男「音がするから何かと思ってみてみたら……寝袋が動いてやがる」
男「おい!友、起きろ!」
友「うーん……夜中にどうしたんだよ」
男「窓の外を見ろ!寝袋がのっそりと近づいてきている」
友「……なんだあれ?寝袋?」
男「そう、あれはヒューマノイドスリーピングバッグだ」
友「なんだ……ただの寝袋じゃあないか。僕は寝直すよ」
男「そうもいってられないみたいだ。他の寮生が逃げている」
友「寝袋になんでそんなに怯えるのさ」
男「それはわからないが……あっ!一人がやつに捕まったぞ」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「人型だからどんな姿勢も自由自在」
男「寝袋が勝手に人を包み込んでる……一体どうなるんだ」
モブ男「ね、眠気が…………」zzz
ヒューマノイドスリーピングバッグ「ヌクヌク」
男「あの寮生!気持ち良さそうに眠っている」
友「眠らせてくれるのならいいやつらじゃないか。不眠症の人が重宝するよ」
男「そんなこと言ってないでとりあえず逃げるぞ!」
友「うーん眠いのに……」
男「ほらシャキツとして!逃げてる生徒に落ち合って話をきかないと」
友「どんな危険があるっていうんだろ……」
男「おい委員長!こりゃ一体どういう騒ぎなんだ」
委員長「君達も逃げ出してきたのか。あいつらを見たかい?」
男「あぁ誰も入ってない寝袋が動いていた……なんで動いてるんだ」
友「理由はわからないけど、寝かせてくれるならいいやつらじゃないの」
委員長「まったく友くんは……今しがた判明したのですが、奴らは人を深い眠りに陥れるらしいのです」
男「やっぱりか……でもそれだけじゃないだろう?」
委員長「ええ、奴らは眠らせることは眠らせるのですが……あまりに心地よく眠れるため夢の世界から抜け出せなくなるのです」
委員長「動いてる原理はわかりません、とにかくやつらに捕まるのは危険です」
委員長「すでに私たちの何人かはやつらにやられました……逃げつつ対策を考えましょう」
男「ああ、わかった……やれやれとんだ夜になったもんだ」
友「眠いなぁ……それで何処に逃げる?」
委員長「うーん……とりあえず隠れるとしたら体育館倉庫とかでしょうか」
男「それだ!さぁ行こう」
男「よしっ……一応全部閉め終えたぞ」
委員長「お疲れ様です。ふー、やはり話し合いをするなら閑静な場所が適してますね」
友「まったく……眠る時間をさいて。許せないあの袋たち」
男「それにしても一体なんで動いてるんだろう……中にはなにも入ってないのに」
委員長「うーん、このようなことを口に出すのは嫌なのですが、霊の仕業とかでしょうか?」
友「やっぱいなんかの呪いなのかもね……」
男「そうだよな、そうとしか考えられないし」
男「それでやつらには倒せるのかな?霊だとしても倒せないってことはないだろう」
委員長「近くの神社、お寺には先程一応連絡しておきました。信じてくれるかはわかりませんが」
男「さすが委員長だな。行動が早い……それなら霊的な対策はそれですむとして、必要なのは個人での対策だな」
友「案外切り裂いたりしたら止まりそうだよね、寝袋だし」
委員長「そうですね、というよりもそれくらいしかないでしょうね……では切り裂くということで」
男「てことは、どこかでナイフを手に入れないとな……ん?今音がしなかったか」
委員長「きっとやつらがここに来たんでしょう……なに、大丈夫ですよ。奴らは入り込めないはずです」
委員長「ドア等は掴んで開けないはずです」
男「中身がないからな……奴等が通りすぎたら行くか」
友「……あ、窓に隙間が」
男「少しくらい開けとかないと熱中症になるからな」
委員長「それより今は扉の外の奴に意識を向けた方がいいですよ」
友(うーん……あっ)
友「皆、窓のところ!」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「人型だからどんな姿勢も自由自在」
男「嘘だろ……あんな僅かな隙間から……入ってくるなんて……」
友「あっ委員長!」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「ジャストなサイジング フィットサイズ」
委員長「うわっ……つ、捕まってしまいました」
男「委員長!待ってろ……今助けてやる」
委員長「いえ……私のことは見捨ててください……み、ミリオタ君の部屋……にっ」
委員長「早くっ!……君達も襲われま……す」zzz
男「い、委員長ー!」
友「男、委員長の死は無駄には出来ない……扉を開けて一気に突っ走ろう」
男「お、おう……」
友「よし!早く!」
男「ふぅふぅ……ここまで来たら安心だな」
友「はぁはぁ……うん。これからどうしようか」
男「そういや委員長が死に際にミリオタの部屋とかいってたな」
友「ミリオタの部屋……ってどっちのだろう」
男「どっちのって、そりゃどういう意味だ?」
友「ミリオタは普通の寮部屋と自分で作った秘密基地の部屋両方をもってるんだ」
男「それじゃあ別れて訪ねるとするか……おれは普通の方しか知らないんだけど」
友「じゃあ僕が秘密基地の方にいくよ」
男「あぁ頼む……10分後に此処で落ち合おう」
友「わかった」
ちょっとご飯食べてきます
男「おい!ミリオタ無事か?要るんなら返事してくれ」
ミリオタ「その声は……男か。ああなんとか無事だ。周りを確認してから入ってくれ」
男「……いないな。入るぞ!」
ミリオタ「お前も無事だったか……まったく、なんなんだやつらは」
男「委員長がやつらにやられた……遺言でここに来るように言われたんだ」
ミリオタ「なに?委員長が……くそっ、惜しい人をなくしたもんだ」
男「やつらをナイフで太刀打ちしようかと話してたあとにやられたんだ……」
ミリオタ「なに、ナイフだって?ああ、そうか委員長はその事でお前を俺のところへやったんだな」
男「なんのことで委員長がミリオタのところへよこしたって?」
ミリオタ「ナイフのことさ。入り用なんだろ?俺は趣味でミリタリーグッズを集めてるんだ。ほらこれを見ろ」
男「いろんな種類のナイフがこんなにたくさん……ミリオタ、これ何本か借りていいか?」
ミリオタ「ああ、もちろん……それに俺も行く。ナイフで奴等を倒せるか試してみるんだろう?」
男「ミリオタがいれば百人力だな……一緒に来てくれ」
ミリオタ「そういやお前は一人なのか?いつも一緒の友はどうした」
男「途中まで一緒だったんだが、ミリオタを探すためにここと秘密基地へと別れたんだ」
ミリオタ「秘密基地だって?そりゃまずいぞ」
男「どうした、秘密基地がまずいって」
ミリオタ「俺はさっきまで秘密基地で時間をつぶしてたんだ、そして奴等が現れた」
ミリオタ「最初はエアガンで対抗してたんだが、これがさっぱりで……それでここまで逃げてきたってわけなんだ」
男「おいおい……それじゃ秘密基地は今は奴等の巣窟って事かよ」
ミリオタ「もしかしたらそうかもしれない……とにかく急ぐぞ!」
男「ああ、友が危ないかもしれない」
友「おーい!ミリオター!いないのかミリオター!」
友「うーん、こんだけ呼んでも問いかけがないってことは、寮の方にいるのかな」
友「こっちに武器があるし……こっちだと思ったんだけど」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「人型だからどんな姿勢も自由」
友「うわっ……でた」
ヒューマノイドスリーピングバッグB「人型だからどんな姿勢も自由」
友「くっ、2体目も出てきた」
ヒューマノイドスリーピングバッグC「人型だからどんな姿勢も自由」
友「3体目も?くそっ、なんてカラーが豊富なんだ……まずい、近づいてきた」
ヒューマノイドスリーピングバッグC「ゆったり着用できる ルーズサイズ」
友「腕をつかむなっ……くそっまずい」
ヒューマノイドスリーピングバッグC「寝袋の機能をそのままに」
友「や……やめっ、放せ」
ヒューマノイドスリーピングバッグC「ヌクヌク」
友「くそっ……このままじゃ……ミリオタ、男……」
男「くっ!この寝袋どもめ!どけどけ!」
ミリオタ「寝袋は私も好きだか、勝手に動く寝袋を嫌いだな」
男「ここが秘密基地だな?くそっ、まだ3体居やがるぞ」
ミリオタ「切り刻むことで動きは止められるがすぐにまた動き出す、早く友を救出して逃げるぞ」
男「無事でいてくれ友よ」
ミリオタ「男!右から来ているぞ」
男「そっちも左からやって来てる」
ミリオタ「お前なかなかやるな……経験者か?」
男「いや……多分火事場馬鹿力だろう」
ミリオタ「この戦いが終わったら、是非サバゲーぶに入ってくれ」
男「考えとくさ……それよりも今は友のことだ」
ミリオタ「人影といったら、あそこに寝袋が転がっているだけだな」
男「ま、まさか……友はやつらに」
ミリオタ「もしかしたら襲いかかってくるかもしれない……迅速に確実に近づいていけ」
友「…………」zzz
男「そんな……嘘だろ……友!おい友、起きてくれ!」
ミリオタ「くっ……辛いことだろうがここは戦場だ……置いていくぞ」
男「くそっ!あの寝袋たちめ!絶対に許さないぞ……絶対に原因を突き止める!」
ミリオタ「さぁ行くか……」
友「……うーん……あれ?僕はどうしたんだ」
男「友!どうしたんだ?やつらに襲われたはずじゃ……」
ミリオタ「そうだぞ、奴等に襲われると眠りから覚めることが出来ないはずじゃ」
友「……あっ。多分サイズの問題なのかもしれないぞ!あいつ僕を飲み込むとき、ゆったりルーズといってた」」
男「そういえば委員長の時はピッタリフィットとかなんとか言ってたな」
ミリオタ「奴等に襲われても、サイズの問題で助かることもある……か、また謎が増えたな」
友「男はミリオタに会えたんだ。とりあえず、二人とも助けてくれてありがとう」
男「無事でよかった……それよりまずはここから立ち去らないとな」
ミリオタ「奴等がまた起き出すからな。次は何処にいこうか」
友「完全に安全な場所はないよね……」
男「俺もさっぱりだ。ここはミリオタの意見を尊重した方が良さそうだな、サバゲー部の実力見せてくれ」
ミリオタ「よし、わかった……それなら、お前ら足腰は丈夫か?」
男「校舎の2階の教室か……なんでここなんだ?」
ミリオタ「それはだな、2階から飛び降りる為だ」
友「え?2階から飛び降りる?なんで?」
ミリオタ「坊主や神官がやって来るまでは、推測するにあと少しだ」
ミリオタ「それと奴等は群れで移動する、だからおそらく固まって廊下から襲ってくるだろう」
男「あーなるほど」
ミリオタ「坊主達が来るまで逃げる作戦だ。奴等が襲ってきたら窓から飛び降り校門まで走り抜ける。いいか?」
友「よしその作戦のった」
男「ああ、やってやるか」
ミリオタ「呪いの類いは軍人にはまったくわからないな」
男「それにしても、眠らせるだけってのも意味がわからないよな」
ミリオタ「ショボい呪いだよ……まったく」
友「それでも結構被害がててるよね……委員長とか」
男「まだあそこで眠ってるのだろうか?」
ミリオタ「今いくのは危険だな……事がすんでからいく方がいいだろう」
友「最初は危機感なかったけど……まったくなんなんだやつらは」
男「おっと……お出ましのようだ」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「人型だからどんな姿勢も自由」
友「来たか」
ミリオタ「いいか?十分に引き付けてから、飛び降りて駆け出すんだ」
男「あぁわかってる。時間稼ぎだろ」
ミリオタ「……まだだ……まだ……まだ……」
友「結構近づいてきてる……まだ?ミリオタ!」
ミリオタ「まだ……まだ……まだ」
ミリオタ「……まだ……よし!今だ行け!」
友「はっ」
男「よしっ……おい!ミリオタ、なんでナイフなんて構えてるんだ?早く行くぞ」
ミリオタ「ふふっ少しでも時間稼ぎできた方がいいだろう?俺がこいつらの足止めをする」
男「お、おい……ミリオタ、まさか最初からそのつもりで」
ミリオタ「お前たちならこいつらをなんとかできる気がする……頼むぞ男!早く行け!」
男「くっ……後で覚えとけよミリオタ」
ミリオタ「さぁ寝袋ども……細切れにしてやる!」
男「くっ……結構足に来るな」
友「随分と飛び降りてくるの遅かったね……あれ?ミリオタは?」
男「俺達の為に散っていった……奴等をなんとかしないと」
友「そんなミリオタまで……」
男「ミリオタの死は無駄に出来ない、校門へ急ごう!」
友「ヒューマノイドスリーピングバッグめ」
神官「ん?おお、ここの生徒さん達かね」
男「校門にいると言うことは、あなは神官さん?奴等についてなにか知ってるんですか」
神官「まあまあ、そんな捲し立てないで」
男「捲し立てないでいられないですよ、クラスメイトが何人もやられたんです」
友「僕も襲われました」
神官「……そうか……それは悪いことをしてしまった」
友「悪いことをした……ってあなたが事件に関与してるんですか!?」
神官「まぁそういうことになるな」
男「是非詳細を話してください、納得できるまで」
神官「あれの1つは私の私物だ。先日買ってね、なかなか使い心地に感心していたんだ」
神官「そしてこれは多くの人に伝えるべきだと思って、それを祈願することにした」
男「それでどうしたんです?」
神官「いたずら好き神様がこの祈願を聞いたんだろうね……次の日、つまり今日夜あれが動き出したんだ」
神官「おそらく生命を吹き込んで、人間達を困らせようって魂胆なんだと思うんだが」
男「わかりました……原因はあなたでやったのは神。そういうことですね」
神官「そう、そうなんだよ」
男「それで、どうしたらこれを止められるんです?」
神官「そこで、これを使うんです」
男「これは?日本刀ですか?」
神官「これは私の神社に古くから伝わる、魔を追い払う剣です」
神官「これで斬りかかれば、ヒューマノイドスリーピングバッグに取りついた魔を払い除けることができるはず」
男「それで俺がこれを使えと?」
神官「私の流派では、神官が直接神の使者を払い除けるのは禁じられているのです……どうかお願いします」
男「わかりました、やりましょう」
友「男、大丈夫?よかったら僕も手伝うけど」
男「いや、俺ひとりで何とかしてみせる……それじゃ行ってくる」
神官「あなたの無事を祈っています」
男「……とりあえずさっきの教室に戻ってみるか」
男「ミリオタの安否も気になるし……」
ミリオタ「…………」zzz
男「ミリオタ………よく眠ってやがる。仇はとってやるぞ」
男「見たところこの教室にはいないな……体育館倉庫にも行ってみるか」
男「んーと、ここにも奴等は居ないみたいだな」
男「委員長は眠っているだろうか……あれ?委員長が居ない」
男「友のようにサイズが違ってて、完璧には落とされなかったみたいだな」
男「委員長とミリオタは問題無し……奴等は一体どこにいるんだ?……ん?放送の音がするな」
委員長「皆さん!無事ですか?寝袋から逃げるには体育館が安全です!」
委員長「まだ逃げ延びている人々は、至急体育館に集まってください!」
男「おおこの声は委員長。やはり無事だったか、しかし体育館?なぜ体育館なんだ?」
男「委員長らしくない適切ではない提案……直接あって話そう」
陸上部「ふーっ、何とかして逃げ延びてきたよ」
野球部「あいつらバットで殴ってもまったく動じないんだぜ……何人かやられちまった」
バスケ部「けっこう逃げ延びた奴多いな」
陸上部「でもここは本当に安全なんだろうか」
バスケ部「委員長が言ってるんだぜ、そりゃ安全だろう」
陸上部「委員長が言うなら……まあそうだよね」
男「皆無事だったか」
野球部「おっ!男ら、お前も無事だったか……お前なに持ってんだそれ?」
バスケ部「刀か、お前そんなキャラだったっけ」
男「委員長が安全だって言ってたけど、ここはそんなに安全じゃない」
陸上部「いや、でも委員長だし」
男「さっき委員長と一緒に倉庫で隠れてたら襲われたんだ。ここは危ない」
バスケ部「おいおいマジか?委員長が嘘ついてるってか?」
野球部「嘘つくにしても、何の為に」
男「そこまでは知らないけど……たぶん委員長が来るからその時にそれは聞こう」
陸上部「話してるところ悪いんだけど……閉鎖したはずの体育館内にあの寝袋が入ってる……」
バスケ部「わわっ、マジて安全じゃないじゃん」
野球部「これはまずいな次々に来てる……ゲームセットか」
陸上部「扉を開けようにもあいつらがいるし」
バスケ部「そうだ男!何かお前刀持ってるし退治してくれ」
男「うん、やるよ……この刀はさっこ神官さんからもらった特別な剣だ」
男「この剣なら、あいつらを追っ払えるらしい」
バスケ部「おいおいマジか」
野球部「そういうことなら……よし俺も手伝う」
陸上部「そうだね……何かあれば」
バスケ部「よし、それなら俺も……いこうぜ、男」
男「ありがとうみんな……いくぞっ!」
男「でやっ!」
野球部「はっ!」
バスケ部「よっと!」
男「ふぅ……だいぶ片付いたな」
野球部「その剣すごいな、切り裂いた瞬間魂が抜けたようになるもんな」
バスケ部「マジでその剣ぱないな」
男「ああ本当にこんなに効果があるとは思わなかった」
陸上部「ドアの鍵開けたよ!外へ出よう!」
バスケ部「ふーっ、やっと出れた」
野球部「ところで寝袋はあと、どれくらいいるんだろうな」
男「俺が遭遇してきた数で考えると後1つだな」
陸上部「じゃあもう簡単だね……噂をしてたらやって来たよ」
野球「皆構えろ!」
男「あと一体……これで終わりだな」
バスケ部「やっちまえ男!その剣一振りで終わらせろ!」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「…………」
男「おかしい……今までの奴等とは何かが違う」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「よくも同胞をやってくれましたね」
バスケ部「こいつ、あのキャッチコピー以外の言葉を喋ってるぜ」
陸上部「しかも何か聞き覚えがあるこの声……」
野球部「もしかして委員長?」
男「おいお前!委員長をどうした!」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「フフフ、委員長?ここにいるじゃありませんか」
男「何?委員長が寝袋を着て、俺たちの前にいる。どういうことだ」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「フフフ、知らなくてもよいことです。貴様たち眠ってしまえ……」
野球部「くっ……」zzz
陸上部「なんだなんだ」zzz
バスケ部「うっ」zzz
男「うっ……な、なんだこの力は?凄まじい眠気が襲ってくる」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「ほう、私のこの攻撃を堪えるとは……なるほどそれが噂に聞く退魔の剣、見事です」
男「お、お前……委員長に一体何をした?」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「何をした?洗脳をした」
男「ふ、ふざけるなよ……」
ヒューマノイドスリーピングバッグ「うーん、やはり眠ってくれそうにありませんね」
ヒューマノイド「仕方ない強行手段でいきましょう」
ヒューマノイド「脳天に直接送り込めば、いくら退魔の剣を持ってるとはいえ技を喰らうでしょう」
男「……俺は剣を持ってるんだぞ、近づかない方がいい」
ヒューマノイド「では、そちらは持っているのになぜ攻撃しないで避けてばかりなのですか」
男(委員長が中に入ってるから攻撃が出来ない……寝袋だけ狙おうとすると自ら体を当てに来るし)
男「くそ……手詰まりだ」
ヒューマノイド「これで終わりだ!喰らえ」
男「ここまでか……」
ヒューマノイド「くっ……なに?体が動かない?この人間め抵抗するか」
男「委員長が攻撃を止めている……今がチャンスだ。きっとこれは委員長のメッセージだろう」
ヒューマノイド「人間め、意識に割り込んできて……ん?」
男「委員長、ミリオタ、友、他の皆この一撃で終わらせる……喰らえ!退魔の剣!」
ヒューマノイド「ぐふっ……うっくそぉぉ……人間めぇぇぇ!」
男「終わった……何もかも」
委員長「うーん……なんてことをしてしまったんだ」
男「委員長は悪くないよ、一緒に神様のいたずらを憎もう」
委員長「……そうですね」
男「その後全てが元通りになった。剣は返し、意識も戻り、神官さんは皆に謝って回った」
男「そして悪い印象を与えたヒューマノイドスリーピングバッグが何個か学校に渡された」
男「正直使い心地がいい、出来れば他の形で出会いたかった。そんな風に思う毎日です」
おわり
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