! 全力で拷問して精神的に追い詰めた末にコレを見せたんだよ」ニコニコ

白銀「……あはっ。まあ理由がわかったからって、気休めにもならないんじゃない?」

白銀「どう? どう? アンジーさんに拒絶された感想は?」ニヤニヤ

巌窟王「……」

巌窟王(……俺が神ではない、だと? 今更、なにを当たり前のことを)

巌窟王(だが確かに……大泣きしているアンジーを抱きしめることすらできないというのは……)

巌窟王(いや。いい。ひとまずそれは、置いておこう)

巌窟王「感想を……聞きたいか?」

白銀「ん?」






巌窟王「……本当に?」ニヤァ

白銀「……!?」ゾクッ

白銀「気が変わっちゃった。エグイサル。もう一回痛めつけて」

白銀「……それで最初からやり直しだよ? 巌窟王さん」

エグイサル「」ガシャコンッ

巌窟王「……く、クハ……クハハハハハハハハ」

アンジー「うう……うううううううう……! 嫌い。イヤ。何もかも……みんな!」

巌窟王「そうだ。俺は神ではない。故にこの身が何かを創造することなどなく……!」

アンジー「ぜんぶ……ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ……!」

巌窟王「見せてやろう。俺の本分を……そして絶望しろ。それが地獄だ。つまるところ……」

白銀「エグイサル! やって!」

エグイサル「」グアンッ





巌窟王&アンジー「全部ぶち壊してやる――!」




バリバリバリッ ガシャアアアアアアンッ!


BREAK!

白銀(直後、吹き飛ぶエグイサル。空中で分離し、その破片が小さい順に粉々に燃え尽きていく)

白銀「……えっ」

巌窟王「クハハハハハハ……」

巌窟王「クハハハハハハハハハ」

巌窟王「ハーーーーーッハッハッハッハッハ!」


ボオオオオオオオオッ


白銀「え、ちょ……な!? な、なに!? 何が起こってるの!?」アタフタ

巌窟王「ああ! 素晴らしい! なんという量! そして質……! 想像以上か、夜長アンジー!」ボォオウッ

アンジー「うう……うううううううう……!」

白銀「そんな……巌窟王さん。あなた、なんで……」

白銀「なんで二本足で立ってるの!?」ガビーンッ

巌窟王「クハハハハハハハハ! バカめ! 霊核にあえて傷を付けなかったのは失敗だったな、白銀ェ!」ギンッ

巌窟王「俺は巌窟王! この身は永遠の復讐鬼なれば!」

巌窟王「ああ、そうだ! この身がある限りは……絶対に! 確実に……貴様を燃やし尽くすまでは永劫に!」

巌窟王「俺の歩みが止まることなどない!」

白銀「……!?」

巌窟王「……アンジーが世話になったな? 纏めて返そう」

巌窟王「せいぜい足掻いてみせろよ……!」

白銀「はは……あはは。まだ大丈夫だよ。だって、エグイサルはこれだけじゃないもん!」

ガシャガシャガシャコンッ!

白銀「まだ出て来るよ。まだまだ出て来るよ! これだけの物量をあなたは絶対に凌駕できない!」

巌窟王「……今までならば、そうだったかもしれんな」

巌窟王「アンジー」

アンジー「……」

巌窟王「……遅くなった」グシャ

アンジー「髪が乱れる。気安く触らないで」

巌窟王「フン。気を害したのなら謝罪しよう。では……やれるな?」

アンジー「……」

巌窟王「白銀。長い間、ずっと見せていなかった切り札を見せてやろう」

白銀「え」

巌窟王「我が往くは恩讐の彼方……!」ボオオオオオッ

巌窟王「見るがいい! これこそが我が魂を燃やす毒炎! 不死の者すら焼却する究極の復讐劇!」

アンジー「宝具、真名解放――!」





巌窟王「虎よ、煌々と燃え盛れ!」

今日のところはここまで!
エドモンピックアップはなしか。残念

探偵エドモン礼装が

あの、うちのカルデアはエドモンをピックアップしないみたいなんですけど不具合ですか?どう考えてもイケメンなのに

エドモンの全体宝具ってレンジどんなもんだっけ?

GOマテに拠れば1~20、最大補足が1~100だそうな

ボオウッ

ドカァァァァァァァンッ!


白銀「んー……? なにこれ。前にも見た分身能力じゃない。この程度なら……」

白銀「ん!?」

巌窟王「バカめ。いつ俺が本気を出した?」

巌窟王2「あの程度、普段の俺に比べれば児戯に等しい」

巌窟王3~97「さあ! 存分に味わえ! これが正真正銘の、俺の力!」

巌窟王「すなわち……本物の『虎よ、煌々と燃え盛れ』である!」

白銀「……」チラッ

巌窟王98「アンジー。乱れた髪を整えてやろう」シャッシャッ

巌窟王99「肌の状態も良くない。クリームを使おう」ヌリヌリ

巌窟王100「パーカーがほつれているぞ」ヌイヌイ

アンジー「むー! やー!」イヤイヤ

白銀(舐めてるーーーッ! 言ってる傍から本気じゃない! 分身が三体アンジーさんの世話してるし!)ガビーンッ!

まるで殺せんせーだww

おかんが3体いるw

白銀「やっちゃえエグイサル! アンジーさんのみを仕留めればひとまずこの場は収まる!」

エグイサルs「」ガシャコンッ

巌窟王2「クハハハハハハハハハ!」ビュンッ

エグイサルだったもの「」バキムッ

白銀「……」

白銀「は、早……!?」

白銀(でも)

巌窟王(言ってみたものの……微妙にこちらの戦力が足りん)

巌窟王(やはり相手のテリトリーでの戦闘は明らかに悪手だな)

白銀(それに……この感じ。巌窟王さんの回復は『見てくれだけ』だ!)

白銀(突貫工事でそれっぽく仕立て上げただけのガタガタな施工! 大丈夫! 壊しきれる!)

巌窟王(だからと言って……止まるわけにはいかないだろう)

巌窟王「本当に頭にきている。アンジーの恨みは真っ先に清算させてもらうぞ」

白銀「戯言を! エグイサル! 押しつぶして!」

「声は静かに。私の影は世界を覆う。超超超限定!」

白銀「?」

巌窟王「!?」ガビーンッ




「チープ・カースド・カッティング・クレーター!」



潰れたエグイサル「」バキバキバキッ!

白銀「なっ!?」

巌窟王コスBB「ふっ……舐めるなよ白銀さん。じゃなくて白銀。私っ……じゃなくて俺は復讐鬼だ」

巌窟王コスBB「復讐鬼なので、性転換程度も造作もない!」ビシィッ

白銀「……?(何コレ? 誰? という目)」

巌窟王「……(俺に訊くな。答えたくないという態度)」ズーン

白銀(まあいいや。大丈夫! まだこっちに勝ちの目はある!)

巌窟王(依然として勝利は遠い、か!? 知ったことか! 俺は……俺は……!)ボォウッ!

巌窟王「うおおおおおおおおおおお!」

バキバキバキンッ

白銀(残りエグイサル……三〇〇! 過半数が蒸発! でも……!)

巌窟王「……」ゼーゼーッ

白銀「バテてる?」

巌窟王「まさか」ニヤァ

白銀「ふっ。そんなこと言っちゃって……」チラッ

巌窟王100「生姜湯だ。温まるぞ」

アンジー「……」プイッ

白銀(アンジーさんの世話係が減ってる。巌窟王さんの余裕はハッタリだ!)

白銀「……」

白銀(ここまで追い詰められてもアンジーさんの世話はやめないんだなぁ……)ズーン

白銀「なんでそんな虚勢を張れるの? あなたをそこまで突き動かしているものはなに?」

巌窟王「……信じているからだ」

白銀「え?」

巌窟王「俺は今まで見た物を信じる。ここに至るまで渦巻いていた生徒たちの怒り、悲しみ、後悔……」

巌窟王「それらは決して偽物ではなく、だからこそアイツらは強くなれたのだ」

巌窟王「貴様のチャチな幻影などで、決して霞むことのない真作の記憶。それがある限り、貴様の作る死の映像なぞ茶番に過ぎない!」

白銀「聞くだけ無駄だった。さようなら。今度こそ、永遠に」

エグイサルs「」ガチャリッ

BB(一斉砲撃の準備……決めて来る気ですか! 流石にコレは防ぎようが……!)

巌窟王(いや……まだだ)

巌窟王(こんなところで終わるわけには……!)






赤松「頑張れ! 巌窟王さん!」

巌窟王「!」

白銀「……は!?」

巌窟王「……宝具、再発動!」ボォウッ!




ドカァァァァンッ!

アンジーが単なる反抗期真っ最中みたいな感じになっとる

今日のところはここまで!

やっぱBBちゃんいいわー
……CCCイベ復刻まだですかね?

岩窟王コスのBBちゃん、誰か描いてくれないかなー?

白銀(段々と減っていったはずの分身がまた戻ってきた……!?)

白銀(まずい! 押し返される! いや、それ以前に!)

白銀「そんなバカな! なんで赤松さんがこんなところに! あなたたちだけは絶対に脱出できない設定にしたんだよ!?」

赤松「うん。絶対に脱出できなかったよ! たった一つ、あなたが計算ミスをしてくれなければ永遠におしおきされてた!」

BB「このプログラム世界で起こりえる計算ミス……?」

BB「……巌窟王さん絡みの何かですね。不正なプログラムである彼以外に、この世界に例外は起こりません」

赤松「……」

赤松「え? 誰?」キョトン

巌窟王「気にするな赤松。それより……」

巌窟王「無事でよかった」ホッ

赤松「え。そんな素直に心配されてたとは思わなかったな……」テレッ

白銀「ぐ。でも、まだ私にだって勝ちの目は……!」チラッ






巌窟王95「体の関節がバキバキだぞ」

巌窟王96「長い間拘束されていたのだろうな。マッサージを」ポキポキ

巌窟王97「歯磨き粉はイチゴ味とメロン味、どちらがいい?」

アンジー「いー、やー!」ジタバタ

巌窟王98「暴れるな! 手元が狂う!」

巌窟王99「アンジーがさっきから反抗的だ……」ズーン

巌窟王100「クハハ! 何、この年頃の娘にはよくあることだ! 気にするな!」ギンッ

白銀(世話係が増えてるーーーッ!)ガビーンッ

赤松「セルフでカウンセリングしてる……」

神様って関係性は壊れたあげく嫌がってるのに何故かより親密な関係性に感じてほっこりする

白銀「そうだ! 魔力だって無限じゃない! どんなエネルギーにだって果てはある!」

白銀「だから今までその宝具は使えなかったんだもん! こんな無茶が続くはずが……」

巌窟王(チッ。無理をしていることくらいは流石に露呈するか)

赤松「いや。白銀さん。あなたは……!」




「ヒャッハーーーッ! 終わりに決まってんだろクソ地味ブス!」

「例外は一度起こったら二度、三度と連鎖するものだヨ?」

白銀「――」




ザンッ バチバチィッ!



入間「時間はかかったが、このプログラム世界の極一部の権限を掌握。真宮寺の日本刀を最上位に変えた。なんでも切れるぜ?」

真宮寺「剣の扱いに関してはド素人だけど、流石にここまで強いと話が違うよネ?」

白銀「な、んで……!?」ガタガタ

赤松「白銀さん。これが私の……私たちの、逆転の一手だよ!」ズギャアアアアンッ!

回想

赤松「自力で脱出する? そんなことが……」

ファリア神父「可能だ。事実、キミはここへ既に脱出している」

ファリア神父「タイミングは、エドモン・ダンテスが『彼女』を攻撃し始めた直後がベストだろう。一人二人ならともかく全員脱出するのだからな」

赤松「そうだ。そもそも、なんで私だけが脱出できたんだろう」

ファリア神父「彼女はキミたちの味わう苦痛を、エドモン・ダンテスへと直接流れるように、一種のリンクを作った」

ファリア神父「それは間違いなく彼を痛めつける猛毒と化したが……そこに計算違いが生じた」

ファリア神父「つまり『キミたちの苦痛』が彼に流れたのと同じくして『巌窟王としての精神の強さ』がキミたちに流れ込んでいる」

赤松「!」

ファリア神父「本当に少量だがね。ちなみにキミが巌窟王の内面である『ここ』に来れたのも、このリンクのお陰だ」

赤松「……私にやれますか?」

ファリア神父「……」




ファリア神父「待て、然して希望せよ、だ」

赤松「私たちは巌窟王さんから色々なものを貰って来た。希望も、強さも! 前に進む動機だって!」

赤松「やり直しのチャンスもくれた!」

赤松「だから全力で走ったんだよ! みんなの場所へ! そして、あの死の牢獄から脱獄させた!」

赤松「白銀さん! 私の、本当の終局。あの日投げた砲丸の先……やっと届いた!」

赤松「ここが私の『殺意の行方』だ!」



ザッ


東条「さあ。仕上げよ」

星「散々に俺たちを甚振ってきたツケは、キッチリ払ってもらうぜ」

獄原「……白銀さん!」

白銀「……ははっ。あははははははっ! ああ、役立たずたちがゾロゾロと!」

白銀「あなたたちなんかが揃ったところで、絶望には勝てない! 何もできやしない!」

白銀「モノクマや巌窟王さんとは違うんだよ!? 今まで殺し合って来たオマエラに、何ができるっていうの!?」

白銀「こんなところで終わらない! 終わるもんか――!」

巌窟王「いや」


ヒュンッ バキンッ


白銀「え――」

巌窟王「これで終わりだ――!」

白銀「……」

白銀(エグイサルが、一気に、すべて……!?)




バキバキバキッ ガシャアアアアアアアンッ!



COMPLEAT!

白銀「なんで……?」

巌窟王「先ほど俺も気付いたのだが……どうも頭が先ほどより軽い」

巌窟王「むしろいつもより調子がいいくらいだ」

BB「……ああ! なるほど! 全員が解放されたが故、ですね!」

BB「このリンクが今となっては巌窟王さんの強さを補強する支柱として機能しているのでしょう」

東条「私たちの心は今となっては一つよ。この繋がりが、あなたを追い詰める最後の詰めとなったの」

星「皮肉だな、白銀。お前さんはあまりにも俺たちを舐めすぎてた」

獄原「……もうゴン太たちは弱くなんかない。少なくとも、巌窟王さんの背中を押すことはできる!」

獄原「やっと……やっとここまで辿り着けた……!」

白銀「……」

巌窟王「さあ。随分と時間はかかったが」ザッ

白銀「ひっ……!」

巌窟王「『正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき』。貴様が定めたルールだろう?」ニヤァ

今日のところはここまで!

白銀つむぎ、おしおきターイム!

ってこれどっちの白銀?アルター?本物?

まだプログラムの中だろうしアルターエゴ消滅→現実で本物と改めて決着かな?

とんでもなくエグいやり方で殺そうぜ

入間「よくも散々俺様を絞殺してくれたなぁ! ものすごく苦しかったんだぞう!」プンスカ!

真宮寺「キミが怒るとシリアスな空気が一気にポンコツ化するから黙ってた方がいいヨ」

真宮寺「さてと。手を貸す必要はあるかな? 巌窟王さん」

巌窟王「無用だ」



ブツンッ


巌窟王「……慌ててリンクを切ったか? 今となっては無駄だがな?」ザッ

白銀「!」ビクッ

白銀「ま、待って! みんな無事だったでしょ!? 許してよ! ね?」

巌窟王「無事?」

巌窟王「……誰が?」

アンジー「……」

赤松「アンジーさん……あなたともリンクしてたから、微妙に状況は伝わってたよ」


ギュッ


赤松「ごめんね……助けるの遅れて!」

アンジー「……ん……」

更新されてない………だと

巌窟王「サーヴァントとして腹立たしいことこの上ない」

巌窟王「大事なときにずっと傍にいなかった俺自身が……」

巌窟王「この状況を作り出したこの学園が! この世界が!」

巌窟王「一番腹立たしいのは貴様だ! 白銀つむぎ!」


ボォオオオウッ


巌窟王「楽に死ねると思うなよ……!」

白銀「う、た、助け――!」


バァンッ


白銀「きゃあああああああああっ!」

巌窟王「ひとまず足の爪先から潰した。今度は俺が……貴様を見下す番だ」ゴゴゴゴゴゴゴ

白銀「痛い。痛いよう! 助けて。やめて! 死にたくない!」

ジュウウッ

白銀「あああああううう!」ジタバタ

巌窟王「俺を見あげるな。うっかり左目を蒸発させてしまっただろう。まだ先の予定だったのだが?」

巌窟王「ひとまず這い這いでも動けないように、各所の主要な関節は『しばらく麻痺って動かない』程度まで叩きのめしておくか」バキッ バキッ

白銀「あぎゃああ……!」

入間「ケケケ。ざまーねーぜ。いい気味だ」ケケケ

真宮寺「……そうだネ」フゥ

赤松「……真宮寺くん? どうかしたの?」

真宮寺「巌窟王さんと喧嘩をしたいわけじゃないし、彼に対する発言権はとっくのむかしに消え去ってるから、言わないヨ」

東条「……」

東条「赤松さん。そのままアンジーさんを抱きしめてて」

赤松「え?」

東条「ここから先は……更に酷くなるわよ」

巌窟王「さて。下準備はこれで終了だ」

巌窟王「……よく手入れされた爪だな。まずはアンジーへの贖いとして貰っていくぞ。すべてな」

白銀「や、やめて! それだけは……!」

巌窟王「まだ宝具の残滓は残ってる」

巌窟王2「少しずつ少しずつ貴様からすべてを奪って行こう」



グチャッ


白銀「ぎ、あ、いや、あああああああああああああああ!」





入間「……」

入間「あ、あれ。なんか想像と違う。やりすぎじゃねぇ?」アタフタ

星「……そうだな。だが……」

獄原「……もうゴン太たちに巌窟王さんを止めることはできないよ」

獄原「全部……手遅れだ」

赤松「……」

巌窟王「服が邪魔だ。もう貴様にはいらないものだし、剥ぐぞ」ビリィィィッ

白銀「や、うあ、やめ……」

巌窟王2「気が変わった。背骨を砕いて二度と歩けないようにしてやろう。もっと後にする予定だったが我慢できん」バキイッ

白銀「ごっ……」

巌窟王3「その白い肌が目障りだ。背中に二度と消えない傷を付けよう。満遍なく」

ジュウウウウッ

白銀「あああああああああああああっ!」

巌窟王4「思ったのと違う。背中の皮を剥いだ方が上手くいくだろうか」


メリッ ブチッ


白銀「かっ……げっ……」

赤松「……」

星「……これで良かったんだ。アイツは誰にも救えない」

星「こうなるしかなかったんだ」

赤松「本当にそうだったのかな……」

赤松(復讐より真実を選んだ彼らなら……違う答えを見つけられるんじゃないのかな)

赤松「……もしも、なんてもう、ないか。私たちはそこまで器用な生命体じゃない」

赤松(それに……こっちが取り返しのない傷をそれぞれ受けたのは間違いない)

赤松(体は無事でも、心がもう……!)

アンジー「……」

バキッ ゴリッ グチャッ ベチャッ ブチッ

白銀「……すけて……」

赤松「……」

白銀「たすけて……おねがい、だれか……」

入間「ざ、ざけんじゃねーよ。誰がテメェなんか……テメェ、なんか……」

入間「……」

入間「あ、あの。巌窟王。ちょっとやり過ぎじゃねーかなー、なんて。ハハハ」






巌窟王s「……」ギロリッ

入間「あっ、ナンデモナイデーッス。俺様はただのゴミでーっす」ヘコヘコ

真宮寺(弱い……)

東条(無理もないけど。あの眼光、心臓が止まりそうよ)

巌窟王「さて……俺の気が済めば途中でやめてやろうと思ったのだが……」

巌窟王「妙だな。まったく気が晴れない。楽しいがな」

白銀「……」

巌窟王「……つまらないマネをするな。死んだフリなど無駄だぞ」ゲシッ

白銀「げほっ……」

巌窟王「……やはり殺すしかないか」ボォウッ

白銀「!」

白銀「うう……うううううう!」ガタガタ

赤松「待ってよ巌窟王さん。白銀さんから情報を引き出す前にそんなことする気?」

巌窟王「……絶対に喋らないぞ」

入間「はあ? 完全に心が折れてるように見えるぜ? 今ならなんだって……」

巌窟王「コイツはそうだろうな。だが『コイツを見ているヤツ』は許さないだろう」

巌窟王「俺がそういう手段を取ろうとした瞬間、ヤツはコイツを先回りして殺す」

星「……誰のことを言っているんだ?」

巌窟王「後で話そう。ともかく、そんなことになるくらいなら」

巌窟王「俺が殺す」

真宮寺「……最後に言いたいことはある? 覚えておいてあげるヨ」

白銀「……死にたくない……」

真宮寺「……ごめん。思ったより遥かに救えない人だったヨ」

巌窟王「フィナーレだ」ボオオウッ

白銀「アンジーさん! 止めて! 巌窟王さんを止めてよお!」

アンジー「……」






アンジー「死んで」

アンジー「……もう二度と声を聞きたくない」

白銀アルターエゴ、死亡だな…

お疲れさまでした

白銀「――」

巌窟王「オーヴォワール」ボォウッ



ボオオオオオオオッ



白銀「うわあああああああああああああ!」

赤松「……」

赤松(白銀さんが燃える。全身が。すべて)

赤松(……吐き気を催すほど酷い臭い。そして光景だった)

赤松(ここに来て見たものの中で一番、酷い。でも目を逸らすことも許されないような……そんな強制力もあった)

白銀「あああああああああああ……ああああああ……」

白銀「……あ、ははっ」

赤松(……あれ。今、笑った?)

入間「……死んだ」

赤松「え? あ……」

赤松(それきり、白銀さんは動かなくなった)

赤松(……人間が死ぬのなんて、こんなものだった。思ったよりはなんてことはない)

赤松(天使が降りてきて、天国に連れてってくれるなんてことも当然なくって……)

赤松(……後に残ったのは耳が痛いほどの静寂と、ヒトの燃えカスだった)

赤松(誰も何も言えなかった)

休憩します!

ここまで計算通り、なんてな

巌窟王「……さて。いつまでもこうしているわけにもいくまい」

赤松「!」

巌窟王「お前たちはどうするのだ?」

入間「あ? どうするもこうするも、さっさとこの世界から出たいに決まって……」

真宮寺「ん? 待って。巌窟王さん。それを聞いてどうするつもり?」

巌窟王「質問に質問で返すな」

真宮寺「いや流石にこれは応えてもらわないと。だって巌窟王さん、もう僕たちに付き合う理由がないでしョ?」

星「令呪がないから、だな?」

巌窟王「ム……」

巌窟王「……」

BB「ああ。それはですねみなさん。わざわざ説明するまでもないと思うのですが」

BB「巌窟王さんはもう、あなたたち全員のことが大好きになっちゃったみたいで。最後まで手を貸したいそうですよ?」

巌窟王「……余計なことを言うな」ペシッ

BB「きゃんっ」

東条「ふふっ。あなたって人はどこまでも……」

東条「……」

真宮寺「……」

星「……」

入間「……」

獄原「……」





全員「誰?」キョトン

BB「てへりんっ」キャルンッ

五分後

赤松「……BBさん!? こんな感じの人だったんだ! 巌窟王さんとコンビ組んでたイメージだったからもっとこう……!」

星「もっと歳食ってると思ってたぜ。まさか俺たちとそう歳が変わらない女子だったとは……」

巌窟王(AIに年齢という概念があるかどうかは微妙だが……)

BB「自分から招いておいて、白銀さんの反応がいまいちだった理由が今ごろわかりましたよ……みんなそう思ってたんですか」

BB「……まあいいです。さっさと外に繰り出すとしましょう。最原さんや夢野さん、天海さんなどの記憶を取り戻した組が心配してましたよ?」

赤松「えっ」

東条「……やっぱり夢野さんは死んでなかったのね」ホッ

入間「んだよ。蓋を開けてみりゃ、俺様たちの大勝利じゃねぇか」

入間「新世界プログラムの中での出来事とはいえ白銀も死んだし、これでコロシアイは終了だよな! ケケッ!」

巌窟王「いや。まだだ。白銀は死んでいない」

入間「は?」

アンジー「……今そこで消し炭になってるつむぎは……本物じゃないから」

東条「えっ」

BB「アルターエゴ……つまりデータ上に作ったよく出来た分身ですね。残念ですが白銀さん本人じゃありません」

真宮寺「結局、決着は外の世界に持ち越しというわけだネ」

獄原「うん。いいよ。今度はゴン太たちが白銀さんを捕まえる番だ!」

赤松「……捕まえて、どうするの? また殺すの?」

巌窟王「当然だろう?」

赤松「……本当にそれでいいのかな」

巌窟王「何が言いたい?」

赤松「……ううん。巌窟王さんに付いていくと決めた私が言うべきことじゃないよ」

赤松「きっとここから先は、最原くんたちが見て決めることだと思う」

巌窟王「……」

巌窟王「最原か。やはり最後には、こうして対立することになるか。俺はヤツの沙汰を最原に譲る気は毛頭ない」

赤松「一応白銀さんにはここでこうして復讐したわけだし、流石に譲ってもいい気がするけど」

巌窟王「断る。絶対に」

赤松「また最原くんが苦労しそうだなぁ」

巌窟王「そうか? ヤツも案外、俺との論争を楽しんでいるかもしれんぞ?」

入間「え゛」

星「……いや……毎回胃腸の壁を削るような顔をしてたような……」

巌窟王「ふ。バカめ。好きで突っかかってるわけではないとでも?」

獄原「好きで突っかかってたのかな!?」

東条「……いえ。普通にひたすら困った顔をしてたわね」

巌窟王「ふっ。なんにせよ、また対立する可能性は高いだろう。ヤツは俺のことが嫌いらしいからな」

赤松「はい?」

巌窟王「基本的に調停と縁のある者は俺のことが嫌いらしいからな」フッ

赤松「……」

赤松(最原くんカワイソー……)ズーン

東条(憧れの人からこんな勘違いされてると知ったら、また精神が削れちゃうでしょうね。彼)

BB「さあって! それじゃあ一緒に外に――!」ブツンッ

赤松「ん? あれ?」

星「……急に消えたぞ」

獄原「……えっ!? 急に消えちゃった!? なんで!?」ガビーンッ

巌窟王「デバイスとの接続を切られたか……? となると……」

赤松「外の世界の白銀さんに、気付かれた!?」




ズガンッ

巌窟王「……無事か!?」

赤松「あ、ああ。うん。なんとか……って、東条さん!?」

東条「……外の世界の傷が、この世界にフィードバックされたようね。残念よ」フウ

真宮寺「でも既に結構治ってるよネ。完治ももうすぐじゃないかな」

巌窟王「待て。外の世界の傷が反映されただと?」

入間「どうした? 巌窟王。うっかりトランクスに夢精したような顔してよ」

巌窟王「赤松! アンジーは!」

赤松「え? ……きゃあっ!?」

ボタッ……

アンジー「う……!」

獄原「あ、アンジーさん!? どうしたの!? 何があったの!? 血がいっぱい出てるよ!?」アタフタ

巌窟王「白銀ぇ……!」ギリッ

東条「……死なない最低限の処置はされているようね。でも最低限すぎて、このままだと三日持つかどうか……!」

巌窟王「一刻も早く外に出るぞ! 虎よ――」

ガシッ

星「落ち着け巌窟王。アンジーの体への負担を考えろ」

巌窟王「……」

真宮寺「入間さん。さっきこの世界の権限の一部を乗っ取ってたよネ。それでなんとかできない?」

入間「今やってる! ああクソッ! ダメだ! 全部『外にいる誰か』に奪い返されちまった!」




白銀『ふふっ……ふふふふふふふ……!』





赤松「……そんな! ここまで来て、こんなことが!」

東条「私たちに自力で外に出る手段はない。巌窟王さんは……」

巌窟王「無理だな。ここは新世界プログラムの奥深くだ。できないことはないが時間が足りなさすぎる」

巌窟王「アンジーの魔力供給が十全であればまったく問題はなかったが……」

入間「そのアンジーがピンチなわけだから無理ってか? クソッ! ネコとタチのジレンマかよ!」

東条「まったく意味はわからないけどジレンマという部分以外は不正解だと思うわよ」

赤松「終わり……なの? ここまで来て、こんなのってないよ!」

巌窟王「くっ!」

カルデア

BB「あれ。急に接続切られちゃいましたね」カチカチ

BB「……仕方ない。ひとまず後で最原さんたちに、みんな無事ってことだけは伝えておきますか」

BB「……そういえば。アンジーさんに渡されたはずの女神の加護、どこ行っちゃったんでしょう」

イシュタル「ん? 女神の加護? 巌窟王が焼却して捨てたって言ってたけど?」

BB「いやいや。女神本体が生きてる限りは焼いて捨てても効力は消えませんよ」

BB「一応回収しておきたかったんですけどねぇ。うーん……捨てたというのなら、まあ、他の誰かに所有権が移ってるのかなー」

ナーサリー「所有権が移るとどうなるの?」

BB「焼かれた分、効力は下がるでしょうが、それなりの効果は発揮すると思いますよ」







BB「少なくとも病気にはかからなくなるでしょうね」

今日のところはここまで!



全員生きてても最原たちも流石に白銀を許すつもりはないだろうし、殺さないにしても五体満足じゃいられないだろうな

あー、百田かな? かからなくなるだけで治るかは分からんが

少なくとも、だし治って欲しいな

巌窟王ピックアップまで石は貯めるつもりだが、呼符くらいは消費してもいい。孔明なら当然だ!

恨むなよ三田先生!

呼符は死んだ! もういない!
更新再開します

にしても白銀、一体何が目的なんだろうな?
天海に思い出してほしい事って言うのも謎だし…
……まさか二人が恋人だったりして



最原「よし。傷口は一応塞がった。大丈夫。行ける」

最原「……行こう!」




天海の私室

天海「……ぐー」スヤァ

天海「ハッ! 朝か……成長した妹に『お兄ちゃん』と呼ばれる夢見てた」

天海「うーん! 夢見が良かった! なんていい朝だ!」

ガララッ

全裸の王馬「やっほー天海ちゃん! お風呂借りてるよー!」スッポンポォォォン

天海「最悪の目覚めだーーーッ!」ガビーンッ





夢野の研究教室

夢野「すかー」スヤァ

春川「……んん」スヤァ

百田「……なんで二人そろってこんな場所で寝てんだ?」



残り時間 一日と十七時間

天海「なんで王馬くんが俺の部屋にいるんすか!?」

王馬「天海ちゃんが寝てる間にピッキングして入った」パォォォォオン

王馬「なんか凄くいい夢見てたみたいだったから起こすに起こせなくって暇で暇で……」イスカンダルゥゥゥゥ

王馬「まあ色々物色した末に証拠隠滅もかねて風呂に入ろうって思ってさ!」ロンゴミニアドォォォォ

天海「ひとまず下半身くらいはタオルで隠してくれないっすかねぇ! 凄く気になるんすけど!」

王馬「あーい」シュルッ

王馬「……ところでさ天海ちゃん。俺、白銀ちゃんの動機ビデオは見てないはずなんだよね」

天海「いきなりなんすか?」

王馬「いや。天海ちゃんの動機ビデオを見て気になったことがあってさ」

天海(マジで物色してる……)

王馬「……やっぱり天海ちゃんや夢野ちゃんの言う通り、俺はどうも記憶を弄られているらしいってことに気付いたんだ」

王馬「だって『第一の事件で死んだはずの白銀ちゃんの動機ビデオ』を見た記憶があるんだもん」

天海「え? ああ、そっか。動機ビデオが配られたのは第二の事件のときだったから……」

天海(第一の事件で白銀さんが死んだとしたら辻褄合わせで、誰も白銀さんの動機ビデオを見ていない、ということになる)

天海「で。えーと、王馬くん。キミまさか」

王馬「うん! 昆虫で和もう会のときにみんなの動機ビデオを見たんだよ!」

天海「……」

王馬「で。ここからが重要なんだよね。なんで『白銀ちゃんの動機ビデオを見たこと』を『天海ちゃんの動機ビデオで』思い出せたんだと思う?」

天海「はい? いや、理由なんかあるんすか?」

王馬「にしし」

王馬「内容が似てたんだよ。映ってる人物の詳細まで」

天海「……えっ」

王馬「まあ流石に冒頭部分の名前と超高校級の肩書部分に関しては違ったけど」

王馬「あとメッセージの内容もね」

天海「……それ、どういうことっすか? なんで……」

王馬「さて。天海ちゃんにわからないことなら俺にはわからないよ」

王馬「ここから先は何が何でも思い出さないとダメかもね」

王馬「取り返しの付かないことになる前に、さ」

天海「……」

天海(もう形振り構ってられない、か。信用を裏切ることになったとしても……)

王馬「おっと。うっかりタオルがずり落ちちゃった」エクスカリバァァァァ

茶柱「あれ? なんで天海さんの部屋のドアが半開きになって……」ギィッ

天海&王馬「あ」

茶柱「……」






茶柱「ぎいいいいやあああああああああああっっっ!」ドガシャアアアアアンッ

天海「いやああああああああああああああああああ!」ガビーンッ

王馬「ぶごああああああああああああああああああ!」グシャッ

夢野の研究教室

百田「おーい。ハルマキ。こんなところで寝てたら体バッキバキになんぞー」ペシペシ

春川「んん……ん。百田……」ボーッ

春川「……あっ」パチリッ

百田「よう。起きたか」

ベシィッ

百田「ってぇ!」

春川「人の寝顔を無許可で見るとか、良い趣味してるね」

百田「デコピンするこたねぇだろ! めっちゃ痛かったしよ!」

春川「物凄く恥ずかしかった。舌を噛み千切りたくなった。この辱めの三分の一でも百田に味わわせたかった」

百田「箇条書きで述べんな! わぁーったよ! 俺も悪かったよ!」

春川「……わかったのならあんま見るな。バカ。顔洗いたいし。最悪」ゴシゴシ

百田「……で。なんで夢野と一緒にいんだ?」

春川「改変された記憶っていうのに興味があったから夜通し聞いてたんだよ」

春川「……確認したいことはちゃんと確認取れたから、もうどうでもいいけどね」

百田「何かわかったことがあるのか?」

春川「……あ。ごめん。そんな深刻な顔しないでよ」

春川「本当に個人的なことだからさ……」

百田「?」

春川「顔洗ってくる」スタスタ

百田「……」

百田「夢野。起きてんだろ」

夢野「ドキィッ!」ビクッ

百田「答えたくないのなら別にいいんだけどよ。アイツが確認したかったことってなんだ?」

夢野「んあー……んー……絶対にウチから聞いたことは言うでないぞ」

夢野「記憶改変前の百田と仲良かったか、じゃな。ザックリ言うと」

百田「ハッ! んだよ、そんなこと心配してたのか! やっぱり可愛いところあんじゃねーか!」

百田「俺とハルマキだぞ? どんなことがあっても仲がいいに決まってらァな!」

夢野「百田……」

百田「俺とハルマキの『友情』は絶対だかんな!」ニカッ

夢野「春川が可哀想」ズーン

百田「……さてと。じゃあそろそろ行くか」

夢野「時間もないことじゃしの。そろそろみんなと合流したいところじゃ」

百田「ああ」

プログラム世界の中

入間「はあ……はあ……ダメだ! 通常の操作しか受け付けねぇ! 根本的に外の世界に出る機能がなくなってやがる!」

入間「一体どうしたら……!」

星「おい入間」

入間「即興でウイルス作ってバラ撒くか……? いや。白銀の方に隙がねぇと効果ねぇしなー」

星「おい入間。おい」

入間「今更アイツがフィッシングサイトやエロURLに見せかけたブラウザクラッシュじみた古典的罠に引っかかるとは思えねーし……」

ベシーンッ

入間「痛ぇーーーッ!」

巌窟王「星が呼んでいるぞ。返事くらいはしておけ」

入間「うっせーな! こちとら必死に黄金の脳細胞詰まった頭巡らせてんだよ! なんの用だコラ!」

星「ここどこだ?」



ザザーンッ……

ザザーンッ……ミャーミャー



赤松「青い海。白い砂浜。南国気分丸出しのヤシの木……あとウミネコ」

獄原「……熱帯性気候だね。この熱さと湿度」

真宮寺「……」

入間「ここがどこかって? ふふっ……ふふふふふふふ」

入間「知るかボケッ! 俺様が聞きたいっつーの!」ウガァ

真宮寺「だろうネ」

入間「ただまあ、この新世界プログラムを構築する汎用テクスチャは、学園の他に色々あってな」

入間「ずっと同じ光景ってのも気が滅入るし、ちょっとした遊び心で変えてみたのは俺様だ」

入間「ここがどこかって質問には答えられねぇけど、なんでここにいるって質問に対しては『俺様の趣味』と言う他ねーな」

入間「ファイル名は『ジャバウォック島』とかなんとか付いてたか?」

獄原「聞いたことない島だね」

巌窟王「プログラム世界の中の島だ。おそらく実在はしていないフィクションの島だろう」

赤松「アンジーさんは?」

星「こことは別の場所に涼しくて清潔な部屋を用意してる。東条が世話をしているが……」

巌窟王「すぐに帰ってこいと伝えたぞ。この世界で治療をしたところで意味がない」

赤松「……早く脱出しないと……!」

入間「ああ。フルスロットルで行くぜ! はしゃいでる暇はねーからな!」

真宮寺「……」ジャッジャッ

獄原「あ。良い臭い。何作ってるの?」

真宮寺「ひとまず焼きそばと焼きトウモロコシを……」

入間「……」

入間「はしゃぐ暇……ねーんだけど……?」

「ただいま。進捗はどうなっているかしら」

入間「お。帰ってきたか東じょ――」

水着の東条「こちらはあまり芳しくないわ」キラキラキラ

入間「はしゃいでる暇ねーっつってんだろうがババァーーーッ!」ガビーンッ

真宮寺「他の人も流石に空気読んで水着にはなってなかったのに」

東条「入間さんと同じよ。たまには気分転換もしたくなるわ。この前まで酷い目に遭ってたのだから猶更」

赤松「あ、ああ。うん。絶妙に反論しにくい話題持ってくるね……」

東条「あと『南国だし水着になっちゃいなよ斬美ー』と精一杯の強がりでアンジーさんが言うものだから……」

獄原「アンジーさんの注文だったんだ!?」

赤松「よりによって強がりで言う内容じゃないって。ねえ巌窟王さん」

赤松「……あれ。いない」

東条「彼の『無駄だから戻ってこい』の真意はこれでしょうね」

真宮寺「……二人きりになりたい、か」ジャッジャッ

真宮寺「焼きそば、できたヨ。食べる?」

入間「……食べる」

今日のところはここまで!

モノクマ「ウサギのヌイグルミぼこらなきゃ」(使命感

入間が一番の常識人化というトンデモ状態
つか意外と余裕ありすぎじゃねゲーム組


このスレで本当に終わるのだろうか?

なあに次スレたてて余ったらFGOの話すりゃいいさ

どうしようもなくなったら年表形式にすれば大長編だろうが一大巨編だろうが数レスで終わるから大丈夫だって

医務室

アンジー「……痛い」

アンジー(しかもなんだか息をする度に力が抜けていくような気がする……)

アンジー(今度こそ死んじゃうのかな)




ドタバタバタッ ガチャリンコッ



巌窟王「クハハハハハハ! アンジー! チーズフォンデュを持ってきてやったぞ!」グツグツグツ

アンジー(南国感ゼロの料理……)

巌窟王「ム……しまった」

アンジー「?」


バタムッ  コンコンッ ガチャリンコッ


巌窟王「クハハハハハハ! アンジー! チーズフォンデュを持ってきてやったぞ!」グツグツグツ

アンジー「うん。アンジーは気にしてないから。気にしてないから『ノックし忘れた』ってことを思い出したからってわざわざやり直さないで」

巌窟王「偽りの世界だとは言え、空腹度の設定は生きている。何かしら食さなければ更に死が近づくぞ」グツグツグツ

巌窟王「口を開けろ。食べさせてやろう」トロォォォリ

アンジー「……」プイッ

巌窟王「……そうか。無理に食べさせるのも同じくらい良くないからな。仕方あるまい」ハフハフ

アンジー(自分で食べ始めた……悔しいけど物凄く美味しそうだなー……)ズーン

巌窟王「さて。そのまま聞けアンジー。お前には大事な話がある」モゴモゴ

アンジー「?」

巌窟王「……お前がいくら拒絶しようと構わない。俺はお前のサーヴァントを辞める気はない」ゴックン

巌窟王「少なくとも、アンジーとの契約はまだ終わっていないのだからな」ハフハフ

アンジー「……令呪はもう使い切っちゃったよ。しかも最悪のカタチでさ……」

巌窟王「お前はまだ、自由ではない。そして気付いていないのなら今言うが、あれは俺が使わせたに等しい」モグモグモグモグ

巌窟王「アンジー。お前はお前の意思で令呪を使っていない。ならば不完全燃焼だろう。俺もこれで契約とするのは不服だ」ウマスギル!

アンジー「……」

巌窟王「何より、お前はようやく俺のマスターたる資格を得たのだ。やっとだぞ?」グビグビグビグビ

巌窟王「ここで終わらせるにはあまりにも惜しいだろう」プハァーッ

アンジー「お酒臭い」

巌窟王「……チーズにはワインが合うのだ」

アンジー「やめて」

巌窟王「……」

巌窟王「……片付けよう」ガランガランッ

アンジー「ねえ。なんで? なんでアンジーに令呪を使わせるようなことをしたの?」

巌窟王「……」

アンジー「流石に気づいてたよ。そこまで盲目じゃない」

巌窟王「好奇心故、だな」

アンジー「え?」

巌窟王「あそこで煽ったら、アンジーは果たして令呪を使うかどうか。それを知りたかった」

巌窟王「お前は信仰心故に仲間を犠牲にするような女ではないと、半分は信じていたがな」

アンジー「……どうだろー。アンジーは……ちょっと前のアンジーなら、どうしてたかなー……」

巌窟王「間違いなく仲間を犠牲にして俺の要求に応えていただろうよ」

巌窟王「そう。それだ。それが今のアンジーとむかしのアンジーの違いだ」

巌窟王「それこそが我がマスターたる資格なのだ」

アンジー「……アンジーにとって本当に。本当に大事なものだったんだよ。信仰心って」

アンジー「酷い人だなぁ。お前」

巌窟王「初対面時からわかっていたことだろう?」ニヤァ

アンジー「……利用するよ。アンジーはまだ死ねない。絶対にこの世界から生きて外に出てやる」

アンジー「それで……それで……」






アンジー「ムカつくから終一に正当性一切なしで一発ビンタする」

巌窟王「クハハ! その意気だ」

巌窟王「利害は未だに一致している。俺も白銀(と最原)を殺さねばならないからな……!」ギンッ

アンジー「余計なオプションついてないー?」

巌窟王「気のせいだ。ともかく!」

巌窟王「……お前が自由を手にするまでは、もうお前の傍から離れないことを誓おう」

アンジー「……一心同体。一蓮托生。うん。もう一回、アンジーの命運をあなたの炎に預ける」

アンジー「祈りはもう捧げないけど……その分、うんと願うからねー」

アンジー「ワガママだって放り出さないでよー? アンジーをこうしたの、お前なんだからさー」

巌窟王「クハハ! バカめ! サーヴァントたるこの身に、背負えない願いなぞそうそうあるものか!」

巌窟王「……過去現在、未来においてマスターは一人だけであろうと思っていたが……」

巌窟王「ふっ。アンジー。お前も及第点ではあるぞ。喜ぶがいい」

巌窟王「あと。お前と呼ぶのはそろそろやめてくれ。今までとのギャップを感じて軽くショックを受けてしまう」

アンジー「お前で充分だよー」プイッ

巌窟王「……」ズーン

巌窟王「……最終局面だが、お前がギリギリでここに至れてよかった」

巌窟王「俺と契約したのがお前で、本当に……」

アンジー「……?」

巌窟王「ふっ。俺らしくもない。忘れろ」

巌窟王 エドモン・ダンテス

我が名は巌窟王(モンテ・クリスト)。
愛を知らず、情を知らず、憎悪と復讐のみによって自らを煌々と燃え盛る怨念の黒炎と定め、すべてを灰燼に帰すまで荒ぶるアヴェンジャーに他ならない。
この世界に寵姫(エデ)はおらず、ならばこの身は永劫の復讐鬼で在り続けるまで……というのはカルデアでの話。

旅行先を間違えたとはいえ、一応旅行は旅行。偶然出会った生徒たちとの出会いはそれなりに大切にしている。
『旅の恥はかきすてと言うだろう?』

絆LV1
マスターはサーヴァントのステータスを見ることができる。ただしアンジーはその権利をすべて放棄した上で巌窟王との契約を履行。
結果、実質上の巌窟王のステータスはすべて『不明』となった。
実際のところ、まともに測定はできない。なにせアンジーの都合、もとい感情で簡単に上下するので……

絆LV2
基本的に人理焼却が行われた世界にしか存在できないエクストラクラス故に、自らのマスターもカルデアのマスターただ一人と定義している。
だが事故ったものは仕方がないので、アンジーにもそれなりに世話を焼く。
さながら兄か父のように見えるが、本人にそれを指摘しても否定するかはぐらかすだろう。
なお、ここまでする理由は特にない。強いて言うなら『巌窟王自身が想像するサーヴァントのヴィジョン』を正直に実行しているだけ。
極論、契約したのが王馬だったとしても似たようなことになっただろう。(契約者がアンジーで本当によかったとは思うが)

絆LV3
宝具の解放はほとんどできないと言っていい。
巌窟王は本来、檻に対してこれ以上のない特攻を持つが、その効力すら実質ほとんど死んでいる。
モノクマの校則が強力なのか、それとも別の理由があるのかは定かではない。
なお、脱出の意思が死んでいるわけではない。檻は檻。巌窟王故に必ず破壊してみせる。

絆LV4
モノクマは巌窟王にとって、存在自体が許せない不倶戴天の敵である。
世界にあまねく理不尽と悪意の具現そのものである彼を、巌窟王は何をどう間違っても許さないだろう。
見逃すことはありえない。何故なら自らは間違っても『エドモン・ダンテス』などではないのだから。

人間性を取り戻し、見逃すなんて展開は――

絆LV5  NEW!
マスターが彼の姿を正しく認識し、巌窟王がマスターを認めれば、その絆がやがて莫大な力を生むだろう。
自らのマスターとなるような奇特な者はカルデアのマスターの他には存在すまい。

だが契約が期間限定で、しかも正当な復讐の理由を持つ者であるならば話は別だ。
恩讐の果て。すべての感情を清算したその彼方に、仲間のため信仰を捨てた巫女が何を見るのか。
復讐鬼はきっと最後まで見届ける。

なお、彼女に信仰を捨てさせたことに関して多少の負い目を感じていることは内緒である。

休憩します!

入間「さあ。この新世界プログラムの状況を説明すんぞ」

入間「まず一つ。根本的に改竄を受けてて、俺様たちが自力で外に出るための『正当な手順』というものが、ない」

赤松「見つけてないだけって可能性は?」

入間「ない。絶対にない。俺様が不眠不休でずっと探して結論づけたことだ。ないっつったら『絶対にない』んだよ」

東条「仮に入間さんが見つけてないだけで実際にどこかに存在したとしても……」

東条「この世界において、入間さんに見つけられないものを私たちが見つけられるとは思えないわ」

星「確かにそう考えるなら、入間がないと言うものに関しては『ない』と考える方が一番手っ取り早いし効率的だな」

入間「じゃあ次。なら改竄されたものを再び改竄して『正当な手順を作れるかどうか』に関して」

入間「これも無理だ。今の俺様が動かせるのはゲームで例えるなら『Aボタンを押せばジャンプできる』的な正当な操作の延長線上のものでしかない」

入間「ゲームの中の登場人物である、という縛りがある以上はシステムに干渉することはできない」

獄原「じゃあ、ゴン太たちがこの世界を壊すっていうのはどうかな。経験則だけど、どんな檻でも壊せば外に出られるよね?」

入間「ゴン太の着眼点は原始的ではあるが、一つの真理だな。だがそれもノー、と言わざるを得ない」

入間「データ上に構成されたアバターに物理的な破壊力は一切ないし……」

入間「あったとしても『やるべきじゃない』。わかるだろ?」

星「新世界プログラムの破壊は全生徒への連帯責任のルールだな」

獄原「あ……」

真宮寺「何かいい手はないの? 入間さん」

入間「マジで色々考えたんだぜ? でも手段があまりにも限定されすぎてた」

入間「例えばこんなん。『外にいる白銀をどうにか揺さぶって、自分からプログラム内の生徒を出すように仕向ける』みたいな手だ」

入間「今ある中では一番現実的な手だったが……頓挫した」

星「理由は?」

入間「二重の意味で隙がないからだな。単純に新世界プログラムが『全部乗っ取るには難易度が高すぎる』というのが一つ」

入間「もう一つは『白銀の興味がもうこちらにまったく向いてない』からだ。これが一番でけぇ」

赤松「え。どういうこと?」

入間「エラーっていうのはシステムじゃなく人が起こすもんだ。ウイルスメールがいい例だろ?」

入間「だけど人にエラーを起こさせる手はまず『こちら側に相手側が興味を持っていること』が大前提だ」

入間「前にデバイスの切断や、アバター設定の変更をして以来、白銀はこちらに一切の干渉をしていない」

入間「既に色々と白銀がこちらを見ていたとしたら絶対に動揺するような偽造映像や、システムの穴を使ったちょっとした裏技を仕掛けてみたが……」

星「……反応が一切無かったんだな」

赤松「まさか、白銀さん、もう私たちのことを『見てすらいない』の!?」

入間「そうとしか考えられねーんだよなぁ」

真宮寺「……つまり、万事休すというわけだネ」

入間「残るところは俺様たちにとって最悪の手段だけだ」

東条「どんなリスクがあってもいいわ。教えてちょうだい」

入間「待つ。待って外の連中が俺様たちを閉じ込めている新世界プログラムのサーバーか、俺様たちの本体を見つける」

入間「外側からの救助を待つ」

東条「!」

入間「……最悪っつったのは俺様たちにリスクがあるからじゃねー。いやもちろん俺様たちだってあぶねーけどよ」

入間「アンジーが耐え切れないから最悪なんだ」

東条「……それしかないのね……」

赤松「ん……そういえばさ、この前の学級裁判でちょっと話題になったじゃない?」

入間「あ?」

赤松「ええっと、話はちょっと変わるんだけど……三日も四日も人の体は放置できないから、時間間隔を狂わせる類のトリックは使えない、みたいな」

赤松「私たち、この世界に入ってもう大分経つはずだけど無事だよね。どうしてだろう」

入間「……あ。考えもしてなかった。確かに変っちゃ変だな……?」

東条「そういえば。私の怪我、この世界に反映されてからずっと……治癒の速度が格段に遅くなったような気がするの」

東条「気のせいかもしれないのだけど……」

星「……まだ俺たちが気付いてない真実があるのか」

赤松「大丈夫だよ」

獄原「え?」

赤松「……大丈夫。きっと、最原くんたちが私たちを見つけてくれる」

赤松「それを私は信じてる……!」

入間「……」

赤松(最原くん……みんな……!)

今日のところはここまで!

肉体の方はどこにあるんだろうな?
コンピュータールームも格納庫にも無いと隠せる場所なんてないだろうし、学園の外にあるだともう手出しすらできないだろうし

最原たちが外で過ごした時間分行方不明ってことを考えると、体感が遅くても意味なさそうだけど……特にアンジーは最茶イチャイチャを見てるわけだし

アルターエゴ破壊がトリガーになって時間流変化とかは?

もしくは最初から時間流いじってあるけど巌窟王は地球七週半の道のりを匍匐前進して最茶イベントまでの時間は無限殺害ループで埋めたとか

SW復刻よー

超所用。帰るの超遅くなる。次スレについてもそろそろ考えないと

明日が早いのでちょっとデータ垂れ流しにして今日は終了します!
タニキが宝具2になったことを記念してはしゃぎすぎた。プーサーは来なかった

真実組(最原、茶柱、天海、王馬、春川、百田、夢野の七人)

最原は忘却補正により、天海は特に何の理由もなく、夢野はそもそも何も手を加えられてないために記憶を保持している。
思い出しライトに対する巌窟王の態度から、最原はこの学園の真実に気づき始めている。
ただし、あまりにも残酷すぎるので無意識に可能性から除外している。
他、天海は白銀の存在そのものに疑問を持ち、夢野は白銀の裏切りに対して疑問を持っている。

記憶を取り戻していない者たちは『ありえない齟齬』が思い出の中に発生していることを自覚している。
だが『記憶を改竄されている』という言葉に対しては概ね懐疑的、ないし実感が湧いていない。

最原と天海の両名に、白銀に対する憎悪は当然あるが、最終目標はあくまでも『真実の探求』。
故に学園の真実を手にすることができるのであれば、迷いなく白銀への復讐を放棄する。



復讐組(巌窟王、アンジー、赤松、東条、星、真宮寺、入間、獄原の八人)

死の体験から解放されたが、未だに新世界プログラムからの脱出は成されていない。
アンジーの負傷の程度は実のところ大したことはないが、治療が必要最低限に収まっているので長い間の放置は危険。
思い出しライトの持つ残酷な真実に巌窟王は気付いたが、それをみだりに口にしたりはしないだろう。
全員、VRでの体験とはいえ白銀に間違いなく殺されたので、巌窟王を止めることに関してはひたすら消極的。

白銀に成された仕打ちは心の中に確かな傷として残っており、これを無視した行動は今後一切取れなくなった。
最原たちの決断に意見を述べるつもりは既にないが、かと言ってそれが正解だとも思えない。

なお、入間の趣味によって新世界プログラム内のテクスチャは『ジャバウォック島』となっている。
拠点は主に砂浜に建てられた海の家。真宮寺が鉄板で作る料理の匂いが漂う。

余談だが当初入間は新世界プログラム内のテクスチャを『イヌカレー空間』にするか迷っていた。
語感がなんとなく良かったという理由のみで考慮しており、意味は一切理解していなかったが……

キーボのことは忘れているわけではない。ただ『この世界にいない』ということを理解してるだけで。

復讐組の本体は王馬の教室か百田の教室奥かな どっちもそう簡単には気付かんし
PCルームからの距離考えたら白銀の教室もあるけど、多分そこはエグイサルかスタッフ使用したかね

真実組(特に最原天海)と復讐組はもう表層的な所はともかく根本的な所じゃ実質決裂しているも同じなのかな
白銀を始末したとしてもさあ全部チャラにして忘れましょうなんてできないだろうし

トラウマ克服しない限り巌窟王以外の復讐組お荷物状態だろうな
思い出しライトの教室と秘密を見つけたらそれを逆に利用してトラウマ消すことも出来そうだけど

あれ、そういやキーボってどうなったんだっけ……

面白いし続きが気になるから早く更新してくださいやくめでしょ


orz

今日の更新は遅くなるよ!

そういやキーボは白銀の投票した後に登場してないな
現実側ではモノクマに壊されたことになっていたけど

置物かなんとかして出てきてたでしょ?
爆発しそうなやつキーボじゃなかったっけ

食堂

百田「さぁって! それじゃあ俺が作ったチャーハンを朝食にしながら現状を整理するぜ!」

茶柱「朝っぱらから食べるものではありませんが……」モグモグ

茶柱「ああ。意外と美味し……ッ!?」ゴフッ

春川「辛ッ!?」ゴフッ

百田「鷹の爪を入れたからな」

王馬「最悪だよコレー! 部分的にひたすら辛いよー!」ウグエエエエ

天海「部分的ってところが精神的に最悪っすね」

夢野「く、口つける前で助かった……」

最原「……あ。でも慣れると意外と……」モグモグ

春川「んん……悪くない……?」モグモグ

百田「じゃ。俺たちが第四の事件を終えてから見て来たものを羅列するところから、だな。終一そんときいなかったし」

最原「百田くんの研究教室からはゴフェル計画の資料。中庭に格納庫。そして謎の巨大オブジェ。中にはおそらくキーボくん……」

天海「俺の研究教室もあったっすよ。これの詳細に関しては最後に回させてほしいっす。長い話になるので」

百田「じゃあゴフェル計画についてだな。ほぼ黒塗りで潰されてたから詳細はわからねーんだが……」

百田「十六人の高校生をひとところに集めて何かをする、みたいな計画ということだけは辛うじてわかった」

最原「……」

最原「……宇宙船に十六人の高校生を集めて打ち上げる現代版の『ノアの箱舟』じゃないかな」

百田「なに?」

最原「今までの思い出しライトに呼び起こさせられた記憶を省みてみたら、そうとしか考えられなくって」

春川「……やっぱりここ、宇宙船なのかな」

百田「まあゴフェル計画の無事だった部分を通しで見るとそれっぽくも読めるけどよ……」

王馬「うーん。それが本当に真実かなー。だとしたら俺たちを閉じ込めて、こんなゲームやらせてるのは誰だって話だし」

王馬「誰も見ていないデスゲームなんてありえないでしょ?」

最原「……」

最原(……確かに。でも、白銀さんはヒントそのものを裏切るような行為は一切取っていない)

最原(提示された手がかりで、この学園の謎は解けるはずなんだ)

最原(まだ足りない、というパターンはあっても、最後には必ず解けるようにできている)

最原(……やっぱりどこかフェアなんだよな)

夢野「……んあ? 一体お主たちは何を言っておるんじゃ? 空が見えるんじゃから宇宙船なわけが」

天海「実は地球が滅んでたってことをつい最近俺たちは思い出したんすよ」

夢野「なんじゃとーーー!?」

天海「だとしたら、ここは少なくとも地球じゃないはず……って話になったんすけど」

天海「それ以前にどうやって俺たちは滅んだ地球の中で生き残ったんだろうって考えて……」

夢野「それで辿り着いたのが宇宙船説か……」

王馬「モノクマの科学力が桁外れってことは既に何回も身に染みてわかってるし」

王馬「あの空が作り物だったとしても俺は驚かないよ」

夢野「しかしウチらだけを打ち上げても仕方なかろうに、選考理由は一体なんじゃ?」

最原「わからない……わからないけど」

最原「……」

BB『あー! あー! みなさん! おはようございまーっす!』

最原「!」

天海「あ。BBさん」

BB『耳よりの情報を持ってきてあげましたよーっと!』

今日のところはここまで!
眠い……!

BB『玉子かけご飯を美味しく食べる方法と、この状況を打破できるかもしれないお得な情報、どちらが先に欲しいです?』

百田「玉子かけご飯の方からだ!」

ガシッ ガシャンッ!

春川「玉子かけご飯じゃない方から」フゥ

最原(春川さんが百田くんの後頭部を鷲掴みにしてチャーハンの皿に叩きつけたーーーッ!)ガビーンッ

天海「あれぇ!? 百田くんこれ死んでないっすか!? 死んでるっすよね!?」

夢野「起きろ百田! どうしたんじゃ百田! 百田ーーーッ!」

春川「止めるときは止めないと際限なく暴走するから。コイツ」

王馬「息の根を止めるのはやりすぎだよ?」

春川「一瞬でやらないと……痛みも苦痛も感じる間もない内に安らかに……」

最原(優しさが完全に裏の世界の人のそれだーーーッ!?)ガビーンッ

BB『じゃ、現状を打破できそうな情報から。赤松さんやアンジーさん、他巌窟王さんの無事が確認できちゃいましたー!』

最原「!」

百田「復活(リ・ボーン)!」ガバリッ

茶柱「あ。起きましたよ」

天海「いやありえねぇーっすよ! だって呼吸も心臓も止まって……あれ!? 気のせいだったんすかね!? 気のせいっすかね!?」アタフタ

百田「赤松たちの安否が確認できただと……!? つまりヤツらは生きてるってことだな!?」

BB『ええ。私たちが目を離している隙に全員ぶち殺し、とはなっていなかったようです』

百田「……最高のニュースだぜ」

春川「百田……」

百田「ところで顔が全体的に痛ぇんだが……」

春川「気のせいだよ……」

百田「気のせいか……そうか……」

天海「……本人たちがコレでいいのなら……いいんすけど……」ズーン

夢野「う、うん。そうじゃな。こういう愛情の形も、あるんじゃあないか、のう……」ガタガタ

最原(あってたまるか、とは言えないよなぁ。怖くて)

最原「BBさん! 赤松さんの居場所は?」

BB『さっぱりです。少なくとも最原さんたちが今までに行ったことのない場所だということしか……』

天海「……」

天海「俺の出番っすね。はあ……」

王馬「天海ちゃん?」

やっべトイレットペーパーがなくなりそう。買って来ます

天海「あの……みんな、聞いてほしいんすけど。実は俺の才能、わかっちゃったんすよね。正確に思い出したわけじゃないんすけど」

百田「なんだと?」

天海「実は俺は……『超高校級の生存者』だったらしくて……コロシアイのスタート時点からヤバいもん持ってたんすよね」

茶柱「ええと、話があんまりよく見えないんですけども」

天海「これっすよ」ゴトリッ

最原「……モノパッドだね?」

天海「俺、モノパッドを余分に一つ貰ってたんすよね。ほら」

王馬「あれ。本当だ」

春川「……なんで天海だけ?」

天海「……こっちのモノパッドには、この学園の地図がまるっと『ほぼ』全部入ってるんす」

最原「!」

天海「これが俺の才能……いや」

天海「『全開のコロシアイを生き残った』という実績っすよ」

十分後

最原「そうか……僕たちの前にもこんなコロシアイをした生徒がいたのか……!」

最原「天海くんはそのコロシアイを生き残った生徒。だから『超高校級の生存者』」

春川「なんでその発想に至らなかったんだろう。これだけ用意周到に私たちを追い詰めたモノクマをずっと見てたのに」

春川「何の予行演習も、経験もなしにできることじゃない。絶対に」

百田「いつまで経っても助けが来ない閉鎖空間なんてふざけきったものを実現させてるわけだしな……」

百田「俺たちが知らない内に『前回のコロシアイ』があったとしても、まったく不思議じゃねぇか」

最原「……前回のコロシアイに関して考えたいことは色々とあるけど、まずは!」

最原「天海くん! このモノパッドは凄いよ! 学園のまだ解放されてない区画のことまで描写されてる!」

天海「……」

夢野「どうしたんじゃ? 天海。浮かない顔をしておるが」

最原「あ……そうか。そういうことだね」

天海「やっぱり、わかっちゃうっすよね……」

最原「このモノパッドの地図、描写は正確だけど完璧じゃないんだ」

天海「そう、俺は今の今まで……」

天海「え? そっち?」

茶柱「どういうことです? 完璧じゃないって……」

最原「ええと、ごめん。茶柱さん、春川さん、百田くんと王馬くんの四人はわからないと思う」

最原「だから夢野さんと天海くんの二人で一緒に確認してほしいんだけど。ほら、この図書室の隠し部屋のところ」

夢野「んあ? なんじゃ……? あっ」

天海「そう。もう一つの隠し通路、女子トイレ側の出入り口が描写されてないんすよ」

天海「第一の事件直前まではタイムリミットのせいで焦ってたっすから、描写に穴があるって可能性に頭が回ってなかったんすけどね」

天海「バカっすよ、俺。モノクマから渡されたものなんだから、その程度の意地悪はされてて当たり前なのに」

最原(あ。今理解したけど……)

茶柱(転子が天海さんを見たときに持っていたモノパッドは、これだったんですね)

天海「……もしかしたら巌窟王が死ななかったら、今頃死んでいたのは俺の方だったのかも……」

最原「え?」

天海「言ってなかったっすね。実は仮想空間上のあの部屋で、俺はあるものを見つけてたんすよ」

天海「……赤松さんが凶器に使ったのと同型の砲丸をね」

最原「それって……!」

天海「犯人はこの『穴開きの地図』で俺をおびき寄せて、赤松さんに冤罪を着せた上で殺す気だったのかも……」

天海「そんな狂気を垣間見たんすよ」

夢野「その砲丸、血にまみれていたり……」

天海「してなかったっすよ。だって未使用だったっすからね。赤松さんの砲丸は過不足なく巌窟王さんにゴチン。それで終了っす」

最原(今はもう燃えちゃって存在しないけど、あの血塗れ砲丸には赤松さんの服の繊維も付いてたし……間違いないだろうな)

百田「巌窟王って誰だ?」

春川「……?」

茶柱「聞き覚えがまったくないですね」

最原「……やっぱり寂しいな。こういう声聞いちゃうと」

BB『……それ。軽く探ってみましょう』

天海「え?」

BB『もしかしたら見えていないだけで、描写は完璧なのかも……!』

最原「……あ。そうだ。今はもう僕たちは白銀さんの傾向がわかってる!」

最原「描写に穴があると見せかけているだけで、実際には本当に完璧なのかも!」

天海「あ!」

夢野「BB! モノパッドに接続できるか!?」

BB『ええと端子のカタチは……あ。大丈夫ですね。行けます! コネクタを!』

夢野「了解じゃあ」カチッ

BB『はい接続完了。中身は……ビンゴ! うわあ! 大昔のインターネットに氾濫してるような古典的炙り出し機能が!』

BB『はい、表示しまーっす!』ピロピロピロ……



シャキーンッ



最原「……女子トイレ側の隠し通路が見えるようになってる!」

百田「他に見えるようになってる部分はねーか?」

天海「ええと……!」

春川「ここじゃない? 百田の研究教室の真横に隣接してる……」

百田「……あ! そうだ! こんな部屋知らねーぞ、俺ァ!」

夢野「確定じゃな。隠し部屋発見じゃ!」

今日のところはここまで!

乙です

百田の研究教室に至る螺旋階段の真下

最原「……」

最原「これは……長くない?」

春川「流石にこれは最原を背負って上に行くの大変すぎるよね」

夢野「BB。いい感じの加護はないかのう。怪力が出るようになるヤツがベストなんじゃが」

BB『なくもない……ていうかジャガーマンさんがまさに怪力スキル持ってますが』

BB『飽きて寝てます』

夢野「ネコ科動物丸出し……」

茶柱「別にいいですよ。転子が上に連れていきますので」

夢野「こういうときの転子は頼もしいのう」

茶柱「……」ヌボー

百田「……めっちゃ顔が死んだぞ」

夢野「まだ心の整理が付いておらんのか!」ガビーンッ

茶柱「流石に長すぎる上に転がり落ちたらシャレにならないので、ゆっくり行きますね。休み休みで」

最原「う、うん。任せるよ」

春川「あれ? 王馬は?」

百田「あ? そういや隠し部屋が発覚した直後あたりから姿が見えねーな?」




ズドドォォォォンッ!


茶柱「……上から爆音が聞こえたような……ていうか衝撃で埃が舞い落ちてきてるのですが」

百田「ぜってぇー何か壊した! ぜってぇー何か壊してんぞアイツ!」ダッ

春川「じゃ。私たちは先に行ってるから。茶柱と最原はゆっくり来ればいいよ」タッ

百田の研究教室

百田「王馬ァ! お前なにやって……」

血塗れの王馬「」チーン

百田「ええっ!?」

春川「百田。どうしたの? 何を見て……」

春川「……」

春川「いい死体の処理方法を教えてあげるよ」ポンッ

百田「え? あ、テメェまさか俺がやったと思ってんな!?」ガビーンッ!

春川「冗談だよ。爆発に巻き込まれて気絶してるだけみたいだし」

王馬「うう」モゾリ

夢野「ぜぇぜぇ。やっと上り終わっ……」

夢野「……」

夢野「百田。人間、諦めも肝心じゃぞ?」

百田「その冗談もうハルマキがやったかんな!」ガーンッ!

夢野「お? 壁が壊れて……向こう側に何かが見えるぞ?」

百田「あれは……」

螺旋階段の途中

茶柱「まともに辛い!」ゼェゼェ!

茶柱「いやもうまともとか控えめな表現です! なまら辛い!」ゼェゼェ!

最原「ご、ごめんね。なんなら僕、降りるから……」

茶柱「あなたそうしたらまた出血しますよ! 死んだりしたら絶対にぶっ殺しますからね!」ゼェゼェ

最原「怒りのあまり支離滅裂なこと言ってるよ! 落ち着こう! ていうか休もう!」

天海「随分と仲良くなったっすよねー」

最原「あれ。天海くんは先に行かなかったんだ」

天海「ちょっと言いたいことがあって」

天海「……あえて話を逸らしたっすよね。さっき」

最原「……」

天海「俺、今までなんであの生存者特典のモノパッドを隠してたんだと思います?」

天海「あえて触れてなかったっすよね」

最原「いや……もうなんとなくわかってたことだから」

最原「だから別にいいんだ」

天海「……」

最原「それに、最後には自分から出してくれた。それがすべてだと思う」

天海「そんなわけないっすよ。俺は……」

最原「……天海くん。キミは色々背負いすぎだと思う」

最原「もうちょっと頼ってもいいんだよ。僕たちは仲間なんだからさ」


ムギュウウウウ!


最原「痛ぁい! 太ももの皮膚が捩じりあげられてる!」ウギャアア

茶柱「それあなたが一番できてないことですからね! 疲れてるときに更にムカつくこと言わないでください!」

最原「ご、ごめ……いや本当痛いから許して! ごめんごめん、痛いーーー!」

天海「……あの。なんか仲良過ぎないっす? なにかありました?」

茶柱「別に!」

BB『……むう? なにかおかしいですね。以前と違うっていうか』

天海「やっぱBBさんもそう思うっすよねぇ?」

最原(デバイスは天海くんが持ちっぱなしなのか!)

BB『いやそっちもそっちで気になるっちゃ気になりますが』

BB『違くて。なにか学園全体が以前とは違うような気が……』

天海「あ。そっちっすか」

茶柱「前に最原さんもそんなこと言ってましたよね? でも転子はなにも……」

天海「夢野さんも気付いてたっすよ。なにか」

BB『変な磁場があることはわかってるんですが、それ以外にもなにか……』

BB『あ。そうです。環境音ですよ!』

最原「環境音?」

最原「……音……あっ」

最原「それだよ! 音が以前とは違うんだ! 増えてる!」

天海「え? ……ええと、違和感はあるんすけど、音かどうかと言われると俺には微妙なんすけど……」

最原「いや。間違いないよ。天海くん、夢野さん、BBさんと、僕。前の学園の環境音のことを覚えてる人だから気付けたんだ」

最原「……BBさん。磁場の正体を突き止められる?」

BB『無理ですね。もう完全に、こちら側から機材を持ち込むことは不可能ですので』

最原「なら、なんとかして彼女と合流しないとな……」

天海「あ。そっか。赤松さんの聴力なら……」

最原「この学園に起こった変化を具体的に調べることができるかも!」

茶柱「……やっぱり急いだ方がいいです?」

最原「……あ、あの。お願いできる?」

茶柱「はあ……さっき頼らなさすぎって起こったばっかりですからね。あなた本当にいい性格してますよ」

最原「あはははは……」

天海「……」

BB『これどっちか告白してますね』

天海「やっぱり? アンジーさんに何て報告すればいいやら……やれやれ」

百田の研究教室の奥の部屋

百田「……これは……!」

百田「いや見てもさっぱりわかんねぇ。なんだこのカプセル……棺桶?」

春川「前面は硝子になってるけど、スモークがかかってて中身が見えないね」

春川「……ん? いや。待って。これはちょっとスモークが薄い……!」

夢野「んあ? どうしたんじゃ、春川。そんな真っ青になって、らしくもな……」

夢野「んああああああああああっ!?」ガビーンッ

百田「あ!? なんだ!? どうした!?」

夢野「ももっ……ももた! やばっ、これっ……あわわわわわわ!」

百田「だからなんだよ! その棺桶の中になにか……」

百田「あ?」






百田「アンジー……?」

今日のところはここまで!
暇になったらツイッターを見るといい

https://twitter.com/Japanesecastle

これは次のスレが立つな

Twitter覗いたら藤原先生がもういないこと思い出してしまったじゃないか訴訟
いぬぼく少し前に読み返したけど、やはり素晴らしかった

数分後 百田の研究教室

最原「ついた!」

茶柱「ぜぇーーーっ! ぜぇーーーっ……つ、疲れました! 流石に!」ガクリッ

最原「ごめん! ありがと!」タッ

茶柱「走らないでください! ここまで運んできた意味がなくなります!」

最原「こ……これは!」

天海「……!?」





百田「」チーン

王馬「」チーン

夢野「」チーン

春川「……やりすぎた……」オロオロ

最原&天海「何をーーーッ!?」ガビビーンッ!

茶柱「ゆ、夢野さんっ!」ダッ

茶柱「ちょ、これ……何があったんですか! 夢野さんの後頭部に凄い大きなタンコブ!」ワタワタ

天海「わあ。漫画みたいっすねー」


バキィッ


天海「げはぁ!」

茶柱「現実についていけないからって茶化さない!」

最原「春川さん! 何があったの!」

春川「あれ……」

最原「あれ?」

天海「なんすか、このカプセル群。棺桶?」

天海「あれ。いくつかは中身が見えない……あ! アンジーさん!?」

最原「え」

最原「……!」

最原(十六個ある棺桶状のカプセル群。その内のいくつかはスモークがかかって中身が見えなくなっていた)

最原(でも半分以上の棺桶はスモークが薄く、中身が見える。中身が見える棺桶のほとんどが空だったけど……)

最原(一つだけ、中身が入っていた。アンジーさんが横たわって……眠っている、のか?)

最原「……まずいよ、これ! 怪我してる!」

天海「え。あ……! これって!」

最原「うん。間違いないよ。僕たちの前で白銀さんに拷問されたときの傷跡まんま……銃創だ!」

天海「ぐ。このカプセル、どうやって開けるんすか! こうなったらぶち壊して……!」

春川「それ」

天海「え」

春川「それが百田と夢野が気絶してる理由」

天海「……えっ? なんで?」






ちょっと前

百田「んだよコレ! アンジー、怪我してんじゃねぇか!」

夢野「アンジー! しっかりするんじゃ! アンジー!」

春川「……死体発見アナウンスが流れないってことは、死んではいないんだろうね」

春川「この調子じゃ時間の問題だろうけど。顔色が本当に悪い……治療が最低限しかされてないんだろうね。このままじゃ手遅れになる」

百田「ちい! 開かねぇ! クソッ! どうしたら……」

夢野「ぶっ壊すしかなかろう!」

春川(ん……? 王馬の壊した瓦礫の山の下に何か……)

春川「あ」

百田「だな! おーし! じゃあ王馬が壊した壁の瓦礫を……!」ガシッ

百田「ぶっ壊すぜーーーッ!」

春川「やめてっ!」ブンッ


ドスウッ メリメリメリッ


百田「あぎゃあああああああ!」ギュンッ

夢野「んあ? ちょ、百田、こっちに飛んでくるな、んああああああああ!」ガンッ

百田&夢野「」チーン

春川「……」

春川「咄嗟だったからってやり過ぎた……」ズーン

最原「百田くんの鳩尾に拳を叩き込んだら吹っ飛んで、それに覆いかぶさられた夢野さんが後転して頭を打った……」

天海「……」

茶柱「……漫画みたいですね」

天海「茶柱さんも茶化してるじゃないっすか」

春川「どっちも致命傷じゃないよ……百田に関してはうっかり殺す気でやっちゃったけど」

春川「おかしいな。肋骨にまで破壊が及んだような手ごたえだったんだけど」

BB『……あー……』

天海「BBさん? どうかしました?」

BB『いえ。百田さんカワイソーだなーって』

春川「……」ズーン

最原「でも何で止めたの?」

春川「これが瓦礫の真下にあった」パラッ

最原「紙?」


『壊さない方がいいよ! by白銀』


最原「……」

天海「相変わらずこっちのことをおちょくるのに全力っすね……」

最原「でも確かに、この文章は無視しない方がいいかも」

最原「こういうヒントじみた言葉に関して彼女は今まで嘘は言ってないからね」

BB『私が彼女たちの安否を確認したとき、彼女たちはプログラム世界の中でした』

BB『おそらくこの装置は新世界プログラムにダイレクトで繋がっているはずです』

BB『……ふむ。ちょっとデバイスを、この装置に繋いでくれませんか? 調べますので』

天海「壊さないでほしいんで、ちょっと探るだけっすよ?」

天海「ええと、それっぽい端子は……」キョロキョロ

最原「……この棺桶みたいな装置は、全部部屋の奥の方に伸びてるケーブルと繋がってるみたいだ。端子があるとしたらあのケーブルの先じゃないかな」

天海「ああ。あれっすね。うん……これっす」カチッ

BB『……やっぱり。これ、新世界プログラムですね。ただちょっとハードの方に改良が加えられてるみたいですけど』

最原「改良?」

BB『実際に入ってみないと断言はできませんが、おそらくコレは……コールドスリープの装置だと思います』

茶柱「こおるどすりいぷ?」

天海「……って、アレっすよね。よくSFとかで出て来る」

最原(人体を冷凍させて遠い未来まで眠らせる技術。一種のタイムスリップ技術である冷凍睡眠……のことだよな)

BB『おおっと、コレはきな臭くなってきましたよー』

休憩します!

そういや王馬が暴走してないからずっとゴフェルルートのまんまなんだよな

BB『……ダメですね。大した情報はありません。実際に中に入ってみないと何もわからないですよ』

BB『カプセルから彼女たちを出すこともできませんし』

最原「たち?」

BB『おや。気付きませんでしたか? 中身が見えなくなったカプセルに、何が入ってるとお思いで?』

最原「……」

最原「キーボくん、白銀さんを除いた『いなくなった全員』だね?」

BB『ピンポンピンポーン!』

天海「え」

天海「……ああ、そうか! 確かに。スモークがかかって中身が見えなくなってるカプセルと、アンジーさんのカプセルを合わせた数が人数と一致!」

天海「巌窟王さんは入ったときに現実世界に肉体が残らないから除外するとして……」

天海「そうか。全員ここにいたんすか!」

BB『でも出せないですよ。こっちからの操作を受け付けなくなってます』

最原「どうして?」

BB『どうもパスワードがかけられているようで……誰かコレを知っている人を連れてこないと一切操作できないんですよ』

BB『もちろん無理やりでいいのならやりようはいくらでもありますが?』

天海「え? じゃあ別に無理やりでも」

最原「ダメだ……新世界プログラムの破壊禁止のルールに引っかかるかもしれない」

天海「あ」

BB『残された手はあるかもしれませんよ?』

春川「……聞かせて」

BB『中に入って調査する。それが現状残っている最良の手です』

最原「!」

BB『どうも現状では、中に入れば自動的に冷凍睡眠が始まって、人格を新世界プログラムに飛ばす設定になっているようでして』

天海「じゃあパスなしでも、中に入る分にはまったく問題ないんすね」

春川「……結果は目に見えてるよね。そんなことをしても同じく出られなくなるだけでしょ?」

BB『何度も言いますが本当に、ここからでは大した情報がないんですよ』

BB『もしかしたら中からどうにかして、新世界プログラムをどうにかシャットダウンする機能もあるかもしれません』

茶柱「かもでしょう? それじゃあダメですよ! 危険すぎます!」

BB『じゃあ仮に、中に入ったら出る方法がまったく完全になかった、ということが情報収集の結果明らかになったとしましょう』

BB『その場合は残された手がたった一つに限定されるわけですから、行動の指針になると思います』

BB『つまり、否が応でも新世界プログラムを私がぶっ壊します。内側から』

最原「……その場合は……モノクマとの全面戦争ルートしか残らないね」

茶柱「そんな……!」



ガバリッ


夢野「いや! 方法は他にもあるぞ!」

茶柱「うひゃあ!?」ガビーンッ

最原(起きた!?)

夢野「白銀をこの空間で見つけてパスを聞けばいいのじゃ! それなら……」

天海「……時間がないんす……!」

夢野「あ……そうか。アンジー……」

最原「……そうだな。それも一つの手ではある……んだけど」

天海「最原くん?」

最原「二手に別れない? 片方は新世界プログラムを中から調査する。もう片方は現実世界で白銀さんを見つける」

最原「白銀さんさえ押さえておけば、コロシアイ学園生活のルールも無視できるかもしれない」

最原「なんて言ったって首謀者なんだし」

天海「ていうかそれ以前にコロシアイ自体そこで終了っすよ! 首謀者なんだから!」

最原(そう都合よく行くかな……行かないだろうな……)

春川「で……」







春川「誰が新世界プログラムに入るの?」

BB『私がプラグインすることだけは確定なので。後はそちらで決めてくださいな』

茶柱「……」ジーッ

最原(……明らかに方便だってバレてるな。あるいはそこまで確信してなくとも……)

茶柱(嘘臭いです。凄く)

最原(僕の態度が変だって気付いたかぁ……厄介だなぁ)

天海(……白銀さんを見つけるの、どう考えても不可能っすよね。そんなことができるのならとっくにできてるでしょうし)

天海(つまるところ、現実世界に残る組の真の目的は『お留守番』)

天海(こっちはこっちで俺たちの体に異変が起こらないかどうかを見張る重要な役目っすけど……)

天海(直接的な危険度があからさまに低いことは確か)

天海(揉めますかねー。コレ)

最原「あの……茶柱さん」

茶柱「待ちますよ」

最原「え」

茶柱「……だから、絶対に……絶対に無事に帰ってきて」

最原「――」

天海(何かが撃沈された音が聞こえた……!)

BB(末恐ろしいなー。絶対に死ぬなって強制(ギアス)に近いじゃないですかコレ)

BB(ともかく、使えるのなら大歓迎ですけどね)

BB(……最後は近いですよ。巌窟王さん)

今日のところはここまで!

そういえば、あの長い階段を走ってけるなら百田かなり調子いいな

やだなーこんなシーン見せられたら糖尿病になっちゃうじゃないかー
これ新世界プログラム内では時間の流れが違うのかな?

>>885
とはいえ、希望ヶ峰学園関連についての記述は黒塗りされてるから、ゴフェル計画に至った経緯を最原達は知らないからなぁ。
さすがの白銀も1・2・3の希望ヶ峰シリーズの偽の記憶は、巌窟王というイレギュラーのせいで作ることは出来なかったか?

数分後

BB『えー。というわけで……新世界プログラムに私と一緒に入るのは……』

最原「僕と」

天海「俺の二人っすね」

BB『私はあなたたちの情報に紛れ込む形でインサートしますので、あと三分ほど時間を置いてください』

百田「……行くのか。終一」ムクリ

最原「あ。起きた」

春川「……話、夢現で聞いてた? アンタも行く?」

百田「いや。俺も待つぜ」

春川「……意外だね」

百田「ま、俺もこっちでやりたいことがあるからよ」

百田「こっちは任せてドーンとぶちかましてこい! 二人ともよ!」

天海「……まあ、せいぜい最原くんの足手纏いにならないよう、頑張るっすよ」

百田「あ? 妙にテンション低いな。大丈夫か?」

天海「えと……百田くん。実は、あのモノパッドを今まで隠してたのは……」

百田「興味ねぇ」

天海「!」

百田「……俺の勘違いだったら悪いけどよ。あのモノパッドを出すタイミングに関しては、早いも遅いもねーと思うぜ?」

天海「……でも……」

百田「面倒くせぇヤツだな。いいって言ってんだろ」

王馬「夢野ちゃん。夢野ちゃん」

夢野「んあ? いつの間に起きたんじゃ、お主」

王馬「……で……を……すれば……」ゴニョゴニョ

夢野「……ふむ……」

ポンポンッ

天海「ん? 夢野さん? どうしたんすか?」

夢野「……」






夢野「頑張れっ。お兄ちゃん!」キャルーンッ

天海「うぎゃああああああああああああああッ!」バボーンッ!

最原「天海くんが天井ギリギリまで吹っ飛んだーーーッ!?」ガビビーンッ!

百田「天海ィーーーッ!?」

天海(なんだこの衝撃は! 俺は何をされた!?)

天海(ただ一つ……たった一つだけ真実があるとするなら……!)

天海「エモーション百倍! 変身ッ!」

天海(たった一つだけ真実があるとするなら)

アマデウス斎藤「超キャワイイーーーーーーーッ!」ピカァァァァァッ!

百田「笑顔が滅茶苦茶眩しいーーーッ!」ガビーンッ!

最原「仮面越しでもわかる上機嫌!」

王馬「天海ちゃんって妹萌えなんだよ。今日の彼の寝言でわかったんだけど」

夢野「わかりたくなかったわい」ズーン

アマデウス斎藤「俺はもう迷わないィィィィィィィィ!」スタッ ギュイイイイイイインッ!

百田「着地した途端に回転し始めやがった!」

春川「早いけどピルエットじゃない? あれ」

夢野「あんな荒々しいピルエットがあってたまるかァ! バレエに失礼すぎるわァ!」

BB『あ。準備できたのでいつでもいいですよー』

アマデウス斎藤「行ってきまァーーーっす!」ガチャリッ バタムッ

ブシュウッ

アマデウス斎藤「ぐー」スヤァ

夢野「寝たーーーッ!?」ガビーンッ

最原「……もう開かない。閉じ込められたみたいだね」グッグッ

茶柱「中に入ったら意識が新世界プログラムに飛ぶっていうのは確かなようです」

百田「ちょっとガラスが曇ってきたな。このまま他の連中と同じように冷凍されちまえばスモークがかかるのか」

百田「光が人体に与える影響もそこそこあるからな。保存状態を良くするための機能なんだろうよ」

最原「ええと……それじゃあ僕もそろそろ行くよ」

茶柱「……」

最原「……うん。絶対帰ってくる。約束もあるしね」

茶柱「……ええ。行ってらっしゃい」



ガチャリッ バタムッ ブシュウ

休憩します!

転子にいってらっしゃいって言われたいだけの人生であった

ザザッ……ザザザッ


ザザーッ


天海「……?」

天海(何かが……見える)




モノクマ『まったくもう! 巌窟王さんのせいで無茶苦茶だよ! 赤松さんのおしおきは邪魔されちゃうしさ!』

白銀『そこも、うん。ビックリっちゃビックリなんだけど』

白銀『まさかあんなガバい作戦が上手く行くなんて思わなかったなぁ。砲丸が完全に無駄になっちゃった』




天海「これは……?」

天海(ノイズと変色が酷いけど、あの図書室の隠し部屋で間違いなかった)

天海(……俺のことに気付かないかのように会話は続く。いや、気付かなくて当たり前だ。きっと、これはただの記録なのだから)

白銀『ま、いいか。これはこれで面白いし』

白銀『最後の最後に全部ひっくり返す準備は既に整ってるしね』

モノクマ『……うぷぷ……うぷぷぷぷぷ……』

白銀『……ふふっ。じゃ、路線変更の準備しないとな』

モノクマ『え? 路線変更?』

白銀『あはは! モノクマ、私は彼に会うまでダンガンロンパを……いや』

白銀『フィクション全般を舐めてたみたい。でも彼のお陰で認識が変わったんだ!』ニコニコ

白銀『ただの伝説、創作でしかなかった巌窟王さんが、絶対に助けられない女の子を助けたんだよ?』

白銀『……力のある"嘘"は現実を歪める。炎が陽炎を生むように』







白銀『"嘘"は世界を変えるんだよ?』

天海(その笑顔は……本性を現す前。何度も俺たちに見せたような無邪気な笑顔……いや)

天海(それよりも綺麗な、虚飾の一切無い笑みだった)




ザザッ ザザーッ

今日のところはここまで!


そうか、ここまで行動が変化したのってこういう理由か
……しっかし1章時点でなんか白銀やってたっけ

水面下でなんかやってたんでね?
白銀って基本表面上で怪しまれる様な事一切しないしね。現に白銀が露骨に動いたのって第5事件での夢野を目撃したって偽証だけやろ?

最原「天海くん。どうしたの、そんなところで棒立ちになって」

天海「……えっ?」

天海(いつの間にか、映像は消えていた。傍らには最原くん。そして、見覚えのない長髪の女子)

天海「い、今、白銀さんが……」

天海「いや……なんでもないっす」

BB「もう。ここは既に敵陣のど真ん中ですよ。しっかりしてください」

天海「……」

天海「え? 誰っすか」キョトン

BB「せめて誰か一人くらい喋り方でわかったりしないんですかねぇ……」

天海「……え? BBさん? BBさんっすかコレ」

最原「僕も気付いたときはビックリしたけど……」

天海「思ったより二回りくらいちんまいっすね。勝手に俺と同じくらいの身長かと」

BB「でかっ!? 想像の中の私デカすぎません!?」

最原「巌窟王さんの相棒っぽい言動してたから、つい……」

BB「アレを基準に考えないでくださいよ……隣にいるだけで圧迫感マシマシで邪魔邪魔の邪魔なんですよ?」

BB「ともかく、先に進みましょう」

BB「あ、そうだ。外にいるみなさんと後で会えたら『BBちゃんマジ美少女だったぜ』と話をガン盛りして伝えてくださいね!」

最原(後で会えたら、か)

最原「……うん! 絶対に伝えるよ!」

天海「盛るっすよ。超盛るっすよー」

BB「……さて。白銀さんのアルターエゴは巌窟王さんが焼き尽くし、この新世界プログラムに支配者はもういません」

最原「モノクマは?」

BB「それが一度も見てないんですよねー……入退室ログにもモノクマの出入りは記録されないようですし、入ったところで気付かないと思いますけど」

天海「白銀さんのアルターエゴの役目をモノクマが引き継ぐ、みたいな展開もあるかもしれないっす」

天海「出来る限り早めに脱出したいっすね。どこに向かえばいいっすか?」

BB「……向こうに巌窟王さんの反応があります。どれくらい歩く羽目になるか想像もできませんが、行くしかないでしょうね」

天海「そういえば、ここ。なんすか? どこっすか? なんかの建物……?」

最原「学園とは材質も雰囲気も全然違うけど……」

BB「……さて。どこかで見たような気が……?」

BB「気のせいですかね? まあ、とりあえずあちらです」スタスタ

最原「……気を付けて行こう。白銀さんの用意したアルターエゴが、一つだけとも限らないわけだし」

天海「防護機能が生きてる可能性もあるわけっすね。慎重になるに越したことはないっす」

BB「……ん。ドアがありますね。巌窟王さんの反応はこの先です」

最原「罠の類は?」

BB「……ドアそのものには特には。ただ、妙な反応があります」

BB「最原さん。天海さん。戦闘能力が必要になったときは、私に任せて先に行ってください」

BB「……本当。本っ当にイヤですけど! これが最善ですので! だってあなたたち戦闘技能に関してはザコキャラですから!」

最原「わかった。任せるよ」

天海「……全力で突っ切ってやるっす!」

BB「それじゃあ……オープンザドアー!」ガチャリンコッ

セミラミス「むぐ?」モグモグモグモグモグ

最原&天海「……」

最原(なんか……チョコケーキを口いっぱいに頬張ってる女の人がいる……)

セミラミス「……?」モグモグモグモグモグ

セミラミス「……」ゴクン

セミラミス「……」








セミラミス「誰だ貴様らはーーーッ!?」クワッ

最原&天海(こっちの台詞だーーーッ!)ガビビーンッ!

BB「セミラミスさん? こんなところで一体何を……」

最原「知り合いなの!?」

セミラミス「愚問だな。我の作ったゲームに我がいて当然であろう」

BB「……?」

BB「あっ! あのゲーム、どこに行っちゃったのかと思ったら、こんなところに転移してたんですか!?」ガビーンッ

天海「あの……話がまったくよく見えないんすけど……」

BB「すみません。なんかの手違いで、こちら側で作ったアルターエゴがこの新世界プログラムに紛れ込んだようでして……」

セミラミス「まあ我にとって、そんなことはどうでもよい」

セミラミス「大事なのは、我の目の前に人がいるということだ。貴様らが我が虚栄の空中庭園に土足で踏み入ったということだ」

セミラミス「こうやって出会ってしまった以上、我は貴様らを持て成さなければならないだろう?」ギロリ

最原「え? あ、あの。BBさん?」

BB「……過程はこちらもまったくわからないのですが、どうやら彼女は白銀さんが用意した刺客のようですね」

天海「じゃあ、さっきの打ち合わせ通りにBBさんが……」

BB「いえ。作戦変更です。主に置き去りの人員の変更があります」

天海「えっ」

セミラミス「『戦慄のファーストタイヤキング・オブ・バビロン』は推理ゲーぞ? 一人用の」

BB「というわけで最原さんが残ってください」

最原「ええっ!?」ガビーンッ

BB「じゃあ行きましょう天海さん。あ、横失礼しまーす」

セミラミス「許す」

天海「同じく横を通るっす」

セミラミス「許す」

最原「ちょっ、待って。置いてかないで!」


ジャラジャラジャラッ


セミラミス「貴様は許さん」

最原「うわあああああああああああ! 鎖で足を絡めとられたーーーッ!?」ガビーンッ

最原「誰か! 誰か助けて! なにか凄くイヤな予感が……ぐああああああああ!」

セミラミス「こうしてゲームの世界で再現されてしまった以上、我も容赦はせぬ」

セミラミス「さあ。ゲームの女帝としての我を崇めるがよい!」






BB「アルターエゴのセミラミス……エゴラミス……!」

天海「あの。大丈夫なんすか?」

BB「もちろん」

天海(即答したように見せかけて全力で答えをはぐらかしてる……!)

BB「最原さんの尊い犠牲を無駄にはできません! 私たちは先に進みますよ!」

天海「了解っす!」

セミラミス「権謀術数に関して我の先をそうそう行けると思うな。人類最古の毒殺者故、努々油断しないことだ」

最原(確かにアッシリアの女帝と同じ名前だけど……!)

セミラミス「ぬ? 貴様、面白いものを持っているな? 借り物のスキルか……」

最原「!」

セミラミス「ほうほう。なるほど。借りたものと本来持っている素養が噛み合っておるな。なかなか興味深いぞ」

セミラミス「だが英霊の力を一端でも人間が使うなど……余程命がいらぬと見える」

最原「……どういうこと?」

セミラミス「その力を使いすぎれば、死ぬ」

最原「――ッ!?」

セミラミス「とまでは言わないが、まあ『ある日眠ったまま二度と目が覚めなくなる』というような重大な副作用はあるであろうな?」

セミラミス「さて。必要とあらば我がその力を接収してやるが?」

最原「断る」

セミラミス「……今、何と?」

最原「仮にその言葉が本当だったとしても、この力だけは渡すわけにはいかない!」

セミラミス「……興が乗ったぞ。貴様は我が飽きるまで、直々に玩具にしてやろう」ニヤァ

セミラミス「飽きた死ね」ジャララッ

最原「舌の根の乾かぬ内にああァーーーッ!?」ガビーンッ

セミラミス「というのは冗談だ。このゲームはそんな野蛮なものではないのでな。始めるぞ! せいぜい楽しむがいい!」

最原(力を使い過ぎたら、二度と目覚めない、だって?)

最原(だとしても、この力を捨てるわけには……!)

最原(悪ふざけの化身みたいな人だけど、あまり悠長にはしてられない!)

最原「……手短に済ませよう!」

休憩します!

セミ様バレンタインですっかりネタキャラになってしまわれたなあ……

アンジーの病室

コンコンッ


巌窟王「……誰か来たか?」

アンジー「すー」スヤァ

巌窟王(アンジーがやっと寝たところだからな。そっと外に出るとしよう)ガチャリ

赤松「……あ。巌窟王さん」

巌窟王「赤松か」

赤松「やっぱり外からの救出を待つ以外に出る方法はなさそうだって」

巌窟王「そうか」

巌窟王「……アンジーの体調さえ万全ならば、すぐにでも出てやるものを」

赤松「アウト」

巌窟王「ム?」

赤松「『アンジーさんにこんな仕打ちをした白銀さんが憎い』っていう前提で話をしているんだろうけどさ」

赤松「一歩間違えたら『アンジーさんが足を引っ張らなければこんなことには』っていうふうに聞こえちゃうから」

巌窟王「……」

赤松「ね?」

巌窟王「ふん……」

この作品、天つむもあるねー

赤松「……アンジーさんと喧嘩でもした? 合流したとき恐ろしいくらい機嫌悪かったけど」

巌窟王「俺は神などではないと改めて思い知らせただけだ」

赤松「ん。そっか」

巌窟王「……」

赤松「凄く浮かない顔。信仰を捨てさせたこと、気にしてるの?」

巌窟王「……」

赤松「祈ることは悪いことじゃない。何かを信じることも間違いじゃない」

巌窟王「?」

赤松「……ただ『祈るだけ』ならそれは中身のない狂信でしかない、というだけでさ」

赤松「狂信なら、どこまで行っても独りよがりで、誰かを根本的に救ったりはできない。自分すらも」

巌窟王「何が言いたい?」

赤松「いや。巌窟王さんのやったことが間違いじゃないって言いたいだけ」

赤松「『祈り』と『願い』は常にワンセットなんだよ。きっと。人は神様を信じることで、安心したいって願ってるの」

赤松「だから祈りだけじゃ意味がないのと同じで、願いだけでもきっと意味はない」

赤松「願うだけで叶う望みなんて、たかが知れてるでしょ?」

赤松「きっと彼女はそれに気づくよ。だって信仰捨てたら、今度はあなたに願うだけになっちゃうから」

赤松「……捨てた信仰を、アンジーさんはきっと取り戻す。今度は正しい形でさ」

赤松「だから、そこまで沈まなくってもいいと思う」

巌窟王「面白いことを言う。俺がいつ沈んだと?」

赤松「……」

巌窟王「……生意気なヤツだ。年上を慰めようなどと。身の程を知るがいい」

赤松「ふふっ」

赤松「あー。早く外に出たいなぁ。寄宿舎の私の部屋、色々と見られちゃまずいものがあるからさー」

赤松「王馬くんが漁ったりしてないか心配」

巌窟王「作曲途中の楽譜でも放置してあるのか? バカめ、敵に用意された部屋で弱みを見せるなど――」

巌窟王「!!!!!!!!!!!!!!」ガビーンッ

赤松「どうかした? 巌窟王さん」

巌窟王「……宝具。真名解放。虎よ――!」ボオオオオッ

ガシッ

赤松「ま、待って待って待って! 今、宝具を使おうとした!? 宝具使おうとしたよね!?」

巌窟王「離せ。今すぐ離せ。すぐに離せ」

赤松「アンジーさんに負担かかるからダメだって!」

巌窟王「ぐ……!」

入間「あー。クソ。ダメだ。一度涼しい部屋で寝てから考えよう」スタスタ

巌窟王「入間ァ! 俺を今すぐこの世界から出せ!」ガシィッ

入間「ぴぎゃあ!?」ガビーンッ

赤松「ど、どうしたの!? さっきから変だよ巌窟王さん!」

巌窟王「……」

巌窟王「あれだけは見られるわけにはいかない……! 断じて! あれだけは! 特に白銀にだけは……!」

ガチャリンコッ

BB「むう。外には向かっているようですが、未だに彼女の宝具の中ですね」

天海「広いっすよ。なんすかココ」

BB「……彼女の自宅……愛の巣?」

BB「細かいことはなしにしましょう。とにかく外に……ん。あれ。このドアだけ材質が違う……」

BB「首謀者の支配領域だった部分でしょうか」ガチャリンコ

天海「あ。ここ……白銀さんの研究教室と内装そのままっすね」

BB「ん……ああ。なるほど。アルターエゴではなく本物の白銀さんが、この世界に作った隠れ家ですか」

BB「おや。このカメラは……」ヒョイッ

天海「あ! それは……巌窟王さんのカメラと……」








天海「……『学級日誌』?」

現実世界のどこか

白銀「……」カタカタカタ

白銀「あーあ。残念。新世界プログラムの『あの部屋』の中なら作業効率が超上がるのにさ」

白銀「ま、別にいいや。あと残り少しだけだしね」

白銀「みんなビックリするだろうなぁ。タイムリミットまでには完成させないと……」

白銀「ふふっ……ふふふふふふふふふ……」

クッキークリッカー的なの想像してたのに推理ゲーだと…?気になるじゃないか!

最原(物語は終わる)

最原(どんな物語であれ、必ず終結は存在する)

最原(問題はそこにどうやって辿り着くかだ)

最原(終わった後に、何が残るかだ)

最原(このときの僕たちはまだ、白銀さんが本当は何を求めていたのか……まるでわかっていなかった)

最原(……だから僕は、あの大事な瞬間に……)

最原(選択を間違えることになったんだ)

なんだこのBADENDみたいな台詞は…!?

ひとまずこのスレでの連載は終了!

ちょっと用事立て込んでるので、新スレ設立と連載再開は金曜夜からだよ!

HTML化依頼してきます

やっぱり終わる終わる詐欺だったじゃないか、嬉しいぞこの野郎!

本編の何倍だよこれwwwwww

逆転シリーズ以上の長さになってそう

すげーな、まだ続くのか

卒業アルバムとか作ってたりする?
何を狙ってんのか分からんなー

新世界プログラムに戦慄のファーストタイヤキング・オブ・バビロンとエゴラミスを紛れ込ませたってことは
白銀はカルデアの存在を突き止めてるっぽいな
もしかしたら英霊を召喚する方法もとっくに突き止めてる可能性もあるか…?

新スレって題名何ですかね……?

続いたしw乙っすw

きよひー×2による逆転の人のお仕置きタイム不可避

あー。感想見るの本当心の癒しっすわー。本当嬉しいっすわー。あ、タイトルまだ未定っすけど、新スレできたらここに案内貼るっす。

明日を楽しみにしてくれると幸いです。

燃やされてたまるか……

清姫「うふふふふ、嘘を何回も重ね続けた逆転の人さんにとっておきのお仕置きとまいりましょうか」

水着清姫「身も心も、魂までもぜーんぶ焼き尽くしてあげますからね❤」

邪ンヌ「竜の魔女掛けとくわよ」

戦闘においては仲のいい邪ンヌさんでした。

清姫「これより逃げた大嘘つきを退治します。転身火生三昧(てんしんかしょうざんまい)!」宝具レベル5&焔色の接吻レベル10&竜の魔女レベル10

水着清姫「道成寺鐘百八式火竜薙(どうじょうじかねひゃくはちしきかりゅうなぎ)! 一発!!」宝具レベル5&水浴転身レベル10&竜の魔女レベル10

対象逆転の人 恋の追跡者レベル10とストーキングレベル10による防御力低下

どうせアフロになるだけだからついでにともインフェルノさんにも頼んどいたよ

後は茶々を呼んで炎上ですね

魔神柱とかも呼びます?

水着ノッブ呼んでロックンロールにしようぜ

大 炎 上

コアトル姉さんも呼びましょうぜ

全部合わせると

逆転の人お仕置き
~大炎上フェスティバル~

天上解脱するか続きを早く書くか、選ぶが良い。楽しみにしてるぞ!

ソロモンよ! 私は帰ってきた!
今から新スレ準備しまーす

超高らかにタイトルで叫んでいた岩窟王さんは今どんな気持ちでいらっしゃるやろなぁ?

最原「復讐鬼の学級日誌」 巌窟王「俺たちのコロシアイ修了式」

最原「復讐鬼の学級日誌」 巌窟王「俺たちのコロシアイ修了式」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521804331/)

新スレだよー!

仁科愛梨

猪瀬尚子

川崎文隆

下林勇平

町村誠一郎

稲葉瞳

スノーホワイト

井上真理絵

藤木毅

多田友宏

井上このみ

リップル

ねむりん

ルーラ

ラ・ピュセル

マジカロイド44

ユナエル

野々山紘美

浅見ルナ

向亜里沙

レイピアによる突きが来る。一撃目は後ろに跳び、そこからさらに伸びた二撃目は身を捻り、三撃目はしゃがんで回避する。同時に魔王パムは翼二枚を地面に這わせた。それを支えにして跳び、牽制の蹴りを繰り出す。四度目の突きに脛が触れる前に足を戻し、今度は軸足を伸ばした。剣士の右腕を蹴ろうと試みるが、肘で迎撃され、足の甲に痺れが走る。五撃目が来る。魔王パムは不自然な態勢でまともな回避は難しい、ように見えているはずだ。地面に這わせていた翼二枚で足元の巨大なコンクリ塊を持ち上げ、それを相手の攻撃に合わせて立てた。レイピアがコンクリ塊を突き刺し、魔王パムはその裏に回った。

ハードゴア・アリス

水谷和希

上野原咲良


2012年5月31日(1日目)、02:44p.m.――


「助けて…お願い…ッ!!」

涙ながらに訴えてくる鷹城雪美(女子九番)を前に、上野原咲良(女子二番)はどうするべきなのかわからなくなった。

まず、雪美とはそこまで親しい間柄ではない。
雪美はクラスの中でも大人しい女子のグループに属し、クラスの中心で盛り上がる城ヶ崎麗(男子十番)といつも行動を共にしている咲良には滅多に近付いてこない。
学校行事での様子から見て、雪美は目立って騒ぐことがあまり好きではないのだろうな、という印象を持っていた。
用事があれば普通に会話をするが、取り立てて用事のない時には関わることが滅多にない、それが雪美と咲良の距離だった。
そんな咲良に、どうして雪美は助けを求めるのか。

そして、雪美は先程自分たちに襲い掛かってきた松栄錬(男子九番)と湯浅季莉(女子二十番)と同じ班だったはずだ。
それに、忘れもしないプログラム開始直後の銃声――雪美たちの班と麗たちの班以外がまだ教室にいたことから、あの銃声に雪美たちが関わっている可能性は非常に高く、それは雪美たちが麗たちを襲った可能性も高いことを示している。
麗はプログラムに乗らないことを宣言していたし、同じ班の木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)が麗の意思に背くこともクラスメイトを自ら傷付けようとすることもとても考えられない。
戦う意思のない麗たちをおそらく襲っておきながら、今どうして泣いて助けを請うているのか。

undefined

朝日奈優子

立花みずき

八重樫仁

坂井龍樹

宇田川素直

東克彦

松葉千帆

都築涼

小池萌

佐藤彩乃

中川未来

水谷雫

鳴神もみじ

秋山みなね

中野宇宙美

小野寺楓子

辻遊馬

宮下舞

吉田桃子

相模夕姫

マジカルデイジー

八雲菊

リオネッタ

女子八番 隅田映美子(すみだ・えみこ)

身長 156cm
体重 50kg
誕生日 8月1日(獅子座)
血液型 O
部活動 ソフトボール部
友人 英賀保光里
小野くるみ
園部泉美
生瀬理代
西大路麻美
蓬来江里花
桃山那々子
山科乃梨絵
(女子主流派グループ)
愛称 映美子、えーみ
出身小 椿小学校
家族 父・母・妹
能力値
知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★☆☆☆☆

★★★★★

★★★★☆

★★★★★

★★☆☆☆

★★★★★
明るく元気なムードメーカー。家がパン屋で、いつもふんわりとパンの香りがする。
女子の中で1番の運動能力の持ち主だが、おっちょこちょいでドジを踏むことも多い。
桃山奈々子と共に、今宮朋哉ファンクラブ会員を自称している。
小野くるみ・園部泉美は幼稚園からずっと一緒の幼馴染。
体育委員。

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器: なし(出発前に死亡)
kill: なし
killed: 黄松
死亡話数: 第12話
凶器: 金属バット
 
プログラムを告げられ、クラスメイト同士が殺し合うということを「絶対に嫌」と拒否した結果、赤松に「ここで[ピーーー]ばいい」と提案される。逃げようとするが間に合わず、黄松に頭部を複数回殴打され死亡。<12話>


運動能力を活かすことなく退場でした。
実は直前までどうするか悩みました。他の案としては、ここでは退場しない(全体を決めた後でどうしても他のことに繋がらなくなったので諦め)、拒否による首輪爆発(映画版のノブみたいな。最初はそれで書いたけど詰まってしまった)がありました。

隅田安奈

奈良敬子

森井あやか

完結

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom