真姫「進級」 (16)

音ノ木坂学院 二年教室前廊下

花陽「あ、この教室だね」

凛「三人とも同じクラスになれてよかった~!ね、真姫ちゃん!」

真姫「一クラスしかないんだから一緒になるのは当たり前でしょ…」

凛「あれ…? あ、そっか」

真姫「全く…」

花陽「あはは…とりあえず入ろ、ね?」ガラ

真姫「凛、あなたね…二年生になったんだからしっかりしなきゃ。そんなんじゃ後輩にも示しが…」


二列目一番前着席穂乃果「……」ズーン


真姫「……」

花陽「……」

凛「?」

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真姫「……ここ二年の教室よね?」

花陽「……間違ったかな」

凛「間違ってないよ。クラスプレートにちゃんと書いてたもん」

真姫「じゃあなんでうちのリーダーがあそこにいるのよ」

花陽「もしかして穂乃果ちゃん、二年生のときと同じ教室に来ちゃったのかな?」

凛「あー!それ凛も中学のときやっちゃったにゃ!」

真姫「だとしてもなんで席に着いてるのよ…」

穂乃果「……はぁぁぁ~~~~」

花陽「わ、おっきい溜め息…」

凛「ほ~のかちゃん!」

穂乃果「…あ、凛ちゃん」

凛「おはよ!」

穂乃果「うん、おはよう…花陽ちゃんと真姫ちゃんも」

凛「あのね、ここ二年生の教室だよ?穂乃果ちゃんはもう三年生なんだから三年生の教室に行かなきゃ!」

穂乃果「……」

凛「えへへ、凛も中学のとき間違えてたことあるよ? でももう穂乃果ちゃんも三年生になったんだからしっかりしなきゃにゃだめにゃ!そんなんじゃ後輩にも示しがつかないんだから」

真姫「それさっき私が凛にそのまま言ったことじゃない」

花陽「凛ちゃんてば…ふふ」

凛「…あ、もしかして留年しちゃったとか!なーんて、そんなわけないか~」

穂乃果「……うん、実はそうなんだよね」

真姫「え?」

花陽「へ?」

凛「…にゃ?」

穂乃果「へへ…」

真姫「ちょ、は? 冗談でしょ?」

凛「えーと、ドッキリとか?」

花陽「そ、そうだよ。留年なんてそんな」

穂乃果「……」











穂乃果「お弁当一緒に食べてね」ハイライトオフ

凛「あ、これガチのやつにゃ」

真姫「なによ…なにしたの?」

穂乃果「うーん…なんやかんやで」

花陽「なんやかんやってなに…?」

穂乃果「……なんやかんやはなんやかんやだよ」

凛「え…ということは今日から穂乃果ちゃんは凛たちと同級生ってこと?」

穂乃果「……へへ」

真姫「笑ってる場合じゃないでしょ」

花陽「いや、もう笑うしかないんじゃないかな…」

凛「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「……あ、敬語とかいらないから……」

真姫「それはもう前から使ってないでしょ…」

穂乃果「ジョークだよ…ほのかジョーク…へへ…」

花陽「……海未ちゃんとことりちゃんは?穂乃果ちゃんが留年したこと……」

穂乃果「え…うん…もちろん知ってるよ」

凛「じゃあ二人は今頃、穂乃果ちゃんのいない三年生の教室に…」

穂乃果「というかほら、二人ともあそこにいるし」



三列目前から四番目着席海未「………」ズーン


五列目前から三番目着席ことり「……」ズーン


真姫「」花陽「」凛「」

花陽「ナンデェッッッ!!?!?」

海未「……花陽、声が大きいですよ」フラ…

ことり「そうだよ…みんな見てるよ…」フラ…

花陽「あ、はい」

真姫「なんでこの二人までいるの!?」

凛「え、ちょっと待って。まさかまさかまさか」

海未「……そのまさかですよ」

穂乃果「三人仲良く留年しちゃったんだよね…てへ」

ことり「ねー…てへ」

真姫「」凛「」花陽「」

穂乃果「これから一年間よろしくね」

ことり「二年間だよ穂乃果ちゃん…三年生も同じクラスだよ私たち」

海未「一緒に卒業できますね…ふふ」

花陽「こんなのって…」フラ…

凛「かよちん!気をしっかり!」

真姫「…あ、わかった。夢をみてるのね?私ってばまだ眠っているのよ…あーやだやだ悪夢じゃないこんなの」

凛「真姫ちゃん現実逃避しないで!こんなの凛だけじゃ捌ききれないから!」

穂乃果「凛ちゃん大変だねぇ」

凛「誰のせいにゃ!!!!」

穂乃果「もうさ、ポジティブに考えようよ」

凛「ポジティブに?」

穂乃果「考えてもみなよ。凛ちゃんも花陽ちゃんも真姫ちゃんも…私たちとあと二年間も一緒にいられるなんて嬉しいでしょ?」

花陽「……」

真姫「……」

凛「……」

穂乃果「穂乃果は超嬉しい(棒)」

ことり「ことりも超嬉し~(棒)」

海未「私も超嬉しいです(棒)」

凛「気持ちが全く込もってないにゃ」

ことり「本当に嬉しいよ?だってだってだってね?大好きな幼馴染みの穂乃果ちゃんと海未ちゃんとの高校生活も一年延びたんだよ?それってまだまだずっと一緒にいられるってことなんだよ?ね?すごいでしょ!?ヤッタネヤッタネヤッタネ」

真姫(なんかことりが一番ヤバそう)

海未「……グス」

花陽「……海未ちゃん、泣いてる…?」

穂乃果「私もすっごい怒られたけど…海未ちゃんの家は…ほら」

ことり「厳しいもんね…ちなみにことりはもちろん怒られたけど、それよりも呆れられました」

真姫「それもキツいわね…」

海未「ヒグ…グスン」

ガララ

先生「お前ら席つけー」

先生「全員いるなー?」

花陽(一列目の一番後ろ…)ホッ…

凛(海未ちゃんの斜め後ろ…近)ガーン

真姫(ことりの隣…ですって?)ガーン




先生「えーまずは進級おめ…」

穂乃果「……」

海未「……」

ことり「……」

先生「……おめでとう。えーこのクラスの担任をすることになったわけだが~……まあ、うん…一クラスしかないわけだし、皆仲良くな……」

真姫(すごく気を遣われている…)

花陽(すごく気を遣われている…)

凛(すごく気を遣われている…)

先生「あー…自己紹介とかいらない…よね?」

クラス一同「……」シーン

先生「うん……じゃあ出席番号一番の人に…朝の号令でもしてもらおう…かな?」

「……はい」




一列目一番前起立絵理「起立!」



まきりんぱな「「「待て待て待てい」」」

絵理→絵里

絵里「?」

凛「なんにゃその顔…こっちが『?』だよ…」

花陽「ナンデイルノォ!?」

真姫「なによこれ…やっぱりドッキリなんじゃない!じゃなきゃ」

絵里「待って、落ち着きなさい? あなた達が言わんとしていることはわかるわ…『どうして私がここにいるのか』、そうでしょう?」

凛「そんなドヤ顔で当たり前のこと言われても……で、なんで絵里ちゃんまでいるの?卒業した筈だよね?」

絵里「……いいえ」

真姫「…はぁ?」

絵里「卒業どころか三年生から二年生に降級させられたわ」

花陽「降級シチャッタノォ!?」

凛「…降級なんてあるの?」

真姫「ないわよ…」

穂乃果「あー!絵里ちゃんだー!」

絵里「穂乃果!もう、全然気づいてくれないんだから…」

穂乃果「ごめんごめん!隣にサングラスしたバレエが上手そうなロシアン金髪なクォーターがいるな~、くらいにしか思わなかったよ~!髪も下ろしてるし…でも同じクラスになれるなんて奇遇だね!嬉しい~♪」キャッキャ♪

絵里「ふふ、元三年生がいたら皆驚くだろうから軽い変装してたの!私も嬉しいわ!皆同じクラスなんて夢みたい♡」キャッキャ♪

花陽「奇遇もなにもこの学年は一クラスしかないんですけど…」

凛「全然奇遇じゃないよ…集められてるよこれ」

真姫「……というか今絵里がすごい不安になること言ってたけど」

絵里「ん?」

真姫「皆ってなによ」

絵里「皆は皆よ? ほら、あそことあそこ!」

三列目最後席着席サングラス希「」ピース

六列目前から五番目着席サングラスにこ「」ニコニコニー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年12月16日 (土) 18:23:22   ID: I4SLbTag

おいいいい

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