犬娘「どいてください…ご主人が困ってるじゃないですか!」
猫娘「ご主人、ホントかにゃ?」
男「いや…別に困ってはないけど…」ナデナデ
猫娘「…」チラッ
犬娘「!」
猫娘「ふふん」ドヤァ
犬娘「ぐぬぬっ…」
犬娘(な、なんだいっ!新参者のくせにっ…!)
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―――1週間前―――
男「ただいま~」ガチャッ
犬娘「ご主人っ!おかえりなさい!」フリフリ
男「おう」
猫娘「…」
犬娘「だ…誰ですか…?」
男「拾ってきた、捨てられてたみたい」
犬娘「へ、へぇ…」
男「まぁ仲良くしてやってくれ」
犬娘「は、はい…あの…よ、よろしくね…?」
猫娘「…」プイッ
犬娘「なー!」
男「はは、まだ懐いて無いからかな」
猫娘「お腹すいた」グゥ
男「そっか、じゃあ晩ご飯にしようか…ちょっと待っててろよ~」
犬娘(なんて失礼なヤツ…!)ムムッ
―――――
―――
―
犬娘(思い返してみたら会った時から嫌だったんだ…!)
犬娘(ボクの方が先にご主人と住んでたのにっ…!)チラッ
猫娘「うにゃー」スリスリ
男「お前はホントに甘えん坊だなぁ…」ナデナデ
犬娘(あんなにご主人にくっついちゃってさ…!)
犬娘「ご主人っ!お、お散歩に行きたいですっ!」
男「あー…そろそろ行くかぁ…」
犬娘「!」フリフリ
猫娘「もうちょっとご主人の上にいたいにゃ…」ジーッ
犬娘「だ…だめですぅっ!ご主人はボクとお散歩に…」
男「ん…犬娘…悪い、ちょっとだけ待っててな」
犬娘「くぅん…」シュン
男「…」ナデナデ
猫娘「にゃぁ…」
犬娘「…」ウズウズ
男「…」ナデナデ
猫娘「うにゃにゃ…」
犬娘「ご主人…そろそろ…」
男「よし、行くか!悪いな、一旦どいとくれ」
猫娘「…」
―――――
犬娘「…」トテトテ
男「…」スタスタ
犬娘(なんで…)チラッ
猫娘「~♪」トテテー
犬娘(ついて来るんだよぅ…)
犬娘「つまんない…」ボソッ
男「…?」
男「どうした?いつもはもっと楽しそうなのに」
犬娘「っ!た、楽しいですよっ!?」
犬娘(二人きりだったら…だけど…)
男「そっか…それならいいんだけど…」
猫娘「あたしもお散歩楽しいにゃ~」スリスリ
男「わっ…こら、歩きにくいだろ…」
犬娘「…」カッチーン
男「でも…そうだなぁ…皆で歩くのもいいもんだな!」
犬娘「っ!?」
犬娘(嫌ですっ!)
―――――
男「ただいま~」パタン
犬娘「…」
猫娘「ただいまっ!」
猫娘「ご主人!さっきの続きお願いにゃっ!」
男「さっき?」
猫娘「ご主人の膝の上でごろごろ~って」
犬娘「…」
男「あぁ…いいぞ」
猫娘「~♪」
猫娘「…」チラッ
犬娘「!」ビクッ
猫娘「あはっ」ニシシ
犬娘「~っ!」
犬娘「…っ!」ダッ
猫娘「?」
犬娘「うぅ…」
犬娘「猫ちゃんにご主人を取られちゃうよ…」
犬娘「…」
犬娘「やだぁ…」
犬娘「…」
―――――
男「おやすみなー」
犬娘「おやすみなさい、ご主人」
猫娘「くぅ…むにゃ…」スゥ
犬娘「…」チラッ
犬娘(猫ちゃんが寝てる…)
犬娘「ご、ご主人!」
男「んー?」
犬娘「い、一緒に寝たい…です」
男「へぇ、珍しいな」
犬「だめですか…?」シュン
男「ん、いいよ」
犬「!」フリフリ
犬娘「~♪」ポフッ
男「良かった」
犬娘「?」
男「いや…お前今日元気無かったからさ…今機嫌良さそうだし」
犬娘「へへっ…」
男「さて、寝るか」
犬娘「わふっ!」
犬娘「あ…あの…なでなでしてください…」
男「ん」ナデナデ
犬娘「…」クン
犬娘(あ…ご主人の匂いだ…)
犬娘(落ち着くなぁ…)
犬娘「zzz…」
―――――
猫娘「…」ムクッ
猫娘「くぁ~…」ムニャ
猫娘「…」トテテー
猫娘「…」
猫娘「犬ちゃんがいない…」
猫娘「…」ハッ
ガチャッ
猫娘「…」ソローッ
犬娘「すぅ…」
猫娘「やっぱり」
猫娘「ご主人」ユサユサ
男「ん…?」
猫娘「つめて」
男「お、おう」スッ
猫娘「…」ギシッ
猫娘「あ、ご主人がいたトコあったかい…」
男「そっか」
猫娘「ぬくぬく…」
男「ち、ちょっと…丸くなられると狭い」
猫娘「~♪」
男(聞いてくれない…)
猫娘「ふぁ~…ん…むにゃ…」グゥ
犬娘「ん…」スゥ
男「せめぇ」ギュゥ
―――――
犬娘「ん…」パチッ
犬娘「ご主人、おはようございま…」
猫娘「…」スゥ
犬娘「わひゃあぁぁっ!?」ビクゥッ
猫娘「んー…」パチッ
猫娘「犬ちゃんうるさーい」
犬娘「なんで猫ちゃんが!?ご、ご主人は!?」オロオロ
男「…」スピー
犬娘「ご主人が床で寝てる!?」
猫娘「くぁ~…」
犬娘「くぁ~、じゃないよっ!」
猫娘「…ん?」
犬娘「なんでご主人が床で猫ちゃんがベッドで寝てるのさ!」
猫娘「わかんなーい」
犬娘「…」イラッ
犬娘「猫ちゃん、ご主人に迷惑かけるのやめてよっ!」
男「こら」ペイッ
犬娘「きゃんっ!」
犬娘「ご、ご主人…」
男「ケンカしちゃダメでしょう…仲良くしなさい」
犬娘「だってだって!」
猫娘「…犬ちゃんごめんね?」
犬娘「なっ!」
男「ほら、猫娘も謝ってるし…これで仲直りだ、な?」
犬娘「は…い…」
男「よし、朝飯作ってくるからな~」パタン
猫娘「…」ニヤニヤ
犬娘「くっ…!」
猫娘「ごめんねー(棒)」
犬娘「うぅっ…!」
犬娘(怒鳴っちゃダメだ…怒鳴っちゃダメだっ…!)
猫娘「別にあたしは悪くないけど謝ってあげたんだよ?」
犬娘「このっ…!」
猫娘「むしろ悪いのは犬ちゃんだにゃ~」
犬娘「はぁっ!?ご主人の寝る場所奪ったくせにっ…!」
猫娘「それは犬ちゃんも一緒じゃん?」
犬娘「えっ…」
猫娘「それに抜け駆けしたもん」
犬娘「抜け駆けって…!猫ちゃんだっていっつもご主人とベタベタしてるよっ!」
猫娘「犬ちゃんの目の前でね」
犬娘「えっ…」
猫娘「悔しかったら一緒にベタベタすればいいじゃん」
猫娘「でも犬ちゃんはあたしが寝てる時にご主人と寝ようとしたじゃん」
犬娘「…」
猫娘「あたしに内緒でってのが気に食わないんだよね」
猫娘「お散歩だってそうだよ」
猫娘「ご主人と犬ちゃんが二人きりになるのってさ、抜け駆けじゃん」
犬娘「それ…は…」
猫娘「だからあたしもついてったんだよ」
犬娘「…」
猫娘「犬ちゃんはさ、あたしとご主人が二人きりだったらどう思う?」
犬娘「だめっ!だめだよ…そんなの…」
猫娘「それと一緒だよ、あたしだってご主人と犬ちゃんが二人きりなのヤだもん」
犬娘「…」
猫娘「抜け駆けすんにゃ」
犬娘「うぅっ…」
男「おーい、飯できたぞー」
猫娘「今行くにゃー!」
犬娘「…」
猫娘「ご飯だって」
犬娘「…いらない」
猫娘「ふふん…じゃああたしとご主人二人っきりになるにゃ~♪」
犬娘「!」
犬娘「た、食べるもんっ!」
猫娘「あっ、そ」
―――――
猫娘「うまうま」モグモグ
犬娘「…」
男「どうした?不味かった?」
犬娘「い、いえ!美味しいですよっ!」モグッ
男「なぁ…最近変だぞ…?」
犬娘「だいじょぶです…だいじょぶ…うっ…」ポロッ
男「お、おい…」アセッ
犬娘「ひっく…うぇ…っく…」ポロポロ
男「どうしたんだよいきなり…」
犬娘「ごめんなさっ…ご主人っ…っく…ふぇ…」
男「ちょっと部屋に行こうか、な?まず落ち着こう」
犬娘「…」コクッ
パタン
猫娘「…」モグモグ
猫娘「ひきょーもの」ボソッ
犬娘「ひっく…ぅっ…」
男「…」ナデナデ
犬娘「…」
男「…」ナデナデ
犬娘「…」
男「落ち着いた?」
犬娘「…すこし…」
男「何があったんだよ?」
犬娘「…」
犬娘「ご主人…」
男「ん?」
犬娘「ご主人は…ボクのこと…好きですか…?」
男「当たり前だろ」ナデナデ
犬娘「!」
犬娘「ほ、ホントですか!?」
男「うん」
犬娘「ホントにホント…ですか…?」ギュ
男「そりゃ好きじゃなきゃこうしてお前の頭撫でたりしないって…」ナデ
犬娘「!」
犬娘「じゃ、じゃあ!その…ボクと…猫ちゃん…どっちの方が…好きですか…?」
男「猫娘…?」
犬娘「は、はい…」ドキドキ
男「んー」
男「それh」
ガチャッ
猫娘「ご主人!ご飯冷めちゃうよー!」
男「ん」
犬娘「ぁ…」
男「ほら、なんか元気になったみたいだしさ、飯…もう食えるか?」
犬娘「は…はい…」コクン
猫娘「はやく食べよ!」グイグイ
男「わ、わかったから」スッ
犬娘「猫…ちゃん…」
犬娘(また…邪魔…ばっかり…)
猫娘「ん?」
犬娘「…」フイッ
猫娘「…ご飯、続き」
犬娘「…」
猫娘「ご主人は先行ってて~」
男「ん…?」
猫娘「犬ちゃん連れてくるから行って待っててにゃ~」
男「んじゃ行ってるぞー」
猫娘「すぐ行く~」
パタン
猫娘「さて…と」
犬娘「…」
猫娘「言いたいことあるんだけど」
犬娘「…」
猫娘「犬ちゃん、またご主人を独り占めしようとしてさー」
犬娘「…」
猫娘「ずるーい」
犬娘「…」
猫娘「ひきょーものー」
犬娘「…」
猫娘「あたし犬ちゃんのそーゆーとこきらーい」
犬娘「…なの…?」ボソッ
猫娘「んぁ?」
犬娘「なん…なの…?」
猫娘「あー?声ちっちゃくて聞こえにゃーい」
犬娘「…なんなのさっ!いっつもいっつもいつもいつもいつもっ!ボクからご主人奪おうとしてっ!」
猫娘「犬ちゃんうるさーい」
犬娘「…っ!」
猫娘「耳キーンてなった、キーンって」
犬娘「こっちは真面目に話をしてるのっ…!」
猫娘「あ、うん」
犬娘「ボクがご主人といるとき邪魔するのやめてよ!」
猫娘「邪魔?…あー…さっきの」クスッ
犬娘「な、何…笑って…」
猫娘「答え、聞きたかったのかにゃ?」
犬娘「それは…」
猫娘「ご主人はあたしと犬ちゃんどっちが好きなのかにゃ~?」
犬娘「ぼ、ボクに…決まってるもん…!絶対っ…!」
猫娘「そうかにゃ?」
犬娘「だ、だってボクの方が長い間ご主人と一緒に…いるもん…」
猫娘「ふーん」
猫娘「長い間一緒にいるからご主人は犬ちゃんの方が好きなの?」
犬娘「…」
猫娘「じゃあさ、それって不公平だよね~」
犬娘「えっ…」
猫娘「一緒にいる時間が長いから犬ちゃんが好かれるんならさ」
猫娘「あたしも同じ分だけご主人と一緒にいさせてよ」
犬娘「っ!」
猫娘「もちろん、犬ちゃん抜きで」クスッ
犬娘「や、やだっ…!」
猫娘「だってそうしないとさー、不公平じゃーん」
犬娘「で…でも…」
猫娘「にゃはっ♪自信ないのかにゃ~?」
猫娘「ご主人が犬ちゃんよりあたしの方が好きになっちゃうって」クスクス
犬娘「うぅ…」
犬娘「お願いだから…そういうこと…しないで…お願い…だから…」ジワッ
猫娘「…」
猫娘「ほら、また泣く」
犬娘「ぐすっ…」
猫娘「犬ちゃんはさ、泣けばご主人が構ってくれるから泣くんでしょ?」
犬娘「ちがっ…!」
猫娘「ほんっと、犬ちゃんのそーゆーとこ嫌い」
犬娘「…っ」グッ
犬娘「ボクだって…」
猫娘「…ん?」
犬娘「ボクだって…!猫ちゃんなんか嫌いっ…!」
猫娘「へぇ…」
犬娘「いきなり家に来てご主人をボクから奪おうとしてとしてっ…!」
猫娘「…」
犬娘「そうだよ…猫ちゃんなんか最初会った時から好きじゃなかったもんっ…!」
猫娘「あ、奇遇だねー…あたしも最初会った時からなーんか気に食わなかったんだよねー」アハハ
犬娘「っ!」
犬娘「ね、猫ちゃん性格悪いもんっ!」
猫娘「…」
犬娘「そんなだから前のご主人に捨てられちゃうんだよっ!」
猫娘「…あ?」
犬娘「ボクのご主人にも捨てられちゃえばいいんだっ…!」
猫娘「おい」ガシッ
犬娘「いたっ…!」
猫娘「前のご主人のこと、言うな」ギリッ
犬娘「な、何…」
猫娘「言うな」
犬娘「…!」ビクゥッ
犬娘「は、離してっ…!」ドンッ
猫娘「あぅっ…!」ガンッ
猫娘「いたた…」
犬娘「ぁ…ごめ…」
ガチャッ
男「おーい、なんか大きい音したけど何か…」
猫娘「…」チラッ
犬娘「ご、ご主人…」ハッ
猫娘「…いたい」ボソッ
男「な、何があったんだ…?」
猫娘「なんでも…な…ぐすっ…ひっく…」
犬娘「!?」
男「猫娘…どうした…?」スッ
猫娘「犬ちゃんに…っく…突き飛ばされた…ぐすっ…」
男「!」
犬娘「なっ…!」
男「犬娘が…?」チラッ
犬娘「ち、ちがっ…!」
猫娘「違うくないじゃんっ…!」
犬娘「それはっ…」
猫娘「それに犬ちゃんあたしのこと嫌いって言ったもんっ…!」
犬娘「!!」
男「本当…なのか…?」チラッ
犬娘「ち、ちがっ…!それに猫ちゃんが始めn」
猫ちゃん「酷いことも言った…!」
猫ちゃん「あたしなんかまた捨てられちゃえばいいって…!ひっく…うぇ…」
男「!」
男「犬娘…」
犬娘「だ、だって…」
男「言ったのか?」
犬娘「…」
男「本当に…言った…のか…?」
犬娘「…は…い…」
男「…」
犬娘「ぁ…」
犬娘(なんで…そんな目で…見るんですか…?いつもは…もっと優しい目で…ボクのこと…見て…)
男「…」
男「犬娘…ただのケンカならいいけどな…言っていいことと悪いことってあるんだぞ?」
犬娘「で、でも猫ちゃんがっ…」
男「いいから…ほら、まずちゃんと猫娘に謝ろう…な…?」
猫娘「…」ギュッ
犬娘「なん…で…ボクばっかり…」
男「お前はいい子だから…ほら、ちゃんと謝れるだろ…?」
犬娘「~っ!~~~っ!」
犬娘「ごめん…なさいっ…」
犬娘「酷いこと…言って…ごめん…なさっ…うぅっ…」ポロッ
男「ん…犬娘…よくできたな」ナデナデ
犬娘(違うのにっ…違うのにっ…猫ちゃんが悪いのにっ…)ポロポロ
猫娘「…」
男「ほら…犬娘も謝ってるし…猫娘も許してやってくれよ…?」
猫娘「…」コクン
男「よーし!これで仲直り、な!」
犬娘「ひっく…うぇっく…」
猫娘「…」ゴシゴシ
猫娘「ご主人は…あたしのこと捨てたりしないよね…?」ギュッ
男「当たり前だろ…」ナデナデ
猫娘「えへへ…」ギュー
犬娘「…」
猫娘「ご主人…あたし背中いたい…」
男「そっか…向こうの部屋で見てやるから…立てるか…?」グイッ
猫娘「がんばる」
男「ほら、手つかまって…」ギュッ
猫娘「…」トテテ
パタン
犬娘(ご主人…ボクのこと…嫌いになったんだ…猫ちゃんの味方なんだっ…)
犬娘「…ひっく…」
犬娘「あぁぁぁぁっ…ぁぁぁっ…!」ポロポロ
ガチャ
犬娘「!」
犬娘「ごしゅじっ…ぁ…」
猫娘「やっほー」
猫娘「あたしでごめんねー、ご主人はねー、ご飯冷めちゃったから温めなおしてるんだって」
犬娘「…!」ゴシゴシ
犬娘「何しに来たのさ…!」キッ
猫娘「ちょっと、ね」
犬娘「…」
猫娘「犬ちゃんがよくやってる…ほら、泣いてご主人の気を引くやつ!教えてくれてありがとねー」クスッ
犬娘「!」
猫娘「ご主人やさしーからすぐ心配してくれるね」クスクス
犬娘「ぁ…ぁ…」
猫娘「にゃはっ、あれ…いっつも犬ちゃんがやってるんだからさ」
猫娘「恨みっこなしね」クスッ
犬娘「な…んで…そんな…」
猫娘「それとー」スッ
犬娘「!」ビクッ
猫娘「よくできましたー」ボソッ
犬娘「えっ…えっ…?」
猫娘「ちゃーんと謝れてえらいえらーい」クスクス
犬娘「…っ!」
猫娘「さて、と…ごはんごはーん」トテテ
パタン
犬娘「…」
犬娘「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ…」
―――――
男「よし、と」コトッ
猫娘「ごはんっ」
男「…あれ、犬娘は?」
猫娘「しらにゃーい」
男「…」
男「ちょっと様子見てくるな」スッ
猫娘「…」
パタン
猫娘「はぁ…」
猫娘「犬ちゃんめんどくさーい…」ブツブツ
ガチャ
男「犬娘、ご飯、温めなおしたぞー」
犬娘「…」グスッ
男「…」
男「犬娘…」
犬娘「いらない…です…」
男「腹、減ってるだろ…?」
犬娘「お腹…空いてないです…」
男「…」
男「さっきのことで拗ねてるんだったら…」
犬娘「いらないんですっ!!」
男「!」ビクッ
犬娘「…猫ちゃんと…一緒にご飯食べればいいじゃないですかっ…!」
男「…」
男「腹、減ったら食べに来いよ…?」
パタン
犬娘「…ぐすん」
ガチャ
猫娘「!」
男「はぁ…」
猫娘「ご主人、犬ちゃんはー?」
男「ん…なんか腹減ってないって」
猫娘「ふーん」
猫娘「じゃああたし犬ちゃんの分も食べるー」ワーイ
男「こら、ちゃんと残しておきなさい」
猫娘「ちぇー…」
猫娘「まぁいいや…いただきまーす」モグッ
男「なぁ、猫娘」
猫娘「んにゃ?」モグモグ
男「ケンカも程々にな」
猫娘「…」ゴクン
猫娘「はーい」
男「っと…もうこんな時間か…仕事行かなきゃな…」コトッ
猫娘「…」
男「猫娘、犬娘のこと頼むな」ニコッ
猫娘「犬ちゃん?」
男「昼飯も一緒に用意しといたから…大丈夫だよな?」
猫娘「うん」
男「あ、片付けはしなくていいから」
猫娘「うん」
男「…」
男「犬娘と仲良くできるか?」
猫娘「…うん」
男「ん、よし」ポフポフ
猫娘「にゃっ…」
男「んじゃ、行ってくる」
猫娘「いってらしゃーい」フリフリ
パタン
猫娘「…」
猫娘「仲良く、ねぇ…」
犬娘「…」グゥ
犬娘「おなかすいた…」
ガチャ
猫娘「あ、まだいたんだ」
犬娘「…っ!」キッ
猫娘「はい」コトッ
犬娘「な、なにさ」
猫娘「朝ごはん」
犬娘「い、いらないって言ったもんっ…!」
猫娘「あっ、そ」
猫娘「ご主人かわいそー」
犬娘「!」
猫娘「せっかく作ってくれたのにさー、いらないとか」
犬娘「…っ…ボクはっ…猫ちゃんなんかとご飯食べたくないもんっ…」
猫娘「ま、あたしはご主人と一緒に食べるけどねー」
猫娘「ってことはさ、ご主人と一緒にご飯食べないんだねー」
犬娘「…っ!」
猫娘「あのさー、犬ちゃんってさ…今まですっごい甘やかされてきたでしょ」
犬娘「そんなことっ…」
猫娘「そんなこと、あるよ」
犬娘「ね、猫ちゃんに何がわかるのさ!?」
猫娘「わかるよ」
犬娘「は…ぁ…?」
猫娘「犬ちゃんさ、ご主人に叩かれたことある?」
犬娘「え…?」
猫娘「軽くじゃなくて、思いっきり」
猫娘「痛くて痛くて、立てなくなるくらい思いっきり」
犬娘「ご主人は…そんなこと、しない…」フルフル
猫娘「…」
猫娘「あと、さ」
猫娘「ご主人がご飯作ってくれるの、当たり前だと思ってるでしょ」
犬娘「えっ…」
猫娘「だから残せるんだよねー、ご飯」
犬娘「えっ…えっ…」オロオロ
猫娘「残したってさ、またご主人が作ってくれるしね」
犬娘「ぼ、ボク…そんなこと思ってな…」
猫娘「ま、いいんだけど」
猫娘「じゅーぶん幸せなくせにさ、ちょっとくらいその幸せ奪われたくらいで不幸面してんの、すっごく気に食わないんだよね」
犬娘「…」
猫娘「…」
猫娘「あ、ご主人からの命令なんだけど」
犬娘「ご主…人…」
猫娘「仲良くしろって」
犬娘「い、今更っ…!」
猫娘「…」
猫娘「んー」
猫娘「仲良くする気ないなら別にいいんだけどにゃ~」
犬娘「無いよっ…!あるわけっ…!」
猫娘「今、犬ちゃんが元気ないってご主人心配してるんだけどー」
猫娘「ご主人に心配かけちゃっていいのかにゃー?」
犬娘「ぁ…」
猫娘「だからー、あたしが犬ちゃんと仲良くして『あげる』って言ってんの」
犬娘「~~~っ!」
犬娘「猫ちゃんが…意地悪するからじゃんっ…」
猫娘「…」
犬娘「猫ちゃんがっ…」
犬娘「…てってよ」
猫娘「んにゃ?」
犬娘「出てってっ…!早くっ…!」ガルル
猫娘「…あー、はいはーい」
猫娘「あ、ご飯食べなよー、あたしご主人から犬ちゃんのこと頼むって言われてるんだよねー」
猫娘「いちお食べるようには言っておいたから~」
猫娘「にゃはは~」パタン
犬娘「ご主人が…作ってくれた…ご飯…」
犬娘「残しちゃ…でも…ご主人はっ…猫ちゃんに…頼んでっ…」
犬娘「~~~っ!こんなものっ…いらないっ…!猫ちゃんが持ってきたものなんかっ…いらないっ…!」ガンッ
パリーン
犬娘「ぁ…お皿…割れ…」
犬娘「怒られ…嫌われちゃ…」
犬娘「あぅ…ぅぅぅっ…」
―――――
男「はぁ…」
同僚「どうしたー?ため息なんかついて」
同僚「仕事終わらないとか?早く片付けないと上司に怒鳴られるぞー」アハハ
男「いや、そういうんじゃないんだけどさ」
同僚「ん?」
男「なーんか家の犬と猫がさー、仲良くないみたいで」
同僚「ふむ」
男「どーやったら仲良くなるものかなーって」ハァ
同僚「なんだ、そんなことかよ」
男「そんなことって言うなよ…悩んでんだから…」
同僚「ってかお前ん家に猫いたっけ?」
男「ん、最近飼い始めた」
同僚「ふーん」
男「家の犬さ、ホントはおとなしい子なのにさー…」
同僚「ケンカするほど仲いいって言うじゃん?」
男「んー…そうだといいんだけど…」
同僚「そいや猫って言えばさ、俺ん家の猫どっか行ったんだよなぁ…」
男「マジか」
同僚「家出かな」アハハ
男「笑いごとじゃないだろ…」
同僚「そうだなー」
男「早く見つかるといいな」
同僚「あぁ…帰ってきたらちゃんと躾けないとなぁ…」ブツブツ
男「えっ…?」
同僚「いや、なんでもねー…それより仕事やんねーと」
男「あ、そうだな…」アセッ
同僚「この前みてーに上司に怒鳴られちまうわ」
男「そういやアレ大丈夫だったのか?」
同僚「まぁ…なんとかなんだろ」
男「それならいいが」
同僚「この頃仕事のストレスやべーわ」アハハ
同僚「最近発散もできてねーしなぁ」
男「発散ねぇ…」
同僚「そうそう、この前までいいのがあったんだけどさ」
男「ん…今はないのか?」
同僚「まぁ…な…よーし、今度飲みに行こうぜ!な?」
男「次の給料入ったらな」
同僚「おう」
上司「こらー、口じゃなくて手動かせ、手を」
同僚「や、やべっ…んじゃ今度な」
男「ん、わかった」
―――回想―――
同僚「…」ガチャッ
同僚「あー…クソッ…あのアホ上司がっ…」イライラ
同僚「チッ…今日はもう寝るか…」
猫娘「あ、ご主人おかえりー」
同僚「あ…?」
猫娘「えっ…?」
同僚「…」パタン
猫娘「あれ…?ごはんは…?」
猫娘「そっち寝るとこー」トテテ
ガチャ
同僚「…」ゴロン
猫娘「ご主人お腹すいたー」グゥ
同僚「…」
猫娘「ごはん」ユサユサ
同僚「…」イラッ
猫娘「ごは…」
同僚「うるせえっ!!」ガンッ
猫娘「にゃっ!?」ドサッ
猫娘「な、何すんの!?」シャーッ
同僚「うるせえっつってんだろうがっ!」バシッ
猫娘「ふにゃっ!?」
猫娘「…!」キッ
同僚「なんだお前…その目はよぉ…」ガシッ
猫娘「いたっ…!」
同僚「文句あんのか?あ?」ギリッ
猫娘「い、痛い痛いっ!痛いっ…!」
同僚「チッ…」バッ
猫娘「うぅ…」
猫娘「ごしゅじ…」
同僚「早く出てけよ、寝かせろ」
猫娘「…」
パタン
猫娘「…」
猫娘「なんで…急に…こんな…」
猫娘「いたい…」
―――――
同僚「…」モグ
猫娘「あ…」
同僚「…」モグモグ
猫娘(昨日の…ご主人機嫌悪かっただけだよね…うん…)
猫娘「…」キョロキョロ
猫娘「あれ…?」
猫娘「ご主人…あたしのご飯は…?」
同僚「ねえよ」
猫娘「えっ…?」
猫娘「な、なんでっ…昨日まであたしのご飯用意してたじゃんっ…!」
猫娘「それに昨日からご飯食べてな…」
同僚「お前さ、俺が飯用意してやんのが当たり前だと思ってんじゃねーぞ?」
猫娘「ぇ…」
同僚「俺が、お前を世話して『やってんの』」
同僚「お前、まだ上下関係わかってねーだろ」
猫娘「…」
同僚「昨日のお前の態度悪かったから、お仕置き」
同僚「罰として飯抜きな」アハハ
猫娘「そんなっ…!」
同僚「まーだわかってねーのな」
同僚「人間の社会だと上が絶対なの」
同僚「俺だって上司の言うことハイハイ聞いてんの」
同僚「俺とお前だと俺が上でお前が下だろ」
猫娘「で、でも…あたし…人間じゃ…」
同僚「あ?」
猫娘「っ!」ビクッ
同僚「わかったらまず昨日のことちゃーんと謝ろうか」
猫娘「…」
猫娘「あの…ごめん…にゃさい…」
同僚「くっ…ぷっ…あははっ…んじゃ俺仕事行くわ~」
パタン
猫娘(上…下…?)
猫娘「わかんにゃ…い…」
―――――
男「なんか機嫌よさそうだな」
同僚「ん、そうか?」
男「昨日怒られてたみたいだからお前落ち込んでるかと思ってたわ」
同僚「いやー、そこまで気にしてらんないだろ」アハハ
男「ポジティブだなー…お前」
同僚「やっぱさ、誰かの上に立つって気分いいもんなんだな」
男「は?何言ってんだ…俺らどっちも平社員だろ」
同僚「そうだけどよ」
男「…?」
―――――
猫娘「…」グゥ
猫娘「…」キョロキョロ
猫娘「…」
猫娘「あ…そうだ…ご主人が食べ物出す箱…」
猫娘「…」トテテー
猫娘「開けたことないけど…」
猫娘「…」パカッ
猫娘「すずしーい」
猫娘「えっと…」
猫娘「食べ物…」ガサゴソ
猫娘「!」
猫娘「あ」
猫娘「おべんとみたいなのある…」
猫娘「…」
猫娘「…」グゥ
猫娘「…」キョロキョロ
猫娘「えへへ…」
猫娘「おいしー!」ガツガツ
猫娘「…」ケプッ
猫娘「ふぁー…食べたら…ねむ…」ゴロン
―――――
―――
―
猫娘「…zzz」
パシーン
猫娘「!?」ビクッ
猫娘「…?な…なにっ…?」ヒリヒリ
同僚「おい」
猫娘「ごしゅじん…」
同僚「俺の晩飯勝手に食っただろ」
猫娘「えっ…ぁ…」
猫娘「あ、あれ…」ハッ
同僚「見ろよ、冷蔵庫開けっ放しだしよぉ…なぁ?」ゲシッ
猫娘「うぐっ…!」
猫娘「うぅ…」
同僚「飯抜きだって朝言ったよなぁ?」
猫娘「だ、だってあたしっ…昨日から何も食べてなくて…お腹すいててっ…」
猫娘「ご、ご飯くれないご主人が悪いんだもんっ…!」
同僚「…」ゲシッ
猫娘「あぅっ…!」
同僚「主人の飯勝手に食って口答えまですんのか?あ?」
猫娘「げほっ…けほ…うぅ…いたい…よぉ…」
同僚「言いつけ守ってたら晩飯くらいは食わせてやろうと思ってたのによぉ」チッ
同僚「おら、ごめんなさいはどうした」
猫娘「いたい…いたい…ひっく…うぇ…」
同僚「…」イライラ
同僚「おい、謝れよ」グイッ
猫娘「あぅっ…やめっ…」
同僚「泣けば許されると思ってんの?」
同僚「許して欲しかったら謝れよ」
猫娘「ごめっ…なさっ…ごめんなさいっ…っく…ごめんなさいっ…ひぐっ…」
猫娘「もう勝手に…ひっく…ご飯食べないからっ…」
同僚「ん、そうそう、よく謝れましたー」アハハ
同僚「これはお前のための躾けなんだからな」
同僚「だから罰としてまた飯抜きな」
猫娘「えっ…そ、そんなっ…」
同僚「…あ?」
猫娘「…っ!なんでも…にゃい…です…」
同僚「さて…と…仕方ねーから飯作るか…」
猫娘「…」
同僚「何あったかな…」ガサゴソ
同僚「お、肉あんじゃん…げ…消費期限切れてら」ボソッ
同僚「…」
同僚「おーい、喜べ、飯食わせてやるよ」
猫娘「!」
猫娘「ほ、ホント!?」
同僚「ほれ」ベチャ
猫娘「ぁ…」
猫娘「…」クン
猫娘「ご主人…コレ…変な匂いする…」
同僚「食えよ」
猫娘「でも…コレ…」
同僚「俺外で食ってくるから帰って来るまで処理しとけよ」パタン
猫娘「…」
猫娘「…」グゥ
猫娘「…」
猫娘「…」オソルオソル
猫娘「はむっ…」
猫娘「っ…」
猫娘「うぇ…」ペッ
猫娘「…」
猫娘「いらにゃい…」
猫娘「…」
ガチャ
猫娘「!」ビクッ
同僚「…」ジーッ
同僚「おい」
猫娘「な、なに」
同僚「コレ、なんだ?あ?」
猫娘「…」
猫娘「く、腐ってたし…その…」
同僚「食っとけって言ったよな」
猫娘「だ、だから…腐ってて…変な味だったもん…」
同僚「あ?」
猫娘「っ!」ビクゥッ
同僚「あとコレなんだ?吐いたのか?」
猫娘「ぁ…」
同僚「…」
同僚「食えよ」
猫娘「え…」
同僚「食えよ、見ててやるから」
猫娘「や、やだ…」フルフル
同僚「もったいねーだろ、食え」
猫娘「…」
同僚「お仕置きしなきゃなぁ…」ボソッ
猫娘「!」
猫娘「た、食べる!食べるからっ…叩かないで…」
同僚「…」
猫娘「…」
猫娘「あむ…」パクッ
猫娘「うっ…」
同僚「…」
猫娘「む、むり…」フルフル
同僚「食え」
猫娘「…」
同僚「食え」
猫娘「…」
猫娘「…あむ…」モグ…
猫娘「もぐ…ぅ…」
猫娘「うっ…うぇっ…ぇっ…うっ…げぇっ…!」ビチャッ
猫娘「はぁっ…うっ…はぁっ…」
同僚「…」
猫娘「はっ…はぁっ…」
同僚「…」ゲシッ
猫娘「うぐっ…!」
同僚「誰が吐いていいっつったよ?」ゲシッ
猫娘「あぅっ…!」
猫娘「ごめ…なさい…ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…ごめんなさっ…ひっく…」ポロポロ
同僚「…」チッ
同僚「キレーに片づけとけよ」パタン
猫娘「うぇっく…ひぐっ…ひっく…」
猫娘「…」フラッ
猫娘「ぐすっ…うぅ…」フキフキ
猫娘「…」キィ
同僚「…zzz」
猫娘「眠ってる…」
猫娘「…」パタン
猫娘「今なら…逃げれる…」フラフラ
猫娘「ぁ…」
猫娘「でも…どこ…行けばいいんだろ…」
猫娘「…」
猫娘「ううん…ここにいるより…外の方が…」カチャ
同僚「おい」
猫娘「っ!?」ビクゥッ
同僚「何してんだ?」
猫娘「ぁっ…な、なんでも…」
同僚「…」
同僚「こっちこい」グイッ
猫娘「にゃっ!」
猫娘「や、やだっ!やぁっ!」ジタバタ
同僚「暴れんn…」
猫娘「離してっ!」ガリッ
同僚「いっ!?」パッ
猫娘「!」
同僚「てめっ…!」
猫娘「…っ」ダッ
ガチャッ
同僚「おいこらっ…!逃げんなっ…!」
―――――
猫娘「はぁっ…はぁっ…」
猫娘「はっ…」ハァハァ
猫娘「追って…来て…ない…」
猫娘「…」ホッ
猫娘「ぅ…」フラッ
猫娘「これから…どうしよ…」
猫娘「…」
猫娘「ねむい…」
猫娘「どこかで…寝よ…」
―――――
―――
―
猫娘「…」パチッ
猫娘「朝だ…」
猫娘「身体いたい…」
猫娘「お腹すいた…」
猫娘「…」トボトボ
「おーい」
猫娘「!」ビクッ
猫娘(まさかっ…!)バッ
男「…」
猫娘(に、人間の雄…!)フーッ
男「おわっ…!すげー威嚇されてる…の、野良かな…」
猫娘「こっちくんなっ!」シャーッ
猫娘「しゃー」
男「な、なんかフラフラしてたけど大丈夫か?」
猫娘「は…?」
男「いや、気になって…」
猫娘(何コイツ…)
猫娘「…」グゥ
男「あぁ、お前腹減ってんのか」
猫娘「…」ギロッ
男「ちょっと待ってなー」ゴソゴソ
猫娘「…」
男「これ、俺の昼飯なんだけど、食う?」
猫娘「ごはんっ!」
猫娘「ぁ…い、いらにゃいっ!ど、どうせ変なもの入ってたりするもんっ…!」
男「んー…」チラッ
男「あっ…やべ、遅刻しちまう!」アセッ
男「ほれ、これ食っていいから!」コトッ
猫娘「!」
男「んじゃ元気になー」タッ
猫娘「…」
猫娘「…」ゴソッ
猫娘「…」パカッ
猫娘「…」クンクン
猫娘「だいじょぶそう…」
猫娘「…」
猫娘「…」モグッ…
猫娘「!」
猫娘「んまーい!」パァッ
猫娘「んぐっ…もぐ…おいひぃ…おいしっ…」ガツガツ
猫娘「…」モグモグ
猫娘「ごくんっ」ケプッ
猫娘「ぅ…ひっく…おいしぃ…な…っく…」ジワッ
猫娘「…」ゴシゴシ
―――――
―――
―
猫娘「…」ウロウロ
男「あ」
猫娘「!」
男「朝の…だよな…?」
猫娘「し、しらないっ」プイッ
男「ちゃんと弁当、食ったかー?」
猫娘「おいしかった!」
猫娘「あっ…!」ハッ
男「そかそか」アハハ
猫娘「…っ」
男「お前、ずっとこの辺にいたのか?」
猫娘「…」
男「帰る場所は?」
猫娘「…」
男「飼い主心配して…」
猫娘「う、うるさいっ…あたし戻らないからっ!絶対っ!」フーッ
男「もしかして…捨てられた、のか…?」
猫娘「!」
猫娘「…」
猫娘「そ、そーだよ…だから帰る場所なんかないし!」
猫娘(っていうことにしとこ…)
男「…」
男「家、来る?」
猫娘「えっ?」
男「いや、だから…帰る場所無いんだったら俺ん家、来ないか?」
猫娘「…」
猫娘(何…コイツ…意味わかんない…)
猫娘(もしかしてコイツも…あたしを苛めるために…!)ハッ
猫娘「…」ギロッ
男「んー…お前、飯の当てとか無いだろ…?」
猫娘「…」
男「飯ぐらい食っていけよ…ほら、それで気に入らないんだったら出ていけばいい」
猫娘「ごはん…」
猫娘(まぁ…ご飯くれるって言うし…アイツんトコ戻るよりマシかにゃ…)
猫娘「い、行く…」
男「ん、そっか」
―――――
猫娘「…」グゥ
男「はは、悪いな…もうここ家だから…すぐ飯作ってやるから」
猫娘「そ、そんなんじゃっ…!」
男「ただいま~」ガチャッ
犬娘「ご主人っ!おかえりなさい!」フリフリ
猫娘「!」
猫娘(な、なんかいた…!)
男「おう」
猫娘「…」
犬娘「だ…誰ですか…?」
男「拾ってきた、捨てられてたみたい」
犬娘「へ、へぇ…」
猫娘(何コイツ…アホみたいに尻尾振って…)
男「まぁ仲良くしてやってくれ」
猫娘(仲良く…?コレと…?)
犬娘「は、はい…あの…よ、よろしくね…?」
猫娘「…」プイッ
犬娘「なー!」
男「はは、まだ懐いて無いからかな」
猫娘「お腹すいた」グゥ
男「そっか、じゃあ晩ご飯にしようか…ちょっと待っててろよ~」
犬娘「…」ムムッ
猫娘(こっち見んな…)
―――――
犬娘「あ、あの…猫ちゃん…は…どこから来たの…?」
猫娘「…」
犬娘「え、えと…ご主人とはどこで会ったの…?」
猫娘「…」
犬娘(あ…この子…捨てられてたって言ってたっけ…)
犬娘「ぼ、ボクのご主人はね、優しい人だから!安心してね!」
猫娘「…」
犬娘「ご、ご主人の作るご飯すっごくおいしいんだよ!楽しみにしてて!」
猫娘「…」イラッ
猫娘「自慢すんな…」ボソッ
犬娘「えっ…?」
猫娘「…」
犬娘「ぁ…えっと…な、仲良く…しよ…?」
猫娘「…」プイッ
犬娘「…」
男「おーい、飯できたぞー」
犬娘「あっ、はーい!」
犬娘「えっと…ご飯、食べるとここっちだから一緒に行こ!」グイッ
猫娘「っ!」ビクッ
猫娘「は、離してっ!」バッ
犬娘「えっ…?」
猫娘「…」
犬娘「い、痛かった…?」
猫娘「…」
犬娘「あの…こっち…」
猫娘「…」
男「ほら、腹減ってたろ」コトッ
猫娘「!」クン
猫娘「いいにおいする」
猫娘「食べていいの…?」
男「うん」
猫娘「…あむっ…もぐっ…」
猫娘「んまっ!」パァッ
犬娘「…」ジーッ
男「ん、どうした?」
犬娘「あ、いえ…なんでも…今日もご主人のご飯美味しいです!」モグモグ
男「そかそか」
―――――
―――
―
犬娘「ご馳走様でした、ご主人」
猫娘「おなかいっぱい」
男「ん、お粗末様」
男「どうだ?お前さえ良かったら家にいてもいいんだけど」
猫娘「…」
猫娘(この人のご飯美味しいし…)
猫娘(寝るトコもありそう…)
猫娘「…」チラッ
犬娘「…?」
猫娘(なんかいるけど…ま、いっかにゃ…)
猫娘「うん、ここ…いる…」コクン
男「んじゃ…とりあえず寝る場所は…犬娘と一緒の部屋でいいな…面倒見てやってな、犬娘」
犬娘「あ、はい…」コクン
男「猫娘もそれでいいよな?」
猫娘「うん」コクッ
犬娘「えと…お部屋…案内するね?」
猫娘「…」
―――――
犬娘「ね、猫ちゃんのお布団こっちね」
猫娘「…」ポフッ
犬娘「猫ちゃん…お、お話ししよ…?」
猫娘「ふぁー…」
犬娘「…」
猫娘「…」ゴロン
犬娘「ぁ…」
猫娘「…zzz」
犬娘「…」
犬娘「…」パタン
ガチャ
男「ん…?」
犬娘「ご主人…」
男「あれ…アイツは?」
犬娘「猫ちゃん…寝ちゃって…」
男「はは、疲れたたんだろうな」
犬娘「…」
犬娘「あ、あの…猫ちゃん…あんまりボクと話してくれなくて…どうしたらいいか…わかんない…です…」
男「んー…」
男「まぁ…新しい家に来たばっかりだからまだ慣れないんだろうなぁ」
男「まぁなんだ、優しくしてやってくれ」
犬娘「は、はい」
―――――
猫娘「ふぁ…」
猫娘「…」ムクッ
猫娘「…」キョロキョロ
猫娘「あれ…?」
猫娘「アイツ(犬娘)…いない…」
猫娘「ま、いいけど」
猫娘「…」トテテー
猫娘「…?」
猫娘「アイツ(男)もいない…」
猫娘「…」
ガチャッ
男「ただいまー」
猫娘「!」
犬娘「今日はお天気良くて気持ち良かったですね、ご主人!」
男「ん、そうだな」
猫娘「…」
猫娘「ねぇ」グイッ
男「ん…?」
猫娘「どこ、行ってたの?」
男「ちょっと外にな、散歩」
犬娘「えへへ、ボクの日課なんだよ~」ニヘラ
猫娘「…」
猫娘(何…この…幸せそーな顔…)ムッ
男「よーし、じゃあ俺朝飯作るから待ってな~」パタン
犬娘「はい!」
猫娘「…」
猫娘「ねぇ、犬ちゃん」
犬娘「!」
犬娘(は、話しかけてくれた!)
犬娘「な、なに!?」
猫娘「散歩、楽しいの?」
犬娘「うん!えっとね、身体動かすとご飯おいしいしんだよ!それに…えへへ、ご主人と一緒だし…」
猫娘「…」イラッ
猫娘(まーたご主人ご主人って…何なの…?アンタばっかり可愛がられてさ…)
猫娘(たまたま飼い主がいい人だからってさ…)
猫娘(あたしはあんな目にあったのに…)
犬娘「猫ちゃん…?」
猫娘「…」
猫娘「犬ちゃん、幸せそうだよね」
犬娘「そ、そうかな…?」
猫娘「分けて欲しいにゃー…」
犬娘「えっ…?」
猫娘「にゃーんてねー」クスッ
犬娘「…?…?」
―――――
―――
―
猫娘「…」パチッ
猫娘「にゃ…寝てた…」
猫娘「…」グゥ
猫娘「そろそろお昼ご飯かにゃー?」
猫娘「…」
猫娘「犬ちゃんは…朝ご飯食べたかにゃー?」
猫娘「流石にあれだけ言えば食べてるでしょ」
猫娘「…」
猫娘「お昼も持ってってあげよっかにゃー」
猫娘「ご主人に頼まれてるし!」エヘン
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