佐天「ポケモンカードを楽しくプレイする能力かあ……」 (27)

初春「佐天さん。システムスキャンの結果はどうでした?」

佐天「うん。能力身についてたよ」

初春「おめでとうございます。どんな能力ですか?」

佐天「ポケモンカードを楽しくプレイする能力なんだ」

初春「へえ。凄い能力ですね

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初春「ポケモンカード私も好きでしたよ」

初春「同じ名前のポケモンでも技、デザイン、解説文が違うカードが何種類もあるのが良いですよね」

佐天「それにゲームで慣れ親しんだキャラクターだからね。思い入れが違うよ!」

初春「どのカードもそこそこ使えるから完全なゴミカードが少ないのも良かったです。進化前は弱くても進化したら強かったり」

初春「遊戯王とかゴミカスですね。完全下位互換のカードや原作にいない魅力ゼロのモンスターばかりでしたし」

佐天「うんうん。エロさもポケモンの人間キャラの方が上だしね!」

初春「私バンダイ版の遊戯王カード集めてたんですよ」

初春「何私に断りもなく公式とか言って茶色いカード出してるんですか。私の青眼3体連結はどうなるんですか」

初春「情報広がる前に知人に高値で売りつけてやりましたよ」

初春「わるいリザードンとか好きでしたね。格好良くて。かわいいイラストや落描きみたいなイラストもまた別の魅力があるんですよね」

初春「コインの投げ方にコツがあるんですよね。地元じゃタマなげの初春として恐れられていました」

佐天「初春って旧裏の奴しかプレイしてないの?」

初春「だって今までのカードが全部使えなくなるとか酷い話じゃないですか。さすがの私もキレますよ」

初春「情報広がる前に知人に高値で売りつけてやりましたよ」

佐天「大丈夫!シリーズ重ねる毎にインフレも進んで古いカード程ザコらしいからどっちにしても使わないよ」

初春「そうだったんですか。それなら早々に世界共通海外の方ともプレイ出来る現在のフォーマットにして正解だったのかもしれませんね」

佐天「この前ブックオフで1枚30円でよりどりミドリだったからちょっと覗いたんだけどさ」

佐天「マジで強いカードがゴロゴロしてるの」

佐天「このハギギシリとか見てよ!エネルギー1枚で山札から基本エネルギーをタイプ選ばず3枚手札に加える!HP110!」

初春「ほほう。壁にも使えるしエネルギー確保とデッキ圧縮が同時に出来るわけですね。それにしても気持ち悪いデザインですね」

初春「相手の手札をデッキに戻すカードとか使われたらお終いですがそんなカードないですよね」

佐天「あとナマコブシ!水エネ1枚で裏が出るまでコイン投げて表の数×30!バトル場で相手の技ダメージで気絶したらダメカン6個載せる!」

初春「過去の私だったらナマコブシだけで無双出来そうですね。しかも状態異常でも特性は働くんですか」

初春「そういえばコインの投げ直しが出来るカードもあると聞いた気がしますよ。過去の私だったら不要なカードですがね」

佐天「そんなワケでカード買い漁って来たんだ!」

初春「あらら、こんなに。これだけの量だと相当お金かかったんじゃないですか?」

佐天「300枚くらいブックオフで買った後でさすがに後悔したけどね」

佐天「その後ヤフオクで買った3000枚は送料込みで5000円くらいで済んだよ」

初春「未開封の奴は買わないんですね」

佐天「親友だから初春にも半分くらいわけてあげる。お互いにデッキ作ってポケモンバトルしようよ!」

初春「いいですよ。ただ、ルール覚え直したりデッキ作る為の時間をください。バトルは明日でいいですか?」

佐天「OK。ほい、これが初春のカードね」スッ

初春「ありがとうございます。ふんふん。ほほうキラカードもこんなに。メロエッタとかサーナイトエロイですね」

佐天(くくく……。ごく少数混ざってたボルケニオンやカキみたいな使えるカードは抜いてあるんだよ……!)

佐天(初春!存分にサンドバックになってもらうからね!)

翌日

佐天「ルールはちゃんと覚えられたかい?」

初春「たぶん大丈夫だと思いますよ。デッキも何個か作ってみました」

佐天「あれ?カードに黒いカバー付いてるじゃん。どうしたのそれ」

初春「スリーブとかシールドっていうんですよ。あみあみで安かったんで買いました」

佐天「ふーん。まあいいや。場の準備するよ」スッスッ

佐天(よし。オドリドリでベンチ肥やしと自分と相手のエネ捨て。ボルケニオンで自分のベンチにトラッシュのエネ付け)

佐天(後半はベンチで育成したマフォクシーの3エネブレイズボールで110ダメージ。特性でいつでも手札6枚に出来る)

佐天(いける!)

佐天「それじゃカードあげたし私先攻ね」

初春「いいですよどっちでも」

のうりょくしゃの ういはるが しょうぶを しかけてきた!

佐天「じゃじゃーん!バトル場オドリドリ!ベンチにボルケニオン!」

初春「私はバトル場にミュウ1体だけです」

佐天「HP50!ザッコwwwまず1枚ドロー!スーパーボール!山札上から7枚確認!テールナー確保!」

佐天「さらにスーパーボール!山札上から7枚確認!マフォクシーゲット!さらにティエルノで3枚ドロー!」

佐天「オドリドリに炎エネ1枚付けてターンエンド!盛り上がってまいりました!」

初春「私の番ですか。山札から1枚引いてスタジアムの次元の谷を出します」

初春「ネストボールで山札から種ポケモンを1枚ベンチに出します。山札確認しますね」

初春「ふんふん。あ、ナゲツケサル全部そろってますね」

初春「ナゲツケサルを出します。もう1枚ネストボールを使ってナゲツケサルを出します」

初春「バトル場のミュウに闘エネルギーと闘魂のまわしを付けます」

初春「バトルコンプレッサーでプラターヌ博士、グズマ、ニンジャごっこを山札からトラッシュに落とします」

初春「ラスト1枚の手札はNです。お互いに手札をすべて山札に戻してシャッフルし、サイドと同じ数の6枚を引きます」

初春「何してるんですか佐天さん。早く手札を山札に戻してください」

初春「ネストボールでナゲツケサルを山札からベンチに出します」

初春「もう1枚ナゲツケサルを手札から出します。4体揃いました」

初春「バトル。ミュウの特性でベンチのナゲツケサルのチームプレイを使います」

初春「10+ベンチのナゲツケサル×30ダメージ追加です。次元の谷の効果で必要エネルギーは無色1個です」

初春「ミュウにまわしが付いてるので130+10で140ダメージ。オドリドリを倒したのでサイドを1枚とります。佐天さんの番です」

佐天「……ドロー。モ、モンスターボール2枚。コインを投げて表なら……両方裏で失敗」

佐天「フォッコを手札からベンチに召喚して炎エネルギーをボルケニオンに付けてパワーヒーター」

佐天「ミュウに20ダメージでミュウの残りHP70……。墓地の炎エネルギーを1枚フォッコに付けてターンエンド……」

初春「山札から1枚引いてベンチにもう1体ミュウ出します。ベンチが埋まりました」

初春「ベンチのミュウに闘エネとまわし付けます。こわいおねえさんで次元の谷を破壊。佐天さん手札3枚捨ててください」

佐天「手札ゼロ……」

初春「次元の谷を出し直してミュウの特性でチームプレイ。ボルケニオンに140ダメージで倒します」

初春「サイド1枚とりますね。私の番終わりです」

初春「佐天さんの番ですよ。早くカード引いてください」

佐天「こんなのやってられるか!!!」バサッ

初春「カード撒き散らさないでくださいよ」

佐天「なんじゃいそのデッキ!勝てるわけないじゃん!」

初春「でもこのデッキ佐天さんからもらったカードで作ったんですよ」

初春「それにサンダースEXやGXポケモン相手だと結構厳しいんですよ」

初春「一応対策カードも入れてますが。こわいおねえさんは抜いても良さそうですね」

佐天「ちょっと!初春のそのデッキ見せてもらうからね!」

佐天「!?」

佐天「半分以上トレーナーズじゃん!私のデッキはポケモンとエネルギーばっかなのに!」

初春「だってトレーナーズ多くないとデッキ回らないんですもん」

佐天「私がデッキに1枚しか入れられなかったバトルサーチャーが4枚も入ってる……」

初春「そりゃ入れますよ。遊戯王で言えば死者蘇生レベルのカードですし」

初春「プラターヌ、サーチャー、パズル、ダブル無色は4積みしたいですね」

初春「デッキによってはパズルやダブル無色は入りませんが。Nも2~3枚ですか」

初春「先輩後輩、グズマ、AZ、アセロラ、ニンジャごっこ、大好きクラブ、フウロ、オカルトマニア」

初春「この辺のサポートは各1で基本どのデッキにも入れるべきだと思いますよ」

初春「コンプレッサー、ブロアー、タンカ、まわし、かるいし、ケンタロスGX、カプ・コケコ、カプ・テテフGX、シェイミEX」

初春「この辺りもほぼ必須でしょうかね」

佐天「なんでショップやヤフオクで何千円もするシェイミやテテフ何枚も持ってるのさ!」

佐天「どうやってお金用意したのさ!この売春!」

初春「違いますよ。佐天さんからもらったカードでデッキ作ったって言ったじゃないですか」

佐天「どゆこと?」

初春「公式サイトの画像を保存してペイントに貼り付けるんですよ」

初春「それを縮小して印刷するんです。A4のコピー用紙1枚にポケカ9枚は余裕で入りますよ」

初春「それを切り離して佐天さんからもらったカードに貼り付けてスリーブに収納してですね」

佐天「ちょちょ。それ犯罪じゃないの?」

初春「大丈夫だと思いますよ」

初春「だってネットの公式で拾える画像を個人的に印刷して手持ちのカードに貼り付けただけですもん」

佐天「うーん。そう言われるとそんな気もする」

初春「勿論公式の大会では使用出来ません。売却でもしたら訴えられるでしょう」

初春「でも個人的に遊ぶ分には何ら処罰されるいわれはないんですよ」

初春「それに画像保存が出来る設定にしている時点で、公式がプロキシを認めているようなものです。まあ自己責任ですね」

佐天「プロ棋士……?」

佐天「でも……子供達を楽しませるためにポケカ作ってくれてるメディアファクトリーさんに悪いような……」

初春「今の販売元は株式会社ポケモンらしいですけどね」

初春「大体、子供が遊ぶものなのにデッキ構築に必須のカードが高額だったり、少し前のカードが使用不可な方が悪どいと思いませんか?」

初春「子供が遊ぶものとして不健全ですよ。いずれ使えなくなるのに当時小学生の私から何万円も巻き上げたんですよ。許せません」

初春「これはそんな巨悪に対するオシオキでもあるんです。いわば私は現代のねずみ小僧です」

佐天「むう。言われてみれば確かに」

初春「それに、弱いデッキで戦うのはお互いつまらないと思うんです。遊びだからこそ全身全霊全力を出して戦いたいんです」

初春「それが対戦相手に対する私なりの敬意なんですよ」

佐天「そうか……。そうだよね初春」

佐天「ベストを尽くさなきゃ楽しくないよね!」

佐天「初春!他のデッキも見せてよ!」

初春「いいですよ」

佐天「へえー。ミュウ+よるのこうしん。ライコウジバコイル。眠りカビゴンスリーパー。アリアドスにドクロッグコンボか」

佐天「どのデッキも面白そうじゃん!貸してよ!」

初春「じゃあ好きなデッキを選んでください。今度はいい勝負できると思いますよ」

初春「私はゲロゲジュナイパーを使います」

御坂「あれ?佐天さんに初春さんじゃない。何してるの?」

初春「御坂さん。佐天さんが能力に目覚めたんですよ」

御坂「そうなんだ。おめでとう佐天さん!」

佐天「ありがとうございます!」

御坂「それでどんな能力なの?」

佐天「ポケモンカードを楽しくプレイする能力です!」

御坂「ポケモンカード?ポケモンってアニメとかDSのゲームとかじゃないの?」

初春「トレーディングカードもあるんですよ」

初春「鑑賞するだけでも楽しいですが、バトルすると更に楽しいですよ」

佐天「ルールもそう難しくないし、コピーの仕方も教えてあげます。一緒にやりましょう!」

御坂「そう?それじゃあ、やってみようかな」

佐天「やりましょやりましょ。はいこのデッキあげます」スッ

初春「私のデッキあげないでくださいよ」

佐天「いいからいいから。デュエル!」

御坂「ふんふんこういうルールなのね」

御坂「これをこーして……。こうかな?」スッスッ

佐天「つ……強い……」

初春「御坂さん理解早いですね。さすがレベル5」

御坂「そう?えへへ」

翌日

御坂「ポケモンカードって面白いね!私もオリジナルデッキ作ったわよ!」

御坂「さあバトルバトル」

佐天「今日こそは勝ちますよ!」

初春「やはりポケモンカードは最高ですね。遊戯王と違い相手ターンに何も出来ないのが最悪ですが」

白井「あら。お姉様に佐天さんに初春まで。何してるんですの?」

御坂「黒子!黒子もやろうよ!私のデッキあげるからさ」スッ

白井「ん?これは」

白井「……ここから先の黒子はジャッジメントですの」

白井「こんなことしたくはありませんが……。お姉様、罪は償ってくださいませ」ガチャリ

佐天「て、手錠!?」

御坂「私悪いことなんか何もしてないわよ!?」

初春「あちゃー。マズイですよ御坂さん。プロキシ白井さんにあげたりしたら」

御坂「なんで?」

初春「他者にコピーカードを勧めるということは、版元が本来得るはずだった利益を阻害したと判断されるんです」

御坂「だったら私にプロキシ勧めてきた佐天さんは!?」

白井「佐天さんもですの」ガチャリ

佐天「うお私まで!だったら初春も道連れにしてください白井さん!」

初春「私の場合、他人に勧めてないからセーフなんです。佐天さんと御坂さんは自分から人に勧めたのでアウトなんです」

初春「自己責任だって言ったじゃないですか」

初春「ある人はトレカについて『まるで札束を刷っているようだ』と言いました。至言ですね」

初春「金は命より重し。お金の恨みは恐ろしいんですよ」

初春「お二人のしたことは重罪です。そうとう長く食らいこむことは覚悟してください」

白井「さ……行きましょう。私はお姉様と佐天さんなら罪を償えると信じています」

佐天「やだよー!もうしませんからー!」

御坂「許してー!」

初春「やはりポケモンカードはルールとマナーと法律と倫理を守らないといけませんね」

初春「みなさんは佐天さんや御坂さんみたいなことしちゃ駄目ですよ」

このSSはフィクションです
登場人物と>>1は一切関係ありません

口悪すぎて>>1も反省してます

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