にこ「…今月の生活費がやばい」【ラブライブ!】 (470)

にこ「けど、前にバイトのやりすぎで倒れて以降、ママはバイトにいいイメージをもたなくなっちゃったし…」

にこ「かといって、食費をこれ以上切り詰めるのは……まだ小さい妹たちには、出来るだけ栄養のあるものを食べさせてあげたいし…」

にこ「……よし、にこの食費だけを切り詰めるわ」


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一日に二つもスレ立てすみません
書き溜めなし、時折安価で書いていきます



―翌日―


にこ「」グッタリ

穂乃果「に、にこちゃん!? どうしたの、大丈夫?」

にこ「ええ……大丈夫よ…ちょっと眠いだけだから」

ことり「眠いというより、やつれてるように見えるんだけど…」

にこ「き、気のせいよ」

にこ(昨日の夜から何も食べてないから、力が出ない…)

絵里「にこ、体調が悪いなら練習は休んだほうがいいわよ」

海未「そうです。無理をして風邪なんてひいたら大変ですから」

穂乃果(なぜか、風邪って言葉を聞くと心が痛む…)

にこ「大丈夫だってば。ほら、みんな早く練習を――」

グウゥーーーッ


μ’s「」

絵里「え、えっと、今の音は…」

凛「誰かのお腹の音かにゃ?」

ことり「えっと…」チラ

にこ「……ご、ごめんなさい…」

ことり「い、いや、謝る必要なんてないよ」

希「にこっち、お腹すいてるん?」

絵里「ちゃんとお昼食べた? 私と希は今日、生徒会室で昼食をとったから、にこのこと見てなかったけど…」

にこ「た、食べたけど、ちょっと足りなかったのかもね」

にこ(言えない……ひたすら水道水ばっかり飲んでたなんて…)

希「じゃ、うちのクッキーあげる」

にこ「え、いいのっ?」パァッ

希「えーよ。あまりもんで悪いけど」

穂乃果「あ、じゃぁ私のお菓子もあげるー」

凛「なら凛もー」

にこ「あ、ありがとう…!」



絵里「…練習はもうしばらく待った方がいいみたいね」

海未「ですね。まぁあまりお腹がすいたままでは練習にも身が入らないでしょうし、少し休憩してから始めましょう」

ことり「じゃぁことりもにこちゃんにお菓子あげてこよっかな」

花陽「あ、なら花陽もおにぎりを…」

真姫「というか、みんなお菓子とか持参するのが普通になってるわね…」

絵里「確かに……一応生徒会長として注意すべきなのかしら…」

真姫「…まぁ今日くらいはいいんじゃない?」

絵里「…そうね。このまま放っておくと、にこ倒れちゃいそうだし」


―翌日―


にこ(今日はさすがに昨日みたいなことになるわけにもいかない…)

にこ(お腹がなっちゃわないように、ちゃんと水でお腹をふくらませておかないと)ジャー

希「にこっち?」

にこ「!」ビクッ

にこ「の、希…それに絵里も。確か今日も生徒会室でお昼なんじゃなかった?」

絵里「たまたま早く終わったから、教室に戻ろうかなって思ってたんだけど……こんなところで何してるの?」

にこ「水を飲みに…」

絵里「水を? お昼はもう食べ終わったの?」

にこ「う、うん、まあ、ね…」メソラシ

希「…にこっち、嘘つくんやったらもうちょっと上手くついたほうがええよ?」

にこ「……やっぱりバレるわよね」ハァ

絵里「どういうことか、説明してもらえる?」

にこ「………実は…」


―――
――


絵里「と、いうわけらしいの」

ことり「あー…だから昨日あんなにお腹をすかせてたんだね」

海未「にこ、偉いです……妹さんのために自分を犠牲にするなんて…」

穂乃果「でもそれじゃにこちゃんの体がもたなくなっちゃうよ」

にこ「そうは言われたって、仕方ないじゃない。もう削れる出費は削り切ったし、バイトしたらママが心配するし…」

穂乃果「んー………あ、そうだ! じゃぁ私のとこでバイトすればいいんだよ!」

にこ「…どういうこと?」

穂乃果「だから、私の家でバイトすればいいんだよ。それならにこちゃんが無理する前に、私が止めてあげられるし!」

にこ「いや、でもそれはなんか悪いし…」

穂乃果「にこちゃん。自分の体のこと、ちゃんと考えてあげてよ」

絵里「そうよ。体を壊しちゃったら、元も子もないわ」

絵里「あ、なんなら私の家でバイトしてくれてもいいのよ?」

にこ「え? けど絵里の家は普通のお家よね?」

絵里「ええ。だからやることと言ったら、私や亜里沙の喋り相手くらいだけど」

にこ「そ、それでお金をもらうのはさすがにちょっと…」

絵里「ならこうしましょう。報酬はお金じゃなくてお昼で払うわ」

にこ「お昼?」

絵里「私が手作りのお弁当を作ってあげるってこと」

にこ(お、お弁当…!)

希「それ、いいかもしれへんね。お金のやりとりはにこっちが嫌がりそうやし、物のほうが気兼ねなく受け取れるやろ?」

にこ「まぁそうだけど…でも…」

絵里「もう、いつまで遠慮してるつもりなの」

穂乃果「そうだよー。なんなら私のとこもお金じゃなくてお昼でいいから」

希「たまには人に甘えることも必要やで? なんなら、うちのとこでもいいし」

ことり「そうだね。ことりのところでも大歓迎だよ」

海未「私のところもちょうど人手がほしかったところなので」

花陽「は、花陽も歓迎しますっ。一度でいいからにこちゃんと朝までアイドルのことについて語り合いたくて…!」

凛「じゃー凛もー。あ、でも凛は料理得意じゃないから、お母さんに頼むことになるかもだけど」

にこ「みんな…」ジーン

真姫「……」

凛「真姫ちゃんもオッケーだって!」

真姫「ちょっ、なに勝手に決めてるのよ!」

凛「いや、だってそんな目してたにゃ」

真姫「なっ………、ま、まぁ、にこちゃんが困ってるって言うなら…少しくらい、力をかしてあげてもいいけど」

にこ「真姫ちゃんまで…ありがとう…」

真姫「別に…」

希「じゃぁにこっち、誰にする?」

にこ「え?」

絵里「全員立候補したのはいいけど、にこは八人もいないでしょ?」

絵里「明日のことも考えると、バイトをはじめなら今日からがいいと思うし……誰にするか決めてくれる?」

にこ「え、にこが決めるの?」

希「そりゃ、それが一番やろ」

にこ「えっと……」

にこ(みんなの気持ちは嬉しいし、あんまり誰か一人に決めるとかしたくないんだけど…)チラ

にこ「じゃ、じゃぁ……>>13にお願いする」

ほのか

にこ「じゃぁ穂乃果にお願いするわ」

穂乃果「やった! よろしくね、にこちゃん!」

絵里「あら、フラれちゃったわね」

希「同級生の絆なんてそんなもんやんな…」シクシク

にこ「ごめん、そのわざとらしい嘘泣きやめてくれる?」

穂乃果「じゃぁ今日の帰り、うちに寄って行ってね!」

にこ「ええ。……あ、た、ただあんまり夜遅くまでになると、妹たちが…」

穂乃果「あー、そうだよね。小さい子二人でお留守番は心配だろうし……うーん、どうしよ…」


ピリリリリ


にこ「あ、ごめん。にこの携帯……って、ママから? ちょっと出てくる」スタスタ

にこ「もしもし? あ、ママ。………えぇっ、学生時代の友達の結婚式に出るためにハワイに行く!?」

にこ「ちょ、ちょっと待ってよ、そのお金はどこから……あ、友達もちなの。それならいいけど…って、いいのかしら…」

にこ「……え? もう出発してるの? こころとここあも一緒に? ちょっ、にこはどうすればいいのよ!? えっ、一週間お留守番してろって? なによそれ!」

ギャアギャア


海未「…なんだか、大変そうですね」

ことり「だね。というか、娘一人をおいてハワイに行っちゃうのは、どうなんだろう…」

希「まぁにこっちは家ではしっかりしてるし、大丈夫や思われたんちゃうかなぁ」

絵里「にこも色々と苦労してるのね…」



にこ「というわけで、妹たちの問題は解決したわ…」

穂乃果「う、うん。よかったね…って、言うべきなのかな?」

にこ(……ん? というか、ママたちが一週間いないんだったら、もう食費はなんとかなるんじゃないの…?)

にこ「…」チラ

穂乃果「まぁ私はにこちゃんと一緒に働けて嬉しいけどねー、えへへー」

にこ(……とてもじゃないけど、言える感じじゃないわよね)

にこ「えっと…じゃぁ穂乃果、よろしくね」

穂乃果「うんっ」


―――
――


ガララ

穂乃果「ただいまー」

にこ「おじゃまします」

ほのママ「おかえりなさい。あら、あなたは確か……穂乃果が風邪をひいたときにお見舞いに来てくれた…」

にこ「あ、はい。穂乃果…さん、と、同じμ’sに所属してます、三年の矢澤にこです」ペコリ

穂乃果「おぉ……にこちゃん、敬語使えたんだ…」

にこ「あんた、にこをなんだと思ってんのよ…」

穂乃果「あ、そうだ。お母さん、あのね」



ほのママ「なるほどね。そういうことなら、お手伝いお願いしちゃおうかしら」

にこ「は、はい。よろしくお願いします」

ほのママ「ふふ。そんなに緊張しないで、気楽でいいのよ。この時間だからお客さんも少ないし、ちょっと暇かもしれないけど」

ほのママ「はい、じゃぁこれ、うちの制服……といっても、ただのエプロンだけど」

にこ「ありがとうございます」

ほのママ「じゃぁ早速、二人にお店を任せていいかしら? 私は厨房のほうに行ってくるから」

穂乃果「はーい」

にこ「はい」

ほのママ「じゃぁ頑張ってね」

タタタタ


にこ「はぁ……緊張した…」

穂乃果「そんな硬くならなくていいよー。うちの家族、あんまり礼儀とか気にしないタイプだし」

にこ「それでもやっぱり少しは緊張するわよ」

にこ(…というか、友達のお母さんに挨拶するのとか初めてだったし…)

穂乃果「じゃぁにこちゃん。エプロンつけたげる」

にこ「いや、自分で着けれるけど」

穂乃果「私がつけたいんだけどなぁ…」シュン

にこ「わ、分かったから。じゃぁお願い」

穂乃果「わーい。じゃーはい、肩にエプロンかけてー」スル

穂乃果「後ろのひもを結んでっと……よし、できた!」

にこ「ありがと」

穂乃果「うん、どういたしまして! じゃぁ、はい」スッ

にこ「? エプロンならもう着けたけど?」

穂乃果「違うよ。私のはにこちゃんがつけて?」

にこ「ああ、なるほど…」

にこ(…なんでわざわざ着させっこするのかしら…)スルスル、キュッ

にこ「はい、できたわよ」

穂乃果「ありがと。へへ、にこちゃんとおそろいだー」

にこ「そうね」

穂乃果「なんかにこちゃんはあんまり嬉しくなさそうだね…」

にこ「いや、まぁ……だって、学校の制服を着て「おそろいー」って言ってるようなもんだし」

穂乃果「それはそうだけど……まぁいいや! じゃぁ早速お仕事はじめよっか」

にこ「というか今更なんだけど、仕事ってなにをすればいいの?」

穂乃果「お客さんが来てない間は品物の整理とか、ちょっとした清掃とかかな」

穂乃果「とりあえずちょうど品出しの時間だから、それを手伝ってくれる?」

にこ「了解」


―数分後―


穂乃果「よし、かんりょー」フゥ

穂乃果「やっぱり二人でやると早くていいね!」

にこ「穂乃果はいつもこれを一人でやってるのよね。…初めてあんたのこと見直したかも」

穂乃果「褒めるなら素直に褒めてくれればいいのに…」

にこ「で、次はなにすればいい?」

穂乃果「んー、この時間はお客さん少ないし、掃除もお母さんがやってたみたいだし…」

穂乃果「……あの、お店とは関係ないことだけど、いい?」

にこ「なに?」

穂乃果「にこちゃんとお話したいなって」

にこ「話? …仕事中なのにいいの?」

穂乃果「もちろん、やることが出来たらすぐやめるよ。ほら、学校じゃあんまり二人きりで話す機会ないし……だめ?」

にこ「いや、まぁ…穂乃果がいいならいいけど…」

穂乃果「やった! じゃぁそこ座って!」グイッ

にこ「ちょ、お、押さないでよ」



にこ「……けど、改まって話っていっても…話題が思いつかないんだけど」

穂乃果「うーん……」

穂乃果「あ、じゃぁ、>>23

あのキャラって辛くない?

穂乃果「にこちゃんのキャラについて話そう!」

にこ「キャラについて? まぁいいけど…」

穂乃果「正直、あのキャラって辛くない?」

にこ「」

にこ「……あんたってホント、言いにくいことをストレートに言うわよね…」

穂乃果「そんなところが素敵だって、よく小学校の通知表に書いてあったよ」

にこ「ああ、そう…」

にこ「別に辛くないわよ。あのキャラはもう一人のにこみたいなものだし」

穂乃果「でも普段こうしてるときとはずいぶん違うよね? 口調とかも」

にこ「穂乃果ちゃんが望むなら、このモードのにこにーで喋ってもいいニコっ」キラッ☆

穂乃果「いや、普通でお願い」

にこ「…あっそ」

にこ(あんな素で返されると、ふざけたにこがバカみたいじゃない…)グヌヌ

穂乃果「というか、そもそもなんでにこちゃんは、そんなにキャラを作ることにこだわってるの?」

にこ「そりゃアイドルだからよ。アイドルはファンを笑顔にさせる仕事なんだから、それに応じたキャラってもんがあるでしょ」

穂乃果「…」ウーン

穂乃果「ねぇ、にこちゃん」

にこ「なによ」

穂乃果「好きだよ」

にこ「…急になんなのよ」

穂乃果「ね、にこちゃんは私のこと好き?」

にこ「はいはい、すきよ、だいすきー」

穂乃果「すごい棒読み……にこちゃん、ほんとは私のこと嫌いなんだね…」シュン

にこ「ホントなんなのよあんたは……ああもう、嫌ってないから、そんなシュンとしないでよ」

穂乃果「ほんと?」パッ

にこ「嘘言ったってしょうがないでしょ」

にこ「……今日だって、あんたが最初にバイトのこと言い出してくれたし、そういうとことか嫌いじゃないわ」

穂乃果「……へへ」ニマ

にこ「な、なによ、そのしまりのない顔」

穂乃果「いや、やっぱりにこちゃんは素のほうが可愛いよ」

にこ「はあ? そんなわけないでしょ。にこにーモードのが可愛いわよ」

穂乃果(あれ、にこにーモードっていうんだ…)

穂乃果「じゃぁさ、もしもファンの人に「好きだよ」って言われたら、どう答える?」

にこ「そりゃぁ笑顔で答えるけど」

穂乃果「やってみて」

にこ「えっと……、わぁっほんとー? 嬉しいっ、にこもあなたのことだーい好きニコっ! にこにーこれからも頑張るから、ずぅーっと応援してくれると嬉しいニコ! ……って、感じ」

穂乃果(本当に見事に変わるなぁ……表情とか、声音とか)

穂乃果「うん、やっぱり素のほうが可愛い」

にこ「…あんたの感覚がおかしいんじゃない?」

穂乃果「えー、そっかなぁ」

にこ「そうよ」

にこ(…そういえば、素のほうが可愛いなんて、初めて言われた気がするわ)

穂乃果「まぁアイドルモードのにこちゃんも嫌いじゃないんだけど――」


ガラッ


穂乃果「あ、いらっしゃいませー…って、あれ? >>29ちゃん?」

会長としてエリチカかな

穂乃果「絵里ちゃん?」

絵里「ちょっと心配だったから、二人の様子を見に来たの」

にこ「心配って……まさかにこが仕事サボると思ってたの?」

絵里「そうじゃなくて、あなたが無理してないかどうかよ」

穂乃果「それなら大丈夫だよー。私がちゃんと見てるし、そもそも無理するほど忙しくないし!」ドヤッ

にこ「後半にいたっては、威張って言うのはどうかと思うんだけど…」

絵里「ま、まぁそれならよかったわ…って、言うのも変だけど」

穂乃果「ね、せっかく来たんだし、絵里ちゃんも一緒にお話ししていこうよ」

絵里「ええ、いいけど……お店はいいの?」

穂乃果「大丈夫。この時間は人少ないし、来るとしても常連さんがほとんどだし、常連さんは私が友達連れ込むのに慣れてるし」

絵里「慣れているというのも、どうかとは思うけど…」

穂乃果「かたいことは気にしない!」

にこ「穂乃果ってホント、楽観的ね……うらやましいわ」



穂乃果「さて、じゃぁ三人になったし、改めてにこちゃんのキャラの話をしようか!」

にこ「そうね……って、なんでよ! それはさっき終わったでしょ」

穂乃果「えー、絵里ちゃんにも意見聞きたかったのにー」

絵里「にこのキャラって……あの、ニコーって語尾をつけて喋る、あれのこと?」

穂乃果「そうそう、そのにこにーモード!」

絵里(にこにーモードっていうんだ、あれ)

穂乃果「あのモードより、普段のにこちゃんのほうが可愛いよね?」

にこ「いや、だからその話はもういいって…」

絵里「…」チラ

絵里「好みは人それぞれだけど……素のにこも可愛いと思うわ」

にこ「絵里もそんな大真面目に答えなくても…」

穂乃果「ほら、やっぱり! 前に海未ちゃんとか真姫ちゃんも言ってたもん」

にこ「そんなバカな……というか、にこのいないとこで何の話してるのよ…///」

絵里「まぁそうやって照れるところは普通に可愛いよ」ナデナデ

にこ「ちょ、子供あつかいしないでよ」ペシ

絵里「そんなつもりはないんだけど……まぁいいわ」

絵里「それよりにこ、あなた今日どうするの?」

にこ「え?」

にこ「どうするって、どういうこと?」

絵里「このバイトが終わった後のことよ」

にこ「普通に家に帰るけど…?」

絵里「え、帰るの?」

にこ「そりゃ帰るわよ。にこの家だもん」

絵里「でもお家には誰もいないんでしょ?」

にこ「まぁ家族はみんなハワイに行ってるしね」

絵里「……えっと、一人でお留守番、できるの?」

にこ「」イラッ

にこ「あんたやっぱ、にこのこと子供あつかいしてない?」

絵里「そ、そんなこと……あるかもしれないわね」

にこ「せめてそこは否定しなさいよ!」

穂乃果「まぁにこちゃんちっちゃいもんねー」

にこ「身体の大きさは関係ないでしょ!?」

絵里「い、いや、けどね、私だって…自慢じゃないけれど、一人で一晩過ごした経験はないわ。多分、無理だと思う」

にこ「本当に自慢じゃないわね…」

にこ「でもそれはあんたが幽霊とかそういうのが苦手だからでしょ? 普通なら一晩くらいどうってことないわよ」

穂乃果「けど、にこちゃんのお母さんたちが帰ってくるのって一週間後じゃなかったっけ?」

にこ「それは……まぁ…そうだけど…」

穂乃果「寂しくないの?」

にこ「……」

にこ(こころとここあが、いつも騒がしくしてくれてるだけに、確かに一人はちょっと寂しいかも…)

にこ(けどここで素直に認めたら……さらに子供あつかいされてしまう…)

絵里「…安心して、にこ」ポン

にこ「え?」

絵里「すでにμ’sのメンバーに連絡は入れてあるから」

穂乃果「連絡って?」

絵里「にこのご家族が帰ってくるまでの間、誰かの家に泊めてもらうといいわ」

にこ「………は?」

にこ「いやいやいや……なに言ってるのよ。さすがにそこまで迷惑かけられないわよ」

絵里「大丈夫。みんなノリノリだから」

穂乃果「みんなお泊まりとか好きそうだもんねー」

にこ「いや、真姫ちゃんとかあんまり好きじゃなさそうなんだけど…」

穂乃果「大丈夫だよ。真姫ちゃんはなんだかんだで優しい子だし」

にこ「そりゃそうだけど……」

絵里「とにかく、みんなにこのこと待ってるんだから、気を使って遠慮するほうが傷つけることになるかもしれないわよ?」

にこ「う……、わ、分かったわよ…」

絵里「うん、分かってもらえてよかったわ」ナデナデ

にこ(また頭を……)

にこ「……絵里、ありがとう」

絵里「どういたしまして」

にこ(…今度、みんなにも改めてお礼言わないとね…)

絵里「それで、どうするの?」

にこ「え?」

絵里「誰の家に泊まるか、あらかじめ決めておいたほうがいいんじゃない?」

にこ「え、ま、またにこが決めるの?」

絵里「それが一番自然でしょう」

穂乃果「あ、にこちゃん、このまま私の家でっていうのも大歓迎だからね!」

絵里「もちろん私の家でもいいわよ」

にこ「ええぇ……」

にこ「……じゃぁ、>>38

にこ「……じゃぁ、凛ちゃんで」

にこ(後輩にお世話になるのはなんだけど……まぁ、一番お泊まりとか好きそうだし)

穂乃果「ありゃ、フラれちゃった」

絵里「じゃぁ凛に連絡入れておくわね」

にこ「よろしく…って、それくらいはにこがやったほうがよくない?」

絵里「いいのよ。二人は一応店番中なんでしょ?」

にこ「そうだけど、でも…」

ガラッ

穂乃果「わ、お客さんだ。いらっしゃいませー。ほら、にこちゃん、お仕事」

にこ「あ、う、うん」

にこ「あー……じゃぁごめん、絵里、凛への連絡よろしく」

絵里「了解。ちょっと外で電話してくるわ」

にこ「ん、悪いわね」



客「あら、今日は可愛い店員さんね。穂乃果ちゃんのお友達?」

穂乃果「はいっ、こう見えても先輩なんですよー」

にこ「こ、こう見えてもってなによ」

客「じゃあ高校三年生? ……若いっていいわねぇ」シミジミ

にこ「あはは……ありがとうございますー。でも、お客様もとーってもお若いですよっ」ニコッ☆

穂乃果(あ、接客はにこにーモードでやるんだ)



ガララ


穂乃果・にこ「ありがとうございましたー」

穂乃果「にこちゃん、接客上手だね!」

にこ「ふふ、前にウエイトレスとして働いてたこともあるからね!」

穂乃果「あ、そういえば前にメイド喫茶でも働いてたもんね。いやー、にこにーモードで応対したときはどうしようかと思ったけど、結果オーライだったよ」

にこ「だから言ったじゃない。にこにーでいるときのほうが、受けがいいんだって」

穂乃果「まぁ店員さんとしてはそうかもしれないけど……でもやっぱり私は、」

にこ「はいはい。素のにこのほうがいいって言うんでしょ? さっきも聞いたわ」

穂乃果「そっけないなぁ…」


ガラ


絵里「凛に連絡しといたわ。楽しみに待ってるって」

にこ「ありがとう」

絵里「じゃぁあんまり邪魔になりたくないし、私はそろそろ帰るわね。にこも大丈夫そうだし」

穂乃果「えー、まだ来たばっかりなのに」

絵里「穂乃果、今あなたたちがしているのは?」

穂乃果「お店の手伝い」

絵里「つまり?」

穂乃果「真面目に頑張りますっ」

絵里「はい、よろしい」ナデナデ

穂乃果「わーい、ナデナデだー!」

にこ(犬と飼い主みたいね…)

絵里「じゃぁね、二人とも。また明日」

にこ「ええ、また」

穂乃果「ばいばーいっ」ブンブン

穂乃果「…さて、じゃぁにこちゃん、お話しよかっか!」

にこ「…あんた、さっき絵里になんて言った?」

穂乃果「真面目に頑張りますっ」

にこ「それがなんで雑談につながるのよ」

穂乃果「お客さんが来たらちゃんと対応するもん。そのときは、笑顔もいつもの二倍でいくよ!」ニコーッ

にこ「まぁ、それならいいけど……」

穂乃果「やった! それにしてもいいなー、凛ちゃんとにこちゃん、この後お泊まりなんて」

にこ「明日が休日ならにこも素直に喜べたんだけどね…」

穂乃果「あー、確かに私も海未ちゃんたちとお泊まり会するときは、いつも次の日が休日のときかも」

にこ「まぁ平日だと朝とかばたばたしちゃうしね…。凛の家の人にも迷惑かけちゃいそうだし…」

穂乃果「んー多分大丈夫だよ。凛ちゃんを育てたお家の人なら、なんかそんな細かいこと気にしなさそう!」

にこ「……なんだか、穂乃果が言うとすごい説得力だわ」

穂乃果「そう?」エヘヘ

にこ「…まぁけど、ありがと。おかげでちょっと気が楽になったわ」

穂乃果「うん、ならよかった」

穂乃果「…にこちゃんはさ、もうちょっとみんなに頼っていいと思うよ」

にこ「けど、にこは三年生だし」

穂乃果「μ’sの間では先輩禁止ーって、絵里ちゃんが言ってたでしょ? あれって呼び方とか話し方だけじゃなくて、接し方もだと思うよ」

穂乃果「上級生だから、下級生だからって遠慮されたりするのは寂しいよ」

にこ「………ま、まぁ、そこまで言うなら、これからはもうちょっと頼るようにするわ」

穂乃果「うんっ」

にこ(…なんだかんだで、穂乃果ってちゃんとμ’sのリーダーなのよね)

穂乃果「まぁそれに、にこちゃんは中身も外見も、そんなに三年生っぽくないしね!」

にこ「うん、その一言がなければ完璧だったわ」



―数時間後―


ほのママ「二人ともお疲れ様ー」

穂乃果「あ、お母さん」

にこ「お疲れ様です」ペコリ

穂乃果(本当に大人の人の前ではお行儀いいんだなぁ…)

ほのママ「もうそろそろ暗くなる時間だし、お手伝いはこれくらいでいいんじゃないかしら」

穂乃果「んー、それもそうだね」

ほのママ「にこちゃん、手伝ってくれてありがとうね」ナデナデ

にこ「い、いえいえ、そんな…」

にこ(五割くらいは穂乃果と駄弁ってたなんて言えないわよね…)

穂乃果(んー…これからどうしようかな)


1.にこを帰す
2.引き止める

>>46

1



穂乃果「じゃぁにこちゃん、今日はありがとう」

にこ「いや、こっちこそ。……色々と」

穂乃果「色々?」

にこ「ああ、いや、なんでもない」

にこ(無自覚なのね……ホント、うらやましい性格してるわ)

穂乃果「あ。明日のお昼は期待しててね! 私、腕によりをかけて作っちゃうよ!」

にこ「ん、手間かけさせて悪いわね」

穂乃果「もー、だからそういうのはいいってば。大切なメンバーなんだからこれくらい平気だよ」

穂乃果「じゃぁまた明日ね」バイバイ

にこ「ええ、また明日」


にこ(……今更だけど、穂乃果って料理とかできるのかしら…?)



にこ「えっと……凛ちゃんのメールによると、凛ちゃんの家はここらへんだと思うんだけど…」キョロキョロ

凛「あっ、にこちゃーん!」タッタッタッ

にこ「え、凛ちゃん……なんで外に?」

凛「にこちゃんが迷子にならないように迎えに来たんだにゃ」

にこ「あ、そうなんだ……わざわざ悪いわね」

凛「いえいえー。じゃぁ凛の家はこっちだから、ついてきて!」ギュ

にこ「う、うん」

にこ(すごい自然に手を握られたんだけど……まぁいっか)



凛「ただいまー」ガチャ

にこ「お、おじゃまします…」ソロソロ

凛「にこちゃん、そんな緊張しなくてもいいにゃ」

にこ「いや、けど…」

にこ(穂乃果の家と比べて、普通の家って感じだから、なんか余計に緊張するのよね…)

凛「どうせ凛たち以外誰もいないし」

にこ「あ、そうなんだ」

にこ「……」

トタトタ

凛「あ、ここが凛の部屋ー」

にこ「へー、意外と女の子らしいわね」

凛「そっかな? あ、今お茶いれてくるねー」

にこ「……って、ちょっと待って!!!」ガシッ

凛「な、なに!?」ビクゥッ

にこ「今日、家に誰もいないの!?」

凛「いくらなんでも時間差すぎるよ!!」

にこ「え、なんで? 出かけてるの?」

凛「にゃ。たまにあるんだよ。同窓会がーって言って、両親そろって泊まりで出かけちゃうの」

にこ「フリーダムね…」

凛「だから凛もこんな風に育ったの」

にこ「ああ…」

凛「自分で言っておいてなんだけど、なんかここで納得されるのは嫌だね」

にこ「……あの、じゃぁ凛は一人で一晩中お留守番とかできるの?」

凛「うん。小学生の頃はちょっと怖かったけど、さすがに中学生くらいの頃には余裕だったにゃ」

にこ「」

凛「どうしたの?」

にこ「い、いや……」

にこ(にこの先輩としてのプライドが……いや、先輩禁止ってさっき穂乃果に言われたばっかりだけど……でもキツいわ…)

凛「だから今日はにこちゃんが泊まりに来てくれて嬉しいんだにゃ!」

にこ「そう…」

にこ(…まぁお家の人がいないほうが、にこも気楽だし、いいんだけど)

にこ「えっと…じゃぁ改めて、一晩お世話になります」ペコリ

凛「うん! って、にこちゃんに敬語使われるとなんか気味悪いにゃ」

にこ「き、気味悪いって失礼ね」

凛「そんなにかしこまらなくていいよーってことだよ」

凛「よし、じゃぁ早速なんかしよっか!」

にこ「何かって?」

凛「んー……、あ!」

凛「>>53

なわとび

凛「なわとびしよう!」

にこ「わぁ、いいわねーなわとびー」

凛「にこちゃん、全然いいと思ってないでしょ?」

にこ「当たり前でしょ。何が悲しくてこんな時間から、高校生二人でなわとびしなきゃなんないのよ」

凛「にこちゃん、知ってる? かよちんのソロ曲「なわとび」」

にこ「そりゃ知ってるけど…」

凛「あの歌詞、凛すごく好きなんだぁ……かよちんの恋する切ない気持ちが伝わってくるようで…」

にこ「…それで?」

凛「だから、なわとびしよう?」

にこ「いや、なによその説得の仕方。全然納得できないんだけど…」

凛「……ダメなの?」シュン

にこ「……」


―外―


タン、タン、タン

凛「おー、にこちゃん普通ー」パチパチ

にこ「それ、褒めてんの…?」

凛「もちろん! じゃぁ凛もー」

ヒュヒュヒュッ、ヒュン!

にこ「えっ、ちょっ、何重跳びしてんの?」タン、タン

凛「四重だにゃ」ヒュヒュヒュッ

にこ「…あんた、なんで運動部に入ってないの…?」タン、タン

凛「かよちんがいないからー」ヒュンヒュンッ

にこ「凛ってブレないわね…」タン、タン

凛「あー、でもこんなひゅんひゅん跳んでたらかよちんの歌う「なわとび」っぽくないよね」

にこ「まぁ、そんなアップテンポな曲じゃないしね…」

凛「じゃぁにこちゃんの真似ー」タン…、タン…

にこ「あんた、やっぱりバカにしてるでしょ?」


―二十分後―


にこ「」ゼェーハァー

凛「にこちゃん、大丈夫?」

にこ「なんで、にこは……なわとびで、こんなに…っ、つかれ、てるの…?」

凛「ムキになって二重跳びに挑戦しようとしたからじゃないかにゃ」

にこ「……」ハァ、ハァ

凛「んー、汗もかいちゃったし、先にお風呂はいろっか。こうなるかなって思って、さっき沸かしてたんだぁ」

にこ「そ、そうね…」ゼェ

凛「じゃぁ一緒に入るにゃ」

にこ「そうね……って、ちょっと待って!」

凛「にゃ?」

にこ「い、一緒に入るの?」

凛「うん」

にこ「いや、でもそれは…」

凛「? …あ、大丈夫だよ。かよちんとも入ったことあるし、スペース的には余裕だと思うにゃ。にこちゃんちっちゃいし」

にこ「いや、そういうことじゃなくて…って、誰がちっちゃいって!?」

凛「まぁとりあえず、お風呂場にれっつごー」グイッ

にこ「だから一緒に入るのは……って、引っ張るなああああ!」


―――――


―脱衣所―


凛「ふんふふーん♪」ヌギヌギ

にこ「…凛って羞恥心とかないの?」

凛「え、あるよ?」

にこ「じゃぁちょっとは恥じらいなさいよ」

凛「にゃ? ……にこちゃん、凛の体見てドキドキするの?」

にこ「うぇ?」

凛「真姫ちゃんみたいな驚き方するね」

にこ「い、いや……ドキドキは…」チラ

凛「?」

にこ(あんだけ堂々とされてると、一周回ってドキドキもなくなるわね)

にこ「するわけないでしょ」

凛「じゃー別に見られても平気」

にこ「どういう基準なのよ…」

凛「それより、にこちゃんも早く脱ぐにゃ!」グイ

にこ「ちょっ…ひ、引っ張らないでよ」

凛「にこちゃんは服を着てお風呂に入るの?」

にこ「そんなわけないでしょ! でもこっちにはこっちのペースってもんが…!」

凛「はーい、ばんざーい」

にこ「?」バンザーイ

凛「そーれ!」バサッ

にこ「っ……か、勝手に脱がさないでよ!!」

凛「いや、凛お腹すいちゃって」

にこ「はっ!?」

凛「早く入って、早くあがって、ご飯にしよ」

にこ「ああ、そういう……って、いや、下着は自分で脱ぐからっ!///」


―――――


カポーン…


凛「にこちゃんってほんと…なだらかなシルエットだねぇ」

にこ「…人のこと言えるの?」

凛「にこちゃんよりは、ね」

にこ「同じくらいだと思うけど」

凛「えー…そんなことないにゃ」

凛「んー…ちょっとごめんね」ソー

にこ「…」ガシ

凛「…なんで腕つかむの?」

にこ「いや、だって……今なにしようとした?」

凛「胸の大きさを触って確かめようかと」

にこ「ぶん殴られたいの?」

凛「ええー…かよちんは触らせてくれるのにぃ…」

にこ「にこは今、猛烈に花陽ちゃんを憐れんでるわ」

凛「にゃ?」


―――――


凛「さて、ごはんだね!」

にこ「…あの、この目の前にあるカップラーメンは?」

凛「ごはん! お母さんたちがいない日はいつもこれなんだにゃ!」ニコッ

にこ「……」ホロリ

にこ「にこが作るわ」

凛「ほんと!?」パアァッ

凛「じゃぁ凛、お手伝いする!」

にこ「ん。じゃぁまずはメニューから決めないとね」

凛「うんっ」

にこ「凛はなに食べたい?」

凛「んー…にこちゃんの作るものならなんでもいいにゃぁ」

にこ「それが一番困るんだけどね…」

凛「じゃぁじゃぁ……オムライス!」

にこ「あれ、てっきりラーメンとか言うかと思ったのに」

凛「んー、確かに凛はラーメンが一番好きだけど、まさか麺から作るわけにもいかないし、どうせなら全部にこちゃんの手作りのものがいいなぁって」ニコー

にこ「……」ナデナデ

凛「にゃ? どうしたの?」

にこ「いや、つい…」

にこ(凛ってなんだかんだで、結構可愛い後輩よね。……今まで後輩と仲良くしたことなんてなかったから、色々と破壊力がヤバい)



―数十分後―


凛「あーんっ……ん~! おいしい!」

にこ「そう、よかったわ」

凛「にこちゃんはやっぱり料理上手だねー」

にこ「まぁ毎日作ってるからね」

凛「すごいなぁ。にこちゃん、凛のお嫁さんにならない?」

にこ「にこはアイドルだから結婚しないのよ」

凛「そっかー、残念」パクパク

にこ(……なんか、凛見てるとホッとするわ)


凛「ごちそーさまでした!」

にこ「はい、おそまつさまでした」

凛「よし、ご飯も食べ終わったし、なにかしよっか!」

にこ「またなわとびじゃないでしょうね…?」

凛「あはは、それはさすがに…うん、多分大丈夫にゃ」

にこ「多分ってなによ…」

凛「よし、じゃぁ >>64

ゼビウス

凛「ゼビウスやろう!」

にこ「ぜび…?」

凛「あれ? 知らない?」

にこ「あ、ひょっとしてゲーム? にこ、ゲームはあんまり詳しくなくて…」

にこ(うちではゲームとか買えなかったし)

凛「じゃぁ凛が教えてあげる! ほら、こっちこっち!」グイッ

にこ「ちょっ、分かったから引っ張らないでよ!」

凛「じゃぁスタートっと」ピッ

にこ「…あ、なんかこの画面、見たことある」

凛「有名な作品だからねー。最初はアーケードゲームとして発売されたんだけど、そのあとに家庭用ゲーム機に移植されたんだにゃ」

にこ「へえ……あ、シューティングゲームなのね」

凛「うん。この自機を撃ち落とされないようにー、こうやってー」ピッピッ

にこ「おぉー……うまいわね」

凛「一時期はかよちんにヒかれるくらいやってたから」ピッピッピッ

にこ「あの花陽ちゃんがヒくって……どれだけやってたのよ」

凛「んー、一日暇だった夏休みは、二十三時間くらい」

にこ「一日って何時間だったっけ…?」

凛「なんか妙な中毒性があるんだにゃ。まぁ今はさすがにそこまでの熱はないけど」

凛「よし、クリア。はい、こんな感じで、にこちゃんもやってみて」

にこ「あ、うん。……」ピ、ピ

ボーン

にこ「あ」

凛「開始十数秒でゲームオーバー……ま、まぁこういうのは慣れだから」

にこ「……」ピ

凛「にこちゃん?」


―数分後―

ボーン

凛「にこちゃん、シューティングにはあまり向いてないのかもね」


―数十分後―

ボーン

凛「にこちゃーん、凛暇だよー」


―数時間後―

にこ「よし、ようやくクリアできたわ!! 見て、凛! ……って、あんた、なにやってんの…?」

凛「腹筋」ヒョイヒョイ

にこ「なんでそんなことを…?」

凛「もー、にこちゃんがゲームに夢中になってたせいで、一人で暇だったんだよー」

にこ「あー……それは、ごめん。けど、そこで腹筋をチョイスするって女の子としてどうなの…?」

凛「凛の日課だから」ヒョイヒョイ

にこ(にしてもすごいスムーズにやるわね。……なんかこの子は運動部に返したほうがいい気がしてきたわ)

凛「もー、にこちゃんがゲームに熱中しすぎたせいで、もう寝る時間になっちゃったにゃー」

にこ「ごめんごめん……これ、単純なゲームなのに中毒性すごいわね」

凛「凛の気持ち分かった?」

にこ「ええ」

にこ(それでも二十三時間やるのはどうかと思うけど)


―――――


凛「さて、じゃーベッドの用意もできたし、寝よっか!」

にこ「うん……あの、布団は?」

凛「え? あー……お客さん用の布団、どこにあるか分かんなくて」

にこ「じゃぁにこは床で寝ればいいの?」

凛「なに言ってるの。一緒にベッドで寝るんだよ」

にこ「……うん。なんかもう、慣れたわ」

凛「? よく分かんないけど、慣れたならよかったにゃ!」

凛「よいしょっと…」モゾモゾ

凛「さあ、にこちゃん! 隣に!」パンパン

にこ「いや、そんな叩かなくても行くから。…というか、なんでそんなテンション高いの? 眠くないの?」

凛「眠いけど、にこちゃんがお泊まりなんて初めてだから、テンション上がっちゃって」

にこ「じゃ、おじゃましまーす」モソモソ

凛「いらっしゃーい」

にこ「じゃ、おやすみ」

凛「はーい…って、いやいや! 寝ちゃうの!?」

にこ「そりゃ寝るわよ。夜だもの」

凛「えーっ、お話しよーよー」

にこ「眠い」

凛「おーはーなーしー」ユサユサ

にこ「ああもう、分かったから」

にこ(泊めてもらってる身だし、これくらいは付き合ってあげないとね…)

にこ「で、話ってなによ?」

凛「んー……やっぱりじょしこーせーって言えば、恋バナかにゃ!」

にこ「はあ……凛に一番似合わない話題ね」

凛「何気に失礼じゃないかにゃ…?」

にこ「そんなことないわよ。……で、恋バナって具体的にはなに?」

凛「え、やってくれるの?」

にこ「ええ…」コクリ

にこ(なんかもう眠いし……なんでもいいから話してさっさと寝よ)

凛「わーいっ、凛、こうやって同じお布団で寝ながら恋バナするの夢だったんだ! 前に好きなアニメに同じようなシチュエーションがあったから!」

にこ「花陽ちゃんとはしたことないの?」

凛「んー、かよちんはこの手の話になると、顔真っ赤にして泣きそうになるから、さすがに強要はできないにゃ」

にこ「あっそ……」ウツラウツラ

凛「じゃぁじゃぁ、早速にこちゃんの好きな人から聞いていい?」

にこ「んー……うん」

凛「ほんと!? やった! じゃぁにこちゃんって誰が好きなの?」

にこ「えっと、にこの好きな人はね…」

にこ「>>71

真姫ちゃん

にこ「真姫ちゃん」

凛「えっ?」

にこ「…なによ?」

凛「あ、いや、想像以上に身近な人が出てきて驚いて…」

にこ「そう…?」

凛(というか、すごい素直に教えてくれたにゃー…)

凛「ま、真姫ちゃんのどこが好きなの?」

にこ「んー……素直じゃないとことか、でも実は優しいとことか…まぁ、全部ね」

凛「そ、そっかぁ」

凛「まぁ真姫ちゃんはカッコいいもんねー、分かるにゃ」

にこ「うん……あ、でも好きにならないでね。にこ、凛ちゃんとライバルになるのは嫌だから…」

凛「あ、うん」

凛「…」ジー

にこ「…」ウツラウツラ

凛「…もしかしてにこちゃん、寝ぼけてるのかにゃ?」

にこ「にゃ?」

凛「…寝ぼけてるね」

凛(じゃぁ真姫ちゃんのこと好きっていうのは…本当なのかな?)

凛「……ねぇ、にこちゃん」

にこ「」スースー

凛「って、あれ? にこちゃん? ……寝てる」

凛(よっぽど疲れてたのかな……そうだよね、慣れない場所で、料理作って、なわとびして、ゲームしたんだもんね)ナデナデ

凛(…まぁにこちゃんが誰を好きでも凛は応援してるにゃ)



―翌日―


凛「むにゃ……あれ? にこちゃんがいない…」ムクリ

凛「にこちゃーん?」トテトテ

にこ「あ、凛おはよう」

凛「あ、にこちゃんおはよー。リビングでなにしてるの?」

にこ「朝食作ってたのよ。ほら、トースト」

凛「わ、ありがとー! やっぱりにこちゃんはいいお嫁さんになるにゃぁ」

にこ「だから、にこはアイドルなんだから、誰とも結婚しないってば」

凛「んー……にこちゃん、昨日の…寝る前のこと、覚えてる?」

にこ「あー……ごめん! 昨日はあのまま寝ちゃって…実はベッドに入ったあたりから、ほとんど覚えてないの。確か恋バナがどうこう言ってた気はするんだけど…」

凛「そ、そっかー…」

凛(うーん……黙ってたほうがいいよね、やっぱり…)


―――――


凛「こうしてにこちゃんと二人で登校するのって、なんだか不思議な気分だねー」

にこ「そうね。というか、花陽ちゃんとは一緒に登校してなかったの?」

凛「あ、今日はかよちんが日直だから、先に行ってるだけだよ。普段は一緒だにゃ」

にこ「ああ…だから今日はμ’sの朝練もなかったのね」

にこ「ちょっと残念ね。一緒に登校したかったのに」

凛「それはまた別の機会に……って、あ…真姫ちゃんだ」

にこ「え? …あ、ホントだ。なんか登校途中に真姫ちゃんに会うっていうのも新鮮ね」

凛「……」

にこ「? どうしたのよ、凛。いつもみたいに抱きついてこないの?」

凛「え、あ……いいの?」

にこ「は?」

凛(って、しまった……にこちゃんは昨日のこと覚えてないんだから、ちゃんといつも通りにしなくちゃ…!)

凛「じゃー凛、ちょっと行ってくるにゃ!」タッタッタッ

にこ「ん」


凛「まっきちゃーん! おはよー!」ギューッ

真姫「ひゃっ…!? ちょ、ちょっと凛! びっくりさせないでよ!」


にこ(うん、あの二人を見てるとなんか落ち着くわね)

にこ(……にしても、なんか凛ちゃんの様子おかしかったような……気のせいかしら)

凛「あ、ほら、真姫ちゃん! 凛、今日はにこちゃんと一緒なの!」

にこ「おはよう、真姫ちゃん」

真姫「…にこちゃんも一緒だったの」

にこ「昨日は凛ちゃんの家に泊めてもらったから」

真姫「…ああ、そういえばそうだったわね」

凛「……」ソワソワ

真姫「…凛? どうかした?」

凛「あ、あー、いや、なんでも!」

凛(あぅ……なんか落ち着かないにゃ……こんなことなら昨日、恋バナなんて言い出さなきゃよかったよー…)



―昼休み―


穂乃果「にーこーちゃんっ」ヒョコッ

にこ「あ、穂乃果。どうしたの?」

穂乃果「どうしたのって…忘れちゃったの? お弁当もってきたんだよー」

にこ「……、あ」

穂乃果「本当に忘れてたんだ…」ションボリ

にこ「ご、ごめん」

にこ(今日は普通に朝食が食べられたから、空腹もなかったし、すっかり忘れてた…)

穂乃果「もー…まぁいいけどね。ただ、お弁当はちゃんと食べてね」

にこ「それはもちろん。ありがたいわ」

穂乃果「うん。じゃぁ食べよっか」

にこ「……えっ? 一緒に食べるの?」

穂乃果「あれ、ダメなの? 絵里ちゃんと希ちゃんは生徒会で忙しいらしいし、二人で食べようよ」

にこ「あー…うん」

にこ(まぁ一人で食べるよりは全然いいんだけど)



―一年教室―


凛(にこちゃんは真姫ちゃんが好き…)

凛(けど、にこちゃんと真姫ちゃんって練習中以外の関わりなさそうだよね……やっぱり学年も違うから…)

花陽「凛ちゃん、お昼食べよ」

凛(…聞いちゃった以上、協力すべきなのかなぁ…)

真姫「凛、食べないの?」

凛(たとえば、今、にこちゃんが真姫ちゃんと一緒にお昼を食べられるように真姫ちゃんを連れ出してみるとか…)

凛(うーん……どうしよう…)


1.協力する
2.協力はやめておく

>>81

1

凛(よーし、にこちゃん! 凛、頑張ってにこちゃんの恋に協力するにゃ!)グッ

花陽「…凛ちゃん、どうしたんだろう?」

真姫「さあ? …またなんかくだらないことでも考え付いたんじゃない?」

凛「真姫ちゃん! あと、かよちん!」

花陽「どうしたの、凛ちゃん」

真姫「なによ」

凛「今日は気分を変えて、別の場所で食べない?」

花陽「うん、いいよ」

凛「ほんと? よし、じゃぁ決まり!」

真姫「ちょ、私の意見も聞きなさいよ」

凛「ほらほら、真姫ちゃんも行くにゃー」グイッ

真姫「ああもうっ」ヒッパラナイデ!


―三年教室前―


花陽「ここって……」

真姫「にこちゃんの教室…よね?」

凛「うんっ! にこちゃんと一緒に食べようと思って!」

真姫「はあ? なんでわざわざにこちゃんと…」

凛「なんとなく!」

真姫「あんたね…」ハァ

花陽「あはは……まぁ凛ちゃんらしいよね。そういえば、絵里ちゃんたちは今日も生徒会らしいし、ちょうどいいんじゃないかな」

真姫「………ま、一人寂しく食べてるにこちゃんを想像すると、なんか可哀想だしね」

凛(真姫ちゃんも入学当初はそんな感じだったけど…)

凛「じゃぁ早速にこちゃんの席に突撃するにゃー!」ガララ

花陽(凛ちゃん、三年生の教室に堂々と……やっぱりすごい)

花陽(…あ、でも確か今日って、にこちゃんのお昼は穂乃果ちゃんが作ってくる予定になってたような…)

凛「にこちゃー……って、あれ? 穂乃果ちゃん?」

真姫「…ああ、そういえば今日は穂乃果がお弁当作ってくるって言ってたわね」



穂乃果「はい、あーんっ」

にこ「…あの、そろそろ普通に食べさせてくれない?」

穂乃果「いや、なんかにこちゃんって子供みたいで可愛いから、つい」

にこ「誰が子供よ!」キィッ

穂乃果「まぁまぁそう、怒らないで。はい」アーン

にこ「っ……、」モグモグ、ゴクン

にこ「…人が怒ってるときに勝手に口にツッコむのやめてくれる?」

穂乃果「別にいいじゃん。ほら、周りの先輩たちもちょっと嬉しそうに見てきてるよ?」

にこ「そりゃあんたはμ’sのリーダーだし、知名度あるし。あと、なぜか年上受けいいし」

穂乃果「そうなの? にこちゃんのほうが年上受けよさそうだけど」パク

にこ「にこ、一応この学校で最上学年なんだけど…」



花陽「穂乃果ちゃんとにこちゃん、仲良しだね」

凛「うん、そうだねー。凛たちにはまだ気が付いてないみたいだにゃ」

凛「さ、真姫ちゃん行こ……って、あれ? 真姫ちゃんは?」キョロキョロ

花陽「あれ? さっきまでここにいたのに……って、あ、廊下のほうに出ていっちゃってる」

凛「えぇっ? ちょっと真姫ちゃーん」タッタッ

凛「真姫ちゃん、待つにゃ!」パシッ

真姫「…なによ?」

凛「いや、にこちゃんを誘いに来たんだよね?」

真姫「別にもういいんじゃないの? 穂乃果と楽しそうに食べてるじゃない」

凛「いや、それじゃ意味ないんだってば」

真姫「…意味ないってどういうことよ?」

凛「えっ……あー…」

凛(にこちゃんが真姫ちゃんのこと好きだから……なんて、言えるわけないにゃー…)

凛「り、凛が、にこちゃんと一緒に食べたいから」

真姫「…ふーん。じゃぁ凛と花陽はにこちゃんと一緒に食べたら?」

凛「いや、それは…」

凛(ど、どうしよう……というか、なんで真姫ちゃん、急にこんな不機嫌になってるの…?)

花陽「凛ちゃん、真姫ちゃん、どうしたの?」タタッ

凛「かよちん……真姫ちゃんが、にこちゃんと食べたくないって…」

花陽「? ………あ、ひょっとして真姫ちゃんは三年生の教室に入るのが怖いの?」

花陽(そうだよね。花陽もちょっと怖いし…)

真姫「なっ……、こ、この私に怖いものなんてあるわけないじゃない」

花陽「え、じゃぁどうして食べたくないの?」

真姫「いや、それは……、っ……、ああもう、分かったわよ! 食べればいいんでしょ、食べれば!」ツカツカ

凛「あ、真姫ちゃん……、かよちん!」ギュ

花陽「な、なに? どうしたの、凛ちゃん?」

凛「ありがとう!」

花陽「……え?」キョトン



にこ「はぁ……なんか、こんなに疲れるお昼は初めてかも…」

穂乃果「え、なんで?」

にこ「…あんたがいちいち絡んでくるからでしょ」

穂乃果「けど喋りながら食べたほうがおいしくない?」

にこ「………まぁ、否定はしないけど」

穂乃果「えへへ。なんかにこちゃんと一緒に食べるって新鮮だから楽しいよ」

にこ(…まぁこういうのもたまには悪くないかもね)パク

凛「にこちゃーん、穂乃果ちゃーん!」

にこ「!?」グルンッ

凛「わ、すごい勢いで振り向いたにゃ」

にこ「り、凛ちゃん……それに花陽ちゃんと…真姫ちゃんまで」

穂乃果「みんなおそろいでどうしたの?」

花陽「あ、あの、二人と一緒にご飯を食べたいなぁって思って」

穂乃果「そうなの? 大歓迎だよー」

凛「やった!」ガッツポーズ!

花陽(凛ちゃん…そんなに、にこちゃんと食べたかったのかな…?)


凛「わ、にこちゃんのお弁当かわい~……って、穂乃果ちゃんが作ったんだよね?」

穂乃果「うん。早起きして頑張っちゃったよー」

花陽「穂乃果ちゃん、料理できたんだね」

真姫(何気に失礼な発言だけど……花陽のことだから悪気なんてないんでしょうね)

穂乃果「実は雪穂にも手伝ってもらったんだよね。私だけじゃ黒焦げのお弁当になってただろうから」

凛「あ、だから美味しそうなんだ」

穂乃果「えっ、それどういう意味?」

凛「雪穂ちゃんはすごいって意味だにゃ」

穂乃果「あ、それならいいや」

真姫(いいんだ…)

凛「…」チラ

にこ「…」モグモグ

凛(にこちゃん、無言でお弁当食べてる……)

凛(うーん……表情もいつも通りだし、真姫ちゃんと一緒でも嬉しくないのかにゃ…?)

今回はここまでで終わります
一度寝て、昼頃にまた再開したいと思います

付き合ってくれた方々、ありがとうございました

のんびり再開していきます

自分でもどこでオチをつければいいか分からなくなってますが、とりあえず書きたいことを書いていく感じで進行していきます
またたまに安価が入るかもしれませんので、そのときは協力していただけるとありがたいです

凛「そ、そういえば! 真姫ちゃんも今日はお弁当なんだねっ」

凛(とりあえず頑張って二人を会話させてみよう…)

真姫「…まぁ、たまにはね」

穂乃果「あれ、真姫ちゃんっていつもお弁当じゃないの?」

真姫「総菜パンとかおにぎりとか、適当にコンビニで買ってきてる」

にこ「へー、真姫ちゃんって意外と庶民的なのね…、別荘はさておきとして」

凛(あっ、にこちゃんが喋った!)バッ

花陽(り、凛ちゃんがすごい勢いでにこちゃんのほうに顔を向けた…)

真姫「私をなんだと思ってるのよ…。………、にこちゃんは普段もお弁当なの?」

にこ「まぁ大抵は。自分で作ったほうが値段とか調整できるし」

真姫「ふーん」パク

凛「おおー……会話が続いてるにゃ…」

花陽「あの、凛ちゃん」チョンチョン

凛「? なに? かよちん」

花陽「さっきから、凛ちゃんなにか企んでない?」ヒソヒソ

穂乃果「あ、それ私も思ってた」ヒソ

凛「えぇっ!? そ、そそそんなことないよ!」ヒソ

花陽「じゃぁなんでいきなり、にこちゃんと一緒にお昼が食べたいなんて言い出したの?」

凛「そ、それはー……」

凛(なんとかして適当に誤魔化さないと…)

花陽「……」ジー

凛(あああダメだにゃ! かよちんに嘘をつくことなんて凛にはできない!)

凛(かといって、にこちゃんのことを勝手に話すわけにもいかないし…)

凛「あ、あの、実はね……真姫ちゃんとにこちゃんを、仲良くさせたいなぁと思って…」

凛(一応嘘はついてない…よね? 多分…)

穂乃果「仲良くって……あの二人、仲悪いの?」

凛「いや、そういうわけじゃないけど……ほら、真姫ちゃんたちって、凛たちと違って、一歩引いてる感じがしない?」

穂乃果「あー……うん、確かに…そうかも。遠慮してるって感じ」

花陽「それは二人が素直じゃない性格だからじゃないかな…?」

凛「も、もちろんそれもあると思うんだけど……でも、絵里ちゃんだって同じような状態だったけど、今じゃあんなに仲良くしてくれるでしょ?」

凛「だからね、二人がお互いに打ち解けられたら素敵だなぁって思って」

穂乃果「なるほど……そっか、そういうことなら私も協力するよ!」

花陽「うん、花陽も」

凛「ほんと? 二人ともありがとう!」

花陽(…あれ? けど、なんで打ち解け合うのがお互いだけなんだろう。二人と打ち解けたいなら、二人がみんなとさらに仲良くなれるような状況を作るほうが自然だと思うんだけど…)

凛「かよちん、どうかした?」

花陽「あ…ううん。なんでも」

花陽(……凛ちゃん、まだなにか隠してるのかな…?)


にこ「…ちょっと、あんたたちさっきから何ヒソヒソ話してんのよ」ジトー

凛「あ、いや、なんでもないにゃー」ワタワタ

真姫「…なんか悪巧みしてるんじゃないでしょうね?」

穂乃果「あ、あはは…そ、そんなわけないよー」

花陽(ふ、二人とも嘘つくの下手だなぁ……)

にこ「まぁいいけど……それより、早く食べないと昼休み終わっちゃうわよ」

穂乃果「え? ああっ、ほんとだ! 私、にこちゃんに構うのに夢中でまったく食べてなかった!」

にこ「真正のバカね…」

花陽「あはは…」

穂乃果「急がなくちゃ!」ガツガツ

真姫「ちょっと、そんな急いで食べたら喉に詰まるわよ」

穂乃果「ふぇーき!」モグモグ

にこ「口にもの入れて喋らないの。…あ、このお弁当箱、明日洗って返すから」

穂乃果「ん」ゴクン

穂乃果「うん! じゃぁ明日の練習の時にでも貰うね」



―放課後―


絵里「さて、にこ…どうする?」

にこ「…なにが?」

絵里「今日の泊まる先よ」

にこ「え? いや、今日はさすがに普通に家に帰るけど…」

絵里「えっ」

にこ「なによその、意外そうな顔は…」

絵里「だ、だって一人でお留守番なんて…危ないじゃない」

凛「え? 一人でお留守番って危ないの?」

にこ「ば、バカ言ってんじゃないわよ! にこは絵里と違って、一人で一晩過ごすくらい全然平気なの!」

絵里「そんな……じゃぁ私が異端だって言うの…?」

にこ「い、いや、そこまでは言わないけど…」

絵里「そ、そうよね……私、この歳でいまだに幽霊が恐いし、夜だって亜里沙がいなきゃお手洗いにも行けないし……怖いテレビを見たあとなんて、一人じゃ寝れないし…」シュン…

希(エリち、そんなに怖がりやったんや…)

穂乃果(幽霊嫌いなのは知ってたけど、そこまでとは思わなかったなぁ…)

ことり(まぁ絵里ちゃんならギャップ萌えになるけど)

絵里「…知らないうちに、にこも一人でお留守番できる歳になっちゃったのね…」

にこ「にこは最初からあんたと同じ歳なんだけど…」

絵里「…」ションボリ

にこ「……あーもー、分かったわよ! にこも夜一人じゃ怖いわよ!」

絵里「ほんと?」

にこ「ホントよ、ホント」

絵里「じゃぁ誰かの家に泊めてもらうしかないわね!」

にこ「そうね…」ハァ

穂乃果(絵里ちゃん、勝った!って顔してる……にこちゃんは気づいてないみたいだけど)

海未(というより、絵里は何故あんなに必死にお泊まりを提案しているのでしょうか…)

希「まぁ、こんな機会めったにないし、にこっちも楽しんだほうが得やと思うで?」

にこ「楽しむったって……他人に迷惑かけてんのに、のんきに楽しんでらんないでしょ」

絵里「にこ、その他人ってひょっとして私たちのこと?」

にこ「……まぁ、あとはあんたたちの家族とか…」

絵里「はぁ…」

にこ「な、なによ?」

絵里「あのね、にこはもうちょっと私たちを頼ったほうがいいわ」

穂乃果「あ、それ昨日私も言った」

絵里「え、そうなの? じゃぁ細かいことは省くけど……あんまり他人行儀だと、逆に寂しいわ」

にこ(絵里にまで言われるなんて……そりゃ確かに変なプライドが働いて、あんまりみんなに頼ることはしてなかったけど……)

絵里「というわけだから、これからにこのご家族が帰ってくるまでの間、私は思う存分にこを甘やかすわ」キリッ

にこ「いや、そんな凛々しい顔で言われても……。あ、ありがとう…で、いいの…?」

絵里「お礼より、甘えてくれる方が嬉しいわ」

にこ「はあ………まぁ、考えとく」

絵里「ええ」

穂乃果「じゃぁじゃぁ、私もにこちゃんを甘やかしてあげる!」ギューッ

にこ「いや、あんたはいいから」グイ

穂乃果「えーっ」

凛「…!」ハッ

凛「ま、真姫ちゃんも、にこちゃんを甘やかしてあげたら?」

真姫「は? 嫌よ。なんで私がそんなこと…」

凛「だよねー…」

凛(真姫ちゃんは難しいにゃ…)

花陽(凛ちゃん、今のはあまりにあからさますぎるよ…)

絵里「じゃぁにこ、改めて決めましょうか」

にこ「あー……誰の家に泊まるかってこと?」

絵里「そう」

にこ「……というか、絵里はこう言ってるけど、みんなは本当にいいの…?」

ことり「もちろんだよ。ことりの家はいつもお父さんの帰り遅くて、お母さんと二人きりだから寂しいし」

希「ウチなんて一人暮らしやし、暇でしゃあないし」

花陽「は、花陽ももちろん大歓迎ですっ」

海未「そもそも、いちいち許可なんてとらなくてもいいんですよ。絵里が言っていたことは、ほとんどが私たちも思っていたことですから」

凛「……」チラ

真姫「…べ、別に私だって同じよ。一人で背負いこんで体調でも悪くされたら、練習に支障が出るじゃない」

にこ「みんな……」

穂乃果「よし、じゃぁにこちゃん、今日は誰の家に泊まりたい?」

凛「あ、もちろんもう一回凛の家でも全然おっけーだよ!」

にこ「え、えっと……じゃぁ」

にこ「>>107にお願いしたいんだけど…」

にこ「希にお願いしたいんだけど…」

希「ん、オッケーやで」

絵里「希のところなら、ちょうどいいかもね」

にこ「ちょうどいいって……なにが?」

希「ウチが神社でお手伝いしてんのは知ってるやろ?」

にこ「ええ」

希「にこっちにはそれを手伝ってもらおうかなぁと思て。その代わりに明日のお昼はウチがごちそうするから」

にこ(つまり昨日の穂乃果のパターンと一緒ってことよね? ……ここで遠慮するとまた絵里たちに怒られそうだし…)

にこ「分かった。じゃぁお願いするわ」

穂乃果「おおぉ……にこちゃん、いつになく素直だね」

にこ「まぁにこだって、ちょっとは学習するのよ」

海未「自分で「ちょっと」と言ってしまうのはどうなのでしょうか…」

絵里「さて、じゃぁそろそろ練習始めましょうか。屋上に行きましょう」

八人「「「はーい」」」


凛「にこちゃん」チョイチョイ

にこ「なに? どうしたの?」

凛「あのね、にこちゃんって寝ぼけるとガードゆるくなるから、気を付けたほうがいいよ」

にこ「は?」

凛(にこちゃんが気が付かないうちに、希ちゃんにまでにこちゃんの好きな人がバレたら気の毒だし…)

凛「とにかく、夜はお話ししないで早めに寝たほうがいいと思うにゃ」

にこ「あんたがそれを言うのね……まぁ出来るだけそうするわ」

凛「うん」


―――――


―神社―


にこ「着替え終わったわよ。これでいいのよね?」

希「おー、にこっち似合ってるやん」

にこ「ふふ、このにこにーに似合わないものなんてないわ!」

希「せやねぇ。にこっちなら金太郎のコスプレでも着こなせそうや」

にこ「そんなの当然じゃない……って、あの格好が似合うっていうのはアイドルとしてどうなのかしら…」

希「まぁそれはともかく。サイズもぴったりみたいやね」

にこ「そうね。怖いくらいフィットしてるわ」

希(それ、実は子供用なんよ……とは、さすがに言わへんほうがええよね)

希「じゃぁ早速、お手伝いはじめよか」

にこ「ええ」

希「まずは神社内の掃除から。掃除する場所についてはさっきウチが神主さんに聞いといたから」

にこ「了解。じゃ、手分けしてやりましょ」

希「うん。……あ、少しでも手抜いたりしたら、祟りがあるかもしれへんから気を付けてな?」ニコ

にこ(すごいサラッと、恐ろしいことを言ったわね…)


―数時間後―


希「ん、こんなもんかな……にこっち、お疲れさん」

にこ「そ、掃除って……こんなに体力使うものだったっけ…? にこ、掃除には慣れてたはずなんだけど…」

希「まぁ場所が場所やから。ウチはジュースでも買ってくるから、にこっちはそこの木陰で休んでて」

にこ「そうさせてもらうわ…ありがとう…」

希「じゃ、いってくるな」タタタ


にこ「……はぁ…ほんとに疲れた…」トサッ

にこ(……希はこれをほぼ毎日やってるのよね…しかもバイトでもなくただの手伝いで)

にこ(…なんか、普通に尊敬するわ。そりゃこれだけ奉仕してれば運気も上がるわよね)


希「にこっち、お待たせ。スポーツドリンクと炭酸、どっちがいい?」

にこ「…スポーツドリンクで」

希「はい。じゃぁ隣、失礼しまーす」ストン

にこ「ん。……あんた、よくあれだけ動いた後に炭酸飲んで平気でいられるわね」

希「人間って慣れる生き物なんよ」

にこ「…どうりでダンスレッスンでもあんまり疲れてないはずだわ…」ゴクゴク

希「ところでにこっち、昨日はどうやった?」

にこ「どうって?」

希「穂乃果ちゃんと凛ちゃんと二人で過ごして」

にこ「ああ……まぁ、普通に…楽しかったけど」

希「…そか」フフ

にこ「な、なんで笑うのよ」

希「いやー、にこっちも随分変わったなぁと思て」

にこ「……あんたのせいでしょ」

希「へ?」

にこ「いや、あんたが穂乃果たちを誘導してにこに会わせたんでしょ?」」

希「あ、バレてたん?」

にこ「当たり前でしょ。……にこが変わったんだとしたら、それは間違いなくμ’sのおかげなんだし」

にこ「…だから希のせいよ」

希「ウチのせいって言われると、なんや責められてるみたいなんやけど」

にこ「にこがこういう性格なのは、あんたが一番分かってるでしょ」

希「ふふ、そうやね」

希「…けど、安心した。一年前の今にも倒れそうな顔したにこっちに、今のにこっちを会わせてあげたいくらいやわ」

にこ「それには同意見ね」

希「……よし、じゃぁしんみりしたところで、次は社務所の掃除や!」スクッ

にこ「えっ、また掃除!?」


―希の家―


にこ「」グッタリ

希「に、にこっち、大丈夫?」

にこ「……大丈夫じゃ、ない…」

希「あはは……やっぱりウチと同じ作業量はキツかったな……ごめん」ナデナデ

にこ「………希ってすごいわね」

希「おお、にこっちが素直にウチを褒めるなんて珍しいっ」

にこ「…こっちが素直に言ってんだから茶化さないでよ」

希「ごめんごめん。でも、ウチのあれはただの趣味の一環なんよ」

にこ「まぁ神社のこともあるけど……普段からすごいと思ってるわよ」

希「普段? けど生徒会の仕事はほとんどエリちがこなしてしまうし、μ’sの活動もエリちや海未ちゃんがリードしてるし……あ、タロット?」

にこ「そうじゃなくて、希って人の心読めるんじゃないのってくらい、人をあやつるの上手いじゃない」

にこ「絵里から聞いたわよ。穂乃果たちがまだμ’sを作る前から希には色々イライラさせられたって」

希「い、イライラって……まぁあの頃のエリちからすればそう見えるんも仕方ないか……というか、にこっちほんまにどうしたん? なんか素直すぎて気持ち悪いで?」

にこ「気持ち悪いって…」

にこ「今日一晩泊めてもらってるわけだし、たまには素直になるのもいいかなと思ったのよ」

希「それはまた……うん、いいことやね」

にこ「でしょ。…それに、希にはまだちゃんとお礼言えてなかったし」

希「え?」

にこ「にこを穂乃果たちと会わせてくれてありがとう。あと、絵里と……真姫ちゃんにμ’sに入るきっかけを作ってくれたことも」

希「……あはは、嫌やな、にこっち。三人を加入させたんは穂乃果ちゃんたちやん」

にこ「まぁ決定打は確かにあの子たちかもしれないけど、きっかけは間違いなく希よ。あんたのずる賢さとおせっかいのおかげ」

希「ずる賢いって……なんか素直に喜べへんなぁ…」

にこ「というわけで、にこからの感謝を込めて、今日の夕飯はにこが作るわ!」スクッ

希「おおー、やった! じゃぁウチもお手伝いする」

にこ「ん、お願いするわ」

希「……ふふ」

にこ「?」

希「やっぱりにこっちは変わったわ。いい方向に」ナデナデ

にこ「さっきも言おうと思ったけど、その頭撫でるのはやめない?」

希「いやぁ、にこっちは子供みたいで可愛いから、つい」

にこ「誰が子供よ!」

希「いやーでもすぐムキになるとこは昔と一緒やなぁ」

希「そんなんやからイジられるんよ」

にこ「あんたがいつもバカにしてくるからでしょ」

希「それだけ可愛いと思ってるってことやん」

にこ「………バカじゃないの」プイ

希「よし、にこっち! 今日はもう二人で朝まで遊びつくそう!」イェイッ

にこ「いやいや、明日学校でしょ! というか、なんでそんなハイテンションなのよ」

希「いや、友達が泊まりに来るのとか初めてやし。引っ越し多かったから、友達と深い付き合いはできひんかったし」

にこ「あ、そうなんだ…」

にこ(どうしよう…事情が事情なだけにツッコミにくい…)

希「というわけで、限界まで付き合ってな? にこっち」ニコ

にこ「………ま、任せなさい!」

にこの両親が帰ってくるまでの期間を全部書こうと思ってましたが、
あまり長くなると読んでる人も疲れそうなんで、ここらへんで時間を飛ばしていきます。

おお、ホントですか
じゃあせっかくなので書きます
あまりに長くなったら暇なときに読んでもらえると嬉しいです


―午前0時―

希「あ、にこっちのこれからの未来、なかなかいい感じやで」ペラ

にこ「そう……」

にこ(ね、眠い……いつもならこれくらいの時間は平気なはずなのに…やっぱり疲れてるのかしら…)ウツラウツラ

希「さて…」チラ

希「さすがにそろそろ寝たほうがよさそうやね。こんな時間まで付き合わせてごめんな」

にこ「いや、別に。希と二人で話す機会もなかったし、楽しかった…」

希(? まだ素直モードが続いてんのかな? ……いや、ただ眠くて意識が朦朧としてんのかも)

希「じゃぁ寝よっか。お布団はさっきウチが敷いといたし」

にこ「ん……悪いわね」

希「それじゃウチの部屋に……って、立てる?」

にこ「ん」スク

希「じゃ、ウチの部屋にれっつごー」

にこ「ごー」フラフラ

希(うん、やっぱり寝ぼけてる。んー、ちょっと付き合わせすぎたかな……明日ちゃんと謝らな)

フラフラ……ゴツンッ

希「って、うわあ! にこっち大丈夫!?」タッ


―希の部屋―


にこ「…」スースー

希(結局たどり着く前に眠ってしもた…。しかしにこっち軽いな……背中にまったく重さを感じひん…ちゃんと食べてんのやろか)

希(とりあえずベッドに寝かせて、と)ヨイショ

にこ「ん、にゃ……」ゴロ

希(ふふ、寝てるとさらに子供っぽさが増すなぁ…)

希(……にこっちはああ言ってくれたけど、感謝してるんはウチも同じなんよ)

希(穂乃果ちゃんがμ’sをやめてしもたとき、それでも変わらず練習を続けるにこっちたちを見たから、ウチも完全に諦めずにすんだんやし)

希「…にこっちはホンマ、すごいなぁ」ナデナデ

にこ「んー…、……まきちゃん…」フニャ

希「……うん。その想いも叶うよう、ウチも神様にお願いしとくわ」

希(さて、にこっちを起こさへんうちにウチも寝よかな)


―翌朝―


にこ「ん……?」パチ

にこ「あれ、朝……また気づかないうちに眠ってたのね…しかも今回はベッドまで運んでもらってるし…」

にこ「希にお礼言わなきゃ……、希ー」キョロキョロ

希「んー…、……あ、にこっちおはよー」ムクリ

にこ「って、なんであんたが布団で寝てんのよ!?」

希「えっ、嫌やわ、にこっち……ウチなんて床で寝てればいいってことなん…?」

にこ「違うわよ! 普通逆でしょ!? なんで泊めてもらってるにこがベッドで、あんたが敷布団なのよ!」

希「いや、にこっちお客さんやし。それにウチ、実はベッドよりお布団派やねん。それはお母さんたちが引っ越し祝いにって買ってくれたものやから使てるけど」

にこ「でも…」

希「はい、この話終わり。じゃ、朝ごはんの支度しよか。今日はお弁当二人分やし、腕がなるわー」スタスタ

にこ「あ、ちょっと…!」

にこ(……なんか、希にはもらってばっかりね…)ハァ

にこ「…ちょっと待ちなさいよ! にこも料理手伝うから!」タッタッタッ


―――――


希「わ、あと数分でチャイム鳴る時間やん」タッタッ

にこ「希が桜でんぶにこだわってたせいでしょ!?」タッタッ

希「いやー、誰かにお弁当作るのとか久しぶりやったし、やっぱり定番やん?」

にこ「どこの世界の定番なのよ……あんなの、恥ずかしくて食べられないじゃない。そもそもなんでタイミングよく家に桜でんぶなんて置いてあったのよ…」

希「せっかくにこっちへの愛をこめて作ったんに…食べてくれへんのやね…」シュン

にこ「っ…ああもう嘘よ! 食べるに決まってるでしょ!」

希「わーいにこっち愛してるー」

にこ「希に言われると、すっごい嘘くさいわね…」

希「あ、そや。ばたばたしてたから言い忘れてたけど、昨日はごめんな。にこっち疲れてんのに遅くまで付き合わせてしもて」

にこ「別に。泊めてもらったんだし、逆に感謝してるくらいよ」

にこ「それに……あんたと二人で話すのも久々だったし……まぁ…つまんなかったわけでもないし。…途中で寝ちゃったけど」

希「…うん。やっぱりにこっちは、これくらいのほうが落ち着くわ」

にこ「何よそれ」

希「んー秘密」

にこ「…そう言われると余計気になるんだけど」


―昼休み―


凛「真姫ちゃん!」キラキラッ

花陽「一緒に三年生の教室に行かない?」ニコー

真姫「……別にいいけど、昨日からなんなの? しかも今日は花陽まで…」

花陽「花陽は元々にこちゃんのこと好きだし、それに」

花陽(凛ちゃんに協力してあげたいし)

真姫「それに…、なによ?」

花陽「ううん、なんでもない」

真姫「?」

凛「それより、早くにこちゃんとこ行くにゃー」グイッ

真姫「ちょっ、押さないでよ!」


―三年教室―


にこ「」

凛「えへ、今日も来ちゃったにゃ☆」

にこ「あ、ああ……うん…」

にこ(来ちゃったにゃ☆じゃないわよ…! なんなの、なんで二日連続で三人がくるのよ!? いや、別にいつ来たって歓迎するけど、でも今日だけは来ないでほしかった…)

真姫「…」キョロキョロ

真姫「…エリーたちはまた生徒会室?」

にこ「え、ええ」

にこ(…本当は、今日は一人で食べたい気分だからって言って遠慮してもらっただけだけど…)

真姫「ふーん……今日は穂乃果もいないみたいだし、にこちゃん一人じゃ可哀想だから一緒に食べてあげるわ」

凛「もー真姫ちゃんってば素直じゃないんだからー」エイッエイッ

真姫「なにがよ…というか、つつくのやめて」

にこ(あ、やっぱり一緒に食べる流れなのね……まぁそうよね…昼休みだもんね…)

花陽「…にこちゃん、どうかした? 顔色がよくないけど…」

にこ「い、いや、なんでも…はは…」

凛「あ、そういえばにこちゃん、今日のお弁当は希ちゃんが作ったんだよね? 見せて見せて!」

花陽「希ちゃんが作ったお弁当、花陽も見たいなぁ」

にこ「え、ええ…いいわよ」

にこ(…まぁ隠したってしょうがないし。あんまり恥ずかしがるほうがなんか余計に恥ずかしい気がするし、普通に見せれば大丈夫よね)

凛「わーいっ、じゃぁお弁当あけていい?」

にこ「…どうぞ」

凛「よし、おーぷん!」パカッ

凛「……にゃ?」

花陽「……」

花陽「か、可愛いお弁当だね」ニコ

にこ「で、でしょ?」

にこ(うん…そういう反応になるわよね……桜でんぶで大きなハートが描かれたご飯だけでもヒくのに、加えて中に入ってるおかずのほとんどがハート形に仕上げてあるし……どこのバカップルの弁当よ)

凛「わー、すごいねー! これってキャラ弁?」

花陽「いや、それとはちょっと違うんじゃないかな…」

にこ「ま、まぁそんなことどうでもいいじゃない。早く食べましょ」

凛「うん。いただきまーすっ」パクッ

にこ(はあ……だから今日は一人で食べたかったのに…)パク

凛「ねぇそのお弁当って希ちゃんが作ったんだよね?」

にこ「そうよ。にこもちょっと手伝ったけど」

凛「じゃぁそのハートも希ちゃん?」

にこ「そう。形を整えるのに時間くいすぎて、遅刻しそうになったわ」

凛「ふぇー」

凛(希ちゃん、凝り性なとこあるからなぁ…)

真姫「……」モグモグ

凛「あ、ねぇ真姫ちゃんはどう思う? 希ちゃんのお弁当可愛いよねー」

真姫「……そうね。にこちゃんにはもったいないんじゃないの」

にこ「…まぁそうかもね」

まきりんぱな「え?」

にこ「なによ?」

凛「いや、いつものにこちゃんなら、なんですって!?とか言いそうなのに…」

にこ「ま、まぁ、にこも大人になったってことよ。大人はこれくらいのことで腹を立てたりしないものだし」

凛「ほぇ~」

にこ(希には色々と借りがあるから……それで、なんか素直に頷いちゃったのかしら)

真姫「……」パク、パク、パク

真姫「ごちそうさま」ガタッ

凛「えっ!? 真姫ちゃん早すぎだにゃ!」

真姫「凛たちが喋ってるからでしょ。じゃ、私先に戻ってるから」

にこ「あ、うん。えっと、また部室でね」

真姫「……」フイッ

凛「ああ真姫ちゃーん…」ガクッ

花陽「……」

にこ「…なんか、真姫ちゃん機嫌悪いの?」

凛「んー…凛が無理やり連れてきちゃったからかなぁ…」

花陽「え、いや、というよりあれは…」

にこ・凛「あれは?」

花陽「あー……う、ううん、やっぱりなんでもない」

にこ「?」



―放課後―


絵里「さあ、にこ、三日目よ!」

にこ「思うんだけど、なんで絵里はそんなノリノリなの?」

絵里「にこがノッてないから、その分私がノッてるのよ」

にこ「ああ、そう…。あ、穂乃果、これお弁当箱」

穂乃果「ふぇ? ………あ! ありがとー」

にこ(一瞬忘れてたわね…)

にこ「希の家でちゃんと洗わせてもらったから、多分綺麗になってると思うわ」

穂乃果「あ、ほんとだ。ぴかぴかー」パカ

にこ「って、今開けるのね……まぁいいけど」

にこ「今更だけど、お弁当ありがとう。おいしかったわ。あと、雪穂ちゃんにもお礼言っといて」

穂乃果「どういたしましてー。雪穂には後でちゃんと言っておくね」

にこ「ん。それで、絵里。今日もまた、にこに決めろって言うんでしょ?」

絵里「あら。さすがに三回目ともなると慣れるのね」

にこ「まぁね」

にこ(もうみんなに確認をとる必要もないわよね……逆にとったら怒られそうだし)

絵里「じゃぁ誰のところがいい?」

にこ「……じゃぁ、>>133のとこ」

真姫ちゃん

にこ「……じゃぁ、真姫ちゃんのとこ」

真姫「…」ピク

凛「おぉっ!!」

海未「な、なんですか急に、大きな声をあげて」ビクッ

凛「あ、ごめん。思わず…」

花陽「あはは…り、凛ちゃんってばおっちょこちょいなんだから」

凛「い、いやー、まいったにゃー」ハハハ

海未「…?」

希「んじゃ、今日は真姫ちゃんがにこっちを一人占めやね」ポン

ことり「頑張ってね、真姫ちゃん」ポン

穂乃果「ファイトだよ!」ポン

真姫「いちいち肩叩かないでよ……、というか、本当に私でいいわけ?」チラ

にこ「…どういう意味?」

真姫「私のところじゃ、凛とか希みたいな楽しい感じにはならないわよ」

にこ「別ににこはそんなの気にしないけど…」

凛(真姫ちゃんと一緒にいればそれだけで楽しいんだよね!)グッ

凛(凛、恋とかよく分かんないけど、頑張れにこちゃん!)ブンブンッ

海未(凛はさっきからなにをしているのでしょうか…)

花陽(凛ちゃん…嬉しいのは分かるけど、完全に怪しい人になってるよ…)

絵里「じゃぁ真姫、にこをよろしくね」

真姫「…なんかその言い方だと、エリーがにこちゃんの保護者みたいよ」

絵里「似たようなものだと思ってくれていいわ」

にこ「いや、全然違うでしょ」

絵里「それにしても、にこはいつになったら私を選んでくれるのかしら? 私はいつも待ってるのに…」

にこ「そ、そういうこと言われると、どう反応していいか分からなくなるんだけど」

絵里「なんてね、冗談よ。あ、でも選んでほしいのはホントだけど」

にこ「……あ、そう」

にこ(またからかわれた…)

真姫「…ほら、さっさと練習はじめるわよ、エリー」

絵里「はいはい。じゃぁ屋上に行きましょう」

真姫「…」スタスタ

にこ(真姫ちゃん、無言で出てっちゃったし……なんかいつにも増して目つきが恐かったし…やっぱり迷惑だったのかな…)ハァ

希「あー……にこっち。真姫ちゃんの態度はあんま気にしぃひんほうがええよ」

にこ「希……まぁ、気にしてたら心が折れそうだし、極力そうするわ」

凛「にこちゃーん、希ちゃーん、一緒に屋上いこ!」

にこ「はいはい」


希「うーん……難儀やねぇ」

花陽「難儀って?」

希「あ、花陽ちゃん。…えっと……うん。あの二人が、ね」

花陽「……そっか。やっぱりそうなんだね」

希「花陽ちゃんは察しがよくて助かるわ」ナデナデ

花陽「あはは…」

花陽(凛ちゃんがニブすぎるだけな気もするけど…)


―――
――



にこ「………大きい…」

真姫「そう? このあたりの家はみんなこんな感じだけど」

にこ「いや、だってここは高級住宅地ってやつなんじゃないの?」ジー

真姫「じろじろ見てないで、早く入るわよ」

にこ「あ、う、うん」

にこ(……なんか、家からして別世界の人って感じよね)ハァ


ガチャ


真姫「ただいま」

にこ「おじゃましまー…

真姫ママ「いらっしゃい!」

にこ・真姫「!?」ビクッ

真姫「ま、ママ? なんで玄関で正座してるのよ…」

真姫ママ「真姫がお友達を家に泊めるなんて初めてだったから、お母さん楽しみで…メール貰ってからずっとここで待機してたの」

真姫「バカじゃないの…?」

真姫ママ「それで、この子がお友達?」

にこ「あ、は、はい。矢澤にこです、よろしくお願いします」ペコリ

真姫ママ「まぁこれはご丁寧に。真姫の母です」ペコリ

にこ(真姫ちゃんのお母さん……想像通りの美人ね。なんか真姫ちゃんがそのまま大きくなった感じ)

真姫ママ「ふふ、さすが真姫ちゃんのお友達ね。礼儀正しくて良い子だわ。それに可愛い」ナデナデ

にこ「っ…///」

にこ(近くで見ても真姫ちゃんに似てる……な、なんか微妙に恥ずかしい…)

真姫「……ほら、にこちゃん。早く行くわよ」

にこ「あ、うん。えっと、失礼します」ペコ

真姫ママ「はい、ごゆっくりー」ヒラヒラ


にこ「真姫ちゃんの家って廊下も広いのね」

真姫「そうね」ツカツカ

にこ「トイレとか何個もありそうよね」

真姫「そうね」ツカツカツカ

にこ「あの、真姫ちゃん……ちょっと歩くの速くない?」

真姫「…」ツカ……トテトテ

にこ(あ、ちょっとペースダウンしてくれた…)



にこ「で、ここが真姫ちゃんの部屋…?」

真姫「ええ」

にこ(……にこの家より大きいってどういうことなの…)キョロキョロ

真姫「あ、あんまりジロジロ見ないでよ」

にこ「ご、ごめん」

真姫「じゃぁ私、お茶いれてくるから」

にこ「あ、にこも手伝うわ」

真姫「別に一人で出来るわよ。紅茶でいい?」

にこ「う、うん」

真姫「じゃ、ちょっと待ってて」

パタン

にこ(紅茶って…一般家庭で出てくるものだったんだ…。コーヒーくらいが上限かと思ってた)

にこ(……それにしても、真姫ちゃんの部屋にお邪魔できる日がくるとは思わなかったわ……ちょっとだけママに感謝しないと)

にこ(凛ちゃんのときも思ったけど、真姫ちゃんも意外と女の子らしい部屋なのね)

にこ(…というか、部屋に天蓋付きのベッドがあるってなんなの? あの子お姫様なの?)

にこ「…………真姫ちゃんの部屋で、真姫ちゃんと二人きりかぁ…」

にこ(…うん、あんまり意識しないようにしよう)


ガチャ


真姫「お待たせ。適当にお菓子も持ってきた」

にこ「あ、あありがとう!」

真姫「?」


にこ「……」ズズ

真姫「……」コクコク

にこ(さすが真姫ちゃん……紅茶を飲むだけで絵になる…)

真姫「……で?」

にこ「えっ?」

真姫「いや、このあとは何をすればいいの?」

にこ「え、なにって……」

真姫「…あの二人の家では何をしてたの?」

にこ「えっと……希のときは、そもそも神社の手伝いが長引いちゃって、帰って来てからすぐご飯になったわ」

真姫「凛のときは?」

にこ「なわとび」

真姫「………女子高生二人がする遊びなの?」

にこ「あの子、四重跳びできるのよ」

真姫「それはすごいけど……すごくどうでもいい情報ね」

真姫「……」

にこ(んー…このまま黙ったままじゃ、真姫ちゃんもつまんないわよね…。そもそもにこが落ち着かないし…)

にこ「あ、あのさ、真姫ちゃん」

真姫「…なに?」

にこ「えっと、>>150しない?」


(行動でも話題でもどちらでも)

相性占い

にこ「あ、相性占い、しない?」

真姫「………は?」

にこ「真姫ちゃんのその冷たい視線って、いつか人を倒せそうよね…」

真姫「いや、だって相性占いって……私やり方とか分からないわよ?」

にこ「今はインターネットで気軽にできるみたいよ。クラスの子が言ってた」

真姫「ふーん。……じゃ、暇だしやってみましょうか。ちょうどノートパソコンもあるし」

にこ(家にノートパソコン……さすがお金持ちは違う…)

ゆっくりだけど一日中書いててすごいな

>>152
に、ニートじゃないよ、春休みになんの予定もないだけだよ


真姫「えっと…とりあえず検索かけるわよ。相性占いっと」カタカタッ、ターンッ

真姫「……あ、ホントに出た」

にこ「無料サイトも結構あるみたいね」

真姫「じゃ、この一番上のやつを」カチッ

にこ「生年月日で分かる相性占いだって。あ、性別選択するとこがある…ってことは、女同士でもいけるのね」

真姫「…そうね。……で、誰と誰を占うの?」

にこ「…あっ」

にこ(考えてなかった)

真姫「…にこちゃんって分かりやすいわね」

にこ「ま、真姫ちゃんは誰がいいと思う?」

真姫「私が決めるの?」

真姫「…そうね」

真姫「>>159>>160とか」

エリチカ

ノゾー

真姫「エリーと希とか」

にこ「あー、王道ね。じゃ、入力しましょ」

にこ「西暦は二人ともにこと同じで、絵里の誕生日は10月21日で希は6月9日」

真姫「……よく覚えてるわね」カタカタ

にこ「えっ、ま、まぁ、そりゃ、にこは天才だから…」

にこ(友達少ないから、全員分覚えてるとか言えないわよね…)

にこ「で、本名を入力……これって、ネットにばらまかれたりしないわよね? プライバシーとか大丈夫よね?」

真姫「大丈夫よ。にこちゃん心配しすぎ」カタカタ

にこ「いや、だってインターネットとかめったに使わないし…」

真姫「あとは名前ね。えっと、あやせ、えり……エリーの苗字って一発変換できないのよね…」

にこ「ああ、分かるわ…」

真姫「……」カタカタ

真姫「よし。占う、っと」カチッ

パッ


真姫「あ、結果出た。早いのね」

にこ「ネットってすごいわね…」シミジミ

真姫「どれどれ?」


【非常に強い力を生み出すことのできる二人です。
お互いが落ち込んだときに、お互いを励ますことができる、ベストパートナー。
お互い、生きるために必要な存在、まさに空気のような存在になれるでしょう。
ただ、二人だけでいると力が強すぎて暴走することも。
こまめに周りを頼るようにしましょう】


にこ「まぁ……あたってるわよね」

真姫「あの二人が組むと恐ろしそうだしね…」

にこ「しかし空気のような存在っていうのは正直、褒めてんのかしら…」

真姫「ま、まぁ、ないと死んじゃうわけだし、喜んでいいことなんじゃない?」

にこ「それもそっか…」

にこ(いいなー…)

真姫「で、次は誰にする?」

にこ「えっ、にこが決めるの?」

真姫「さっきは私が決めたんだから」

にこ「えー……んー……じゃぁ>>164>>165

まきちゃん

にこ「じゃぁ、私と真姫ちゃん」

真姫「うぇっ!? な、なんで私たちなのよ!?」

にこ「え、ダメ?」

真姫「いや、ダメというか…は、恥ずかしいじゃない」

にこ「大丈夫だって。たかだか相性占いだし」

真姫「け、けど…」

にこ「あっ、もしかしてー、真姫ちゃんってばにこにーとの相性が悪かったらどうしようって心配してるの~? やだ可愛いっ☆」ニコッ

真姫「」イラッ

真姫「わ、分かったわよ。やればいいんでしょ、やれば」

にこ(真姫ちゃんは相変わらず単純ね…。……というか、自分で言い出しといてなんだけど、相性が悪かったらにこのがショック受けそうだわ)

にこ(まぁでも気になるし……にこの家にはパソコンないし、占える機会って今くらいだし…)

真姫「にしきの、まきっと…」カタカタ

にこ「あ、西木野と真姫は一発変換できるんだ」

真姫「そりゃ家のパソコンだもの。単語登録してるわ」

にこ「なるほど…」

真姫「で、やざわ、にこ…」カタカタ

にこ(…矢澤も一発で出るのね。大抵、矢沢のが先に出てくるんだけど。まぁ機種によって違いがあるのかしら)

真姫「あとは誕生日を入力して……、これでオッケーね」カタカタ

にこ「あれ、真姫ちゃん、にこの誕生日覚えててくれたの?」

真姫「えっ、あ、いや、これは……わ、私は記憶力いいからよ。他意はないわ」

にこ「さすが真姫ちゃん。はい、じゃぁ占うっと」カチッ

真姫「あ、ちょっと勝手に押さないでよ」

パッ


【お互いの気持ちをいつも思いやることのできる二人です。

お互い包容力のある二人は、自然とそれぞれを気遣う言葉をかけあうことが出来、二人でいると幸せと感じることが多いでしょう。

ただ、お互いがお互いを気にするあまり、逆にお互いの気持ちが分からなくなることも。

そんなときはお互いを思い合う心でお互いがお互いに寄り添って考えてみましょう】


にこ「……」

真姫「……」

にこ「真姫ちゃん、にこって包容力ある?」

真姫「…ノーコメント。私のほうだってそんなものあるとは思えないけど」

にこ「というかこの文章、何回「お互い」って書けば気が済むのよ…」

真姫「ま、占いなんてこんなものでしょ」

にこ「希たちのほうは結構あたってたけどね」

真姫「偶然でしょ」

にこ「真姫ちゃんって冷めてるわね…」

にこ「…あ、でもこの結果で、一つだけ確実にあたってるとこもあるけど」

真姫「? どこよ」

にこ「それはもちろん、二人でいると幸せと感じるってところに決まってるニコっ♪ にこにーは真姫ちゃんのことだーい好きだからっ!」ニコーッ

真姫「っ……」サッ

にこ「……?」

真姫「……」

にこ「……あ、あの、真姫ちゃん……ツッコミとか、せめて冷たい視線とか、もらえない…? にこがサムいから…」

真姫「…………ば、バカじゃないの」ペシ

にこ「う、うん、ありがとう」

真姫「…」

にこ(なにこの空気…)

真姫「……」

にこ(真姫ちゃんが黙り込んでしまった…。にこにーモードで冗談っぽく言ったつもりだったんだけど、やっぱり気持ち悪かったのかしら…)ウーン

にこ「あ、あの、真姫ちゃ――」

ガチャ

真姫ママ「真姫ちゃん、にこちゃん、ちょっといいかしら」

にこ「あ、はい!」シャキッ

真姫「……。何か用?」

真姫ママ「今からお夕飯作るんだけど、よかったら二人も一緒に作らない?」

真姫「なんでそんなことを…」

真姫ママ「ママね、ずっと夢だったの…。真姫ちゃんと、真姫ちゃんのお友達と一緒にお夕を飯作って、そのまま一緒にお夕飯を食べるの。素敵じゃない?」

真姫「…どうせまた何かのドラマの影響でしょ」

真姫「あたり♪」

真姫「はぁ…」

真姫「バカらしい。にこちゃん、別に相手にしなくていいわよ」

にこ「あ、いや、お手伝いします」

真姫「え」

にこ(この気まずい空気のままにしておくのも、真姫ちゃんに悪いし)

真姫「ちょ、ちょっとにこちゃん…」

真姫ママ「よかったー。じゃぁにこちゃん、エプロンを貸してあげるわ。買ったはいいものの、真姫ちゃんが全然つけてくれない可愛いのがあるの」

にこ「はい、ありがとうございます。にこ、可愛いの大好きなんで嬉しいですっ」

真姫ママ「まぁ……! うちの真姫ちゃんもこれくらい素直なら可愛いのに…」ナデナデ

にこ「あ、あはは…」

真姫ママ「じゃぁちょっとエプロンとってくるから、二人はキッチンで待っててね」

にこ「はーい」ニコニコ

にこ「…よし、じゃぁ真姫ちゃん、行きましょ」チラ

真姫「……」ギロ

にこ「!?」ギョッ

にこ(ま、真姫ちゃんの顔がスクールアイドルとは思えないほど怒りに染まってるんだけど…!)

にこ(え、なに? にこ、なにか悪いことした? やっぱりさっきの言葉が気持ち悪かったの? それともそんなに夕飯の手伝いが嫌なの?)

真姫「……」

にこ「あ、あの、真姫ちゃん…?」

真姫「……もういい。さっさと行きましょ」ツカツカ

にこ「あ、ちょ、真姫ちゃん、ちょっと待ちなさいよ」タタッ

真姫「…」ツカツカツカツカッ

にこ「って、速っ! 真姫ちゃんそれ歩いてるの!? 競歩レベルのスピードなんだけど!?」


―――――

真姫ママ「ま、にこちゃん包丁使うの上手ね。家でもやってるの?」

にこ「はい、うちは母が働いてるので」トントン

真姫ママ「すごいわ。にこちゃんはいいお嫁さんになれるわね」ナデナデ

にこ「そんなことないですよ~」

真姫「……」



にこ「それで、このタイミングで弱火にかけて…」

真姫ママ「なるほど…」

にこ(まさか友達のお母さんに料理を教えることになるとは思わなかったわ…)

真姫ママ「…うん、覚えたわ。次からは私もそうしてみるわね。教えてくれてありがとう」ナデナデ

にこ「はい」ニコ

真姫「……」



にこ「味見お願いします」ス

真姫ママ「はーい」

真姫ママ「……、おいしい! すごい、にこちゃんは本当にお料理が上手なのね」

にこ「いや、真姫ちゃんとお母さんにも大分手伝ってもらいましたし」

真姫ママ「もう、そんなに謙遜しなくてもいいのよ」ナデナデ

にこ「はは…」

にこ(なんかさっきから、ことあるごとに頭を撫でられるんだけど……もしかしてにこのこと、真姫ちゃんの同級生だと思ってんじゃないかしら…)

真姫「……」

にこ(そしてさっきから、ことあるごとに突き刺さる冷たい視線……。そろそろスルーするのも辛くなってきたわ…)


―――
――



にこ「真姫ちゃんのお母さんって素敵な人ね」

真姫「……」

にこ「お喋りなとことかはあんまり真姫ちゃんに似てないけど、それも楽しくていいし」

真姫「……夕食の後からずっと雑談に付き合わされて、今さっきようやく解放されたばかりなのに?」

にこ「まぁこれくらいどうってことないわよ。うちの妹たちのほうが……って、妹たちと同じにするのは失礼かもしれないけど」

真姫「……」ムス

にこ(というか、そろそろ真姫ちゃんの機嫌をなおさないと、場がもたないわね…)

にこ「あ、あのー、真姫ちゃん?」

真姫「……なによ」

にこ「ほら、ようやく部屋で二人になれたんだし、せっかくの機会だからなにかしよーよ」

真姫「……何かって?」

にこ「なんでもいいわよ。さっきはにこから提案したから、今度は真姫ちゃんのやりたいことしよ」

真姫「……。そうね、じゃぁ>>184


(行動でも話題でもどちらでも)

ピアノ

真姫「……。そうね、じゃぁピアノ」

にこ「え? ピアノ?」

にこ「………」

にこ「……」

にこ(…あっ、そっか……ピアノって家にある場合もあるのよね。ビックリした……この時間から学校に行こうってことかと思っちゃった…)

真姫「…ダメ?」

にこ「あ、いや、いいよ、やりましょう。でもピアノってどこに置いてあるの?」

真姫「リビングだけど…というか、ご飯食べてるときに見なかったの?」

にこ「あ、あー……ご飯のほうに夢中で…」

真姫「…まぁにこちゃんらしいわ」

真姫「じゃ、リビングに行きましょ」

にこ「ん。あ、リビングってことは、真姫ちゃんのお母さんともまたお話できるわね」

真姫「」ピタ

真姫「…」トテトテ

にこ「あれ? 真姫ちゃん、リビングってこっちでしょ?」

真姫「うちには二台ピアノが置いてあるの」

にこ「さすが……って、なんでリビングじゃダメなの?」

真姫「急にもう一つのピアノを弾きたい気分になったの。ダメなの?」

にこ「いや、ダメじゃないけど…」

にこ(ピアノに違いとかあるのね…)

真姫「じゃ、ついてきて」

にこ「うん」

すみません、ちょっと夕食をとるため更新とめます
また暇だったら夜か、明日にでも更新再開します

お付き合いいただいた方々、ありがとうございました

結局夜も暇になったのでのんびりと続き書いていきます
レスにあったので一度だけあげます。目障りだったら申し訳ありません
他のレスも全部見てます、ありがとうございます

考えなしに進めちゃってますが、またたまに安価出すかもしれないのでそのときはよろしくお願いします



にこ「…え? ここってピアノ弾くためだけの部屋なの?」

真姫「まぁそうね」

にこ「さすがね…」

にこ「あ、そういえば今更だけど、にこはピアノ弾けないんだけど…」

真姫「ん。だから聞いててほしいんだけど……それじゃ退屈?」

にこ「ううん、全然。真姫ちゃんのピアノ、聞いてて楽しいし」

真姫「……ならよかった」

にこ「じゃ、真姫ちゃん、早速弾いて」

真姫「ん」ストン

にこ「…」ジー

真姫「……あの、距離が近くない?」

にこ「え、だって椅子とかないし、ピアノに寄りかかるのが一番楽だと思って」

にこ「それにほら、前にみんなで歌ったときにもこれくらいの距離で聞いてたじゃない」

真姫「それはそうだけど……」

にこ「ほら、真姫ちゃん。弾いてよー」

真姫「……分かったわよ。なにが聞きたい?」

にこ「愛してる」

真姫「はっ?」

にこ「いや、だから、愛してるばんざーい」

真姫「あ、ああ、曲名ね……略さないでよ、紛らわしい」

にこ「ご、ごめん」

にこ(なんで怒られたんだろう…)

真姫「……じゃ、弾くわよ」

にこ「ん」


愛してる、ばんざーい

にこ(あ、歌うんだ……って、言ったらやめそうだから黙っとこ)

ここでよかったー

私たちの今がここにある

にこ(……やっぱり真姫ちゃんのピアノは落ち着くわね。あと、声も)

にこ(ピアノ演奏してるときの真姫ちゃんってすごい楽しそうで、なんか子供みたいな顔してるし……よっぽど好きなのね、ピアノ)

愛してるばんざーい

始まったばかり、明日もよろしくね、まだゴールじゃない

にこ(………うん。やっぱり好きだなぁ、真姫ちゃんのこと)


―――
――



昨日に手をふって、ほら前向いて


真姫「……」フゥ

にこ「お疲れ様。やっぱり真姫ちゃんの歌はいいわね」パチパチ

真姫「……別に、そんな大したものじゃないわよ」

にこ「そんなことないわよ。穂乃果だって花陽ちゃんだって言ってたわよ。綺麗な音だって」

真姫「………たも…、……ない……けど」ボソ

にこ「え? ごめん、なんて?」

真姫「……わ、私は、にこちゃんの歌も、嫌いじゃないって言ったのよ」

にこ「えっ……、正直にこの声って特徴的すぎて、あんまり自信はないんだけど…。ほら、にこは外見の可愛さでアピールしていくタイプだし?」

にこ(まぁその外見も、真姫ちゃんにはかなわないけどね……っていうのは、絶対言わないけど)

真姫「特徴的って…そんなの、私だって同じじゃない。人のこと褒めるだけ褒めといて、自分に対する評価は否定するの?」

にこ「そういうわけじゃないけど……」

真姫「………」

真姫「にこちゃん、歌って」

にこ「え?」

真姫「私がピアノ弾くから、次はにこちゃんが歌って」

にこ「……いいけど。なんの曲?」

真姫「愛してる」

にこ「っ……あ、ああ、一緒の曲ね。了解」コクコク

にこ(…まっすぐ見つめられながら言われると、曲名だって分かってても、ちょっとドキッとするもんなのね…)

真姫「じゃ、いくわよ」

にこ「はーい」

にこ(真姫ちゃんのあとに歌うのってなんか気が引けるわね……まぁにこもこの曲好きだし、いいけど)


―――――

さあ!
大好きだ、ばんざーい

まけないゆうき、私たちは今を楽しもう
大好きだ、ばんざーい

頑張れるから、昨日に手をふって、ほら前向いて

―――――


真姫「……やっぱり、悪くないわよ、にこちゃんの歌」

にこ「そう?」

真姫「うん。…………その、なんというか…、可愛い」

にこ「は?」

真姫「だ、だから、可愛いって言ったのよ!」

にこ「な、なんでちょっとキレ気味なのよ…」

真姫「恥ずかしいからに決まってるでしょ!」

にこ「ええぇ…」

にこ「ま、まぁ……ありがとう…で、いいの?」

真姫「……い、いいんじゃないかしら」

にこ(真姫ちゃんに可愛いって言われた……)

にこ「……えへへ」

真姫「な、なによ?」

にこ「いや、なんかね、嬉しくて」

真姫「え?」

にこ「ね、真姫ちゃん。今度は真姫ちゃんの歌が聞きたい」

真姫「……じゃぁなんの曲がいい?」

にこ「真姫ちゃんの好きな曲でいいわ」

真姫「…なら、この曲から」


―――
――



にこ「わ、もうこんな時間なのね」

真姫「…気づかなかったわ」

にこ「明日も学校だし、そろそろ寝る支度したほうがいいわね」

真姫「そ、そうね」

にこ「?」

―――――

真姫「……」

にこ「……あの、真姫ちゃん?」

真姫「な、なに?」

にこ「いや、さっきからずっと黙ってるから、どうかしたのかなって」

真姫「……うちね、お布団とか、ないのよ」

にこ「あー…うん。ベッドしかなさそうよね、雰囲気的に」

真姫「うん。……それで、その…」

にこ「……あ、大丈夫。にこは床でも寝れるから」

真姫「は?」

真姫「いや、さすがに床っていうのは…」

にこ「じゃぁクッションとかもらえるとありがたいかも」

真姫「……からかってるの?」

にこ「からかってなんかないけど…?」

真姫「………。凛と希の家では、寝るときどうしてたわけ?」

にこ「あー…凛とは一緒に寝たわ」

真姫「じゃ、じゃぁ、私とも一緒に…」

にこ「あ、でも希のときは、にこのほうが先に寝ちゃったから、気が付けばベッドに寝かされてたわ。家主の希に布団使わせて、かなり申し訳なかったけど」

にこ「希って普段あんななのに、いざというときは頼りになって、正直ムカつくわよね」ウンウン

真姫「……」

にこ「? 真姫ちゃん?」

真姫「……私が床で寝るからにこちゃんはベッド使っていいわよ」

にこ「…はい?」

にこ「いやいやいや、なんでそうなるのよ!?」

真姫「にこちゃんだって床で寝ようとしたじゃない。だったら私が寝たって平気でしょ」

にこ「いや、真姫ちゃんはダメよ」

真姫「なんでよ」

にこ「風邪でもひいたら大変じゃない」

真姫「それはにこちゃんだって同じでしょ」

にこ「いや……」

にこ(どうしよう……真姫ちゃんを床で寝かせるわけにはいかないし……何故かにこが床で寝ることも許可してもらえないし……)

真姫「…ほら、もう寝ましょう。私眠いの」

にこ(こ、こうなったら仕方ない、わよね…)

にこ「ま、真姫ちゃん!」

真姫「……なに」

にこ「あの、嫌じゃなければ、なんだけど………い、一緒に寝ない?」

真姫「……」

>>211
すみません今更ですが、間違えてました

×にこ「あー…凛とは一緒に寝たわ」
○にこ「あー…凛ちゃんとは一緒に寝たわ」


ちゃん付けるの忘れてました
今更ですが、呼称や一人称についてはかなり捏造してるので、人によっては違和感あるかもしれません

にこ「ほ、ほら、凛ちゃんとは一緒に寝たわけだし? 女の子同士…というか、と、友達なら、一緒に寝たって不自然ではないでしょ?」

真姫「………凛のときも?」

にこ「え?」

真姫「凛のときも、にこちゃんから誘ったの?」

にこ「あ、いや……凛ちゃんが当たり前のように提案してきたから、それに乗った形だけど…」

真姫「……そう。なら、にこちゃんが誘ったのは私だけって思っていいのよね」

にこ「まぁ、そうだけど…」

にこ(改めて確認されるとかなり恥ずかしいんだけど…)

真姫「…じゃぁ一緒に寝ましょう」

にこ「う、うん」

にこ(真姫ちゃんを床に寝かせるよりは大分マシな展開だけど…)チラ

真姫「?」

にこ(………真姫ちゃんと一緒のベッドで寝るとか、想像しただけで胸が痛くなってくるんだけど…)

にこ(とりあえず出来るだけ意識しないようにしよう…)



にこ「…しかし、改めて見ると本当に大きなベッドよね。それに天蓋付きだし」

真姫「私は生まれた時からずっとこれで寝てるから、今更あまり大きいとは思わないわ」

にこ「やっぱり真姫ちゃんってお姫様よね…いろんな意味で」

真姫「…それ褒めてる?」

にこ「一応」

真姫「ならいいけど」

にこ「じゃぁ、えっと、ベッドにおじゃまさせてもらいます」ペコリ

真姫「そう改まられるとこっちが恥ずかしいんだけど…」

にこ「いや、なんかベッドが神々しいから緊張してて…」

真姫「なによそれ」クス

にこ「そりゃ真姫ちゃんにとっては日常の一部なんだろうけど……って、布団やわらかっ」モソモソ

真姫「そう? 普通じゃない?」

にこ「いやいやいや……ふわってしてるわよ。うちの布団なんて、ぺたって感じなのに」

真姫「ぺたって…」

真姫「…じゃぁ私も隣、失礼します」モゾ

にこ「って、なんで真姫ちゃんも敬語なのよ」

真姫「にこちゃんにつられたのよ」

にこ「そっか……って、……」

真姫「?」

にこ(想像以上に真姫ちゃんが近かった…ダメだ)グルン

真姫「ちょ……なんでそっち向くの? 背中しか見えないんだけど」

にこ「い、いや、ちょっと……あの、お腹が痛くて」

真姫「…お腹が痛いときは右を下にして寝るのよ? 逆じゃない」

にこ「」

にこ(素で間違えた…)

真姫「…にこちゃん。痛いなら右下だってば」

にこ「あ、あー……うん。今、痛くなくなった」

真姫「じゃぁこっち向いてよ」

にこ「いや、実はにこ、寝るときはこの向きじゃないと寝れないの」

真姫「合宿のとき、普通に仰向けで寝てなかった?」

にこ「」

にこ「ええっと……」

にこ(上手い言い訳が思いつかない…)

真姫「……ねぇ、にこちゃん」ソ

にこ「っ」ビクッ

真姫「こっち向いてよ。背中しか見えないって結構、その、寂しいんだけど」

にこ(あああもう……)グルッ

にこ「…これでいいんでしょ」

真姫「ん」

にこ(ま、まぁ、電気は消えてるし、暗がりならまだ恥ずかしさも薄らぐだろうし…)

真姫「…やっぱり相手の顔がちゃんと見えてると安心するわ」

にこ「っ、そ、そうね」

にこ(あ、あんまり変わらなかった……でも背を向けたら真姫ちゃんが寂しがっちゃうし…というか、寂しいってなによ、なんでそんな急に素直になるのよ…)

真姫「……なんか、変な感じ」

にこ「変?」

真姫「誰かと一緒に寝るのって、久しぶりだから」

にこ「あー…そっか。姉妹とかいないと、そうなるのかもね」

真姫「うん。生まれたときから一人の部屋が用意されてたから、ママと一緒に寝ることもなかったし」

にこ(そう思うと、お金持ちってのも考えものね…)

にこ「…あー、だから真姫ちゃんは寂しがりやさんになっちゃったのね」

真姫「だ、誰が寂しがりやよ!」

にこ「だってーついさっきも言ってたじゃない? 寂しいって」

真姫「そ、それは………だって、嫌じゃない。せっかく一緒なのに、背中しか見えないなんて…」

にこ「もー真姫ちゃんってば甘えん坊さんなんだからぁ」

真姫「だから違うってば……というか、さっきからそのテンション高い喋りはなんなの」

にこ(こうしてないと恥ずかしくて喋れなくなるからよ)

にこ「…というか、にこ、もう眠いから寝ていい?」

真姫「あ、うん。……あの…」

にこ「なに?」

真姫「………、な、なんでもない……」

にこ「そう? ……じゃぁ、おやすみ」

真姫「……うん」


―――――


真姫「………、ちゃん」

にこ(…まきちゃん…? ……ああ、ダメだ…ねむくて、なんか、あたまがはっきりしない…)

真姫「……、きよ」

にこ(…?)

真姫「………」ナデナデ

にこ(……いま、まきちゃん、なんていったんだろ…?)


―――
――


にこ「……ん、あ。朝……?」コシコシ

真姫「んー……」

にこ「っ!? ……って、そ、そっか…真姫ちゃんと一緒に寝てたんだった…」

にこ「真姫ちゃんは……まだ寝てるみたいね」

真姫「ん………にこ、ちゃ…」ギュ

にこ「か、可愛い……。こうしてるとやっぱり一年生なのね」ナデナデ

真姫「……?」パチ

にこ「あ、ごめん。起こしちゃった?」

真姫「ん………、おはよー、にこちゃん…」

にこ「おはよう。…まだちょっと寝ぼけてる?」

真姫「…ん」コクリ

にこ(可愛い)

―――――

にこ「それにしても、本当によかったのかしら…」

真姫「ああ…ママが作ってくれたお弁当? 本人がどうしても貰ってほしいって言ってたんだから、気にしなくていいのよ」

にこ「けど…にこ、真姫ちゃんの家ではなにもしてないのに…」

真姫「夕飯手伝ってくれたじゃない」

にこ「あー……でも、うーん…」

真姫「もう、にこちゃんは深く考えすぎ。普通にありがとーって言えばいいのに」

にこ「んー…それもそうね」

にこ「じゃぁ、ありがとう」ニコ

真姫「っ……、い、言うなら、私にじゃなくて、ママにでしょ」

にこ「うん。だから真姫ちゃんから伝えてってこと」

真姫「あ、ああ、そういうこと……分かった、伝えとくわ」

真姫「……あ、あの」

にこ「んー?」

真姫「こうやって、その、二人で登校するのって、初めてね」

にこ「そういえばそうね。なんか新鮮かも」

真姫「う、うん。だから……


穂乃果「あっ、にこちゃーん! 真姫ちゃーん!」

ことり「ああ穂乃果ちゃん……邪魔しないほうが…って、もう遅いね…」

海未「ことり、邪魔というのは、どういうことですか?」

ことり「そ、それは……あはは…」

海未「?」


にこ「あ、穂乃果たちだわ」

真姫「……」シュン

穂乃果「にこちゃん、真姫ちゃん、お泊まりどうだった? 楽しかった?」

にこ「まぁ……そりゃ、楽しくなくはなかったわよ」

穂乃果「いいな~、お泊まり。今度μ’sのメンバーでやろっかなぁ…」

ことり「あ、それいいかも」

海未「夜、大人しく寝てくれるなら私も賛成です」

にこ「合宿のときみたいなことにはもうなりたくないしね…」

海未「合宿のとき?」

にこ「覚えてないのね…」

真姫「……」ハァ

ことり「あー…あの、真姫ちゃん、ごめんね?」

真姫「……別に」

穂乃果・海未・にこ「?」


今日の更新はここで終わります
こんな時間まで付き合ってくれてる方がいるかは分かりませんが、もしいましたらありがたいです

なんか安価出すタイミングが計れなくて、淡々と進行してるだけですみません

では、協力してくれた方々、ありがとうございました

ゆったりと更新していきますー

提案いただいたので、書き始めと書き終わりだけあげていきます



―昼休み―


凛「真姫ちゃーんっ、にこちゃんと一緒にお弁当……って、ありゃ? 真姫ちゃんは?」

花陽「真姫ちゃんなら、チャイムが鳴ったと同時に教室を出ていったよ」

凛「お腹でも痛かったのかな?」

花陽「うーん……多分、凛ちゃんに捕まらないため、じゃないかな」

凛「えっ、凛に? な、なんで?」

花陽「今日のにこちゃんのお弁当は真姫ちゃんのお母さんが作ったって、さっきの休み時間に真姫ちゃんが言ってたでしょ?」

凛「うん」

花陽「だから今日はにこちゃんと一緒にお昼食べるのは、ちょっと恥ずかしいんじゃないかな」

凛「なんで?」

花陽「え、えっと……真姫ちゃんは恥ずかしがりやさんだから、ね?」

凛「んー…?」

花陽「と、とりあえず、今日は二人で食べよ?」

凛「よく分かんないけど、かよちんが言うならそうするにゃー…」

花陽「うん」



―三年教室―


にこ(…今日は、真姫ちゃんたち来ないのね)モグモグ

希「にこっち、さっきからずーっと教室の扉のほう見てるけど、誰か待ってるん?」

にこ「べ、別に?」サッ

絵里「ふふ、本当ににこは分かりやすいわね」

にこ「……」

にこ(同じ歳のはずなのに、なんでこの二人には勝てないのかしら…)ハァ

希「まぁまぁそう溜息つかんといてーな。ほら、せっかくの愛妻弁当が台無しやで」

にこ「だ、誰が愛妻弁当よ!」

絵里「え? 違ったの?」

にこ「作ったのは真姫ちゃんのお母さんよ。真姫ちゃんじゃないし、愛妻弁当じゃないわ」

希「そっかぁ。…作ったのが真姫ちゃんやったら、愛妻弁当やったん?」

にこ「べ、べべべつにそういうわけじゃ…」

絵里「ほんと、分かりやすいわね」

にこ「っ~…」



―放課後―


絵里「さあ、にこ。今日は誰のところがいい?」

にこ「? ……あ」

にこ(そっか。今日も誰かの家にお世話にならなきゃいけないんだった……。真姫ちゃんの家で色々ありすぎて、正直ちょっと忘れてたわ)

絵里「一度泊まった人のところでもいいけど、私のところでもいいのよ」

にこ「はあ…」

絵里「…ねぇ希、にこって、私にだけ冷たい気がするんだけど、気のせい?」

希「にこっちはツンデレさんやから」

絵里「ああ、なるほど。じゃぁもうすぐデレがくるのね…!」

海未(絵里がだんだんと変な人になっていっている気がするのですが……まぁ深く考えないでおきましょう)

絵里「じゃぁ改めて。にこ、今日は誰のところに行く?」

にこ「えっと……じゃぁ、>>245にお願いしたいんだけど…」

海未

にこ「えっと……じゃぁ、海未ちゃんにお願いしたいんだけど…」

海未「え、わ、私ですか?」

穂乃果「おぉっ、やったね海未ちゃん!」

ことり「海未ちゃん、この間からずっとにこちゃんの心配してたもんねー」

にこ「え、そうなの?」

海未「あ、いや、それは………まぁ、もちろん心配しますよ。にこは大切なメンバーですし」

にこ(全然そんな素振りなかったけど……って、海未ちゃんは穂乃果たちと違って、ストレートに伝えてくるタイプじゃないからか)

にこ「えっと……悪かったわね、心配かけちゃって」

海未「いえ、それは別に……。…では、今日はよろしくお願いしますね」

にこ「うん。お願いします…って言うのは、どっちかというとにこのほうなんだけどね」

希「じゃ、練習はじめよか……ほら、エリちもいつまでも落ち込んでへんで」

絵里「だって、だって……希は選ばれたのに…同じ学年なのに…」

希(エリちって時々めんどくさいなぁ……まぁ、そういうとこも可愛いといえば可愛いけど)

希「ほら、一緒に練習しにいこ?」

絵里「………うん」コクリ

希(なんか子供みたいやな)ナデナデ


にこ「あ、そうだ、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

にこ「お弁当ありがとう。お弁当箱は明日返すから」

真姫「分かったわ」

真姫「……」チラ

にこ「?」

にこ(誰見てるんだろ……って、海未ちゃん?)

真姫「……まぁ、海未なら大丈夫よね」

にこ「え?」

真姫「いや、別に。ほら、練習行きましょ」

にこ「ええ」


花陽(うーん、もどかしいなぁ…)

凛「かよちーん、練習いこー」

花陽「あ、うん」

凛「今日はダンスレッスンあるかにゃー? 楽しみだねー♪」タタッ

花陽(凛ちゃん見てるとなごむなぁ…)


―――
――


にこ「う、海未ちゃんの家もやっぱり結構大きいのね…」

海未「そうですか?」

にこ(なんで家が大きい人ってその自覚がないの…?)

海未「ではにこ、中へどうぞ」ガラガラ

にこ「あ、ありがとう。いや、というか海未ちゃんが先に入っていいよ? 海未ちゃんの家なんだし」

海未「私は幼少時から、お父様にレディーファーストを心掛けるよう教えられて育ったので」

にこ「海未ちゃんもレディーよね…?」

海未「細かいことは気にせず、どうぞ」

にこ「…まぁ、それじゃぁ、おじゃまします」

海未母「あら、いらっしゃい」

にこ「あ、お、おじゃましてます!」ペコリ

にこ(海未ちゃんのお母さん、めちゃくちゃ美人なんだけど……ま、まぁ海未ちゃんも美人だしね…遺伝子ってやつよね)

にこ(…にしても、家の中で着物って……ドラマの中だけの光景かと思ってたわ)

海未母「あなたのことは海未から聞いています。妹さん思いの、素敵な先輩さんだと」

にこ「す、素敵なんて、そんなことは…」

海未「事実なんですから、謙遜することはありませんよ、にこ」

海未母「そうですよ。今日はゆっくりしていってくださいね」

にこ「は、はい」

にこ(真姫ちゃんのお母さんとはまた違った雰囲気で……なんか、すごい緊張する)ドキドキ


―――――

にこ「で、ここが海未ちゃんの部屋……畳なのね」

海未「畳は落ち着きますから」

にこ「ええ。…にこも、なんか落ち着くわ」

海未「分かってもらえて嬉しいです。さて、それじゃぁ夕飯までの間、何かしますか?」

にこ「え、にこが決めていいの?」

海未「私には特に希望はありませんし……なにより、にこは大切なお客様ですから」

海未「にこが楽しむことが、一番大切ですし」

にこ(…よく真顔でそういうこと言えるわね…)

にこ「………じゃぁ、>>252


(行動でも話題でも、どちらでも)

海未ポエム拝見

にこ「………じゃぁ、海未ちゃんのポエムが見たい」

海未「では、一緒に座禅でも組みましょうか」

にこ「ちょっと、軽くスルーしないでよ」

海未「すみません、最近難聴気味で…」

にこ「海未ちゃんのポエムが見たーい!!」

海未「大声を出さないでください! 親にはポエムのことは秘密なんですから!」

にこ「海未ちゃんが変な嘘つくからでしょ」

海未「その前に、にこが変なことを言うからです」

にこ「……ダメなの…?」

海未「うっ」

にこ「一度でいいから見てみたかったんだけどなぁ……海未ちゃんのポエム……」シュン…

海未「……わ、分かりました。分かりましたから、そんな顔で見ないでください」

にこ(前にことりちゃんが言ってたけど、海未ちゃんってホント押しに弱いのね)



にこ「……」ペラ

海未「……」

にこ「……」パタン

海未「……」

にこ「うん、海未ちゃんらしくていいと思うけど……あの、海未ちゃんはいつまで座布団で顔を隠してるの?」

海未「……気にしないでください」

にこ「いや、気になるんだけど…」

海未「……人に自分の作品を見られるのはあまり得意ではないのです」スッ

にこ「でも本当にいいと思うけど。ほら、特にこの恋心をお菓子にたとえてるとことか」ペラ

にこ「私の恋はあまあまマカロン、口どけなめら…

海未「うわああああ! お、音読しないでください!!」バッ

にこ「そんなに恥ずかしがらなくても…」

にこ「海未ちゃんは作詞もしてるんだし、もうちょっと自分の作品に自信もてばいいのに」

海未「む、無理ですよ……大体、μ’sの曲が評価されるのだって、真姫の作曲のおかげですし…」

にこ「確かに真姫ちゃんの作曲もすごいけど、海未ちゃんだってすごいわよ」

海未「………、……あ、ありがとうございます///」

にこ(ちょっと可愛い……けど、こういう性格だからいつも穂乃果やことりちゃんに押し切られちゃうんでしょうね…)

にこ「…そういえば、海未ちゃんっていつもどんなこと考えながら詩書いてるの?」

海未「どんなこと…?」

にこ「いや、恋愛系の歌詞が多いから。もしかして海未ちゃんにも好きな人がいたりするのかなーって」

海未「うえぇっ!?」

にこ(あ、今の驚き方、ちょっと真姫ちゃんに似てた)

海未「な、何故そんな話になるんですかっ」

にこ「いや、なんとなく。ポエムの話を続けられるのも恥ずかしいでしょ?」

海未「恋愛の話だって恥ずかしいです!」

にこ「じゃぁポエムの話する? にこは別にそれでも全然いいけど」

海未「…………、べ、別の話に、しましょう」

にこ「じゃぁ恋愛の話」

海未「だ、第三の意見を出させてください」

にこ「はい、どうぞ」

にこ(海未ちゃんって意外とすぐ動揺するし、面白いなぁ…)

海未「……学業のことについて話しましょう」

にこ「そんなの、つまんないじゃない」

海未「学生の本分は学業ですよ」

にこ「『にこが楽しむことが、一番大切ですし」』」キリッ

海未「……それが誰の真似かは、聞かないでおきます」

にこ「ふふ、まぁ冗談よ、冗談。にこだって鬼じゃないんだし、海未ちゃんが本当に嫌がる話はしないわ」

海未「……あまりからかわないでくださいよ。希たちみたいですよ」

にこ「希と一緒にされるのは嫌ね…」

にこ「じゃ、先輩らしく海未ちゃんの好きな話でもしましょうか」

海未「私の好きな話?」

にこ「穂乃果とことりちゃんの魅力について、存分に語っていいわよ」

海未「か、語りませんよ!」


―――
――



にこ「結局、μ’sの話になっちゃったわね。しかも気が付けば、いい時間になってるし」

海未「まぁ私たちらしいです。………あ、そういえば」

にこ「ん?」

海未「にこは好きな人がいるんですか?」

にこ「はぁ!? な、なんで?」

海未「先ほど…、海未ちゃん“にも”好きな人がいたりするのかなー……と、言っていたので」

にこ「よ、よく憶えてたわね」

海未「気になったので」

にこ「そ、そう」

にこ「ま、まぁ……その、いるには、いる、けどね……」

海未「…安心してください。それが誰か、なんて聞いたりはしませんから」

にこ「あ、ほんと? …よかった」ホッ

海未「けど意外ですね」

にこ「意外って?」

海未「にこは人一倍アイドルに情熱を傾けていますから、アイドルは恋愛禁止ーとか言いそうだなと思っていたので」

にこ「あ、あー……うん、まぁそう思ってるのは事実だったりするんだけどね…」

にこ「アイドルの恋人はファンだけっていうのが、昔からのアイドル界での暗黙のルールみたいなものだし、それを破ったアイドルがどうなったかも…まぁ、今まで結構見てきたし」

海未「でも、私たちはスクールアイドルですから。そこまで思いつめることはないと思いますよ」

にこ「それはそうなんだけどね……ま、こんな心配しなくても、にこはその子に告白するつもりなんてないから、いいんだけど」

海未「そうなんですか?」

にこ「ん。告白しても困らせるだけだろうし」

海未「それは、してみないことには分からないと思いますが…」

にこ「…じゃぁ、もし今ここで、にこが海未ちゃんに告白したらどう思う?」

海未「………、こ、困りは、しませんけど」

にこ「えー、じゃぁ受け入れてくれるの?」

海未「……………あの、すみません。例え話だと分かっていても、答えづらいです…」

にこ「ごめんごめん。けどさ、こうやって冗談で言われただけでも答えづらいんだったら、やっぱり告白なんて出来ないわよ」

海未「……まぁ、私はあまり深入りはしませんし、お節介もするつもりはありませんが」

海未「後悔だけはしないようにしてくださいね」

にこ「ん、ありがと。……でもなんか、海未ちゃんが“後悔”とか言うと、無駄に重く聞こえるわね」フフ

海未「わ、私は真面目に話しているんですから、笑わないでくださいよ」


―――
――



にこ「……」チラ

海未「……」スー

にこ(合宿の時もだけど、寝るの早いわね…)

にこ(にしても、さすがに海未ちゃんのとこは客用の布団を用意してくれてたのね。まぁ海未ちゃん相手なら一緒に寝ることになっても、向こうが恥ずかしがるだけだろうけど)

にこ(……後悔はしないように、かぁ…)

にこ(告白しないで諦めてしまうことか、告白して相手が離れて行ってしまうことか)

にこ(にこにとっての後悔って、どっちなんだろ……)

にこ(…………)

―――
――


にこ(……考え事をして寝たせいか、いつもより早くに目がさめちゃったわ…)

海未「…」スー

にこ(さすがの海未ちゃんもまだ起きてないみたいね。とりあえず起こさないように布団から出て…)モゾ


にこ(そっと扉を閉める……、よし)

海未母「あら?」

にこ「!」ビクッ

にこ「あ、う、海未ちゃんのお母さん…おはようございます」

海未母「おはようございます。随分と早いですね。……もしかして、眠れなかったですか?」

にこ「いえ、そんなことないです。ただなんとなく目がさめちゃって…」

にこ「…あ、もしかして朝食の準備って今からですか?」

海未母「ええ、そうですけど」

にこ「じゃぁ手伝ってもいいですか?」

海未母「え?」

にこ「昨日の夕飯と、あと泊めてもらったお礼に……って、お礼になるほどのことではないんですけど」

海未母「…いいえ、十分ですよ。あなたはしっかりしたお嬢さんですね」

にこ「いや、そんなこと…」

にこ(今思えば、海未ちゃんの家ではただ喋ってただけだし…)

海未母「では、お手伝いをお願いしますね。ふふ、娘以外の若い子と一緒に台所に立つのは久しぶりですから、楽しみです」

にこ「はいっ」


―――
――



穂乃果「へー、じゃぁ今日の海未ちゃんのお弁当って、にこちゃんが作ったんだー」

海未「はい。…私が寝ているときの出来事なので、情けない話ですが…」

ことり「海未ちゃんより早起きだなんて、にこちゃんすごいね」

穂乃果「ね、ね、一口もらっていい?」

海未「はい、どうぞ」

穂乃果「あーんっ」

海未「自分で食べてください」

穂乃果「けちー。じゃ、いただきまーすっ」パクッ

穂乃果「……おおっ、おいしい!」パァッ

海未「にこは料理上手ですからね」

ことり「すごいよね、にこちゃん。いいお嫁さんになりそう」

穂乃果「だよねー。私、立候補してこよっかなー」

ことり「残念だけど、多分もう遅いと思うなぁ」

穂乃果「ほぇ?」

海未「?」


―三年教室―


希「で、ずーっとμ’sの話をしてる間に、気が付けば夜になってた、と?」

にこ「うん」

希「二人ともどれだけμ’sのこと好きなん」

絵里「まぁいいことじゃない。にこと海未って普段あまり話さないから、どんな風に過ごすのかちょっと気になってたのよ」

にこ「思ってたより盛り上がったわよ。海未は終始真面目全開だったけど」パク

希「しかも今日のお弁当は海未ちゃんとお揃いやもんなぁ」チラ

真姫「………なによ、希」

希「いや、今日は真姫ちゃんたちが来てくれてよかったなぁと思って」

絵里「あ、そういえば昨日はどうして来なかったの? にこが寂しそうに

にこ「げほん、ごほん! あーご飯が喉につまっちゃったぁ!」

にこ(我ながらなんてへたくそな誤魔化し方…)

花陽「に、にこちゃん、大丈夫? はい、お茶」ス

にこ「あ、ありがとう。花陽ちゃんって本当に天使ね」

花陽「え?」

凛「かよちんは昔からずっと天使だにゃ」

希「まぁでも、楽しかったんなら何よりやな」ウンウン

絵里「そうね。そういえば、にこのご家族が帰ってくるまで、あと三日ね」

にこ「ん。さすがに帰ってくる当日は家に帰るから、みんなにお世話になるのはあと二回ね」

絵里「あと二回ね…」

にこ「…なんでちょっとヘコんでんのよ」

希「エリちにも色々あるんよ」

にこ「?」

凛「にこちゃん、にこちゃん」チョイチョイ

にこ「なに?」

凛「頑張ってね!」グッ

にこ「う、うん…?」

花陽「り、凛ちゃん、それじゃ意味不明だよ…」

真姫「……」


―――――

凛「じゃーねー、三人ともまた練習でー」ブンブンッ

希「んー」ヒラヒラ

絵里「凛は本当に無邪気で可愛いわね」

希「ほんと、癒されるわぁ」

にこ「まぁそうね……って、あ!」ガタッ

絵里「な、なに?」

にこ「ごめん、ちょっと忘れてたことがあるから、真姫ちゃんたち追いかけてくる!」ダッ

希「いってらっしゃいー」

絵里「あんな勢いよく駆け出さなくても、間に合うと思うけどね」

希「まぁそこがにこっちの可愛いとこやから」


にこ「真姫ちゃん!」タッタッ

真姫「!」ピタ

凛「あ、にこちゃん。どうしたにゃ?」

にこ「いや、真姫ちゃんにお弁当箱返し忘れてて…」

凛「!」ハッ

凛「あ、ちょっと凛、教室に早く帰りたい気分になっちゃったにゃ! かよちん、いこ!」グイッ

花陽「ちょ、り、凛ちゃん、ひっぱらないでええぇぇ」エエエェェ……

にこ・真姫「…」ポカン…

にこ「り、凛、どうしたの?」

真姫「さあ…?」

真姫「…それより、お弁当箱」

にこ「あ、うん。はい」ス

真姫「うん」

にこ「……」

真姫「……」

にこ「ええぇっと……じゃぁ、にこも教室に戻るわね」

真姫「あ、に、にこちゃん」

にこ「なに?」

真姫「………、な、なんでもない…」

にこ「? えっと…じゃぁまた部活で」

真姫「…うん」

にこ(…なんだったんだろ…?)

―――
――


絵里「さあ、放課後よ!」

にこ「な、なによ急に叫んで…」

穂乃果「思わずビックリしちゃったよー」

絵里「にこ、今日は誰の家がいい?」ニコニコ

にこ(なんでそんな笑顔なの…?)

にこ「え、えっと、じゃぁ……>>272

えり

にこ「え、えっと、じゃぁ……絵里」

絵里「……………えっ」

にこ「えっ?」

絵里「え、私? 私でいいの?」

にこ「う、うん」

絵里「…やった! やったわ希!」バンザーイッ、バンザーイッ

希「おめでとうエリち!」バンザーイッ

にこ「なんなの、あんたたちのテンション…」

希「いや、エリちはずっとにこっちに選ばれんの待ってたから」

にこ「そ、そうなの? ……なんか、ごめん…」

絵里「いいのよ。選んでくれただけで嬉しいわ」ニコ

にこ(すごく爽やかな笑顔だけど……さっきのテンションの高いばんざいを見た後だと、なんかギャップがすごすぎて笑いそうになる…)

絵里「にこに楽しんでもらえるよう、私頑張るわ!」

にこ「う、うん。お世話になるわ…」


真姫「……」

凛「真姫ちゃん、どうしたにゃ?」

真姫「…何が?」

凛「いや、難しい顔してたから、なにか考えてたのかなーって」

真姫「…別になんでもないわ」

凛「にゃー?」


―――
――



にこ「…絵里の家も結構大きいのね…」

絵里「普通だと思うけど」

にこ「ああ、うん。もうその反応には慣れたわ」

絵里「?」

絵里「まぁとにかく、入って。あ、両親は多分まだ仕事中だから帰ってないわ」ガチャ

にこ「え、じゃぁ家には誰にもいないんじゃ…」

亜里沙「いらっしゃいませ!」ニコーッ

にこ「あ、お、おじゃまします」ニコッ

にこ(って、思わず微笑み返してしまった……にしても、いい笑顔ね)

にこ「えっと、確か絵里の妹の……亜里沙ちゃん?」

亜里沙「はいっ、覚えていてもらえたなんて光栄です!」シャキッ

にこ「えっと、今日はお世話になります」ペコリ

亜里沙「いえいえ、こちらこそ。あの、亜里沙、μ’sのファンなんですっ。にこさんのこともPVで見て可愛いなぁって思ってました!」

にこ「ありがとう、嬉しいわ」

亜里沙「えへへ」

絵里「ふふ、さすがにこね。中学生にまで可愛いって言われちゃうなんて」

にこ「…バカにしてない?」

絵里「してないわ。さぁ、早速私の部屋でお話でもしましょ」

亜里沙「あ。亜里沙も一緒にお話ししたい! あの、亜里沙もご一緒していいですか?」

にこ「ええ、もちろん」

絵里「じゃぁ三人でね」

にこ(…それにしても、亜里沙ちゃんもやっぱり絵里の妹だけあって可愛いし……にこの周囲ってレベルの高い子が多すぎない…?)


―――
――


にこ「なんというか、すごく元気な子ね…亜里沙ちゃん」

絵里「はは……、ごめんなさい。長々と亜里沙の話に付き合わせてしまって。あの子、μ’sに憧れてるから、にこが来てテンションが上がっちゃったみたいで…」

にこ「いや、別にいいのよ。楽しかったし」

にこ「それにしても亜里沙ちゃんって……海未ちゃんから聞いてはいたけど、ほんと目をキラキラーってさせて喋るわよね」

絵里「それだけ亜里沙も楽しんでたってことよ」

にこ「ならよかったわ」

絵里「私が注意しなければ、多分まだずっと話し込んでたわよ。受験生なんだから、ちょっとは自覚を持ってほしいわ」

にこ「まぁいいじゃない。ちょっとは息抜きも必要でしょ。それに今は頑張って勉強してるんだから」

絵里「それはそうだけどね」

ちょっとここで更新止めます
多分また夜に再開します

お付き合いいただいた方々、ありがとうございました

そろそろ完結に向かって動き出したいです

ゆったりと再開していきます

絵里「…さて、じゃぁ二人きりになったところで、何かお話しましょうか」

にこ「もう散々話したじゃない」

絵里「それは亜里沙とでしょ? 私はちょっと疎外感だったんだけど」

にこ「あんたがニコニコ笑いながら見守ってたから話振りづらかったのよ」

絵里「それでも寂しかったんだから、少しくらい私に付き合ってくれたっていいじゃない」

にこ「まぁいいけど…」

にこ「で、なんの話するのよ」

絵里「んー…そうね。>>289とか」


(話題でお願いします)

真姫ちゃんとの進展具合

絵里「そうね。真姫との進展具合とか」

にこ「………な、なんのことか、にこには分からないニコー…」

絵里「今更隠す必要もないでしょう?」

にこ「……それもそうね」ハァ

にこ「でも、話せることなんて何もないんだけど」

絵里「この間、真姫の家に泊まりに行ったのに?」

にこ「普通に友達として泊まりに行ったんだもの。進展なんてないわよ」

絵里「……にこって、本当にヘタレなのね…」

にこ「しみじみ言うの、やめてくれる…?」

絵里「このままじゃ、何も言えないまま卒業を迎えてしまうわよ?」

にこ「…別にいいわよ」

絵里「え? ……まさか告白しない気?」

にこ「そのつもりだけど」

絵里「………はぁ」

にこ「…何よ、その溜息は」

絵里「だって…絶対後悔するわよ?」

にこ「…前に、後悔だけはするなって、言われたことがあったから。その後にちゃんと考えてみたの」

にこ「もし告白してフラれたら……ううん、それよりも、真姫ちゃんを困らせることになったらって思うと」

にこ「…多分、そのほうが後悔しちゃうと思うから。だからにこは真姫ちゃんに告白しない」

絵里「でも、真姫の返事がどういうものになるかなんて、分からないじゃない」

にこ「……脈があるように見える?」

絵里「見えるけど」

にこ「……絶対ないわよ」

絵里「そのネガティブな自信はどこからくるの?」

にこ「…だって、真姫ちゃんってどう見たって、にこに冷たいじゃない」

絵里「そう?」

にこ「そうよ! いつもつっけんどだし、不機嫌そうな顔してるし、睨まれること多いし」

絵里「それって、逆に言えばにこを意識してるってことでもあるんじゃないの?」

にこ「そんな前向きな考え方が出来たら苦労しないわ」

絵里「……ホント、もどかしいわね」ハァ

にこ「もどかしい?」

絵里「あのね、にこはもう少し向き合うべきだと思うわ」

にこ「真姫ちゃんに? …十分向き合ってるじゃない」

絵里「全然向き合ってないわよ。逆に背中を向けてるって感じ」

絵里「告白するかしないかを決めるのは、ちゃんと真姫と向き合ってからのほうがいいんじゃないの?」

にこ「………向き合えって言われたって、そんなの今更どうしたらいいか分からないわよ」

絵里「そんなに難しく考えないで、ただいつもより少しだけ真姫のほうを見てみるとか、積極的に話しかけてみるとか、それくらいのことでいいのよ」

にこ(そういえば、自分から進んで真姫ちゃんのほうを見ることって、あんまりなかったかも…)

にこ(告白する気なんてなかったから、これ以上好きになったら辛かったし)

絵里「できそう?」

にこ「……まぁ、ちょっとずつ頑張ってみるわ」

絵里「うん。それでこそ、にこだわ。偉い」ナデナデ

にこ「だから子供あつかいするのはやめなさいってば」ペシ

絵里「私にとっては手のかかる子供みたいなものなのよ」

にこ「何よそれ…」


―――
――


絵里「……はぁ」

絵里(まさか、亜里沙がにこと一緒にお風呂に入りたがるなんて…予想外だったわ)

絵里(一応止めたけど、結局押し切られちゃったし……まぁ亜里沙には変な意図なんてないんだろうけど、何となく真姫に申し訳ない気持ちになるのは何故なのかしら…)ハァ


ガチャ


亜里沙「お姉ちゃーん、お風呂あがったよー」

にこ「……え、絵里……先に、お風呂いただいたわ…」グッタリ

絵里「え、ええ……、にこはどうしてそんなにグッタリしてるの?」

亜里沙「お姉ちゃん以外の人と一緒にお風呂に入るなんて久しぶりだったから、ちょっとはしゃいじゃって…」

絵里「えっと……なんか、ごめんね?」

にこ「……うん」


―――――

亜里沙「にこさん、これ、この間友達に借りたんです」

にこ「こ、これは……! 今、関東を中心に大活躍してるアイドルの伝説のファーストライブを収録したDVD…! 限定生産で、滅多に市場に出回らない品…!」プルプル…

亜里沙「一緒に見ませんか?」

にこ「喜んで!」

亜里沙「やった! お姉ちゃんも一緒に見ようよ」

絵里「ええ」

絵里(亜里沙、楽しそうね……まぁ誰かが泊まりにくるなんて、あまりないことだしね)

絵里(それに、にこは……うん、亜里沙がすごく親近感を覚えそうな見た目だし。…正直、二人が同じ歳だと言われても疑わない)

絵里(付き合わせちゃってるにこには悪いけど、姉としてはちょっと嬉しいわ)

にこ「まさかこのライブを見られる日がくるなんて…! にこはもう、思い残すことはないわ…!」カンドー

絵里(…にこも十分楽しそうね)

―――――



絵里「さ、寝ましょうか」

にこ「ええ。………」チラ

亜里沙「?」ニコ

にこ「えっと……三人で?」

絵里「ダメ?」

にこ「いや……ダメではないけど」

にこ(というか、三人寝られるベッドが普通に置いてあることがすごい…)

絵里「じゃぁにこが真ん中で寝ましょう」モソモソ

にこ「ん」モゾ

にこ(なんかもう、ここまできたらどうとでもなれって感じよね)

亜里沙「にこさんと一緒のベッドで眠れるなんて、夢みたいです…!」モゾ

にこ「そ、そんな大げさな」

亜里沙「そんなことないです。あ、これで反対隣に海未さんがいれば、完璧でした」

にこ「ああ、そういえば亜里沙ちゃんは海未ちゃんファンなんだったっけ」

亜里沙「はいっ」

絵里「あ、あの、亜里沙……隣がにこと海未って……お姉ちゃんは?」

亜里沙「え? だってお姉ちゃんとはいつだって寝られるし、別にいいかなって」

絵里「」ガーンッ


―――――

亜里沙「……ん、むにゃ…」スースー

絵里「……うぅ…」グスッ

にこ「…いや、いつまでヘコんでんのよ。亜里沙ちゃん、とっくに寝ちゃったわよ?」

絵里「だって、だって亜里沙が……お姉ちゃんはいらないって…」

にこ「そこまでは言ってないでしょ…。絵里って結構シスコンよね」

絵里「だって亜里沙は可愛いじゃない…」グスッ

にこ「まぁ可愛いけど……というか、いい加減その涙目やめなさいよ」

絵里「割と本気でヘコんでるのよ…」

にこ「どんだけ妹が好きなのよ…」

絵里「…」ズーン

にこ「………」ナデナデ

絵里「? どうして頭を撫でるの?」

にこ「いや、日ごろの仕返しをこめて。あと、うっとうしいからさっさと寝なさいって意味も含んでるわ」

絵里「…慰めてくれてるのね」

にこ「んなわけないでしょ」

絵里「もう、にこは本当に可愛いんだから」ギュッ

にこ「って、なに抱きついてんのよ!」

絵里「いいじゃない。にこの体、小さいから抱き枕にちょうどいいわ」

にこ「喧嘩うってんの!?」

絵里「うってない、うってない」ギュー

にこ「じゃぁさっさと離しなさいよ!」

絵里「……ねぇ、にこ」

にこ「っ……、…なに?」

絵里「あなたはもっと自分に自信をもつべきよ」

絵里「にこは自分の好きなことに一生懸命で、努力家で、素直じゃないところもあるけど、なんだかんだで優しい良い子なんだから」

絵里「自分なんかが真姫に好かれるわけがないって前提だけはもっちゃダメだからね」

にこ「………生徒に大人気の生徒会長様に言われても、嫌味にしか聞こえないけど」

絵里「…本当に素直じゃないわね」

絵里「なら、この言葉は生徒会長の絢瀬絵里からじゃなくて、あなたの友人からの言葉として受け取っておいて」

にこ「………」

絵里「…」パッ

絵里「じゃぁおやすみなさい」

にこ「……絵里、ありがとう」

絵里「どういたしまして」

にこ(……)


―――
――


にこ(……今日はいつもより、真姫ちゃんのことを見てみる……そう決めて、頑張ろうと思ったんだけど…)

にこ(そういえば今日って土曜日だったわ……しかもμ’sの練習も休みの日だし…真姫ちゃんに会えないじゃない…)

絵里「にこ」

にこ「…なに?」

絵里「今日が最後のお泊まりになるけど、どうする?」

にこ「どうするって?」

絵里「誰の家がいいかってこと。決まってるなら、その子のところに連絡入れなきゃいけないでしょ」

にこ「あ、そっか……えっと…」

絵里「…まぁ、あまり深く考えなくていいんじゃないかしら。昨日言ったことは、別に今日すぐはじめろってわけでもないし」

にこ(急がなくてもいい、か………まぁ、それもそうよね…)

にこ(…けど、真姫ちゃんに会いたいって気持ちもあるし……)

にこ(ああでも、真姫ちゃんの家にはもう泊まったからあんまり迷惑をかけるのも嫌だし…)

絵里「決まった?」

にこ「…うん。じゃぁ……、>>303に連絡する」

マッキー

にこ「じゃぁ……、真姫ちゃんに連絡する」

絵里「あら、一晩で随分素直になったのね」

にこ「…ま、友達に励まされちゃったからね」

絵里「そう……いいことだわ。頑張ってね……って、いうのも変だけど」

絵里「…応援してるわ」ナデナデ

にこ「……」

絵里「…珍しい、嫌がらないのね」

にこ「今回くらいはね」

絵里「……」ナデナデ

にこ「……」

絵里「……」ナデナデナデナデ

にこ「長いっ」ペシ

―――――

にこ「じゃぁ真姫ちゃんに電話してくるわ」

絵里「いってらっしゃい」ヒラヒラ


にこ(……今更ながら、ちょっと緊張してきたわね)ピ、ピ

にこ(…真姫ちゃんに迷惑だって思われなきゃいいんだけど…)ピッ


ピリ……ガチャ


にこ(出るの早っ……、ちょうど携帯いじってたのかしら…)

にこ「あ、真姫ちゃん?」

真姫『…なに?』

にこ「あ、あの……えっと、明日、ママたちが帰ってくるんだけど…」

真姫『知ってるけど』

にこ「……迷惑かもしれないけど…今日、泊まりに行ってもいい?」

真姫『………』

にこ「………あの、真姫ちゃん? 迷惑なら迷惑だって言ってくれると…」

真姫『め、迷惑ではないわ』

にこ「ほんと? じゃぁ泊まりに行ってもいい?」

真姫『ええ。……その、待ってる』

にこ「え、あ、うん」

にこ(ま、待ってるって言われた……)ジーン

にこ「えっと、じゃぁ何時くらいに行けばいい?」

真姫『え、いや、今すぐ来てくれていいんだけど…』

にこ「え、朝からお邪魔するのは迷惑じゃない?」

真姫『いや、全然。ママもにこちゃんのことは気に入ってたし、パパは今日仕事だし』

にこ「けど…」

真姫『……、…エリーの家に長居するのだって、気が引けるでしょ?』

にこ(あ、確かに言われてみればそうね…)

真姫『…ねぇ、だから今すぐ来たら? なんなら迎えに行くから』

にこ(どうしよう…)


>>310

1.今すぐ行く
2.少ししてから行く

1

にこ(せっかく真姫ちゃんがこう言ってくれてるんだし…)

にこ「じゃぁすぐ行くわ」

真姫『ええ。あ、迎えに行った方がいい? 家の場所分かる?』

にこ「いや、それはさすがに悪いから、真姫ちゃんは家で待ってて。場所はちゃんと覚えてるし」

真姫『分かった。寄り道しないでよ』

にこ「はいはい。じゃ、またあとでね」

真姫『ん』

ピッ

にこ「……真姫ちゃん、迷惑がってはいなかった…わよね、多分。迷惑だったらすぐ来たらとか言わないだろうし…」

にこ(…よかった)ホッ

―――――

絵里「本当に朝ごはんも食べずに行くの?」

にこ「真姫ちゃんにすぐ行くって言っちゃったしね」

亜里沙「もっとにこさんとお話したかったのに…」シュン

にこ「ごめんね、亜里沙ちゃん。また今度遊びにくるから。あ、そのときは海未ちゃんも連れてくるわ」

亜里沙「楽しみに待ってます!」パァッ

にこ(ホント、素直な良い子ね…)

にこ「じゃぁ絵里、泊めてくれてありがとう。また学校でね」

絵里「ええ。月曜日に詳しく話聞かせてね」

にこ「まぁ話せることがあったらね」


―――
――


にこ「えっと、確か真姫ちゃんの家はこっちだから…」テクテク

にこ「……って、あ、そうだ…真姫ちゃんの家に行く前に自分の家に寄って、着替えとかとってこないと」

にこ(すぐ行くって言っちゃったけど……まぁわざわざ説明しなくても察してくれるわよね。みんなの家に泊まる前だって、自分の家に寄ってたし)

―――――

にこ「…ん?」カチャ

にこ「あ、あれ? 鍵が開いてる? なんで……まさか泥棒…!?」

にこ「ど、どどどうしよう……警察に連絡…!」

ガチャ

にこ「!」ビクッ

ここあ「やっぱりにこにーだ!」ギュ

こころ「わーいっ、にこにー久しぶりー!」ギュー

にこ「えっ!? こ、ここあ、こころ? なんでここに…ハワイは?」

こころ「あ、ママが言ってたにこ。予定がくりあがったから早めに帰ってくることになったって」

にこ「ええっ、にこ聞いてないんだけど…」

ここあ「ママ、にこにーにはあとで言えばいいって言ってたー」

にこ「どんだけ適当なのよ…」

こころ「それより、にこにー一緒にあそぼ!」

にこ「えっ!?」

ここあ「あそぼー!」ギュー

にこ「え、えっと……」

にこ(ど、どうしよう……真姫ちゃんの家に泊まりに行く約束なのに…)

こころ「にこにー?」

にこ(で、でも、こころとここあのことも大事だし……)

にこ(というか、ママはどこにいんのよ…)

にこ(うーん……)


>>317

1.家で二人と遊ぶ(真姫ちゃんに連絡を入れる)
2.にこママを探す

にこ(とりあえずママを探しましょう)

にこ「こころ、ここあ、ママどこ行ったか知らない?」

こころ「ママ? ママならこの近くにいるはずにこ」

にこ「出かけたの?」

ここあ「にこにー探しにいった」

にこ「へ?」

こころ「家に帰ったら、にこにーがいなくなってたから、悪い人にゆうかいされたのかもしれないーって、探してくるって飛び出して行っちゃった」

にこ(そ、そういえば、みんなの家に泊まること、ママに言ってなかった…)

にこ「ご、ごめんね、二人とも。にこはちょっとママのこと迎えに行ってくるから、二人で待っててくれる?」

ここあ・こころ「はーい」

にこ「ありがとう」ナデナデ

にこ「じゃぁちゃんと待っててね」



にこ(……にしたって、土曜の朝なんだから、家にいなくったって遊びに行ったって可能性もあるのに……まぁそれだけ心配してくれてたってことなのかしら)

にこ(とりあえずママの携帯に電話してみましょ)ピッ


ピリリリリ、ピリリリリ、ピッ


こころ『にこにー? なーに?』

にこ「って、携帯は家に置きっぱなしなのね…」ガクッ

にこ(しょうがない…手当たり次第にこのあたりを探すしかないわね)

―――
――


にこ「な、なんでこんな遠くまで来てんのよ…」ゼェハァ

にこママ「しょうがないじゃない。帰ったらにこがいなくて、すごく焦ったのよ。お友達の家に泊まってるなら、ちゃんと連絡入れないとダメでしょ」

にこ(娘を置いてハワイに行く人には言われたくなかったけど……心配かけちゃったのは事実だし)

にこ「…ごめんなさい」

にこママ「まぁなにもなくてよかったわ。じゃ、家に戻りましょうか」

にこ「うん……って、そうじゃなくて! ごめん! ママ!」

にこママ「え?」


―――――

にこ(とりあえずママに事情を説明して、携帯使ってこころとここあにも伝えて、帰ったらたくさん遊ぶことで納得してもらえたわけだけど…)

にこ(もう昼前なのよね……ママを探すのに夢中だったから気づかなかったけど、かなり時間経ってたのね…)

にこ(そして……にこの携帯には、真姫ちゃんからの着信が一件。ママを探して走り回ってた時だったから、気づかなくてスルーしてた…)

にこ「絶対真姫ちゃん怒ってるわよね……」

今日の更新はこれで終わります
無意味っぽい安価ばかりですみません
一応選ばれた安価によって話は変えています

明日までには終われると思います、多分


お付き合いいただいた方々、ありがとうございました

再開していきます


ピーンポーン。

ガチャ

真姫ママ「あら、いらっしゃーい、にこちゃん♪」

にこ「あ、す、すみません、またお世話になりますっ」ペコッ

真姫ママ「そんなこと全然気にしなくていいのよ。私も嬉しいもの。…あの、ただ、真姫ちゃんと何かあった?」

にこ「え?」

真姫ママ「あの子ったら、朝は嬉しそうにしてたのに、その後だんだん機嫌が悪くなってきて……ついに部屋に閉じこもっちゃったの」

にこ「あ、あー…」

にこ(ヤバい……絶対怒ってる…)

―――――


―真姫の部屋の前―


にこ(とりあえず、様子を見てきますってことでここまで来たけど…)

にこ(どうしようかなぁ…)

にこ(……まずは基本としてノックからよね)

コンコン

にこ「あの、真姫ちゃん、にこだけど…」

真姫「………」

にこ(む、無視された……真姫ちゃんがいるのは間違いないはずなんだけど…)

にこ(一体どうしたら出てきてくれるのかしら……)


どうしますか?

>>332

思いを伝える

にこ(……よし)グッ

にこ「真姫ちゃん、いるんでしょ」

「……」

にこ(やっぱり無視…)ハァ

にこ「来るのが遅れたのは悪かったわ。連絡が入れられなかったのも……事情があったの。予定より早くママたちが帰って来て、ちょっとゴタゴタしてて…」

にこ「もう家にはママたちがいるし、本当は真姫ちゃんのとこにお世話になる理由はなくなっちゃったんだけど…」

にこ「けど……にこ自身が、真姫ちゃんの家に来たかったから、ここに来たんだけど……ま、まぁ、かなり遅くなったけど…」

「……」

にこ「」イラッ

にこ「というか、どんだけ無視すんのよ! せっかく来たんだからせめて声くらい聞かせなさいよ!」ドンドン


バッ

にこ(? なに、今の音)

バサッ、ガッ、ドテンッ

にこ「…ま、真姫ちゃん? 大丈夫?」


ギィッ


にこ「!」

真姫「……にこちゃん」

にこ「あ、ま、真姫ちゃん。…なんか、髪ボサボサなんだけど…」

真姫「い、いや………、その……ごめん。寝てた…」

にこ「寝てた!? え、じゃぁ今、起きたの…?」

真姫「ん。今の、にこちゃんのドンドンって音で」

にこ(ということは、さっきのにこの思いは聞いてなかったわけね…)ハハ…

にこ「あ、じゃぁさっきの変な音は?」

真姫「変な音? ……ああ、私が飛び起きて布団をひっぺがして、その後にちょっと足をもつれさせてこけたから、多分その音でしょ」

にこ「え、こけたの? 大丈夫?」

真姫「平気よ」

にこ(……あ、よく見ればおでこがちょっと赤くなってる)

にこ「…」ナデナデ

真姫「…あの、どうしておでこを撫でるの?」

にこ「いや、痛いのが飛んでいくように」

真姫「子供じゃないんだから…」ハァ

にこ(…その割に振り払ったりしないのね。にこは友達に頭撫でられたらすぐ振り払うのに)

真姫「………ところで」

にこ「なに?」

真姫「今って何時?」

にこ「………お昼前、です」

真姫「にこちゃんが私に電話したのって何時間か前よね」

にこ「はい…」

真姫「…そのとき、すぐ来てくれるって言われたんだけど」

にこ「えっと、実は……」

―――――

にこ(とりあえず事情を説明した。ママたちが帰って来たことと、にこがいなくて心配してにこを探し回ってたママを逆に探し回すことになったこと)

真姫「ふーん……まぁ、そういうことなら仕方ないけど」

にこ「よかった…。あ、でも連絡入れなかったのはごめんね……電話も出れなくて…」

真姫「いいわよ、別に。お母さんを探すのにいっぱいいっぱいだったときに、他のことも気にかけろって言うほうが酷な話だもの」

にこ(真姫ちゃんって、やっぱりなんだかんだで優しいなぁ…)

にこ「……あの、にこからも一つ聞いていい?」

真姫「なに?」

にこ「なんで部屋で寝てたの?」

真姫「…………暇だったから」

にこ「そっか…」

真姫「………、…にこちゃんが、もう来ないと思ったから」ボソリ

にこ「え?」

真姫「いつまで待ってもにこちゃんが来なかったから、もう来ないのかと思ってふて寝してたの!」

にこ「あ、そ、そうなんだ」

にこ(ふて寝って……えっと、つまり、真姫ちゃんはちょっとくらいは楽しみに、にこを待っててくれたってことよね…)

にこ(……どうしよう、すごく嬉しい…顔ニヤけてないといいんだけど…)

真姫「………、ねぇにこちゃ

真姫ママ「ああっ、真姫ちゃん!」

真姫「」

真姫「ママ…」

真姫ママ「よかった~、部屋から出てきたのね。にこちゃんが来てくれたからかしら?」

真姫「う、うん、まぁ…」

真姫ママ「じゃぁ真姫ちゃんも出てきたことだし……にこちゃん、リビングで一緒にゲームでもしない?」

にこ「え、ゲームですか?」

にこ(随分と若々しい提案…)

真姫ママ「この間は急なことだったから、遊ぶものを何も用意してなてひたすら私が話しちゃったでしょ? その後、またいつにこちゃんが来てもいいように、おもちゃを買っておいたの」ニコッ

にこ「あ、はは……ありがとうございます…」

にこ(完全に子供あつかいされてる…)

真姫ママ「ね、三人で一緒に遊びましょう」

にこ「そうですね。にこもゲーム大好きだし、ぜひ遊びたいですっ」

真姫ママ「ほんと? ならよかったわ~」

真姫「……」ハァ

真姫ママ「じゃぁリビングに行きましょうか」

にこ「はーい。ほら、真姫ちゃんもいこ」ギュ

真姫「!」

にこ「あ、ご、ごめん、つい手を…」

真姫「べ、別に構わないわ。ほら、行きましょ」グイッ

真姫ママ「ふふ、二人は本当に仲良しなのね」

真姫「……///」

にこ(耳まで赤くなってる…)


―――
――


にこ(結局、三人でゲームをしている間に、だんだんと真姫ちゃんが本気になってきて、異常にゲームの強い真姫ちゃんのお母さんとひたすら競い合ってた。二人とも負けず嫌いなところは、やっぱり親子って感じだった)

にこ(今、真姫ちゃんのお母さんは病院のほうに用があるとかで出かけてるけど…)チラ

真姫「……」クルクル

にこ(真姫ちゃん、さっきからずっと無言で髪の毛いじってるだけなのよね…)

にこ(忘れがちだったけど、にこと真姫ちゃんって普段あんまり会話しないんだった……二人きりになったら何を話せばいいのか分からない…)

真姫「……」

にこ(かといって、このまま黙ったままなのも……ここは先輩として、泊めてもらってる身として、にこのほうから何か仕掛けないと…!)

にこ(よし…! >>345


(行動でも話題でもどちらでも)

コンビニ行こう

にこ(家でこうしているよりは、外に出たほうが気分転換にもなるわよね)ウン

にこ「真姫ちゃん!」

真姫「…なに?」

にこ「コンビニに行こう!」

真姫「………は?」

にこ「あ、いや、ちょっと買いたいものがあって……それに付き合ってほしいなぁ、と…」

にこ(まぁ嘘だけど……コンビニっていうのはただ言ってみただけだけど…)

真姫「……」

にこ「だ、ダメ?」

真姫「いや、いいけど…」

にこ「ほんと? じゃぁ早速行きましょ」

真姫「ん」

ちょっと更新速度落ちます
暇なときに覗いてもらえると助かります


―――――

テクテク

真姫「……」

にこ「……」

にこ(…って、出かけることになったのはいいけど、コンビニに行くまでのこの期間も無言で気まずいのよね…)

真姫「…」クルクル

にこ(真姫ちゃんは相変わらず髪の毛いじってるし…)

にこ「……あ、あの、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

にこ「えっと……、元気?」

真姫「…何、急に」

にこ「いや、なんとなく…」

真姫「…別に、元気だけど」

にこ「そ、そっかぁ」

真姫「……」

にこ(き、気まずすぎる…)

にこ(……なにを話そう…)ウーン

真姫「……にこちゃんこそ、元気?」

にこ「えっ?」

真姫「いや、なんかさっきから黙りっぱなしだから」

にこ「あ、それは…」

にこ(話題が見つけられなくて考えてた…とか、カッコ悪いわよね…)

真姫「…ごめんね。私といてもあんまり楽しくないでしょ」

にこ「え、そ、そんなことない!」

真姫「別に気を使ってくれなくてもいいわよ。私は穂乃果や凛と違って場を盛り上げられるわけでもないし、エリーや希みたいに話が上手いわけでもないし」

にこ「みんなのことは関係ないでしょ」

真姫「…」フイッ

にこ(……何なのよ、急に…。真姫ちゃん、やっぱりにこのこと嫌いなんじゃ……って、こういうマイナス思考はダメだって、絵里に言われてたわね)

にこ「…にこは、真姫ちゃんと一緒にいると楽しいわよ」

真姫「……」

にこ「言っとくけど嘘じゃないからね。じゃなきゃ、二回も真姫ちゃんの家にお世話になろうなんて思うわけないじゃない」

真姫「……それもそうね」

真姫「ごめん、なんか嫌味みたいな言い方しちゃって…」

にこ「いや、それは別にいいけど……」

真姫「……」

にこ(真姫ちゃん、ちょっと気まずそうな顔してるわね……、よし)

にこ「…あ、そうだ真姫ちゃん! 実はにこね、最近ピアノに興味があって」

真姫「…ピアノ? なんで急に」

にこ「いや、真姫ちゃんが弾いてるの見てカッコいいなーと思って」

真姫「……ふーん」

にこ「それで、今度教えてもらいたいんだけど……いいかな?」

真姫「……、別にいいけど」

にこ「やった! じゃぁ約束ね!」

真姫「…うん」

にこ(あ、笑った……よかった)


―――
――


真姫「……結局、コンビニに行ったはいいけど、お金を忘れたって、どういうことなのよ…」

にこ「あはは…」

にこ(まぁ元々持って行ってなかったんだけど…)

にこ「ごめんね。無駄足くわせちゃって」

真姫「…まぁ別にいいけど。ママはまだ戻ってきてないみたいね」

にこ「そうね」

真姫「……じゃぁ、今からピアノ弾きにいかない?」

にこ「え?」

真姫「さっき言ってたじゃない。教えてもらいたいって」

にこ「え、い、今から?」

真姫「善は急げって言うでしょ。ちょうど暇だし」

にこ「んー……それもそうね」

にこ(まさか本当に教えてくれるとは思わなかった……)


―――――

~~♪


真姫「……で、ここはこういう風に弾いて……って、にこちゃん聞いてる?」

にこ「あ、うん」

真姫「ぼーっとしてるけど、どうかしたの?」

にこ「いや、やっぱり真姫ちゃんはピアノ弾いてるときが一番キラキラしてるなぁって」

真姫「は? な、なによ、急に…」

にこ「思ったことを言っただけだけど」

真姫「ば、バカじゃないの。それよりせっかく教えてるんだから、ちゃんと聞いてよ」

にこ「はーい」

にこ(怒っちゃったかしら…)

にこ「えっと、じゃぁ場所交代してもらっていい?」

真姫「……この椅子、長椅子なんだから隣に座ればいいじゃない」

にこ「え、でも…」

にこ(それじゃ自然と体が近づくことになるんだけど………まぁ真姫ちゃんのことだから深い意味はないだろうし…だったら意識したほうが負けよね)

にこ「じゃぁ隣失礼するわね」

真姫「ん」

ピリリリリッ

にこ「って、あれ? ごめん、メール」

にこ(誰からだろ……あ、>>354からだ)

にこ(あ、希からだ。なんだろ…)

にこ(メールの内容は…)

>>356

告白催促

にこ(えっと、なになに……『エリちから聞いたけど、真姫ちゃん家に泊まってるんやろ? 告白するチャンスやで! ファイトにこっち!』…って、余計なお世話よ…!///)カアァッ

真姫「……」

にこ(というか、絵里もなに普通に話してんのよ!)

にこ(とりあえず返信を…)

真姫「…にこちゃん、そのメール誰から?」ヒョコ

にこ「う、うわああ! な、なんでもない!!」バッ

真姫「…なんで隠すのよ」

にこ「い、いや、別に?」

にこ(このメールを真姫ちゃんに見られたら終わる……何もかもが…)

真姫「なによ。…見られちゃ困るような内容なの?」

にこ(そりゃぁもう…!)

にこ「そ、そんなことはないけど……」

真姫「……」

にこ(ま、真姫ちゃんの目がすごい怖い……絶対怒ってる……って、ん?)

にこ「…なんで真姫ちゃんが怒るの?」

真姫「は?」

にこ(って、思わず声に出しちゃったけど……まぁいいわ)

にこ「いや、だって、にこに来たメールなんだし、真姫ちゃんに見せなくても問題はないと思うんだけど……」

真姫「っ………、そ、そんなの……!」ガタッ

にこ「ま、真姫ちゃん?」

真姫「………、自分の部屋に戻るわ」

にこ「え、ちょ、ちょっと真姫ちゃん」

真姫「……ごめん。今ちょっとにこちゃんと話すと八つ当たりしちゃいそうだから」

にこ「……分かったわ」


―――
――


にこ(やってしまった……)ズーーン

にこ(正直、なんでかはよく分からないけど、真姫ちゃんを怒らせてしまった……)

にこ(でもまさか、あのメールを真姫ちゃんに見せるわけにもいかなかったし……ああもう、本当なら真姫ちゃんにピアノ教えてもらってたはずなのに……希のメール、タイミング悪すぎでしょ…)ハァ

にこ(とりあえずにこはリビングに戻ったわけだけど……真姫ちゃんは部屋にいるのよね)


にこ(…真姫ちゃんは放っておいてほしいみたいだったけど…どうしよう…)


どうしますか?

>>360

あえてゲームをすら

にこ(…まぁ、誰とも話したくないときっていうのもあるわよね)

にこ(真姫ちゃんが自分で出てくるのを待ちましょう)

ガチャ

真姫ママ「あら? にこちゃん一人?」

にこ「あ、おかえりなさい。真姫ちゃんはちょっと部屋に行ってて…」

真姫ママ「また? もう、せっかくにこちゃんが来てくれたのに…」

にこ「い、いえ、そんな…」

真姫ママ「…じゃぁ真姫ちゃんが戻ってくるまで、二人でゲームでもしていましょうか」

にこ「ゲーム……そうですね。お付き合いさせていただきます」

真姫ママ「よーし、じゃぁさっきの続きをしましょう! 結局真姫ちゃんとばかり戦ってて、にこちゃんとはあまり対決できなかったし」

にこ「はいっ」

にこ(…真姫ちゃん、早く出てきてくれるといいんだけど)


―――
――


にこ(もうこんな時間なのに、まだ真姫ちゃんは部屋に引きこもってる…)

にこ(夕飯も食べてないし…、真姫ちゃんのお母さんは心配しなくていいって言ってたけど…さすがにそろそろ声くらいはかけたほうがいい気もする…)

にこ(……でも、構いすぎて真姫ちゃんにウザがられるのは嫌だし……あーもう! モヤモヤする!)

ピリリリッ

にこ「ん? ……あ、希からメール…そういえばさっきのメールに返信するの忘れてたわね」ピッ

『メールの返信ないけど、なんかあった?』

にこ(あんたのメールのせいでね……って、いや、にこのせいか…)ピッピッ

『真姫ちゃんが引きこもった』

ピリリリッ

にこ「早っ」

『にこっち、真姫ちゃんに何したん?』

にこ「何って言われてもね……」ピッピッ

『希からさっき来たメールを真姫ちゃんに見られないようにした』

にこ「……間違ってはいないわよね。説明不足感がすごいけど…」ピッ


ピリリリリッ


にこ「うわっ……って、希から電話……、もしもし?」

希『あー、ごめん。メールじゃよう分からへんかったから、電話してもうた』

にこ「いや、こっちも電話のほうが助かるわ」

希『ウチからのメールを見られへんように…って、どういうこと?』

にこ「希からのメールをもらったとき、ちょうど真姫ちゃんと話してたの。で、真姫ちゃんがメールを見ようとして携帯を覗きこんできたから、とっさに隠したのよ。ほら、あんな内容だったし、真姫ちゃんに見られたら終わりだと思ったし」

にこ「そしたら何故か真姫ちゃんが怒っちゃって……で、思わず、なんで真姫ちゃんが怒るのって聞いたら、さらに怒っちゃって……そのまま部屋に引きこもって…早数時間」

希『あー…………うん。にこっち、それで何か気づいたことは?』

にこ「気づいたこと? ………真姫ちゃんが怒るタイミングはよく分からない、ってことくらいしか…」

希『う、うん……まぁウチのメールが原因でもあるし、強くは責められへんけど』

希『で、その数時間の間に、真姫ちゃんには声かけたん?』

にこ「ううん、まだ」

希『…じゃぁ、にこっちは何してたん?』

にこ「真姫ちゃんのお母さんとゲーム」

希『……に、にこっち…バカやないの…?』

にこ「だ、だってしょうがないじゃない! 真姫ちゃんが放っておいてほしそうにしてたんだから!」

希『やからってほんまに放っておいてどうすんの!』

希『考えてみもみ、ああ見えて真姫ちゃんはまだ一年生なんやで? ちょっと前まで中学生やったんやし、子供みたいなもんやん。で、にこっちはそんなナリでも三年生なんやから、ちょっとは大人の対応してあげなあかんて』

にこ「そんなナリって…」

希『とにかく、さっさと真姫ちゃんのとこ行ったげ』

にこ「でもウザがられるかもしれないし…」

希『あんなぁ……このまま何もせずにいたら、最悪嫌われてしまうかもしれへんねんで? それでもええの?』

にこ「よ、よくない」

希『じゃぁさっさと真姫ちゃんとこ行き。この電話が切れたらダッシュやで』

ブツッ

にこ「って、切るの速っ………とりあえず、怒られない程度の駆け足で」タッタッタッ



―真姫の部屋の前―


にこ「……なんか、さっきも同じシチュエーションがあったような気がするわ」

コンコン

にこ「真姫ちゃん、今度は起きてる?」

ガタ

にこ(物音が聞こえたってことは…起きてるって意味なのかしら)

にこ「真姫ちゃん、そのままでいいから聞いて。まぁもし寝てるとしても、夢の中で聞いといて」

にこ「にこはね、悔しいことにバカなの。だから真姫ちゃんがなに考えてるのか、よく分からない」

にこ「こっちの都合で悪いけど、真姫ちゃんがにこに対して伝えたいことがあるなら、直接言ってくれないと分からないと思う」

「………」

にこ「ねぇ、正直まったくなんの見当もついてなくて申し訳ないけど……真姫ちゃんは何かにこに言いたいことがあるんじゃないの?」


ガチャ


真姫「……」

にこ「よかった。起きてたのね」

真姫「………とりあえず、部屋の中に入って」



にこ「……で、部屋に入れてくれたってことは、やっぱり言いたいことがあるってこと?」

真姫「………」

にこ(よほど言いにくいことなのかしら…)

にこ(……というか、にこは真姫ちゃんに告白できないでいるのに、真姫ちゃんのほうには本音を言えなんて、自分勝手よね)

にこ「真姫ちゃん」

真姫「……なに?」

にこ「さっきはああ言ったけど、言いたくないなら無理に言わなくてもいいのよ。にこはただ真姫ちゃんと仲直りできればそれで…」

真姫「………、…にこちゃんは、私のこと…どう思ってるの?」

にこ「え?」

にこ「どうって……そりゃ、μ’sの仲間で、友達で、可愛い後輩で……」

真姫「………それだけ?」

にこ「それだけって…」

真姫「……」

にこ(真姫ちゃんが何を言ってほしいのか、全然分からない……)

にこ(それだけかって聞かれれば、もちろんそれだけではないけど……でも、それを言うってことはつまり、告白するってことで…)

真姫「…にこちゃん」

にこ(ど、どうしよう……何を言えば正解なのよ…)

にこ(この雰囲気で告白する? けど、真姫ちゃんもにこと同じ気持ちとは限らないし…)

にこ(そうしたら…にこのことを友達だと思ってくれている真姫ちゃんを裏切ることになる…)


どうしますか?

>>373

1.今、告白する
2.今はまだ告白しない

にこ(でも……なんとなく、本当になんとなくだけど、ここで告白しないと、二度と出来ない気がする…)グッ

にこ「…真姫ちゃん」

真姫「……」

にこ「これから真剣な話をするから、ちょっとだけにこの話、聞いてくれる?」

真姫「…………分かった」

最後の安価結果が分からなくて、私もちょっと焦りましたが、みなさんのレスのおかげで助かりました

タイミング悪いですけど、今回の更新はここで止めます
多分夜には再開して、明日までには決着がつくと思います

ここまで付き合ってくれた方々、ありがとうございました

ゆったり再開していきますー
続けたい気持ちもありますが、そろそろ読み返すのが大変な長さになってきたので、完結に向かわせてもらいます

にこ(……大丈夫、言える。正直心の準備なんてほとんどできてないけど…)

にこ「あのね、真姫ちゃん。真姫ちゃんのことは、大切な友達だと思ってる。それに嘘はないわ」

にこ「けど、その……それと同時に、特別な存在だとも思ってる」

真姫「…特別?」

にこ「うん」

にこ「……あの、つまりね、にこは……私は、真姫ちゃんのことが、好きなの」

真姫「………」

にこ「……」

真姫「……」

にこ「あ、あの……真姫ちゃん」

真姫「……」

にこ「ご、ごめんね、困らせるつもりは……いや、こんなこと言われて困るなっていうほうが無理だとは思うんだけど…」

真姫「……にこちゃん」

にこ「は、はいっ」

真姫「ほんと?」

にこ「え?」

真姫「ほんとに私のこと……好きなの?」

にこ「……うん、好き」

真姫「…」

にこ「あ、で、でもね、付き合えとかそういうわけじゃないの。ただ……後悔しないために、自分の気持ちを伝えたかっただけ、というか…」

真姫「にこちゃん」ギュッ

にこ「っ、ま、真姫ちゃん…?」

真姫「……私もにこちゃんが好き」

にこ「……え」

にこ「え、えええええええっ!?」

真姫「あの、耳元であんまり大きな声あげないでくれる…?」

にこ「ご、ごめ……え、いや、けど…えぇっ!?」

真姫「…そんなに驚くこと?」

にこ「だ、だって……にこだよ? 真姫ちゃん、正気?」

真姫「にこちゃんってどれだけ自分に自信ないの」

にこ「いや、だって……だって…」

真姫「もう、だってばっかり言わないでよ」

真姫「…私はにこちゃんが好きで、にこちゃんも私が、その、好きなんでしょう? それでいいじゃない」

にこ「……それもそうね」ギュ

にこ「真姫ちゃん、好きだよ」

真姫「うん…私も」


―――――

にこ「いやー…あれね」

真姫「?」

にこ「いざ両想いだったって分かると、どうしたらいいか逆に分からなくなるわね」

真姫「素直に喜べばいいじゃない」

にこ「そりゃ喜んでるわよ、すごく。もうテンション上がりすぎて逆に冷静になっちゃうくらい」

にこ「けどさ、にこたちは今日から恋人同士になるわけでしょ?」

真姫「……恋人…」

にこ「あれ、違うの?」

真姫「い、いや、違わない……違わない、けど…///」

にこ「…もー、真姫ちゃんってば、言葉だけで照れちゃうなんてほんと可愛いんだからー」

真姫「あんまりからかわないでよ……」

にこ「ごめんね。……でも、本当に夢みたい。真姫ちゃんがにこのこと好きなんて、考えもしなかったし」

真姫「……私、結構分かりやすくしてたつもりだったんだけど」

にこ「えー…ほんと? 全然分からなかったんだけど」

真姫「にこちゃんがニブいんでしょ」

にこ「そう…? ……まぁいいわ。こうしてちゃんと告白もできたし、にこは満足よ」ウンウン

にこ(真姫ちゃんと付き合えるなんて……ほんとに幸せすぎて、明日なにが起こっても受け入れられる自信があるわ)

真姫「……ねぇ」

にこ「んー?」

真姫「私はまだ満足してないんだけど」

にこ「え?」

真姫「にこちゃん」ズイ

にこ「な、なに? あの、真姫ちゃん、顔近いよ」

真姫「ここ最近、ずっと我慢してたんだからね」

にこ「えっと、我慢って?」

真姫「にこちゃんってば、ずっと他の子と仲良くしてるんだもん。妬かないわけないでしょ?」

にこ「そ、そうなの?」

真姫「……鈍感」

にこ「ご、ごめん…」

真姫「謝るよりも……ね、キスしたい」

にこ「は、はあ!? い、いやいやいや!」グイッ

真姫「……なんで押しのけるのよ」

にこ「ほ、ほら、まだそういうのは、ね? 真姫ちゃんには早いでしょ?」

真姫「……にこちゃんが怖気づいてるだけでしょ」

にこ「ば、バカ言ってんじゃないわよ!」

真姫「じゃぁ、しましょう。ほら、目瞑って」

にこ「へ、い、いやいやいや!」

真姫「…何よ」ムス

にこ「せ、せめて年上であるにこからやるのが礼儀ってもんじゃない?」

真姫「……まぁいいけど。じゃぁ目瞑るから」キュ

にこ(な、なんのためらいもなく……少しは照れなさいよ…)

にこ「……」ソーッ

真姫「……」

にこ(…それにしても、近くで見ても可愛い顔してるわね…)

にこ「………」

にこ「……」

にこ「…」

真姫「……あの、無理なら無理って言ってよ」パチ

にこ「……ごめんなさい…」ガックリ

真姫「そんなに落ち込まなくても…」

にこ(まさか自分がここまで勇気のない奴だとは思わなかったわ…)

真姫「…一応確認するけど、私とするのが嫌なわけじゃないわよね?」

にこ「当たり前じゃない! た、ただ……真姫ちゃんが近くにいると…その、なんか落ち着かないっていうか……ど、ドキドキしすぎるというか…」

にこ「ご、ごめんね、本当に……こんな情けない先輩で……」シュン

真姫「……にこちゃん、顔上げて」

にこ「? なに?」

チュッ

にこ「」

にこ「……え、えええっと…ま、真姫ちゃん、今……///」

真姫「…やっぱり可愛いのはにこちゃんのほうよ」ギュ

真姫「好き。愛してるわ」

にこ「っ………に、にこも、真姫ちゃんが好き」

真姫「うん。嬉しい」

にこ(……なんか、真姫ちゃんのほうが余裕綽々になってきてるんだけど……にこってまさか、二つも下の子にすら勝てないのかしら…)

真姫「にこちゃん、大好き」ギュー

にこ(……惚れたほうが負けって言うし…まぁいっか)


―――――

真姫ママ「あら、真姫ちゃんお部屋から出てきたのね!」パァッ

真姫「うん」

真姫ママ「きっとにこちゃんのおかげね」

にこ「いえ、そんな…」

真姫ママ「ふふ、そんな謙遜しなくてもいいのよ」スッ

真姫「あ、ちょ、ちょっと、ママ。ストップ」

真姫ママ「なに?」

真姫「にこちゃんの頭撫でるの、やめましょう」

真姫ママ「あら、どうして?」

真姫「いや、だってほら……えっと…」

にこ(……え、まさか自分のお母さん相手にもヤキモチ妬いてたの?)

真姫「………や、やっぱり何でもない…」シュン

にこ(…可愛い)

にこ「あ、あの、実はそれ、にこが言ったことなんです」

真姫ママ「にこちゃんが? …あ、ひょっとして触られるのとか嫌だった…?」シュン

にこ(さすが親子…落ち込み方が一緒ね…)

にこ「いえ、そうじゃなくて……なんとなく頭を撫でられるのは子供っぽいじゃないですか。にこ、一応真姫ちゃんの先輩なんで…」

真姫ママ「えっ! にこちゃんって真姫ちゃんと同級生じゃなかったの!?」

にこ(ああ、やっぱり…)

―――
――


真姫「じゃぁ一緒に寝ましょうか」

にこ「え、ええ」

にこ(平常心、平常心……とりあえず深呼吸)スーハースーハー

真姫「…緊張してるの?」

にこ「い、いいや?」

真姫「してるんじゃない」

にこ「……悪かったわね。こっちは真姫ちゃんと付き合うとか想定してなかったのよ」

真姫「そう」

にこ「…というか、なんで真姫ちゃんはそんな余裕なのよ」

真姫「別に余裕ってわけじゃないけど。……ただ、これからはちゃんと積極的にならないといけないしね」

にこ「……別にそんな積極的じゃなくてもいいと思うけど…」

にこ(こっちの心臓がもたないし…)

真姫「ダメよ。…他の人にとられちゃったら嫌だもの」

にこ「……誰もとらないわよ」

真姫「そんなの分からないじゃない。にこちゃんは可愛いし、他の人が好きになったっておかしくないわ」

にこ(真姫ちゃんがそれを言うかな…)

真姫「………それに、にこちゃんは誰よりもアイドルだから」

にこ「…どういう意味?」

真姫「アイドルは恋愛禁止…って、定番じゃない」

にこ「ああ…そういう…」

にこ(確か海未ちゃんにも似たようなこと言われたわね)

真姫「にこちゃんがどれだけアイドルを好きかは知ってるつもりだから」

真姫「…より良いアイドルであるために私が捨てられる、なんて未来もなくはないでしょ」

にこ「ないわよ」

真姫「…どうして断言できるのよ」

にこ「にこ自身のことだもん。そりゃ断言するわよ」

にこ「確かに、にこはアイドルのこと大好きだし、世界一のアイドルになりたいとも思ってるわ。でも、そのために真姫ちゃんを捨てたりなんて絶対しない」

真姫「……じゃぁ、もしそんなことしたら怒るから」

にこ「うん。……そういう真姫ちゃんこそ浮気しないでよ」

真姫「う、浮気? そんなのするわけないじゃない」

にこ「ほんとー? 真姫ちゃん、チョロいから心配だなぁ」

真姫「だ、誰がチョロいですって!?」

にこ「ふふ、冗談よ、冗談。そうやってすぐにムッとしちゃうとことか、子供っぽくて可愛いわよ」

真姫「………にこちゃんのバカ」フイッ

にこ「あー、いや、ごめんってば、真姫ちゃん」

真姫「……手」

にこ「え?」

真姫「今日は手、繋いで寝てくれたら許すわ」

にこ(…真姫ちゃんが可愛すぎて辛い)


―――
――


希「にこっち!」ズイッ

絵里「にこ!」ズズイッ

にこ「な、なによ? 登校早々、詰め寄って来て…」

希「なによ?や、ないよ! 土曜日、真姫ちゃんとどうなったん?」

絵里「日曜に何度も電話したのに、どうして出てくれなかったの!?」

希「そうやで、心配したんやから、もう!」

にこ「あ、あー、それは…」

真姫「私が言ったのよ。携帯の電源切ってって」グイッ

にこ「わ、って、急に引っ張らないでよ、真姫ちゃん」

絵里「というより、どうして真姫が三年の教室に?」

真姫「にこちゃんと一緒に登校してきたから」

絵里「え? でも確か真姫の家に泊まったのは土曜日………ああ、なるほど。そういうことね」フフ

希「いやー、二人ともおめでとう、で、ええんかな?」ニコー

にこ(なんて羞恥プレイなの……二人ともニヤニヤして……ああ、しばきたい…)ジトー

真姫「ありがとう」

絵里「真姫は随分と素直なのね。にこもちょっとは見習ったら?」

にこ「余計なお世話よ」

絵里「もう、そんな膨れてたら、可愛い顔が台無しよ?」

にこ「うっさい」


真姫「……」ジー

希「あー、真姫ちゃん。ほら、エリちは誰にでもあんな感じやから」

真姫「…別に構わないわよ。にこちゃんはもう私のものなんだし」

希「……真姫ちゃん、随分と自信家さんになったなぁ」

真姫「私は元々自信家よ。にこちゃんに比べれば遥かにね」

希「まぁそれもそか」

希「あ、ところでさっきの、携帯の電源切ってっていうのは、どういう意味やったん?」

真姫「ああ……日曜日は逆に私がにこちゃんの家に泊まりにいったの」

真姫「そのときにね、にこちゃんが携帯いじろうとしてたから、無理やり電源切らせたのよ」

希「なかなかワイルドなことするんやね」

真姫「当たり前じゃない。私といるのに他のことを気にかけるなんて、嫌だもの」

希(あー、これは……にこっち色々と苦労しそうやなぁ…)

希「あ、そうや。にこっちの家に行ったんやったら、双子ちゃんとも会ってんな」

真姫「ええ、会ったわ。一緒に遊んだけど……うん、ああいう子たちのことを天使っていうんでしょうね」

希「真姫ちゃん、それは真面目な顔で言うセリフとちゃう思うよ」


―――
――



にこ(…真姫ちゃんがどうしてもって言うから、μ’sのメンバーには付き合うことを報告したわけだけど…)

にこ(何故か凛ちゃんと花陽ちゃんが泣きながら抱きついてきて、すごくびっくりした。泣き止むのに大分時間がかかったし…)

真姫「やっぱり凛たちにはうっすらとバレてたみたいね。私たちがお互いに片思いしてるってこと」

にこ「そ、そうなのかしら……にこってそんなに分かりやすかった…?」

真姫「微妙ね。まぁ当人同士には分からなくても、周囲から見たら分かることっていうのもあるんじゃない?」

にこ「それもそうね……あー、でもやっぱりわざわざ付き合ってます、なんて報告するのはかなり恥ずかしかったわね…」

真姫「そう? 私は誇らしかったけど。ようやくにこちゃんを自分のものに出来たんだし」

にこ「…そういうことサラッと言うの、やめない?」

真姫「やめない」

にこ「はぁ……」

真姫「……ねぇにこちゃん」

にこ「んー?」

真姫「キスしたい」

にこ「……随分と唐突ね」

真姫「人間なんてそんなものよ」

にこ「あのね、ここ学校なんだけど…」

真姫「誰もいないし、いいじゃない。ね?」

にこ「いやいや……真姫ちゃんってばぁ、積極的すぎて、にこ恥ずかしいっ☆」ニコッ

真姫「…そんなこと言ってられるんだから、余裕でしょ。ほら」ギュ

にこ「ちょ、ちょっと待って、いや、恥ずかしいのは本当なんだってば!」

真姫「はい、目瞑って」

にこ「真姫ちゃん人の話聞いてる!?」

にこ(こ、こうなったら意地でも目を瞑らない…!)パチッ

真姫「……まぁ、それならそれでもいいけど」ス

にこ「い、いや、目開けたままキスはさすがの真姫ちゃんでも恥ずかしいでしょ?」

真姫「少しはね。けど、にこちゃんと見つめあいながらキスするのも悪くないと思うし」

にこ「え、え、いや、真姫ちゃん、ほんとにやめ」

真姫「…にこちゃん、好き」

にこ「っ……、…」キュ

にこ(や、やっぱり真姫ちゃんに負けっぱなしじゃダメだわ……)



真姫「…結局させてくれるんだから、にこちゃんってやっぱり優しいわよね」ナデナデ

にこ「………絶っ対いつか逆転してやるんだから」

真姫「?」



―終わり―

これにて終了です

付き合ってからがあっさりすぎる気もしますが、これ以上グダグダ続けるのもなんだかなと思った結果、こうなりました
最後のほうはほとんど安価がなくて申し訳ない

最後まで駄文を読んでくれた方々、本当にありがとうございました


本当は今度こそにこにーハーレムを書こうと思ってたんですが……安価って不思議ですね

乙レスありがとうございます

にこにー総受けはいつか書きたい、本当に

せっかく意見もらったので、このあと間をあけてから、蛇足かもしれないけど凛ちゃんの後日談書きます

淡々と凛ちゃんの後日談あげていきます

凛ちゃんとにこにーとあと花陽ちゃんとか真姫ちゃんが、本当にただ喋ってるだけです

―凛ちゃん的おまけ―


凛(にこちゃんと真姫ちゃんが無事付き合うことになったにゃ! …って、誰に言ってるんだろ…)

凛(まぁなにはともあれ、よかった~)


凛「えへへー」ルンルン

花陽「凛ちゃん、最近機嫌いいね」

凛「だって、にこちゃんと真姫ちゃんが付き合うことになったんだよ!」

花陽「う、うん、嬉しいのは分かったから、もうちょっと音量下げたほうがいいよ。登校中なんだし」

凛「あ、そっか」

凛「でもあの二人が恋人さんなんて、すごいにゃー」

花陽「すごいって……うん、でもすごいのかもしれないね」

凛「あっ!」

花陽「な、なに?」ビクッ

凛「噂をすればにこちゃんと真姫ちゃん!」

花陽「え? あ、ほんとだ……二人で登校してるんだ…仲いいなぁ…」

凛「凛、挨拶してくるー!」タッタッ

花陽「あっ、り、凛ちゃん、多分邪魔しないほうが……って、行っちゃった…」


凛「にこちゃーんっ、真姫ちゃーんっ、おっはよー!」ギューッ

にこ「ぅわっ……って、なんだ凛ちゃん…ビックリさせないでよ…」

真姫「おはよ、凛。花陽も」

凛「えへ、おはよー」

花陽「お、おはよう、二人とも。…あの、なんかごめんね」

真姫「いいわよ、別に。凛じゃ仕方ないし」

凛「?」

にこ「それより、そろそろ離してくれない?」

凛「あ、忘れてた。いや、にこちゃんって腕の中にフィットする感じが楽しくて、つい」

にこ「それ、バカにしてるでしょ…?」

凛「褒めてるにゃ」ギュー

にこ「いや、だから離しなさいって」

真姫「……」

花陽「ま、真姫ちゃん、凛ちゃんは、あの、あれだよ。猫みたいな子だから」

真姫「…ええ、そうね。凛じゃ仕方ないもの」ニッコリ

花陽「あ、あはは……」


―――
――



にこ「…にしても、凛ちゃんがにこを呼び出すなんて珍しいわね。それもわざわざメールでなんて」

凛「いやー、本当は普通に呼び出そうとしたんだけど、なぜか真姫ちゃんの目が恐くて…」

にこ「あー……うん、なんかごめん」

凛「にゃ? まぁそれはともかく、凛、にこちゃんに言っておかなきゃいけないことがあるんだにゃ」

にこ「なに?」

凛「実は凛、あの日……にこちゃんが泊まりに来た日の夜、にこちゃんの好きな人を知っちゃってたの」

にこ「え。…えっと、なんで? にこ、凛ちゃんに話したっけ?」

凛「にこちゃん、かなり寝ぼけてたから覚えてなかったんだよ」

にこ「まぁ確かに記憶が曖昧なとことかあるけど………でもなんでわざわざ今になって?」

凛「不可抗力とはいえ、好きな人聞いちゃったし、ずっとそれが引っかかってて……」

にこ「…意外と気にするタイプなのね」

凛「む。意外とって失礼だにゃ」

凛「というわけで、改めて、その、ごめんなさい」ペコリ

にこ「いや、そんな謝るようなことじゃないわよ。凛ちゃんのことだから、多分誰にも話さないでいてくれたんでしょ?」

凛「うん」

にこ「ならむしろ感謝だわ」

にこ「……あ、もしかして、凛ちゃんが昼休みに真姫ちゃんたちと一緒に、にこの教室に来るようになったのって……そのせい?」

凛「うん。勝手に聞いちゃったお詫びに、せめて協力したいなぁと思ったんだけど……あんまり上手くいかなかったにゃ…」シュン

にこ「十分よ。もう、にこってば可愛い後輩をもって幸せものだわ」ナデナデ

凛「にゃー!」パアァッ

にこ「なんか本当に猫みたいね、凛ちゃんって」

凛「えへへ、にこちゃんに褒められるのって変な感じだねー」

にこ「なんかその言い方だと、にこが冷たい人間みたいじゃない」

凛「そんなことないよー、にこちゃん可愛いし!」

にこ「可愛さは関係あるの…?」

にこ「ま、とりあえず話が終わったなら真姫ちゃんと花陽ちゃんのところに戻りましょ。二人とも待ってるだろうし」

凛「うんっ。……あ、そうだ、にこちゃん」

にこ「んー?」

凛「真姫ちゃんを幸せにしてあげてね! あ、あと、にこちゃんも幸せになってね!」

にこ「…なんかその言い方だと、にこと真姫ちゃんが結婚するみたいね」

凛「そう?」

にこ「そうよ。…まぁ、うん、そりゃ不幸になるよりは幸せになりたいけど、ね…」

凛「あ、もしかしてにこちゃん照れてる?」

にこ「て、照れてないわよ!」

凛「隠さなくてもいいにゃー」

凛「よーし、凛、にこちゃんと真姫ちゃんが幸せになれるよう、願ってるからね! あ、あとかよちんも!」

にこ「って、なんでそこで花陽ちゃんまで?」

凛「そりゃ凛はかよちんのこと大好きだから!」

にこ「何よそれ……、まぁ凛ちゃんらしいわ」

にこ「じゃ、にこは凛ちゃんが幸せになれるよう願っといたげるわ」

凛「おおっ、にこちゃんありがとう! 大好き!」


―――

真姫「……二人でなに話してたのよ」

にこ「やだ真姫ちゃんってば嫉妬ニコ?」

真姫「…そのキャラやめてくれる?」

にこ「じゃぁほら、膨れてないで早くお家に帰るわよー」グイッ

真姫「あ、ちょ、ちょっと、引っ張らないでよ」


凛「えへへ」

花陽「? 凛ちゃん、どうしたの?」

凛「いや、楽しそうだなぁって思って」

花陽「あ、真姫ちゃんとにこちゃんのこと?」

凛「うんっ、恋人さんがいるのって楽しーんだろうねー。いいなー」

花陽「…うん、そうだね」

凛「んー……あっ! よーし!」ギュッ

花陽「っ、り、凛ちゃん?」

凛「にこちゃんと真姫ちゃんの真似! かよちんと恋人ごっこだにゃー」

花陽「あはは……花陽なんかが相手でいいの?」

凛「かよちんだからいーの! さ、お家に帰るにゃー!」グイッ

花陽「わ、わ、凛ちゃん、走らないでえええ!」



―本当に終わり―

以上です
本当にありがとうございました

ここあとこころと真姫ちゃんの絡み期待

>>444

おお…明日起きて気力が残ってたら書きます
書けなかったら申し訳ない

引き続き乙レスありがとうございます

とりあえず、短いですが矢澤姉妹と西木野さんの絡みいきます

―矢澤家的おまけ―

にこ「じゃぁ真姫ちゃん、ここでね」

真姫「ん。また明日」

にこ「うん」

真姫「……」

にこ「……あの、帰らないの?」

真姫「あ、いや、なんか名残惜しくて…」

にこ「…真姫ちゃんってなんというか、ホント素直になったわね」

真姫「まぁもう隠す必要もな

「まっきちゃーーーん!!!」ギューッ

真姫「い、し、ひゃあぁっ!?」バタンッ

にこ「ま、真姫ちゃん! 大丈夫!? 顔面から地面に倒れたけど…」

真姫「な、なんとか…」

にこ「あーもー…」チラ

こころ「わーい、まきちゃんだー」

ここあ「まきちゃん遊びにきたのー?」

にこ「ほら、二人とも、いつまでも真姫ちゃんの上に乗ってたら迷惑でしょ。あと、いきなり後ろから抱きつかないの」

ここあ「ごめんなさい…」シュン

こころ「まきちゃん、大丈夫…?」シュン

真姫(天使か……じゃなくて、)

真姫「ええ、大丈夫よ」ムクリ

真姫「けど二人とも、どうしてここに?」

ここあ「おうちで遊んでたら、窓からにこにーとまきちゃん見えたから」

真姫「ああ……確かにこの位置なら、にこちゃんの家から見えるわね」

こころ「ね、まきちゃん遊びにきたんでしょ? 早くおうちいこー」クイッ

真姫「ええっと……」チラ

にこ「あー……真姫ちゃん、この後用事は?」

真姫「ないけど…」

にこ「ならウチ寄ってく? その、大したもの出せないけど…」

真姫「そんなのいいわよ。にこちゃんたちがいればそれで」

にこ(本当に素直になりすぎてちょっと怖い……にこもちょっとは素直になれるよう頑張った方がいいのかしら…)

真姫「じゃぁお邪魔するわね」

ここあ「やったー!」

こころ「まきちゃん、こっちこっち!」グイッ、タッタッタッ

真姫「わっ、ちょ、走ると危ないわよ」

ここあ「にこにーも、帰ろ!」ギュ

にこ「うん。よーし、にこたちも真姫ちゃんに追いつくわよー!」

ここあ「おー!」タッタッタッ


―――――

こころ「ねーねー、まきちゃん、見てこれ! 先生にほめられたの!」ジャーンッ

真姫「あ、これ、にこちゃんよね。よく描けてるわ」

こころ「えへへー。あとね、これがまきちゃん!」

真姫「う、うん。……なんで私の頭の上に猫耳みたいなものが生えてるの?」

ここあ「前に、にこにーが言ってたの。まきちゃんは、ネコさんみたいだって」

真姫「……」

にこ「じ、事実でしょ?」

真姫「まぁいいけど……、私まで描いてくれてありがとうね」ナデナデ

こころ「わーい、まきちゃんにほめられた!」

ここあ「ここあも! ここあもにこにーと、まきちゃんかいたの!」

真姫「あ、ここあちゃんも上手……って、やっぱり私は猫耳つきなのね…」

ここあ「ここあも、あたま…」

真姫「うん。ありがとう」ナデナデ

ここあ「えへ、まきちゃん大好き!」ギュッ

こころ「こころもまきちゃん好き!」

真姫(可愛い…)

ここあ「あ、でもね、にこにーのことも大好き!」

こころ「こころもー、にこにーぎゅーっ!」ギュー

にこ「うん、にこも二人の大好きよ」

こころ「じゃぁ、まきちゃんのことは?」

にこ「え? えっと、そりゃ…」チラ

真姫「…」ジー

にこ(めちゃくちゃ期待した目で見てる……ああいうとこは子供っぽくて可愛いわよね)

にこ「…もちろん、真姫ちゃんのことも大好きよ」

真姫「!」パァッ

ここあ「あ、まきちゃん嬉しそう!」

真姫「べ、別にそんなことないわよ」

ここあ「えー、でも耳あかいよ?」

真姫「っ、き、気のせいよ、気のせい」ワシャワシャ

ここあ「ひゃー、まきちゃん髪の毛ぐしゃぐしゃになるよー」キャッキャッ

にこ「なんか……和むわね」

こころ「なごむ?」

にこ「ほんわかするってことよ」

こころ「ほんわか……、にこにーがほんわかするなら、こころもほんわかする!」

にこ「もー、ホントこころたちは可愛いわね」ナデナデ

こころ「えへへ、にこにーに頭撫でられるの好きー」

にこ(こころとここあがいて、そこに真姫ちゃんがいるなんて、本当に幸せよね)


ここあ「にこにー、ここあも頭なでなでー」ポフッ

にこ「っと…はいはい。ここあも、いいこいいこー」ナデナデ

ここあ「わーい」

真姫「…にこちゃん、にこちゃん、私も」

にこ「って、なんで真姫ちゃんまで」

こころ「まきちゃんも、にこにーこと大好きだからだよねー」

ここあ「ねー」

真姫「うん」

にこ「いや、うんって…」

こころ「にこにー、撫でてあげないの?」

にこ「えっと……、じゃぁ真姫ちゃんも良い子にこねー」ナデナデ

真姫「……」

ここあ「やっぱりまきちゃん、嬉しそー」

真姫「い、いや、そんなことは…」

こころ「ふふ、まきちゃん可愛いー」

真姫「か、可愛いって……」

にこ(なんというか…ホント、和むなぁ…)


―本当の本当に終わり―

なんかやっつけ感ありありで申し訳ない
双子ちゃんの「ニコ」って口癖はどこかに消え去らせてしまいました

にこにーメインで安価なしは書いたことないので、近いうちに書きたいと思ってます
どこかで見つけたら、また読んでもらえると嬉しいです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月12日 (水) 12:11:06   ID: LWSEjL4J

今までで一番いいにこまき

2 :  SS好きの774さん   2015年10月15日 (木) 01:37:22   ID: 8mgRwafY

にこまきなかったらもっと良かった

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