【モバマスSS】ちひろ「無くて七癖」 (68)

[事務作業中]

モバP「…」カタカタ

ちひろ「…」ペラッ…カキカキ

モバP「…

フンフンフーン…」カタカタ

ちひろ(今日もはじまったよ…)

モバP「タラッタッタッタッターン…」カタカタ

ちひろ(モバPさんは個人作業をしてる時、無意識に鼻歌を歌いますが…
部屋が静かだとスッゴい響くんですよね…)

モバP「ユーアーマデスティニー…」カタカタ

ちひろ(一旦気になり出すともーダメ、どこまでも耳に入ってくる…
リズムも音程も曲も毎回バラバラだから全然慣れないし。)

モバP「テーテーテー…」カタカタ

ちひろ(モバPさんは鼻歌歌ってるときスゴく集中してるので、中断させるのも忍びないし…
ええい、自分の仕事に集中するのよ千川ちひろっ!)

モバP「アロワナノー…」カタカタカタカタ

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[朝の事務所]

卯月「お早うございます、ちひろさん」

ちひろ「お早う卯月ちゃん、今日は冷えますね。来るとき大丈夫でしたか?」

卯月「大丈夫ですよっ、防寒対策はバッチリですから」

ちひろ「そう、それなら良かった。最近急に気温が下がってるから、体調を崩さないように気を付けませんとね。
ところで、今日の仕事についてのことで…」

卯月(…ちひろさん、話すときしょっちゅう身振り手振りするんですけど)

ちひろ「…1人での仕事とニュージェネレーションでの仕事が1つずつ…
…凛ちゃんとは現地合流で…」

卯月(動くたびに明るいグリーンがチカチカして…
夜更かし明けの時とか、眼に辛いです)

ちひろ「…ほら、ここの仕事先は行くの初めてでしょう?だから到着時間に余裕を持たせたスケジュールで…」

卯月(でもわざわざ指摘するほどのことでもありませんし…
服の色か身振りのどっちかをもう少し落ち着いたものにしてもらえるといいんですけど…)

ちひろ「…ということなんですが…卯月ちゃん、ちゃんと聞いてます?」

卯月「は、はいっ!聞いてますよっ!」

[電話中]

未央「でさー?その時茜ちゃんが『釜玉にはぽん酢を少しかけるのが最高です!』って主張してさ…」

卯月「へーそうなの?ちょっぴり変わってるね…

あ、そうだ。ところで未央ちゃん、…」

未央「ん、どしたのしまむー?」

卯月「あーいや、やっぱりなんでもない!続けて続けて?」

未央「そう?うん分かった…それで藍子ちゃんは…
(出たよ、しまむーの話題キャンセル!
言いかけて止められると何だったのか気になるっ!
それに、話がノッてきたときとかにやられると面食らうんだよねー)」

未央「結局さ、それはダライ・ラマかエルサレムかってことで…
(急にクスクス笑いだして、『何でもない』とか『こっちの話』とか言うことも多いし…
直接話してる時はそんな気にならないけど…)」

卯月「わたしはケンブリッジ飛鳥さんの方が…」

未央「(ま、いっか。どっちにせよ他愛のないおしゃべりだし。)えー?やっぱ焼おにぎりでしょ?」

[待機中]

凛「…」スマホポチポチ

未央「待ち時間、結構長いねえ…」

凛「うん、そうだね…」ポチポチ

未央「…」…パタパタ…

凛「…未央。またやってる。」

未央「あっ…ゴメンゴメン」

凛(未央は…手持ちぶさたになると靴の先をパタパタやりだす。無意識みたいだけど…
床が硬いとことかだと音が結構響くから、周りに聞かれて一緒にいる私が恥ずかしい…)

未央「…あー、でもさ…こう待ち時間が長引くと…アレだよね、何と言うか…」

凛「…ちょっと静かにしてくれないかな?」

未央「…うん、分かった。」

凛(足パタパタさせる癖止めてって何度も言ってるけど、全然おさまらないんだよね…)

未央「…」…パタパタ…

凛「ほらっ!まただっ!」

未央「うひゃあっ!ゴメンってばあ!」

[会話中]

凛「アイドルとして売れ出してから、うちの店に来る人が増えてさ…」

乃々「へー…いいことなんじゃないですか?」

凛「そうじゃないんだ。ただ買い物するんなら良いんだけど、やたらうろつき回ったり、写真をバシャバシャ撮ったり…」ファサッ

乃々(ああ…凛さんがまた髪をかきあげました…
凛さんはわたしよりずっと美人ですし、この仕草は写真みたいにサマになってますけど…
会話の中で何度もやられると、何だかコミカルに思えちゃいます…)

凛「挙げ句、父さんに絡んだり、モノを盗っていこうとしたり…迷惑だよね、ホント…鬱陶しい」ファサッ

乃々「(2連続うっ…!)あ、は、はい、そうですね…

…んふっ…」

凛「乃々…今、笑った?そういう話してなかったよね?どこが面白かったの?ねえ?変だよ?」

乃々「ひいいっ、ごめんなさいい…そうじゃないんです…

…で、でも凛さんも今日ちょっと変ですよ…
何だかイライラしてます…」

凛「…っ!何でもないよ、何でもない。
ゴメンね?責めるようなこと言って。
さ、話をもどそうか。」ファサッ

乃々「はいっ…(こらえなきゃ…こらえなきゃ森久保…次笑ったらヤバイです…)」

[昼下がりの事務所]
乃々「…」キョロキョロ

小梅「…」

乃々「…」キョロキョロ

小梅(乃々ちゃん…ずっとキョロキョロしてる…
スマホをいじるのも…本を読むのも…辺りを見回しながらしてる…)

乃々「…」チラッ…

小梅(あっ…目があった)

乃々「っ」ササッ

小梅(何でいっつもあんな感じなんだろ…?キョロキョロしてるからかえって注目を浴びるのに…)

小梅「きっと…ホラー映画なら二番目くらいにやられちゃうタイプだね…」ヒソヒソ

輝子「それ…ボノノさんには言っちゃダメだぞ…」ヒソヒソ

乃々(何か森久保のことを小声でしゃべってるみたいです…何だろう…悪口かも…
うう…森久保はハブられくぼなんですか…)

小梅「…」ジーッ

輝子「マイタケくんは…そろそろ収穫か…ブナシメジたちは…原木を交換しなきゃな…」

小梅「…」ジーッ

輝子「…うーん…(小梅はまた虚空を見つめてるな…
ひとたび目線を定めたら、小梅、微動だにしないんだよなあ…正直ちょっと怖い…
どこ見てるのか聞いたら、どこも見てない、って言うし…)」

小梅「…」ジーッ

輝子(小梅が言うと…何だか、ちょっと意味深だぞ~…
たまに人のことも見つめてるよな…あの大っきな眼で覗きこまれると、距離感が分からなくなってくる…)

小梅「…あたしがどうかした?輝子ちゃん…」ジーッ

輝子「フヒャッ!?い、いや特に…さーて、フレンズにみ、水やりしなきゃ…」ソソクサ

[会話中]

まゆ「…それで、そこのカフェのほうじ茶スイーツが結構美味しくて…」

輝子「へー…ちょっと、興味あるかも…」

まゆ「でしたら、場所を教えますよお?なんなら、一緒にどうですかあ?」

輝子「フヒヒ…でも、渋谷にあるんだろ?そのカフェ…わたしみたいなのが行ったら浮いてしまうよ…きっと変な眼で見られる…わたしの心は磨り潰されてキノコペーストになっちゃう…」

まゆ(ああ、また…どうして輝子ちゃんは、自虐を挟まずにはいられないんでしょう?)

まゆ「そんなことありませんよお…輝子ちゃんは、とっても魅力的なんですから。」

輝子「そうかな…まゆさんの方が、わたしより…」

まゆ(いつまでも卑屈なままで…もっと自信を持っても良いはずなのに。
芸能人としては…今のところ、ほんのちょっぴりだけ、まゆより有名ですし…今のところ、ね?
自虐風の自慢?をしたい訳でもないようですが…)

輝子「…ああ…まゆさんはすごいよなあ…
ボッチのわたしには、とても出来ないようなことをあっさりと…」

まゆ(ネガティブなことばかり言ってると、こっちまで暗い気分になってきますよお…
毎度毎度ウダウダウダウダウダウダと…
会話が無駄に長引くんですよ…)

輝子「…わたしなんか……まゆさんの方が……それに比べて……云々かんぬん……キノコッノッコーノコゲンキノコ……」

まゆ(…いっそのこと言ってやりましょうか?『輝子ちゃんは謙遜のつもりかもしれないけど、ただウザったいだけだ』って…)

輝子「?まゆさん…何だか顔が険しいぞ?どうしたんだ?わたし、何か気に障るようなことを…」

まゆ「…何でもありませんよお。心配してもらわなくても大丈夫…」

まゆ(いけません、今のまゆはどうにも気が立っているみたいです…こういう時は何事も上手くいきません、落ち着かなくては…)

[事務所併設のカフェテリア]

まゆ「…」コクコク

幸子(宿題をこなすため、カフェに来ましたが…まゆさんが1人でいますね…コーヒー1杯だけですか…そんなに長居しそうな雰囲気でもありませんし…
一声かけるべきか否か…)

まゆ「…ふぅー…」

幸子(まゆさんは手持ちぶさただと手首に巻いたリボンを弄り出します…
まゆさんは感情をあまり露にしませんが、カワイイボクならばリボンの弄りかたからまゆさんのその時の気持ちを読み取ることが出来ます!
さて、今は…)

まゆ「…」ギリギリ…ガリガリ…

幸子(手首をリボンで絞めてみたり、爪で引っ掻いたり…何だか…苛立ってる?声をかけるのはよしておきますか…)

まゆ「…」スック

幸子(あ、もう店を出るみたいですね…
何でしょう、最近はまゆさん、ずっとあの調子ですねえ…他にも何人か様子のヘンな人がいるようですが…)

幸子(何があったのか知りませんが…このままなら、まゆさん、アイドルとしてのパフォーマンスにも支障をきたすかもしれませんね…?
でも、ボクがそこを何とかしようと介入する必要もなければ、義理もないし…
もしそうなったら、しばらく仕事では関わり合いにならない方が良さそうですね…)

幸子「ああいけないいけない、そんなことより自分の宿題に取り掛からなければ…」バサバサ

[会話中]

紗枝「その時、突然ぶぶ漬が発光しはりましてな…」

幸子「何と…それじゃあ周子さんも棚からほたるさんを引っ張り出すわけですね?
まあボクがその場にいたら華麗に生八つ橋の反逆を鎮めてみせますが!」スッスッ

紗枝「ふふ…それはまた何とも勇ましいことで…」

幸子「フフーン、ヨモギもゼンザイもドンとこいですよ!
…っと…」ササッ

紗枝「…(幸子ちゃん、話してる間もスカートを整えたり髪を弄ったり…うちが目の前におるのに。
うちと話してる時は、うちのことだけ見ておくれやす…)」

紗枝「そう言えば、オルニチンについてはどう思います?」

幸子「ああ、そっちの話ですか?パラダイムシフトの後なら何とか…」スス…

紗枝「ええ、うちも同じ考えどす…(ああ、また…そのヨコハネやおさげ髪がそんなに大事なん…?)」

幸子「…ま、いずれにせよ最後はボクがカワイイって結論に落ち着きますが!」

紗枝「全くその通りですなあ…

…」

幸子「…紗枝さん?どうかしましたか…」

紗枝「えいっ」ギュム

幸子「フギャッ!…紗枝さん?なぜボクのおさげ髪を握るんですか?」

紗枝「…えいえいっ」グニグニ

幸子「ああ、ボクの髪をグニグニしないで!左右に振らないでくださいよお!何ですか急にっ!」

紗枝「…ふふ」クリクリ

[夕方の事務所]

比奈「うー…おはよーごさいまス…」フラフラ

春菜「比奈さん…もう夕方ですよ?どんなリズムで生活してるんですか…」

比奈「あーっと春菜チャン…うん…ちょっと…原稿が…ね…3徹…」

春菜「それでさっきまで仮眠室で寝てたんですか…
比奈さん今日の夜に仕事があるでしょう?大丈夫ですか?」

比奈「うん…あとちょっとしたらシャキッとしまスから…ふーっ…」ポスン

春菜(ソファーに座り込んじゃった…)

比奈「むー…」スマホポチポチ

春菜(比奈さん、癖っ毛の上に寝癖までついてスッゴい髪形…ファンには見せられませんね…
いや、かえってこういう姿も需要あるのかも…)

比奈「あー…たつき降板…?ほーん…」ポチポチ

春菜(後ろの方の髪、まとまってぶわっと立ってる…)

比奈「ああ…またヤジュセン連投…」ポチポチ

春菜「…(比奈の髪を持ち上げる)」

比奈「…スーっ…」

春菜「…(手を離す)」

比奈「…」ウシロガミバルルン

春菜「…(また比奈の髪を持ち上げる)」

比奈「…拳…てーこう…?」ポチポチ

春菜「…(また離す)」

比奈「…ログイン…」ウシロガミバルルンバルン

春菜「…(またまた比奈の髪を)」

比奈「…春菜チャン?アタシの髪で遊ばないでほしいっス…」

春菜「…(気まずそうに手を離す)」

[夕方のカフェテリア]

飛鳥「」

沙織「」

飛鳥「そう…それはさながら」

沙織(この会話中4回目の『さながら』いただきますた…)

沙織(言葉について熱く語ってっけど…何度も同じ『れとりっく』を使うのは美しくねーんでねーかな…)

書き込み途中でやっちまった
幸子のヨコハネに免じてみなかったことにしてくれ

[夕方のカフェテリア]

飛鳥「ああ…沙織さん、あなたの日本語は美しい…」

沙織「んだか?とうほぐ訛りってだせえって思われてねが?しゃべってっとかっぺに見らえんだけども…」

飛鳥「そんなことはないさ。実のところ皆、外から与えられた標準に従って物事の美醜を判断しているにすぎないのさ。
ボクは、あなたのこれまで生きてきた積み重ねの表れている言葉遣いが、とても素敵だと思うんだ…
さながら、清い水に育てられた蛍があるがままで瞬くようにね。」

沙織「んだべか…(今日4回目の『さながら』だな…口癖なんかな?)」

飛鳥「そもそも、言葉の良さとは多様性にあるのだとボクは思うんだ。土地の風物や人間の活動にあわせ、それぞれに適した形を作りながら、また柔軟に変化もする…
そんな言葉を標準化、統一化しようとするのは、さながら、流れる水を手で留めようとするのと同じさ。不自然だし、無意味だ。そうだろう?」

沙織(言葉のエさについて熱く語ってっけど…同じ『れとりっく』を何度も使うのはエくねんでねえのかな…)

飛鳥「…それはやはり、…ということで…それはさながら…」

沙織「さなづら…」

飛鳥「?」

沙織(あいや、こんたのは秋田県民にしか伝わんねえか…)

[夕方の事務所]

雫「ふぅ…お疲れ様ですー。」バルルン

愛海「あっお疲れ様でーす…」ソワッ

早苗「いやー仕事が予想以上に長引いちゃったわね…汗もかいちゃったし、女子寮に戻ってシャワー浴びたいわ…この後飲み会もあるし。」タユン

愛海「…」ソワソワ

裕子「元気ですねえ早苗さん…あたしは疲れちゃってもうサイキック切れですよ~…」

雫「今日は大変でした~…」バルン

愛海「…」チラッ…

裕子(愛海ちゃん…最近は、手癖の悪さが何だか落ち着いてきたみたいですね…前はもっとがっついてたのに。
まあ清良さんも向こうにいるし、今日は警戒しなくても大丈夫でしょう。)

愛海「…

早苗さーん…」

早苗「ん、どしたの愛海ちゃん?……!」

愛海「いくよーっ!」ヒュバッ

裕子(!?)

早苗「(愛海の突撃を止める)
…いくら疲れてても、そんな直線的な動きに対応できないあたしじゃないわよ、愛海ちゃん?」

愛海「…んー、そうみたいだね?」プラプラ

裕子(愛海ちゃん、雫さんやあたしでなく、何故わざわざ早苗さんに…?
天敵?の清良さんも近くにいるのに…
それに、今の動き、本気じゃ無かった…?)

清良「あらあら愛海ちゃん、またやったの?懲りないわね…」

愛海「うひひ…まあ、ね…(地面に下ろされる)」

清良「…これはまた、『オシオキ』しなきゃいけないわね…?」

早苗「あー、清良さん?別にいいんじゃないの?今回は未遂だし…」

愛海「いやーいいよ早苗さん、あたしは大人しく清良さんの『オシオキ』受けるから…」

早苗「そう?まあ本人がそう言うんなら…」

愛海「そうそう。じゃーあたしたちもう行くね?
…あ、さよーならセクギルの皆さん。また明日。」フリフリ

雫「あー…さようなら?」

裕子「愛海ちゃん、また、明日ね…
(…何なんでしょう?雫さんも困惑してますよ…)」



清良「それでは…行きましょうか、愛海ちゃん?」

愛海「うん、そだね…へへ」

裕子(…詮索は止めておきましょう。あたしのサイキックが、深入りしてはいけないと言っています…)

清良「…ふふっ?」

愛海「…へへ…?」

[社内の一角]

ベテトレ「美城専務、少々宜しいですか?一部のアイドルの今後のトレーニングスケジュールについて、打ち合わせたいことが…」

美城専務「ん…では、小会議室へ移動しようか?3階に空いている部屋があったはずだ…」

ベテトレ「いえ、それほど時間は頂きませんから…」

美城専務「そうか?ならば、そこの角に移動して話そうか…」



ベテトレ「…橘ありす、鷺沢文香両名の仕上がりがやや遅れています。特に、鷺沢は一時体調を崩していたこともあって、合わせが不十分で…」

美城専務「ならば、サイドの者の動きを増やし、鷺沢のサポートをしてもらおう。鷺沢には、ソロパートを仕上げることに重点を置いたメニューを…」ツツ

ベテトレ「はい、そのように調整します…
(この人はどうして立ち話しているとき、ほんの少しずつ後退するのだろう?)」

ベテトレ「その分、宮本や速水にかかる負担は少々大きくなりますが…
(それと言われなければ気にならないようなことだが…慶が彼女の足癖を話題に出してからというもの、どうにも意識してしまうよ…)」

美城専務「まあ、多少は仕方がないだろう…」ツツ

ベテトレ「(ん…?今日は後退のペースが少し速いぞ…?)それと、大槻の新曲について…」

美城専務「ああ…そちらの方は…」



ベテトレ「…それでは、今後のトレーニングはこのような計画で進めさせていただきます。」

美城専務「ああ…宜しく頼む。私はこれで失礼させて貰おう。」ツカツカ

ベテトレ(何だか専務殿、ソワソワしているようだったな…このあと用事でもあったのだろうか?
…引き止めてしまって悪いことしたかな)


文香「…」ペラ…ペラ…

ありす(文香さんが本を読んでいます…随分集中しているようですが…)

文香「…」ググ…

ありす(ああ、やはり今日も…
文香さんは本の内容に入れ込みすぎると、どんどん背中が曲がってきます…)

文香(顔全体に影が落ちた状態)「…」ペラ…ペラ…

ありす(文香さん、アイドルになってからは、読書中の姿勢にも気を付けていると言っていましたが…集中すると、どうしても…)

文香「…」ググ…

ありす(無意識の動作なので、その場で注意することでは改善するはずもなく…
それに、文香さんの読書を無理矢理中断すると、文香さん、蹴っ飛ばされた仔犬みたいな目でこちらを見てきますし…)

文香(目が完全に見えない状態)「…」ペラ…ペラ…

ありす(ああ、文香さんのために、私はどうすればいいのでしょうか…
私がもっと大人なら、悩むこともなく、スマートな解決法を見つけられるのかなあ…)

文香(貞子状態)「…」ペラ…ペラ…ペラ…ペラ…

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[夜の事務所]

プルルル…プルルル…ガチャ

こずえ「もしもしー…?」

心『ああもしもしプロデューサー…あれ、こずえちゃん?これプロデューサーのデスクの緊急連絡用の電話だよね?どうしてこずえちゃんが?』ザワザワワイワイ

こずえ「ぷろでゅーさー…きょうはもうかえった…
しんこそ、どうかしたのー…?」

心『ああいや、今日飲みだったんだけど、早い時間だってのに皆完全に出来上がっちゃってて、プロデューサーにヘルプをお願いしようとしてたんだけど…』ガヤガヤ

瑞樹『今日はまだまだ飲むわ、飲むわ、飲むわよー!』

菜々『イエぁー!』キャイキャイ

留美『しょせんねえ!わらしはあのひとにもてあそばれてただけらったのよっ!』ゴクゴク

美優『わかります!すっっごくわかりますう!』

楓『ふふっうふふっふふっ…(グラスの酒を一気にあおる)…うふう…』

友紀『祝!!!キャッツ5連敗!!1!1!め゛て゛た゛い゛っ!!!1!!1!!!』ギーン

早苗『大人はあ…悩まなーい!何故ならばあ…
私たちには、お酒があるよ!!』ドンッ!

心『ああ、少し遅れてきてみりゃこの様だ…
どいつもこいつも酒癖悪いんだからホントもう…(ナニヨーシュガハノクセニ…)うっせえユッキ!
つーか誰だ菜々パイセンに酒飲ませたの!』ザワザワ

菜々『うへへー心ちゃん、心ちゃんもはようこっち側になりましょうよ…』ガッチリ

心『くっそ、腰をパイセンにホールドされてて逃げらんねえ…』ザザッ



心『全くもう、居酒屋で騒ぐんじゃねえっつの…』ガヤガヤ

こずえ「…どうすればいい?」

心『とにかく、誰か事態を収拾できそうな人に伝えて…あたしが酔い潰される前に、早く…』ワイワイ

こずえ「…うん、分かったよー…」

心『よろしく頼んだぞ、こずえちゃん…
…コラあ、ウイスキー水割り一気は止せっての!』ザッザッ

早苗『だーいじょうぶよう!明日は…オフどから!!』ドンッ!

友紀『心ンンン!!1!!ビールは好きかあ!?!2!?1?!?』ムギラァ!

楓『ふふうふふっふんっふふっ…』ゴクゴク

留美『いっつもいっつも!おのこにふっまわさりぇてあたしらはなきねいりらのよっ!』

美優『わかります!わかります!(完全崩壊)』

瑞樹『わかるわ(迫真)

…アハハハハハ!(酔っぱらい特有の唐突な爆笑)』

心『ああっ…パイセン、よっかからないで…あっ、そっちは止めて…止めろっ!』

菜々『ほらっ、ほらあっ!』

心『ううっ、無理矢理飲ますな…ゲッホ、ゴホッ!!』


ブツッ、ツーツーツー…



こずえ「…

…何と醜い…」


長すぎて表示されなかったんで分割しました。

電話なのに周りの声が入りまくってるのは、
はぁとさんがトチって通話をスピーカーモードにしてたってことで1つ…

[夜の街]

美城「…」ソワソワ

美城(…待ち合わせよりやや早い時間に来てしまったが…彼はいつ来るだろうか?)

「ああ、ごめんなさい…待たせてしまいましたか?」

美城「!いや、大丈夫だ。私も今来たところだ…」

「そうですか?なら良かった…女性を長く待たせるのは男として悪いですから…」

美城「ふふ、ならば待っていたと言うべきだったかな。君のチャーミングな困り顔を見られたかもしれない…」

「ハハハ、勘弁して下さいよ…」

美城「ふふふ…
して、今宵はどこへ私を連れていってくれるのかな?電話では自信ありげだったのだから、期待していいのだろうね?」

「ええ。この先に雰囲気の良いイタリアンを見つけましたたので。きっとご期待に沿えるかと…」

美城「そうか…楽しみだな…」



モバP「…それでは参りましょうか、美城専務?」

美城「それは、意趣返しのつもりか?君も中々意地悪だな…
今は仕事上の立場は関係ない…ただの男と女だ。
…名前で呼んでくれれば、それで良い。
いつものように…」

モバP「解りました。では…」スッ

美城「ああ…(手を繋ぐ)」


~~~

[???]

凛(プロデューサー、ときどき女物の香水の匂いを付けてる。あたしにしか分からないくらい微かな匂い…そして、匂いは嗅ぎつけるたびに何種類も…

イヤらしい女狐どもが、プロデューサーを狙ってる…事務所の中にも、何匹もいる…誰がそうかは、まだ全てはっきりしてる訳じゃないけど…

…許せない。皆プロデューサーのこと、何にも分かってないクセに…

最後にプロデューサーの隣に立つのは、あたしなんだ…)



まゆ(…私は知ってるんですよお?
Pさん、何人ものアイドルとデートまがいのことを…

Pさん、誰にでも甘いコトバをかけるから……
きっと、勘違いしてる娘も多いんでしょうね?

Pさんと運命で結ばれてるのは、まゆなんです…。

最終的にPさんは私がモノにするから、今のところ他の娘がPさんのことをどう思おうが勝手ですが…

Pさんの女癖の悪さは、いずれどうにかしないとイケませんね…?)



留美「ううー…」フラフラ

心「ああもう、ふらふらになるまで飲んじゃって…ぜんぜん足に力入ってないじゃないっすかー…うー…(留美と美優を運ぶ心)」

留美「あのひろは、わらしのいちばん…わらしのすべて…
れも…あのひろのいちばんは、わらしじゃない…
う゛え゛~~ん!!」

美優「わかります…わかります…」グスグス

心(…留美さんたちが誰のことをいってるのか、大体は予想がつくな…ふたりのプロデューサーといえば…)

留美「わらし、あのひろに、はじめれのきすをささげらの…はじめれ…はじめれのひろらのにい…」スンスン

美優「わかります…わかります…」グスグス

心(…あー、これは思ったより…

…うん、きかなかったことにしよ!よってんだあたしも!)

心「ほら、タクシーにつきましたよ…ふたりともはやく入って!」

[朝の事務所]

ちひろ「おはようございます、プロデューサーさん!」

モバP「あーおはようございます、ちひろさん…朝から元気ですね…」

モバP(さてさて今日は…午前中事務仕事終わらして、午後には営業回り、でもって…
ああ、夕方に退勤した後、渋谷と夜に食事する約束があったな……

…あ゛ーマジメンドくせえ…

ここ最近なーんか様子も変だし、食事の席で何言い出すか解んねえな…
全く、何だって年端もいかねえ小娘に俺が気を揉まなきゃならねえんだっつの…)



モバP「(椅子に腰掛ける)…!あつつっ…」

ちひろ「Pさん、どうしたんです?筋肉痛でも来ましたか?」

モバP「いや、まあそんなところです、ハハハ…」

モバP(いやー昨日はちょっとはりきりすぎたな…スるのはしばらくぶりで、トバし気味のペースだったからなあ…

しっかし、専務にも困ったもんだぜ…あの人事前は余裕ぶってるクセして、シてる時すげえ抱きついてくるんだから…
顔も見れないし、キスもできねえ…

ま、その程度のことは全部許しちゃうけどねっ!ベッドの上だとあの人超~可愛いし!)

モバP(素質はあってもアイドル志望ではない娘をその気にさせて、またモチベーションを維持するために、恋愛感情を利用する…

初めのうちは役得だと思ったし、結構スレスレなこともやって楽しんだが…今や、自分の時間のほとんどをアイドルの相手のために持ってかれてる状態…
一癖も二癖もある娘ばかりで、ずーっと相手してると疲れるし…
俺自身と彼女たちとの熱量差は開くばかり…
こうなってくるとただただ負担にしか感じられないよなあ。

しかし、そんな俺の前に美城専務が現れた…

いやーあの人はマジで俺の女神サマだよ…
上手くやれば、俺は美城の一族に連なる人間になれる。そうすればもっと上へ行けるかもしれない…
もう、好きでもない娘に歯の浮くような言葉をかけたり、休みまでアイドルに付き合わされる必要も無くなるんだ…

そして何より、彼女は俺の好みドストライク…このチャンス、必ずモノにする!

うーん、将来に希望が持てると活力が湧いてくるな!よっし、今日も1日頑張るぞ!)

モバP「ほらアン・ドゥ・トロワで目が合えば、君はもうフフフフーン…」カタカタ

ちひろ(ああ、今日もまた…というかもう普通に歌ってるじゃないですかっ!)



終わり

ところで、おまけとか需要あるかな?ネタはあるけど…

[おまけ1]

光「最近、事務所が変だっ!
様子の変なヒトが何人もいて、ギクシャクが広まってる…
それだけじゃない!輝子はキノコをほうじ茶に漬け込むし、比奈さんは5連続で徹夜するし、愛海は揉まないし、友紀さんはキャッツが勝てなくてますます荒れてるし、こずえの話し方は不安定だし、卯月さんは普通だし…
ヒーローを目指す者として、この状況はほって置けない!今こそ立ち上がるときなんだ!
みんな、あたしと共に戦ってくれ!」

清美「ええ!風紀の乱れを正すのは我々の仕事ですから!」

都「わたしたちならバッチリ解決です!」

麗奈「…」

光「レイナも一緒に来てくれるよな?」

麗奈「…アンタねえ…プランはあるの?」

光「地道な活動あるのみだ!」

麗奈「原因は予測がついてるの?」

都「これから調べるんです!」

麗奈「はー…あほくさ。何も考えてないじゃないの。考えなしで突っ込むの、アンタの悪い癖よ?
そもそも、アタシたちの力だけでなんとかできるはずもないし…やるだけ無駄よ。アタシはパス。」

光「な、なにおう!いつも皆にちょっかいかけてるクセに、こんな時だけスルー決め込むなんてズルいぞ!見損なったぞレイナっ!」

麗奈「…生意気な口をきくわね、光?
手遊びするお子様じみた癖も未だに抜けないくせに…」

光「そ、それは今カンケーないだろっ!
それを言うならレイナだって、脚組むの止めろって言われてるの一向に改善できてないじゃないか!」

麗奈「なによー!」

光「この分からず屋めー!」

清美「ああもう、仲間内でケンカしてどーするんですかっ!」

都「おお、これはホームズとモリアーティの決闘さながら…」

清美「都さんもふたりを止めるの手伝ってくださいよー!」

梨沙「…ああいうのも、仲が良いって言うのかしら?」

心「そうだぞー☆ケンカするほど、って言うだろ?
何でも言い合える仲っていうのは良いもんだ☆
はぁと、あのふたりが羨ましいぞ☆」

梨沙「そーかもね…心にはいるの?そういう人…」

心「んー、ノーコメント☆」

光「むいー!」グニー

麗奈「こいひゅみぇー!」グニー

[おまけ2]

ピンポーン…

男友達「…お、来たな?さ、入った入った!菓子もジュースもたっぷりあるぞ!プレステの準備も万端だ!」

モバP(高校生)「おう、邪魔するぜ…」



男友達「ああてめえ、アイテム全部取るんじゃねえよ!俺のぶんとっとけ!」カチャカチヤ

モバP「ハハハ、お前が遅いのがわりいんだ!」ダカダカ

男友達「あーやべ、やられる!ああ!くっそ…」カチャカチヤ

男友達「…そういやお前、その後カノジョとはどうなったんだよ?ヨロシクやってんのか?」ポチポチ

モバP「ああ…アイツとはもう別れたよ。こっちからフッた。」ズゾゾー

男友達「はー!?お前これで何人めだよ?前はA組のアイツ、その次はいっこ下の後輩、で、あの真面目メガネと付き合って…
ホイホイ乗り換えやがっててめーばっかズルいぞ、顔が良いからって…
俺にも一人くらい寄越せよ!」

モバP「はっは、お前モテないからなあ!」

男友達「うるへー、この女たらし!」

男友達「しっかしわかんねえな…何だってそうすぐに別れるんだ?」

モバP「何つーかな…しばらくすると飽きてくるんだよ…」

男友達「…外見の問題か?性格か?
外見だっていうなら…ほら俺の秘蔵アイテム、日高舞のグラビア…こういうのも興味ナシか?」

モバP「あー、アイドルかよ?よせって、芸能人なんてどうせ裏では本命のカレシとヨロシクやってるんだろ?そんなん俺の趣味じゃねえ。」

男友達「おまっ…俺の希望をぶち壊すようなこと言わないでくれよ…
で、一体何が不満なんだ?俺にゃお前の性癖がわかんねえよ…」

モバP「んー、説明するのは難しいけど…
あれだよ、皆はじめのうちはさ、一緒にいると色んな顔を見せてくれて面白いんだ。特に、真面目でウブな女に恋愛を教え込んでやるのが最高なんだが…
関係が進むとな、みーんな恋愛にはまりこんで反応が似たり寄ったりな感じになってくる。」

男友達「ほうほう…」

モバP「それでよ、もう大体パターンが分かっちゃうようになるんだ。俺がこう言えばどう反応するか、どんな場面で行動を仕掛けると喜ぶのか…
こうなるともう退屈だぞ、恋愛映画でも観てたほうがマシって感じ…
はー…もっとオトナな女性とオトナな関係になりてえ…
上司だったらなお良い…」

男友達「すげえ腹立つ持論だなあ…
しかし難儀だねえお前も…恋愛処女は欲しいけど恋愛に溺れる女は要らないって…お前に熱を上げてる女の子たちも、お前の本性を知ったらドン引きだろうな。」

モバP「ハハハ、それは大丈夫だよ。女の子たちには絶対そういうとこ見せないようにしてるから…」

男友達「お前外面は良いからな…」

[しばらくの後]

男友達「はー進路とかどーしよう!」

モバP「何だよ急に…お前は頭良いからどの大学でも行けるだろ?」オカシモグモグ

男友達「いやいや、その後の事だよ…自分がどういう仕事したいかとか、自分でもまだ全く分からないんだ。」

モバP「ふーん…そういうもんかね?」

男友達「お前はどうなんだよ?何か構想でもあんのか?」ジュースゴクゴク

モバP「あー、俺はまあとりあえず名の有る大学の経済学部にでも行って…
叔父さんが芸能方面にコネ持ってるから、頼み込んで就職を助けてもらうつもり。
他の業界に比べれば、俺の理想に近い女性のいる可能性も高いだろうからな。」モグモグ

男友達「具体的に、こんな仕事が良い!とか無いのか?」

モバP「…芸能人のマネージャーとか?よく分からんね。」

男友達「フワッとしてんなあ…
しかし、お前の理想って…一言でいえばクールな美人女上司か…そんな女性存在するかね?
少なくとも実在はしてる日高舞より、よほどレアだと思うぞ…
…そうだ、日高舞で思ったんだが、アイドルの付き人とかやることになったらどうする?」ズズッ

モバP「そうだなあ…まあ俺の理想には程遠い娘ばっかだろうし…
…適当におだてて頑張らせるとかか。甘い言葉でもかけて。」

男友達「…お前ってホントアレだな。」

[おまけ3]

日菜子「プロデューサーさん、このお店のパフェはとっても美味しいんですよ~」

モバP「ふーん…じゃあ俺は、このイチゴのやつを貰おうかな…」

日菜子「こっちのページに、カップル限定のジュースが載ってますけど…これも頼んじゃいましょうかあ?むふふ…」

モバP「いやあ、俺たちはあくまでアイドルとプロデューサーだから…誰かに見られたら、な?」

日菜子「むふふ…冗談ですよお。日菜子はちゃあんと弁えてますから…」

モバP「はは…」

モバP(喜多日菜子…妄想癖が激しいが、そこを除けば担当アイドルの中では扱いやすい方…
ここ最近は、凛のご機嫌をとったりまゆをはぐらかしたり大変だったからな…それに比べれば楽で助かるぜ…)



日菜子「…ねえ、少し話したいことがあるんですけど…」

モバP「ん、なんだい?何でも言ってくれよ。俺は日菜子のプロデューサーだからな…」

日菜子「…お話ししたいのは、私の王子様のことです。」

モバP「…」

日菜子「その人は、私にアイドルとしての道を示してくれました…私をシンデレラにしてくれるって。
私は、夢みたいな気分でした。その人のためなら、何だってやってやるって、そう思いました。
でも、今の私は気付いてしまいました。その人が内心冷ややかな眼で私を視ていること…
あまーい言葉をかけるときも、抱き締めて励ますときも、
こうやって、一緒にいるときも…」

モバP(こいつ…!俺の本心は、けして表に出さないよう心がけてきたのに…!)

日菜子「その人はホントのところ、私のことなんて何とも思っていないんです…きっとアイドルたちの誰のことも…
熱っぽい言葉のやり取りをするのも、手を繋ぐのも、キスをするのも、あるいは、身体を重ねるのも…
『あなた』にとっては本気じゃ無いんでしょう?」

モバP(不味い…不味いぞ…)

日菜子「ねえ、Pさん…

与しやすいバカな女に心を見透かされて、今どんな気持ちですかあ?」

モバP「…俺の本心にどうやって気づいたんだ?日菜子…」

日菜子「…

…あなたは、私の王子様でした。
まるで私のことを何でも分かってくれてるみたいに、頑張った時は誉めてくれて、つらい時は慰めてくれて…どんな時も、あなたは私が求めていることを全て満たしてくれた。
でも、ある時気づいたんです。『Pさんの振る舞いは、あまりにも私の願望に沿いすぎている』って。そこから、私の心に疑いが生まれました。」

モバP「…」

日菜子「それで私は、あなたが私のことを、自分にとってもっとやり易い相手だと思ってくれるように、あなたと過ごすとき、少し演技を加えてみました。
そうすると、やはりあなたは私が妄想していたのと同じような言動をする。
それに、注意深く観察してたら、あなたの『手法』が見えてきました。与しやすい相手は、お決まりのパターンを使えば、少ない労力で何とかできますからね?
そして、今のあなたの言葉で、疑いは確信に変わりました…。
むふふ…『日菜子』は、良くやれていたでしょう?」

モバP「…俺をどうするつもりだ?」

日菜子「どうもしませんよ?…Pさん自身のことは」

モバP「…?」

日菜子「私はただ、ホントのPさんを皆に教えてあげるだけ…あなたは本当は、計算高くて、冷たくて、人の心を弄ぶような酷いヒトなんだって…」

日菜子「1度あなたの本性がバレれば、今はお互い牽制しあってる皆も結託して、あなたを追及するでしょう。
これまであなたが必死にそれぞれの担当アイドルに散らして、うやむやにしてきた色々なものも擦り合わされて、あなたの策略は全て白日の下に晒されることとなる…そうなればもうオシマイ。
専務との関係も、きっと解消されてしまいますね…?」

モバP「(こんのクソアマが…!)なあ日菜子、俺は…お前に何か悪いことでもしたか?
そりゃ、お前への態度は本心からじゃなかったけど…俺は、お前に良い思いをさせてきたんだ…何も、俺が今まで積み上げてきたものを全部ぶち壊すようなことまでする必要はない筈だろ…?
な、だから今のやり取りは、ここだけの話にしてくれないか…?頼むよ…」

日菜子「…何人もの女性と関わってきたクセに、あなた実は何も分かってないんですねえ…女の子は、心を裏切られるのが一番傷つくんです。

そして、もう遅いですよ。さっきから私のスマホは、録音モードにしてありました…あなたの担当アイドルたちに、リアルタイムで音声が送信されてます…あなたがこの期に及んで私を丸め込もうとしとところまで、全部。…墓穴を掘りましたねえ。」

モバP「ぐぐぐ…(ちくしょう、打つ手が思い付かねえ…)」

日菜子「…ずーっと小娘の相手をし続けてきて、もう疲れたでしょう?これからは、無理しなくて良くなりますね…
…それでは。さようなら、Pさん。(モバPを置き去りにして去る)」

モバP「…ちくしょう、ちくしょう…」



日菜子(…Pさんは終わりですね。きっと雑巾みたいに惨めったらしく落ちぶれてしまうでしょう。

…ホントは、そうなったPさんを見たいだけだったりして。妄想するだけでゾクゾクきちゃいますねえ…
むふふ、今から楽しみです…)

本当に終わり

ぶっちゃけ蛇足感は否めない

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