にこ「寒い日といえば花陽」 (23)
ー部室ー
にこ「さ、寒ぅぅぅ~~~!何℃なのよ今日!?」ブルブル
にこ「は、早くストーブストーブ!」カチッ
にこ「………?」
カチッ カチッ
ストーブくん『(灯油が入って)ねえんだよこの野郎』
にこ「ぬぅわぁんでよっ!?」
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にこ「誰よ昨日最後に部室出たのは!?」
にこ「………(回想中)」
にこ「………私だった……」
にこ「クッ、どうしよう……」
にこ「と、とにかくこの寒さを凌ぐためにジャージでも履いて………」
にこ「って駄目よ駄目よ!このにこにーが制服の下に芋ジャー履いて過ごすなんて!!スクールアイドルいや!女の子辞めた方がマシよ!!」
にこ「………はぁ、1人で何やってんのかしら、私……」
にこ「しょーがない、灯油入れに行ってこ……」トボトボ
ー廊下ー
にこ「ぐっ……!廊下は更に寒い…!」
にこ「部室に入ればセーフだと思ってた矢先にアレだったから、余計に寒く感じるわ……」
チョンチョン
にこ「……ん?」
花陽「にこちゃん!」
にこ「あ、ああ花陽……」
花陽「今から部室に行くの?花陽も一緒にいいかな?」
にこ「いや、部室にはもう行ったんだけど、先にコレをね」
花陽「ストーブのタンク?……あっ!灯油がキレテタノォ!?」
にこ「そっ、だから補充してくるわ」
花陽「い、いやいや!そういう事は1年生の役目だよぉ!」
にこ「……アンタ意外と体育会系の思考ね。凛の影響かしら」
にこ「いいのよこういうのは、気付いた人がやっとけば。花陽が気付いたら花陽がやってくれてたでしょ?」
花陽「そ、そうだけど、花陽は1年生だからいいんだよ!」
にこ「今更何言ってんのよ?μ'sは先輩禁止でしょうが」
花陽「そ、それでもです!にこちゃんにそんな重たい物持たせられないヨォ!!」
にこ「……アンタって本当にいい子ねえ。凛や真姫ちゃんじゃ絶対出てこない言葉だわ……」
花陽「そんな事ないよぉ……///」
にこ「……ま、アンタはこうなったら聞かない子だからね」
花陽「にこちゃん……!それじゃあ!」
にこ「じゃ一緒に行きましょうか」
花陽「はいっ!お任せ下さ……えっ!?」
にこ「?何よ」
花陽「いやいやいや!!そこは花陽にそのタンクを渡してじゃあお願いねって言って別れる所でしょう!?何でにこちゃんまで!?」
にこ「アンタ今日グイグイ来るわね……。別にいいじゃない、どうせ後で2人とも部室に入るんだから」
にこ「それに今日はどこに居ても寒いんだから、なんかしてた方が気が紛れるのよ」
花陽「でもぉ……」
にこ「あんまり頑固だと嫌われるわよ?それともにこと一緒に行きたくないの?」
花陽「い、いえいえ!是非ご一緒に……あっ!」
にこ「ふふっ、ホラ、早く行くわよ?」
花陽「うぅ……///」
ー職員室ー
にこぱな「「失礼しました~」」
花陽「灯油庫の鍵も借りれたし、あとは灯油を入れてくるだけだね!」
にこ「……理不尽よ………」
花陽「えっ?なにが?」
にこ「何で職員室はあんなガンガンにエアコン点けてんのよ!?贔屓よ!職務怠慢よ!!」
花陽「に、にこちゃん……ここ職員室前の廊下だから……(しかも微妙に使い方間違ってるし…)」
にこ「全く……にこ達は廃校の危機を救ったスクールアイドルグループなのよ?もうちょっとぐらい待遇良くしてくれてもいいと思わない?」
花陽「そ、それは今は目的が違っちゃってるし……」
花陽「ていうか、暖かかったのならちょっとの間、職員室で暖を取らせて貰えば良かったんじゃ……」
にこ「イヤよ。いくら暖かくても、あの何にも悪い事してないのに悪い事してそこに居るような気分になる空気の中になんて、用事がなければ1秒でも居たくないの」
?『それはにこっちの素行のせいやん?』
にこ「精神に語りかけて来るな!!」
花陽「あ、あはは……」
ーグラウンドー
にこ「さて……」
花陽「………」
にこ「……………」
花陽「……………」
にこ「…………………」
花陽「あ、あの……にこちゃん?」
にこ「………何?」
花陽「グラウンドに出たくないなら、やっぱり花陽が行ってくるから……」
にこ「いや、ここまで来たら行かなきゃでしょ……」
花陽「でも、お外の気温1℃だよ?」スマホミセ
にこ「温度見せないで!余計寒くなる!!」
にこ「……ていうか、花陽は寒くないの?」
花陽「う~ん、寒いけど、我慢できないって程じゃないかも」
にこ「す、凄いわね……」
花陽「花陽は昔から、寒い日でも凛ちゃんにお外に連れ回されてたから、寒さに耐性が付いちゃったのかも?」
花陽「あ、それにほら、ストッキングも履いてるし」
にこ(………言えない……この子にだけは………)
にこ(さっきまで寒さに耐えかねて制服の下にジャージ履こうとしてたなんて……)
花陽「あ、あの……にこちゃん、本当に大丈夫?」
にこ「………ええ、覚悟を決めたわ」
にこ「いざ!!」
ビュォォォォォォォォォォ
にこ「寒ゥゥゥイ!!!」
にこ「ちょっと寒過ぎないかにゃぁぁぁぁぁ!!?」
花陽「に、にこちゃんキャラがカワッチャッテルヨォ!!」
にこ「無理無理無理死んじゃう死んじゃううぅぅぅ~~~!!」
花陽「に、にこちゃん………」
にこ「………はっ!!」
花陽「……………」ナミダメ
にこ「………ゴメン、取り乱したわ……」
花陽「う、うん………」
花陽「に、にこちゃん……本当に無理しないでぇ……」ウルウル
にこ「だ、大丈夫。大丈夫よ花陽……」ナデナデ
にこ「……………!!」ナデナデ
花陽「?」
にこ「花陽………」ナデナデ
花陽「どうしたの?にこちゃん」
にこ「アンタって………」ナデナデ
花陽「うん?」
にこ「暖かいわね………」ナデナデ
花陽「へ?」
にこ「花陽、ちょっとそこ動かないで。フリーズよフリーズ」
花陽「う、うん……?」
モギュッ
花陽「ピャァッ///」
にこ(うわなにこのこすっごいあったかい)ギュー
花陽「に、にこちゃん……///」
にこ(赤ちゃん?モフモフのワンちゃん?ネコちゃん?いや……これは………お日様!!!)
にこ(そう、まるで春の陽気の下、小さな泉の傍に咲いている一輪の花を見ているような………)
にこ(お日様の香りとお花の香りをタップリと蓄えたふかふかのお布団に包まれているような………)
にこ(幸せがヒトの形を象ったような………)
にこ(小泉花陽……あゝ、まさにその名の如く………)
にこ「行ける……!にこは……灯油を入れに行けるわ!!!」モッギュー
花陽「う、うん///」
花陽(にこちゃんいい匂いだなぁ///)
ー灯油庫ー
トットットッ
にこ「……よし、もうちょっと」
花陽「う、うん///」 ギュー
トットットッ
花陽「ね、ねえにこちゃん……///」ギュー
にこ「何?」
花陽「花陽、いつまでにこちゃんを抱っこしてなきゃいけないのかなぁ///」ギュー
にこ「部室に戻ってストーブが点くまで」
花陽「エ゛エッ!!?」
にこ「………よし、と。補給完了。さ、戻るわよ花陽。今度はにこが抱っこしながら戻ってあげる!」モギュッ
花陽「うぅ……恥ずかしいよぉ……///」モギュッ
にこ「♪」ポカポカ
花陽「///」ポカポカ
ー再び部室ー
花陽(うぅ……途中で何人かに見られちゃった///)
にこ「よし、タンクのセットも完了!さ、点けるわよ~♪」
にこ「あ、花陽はまだ抱っこしててね?まだ寒いから」
花陽「う、うん///」ギュー
にこ「スイッチオン!」カチッ
にこ「…………」
花陽「…………」ギュー
カチッ カチッ
ストーブくん『し~~~ん(笑)』
にこ「」グワッ
花陽「に、にこちゃん拳を振りかぶっちゃダメェェェ~~~~~!!!」 ギューーーッ
にこ「ぬぅぅぅわぁんなのよこのポンコツストーブは!!?絵里でも入ってんじゃ無いでしょうね!!?」
花陽「そ、そんなハズ無いヨォ……」
??『ポンコツの所は否定してくれないのね……』
花陽(今、脳内に声が!?)
にこ「はぁはぁ……ま、まあいいわ………」
花陽「え?いいの?」
にこ「ええ、暖を取る方法は別にあるしね?」
花陽「え?それって………」
にこ「こうよ♪」モギュッ
花陽「ピャァ///」
にこ「はぁ~~~やっぱり暖かいわね~~~花陽♪一家に1人欲しいわぁ~~~♪」ギュー
花陽「あうぅぅ……///」
花陽(ちょっと恥ずかしいけど……大好きなにこちゃんのお役に立てるならいいよね?花陽にとっても役得だし///)ギュー
にこ「♪」ポカポカ
花陽「♪」ポカポカ
ストーブくん『計画通り』
ストーブくん『ちなみにワイ電気併用のやつやから、コンセント抜けてると動かないんやで』
おしまいです
慕ってくれる後輩の前ではカッコつけたい先輩とイケメンな先輩も残念なイケメンな先輩も大好きな後輩のにこぱな良いと思うんだぁ
あと花陽ちゃん抱っこしたい
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