ありす「飛鳥さん、そんなに飲んだら……」飛鳥「問題ないよ」 (30)


飛鳥「ふぅ……ふぅ……」

ありす「はぁ……はぁ……暑い……ですね……」

飛鳥「そう、だね。ずっと水も飲めていないし、中々辛いものがあるよ……」

ありす「飛鳥さん……知っていますか?」

飛鳥「……なんだい?」

ありす「ラクダっているじゃないですか……ラクダ知ってます?」

飛鳥「……君は、ボクを馬鹿にしているのかい?」

ありす「馬とか鹿とかじゃなくて……」

飛鳥「……まあ、いい。それで……?」

ありす「ラクダって、一度にどれくらいの水を飲むと思いますか……?」

飛鳥「水…………そうだな。多くて5リットルくらいじゃないかな……」

ありす「ぷっ……」

飛鳥「……ありす。キミの反応には所々腑に落ちない所があるよ」

ありす「すみません……。頭がクラクラしていて……」

飛鳥「……それで、正解は?」


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ありす「……100リットルです……」

飛鳥「……嘘だろ?」

ありす「本当ですよ……パンダPが言っていたので間違いはありません…………」

飛鳥「……誰だ?」

ありす「……番組のプロデューサーさんです」

飛鳥「そうか……。俄かには信じがたいな……。その、証拠はあるのかい……?」

ありす「……証拠なら……オアシスが見つかって……ラクダを連れてきてくれたら……」

飛鳥「……わかった。とりあえず……オアシスを見つけよう…………」

ありす「そう、ですね……」

飛鳥「……暑いな……」

ありす「……それはそうですよ。なんたって、砂漠なんですから……」

飛鳥「……ああ」


ありす「……あ! あ、飛鳥さん!」

飛鳥「どうしたんだ突然…………あ!」

ありす「み、水ですよ! 水!」

飛鳥「どうやら、そのようだな」

ありす「行きましょう! 早く!」ダッ

飛鳥「ああ!」ダッ



飛鳥(ああ、これでボク達は助かるんだ……! 水が飲める。水が――!)





ラクダ「んっ……んっ……」ゴクゴク

飛鳥「」

ありす「」




ラクダ「……ごちそうさん。ほな、また」スタタタタタタ……

ありす「…………」

飛鳥「……ありす」

ありす「……はい」

飛鳥「……キミが正しかったね」

ありす「……はい」

飛鳥「最も……100リットルどころか、オアシスの水をすべて飲み干してしまったのだが」

ありす「……あぁ、あああ……」ポロポロ

飛鳥「…………」


飛鳥「……ありす」

ありす「……グスッ……飛鳥さん? な、何を……」

飛鳥「事は急を要する。……恥ずかしいが、ボクの尿を飲むといい」

ありす「そんな……いいんですか?」

飛鳥「仕方ないさ。海上で漂流した旅人が、尿で一命をとりとめた例もあるそうだよ。ほら、遠慮しないで口を近づけてくれ……」

ありす「……ありがとうございます。では…………あーん」

飛鳥「んっ……」ジョボボボボ


飛鳥(ああ、気持ちがいい。本当は、ボクはずっとこれをしたかったような気がする。だって、こんなに温かくて、リアルで――――)





飛鳥「――――――っ!」ガバッ

ありす「スー……スー……」

飛鳥「そ、そんな……馬鹿な」

ありす「んー……」モゾッ

飛鳥「!」

ありす「……スー……スー……」

飛鳥(そんな……馬鹿な……)




 やあ。ボクはアスカ。二宮飛鳥。ボクはキミのことを知らないけど――って、自己紹介は割愛させてもらうよ。なんといっても緊急事態だからね。

 まずは現状を整理しよう。

 場所。ロケ先のホテル。2人部屋で、ボクは入り口に近い方のベッドにいる。

 人。ボクの隣で、ありすがスヤスヤと気持ちよさそうに寝ている。同室じゃないけど、昨日はCAERULAでの仕事だったから、別室には周子さん、奏さん、文香さん、そしてP。

 原因。間違いなく昨夜のスポーツドリンクが原因だろう。ハードなロケだったから、シャワーを浴びた後にペットボトル一本を飲み干してしまった。ありすに心配されたけど、それを突っぱねてしまったのは悪手だったようだ。

 結論――――最悪だ。

 どうして今日に限って。おも……粗相なんて。中学生になってから一度もしたことがなかったのに。

 ありすにこのことがバレたら……。考えるだにゾッとするね。変に気を遣われるのも、笑い者にされるのも御免だ。特に、周子さんやPにこのことがバレたら、下手したら……。

 落ち着こう。呼吸が乱れたらありすが起きてしまうかもしれない。


 とりあえずは被害の拡大を防がねばならないだろう。感触と尿意的に、きっと挽回可能な量な筈だ。

 音が出ないようにそおっと布団をのけて、速やかにトイレに向かわないといけないね。

 ……うん、大丈夫だ。ボクならできる。

 シーツと掛け布団の擦れる音がやけに大きく感じるけど、大丈夫だ。ゆっくり、ゆっくり……。

「んん……」

「……っ!」

 ――驚いたな。……………………どうやら、寝返りを打っただけのようだ。頼むから驚かせないでくれ。

 よし、一先ず布団を押しやることには成功したね。……うっ、ちょっと匂いがする。これ、ボクの持っている制汗剤でどうにかなるんだろうか。

 トイレに行くときのコツは焦らないことだ。決して足音を立てずに、抜き足、差し足……。

 おっと、スマートフォンも忘れてはいけないね。これは時間との勝負だ。現在の時刻を確認して、ありすが起きる時間を逆算して行動しなければならないからね。

 フフ、まさか小学生の時の苦い経験が生きることになるとはね。……よし、ドアも開けられた。この時も、出来るだけ音を立てないようにゆっくりと行動するのが秘訣だよ。

後半は起きたら投下します。


 電気は付けない。スイッチが音を立ててしまうリスクは勿論、換気扇の音が出てしまうから。

 大丈夫、電気を付けなくとも見る術はあるのさ。そう、iPhoneならね。

 ……うわ、予想はしていたけど、かなりパジャマは濡れているようだ。でも、唯一の救いとしてはネグリジェじゃなくって、ジャージみたいな上下別のパジャマで寝ていたことだな。

 うわ、ズボン重いな……。尿が少し冷えてきて気持ちが悪いぞ。……ふぅ、下半身がスースーするよ。幸い、替えの服は持ってきているから着替えることはできるだろう。

 よし、少しは落ち着いてきた。着替えたらこの服はバッグにある袋に入れるとして、今は少し残っている尿意の処理を――――。

 

 待て。

 

 ……待て待て。落ち着くんだ、ボク。用を足す、それはいい。それはいいとして。

 
 トイレを流す音でありすが起きるんじゃなかろうか?


 ……どうだろう。起きたとして、わざわざボクの布団を見たりするだろうか? いや、普通は見ない筈だ。だったら、別に……。

 いや、待て。

 まだ、どれくらいの量の粗相をしてしまったのかわからないじゃないか。さっき布団をのけた時、ボクは確かに絶望の香りを感じた。仮に、トイレを流す音でありすが起きたとして、その絶望をありすが嗅ぎとったらどうなるかな。

 ――流さないで、用だけ足すか?

 ……時刻を確認しよう。午前2時、か。フフ、フフフ……セカイってやつは。

 無理だ。


 明日の日程的に、ありすがタブレットに設定していたであろうアラームの時間は午前7時。あと5時間もあるじゃないか。

 あと5時間の間、ありすがトイレで起きないなんて保証はどこにもない。起きたとき、便器が黄色に染まっていたら、ありすはボクを軽蔑するだろう。いや、誰だって軽蔑する。ボクだって軽蔑する。

 どうやら、この尿意は全てが終わるまで溜めておかないといけないみたいだね。うん、大丈夫だ。我慢できないほどじゃない。

 ……着替えよう。まずはそれからだ。下半身が裸のままじゃ寒くてたまらない。

 ドアを……うわっ、寒い……。暖房切ってしまったようだな。うん、アイドルは喉が命だからね。ありすの判断は間違いじゃないよ。

 よし、ありすは寝ているね。ふふ、なんて安らかな寝息なんだ。どうかそのまま寝ていてくれよ。

 ……なんてことだ。バッグをどこに置いたのか覚えていないぞ。

 どうする? 手探りで探すか? 見つかればそれに越したことはないんだが。

 ……いや、iPhoneのライトで照らすべきだろう。何か、ビニール袋のような音の出るものを触ってしまったら不味いことになる。

 ありすは……だめだ。常夜灯すら消してしまったせいで、どこを向いて寝ているのか全く分からない。

 多分、ボクのベッドの周辺にバッグはあるだろう。できたら、入り口に近い方にあって欲しいものだな。

 ライトを……うっ、眩しいな。ありすは……うん、問題なさそうだ。

 手前側には……くそっ。やれやれだ……仕方ないね。

 ここにないとなると……やはり、ベッドの間にあると考えるのが妥当だろうね。だが、この強い光ではありすが起きる恐れがある。
 
 ……一瞬だけ照らして、バッグの位置を確認。そのまま必要なもの……着替え、袋、制汗剤……あとは念のためにタオルか……それらを持ってトイレに駆け込む。

 フフ……刹那の輝きのなかに、ボクは何を見るのか……楽しみだね。いや、楽しみじゃないけど。


 おっと、その前に、シーツの被害状況を確認しなくてはならないな。

 シーツを剥がして寝られれば僥倖。最悪の場合でも、明日使う筈だったタオルが3枚くらいある。望むことなら、タオル一枚で済めばいいが……。

 頼む、小さなオアシスであってくれよ……。そらっ。

 
 ―――――――――――――――――。


 P……美しい海だね……美しさは普遍的だからこそいいんだ。

 ってそうじゃないそうじゃない。 嘘だろう? 嘘だと言ってくれ。あまりにも大きすぎる……。

 シーツ一帯、鮮やかな黄世界じゃないか。どうする? どうしたらいいんだ……。

 落ち着け、落ち着け落ち着くんだ。まだ試合は終わっていない。兎も角、着替えることだけ考えよう。

 ベッドの間を……こうだっ! あった! 予想通り、そこにあったか。記憶しろ、時間は限られている。

 …………よし、大体の場所はわかった。ライトはもういらないな。

 それにしても、昨夜のボクはいい判断をしてくれたようだね。キャリーバッグを開けっぱなしにしていてくれるなんて。

 ……寝る前にトイレに行っておけ、というのは流石に贅沢かな。


 どのルートでバッグに向かうか、迷うところだな。

 今の角度から真っ直ぐ、ベッドを跨ぐように進めば、そこにボクのバッグがあることはわかっている。わかっているのだが……。

 迂回だ、それしか選択肢はない。

 流石に汚れたシーツの上で作業をするのは嫌だ。それに、ベッドの軋む音でありすを刺激してしまうリスクもあるしね。それに、……と、ボクは誰に言い訳をしているんだ。

 大丈夫、場所は覚えている、大丈夫……。音のないセカイのまま、ゆっくりと移動するんだ。

 そろそろ、この辺りに……痛っ。

「いてっ」
 
 …………ああああああああああああああああ! 何をしているんだボクは!

 頼む、頼む、起きないでくれ…………!

 ―――――よし、よしよしよし。良かった、寝息が聞こえている。

 感触的に、さっきぶつかったのはボクのキャリーバッグで間違いないだろう。このまましゃがんで、必要なものを回収しよう。

 ここまできたらスピード勝負だ。これは……ズボンだな。下着もあった。……タオルよし、制汗剤も、よし。後は袋を――――。



「……ん……飛鳥さん……?」



「――――――――――」

「……んん……なに、してるんですか?」

「……済まない。起こしてしまったみたいだね」

「…………」

「なに、大したことじゃない。少し喉が渇いてしまってね。バッグの中の飲み物をとろうとしていたんだよ」

「……そう、ですか…………ふぁ……」

「まだ朝には早い。大したことじゃないから、ゆっくりお休み」

「……」

 ……どうだ。

「……はい、お休みなさい。……むにゅ……」

 ―――――――――――よし、よおおおし!


 フフフッ、フフフフフ……。

 「運」はボクに味方してくれている……!

 「命」を「運」んで来ると書いて『運命』!……フフ、よくぞ言ったものだ。

 いまのやりとり……非常にリスクを背負ったものだったが、ボクはそれを乗り越えることができた。

 ライトをつけることはできないが、音を出してもありすはもう気にしない。

 悠々とビニール袋を取らせてもらうよ。フフフフフ……。

 そして普段のようにトイレに入らせてもらう。……ああ、電気だってつけて構わないんだよな。フフ、困ったな。ボクは逆にライトの明かりが無い方がありがたいんだがね。

 お花を摘ませてもらうよ、ありす。…………ああ、気持ちがいい。これがトイレを流す音なんだね。ずっとボクはこれを待っていたような気がするよ。

 ……着替えが暖かい。これが人類の生み出した衣服というものか。ボクは先人に感謝をしないといけないみたいだ。

 よし、残りはあの黄色い太平洋だ。今のボクにかかればお茶の子さいさいだ。

 お茶の子さいさ……。


 お茶の子……。



 お茶……。



 あれ……。





 どうしよう、あれ。


 参ったな。すっかり失念していた。

 これまでの経験上、あれほど大きなものは対処したことがないぞ。ベッドの下半分全部染まっていたじゃないか。

 どうにかシーツを取り換えようにも、あのサイズはきっと、もうベッドにまでボクのセカイが染み込んでしまっているだろう。

 あれを乾かすのは無理がある。どうしたら……。

 ……というか、粗相をしてしまったら、ホテルの人に言わなくてはならないんじゃないか?

 ……嘘だ嘘だ。冗談だろう? 折角ここまできて、まさかそんなことがあるはずが。

 落ち着け、落ち着くんだ二宮飛鳥。水を飲もう。……んっ、ぷは。

 ホテルの水とはいえ、東京と違って地方は水がおいしいね。それに、気が付かないうちに、気が付かないうちに喉が渇いていたみたいだ。どれ、もう一杯いただくとしよう。

 ……はぁ。少し落ち着いてきた。そうだ、他ならぬボク自身が混乱してしてはいけないぞ。

 まだ終わりだと決まったわけじゃない。

 こういうのはどうだろう。

 とりあえず、ボクのできる最大限の処理をする。そして明日の朝、ありすよりも先に起床したらフロントに行って、事情を説明する。

 もしクリーニング代が必要になったら、ボク自身の粗相だ、自分のお金で支払いをしよう。

 その時、フロントの人には恥ずかしいから口外しないようにとお願いをする。

 ……自分がオトナじゃないことを、これほどにまで感謝する日が来るとはね。人生とはわからないものだ。

 或いは、何も言わずに何食わぬ顔でチェックアウトするか? いや、それはないね。

 Pに連絡がいくかもしれない。それは御免蒙りたいし、何よりボクはアイドルなんだ。

 わざわざ、自分の評判が下がることをする理由はないね。


 そうと決まれば、早急にとりかからねばならないな。

 しかし、どうする? あの上で寝てしまってはビシャビシャになってしまう。

 手持ちには、ハンドタオルが3枚。それと、もう役に立つ気もしないけど制汗剤。

 拭くだけ拭くか? ……いや、それはリスキーだな。

 ありすには飲み物を飲むと言っているんだ。あまり大きな行動をしてしまうと、今度こそしっかり起きてしまうかもしれない。

 となると……布団だけかぶせてベッドの脇で寝るか、或いは徹夜をするか。

 ……両方厳しいな。

 前者であれば掛け布団が欲しい所だが、掛け布団を取ってしまってはあのシーツが露わになってしまう。後者も現実的ではないな。明日も仕事があるんだし。

 そもそも、ボクが布団にいなかったらありすは不審に思うだろう。それに加えてあの暴力的なアンモニア、どうなるかは目に見えているね。

 これは困ったな。

 大体、臭いを抑えるための制汗剤だってスプレーだ。いつもは意識していないけれど、この漆黒のセカイにスプレーの音は大きすぎる。

 タオルでふき取るのもだめ、制汗剤で消臭を図ることすら厳しい……か。

 やれやれ、どうしたものかな。
 


 時刻は午前2時30分。いくらなんでも、フロントに行くには早すぎるね。

 あまり長い時間トイレにこもっているのも得策ではないだろうな。早いとこ何か思いつけばいいのだが……。


 ……吸いだすか。


 ……あまり馬鹿な事を考えるのはよそう。時間の無駄だ。

 だが、そうでもしなければ、あの上で寝ることなど不可能だ。

 臭いをどうにかしつつ、濡れないように布団で寝る方法……。


 ――はっ!


 フフフフフ……これはいける、これはいけるぞ。
 
 まずは、タオル三枚に制汗スプレーを塗す。っ、かなり音が大きいね。タオルで押さえつけるようにして……よし、これで大分抑えられたな。

 これで、タオルに匂いが着いただろう。うん、中々いい匂いだ。

 そして、トイレから出て……ありすは寝ているか。まあ、今となってはもう関係ないけどね、フフッ。

 そして、先程匂いをつけたタオルをシーツの上に配置する。ど、どうだ……? 
 
 ……勝った。


 あれだけ気になっていた臭いが大分マシになった。

 厚手のタオルで助かったよ。ふぅ、久方ぶりの布団だな。うん、暖かいし、タオルのおかげであまり湿っぽさも感じないな。

 後は、ありすよりも早起きして、フロントに行けば大丈夫だ。

 タイマーは6時でいいかな。1時間もあれば、話をつけるには充分だ。

 ……些か疲れたな。何にしても、どうにかなって本当に良かった。

 散々な目に遭ったけど、夢くらいは、優しいものを見られるといいな。


◇ 
 
ありす「わぁ……!」


飛鳥「これは……壮観だね」

ありす「飛鳥さん、泳ぎましょう!」

飛鳥「フ……そんなに慌てなくても、海は逃げはしないよ」

ありす「そうとは限りません。海だって、いつ干上がるのかわからないんですから」

飛鳥「そうだね。泳ごうか。……あまり得意ではないのだけど、今日くらいはいいか」

ありす「…………あっ!」

飛鳥「うん?」

ありす「あ、飛鳥さん……。あ、あれ……」

飛鳥「……あれ、は」





ラクダ「んっ……んっ……」ゴクゴク

飛鳥「」

ありす「」




ラクダ「……ごちそうさん。ほな、また」スタタタタタタ……

ありす「…………」

飛鳥「……ありす」

ありす「……はい」

飛鳥「……ラクダって、オアシスの水を飲み干してしまうほど水が飲めるんだ。知っていたかい?」

ありす「……そうなん、ですね」

飛鳥「最も……オアシスどころか、海の水をすべて飲み干してしまったのだが」

ありす「……あぁ、あああ……」ポロポロ

飛鳥「…………」


飛鳥「……ありす」

ありす「……グスッ……飛鳥さん? な、何を……」

飛鳥「キミの涙は見たくない。……恥ずかしいが、ボクの尿で海を作るとしよう」

ありす「そんな……いいんですか?」

飛鳥「仕方ないさ。旧約聖書によると、神は7日間でこの世界を創造したそうだよ。勿論、ボクにだってできる。ほら、遠慮しないで浮き輪を用意してくれ……」

ありす「……ありがとうございます。では…………できました!」スッ

飛鳥「んっ……」ジョボボボボボボボ


飛鳥(ああ、気持ちがいい。本当は、ボクはずっとこれをしたかったような気がする。だって、こんなに温かくて、リアルで――――)





「――さん。――かさん。飛鳥さん!」

飛鳥「――――――っ」バッ

ありす「飛鳥さん! アラーム鳴ってますよ。……どうしてこんな早くにアラームを?」

飛鳥「…………そんな、馬鹿な……」

ありす「……飛鳥さん?」

飛鳥「ありす……………………今すぐここにラクダを連れてきてはくれないか」

ありす「えぇ……」




年末に何を書いているのだろう。
読んでいただいてありがとうございました。寝る前にはしっかりおしっこをするようにしましょう。

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