勇者「なんだ?」
魔王「ワシも幾度となく勇者を名乗る人間と戦ってきたつもりだが」
魔王「おぬしの様な奴は初めてでな……」
勇者「そうか。 良かったな」
魔王「良いかどうかという話では無いと思うが……」
魔王「とりあえずまあ、一人でここへ来たのは凄いし、理由も何となく察しがつく」
魔王「その辺は我慢して置いておくが、一つだけもの凄く疑問に思ったのだ」
勇者「早く言え」
魔王「何で全裸なのだ?」
勇者「職業がニンジャだからだ」
魔王「……すまんが」
魔王「もうちょっと噛み砕いて説明してくれんか?」
勇者「ニンジャといえば全裸」
勇者「常識だろう?」
魔王「うーん……長いこと生きてるけど初めて聞く常識だなー」
勇者「納得したか?」
魔王「全然しとらんわ!」
勇者「こんな城に引きこもっているから常識が身につかんのだ」
魔王「いや確かに引きこもりだけど、ちょっとありえない常識だと思うぞ……」
魔王「全裸だと防御力最低だろう?」
魔王「攻撃されたら痛くないのか?」
勇者「職業がニンジャだと全裸でACがレベルと共に下がるから問題ない」
魔王「ウィズ方式のニンジャかい!!」
魔王「あのな、勇者よ」
勇者「なんだ」
魔王「この世界、一応普通に防御力換算なのよ」
魔王「ぶっちゃけドラ○エ方式なのよ」
魔王「わかる?」
勇者「知らんな」
魔王「…………」
魔王「ま、まあ……本人がそれでいいのなら、いいか」
魔王「しかし門番の部下達、全裸の……」
魔王「防御力最低の、たった一人の勇者に敗れたのか……」
魔王「よくよく考えたら凄い事なんだけど、素直に驚嘆したくないなぁ」
勇者「何をブツブツ言っている」
勇者「納得したのなら、さっさと始めよう」
魔王「お、おう……」
魔王「では……動くたびにけっこうな一物がブランブランして」
魔王「それがどうしても目に入って落ち着かんが」
魔王「始めるとしよう、最後の戦いを」
勇者「ドーモ、マオウ=サン」
勇者「ニンジャスレ○ヤーです」
魔王「ちょっと待て」
勇者「いちいち小うるさいな……なんだ?」
魔王「いやもう色々と突っ込みたい事が多すぎて、何からしていいのやら迷うのだが……」
魔王「その挨拶は何だ?」
勇者「戦う前に挨拶は欠かさないものだ。古事記にも書いてある」
魔王「うむ。言ってる事は割と正常だが」
魔王「ワシの聞きたかった答えではないな」
勇者「?」
魔王「いや、それニンジャはニンジャでも」
魔王「アメ○カ~ンなニンジャであろう?」
勇者「貴様……挨拶をないがしろと言うのか」
魔王「微塵も言っとらんわ!!」
勇者「さすがソ○カイヤの悪しきニンジャソ○ルを持つ」
勇者「ニンジャたちのリーダーだけの事はある」
魔王「もうやだこの勇者」
勇者「さあ、納得したのならハイクを読め」
魔王「と、とりあえず、さっさと終わらせたいから」
魔王「そっちの方式に従ってやるわ……」
勇者「ほう……」
魔王「ド、ドーモ、ユウシャ=サン」
魔王「マオウです」
勇者「うむ、見事な挨拶」
勇者「痛み入る」
魔王「なんだかなー……」
勇者「では、いいかげん始めよう」
魔王(もう早く寝たい……)
勇者「イヤー!」
魔王「ふんっ!」
勇者「くっ……!」
勇者「さすがマオウ=サン」
勇者「一筋縄ではいかないな」
魔王「出鼻はくじかれたが、なかなかの一撃」
魔王「色々と納得は出来んが、確かに強いな、勇者よ」
勇者「ならば、こちらもワザ○エの限りを尽くさねばならぬ……!」
魔王「ニンジャス○イヤーネタはいいから、さっさっと掛かって来い」
勇者「アメノムラクモ!」
ドゴォッ!
魔王「アイエェェェェェッ!?」
勇者「からのウロボロス!エクスカリバー、ラグナロク!!」
バキッ! シャキン! ズバァッ!
魔王「ちょっと待てぇぇぇぇ!!」
勇者「なんだ。 ハイクを思いついたか?」
魔王「違うわ!」
魔王「お前なんなの!?」
魔王「それスト○イダーの技だよね!?」
魔王「今の若い人達わからないよ!? たぶん!!」
勇者「言いたい事はそれだけか?」
魔王「」
勇者「魔王死すべし」
魔王「グワー!」
勇者「ワッショイ!」
魔王「サヨナラ!」
魔王は爆散する直前……
天○魔闘の構えを覚えときゃ良かった……
と思った。
おしまい!
ニンジャは最強。異論は認める。
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