LIVE成功!
裕美「やった! やったね!」
乃々「うぅ……歓声が凄いです……もうヘトヘト……」
ほたる「私達、勝ったんですね……! 皆さん、応援ありがとうございます!!」
ワァーーーー
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カンッ(照明が全て消える音)
ほたる「きゃっ! て、停電……?」
ざわざわ
乃々「な、何が起きたんですか……」
???「待てい!」
裕美「こ、この声は……!?」
カンッ(ステージ中央にライトが当たり人影が見える音)
種付けおじさん「お前たちにLIVEバトルを申し込むッ!!」
乃々「し、知らないおじさんがいます……誰ですか……」
ほたる「あ、貴方は……!」
裕美「ほたるちゃん、知ってるの?」
ほたる「あの人は『種付けおじさん』です!」
裕美「は?」
種付けおじさん「いかにも! 私は種付けおじさん! 君たちにLIVEバトルを仕掛けに来たのだ!」
裕美「は?」
ほたる「種付けおじさんは私が以前の事務所で働いていた清掃員さんです……とっても可愛い娘さんと気立てのいい奥さんがいて……お酒とアイドルが大好きな、優しい種付けおじさんでした……」
裕美「は?」
乃々「ひ、裕美さん……理解が追い付かないのはわかるんですけど、目が怖いです……」
ほたる「種付けおじさん、私達にLIVEバトルって……どういうことなんですか?」
種付けおじさん「君達から衣装を剥ぎ取りに来たんだよ!!」
ほたる「っ……!」
裕美「もう衣装は一人で集められるようになって久しい気がするんだけど。羅生門は終わりを告げたはずなんだけど」
乃々「裕美さん、理不尽な状況にキレ気味なのは理解できるので……どうか落ち着いてぇ……」
ほたる「種付けおじさん……私達の衣装はPさんが用意してくれたものです。渡すわけにはいきません……!」
裕美「警備員さん! 警備員さん来て下さい! ステージの上に不審者が!」
ほたる「裕美ちゃん、乃々ちゃん。これは私と種付けおじさんの戦いです。袖に逃げて……!」
乃々「なんでやる気になってるんですかほたるさん……」
種付けおじさん「逃げるのかい?」
裕美「……むっ」ぴくっ
種付けおじさん「戦う意思がないならば逃げるといい。しっぽを巻いて現実からね」
乃々「いや流石にそんな安い挑発に裕美さんは引っ掛からないと」
裕美「ほたるちゃん、私逃げない。逃げたくない、何からも……!」
乃々「この人たちのノリの良さほんっとむぅーりぃー……」
種付けおじさん「勇敢な子だ。いい子供を産む目をしている」
裕美「ほたるちゃん、乃々ちゃん、一緒にLIVEバトルしよう! ここで負けたら、これから先何にも勝てない気がするから……!」
ほたる「裕美ちゃん……ありがとう……!」
乃々「なんで頭数にちゃっかり入ってるんですかもりくぼ……。あの、お客さんの皆さん……この変な人が何するかわかんないので逃げてください……」
客「LIVEバトルだ! 見ものだぞ!」ガヤガヤ
乃々「なんでサイリウム準備してるんですか皆さん……本当に意味がわかんないんですけど……」
ほたる「……種付けおじさんの肉体は、厚く揺れる体脂肪、加齢臭を振り撒きながら飛び散る汗、全てが強烈な破壊力です……気をつけて、裕美ちゃん乃々ちゃん」
裕美「うん……目を背けたくなるような落ちぶれた肉体美……油断できないって雰囲気でわかるよ」
乃々「もりくぼやりませんからね」
種付けおじさん「全員一気にかかっておいで。まとめて畳んであげよう」
ちひろ「LIVEバトル合意と見てよろしいですね?」
乃々「してませんけど……どこから生えてきたんですかちひろさん……」
ちひろ「LIVEバトルぅー、ファイトぉー!」
乃々「誰か助けてぇー」
ほたる「まずは歌で勝負です……!」
※画面の前のキミの好きな曲をかけよう!
ほたる「歌詞に気持ちを込めて……!」
ワァーーーー
裕美「会場、盛り上がってる! いけるよ、ほたるちゃん!」
種付けおじさん「フフフ……いい歌だ。感動的だな。だが……!」
スゥーーー
ほたる「! 空気が……変わった……!」
種付けおじさん「私は長年の飲み会で鍛え上げた伝家の宝刀を抜かせていただく! 演歌、それも猥歌だッ!」
♪~(演歌のメロディ
種付けおじさん(特に意味のない尻を撫でる仕草)
ほたる「なっ、なんて卑猥な所作……! 空間が桃色に染まるかのようです……!」
乃々「すっごい鳥肌立つ手つきでしたね……それはもう問答無用で牢屋にぶちこみたいくらい……」
裕美「うぅっ、ま、まったく歌詞の意味がわかんない……これが大人の淫語の世界……!?」
乃々「ほんと聞いた端から忘れたくなるようなフレーズが乱舞してますね……R-18過ぎて一文字もお見せ出来ません……警備員さん何サイリウム振ってるんですかあの親父なんとかしてください……」
ほたる「でも……まだまだ! 私達にはダンスがある……!」
※画面の前のキミの好きなMVを思い浮かべよう!
裕美「今の横ステップ、上手だったよ!」
ほたる「えへへ……みんなで練習したから……」
乃々「あの努力の日々をこんな汚い思い出に上塗りされるなんて思ってもいませんでしたね……」
裕美「……ッ! た、種付けおじさんのダンス……!」
種付けおじさん「ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!ふんっ!」カクカクカクカク
裕美「”腰振り“ッ! 荒々しい腰振り! 空気が震えるみたい……!」
ほたる「種付けおじさんの遺伝子を健康な娘に送り込むための、生命の躍動……! 人類の歴史が一振り一振りに込められてる……なんてみっともない、衰える体力寄る年波への焦り……!」
乃々「うわぁーすっげぇ嫌なもん見たんですけど。絶対夢に出ますけど。なんでお客さんみんな総立ちで歓声上げてるんですか心底意味わかんないです……」
種付けおじさん「うぉォオッッ! 孕めッッ! イケッッッッ!」
乃々「気持ち悪いんですけど……ごめんなさいコメントとかむぅーりぃーです……あれ直視出来ないです……なんでダンスで舌使いを再現してるんですか意味不明過ぎるんですけど……」
裕美「子孫を残す、ただそれだけを考えた純粋で無垢なダンス……このままじゃほたるちゃん、私達……勝てない……!」
ほたる「負けちゃう……? 嫌……今日まで頑張ってきたのが……全部無駄になるなんて……そんなの嫌!」
種付けおじさん「勝ったら公開プレイだッ! お客さんみんなに見てもらおうねッ!!」
乃々「ひっ、今目があったんですけど……。何であんな裸を見てるみたいな目付きできるんですか滅んで欲しいんですけど……間違えました苦しみ抜いてから滅んで欲しいんですけど……」
種付けおじさん「みんな枕に呼んであげるからねッ!! お仕事の心配しなくていいからねッッ!!!」
勝負の結果は……!?
LOSE……負けてしまった……
ほたる「くぅ……種付けおじさん、なんて強い……」
裕美「そんな……こんなところで……」
乃々「勝敗の基準なんだったんですか。あの醜い動きに負けたって相当屈辱なんですけど」
ちひろ「モバコイン握らされたら逆らえませんて」
乃々「芸能界の闇ぃー……」
種付けおじさん「さて、三人一辺に相手してくれるのかな?」カチャカチャ
乃々「ズボン脱ごうとしてる……マイクで後頭部ぶん殴りたいんですけど……」
ほたる「裕美ちゃん……」ぎゅっ
裕美「ほたるちゃん……!」ぎゅっ
種付けおじさん「まずはそのフリフリの衣装をビリビリと引き裂かせて貰おうかなッ!」
ぴょーん
乃々「見事なルパンダイブ……嗚呼、なんて下らないはじめてなんでしょう……帰ったら首吊りますけど……」
ひゅーん(何かの落下音
種付けおじさん「!?」
ぐしゃっ(種付けおじさんが落下してきた何かで潰れた音
裕美「……こ、これは……」
ほたる「降ってきたこれって……鍵付きクローゼット……!?」
乃々「えっ、このご時世に鍵クロ使っちゃったんですかPさん……うわぁ血溜まりが広がってる……下敷きになった種付けおじさん安らかに、いや出来るだけ苦しんで地獄へ行ってください……」
ほたる「種付けおじさん……どうか安らかに……」
裕美「種付けおじさん……強敵だった……安らかに……」
乃々「お二人は優しいですね」
ちひろ「鍵クロによって勝者ワンステップス! WINNER!!!」
ワァーーーー
乃々「何で盛り上ってるんですか会場」
ほたる「えへへ……久しぶりにワンステップスでステージに立てて……私、とっても幸せでした」
裕美「私も……乃々ちゃんとは久々のステージだったし。とっても楽しかった……!」
乃々「なんで何事もなかったかのように締めの挨拶再開してるんですか……メンタル鋼ですか……あっ警備員さんご苦労様です、警備員さんが鍵クロ片付けるんですね……おえっ肉片グロいんですけど……」
裕美「これからも私達ワンステップスを、応援よろしくお願いします!」
ワァーーーー
おしまい
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