後輩「私が付き合ってあげますよ」 男「いえ、結構です」 (24)

後輩「ですよねー」

男「まあ、さすがにな」

後輩「ねー」

男「おう」

後輩「……」

男「……」

後輩「先輩って、その若さで不能なんですか?」

男「なに言ってんの、お前」

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後輩「だって、こんなに可愛い後輩が彼女になってくれるのに、それを断るとかあり得ないですよね?」

男「自分で可愛いって言っちゃったよ……。断るっていうか、両想いでもないのに付き合うのはダメだろ」

後輩「そんなこと言ってるから、高校3年生にもなって童貞なんですよー」

男「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうし!」

後輩「その反応が童貞なんですって」

後輩「それに、先輩って私のこと好きじゃないですかー?」

男「なに断定してんだよ。確かに、お前のこと好きっちゃ好きだけど、それは恋愛感情ではねえよ」

後輩「はあ? じゃあ、恋愛感情ってどういうものなのか説明してくださいよ」

男「それはだな……んーと……」

後輩「それがなにかもわかっていないのに、私への気持ちが恋愛感情じゃないとか、よく断定できましたね」

男「お前はなんつーか、妹みたいなもんなんだよ」

後輩「いや、先輩に妹いないですよね?」

男「そうだけど……でも、妹がどういう存在なのかある程度推察できるだろ」

後輩「だったら、なおさら私と付き合うべきでしょう」

男「なんでだよ! どう考えてもそうならねえだろ!?」

後輩「だって、先輩のことだからエロゲ―に出てくる妹キャラで推察しているんですよね? ああいうのって、交際に発展すること多いじゃないですか。禁じられた恋みたいな」

男「いや、俺はたとえ攻略可能だったとしても、近親の人物には手を出さない。倫理的にな」

後輩「17歳の高校生がエロゲーをやっている時点で、倫理的にアウトですけどね」

後輩「というか、実際には血は繋がっていないわけですし、私たちが付き合ったとしても倫理的にも法律的にも問題はありませんよね」

男「いや。そんなことはない」

後輩「なんでですか?」

男「18歳未満の性行為は条例違反になる場合もあるんだよ」

後輩「先輩の中では、付き合う=セックスなんですね」

男「……」

後輩「童貞のくせに生意気ですよ」

男「でも、そういうことだろう!?」

後輩「貴方は発情期の猿ですか。性欲を発散したいだけなら画面の中の恋人と脳内セックスしてればいんじゃないですか」

後輩「いいですか? 付き合う、というのはですね……」

後輩「彼女の財布になるってことですよ」ニコッ

男「OK。お前とだけは絶対に付き合わない」

後輩「やだなー。冗談ですよ、冗談」

男「その割りには目がマジだったけどな……」

後輩「真面目に答えると、恋人になるというのは、その人と幸せになるってことです」

男「彼氏に貢いでもらうのがお前の幸せってわけだな」

後輩「いえ。好きな人の隣で笑っていることが幸せです」

男「……ずいぶん、安上がりな幸せだな」

後輩「なにを幸福だと思うかなんて、人それぞれでしょう?」

後輩「先輩は、どうせ身体を重ねることが幸せなんですよね」

男「そんなことねえよ!」

後輩「でも、先輩って、発育のいい人が好みじゃないですか。つまり、行為に及んだ際に満足できるかどうか、っていうのが重要なんでしょ?」

男「違うから。俺は性格をもっとも重視してるし」

後輩「ここで、ある統計をお伝えします。今年、先輩が告白した女性は全員Eカップ以上です」

男「た、たまたまだよ!」

後輩「昨年の統計も聞きますか?」

男「ごめんなさい。俺はおっぱい星人です」

後輩「合点がいきました。私が貧乳だからダメなんですね」

男「そういうわけじゃないけど……」

後輩「確かに、この貧相な胸は、なにも挟むことはできません。せいぜい先輩から放出されるものを受け止めることしかできないでしょう」

後輩「しかし、私の乳首はとても綺麗な色をしています。それはもう美しいピンク色なのです。乳輪だって大きくも小さくもなく、先輩もきっと満足していただけるのではないでしょうか」

後輩「さらに! この乳首は感度良好なんです! 少し触れただけで私は身体を痙攣し、摘まみあげられようものなら簡単に絶頂します! まだ舐められたことはありませんが、舌先で転がされただけでイク自信があります!」

男「大丈夫か、お前」

後輩「あれ? そういうことじゃないんですか?」

男「ちげーよ!」

後輩「私のような絶対的美少女と付き合わない理由が他にあるんですか?」

男「……年齢だよ」

後輩「まさか、年上好きとか言いませんよね。先輩が高校1年生の子に告白したこと知ってますからね」

男「そうじゃない。お前の年齢だよ」

後輩「えっ?」

男「14歳のお前に手を出せるわけねえだろ!?」

男「14だぞ、14! 中学2年生なんだからな!?」

後輩「まあ、そうですけど」

男「付き合えるわけねえよな!?」

後輩「私に訊かれても……。中学2年生の女子に想いを寄せられる、なんてことは私の身には起きませんから」

男「想像して、お願いだから想像して!」

後輩「……」

男「……」

後輩「先輩って、やっぱり不能なんですか?」

男「なんでそうなるんだよ!?」

後輩「だって、こんなに可愛い女子中学生が彼女になってくれるのに、それを断るとかあり得ないですよね?」

男「どうしよう……話がループしてるよ……」

後輩「両想いなのに付き合わないなんて、それこそ倫理的におかしいですよ」

男「……は?」

後輩「なんですか? この期に及んで、私が好きではないと?」

男「い、いや、両想いって……」

後輩「そうですよ。私は先輩が好きで、先輩は私が好き。ほら、両想いでしょう?」

男「お前が……俺のことが好き?」

後輩「ようやく気付きましたか。このパンプキンヘッドは」

後輩「好きでもない人に、乳首の色とか感度とか話します?」

男「冗談かと……」

後輩「恋人の隣で笑っていることが幸せ、なんて明らかに狙った発言ですよね?」

男「願望を話しているだけかと……」

後輩「先輩が告白した人の統計を取るとか、もはやストーカーですよね?」

男「俺を弄るためかと……」

後輩「ダメだ、この童貞……」

後輩「相当のポンコツだ……。知ってたけど」

男「で、でも、どうして俺のことなんか……」

後輩「そのポンコツ具合がたまらない、みたいな」

男「なにそれ……」

後輩「先輩となら、いつまでも一緒に笑いあえると思うんです。想像してみてくださいよ。おじいちゃんおばあちゃんになっても、ずっとお互い笑顔で楽しく過ごせるんですよ。幸せじゃないですか?」

男「……」

後輩「……」

男「……お前って、本当に安上がりだな」

後輩「まあ、甲斐性がない人に惚れちゃったんですから仕方ないですね」ギュ

後輩「さあ、結論をどうぞ」

男「は、離れろ……」

後輩「えー。なんでですかー?」ギュウ

男「まともな判断ができないからだよ!」

後輩「させるつもりないもん」ニコッ

後輩「さあ、ズバッとどうぞ!」

男「……ください」

後輩「もっと大きな声で!」

男「後輩が好きです! 俺の彼女になってください!」

後輩「仕方ないから、付き合ってあげますよ」チュッ






END

以上です。
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