【艦これ】酒匂「一年前のあたし」 (73)

このSSを読む前に

・物語は去年の秋刀魚漁の時期です
・間違いなく不定期更新(イベントの為)

では始めます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511797063

酒匂「そろそろ年末かぁ 意外と早いものだったねー」

酒匂「それといっしょに寒くなってきた・・・ぴゃっ」

酒匂「・・・・この鎮守府に着任してからもう1年なんだね」

酒匂「あれは酒匂が着任した時だったっけ・・」

――――1年前 執務室

酒匂「ぴゃん!阿賀野型4番艦 酒匂です!司令!よろしくね!」

提督「よろしく!ようやく・・ようやく会えたよ・・」

酒匂「どうしたの司令?酒匂にそんなに会いたかったの?」

古鷹「これで阿賀野型が全員揃いましたね」

ガチャ

阿賀野「提督さん!本当なの?!」

提督「うん、今目の前にいるよ」

酒匂「ぴゃ?」クルッ

阿賀野「わぁ!酒匂ー!会いたかった―!」ギュー

酒匂「ぴゃー・・・苦しいよぉ・・」バタバタ

能代「阿賀野姉離してあげて・・・ようやく会えたわね」

矢矧「長い長い道のりだったね」

酒匂「ぴゃー・・みんな泣かないで・・」オロオロ

阿賀野「よぉーし!これから歓迎会開くわよ!」

能代「もう!すぐそんなこと思いつくんだから!」

提督「まぁまぁ、いいと思うよ僕は。これからよろしくね、酒匂」

酒匂「ぴゃん!」

こうして 酒匂の鎮守府生活が始まった

―――――数日後

能代「よし、じゃあ行ってくるね」

酒匂「行ってらっしゃい!」

矢矧「酒匂、演習に遅れないようにね」

阿賀野「鹿島さんの言う事もしっかりと聞くのよ?」

酒匂「うん!わかった!」

バタン

酒匂「・・・・酒匂一人かぁ・・」

酒匂「みんなと一緒に出撃したかったなー・・」

酒匂「・・・・演習場に行かなきゃ!ぴゃん!」

―――――演習場

酒匂「ねぇ、いつになったら出撃できるの?」

鹿島「出撃ですか?まだ酒匂さんは練度も低いですし、今は演習漬けの日々ですよ」

鹿島「出撃できるのは酒匂さんの練度が十分な頃合いの時からですね」

酒匂「ぴゃー・・・。それっていつぐらい?」

鹿島「酒匂さんの砲撃の命中率は合格ラインではありませんし、まだまだ先の話だと思います」

酒匂「ぴゅーん・・演習だけじゃつまらないよぉ」

香取「最初はみなさんそうでしたが、今出撃されてる方たちもこの演習で練度を上げて出撃できるようになりました」

香取「一つ一つの努力が結果に結びつくので酒匂さんもこのまま頑張ればできますよ」

酒匂「うーん・・・。わかった、酒匂。がんばる!」

鹿島「はい。では次の実践ですが・・」

――――阿賀野型の部屋

酒匂「ぴゃーん!ただいま!って・・まだ誰も帰ってきてない・・」

酒匂「矢矧ちゃん達、まだ出撃してるのかな・・」

ピラッ

酒匂「なんだろ?これ・・何かの絵?」

ガチャ

阿賀野「ただいまー・・って酒匂!まだ見ちゃダメぇ!」バッ

酒匂「ぴゃっ?!びっくりした・・」

能代「酒匂には隠す必要ないんじゃないの?」

阿賀野「だってぇ・・恥ずかしいじゃない!」

矢矧「まだ形だけ決めたばかりでしょ・・」

酒匂「それって結局何なの?」

能代「これはね、秋刀魚漁の大量旗の絵なのよ。まだ構図だけ書いてるだけだけど」

酒匂「人の絵が4人いる・・・」

阿賀野「ふっふーん!実はこの4人は・・・私たち"阿賀野型4姉妹"を描くんです!」

酒匂「ぴゃあああ!ほんと!?」

能代「ええ、みんなで秋刀魚を獲ってる絵を描こうと思うの」

矢矧「とは言っても、作業する機会は中々ないだろうけど完成させるわよ!」

阿賀野「そーです!というわけでみんな頑張ってねー!」

能代「阿賀野姉もやるの!」

阿賀野「阿賀野はプロデューサーだってばー!」

今日はここまでです
イベントが終わるまでは日が開くことが多くなると思います

――――食堂

酒匂「うーん・・・」

長門「酒匂ではないか、どうした?」

酒匂「あ、長門さん。実はね・・」

-----

矢矧「秋刀魚漁で出撃もあるし、準備はしとかないとね」

酒匂「ぴゃあ!酒匂も出撃できる?」

矢矧「それを決めるのは提督だし・・まだわからないわ」

酒匂「ぴゅーん・・」

-----

長門「ふむ・・・酒匂も秋刀魚漁に出撃したいというわけか・・」

酒匂「うん・・でも酒匂、出撃もまだ一回もないしずっと演習だし・・」

酒匂「もしかしたら秋刀魚漁にも参加できないんじゃないかって・・」ションボリ

長門「確かに、今の酒匂の練度では出撃するのも難しいと思うが・・」

長門「可能性はないとも言えない」

酒匂「ぴゃっ?!本当?」

長門「うむ、鎮守府近海でも秋刀魚が獲れるらしい」

長門「つまり、今の酒匂でも近海なら出撃できるかもしれないという事だ」

酒匂「ぴゃあ!酒匂、がんばる!」

長門「まだ決まったわけじゃないんだ、数日後にでも報告はされるだろう」

酒匂「まだ先かぁ・・・出撃できると良いなぁ」

長門「指名されたら、しっかりと準備はしておくんだぞ」

酒匂「ぴゃん!じゃあ演習に行ってくるね!」

長門「ああ、頑張るんだぞ」

――――演習場

酒匂「ぴゃああ!頑張る!」ドーン

鹿島「酒匂さん、今日は張り切ってますね」

香取「ええ、この調子なら短期間でかなりの成長が期待できそうです」

鹿島「でもどうして・・?」

香取「ふふ、彼女にとって何か嬉しいことがあったのでしょう」

酒匂(この調子なら・・・司令もきっと出撃させてくれるはず!)

酒匂「ぴゃあ!まだまだ頑張る!」

鹿島「この調子なら出撃も早いと思いますよ!」

酒匂「ぴゃん!」

香取(しかし、少し粗削りなところが目立っていますね・・今のところ出撃できるかは微妙なラインですが・・)

香取(次の作戦では提督はどうなさるのでしょうか・・)

―――――数日後 執務室

提督「じゃあ、秋刀魚漁のメンバーを発表していくよ」

酒匂(呼ばれますように・・呼ばれますように・・)ワクワク

阿賀野「酒匂、目がキラキラしてるわね・・」ヒソヒソ

矢矧「まぁ、出撃したがってたし・・」ヒソヒソ

提督「――――以上が北方海域メンバーだよ。次に鎮守府近海の・・」

酒匂(あ!酒匂が出撃できるかもしれないところだ!)ワクワク

能代(今の酒匂に出撃は任せられるのかしら・・)

提督「山城、磯風、龍鳳、そして・・・夕張」

提督「以上が鎮守府近海のメンバーだよ」

酒匂「・・・・・え?」

山城「私が選ばれたのね・・・」

扶桑「山城?疲れたら私と交代してもいいのよ?」

山城「そ、そんな!姉さまと交代だなんて・・!」

磯風「ふむ、またこの季節がやって来たのだな。磯風がここに来たのも秋刀魚の時期だったしな」

磯風「どれ、また秋刀魚を調理してやろうではないか」

浦風「磯風、あんたは獲るだけの役目じゃ」

龍鳳「今年も頑張りますね」

瑞鳳「頑張ってね!龍鳳ちゃん!」

伊58「秋刀魚、楽しみにしてるでち!」


酒匂「ね、ねぇ司令!酒匂は?」

提督「残念だけど、今回は見送りという事にしたんだ」

長門「提督よ、鎮守府近海なら今の酒匂でも出撃できるのでは・・?」

提督「とはいっても、着任したてだし今回の作戦にはまだまだだと思って・・」

提督「酒匂を入れることはできなかったんだ、ごめん・・」

長門「提督!一度だけでも―――」

酒匂「いいよ、長門さん」

長門「酒匂・・」

酒匂「酒匂、まだまだ勉強や演習しないと出撃できないんだってわかったんだし、仕方ないと思う」

酒匂「司令もそう決めたんだから酒匂、お留守番しとくね」

提督「酒匂・・・ごめん」

酒匂「ううん、司令は悪くない!じゃあ酒匂は演習に行ってくるね!」バタン

長門「酒匂!」

提督「長門、もしかして酒匂に何か言ったのかい?」

長門「ああ・・酒匂も近海なら出撃できるのではないかと思って・・」

提督「香取が言うには、まだ荒削りの所があるらしく十分に出撃できる状態じゃないらしいんだ」

長門「そうだったのか・・・私の早とちりか・・・」

提督「でもあの娘はしっかりすれば十分戦力になれるはずなんだ、演習をしっかりとこなして早く大規模出撃のメンバーに入れてあげたいけどね・・」


酒匂「・・・・・」グスッ

酒匂「酒匂、泣いちゃダメ。泣いちゃ・・・」

今日はここまでです
イベントはようやく終わりました 掘りはまだ考え中です

この話は年内に終わらせるようにしたいと思います

―――――翌日 演習場

ヨッシャー サンマトリニクゾー

酒匂(あれは・・北方海域で秋刀魚漁するメンバー・・)

酒匂(酒匂も出撃したかったなぁ・・)

鹿島「酒匂さん?あのー・・聞いてます?」

酒匂(近海にも出撃できなかったって・・もしかしたらこのまま・・)

鹿島「あのー!酒匂さん?」

酒匂(ううん!そんなことはない!そんなことは・・・)

鹿島「さーかーわーさん!」

酒匂「ぴゃあ!?」ビクッ

鹿島「どうしたんですか?ボーっと突っ立って・・ちゃんと話を聞いてましたか?」

酒匂「ぴゃあ・・・ごめんなさい・・」シュン

香取「酒匂さん、あなたが出撃できなかった気持ちはわかります」

香取「しかし、皆さんが出撃してる間に演習をこなして力を付けることができるので頑張りましょう」

酒匂「・・・はーい」

香取(やはり・・ショックが大きかったのでしょうか・・前程とは大違いですね・・)

――――数時間後

鹿島「酒匂さん?どうしたのですか?前回より砲撃や雷撃の命中率が下がっていますよ?」

酒匂「・・・・・ごめんなさい」

香取「・・・・今日の演習はこれで終了にしましょう」

香取「酒匂さん、少しの期間演習を無しにするよう提督に伝えます」

酒匂「えっ!?そんな・・」

香取「酒匂さんの気持ちが落ち着いた頃に私の所へ話してくれれば演習は再開いたします」

香取「それまではゆっくりと休んでください」

酒匂「・・・・」

鹿島「香取姉・・・いいんですか?」

香取「・・今の酒匂さんの状態を見る限りでは練度も上がるとは思えない傾向です」

香取「今は心身の休養を取ってもらい、落ち着いたころにもう一度演習を行いましょう」

鹿島「はい・・・でも、酒匂さんがあんなに落ち込んでるのは何故・・・?」

香取「原因としては、不安を募らせる要素が酒匂さんの中にあるのかもしれません」

香取「その不安要素は分かりませんが・・・」

鹿島「とりあえず、提督さんに報告しに行きますか?」

香取「そうですね」

――――阿賀野型の部屋

酒匂「・・・・」

ガチャ

能代「酒匂、ちょっといいかしら?」

酒匂「能代お姉ちゃん・・」

能代「提督と鹿島から聞いたわよ、演習を長期期間休みにしてもらったって」

酒匂「・・・・ごめんなさい」

能代「酒匂・・何か悩み事でもあるのなら相談してくれてもいいのよ?」

阿賀野「演習のサボリはいけないのよ!」

矢矧「阿賀野姉は黙ってて・・」

能代「阿賀野姉の言うとおりよ。演習を頑張らないと酒匂はいつまでたっても出撃できないままよ?」

酒匂「・・・じゃあ酒匂はどうして頑張ってるのに出撃できないの?」

能代「え・・・?」

酒匂「演習だってがんばってきたのにメンバーにも選ばれなかったのは何で?!」

能代「そ・・それは・・」

矢矧「酒匂、私たちだって演習で練度を高めて出撃できるようになったの」

矢矧「だからね、もう一度気を取り直して演習を――」

酒匂「お姉ちゃん達は出撃してるからそんなこと言えるだけだよ!けれど酒匂はいつも置いてけぼり!」

酒匂「演習なんかしたって意味なんかないよ!ずーっと独りぼっちなんだよ!」

能代「いい加減にしなさい!」

バシッ

酒匂「痛っ・・うぅ・・」

酒匂「・・・お姉ちゃんの馬鹿!もう知らない!」

矢矧「あっ!酒匂!」

バタン

能代「・・・・・・」

矢矧「・・・・・・」

阿賀野「えっと・・・えーっと・・・酒匂ー!待ちなさーい!」ダッ

矢矧「能代姉・・」

能代「・・・ごめん。今はひとりにさせて・・」

矢矧「・・・・」

酒匂(お姉ちゃんの馬鹿馬鹿!酒匂の気持ちなんて知らないくせに!)

酒匂(私なんて・・・私なんて・・・!)

ドンッ

酒匂「ぴゃっ!?」ドテッ

阿武隈「いたた・・・廊下は走っちゃダメ!・・って酒匂さん?」

酒匂「あなたはえっと・・・阿武隈ちゃん?」

阿武隈「そうですけど・・廊下は走っては駄目ですよ!」

酒匂「ごめんなさい・・・」

阿武隈「・・・?どうしたの?何やら訳ありみたいだけど・・相談にならのるよ?」

酒匂「・・・ここで話すより部屋で話したい・・お願い・・」

阿武隈「うーん・・・じゃあ私の部屋で話してみて。私に付いてきて」

――――長良型の部屋

鬼怒「なるほどなるほど・・演習ばっかりで出撃できなくてしょんぼりしてたんだね」

酒匂「お姉ちゃん達は演習をこなせば出撃できるとか言ってたけど全然ないし・・」

酒匂「出撃してるからあんなこと言えるものだと思う」

阿武隈「うーん・・出撃したい気持ちは分かるけど・・やっぱり演習で練度をあげて出撃した方が良いと思うなぁ」

酒匂「・・・・やっぱりみんなもそうなんだ」

五十鈴「まぁ酒匂ぐらいの練度なら鎮守府近海も行けそうだけど・・あそこは稀にしか行かないしね」

鬼怒「秋刀魚も北方海域メインで獲るらしいからね」

阿武隈「それはそうと 阿賀野さんたちに謝りに行かないの?」

酒匂「酒匂、今日は部屋に戻らない」プイッ

阿武隈「ええ・・じゃあどうするの?」

鬼怒「今日はここに泊まればいいじゃん」

阿武隈「えっ」

酒匂「ぴゃー・・いいの?」

鬼怒「同じ軽巡の仲間なんだし、これぐらい軽いもんよ!」

五十鈴「そうね、ちょっとの間だけここに居座ればいいと思うわ」

酒匂「で、でも寝るところが・・」

鬼怒「あぶぅの布団で寝ればいいと思うよ」

阿武隈「どうしてそうなるの!?」

五十鈴「だって阿武隈が相談相手になるって言ったんでしょ?」

鬼怒「二人で一緒に寝ればいいじゃん!」

酒匂「うーん・・じゃあそうする!ぴゃっ!」

阿武隈「まぁ、ちょっとの間ならいいか・・」

今日はここまでです
イベントは突破しました 掘り?対馬だけですよね?

>>27
修正入ります
誤 酒匂(私なんて・・・私なんて・・・!)
正 酒匂(あたしなんて・・・あたしなんて・・・!)
に訂正いたします

何というケアレスミス・・・

――――夜

名取「そんなことが・・・」

長良「けどまぁ、一人増えても大丈夫!安心していいよ!」

酒匂「ぴゃん!ありがとう!」

由良「阿賀野さん達は酒匂ちゃんがここにいることは知ってるの?」

阿武隈「阿賀野さんには教えて、能代さんと矢矧さんに事情を伝えるように頼んだから大丈夫  だと思う・・」

名取「酒匂さん・・・お姉さん達に謝る気は・・?」

酒匂「・・・・」プイッ

長良「これはなさそうだねー・・」

鬼怒「まま、酒匂が謝る気になるまで待つしかないよ」

酒匂「ぴゅううう!酒匂はそんなつもりはない!」

鬼怒「えー・・おにおこ・・?」

五十鈴「ふぅ・・長くなりそうね・・」

―――――阿賀野型の部屋

阿賀野「・・・ということで酒匂は阿武隈ちゃんと同じ、長良型の部屋で一緒に寝ることになりました」

矢矧「そう・・・鎮守府から出て行ったとかじゃなかったから安心したわ」

阿賀野「けど戻ってくる様子はないみたいよ」

能代「酒匂・・・」

阿賀野「能代、心配するのはわかるけど今はあの娘が戻ってくるまで待ちましょ?」

阿賀野「大丈夫。酒匂ならきっと間違いに気づいて、許してくれるわよ」

能代「阿賀野姉・・」

能代「良いこと言ってるけど、私のおやつを勝手に食べたことは許さないわよ?」

阿賀野「ま、待って!能代の物とは思わなかったのー!」

矢矧(やっぱりそうなるのね・・・)

――――???

酒匂「・・・ここはどこだろ・・?」キョロキョロ

ヨシ シュツゲキダ!

酒匂「あっ!待って!酒匂も一緒に連れてって!」

酒匂「待ってよぉ!みんな!置いてかないで!」

酒匂「ぴゃっ?!」ドテッ

酒匂「いてて・・・みんな待っ―――」

シーン

酒匂「・・・酒匂、また置いてけぼり・・もう嫌だよぉ・・」

酒匂「長門さん・・プリンツちゃん・・矢矧ちゃん・・お姉ちゃん・・」

――――長良型の部屋

酒匂「!!」ガバッ

酒匂「・・・・またあの夢・・」

酒匂「・・・・・」チラッ

阿武隈「みなさん・・アタシの指示を聞いてください・・」ウーン

酒匂「・・・・ちょっとだけお散歩してこよっと」

――――軽巡寮 廊下

矢矧「図書室で本を読み漁ってたらもうこんな時間・・そろそろ寝ないと・・」

矢矧「ん・・?あれは・・」


酒匂「静かだなぁ・・みんなもう寝ちゃったのかな?」

酒匂「どうせだしお外にでもいこーっと」


矢矧「酒匂?どこにいくのかしら・・」

―――鎮守府 運動場

酒匂「静かだなぁ、なんかちょっと不気味・・」

酒匂「ぴゃああ・・・寒くなってきた・・そろそろ戻ろうかな・・」

フンッ フンッ

酒匂「・・・?誰の声だろ?」

長門「フンッ!フンッ!」

酒匂(長門さんだ・・・懸垂かな?すごいなぁ・・)

長門「ふぅ・・次は・・ん?」

酒匂「あ・・長門さん・・」

長門「酒匂・・・」

すいません短めですが今日はここまでです
仕事が多忙になのですが 年内には書き切ろうとは思っています

クリスマスのSSも思い浮かんでたり

長門「酒匂・・前の件についてはすまなかった・・」ペコ

酒匂「ううん、長門さんは悪くないよ」

長門「しかし、酒匂は何故こんな夜に外へ出たんだ?」

酒匂「嫌な夢をまた見てしまって目が覚めちゃったんだ」

長門「嫌な夢・・?どんな夢だ?」

酒匂「・・・皆が出撃する中で酒匂が置いてけぼりにされて、独りぼっちになる夢・・」

長門「・・・・それは悲しいな」

酒匂「だから酒匂は早くみんなと出撃したいのにずっと演習でつまらない・・・」

酒匂「能代お姉ちゃんは演習を頑張れば出撃できるとか言ってるけど嘘ばっかり・・」

長門「・・・・」

長門「・・・私は能代が正しいと思うな」

酒匂「長門さんまで!どうして!」

長門「酒匂、話を聞け。・・・ここにいる艦娘全員すぐに出撃という事はない。誰しもが演習は通る道だ」

酒匂「違う違う!演習なんか頑張ったって意味なんかないよ!」

酒匂「酒匂、いつも頑張ってるのに出撃できないんだよ!!」

長門「それは違うぞ酒匂」

酒匂「お姉ちゃん達は演習すれば出撃できるとか言ってるけど出撃もなしでいつも一人なんだよ!」グスッ

酒匂「・・・夢の中でも・・・今も・・もう独りぼっちは嫌なの・・・」ポロポロ

長門「酒匂・・・」

長門「落ち着いたか?」

酒匂「うん・・・」

長門「・・・・私も昔は演習漬けの日々だった」

長門「私だけではない、金剛や榛名 阿武隈 そして提督が一番信頼している古鷹もだ」

長門「みんな数多くの演習をこなして、出撃するようになった」

酒匂「みんな、文句とか言わなかったの・・?」

長門「ごく一部は夜戦したい!とかいたが、文句を言うものはあまりいなかった」

長門「全員、熱心に演習をしていたぞ」

酒匂「・・・・・」

プリンツ「わぁ!」

酒匂「ぴゃ!?」ビクッ

プリンツ「えへへ、吃驚した?」

酒匂「プ、プリンツちゃん・・」

長門「どうした?お前も散歩していたのか?」

プリンツ「眠れないから気分転換に外歩いてたら長門さん達を見つけたんで・・」

プリンツ「ところで、二人で何の話してたの?」

長門「酒匂の出撃について話し合っていたところだ」

長門「せっかくだプリンツ、お前の昔の話をしてやれ」

プリンツ「え?私の昔ですか?」

酒匂「ぴゃ?プリンツちゃんも出撃してなかったの?」

プリンツ「あのね、私も酒匂と同じ、着任当初からずっと演習だったんだ」

酒匂「そうなんだ・・」

プリンツ「当時はビスマルク姉さまと一緒に出撃したいがために毎日提督に言い続けたんだ。"出撃させて"って」

酒匂「それで、どうだった?」

プリンツ「まだ着任当初だし、出撃はできなかったよ。私も限界が来てもう演習なんかやらないって叫んじゃった」

プリンツ「そのことを知ったビスマルク姉さまが私を部屋に呼んだんだよ。その後どうしたと思う?」

酒匂「んーと・・・慰めた?」

プリンツ「まさか!頬をひっぱ叩かれて、説教だったよ」

プリンツ「私も泣いちゃったし、長い説教だったよ」

プリンツ「でも最後に優しい顔でこう言ってくれたんだ」


"まだ焦る時じゃないわ 出撃する時までたくさん力を付けておいで いつでも待ってるから"

酒匂「いつでも待ってる・・・」

プリンツ「それから演習をするようになって、しばらくして出撃できるようになったんだ」

プリンツ「だからね、酒匂も演習頑張ろ!」

酒匂「・・・・・」

長門「酒匂、お前はもう独りぼっちではない。ここに来たからには仲間がたくさんいる」

長門「阿賀野達や私やプリンツ、そして大勢の艦娘、提督もいる」

長門「まだ焦らなくていい、出撃の機会が来るまでは演習をこなして練度を上げて来ると良い」

長門「私たちはいつでも待ってるぞ」

酒匂「でも、酒匂・・練度上げれるのかな・・?」

プリンツ「大丈夫!酒匂ならきっとできるよ!」

プリンツ「ほら!よく言うでしょ?"山の上にも三年"って!」

長門「それを言うのなら"石の上にも三年"だろう」

プリンツ「あれ?そうだっけ・・。ビスマルク姉さまに教えてもらったんだけどなぁ・・」

酒匂「ビスマルクさんが間違ってる?」

長門「ああ、そうだな」

プリンツ「ま、まぁ!"猟虎の川流れ"って言うし!」

長門「"河童の川流れ"だろう」

プリンツ「う、うーむ・・・」

酒匂「えへへ・・確かにそうかもしれないね」

酒匂「酒匂の我儘をお姉ちゃん達にぶつけちゃって怒らせたんだと思う」

酒匂「謝りに行きたい・・・けど・・」

長門「大丈夫だ、素直に謝れば許してくれるはずだ」

酒匂「うん・・それと!酒匂はもう独りぼっちとか考えない!」

酒匂「司令や長門さん、プリンツちゃん、そしてお姉ちゃん達がいるから!いつでもいるから!」

酒匂「だから・・酒匂、演習頑張る!ぴゃん!」

プリンツ「そうだよ酒匂!」

長門「私たちも協力しよう」

酒匂「みんな・・ありがとう!」


矢矧(良かったわね・・酒匂・・頼れる仲間がいて・・)

矢矧(私たちも全力でサポートするわ)

今日はここまでです
ACのイベントの事もあるのでもしかしたらまた不定期になるかも知れません

――――翌日 阿賀野型の部屋

コンコン

阿賀野「はぁーい。・・・能代、能代」チョイチョイ

能代「どうしたの?阿賀野姉・・・あ・・」

酒匂「・・・・」モジモジ

阿武隈「さ、酒匂さん」

酒匂「う、うん・・・あのね・・能代お姉ちゃん・・」

酒匂「この前は勝手に出て行っちゃってごめんなさい・・」

能代「酒匂・・」

酒匂「酒匂、出撃できなくても文句は言わないし、演習頑張るから・・その・・」

能代「・・・ううん。私の方こそ、叩いちゃってごめんね」

能代「むしろ謝るのは私のほうよ」

能代「・・・ずっと悩んでたことに気づけなくて、姉として失格よね・・」

酒匂「ううん。能代お姉ちゃんは悪くないよ。それとね、酒匂はもう独りぼっちじゃない」

酒匂「お姉ちゃん達や長門さん、プリンツちゃん 他の艦娘に司令もいるから!」

酒匂「だから、演習頑張って出撃できるようになるまで見守っててね!」

能代「・・・・ええ!もちろんよ!」

矢矧「私たちにできることなら何でもするわ!」

阿賀野「よぉーし!阿賀野型の本領発揮するわよー!」

酒匂「ぴゃー!」

――――演習場

香取「では、演習を再開しましょうか」

能代「ごめんなさい、私たちも指導する側に入っちゃって・・」

香取「構いませんよ、これも酒匂さんの願いでもありますし。姉妹から教えを貰うのも一つです」

阿賀野「鹿島さんも香取さんから教えて貰ってそうね」

鹿島「わ、私は大丈夫ですから!」

香取「話は戻りますが、砲撃の時に別の方向を見たりして命中率が安定してないんです」

阿賀野「駄目よ酒匂!砲撃するときは敵艦をじーっと見て、ドーンと撃つのよ!」

酒匂「じーっと見てドーンと撃つ?」

能代「もう・・阿賀野姉ったら・・。いい?酒匂。敵の先の動きを見てしっかりと狙って撃つのよ」

酒匂「うん、わかった!・・・・あ!長門さんだ!」

能代「キョロキョロしない!」

酒匂「ぴゃああ・・・」

矢矧(鬼教官みたいね・・)

酒匂「次は雷撃だね!」

矢矧「じゃあ私が教えてあげる。雷撃の場合は構えの準備をして敵の動きを見るの」

矢矧「そして敵が移動する位置を予測してその方向に魚雷を撃つ!」ACモーション

酒匂「ぴゃああ!かっこいい!」

矢矧「そ、そうかな//。でも、酒匂は自分の撃ちやすいようにすればいいよ」

酒匂「わかった!・・・構えをして・・敵の動きを見て・・その先に撃つ・・・」ジーッ

酒匂「・・・・」ウズウズ

矢矧(何かしら・・・これ・・)

酒匂「今だ!ぴゃあ!」ACモーション

能代(獲物を狙ってる猫みたいね・・)

鹿島(猫じゃらしでも見てそうな猫みたいです・・)

鹿島「対潜実践を行いましょう。今回は伊58さんにも協力してもらいます」

伊58「練度上がれど、初心忘れるべからずでち!」

酒匂「ぴゃー!」

阿賀野「いい?まずソナーをパァーってして潜水艦を見つけたら爆雷をポイッって発射してドーンとするのよ!」

能代「阿賀野姉・・擬音が多すぎよ・・」

酒匂「ぴゃあ!ソナーをパァーって爆雷ポイしてドーンだね!」

伊58「さぁ!当ててみるが良いでち!」ザブン

酒匂「酒匂、負けない!・・・そこだね!ぴゃん!」ボンッ

酒匂「あわわわ・・・ぴゃー」スイー

香取(フィギュアスケーターでしょうか・・・)

忘年会旅行からこんにちわ

帰宅したので一旦中断します
続きは今日書けたら書きます

――――運動場

長門「行くぞ酒匂!私たちが目指すのは!暁の水平線に勝利を刻むことだ!」ダッダッ

酒匂「ぴゃあああ!頑張る!」タッタッ

能代「これはどうなのかしら・・・?」

矢矧「まぁトレーニングしてるようにみえるし・・」

阿賀野「酒匂ー!頑張れー!」

長門「このランニングが終わったら腹筋だ!」

酒匂「ぴゃん!酒匂、長門さんみたいに強くなりたい!」

長門「その意気だ!」

――――ドイツ艦の部屋

ビスマルク「酒匂・・来たわね」

酒匂「ぴゃああ・・・」ドキドキ

ビスマルク「プリンツから聞いたわ、特訓をしてほしいと」

酒匂「う、うん!」ドキドキ

ビスマルク「いいわ、このビスマルクの特訓についてこられるかしら・・?」

酒匂「・・・」ゴクリ

ビスマルク「じゃあ・・まずは"納豆を食べて精神を鍛える"訓練よ!」バーン

酒匂「ぴゃ?納豆?」

プリンツ「ビスマルク姉さまが最初にそれを出すなんて・・本気だよ!」

ビスマルク「この納豆を食べて精神を鍛える・・戦場ではどんなに苦しい状況でも決して諦めないメンタルが必要なのよ!」

ビスマルク「まずはこの私が手本を見せてあげるわ!」パクッ

グラーフ「大丈夫か・・?ビスマルク・・?」

ビスマルク「・・・・・・うぐぐ。まだよ!まだいけるわ!」パクッ

プリンツ「ビスマルク姉さま!頑張って!」ヤンヤヤンヤ

呂500「がんば!ですって!」

ビスマルク「完食は・・してみせるわ・・!」パクッパクッ


Z3「相変わらず変な特訓ね・・」

Z1「酒匂さんは納豆好きなの?」

酒匂「うん 大好きだよ」モグモグ

――――執務室

阿賀野「提督さん!じゃーん!見てみて!」

提督「へぇ、立派にできた旗だね!」

能代「私たち阿賀野型四姉妹で作りました」

古鷹「船に乗ってるのは阿賀野さん達ですね」

矢矧「ええ 可愛く描けてるかしら?」

酒匂「酒匂も頑張ったよ!」

提督「ほんとにご苦労様!・・次の秋刀魚漁の時は酒匂も出撃させてあげたいよ」

酒匂「今回は参加できなかったけど・・次はぜーったい参加したい!」

提督「それじゃ ご褒美に集めた秋刀魚をみんなで食べようか」

酒匂「ぴゃあ!酒匂お魚だーい好き!」

阿賀野「阿賀野!塩焼きが良い!」

能代「それじゃあ私は刺身で・・」

矢矧「蒲焼にするのもいいわね」


赤城「私は何でもいいです!」

提督「ちょっと待った!」

赤城「どうしたんですか?!提督!?」

提督「赤城・・どうして君が阿賀野型の制服を着てここにいるの?!」

赤城「私は阿賀野型軽巡五番艦の赤城です!ぴょん!」

提督「いやいやいや!無理があるしぴょんはキャラが被ってるよ!」

酒匂「司令、みんなで食べた方がおいしいから赤城さんにも分けてあげて!」

赤城「ありがとうございます!酒匂姉さん!」

酒匂「ぴゃあ・・・姉さんだって!」エヘヘ

提督「・・・わかったよ。じゃあみんなで食べようか」

提督「準備を始めよっか」

一同「はーい!」

昨日は寝落ちしてすいません許してください

夕飯食べに行って帰ってきたら残りを書ききりたいと思います

こうして酒匂の特訓は続いた 酒匂の努力もあってかすぐに練度も上がっていった

そして...

提督「じゃあ最終作戦、"渚を越えて"のメンバーを発表するよ」

提督「・・・第一艦隊は以上 続いて第二艦隊・・・酒匂」

酒匂「ぴゃっ!?酒匂を呼んだ?」

提督「うん、酒匂はこの作戦の第二艦隊のメンバーだよ」

酒匂「酒匂が・・」ドキドキ

能代「酒匂、落ち着いて。あなたならきっとできるわ。もう独りじゃない」

酒匂「・・・うん!みんながいるからね!」

能代「いい?ちゃんと旗艦の人の言うことを聞くのよ?大破しちゃったらすぐ帰ってくるのよ?後、ハンカチも」

矢矧「ハンカチはいらないんじゃ・・」

阿賀野「能代は心配性ね、もう!酒匂、思いっきりやっちゃいなさい!」

酒匂「ぴゃあ!頑張る!」

長門「酒匂、よくここまで頑張ったな」

酒匂「長門さん・・一緒に出撃したかったなぁ・・」ションボリ

長門「ふっ、前の作戦で暴れさせてもらったからな。今回はお前達に任せるとしよう」

阿武隈「酒匂さん!あたしの分まで頑張ってね!」

酒匂「・・・・うん!」

長門「古鷹、ビスマルク、プリンツ。酒匂をよろしく頼む」

古鷹「わかりました」

プリンツ「まっかせてよ!」フン

ビスマルク「このビスマルクに任せなさい!」フフン

提督「よし・・じゃあみんな頼んだよ!」

最終作戦はプリンツ 酒匂の活躍もあり深海海月姫の撃破に成功した

そして航空母艦サラトガを出迎えた鎮守府では盛大な歓迎会が行われた

初めての出撃が最終作戦 "渚を超えて"だった酒匂は歓迎会ではぐっすりと眠っていた

――――現在 鎮守府 運動場

酒匂「・・・いろんなことがあったなぁ」

ヒュウウ...

酒匂「ぴゃああ・・・本当に寒くなってきた・・・」

プリンツ「あ!酒匂!今から長門さん達と写真撮ろうとしてたんだ!一緒に来て!」

酒匂「ぴゃっ!わかった!」

――――鎮守府 中庭

サラトガ「Hello. 酒匂さん。こちらですよ」

酒匂「長門さん、サラトガさん!こんにちわ!」

長門「ああ。この4人も出会ってもう一年か」

青葉「はーい!みなさん撮りますよー!」

酒匂「あ!ちょっと待って!」

酒匂「司令!こっちにきてー!」

提督「やぁ酒匂。どうしたの?」

酒匂「青葉さんに写真撮ってもらうんだ!司令達も入ってよ!いいよね、みんな?」

長門「ああ、構わないさ」

プリンツ「古鷹も!一緒にね!」

サラトガ「みんなで記念撮影も良いですね」

提督「じゃあお言葉に甘えて入ろうかな」

青葉「え?!司令官と古鷹さんも入るんですか?!なら青葉も・・ってうわぁ!」ドテッ

古鷹「あ、青葉?!」

カシャ

―――酒匂はもう独りじゃない みんながいるから寂しくない!ぴゃん!

以上でこの話は終わりです

阿賀野型では酒匂が一番好きです 
四姉妹全員可愛いですけど酒匂が一番可愛いと思うんです

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