【アズールレーン SS】です
――――海軍食堂
青葉「と言っても予想していたとおり厳しい戦いになってるってね。ま、それはこれ、記者は記者の仕事をしますよっと!」
青葉「そんなわけで、早速Bグループで現在上位の方々にお話を伺っていきたいと思いまーす!」
プリンツ・オイゲン「急に呼び出されたと思ったら……ふぅん? 取材ってわけ?」
青葉「お忙しいとこすみませんね~。本当はこちらから出向くのが筋なんですが、やはり上位の方には同時にお話を聞きたくて」
フッド「この方々とおしゃべりを、ということでしょうか? それならば、喜んで参加させて頂きます」
加賀「私は前回の記事を読んだ限り、これは指揮官に対する気持ちを語る場と認識しているが?」
イラストリアス「まぁ、まぁまぁ♪ そういう場なんですの? でしたら私、とってもいっぱいお話できますわ!」
青葉「加賀さんが私の記事を読んでくれてるのは嬉しいっすけど……やっぱ皆のアピール載せるとそういう認識になっちゃうかぁ……」
加賀「誰も彼もが少なからず指揮官に向けた言葉を語っている記事を見て、他にどう認識しろという」
青葉「皆さんのことをもっと知ってもらうために書いた記事ですから、出来れば記事の子の優秀な所や可愛い所を紹介した部分を」
ジャベリン(?)「可愛さなら私負けませんよ!!」
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※青葉
http://i.imgur.com/RR9RbDg.jpg
※プリンツ・オイゲン
http://i.imgur.com/L3FSsin.jpg
※フッド
http://i.imgur.com/5sqx9uY.jpg
※加賀
http://i.imgur.com/ITy4Wv4.jpg
※イラストリアス
http://i.imgur.com/9h1YJng.jpg
青葉「ええ、そういう意気込みはもっと言ってもらって……ん?」
ジャベリン(?)「どうしました? 私、そんなに見られると恥ずかしくてバカになっちゃう!」
青葉「……ジャベリンさん……ですよね?」
ジャベリン(?)「とうぜんとうぜん! 私はどこからどう見てもジャベリンちゃんで~す!」ニパッ☆
フッド「あら……? でもジャベリンさん、そんなに胸元が膨らんだ服を着ていらしたでしょうか……?」
ジャベリン(?)「こ、これはほら、いわゆる成長期ってやつで!」
プリンツ・オイゲン「そもそも、あの子の髪は赤くなかったわよ」
ジャベリン(?)「ぐっ……い、イメージチェンジって奴だよっ! ほら、改になることで見た目が変わる的な!」アセアセ
加賀「……ほぉ、ならば……」スッ
バババッ
ジャベリン(?)「あっ戦闘機! よく分かんないけど撃ち落とさなきゃ!! だって『私はNo.1!』だか……あ」
加賀「……間抜けだな」
プリンツ・オイゲン「むしろどうしてバレないと思ったのかしら」
青葉「えー……一応聞きますよ? なにしてるんですかサンディエゴさん!」
サンディエゴ「ぐぬぅ!? バレた、バレてしまったー! なんてことだ、このままイケると思ったのに~!」
イラストリアス「あらら? ジャベリンちゃんが突然サンディエゴちゃんに変身してしまいましたわ?」
フッド「いえ、変身ではなく変装を解いただけですよ、イラストリアス」
イラストリアス「そうなんですの? でしたら、とっても素敵な変装でしたわ! 私、分からなかったもの!」
サンディエゴ「えっへへ♪ そうだろそうでしょー!」ニコニコ
青葉「……イラストリアスさんの優しさはともかく、ほんとなにしてるっすかサンディエゴさん。あなた前のグループの人ですよね?」
サンディエゴ「そうだよ?」
青葉「私ちゃんと取材しましたよね?」
サンディエゴ「うん、しっかりされたよ!」
青葉「ではなぜいるんすか」
サンディエゴ「それはもちろん、もっと私の事を指揮官に知ってもらうため! だからこうやって他の人の代わりに混ざるんだよ!」
青葉「いや、そんな、建造で見せる根性ここで見せられても困るというか……」
※サンディエゴ
http://i.imgur.com/8AwI7IY.jpg
プリンツ・オイゲン「それで、本物のジャベリンはどこにいるのかしら」
サンディエゴ「ジャベリンちゃんなら今頃ラフィーちゃん達と一緒に、指揮官が買った新しい『コタツ』とかいう道具に夢中のはずさ!」
加賀「……コタツ……そうか……あの魔物相手ならば仕方ないな……」
フッド「それほど危険な代物なのですか……!?」
加賀「あぁ、あれの魔力には流石の赤城も素直になった猫のように……んんっ、いや、なんでもない、忘れろ」
プリンツ・オイゲン「そこで忘れてほしいは、むしろ気になるわね?」
加賀「いいから忘れろ。覚えていたら後が恐ろしいぞ」
プリンツ・オイゲン「はいはい。なら忠告に従っておいてあげるわ」
青葉「と、ともかく、サンディエゴさんは一旦出ていって下さい! ここは真面目に取材する場なんですから!」
サンディエゴ「だったら私ももう一回取材したらいいよ! ほらほら、まだまだ聞くべきことは沢山あるよー!」
青葉「そ、そういうわけには……公平な記者として、投票期間中は一人につき一回までの取材と決めてますし」
サンディエゴ「え~。じゃ、いいや青葉ちゃんの気が変わるまで私ここにいよーっと! イラストリアスちゃんもいいでしょ?」
イラストリアス「ええ! 私もサンディエゴさんの賑やさは好きですもの♪」
サンディエゴ「ほら、今Bグループ1位の人からも許可を貰ったから、いいよね青葉ちゃん!」
青葉「ぬ、ぬぬ……そういうわけには……記者として、公平に……指揮官に読んで欲しいのは、そういう取材をした記事で……」
サンディエゴ「ほらほら~、諦めてサンディエゴちゃんに取材してみ? ほらほら」ツンツン
サンディエゴ「わ、青葉ちゃん柔らかっ!」
青葉「……妙な所をつつかれたのはこの際置いておくとして……こうなったら最終手段っ!」カキカキ ビリッ
青葉「今からここにいるサンディエゴさんをどこかに移してくれた人には!」
フッド「人には……?」
青葉「この! 女の子の仕草で指揮官が好きなものについて記載した、秘密のメモをお渡しします!!」
イラストリアス「ごめんなさいサンディエゴちゃん。これも指揮官さまのためなの」シュ
バババババババッ! ババババババッ!
サンディエゴ「そ、そんなイラストリアスちゃんさっきと言ってることがちが」
KA-BOOOOOM!!
サンディエゴ「きゃぁあああ!!」
フッド「私も援護しましょう。これも運命だと思って下さいね」
DOOOOM!! DOOOOM!!
サンディエゴ「ちょ、ま、空爆どころか砲撃までって……とにかく逃げるー!!」タタタッ
KA-BOOOOOM!! DOOOOM!!
プリンツ・オイゲン「……容赦ないわね、あの二人」
加賀「赤城といい、ケッコンによって姿が変わる連中はどうしてこうも」
イラストリアス「なにか?」スッ
フッド「言われましたか?」ニッコリ
加賀「……なんでもない」
サンディエゴ「お、おのれ~! しかし私を倒しても、第二、第サンディエゴがいつか必ず……!」
KA-BOOOOOM!!
サンディエゴ「うわーん!!」ピューン
イラストリアス「――さぁ、青葉さん。これでサンディエゴさんはいなくなりましたわ」
フッド「この場合、私とイラストリアスさんのどちらがそのメモを頂けるのでしょうか?」
青葉「あ、え、ええと……その、あの」
イラストリアス「もちろん私ですわよね?」
フッド「申し訳ありませんが、私でも譲れないものはあります。そのメモは、ぜひとも私に」
イラストリアス「……あらあら」ジーッ
フッド「なるほど……」ジーッ
プリンツ・オイゲン「うふふ、このままだと取材の前に大変なことになりそうね」
加賀「青葉、どうするか早く決めたほうがいい。でなければ、この食堂が廃墟になりかねんぞ」
青葉「え、ええと……あー、もう! ちょっと待って下さい!」カキカキ ビリッ
青葉「はい! これ、どちらも同じ内容のメモです! それを差し上げますから、仲良くして下さいっ!」
イラストリアス「……もう、そんなつもりではありませんでしたのに。ですが、ありがたくいただきますね青葉さん。ふふっ♪」
フッド「……ふむ……指揮官様はこのようにすれば……恥ずかしいですが……いえ……それでも……」
青葉「なんとかなったか……」
プリンツ・オイゲン「なかなか楽しいものを見せてもらったわ。取材なんて退屈と思っていたけれど、あんたやるじゃない」
青葉「別に楽しんでもらうために仕組んだわけじゃないっすけど……まあいいや、では改めて取材を」
イラストリアス「あぁ指揮官さま……そのような、ダメですわ、まだ、聖なる光がこんなにも満ちているのに――はい?」
フッド「レディがここまでしたのです、分かっていただけますね指揮官様……そうです、そうやって――ううん?」
青葉「……取材をさせて頂いてもよろしいですかお二人とも……」
加賀「青葉、気を強く持て。これに負けているようでは、赤城に取材などすれば滅ぼされるぞ」
青葉「わー、翔鶴さんの話といい俄然赤城さんが怖くなってきたー……けど、文屋としては負けてられないじゃん!」
青葉「こうなりゃ多少強引に行っちゃお! まずは現在Bグループ1位のイラストリアスさん! 人気投票をどう思っていますか?!」ズイッ
イラストリアス「きゃっ!? も、もう……そのように力強く迫られると、私……恥ずかしいですわ」
青葉「やー、でもこの場にお呼びしたのが取材のためだといい加減思い出して欲しかったので!」
イラストリアス「そ、そうでしたわね……ええ、投票への思いと言われましたら、まずは皆さまのお気持ちに感謝したいですわ」
イラストリアス「皆さまのお力で、私が少しでも世界を明るく出来るというのであれば、これほど嬉しいことはありません」
イラストリアス「……うふふ、やはり大切なものをいただけてしまうお方がいるというのは、本当に幸せなことですわ~♪」
青葉「『世界中の暗闇を無くしてしまいそうな眩い光を思わせる笑顔で、彼女はそう語った』と……ほんとに眩しいかも」カキカキ
プリンツ・オイゲン「ああいう風に笑えるのは、一種の才能と言えるわね……私には、難しい話でしょうけど」
イラストリアス「まぁ、そのようなことはありません! 心から嬉しいことを思っていれば、自然と明るくなるはずですわ!」
イラストリアス「とても美しいお顔をされているのですもの。キラキラとされたら、皆さまもきっと喜びます♪」
プリンツ・オイゲン「……そ、一応助言として聞いておいてあげる。参考にするかどうかは、分からないけど」
青葉「と、言われていますが、実は水着を着られていた時のプリンツ・オイゲンさんに取材した時はっすね」
プリンツ・オイゲン「なぁに、可愛がられたいのかしら?」
青葉「い、いや私そういう趣味は……」
プリンツ・オイゲン「は?」
青葉「やっばこれ以上はまずそうだし……えー、では改めて! 次は現在2位のオイゲンさん、意気込みをどうぞ!」
プリンツ・オイゲン「この流れでよく聞けるわね……けど、意気込みなんてものを聞かれても、私にそういうのはないわ」
プリンツ・オイゲン「ただ、目新しくて私が退屈しないという点で、今回の人気投票は良いイベントではないかしら」
プリンツ・オイゲン「なにより、あの指揮官がドタバタしてる姿を見れるのよ? 楽しくて……ふふっ、ほんと、す――素敵よね」
青葉「『そう語る彼女の顔は一瞬口にしかけた言葉からか、ほんのり赤く染まっていた』……よしよし、これならきっと喜ぶ人も」
プリンツ・オイゲン「その前にあんたの身体を真っ赤に染めましょうか?」ガキッ
青葉「ひぇっ……!」
フッド「プリンツ・オイゲンさん、抑えて。荒療治が必要なこともありますが、今はそこまでしなくても良いと思います」
プリンツ・オイゲン「……そうね。機会はいくらでもあるもの、そうしてあげるわ」
青葉「たすか……った……?」
プリンツ・オイゲン「演習、楽しみにしておきなさい? 青葉」
青葉「助かってなかったー!」
加賀「……演習、か……今頃赤城が派手にしている頃だろうか」
フッド「あら、彼女は確か今日の演習の編成には選ばれてはいなかった気がしますけれど」
加賀「あぁ、この艦隊にはエイジャックスというのがいただろう?」
青葉「ええ、今回同じくBグループに選ばれている方っすね! この後ちゃんと取材に行くつもりですが……その人が、なにか?」
加賀「指揮官のことを子豚扱いしていたようでな。それを知った赤城が笑顔で演習場に連れて行った」
ガタンッ!
青葉「うわっ!?」
イラストリアス「指揮官さまを……」
フッド「豚扱い……!?」
加賀「ああ。それだけでなく、褒美と称して指揮官の肉体を痛めつけようとも」
イラストリアス「青葉さん、大変申し訳ありません。私、演習場に用事が出来てしまいましたわ」
フッド「私もです。青葉さん、この無礼に対する謝罪は後日必ずさせて頂きますので、今はこれにて失礼致します」
スタスタスタ
青葉「イラストリアスさん!? え、え、あ、ちょ、フッドさーん!? まだ取材――」
――バタンッ!!
青葉「……して……なかったんすけど……行っちゃった……そんなぁ……」ガックリ
プリンツ・オイゲン「ふふっ……加賀、あんたこうなることを分かって言ったでしょ」
加賀「さて。だが燃え上がった赤城には贄は多いほうがいいだろう。こういう戦い方も、たまには悪くない」
青葉(……やっぱ赤城さんだけじゃなくて加賀さんもこっわ……指揮官に二人は絶対怒らせないように言っとかないとなー)
加賀「それで青葉。私としては面白いことになっているはずの演習場に早く行きたい。故に、くだらないことを考えている暇があるなら」
青葉「あーはい分かってますって! なんかもう今回色々取材計画狂わせられっぱなしじゃんもー!」ペラペラ
青葉「ともかく、では現在人気投票Bグループ3位の加賀さん! 今回のことでなにか言いたいことなどありますか!」
加賀「そうだな……私は征服者だ、誰に対しても。勝って、全てを得ることのみを楽しんできた存在だ」
加賀「だからこそ、今の順位に選ばれていることが不思議でたまらない。票を入れる大多数の者にとっては、私は憎むべき存在のはずだ」
加賀「なのに、こうして……その、好かれていると言っていいはずの順位にいて、私は…………」
青葉「加賀さん?」
加賀「……指揮官達に言いたいことはある。感じていることも沢山あるのに……うまく言葉に出来ない……どうしたらいいんだ?」
プリンツ・オイゲン「……案外不器用なのね、あんた。可愛いとこあるじゃない」
青葉「……もしかして、さっきイラストリアスさん達を追い出したのも、実は直に取材内容を聞かれる相手を減らしたかっ」
加賀「それ以上言えばお前の命はないぞ、青葉」
青葉「なんか今日脅されること多いぞー!?」
加賀「……ふんっ。ともかく、私からは以上だ。後はお前が上手くやれ、それくらいは出来るだろう」
青葉「まあ記者っすから。『このように、まだ素直に感情を吐き出せない彼女が、どう変わっていくのか楽しみである』と……」カキカキ
プリンツ・オイゲン「ふふっ……いいんじゃない?」
加賀「やはりお前達は私が演習場に連れて行くべきのようだな」
青葉「おっと! 私はまだまだ取材が残っていますのでこれで失礼します! お二人とも、取材協力ありがとうございましたー!」タタタッ
加賀「……逃げ足の速い」
プリンツ・オイゲン「そう? 私には、素直に言えないことを指揮官達に伝えてくれそうなあの子を見逃したように見えたけれど?」
加賀「……素直に言えないことなど、お前のほうが多いのではないか、プリンツ・オイゲン」
プリンツ・オイゲン「さぁ? でも、まぁ……今度の記事を読んだ時の指揮官達の反応だけは楽しみよ♪」
加賀「……そうだな。赤城が前回以上に不機嫌にならなければ……私も楽しみだ」
――――それから16時間後。
青葉「お、終わった……疲れた……」
演習場で爆撃と砲撃に晒されるエイジャックスを救出してからの取材。
クリーブランドの応援準備を優先しているために、邪魔をしようもなら即座に砲撃してくるヘレナへの取材。
話を聞くだけなのに死にそうな目に何度もあいながら、人気投票Bグループのメンバー全員への取材を終えた青葉は、
自室に戻り、酸素コーラを呷りながら椅子にだらしなくもたれかかっていた。
青葉「Bグループ……メンバーが辛かった……でもまだCグループもDグループもあるのかぁ……」
指揮官に喜ばれたこと。そして艦隊の面々にも記事が好評だったことが取材への活力となっていた青葉だが、
取材をする事に会いに行くのが怖いと感じる相手が増えてきていることもまた事実であった。
青葉(赤城さんとかやっぱ怖いし……でも記事は書きたいし……でも毎回味方のはずの相手に命がけの取材もなー……)
記事を書きたいという記者の本能と、これ以上酷い目に会いたくないという生存本能がせめぎあい、さらに
だらしなく椅子にのめり込んでいく青葉。
青葉(記事書いて……赤城さん怖い……取材楽しい……ワレアオバ…………)
単調になっていく思考に合わせてまぶたも重くなり始め、このまましばらく眠ってしまおうかと、抗いがたい睡魔に
青葉の心が呑まれかけたその時、彼女の部屋の扉を叩く音が耳に入った。
始めは遠慮がちに、次第に大きくなっていくノックの音に、流石に反応せざるを得なくなった青葉は、ジャケットを
脱いでいることも忘れたまま、寝ぼけ眼で来訪者と面会する。
青葉「ふぁい……だれ……わたし……今帰ってきたば……かり……で?」
そして目の前に立っている人物が誰か。それを理解した青葉は自分の姿があまりにもだらしないことを把握すると、
顔を真っ赤にしながら慌ててジャケットを羽織りに戻り、手早く髪などを整えてから再び来訪者と面会した。
青葉「え、ええと! ようこそ指揮官私の部屋へ! さっき見たことは忘れて! うん、ほんとにッ!!」
部屋を訪れてきたのは青葉の指揮官その人であり、彼女の取材が過酷だった様子をどこかで聞いてきた指揮官は、
その労いのためだろうか、手には料理と飲み物を手にしていた。
青葉「で、用件は? 記事のほうなら残念だけどまだ……え? これくれるの? 良い物見せてくれたお礼? ……バカっ!」
しかしそれらを渡す理由をあえて直前見たものに対する礼だと言った指揮官の表情はとても嬉しそうで、青葉としては
恥ずかしいやら奇妙な嬉しさがあるやらで、顔をさらに赤く染めるしかない。
青葉「仮にも女の子の部屋に来るんだったら、今度から先に連絡してよ! 指揮官だからっていきなり来ると驚くじゃん!」
確かにそのとおりだ、と反省した様子を見せた指揮官は、次からは必ず連絡することを青葉に約束したあと、差し入れの料理を
渡しながら、まるで今思い出したかのようななんでもない素振りで、今回の人気投票で投票した相手の名前を口にした。
青葉「ん、差し入れはありがとっ、あとで食べるから。それで指揮官は青葉って子に投票したんだ……へー……あれ?」
指揮官が投票した相手の名前を自分も口にし、それが妙に馴染みがある名前だと首を傾げた青葉は、数秒かかってその名が
自分の名前であることを思い出すと、貰った料理をうっかり落としかけるほど盛大に驚きながら叫んでしまう。
青葉「……私の名前ーっ!? な、なんで指揮官!? 他に入れるべき子いたでしょ!? なんでッ!?」
嬉しいという以上に、まさか自分に投票してくれたことが信じられない青葉は指揮官に詰め寄るが、
さらっと彼女を躱した指揮官は苦笑しながら、青葉に投票した理由を語る。
青葉「理屈抜きに私の書く記事が好きだから……それが理由で投票した……? なにそれ、だから……ほんとに……もう」
以前言われた時は落ち込んでいた青葉を慰めるために言った言葉だと思っていたのに、自分に投票した上で
また同じことを言う指揮官に、青葉はこの瞬間妙な気恥ずかしさを覚えてしまう。
だが、嫌な感情というものは一切湧いてこず、むしろ先程まで抱いていた今後の取材をしたくないなどの
負の感情すら消し飛ばされてしまえば、呆れた顔は一転、明るい笑顔に染まって。
青葉「そういうのは私に言うなってば。甘えたりするの苦手だけど、ここまでされたら指揮官のために頑張るしかないってね!」
そして指揮官が帰っていた後、再び気力が湧き上がってきた青葉が書き上げた記事は、前回以上に良い評判で
艦隊の人々に楽しまれるのであった。
〈終〉
青葉のいるアズールレーンBグループ人気投票は、11/20 23時59分59秒までとなりまーす!
1票でも多く青葉に票が入って欲しいので、投票する子が決まってない方は青葉によろしくお願いしまーす!
読んでくださった方ありがとうございました
・前に書いた物
【アズールレーン】青葉「人気投票開始!」
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このSSまとめへのコメント
艦これのタグ使うな