志希「新薬! 『ツンデレ二ナール(ツンデレになる)』が出来たよ!」 (73)

だいたい10作目くらいになる志希博士の薬シリーズです。今作は飲んだアイドルが「ツンデレ」になる薬です。

もうネタ切れだもうネタ切れだと毎回最終回のつもりで書いてますが、なかなか最終回にはなりません。続いてます。これからもそんな感じで続いていきます。温かい目で見守ってください。

薬シリーズの過去作品はPixiv【トンビ(柚P)】で検索すれば出てくるはずなので、興味を持ってくれた方はぜひ読んでみてください。薬シリーズ以外の作品もあります。ちなみに柚の話もあります。柚の話を読んでください。柚は可愛いです。
喜多見柚ちゃんをぜひごひいきによろしくお願いします。

では、始めます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506006790

(事務所・志希ラボ)

ボンッ! ジュンジュワー!

志希「あ、失敗したー」

P「なにぃ。注文していた『ラブラブニナール(ラブラブになる)』は出来なかったのか」

志希「んー……別の薬になっちゃった」

志希「その名も 『ツンデレニナール(ツンデレになる)』だよ~♪」

P「優しさとは何の関係もなさそうな薬だということはさておき、聞いておこう。どんな薬なんだ」

志希「飲んだ人がツンデレになる薬♪」

P「相変わらずそのまんまだな」

志希「んふふ~♪ でもね、キミが考えてるようなツンデレとはちょーっとテイストが違うと思うんだよねぇ♪」

P「そうなのか?」

志希「ベースは『ラブラブニナール』だからね。それが多分に影響しております♪」

志希「百聞は一見にしかず。とりあえず愉快な薬だから使ってみてほしいなー♪」

P「そういうことなら使ってみよう。任せておきたまえ志希博士」

志希「じゃ、今回もよろしく~♪」

ケース1. 神崎奈緒

(事務所)

P「というわけで、このツンデレニナールができたわけだ」

奈緒「ふーん。相変わらず志希は変なもん作るなー」

P「そうだな。ところで奈緒。この薬を飲んでほしいんだ」

奈緒「……は? なんであたしがそんなもん飲まなきゃならないんだよ?」

P「ダメなのか?」

奈緒「当たり前だ。ばか」

P「ツンデレになれるぞ」

奈緒「なりたくねぇよ」

P「どうしても?」

奈緒「どうしても」

P「なんとしても?」

奈緒「なんとしても」

P「何があろうとも?」

奈緒「ず、ずいぶん粘るな……」

P「飲んでください」

奈緒「いやいや、飲まないってのっ!」

P「頼む。奈緒。可愛い。奈緒」

奈緒「か、可愛いとか関係ないだろっ!」

P「可愛い!」

奈緒「だーかーらー! もう薬と違う話になってんじゃねぇかよっ!」

P「……」

奈緒「き、急にそんな悲しそうな顔になるなよ」

P「……」

奈緒「いや。そんな『捨てられた犬』みたいな表情になっても騙されないからな」

奈緒「ホントだからなっ!」

(少しして)

奈緒「ったく……今回だけだからな」

P「ありがとう奈緒」

奈緒「……はぁ。ていうか、こんな薬効果ないと思うぞ」

P「そうなのか?」

奈緒「ツンデレってあれだろ。本当は好きなのに『あんたなんて嫌いなんだから!』って態度を取っちゃうようなやつだろ」

P「それそれ」

奈緒「じゃあ、あたしには関係ないな。別にプロデューサーさんのことなんか好きじゃないし、デレたりしないもんなー」

P「ほーう」

奈緒「……なんだよその反応は」

P「いや。別に」

奈緒「なんか気になるな」

P「まあまあ。とにかく飲んでみたまえ」

奈緒「……いいけどその代わり、プロデューサーさん。あとで何かおごってくれよな」

P「OK」

ぐびぐび……ぷぅ
ボンッ!

奈緒「……」

P「(さて、元からツンデレの奈緒はどんな変化を遂げるのかな)」

(少しして)

奈緒「……」

P「……」

奈緒「やっぱ何も変わんないな」

P「身体のどっかがおかしいとかない?」

奈緒「ああ。普通だよ」

P「なんだ」(がっかり)

奈緒「露骨にガッカリするじゃねーよ!」

P「ぶぅー!」

奈緒「ちくしょう。人がせっかく飲んでやったってのに……もうアンタなんて嫌いだっ!」(ぷいっ)

P「ごめんよ。奈緒」

奈緒「うるさい。嫌いだ」

P「奈緒~っ」

奈緒「ふんっ」

(少しして)

P「ほら、奈緒。お茶淹れたぞ。お茶菓子もあるぞ」

コトリ……

奈緒「……ふんっ」

P「機嫌直しておくれよ」

奈緒「……」

P「(駄目だ。しばらくそっとしとくか)」

P「ふぅ……俺もお茶をいただこう」

奈緒「……」

ズズズ……

P「……美味しいなぁ」

奈緒「……」

スッ……スタスタ……
ストン……

P「……」

奈緒「……なんだよ。ジロジロ見んなよ」

P「奈緒。なんで俺の隣に座ったの?」

奈緒「うるさい。あたしはまだ怒ってんだからな」

P「あ、うん」

奈緒「だから放っておくなよ」

P「うん?」

奈緒「だからー、あたしはまだ怒ってるんだから、ちゃんと機嫌を取れよって」

P「……」

奈緒「まったく。プロデューサーさんは」

P「奈緒。ごめん」

奈緒「嫌だ。許さない」

P「どうしたら許してくれるんだ」

奈緒「それくらい自分で考えろよっ!」

P「ハグしたら許してくれるかな?」

奈緒「……」

奈緒「……あ、あたしが許すかどうかはわからないけど。とりあえずやってみたらいいんじゃないか?」

P「でも、もっと怒らせちゃうかもしれないし。やめとこうかな」

奈緒「最初から諦めんなよ。やれよ!」

P「はい」

奈緒「まったく……そーゆうとこが嫌いなんだよな」

P「奈緒。こっち向いて」

奈緒「うん」

はぐっ……むぎゅー……

奈緒「……」

P「……機嫌は直りそう?」

奈緒「まだわかんない」

P「それは困った」

奈緒「も、もうちょっとギューってしてくれたら変わるかも……」

P「ほほう。では試してみよう」

むぎゅー……

奈緒「……」

P「奈緒。なんか顔赤くない?」

奈緒「気のせいだろ」

P「ふむ。そうか」

奈緒「……♪」

むぎゅー……

P「奈緒の身体は温かいなー」

奈緒「セクハラだろ。それ」

さわさわ……なでなで……

P「奈緒の髪の毛は柔らかいなー」

奈緒「勝手に撫でんな。おい」

P「じゃあ、触っていい?」

奈緒「……」

奈緒「……そんなに触りたいなら特別だぞ。今日だけだかんな」

P「わーい」

わしゃわしゃわしゃ……

奈緒「あー……もー……ボサボサになるからわしゃわしゃすんじゃねえよ……」

P「つい」

奈緒「ホント。嫌い。プロデューサーさんなんか大っ嫌いだ……♪」

むぎゅー……すりすり……

P「その割には幸せそうだよね」

奈緒「うっさい。うっさい。ばーか。黙って抱きしめてろ」

P「はいはい。お嬢様」

奈緒「……へへ♪」

すりすり……

P「(めっちゃいい匂いする)」

(少しして)

奈緒「……」

むぎゅー……

P「……」

P「奈緒。そろそろ許してもらえないかな」

奈緒「……やだ。許さない」

P「こんなに一生懸命抱きしめてるのに。やっぱりハグは無駄なのか」

奈緒「む、無駄じゃねえよっ」

奈緒「あ、あのさ。もうちょっとだけしてくれたら……その、許すかも」

奈緒「……だからまだハグしててくれよ」

P「OK」

ぎゅっ……

奈緒「……♪」

P「ハグは奈緒の怒りを鎮めるのに効果的なんだな」

奈緒「はぁ!? 勘違いすんなよなっ! いつもこんなことして欲しいわけじゃないんだからなっ」

むぎゅー……

P「今日は気まぐれ?」

奈緒「そ、そうだよ。別に……毎日して欲しいとかじゃねえし」

奈緒「……今日だけでいいんだよ」

奈緒「……」(シュン)

P「……」

P「奈緒さえよかったらさ。明日またハグさせてくれない?」

奈緒「は、はぁ!? いま言ったこと聞いてなかったのかよ!?」

P「聞いてた。でも、奈緒が気分じゃなくても俺が毎日ハグしたいんだ」

奈緒「……」

奈緒「ふ、ふーん。あっそ」

ソワソワ……

奈緒「まあ……プロデューサーさんがどうしてもって言うなら……可哀想だからハグさせてやってもいいけど」

P「ありがとう。奈緒」

むぎゅー……

奈緒「わっ……」

奈緒「……♪」

P「もう許してくれたか?」

奈緒「……」

奈緒「まだ。許してない」

P「ケチ」

奈緒「それ許される側の態度じゃないだろっ!」

P「本当はもう許してくれてるくせに」

奈緒「そそそ、そんなわけないだろっ!」

P「えー」

奈緒「ホンットにもうっ!! プロデューサーさんなんて嫌いだっ!」

P「俺は好きだぞ」

奈緒「なっ!?」

P「好きだぞ」

奈緒「……」

奈緒「……くそっ……真顔で言うなよな……ばか///」

ぎゅっ……

奈緒「あたしは……大っ嫌いだっ///」

ケース1. 神崎奈緒 end

P「志希博士。志希博士。あの薬は一体どういうものなんだい?」

志希「おや? 早速使ってみたの?」

P「すごかった。もうツン要素が気にならないくらいデレデレだった。最高だ」

志希「にゃはは♪ 最初に言ったけどベースは『ラブラブニナール(ラブラブになる)』だからね~。『LOVE』を爆発させる効能があるのさ♪」

P「ほう」

志希「ただ、失敗作だけあって、薬には副作用があるわけ」

志希「それが『素直になれなくなる』成分であって、『私は絶対デレないんだから!』って自分の感情を否定する働きがあるんだよ」

志希「で、結果的に『ツン』な態度がでちゃうの♪」

P「なるほど。本来はデレデレになるだけだったんだな」

志希「ツン要素を消せればよかったんだけどねぇ」

P「いいや。問題ない。むしろスパイスが効いてていい。『寿司のわさび』のような良さがあるよ」

志希「気に入ってもらえたら何より~♪」

P「最高だよ。次行ってくるな」

志希「オッケー♪」

休憩します
次は美嘉で書く予定です

柚を貼っておくので癒されてください
https://i.imgur.com/V9DyqYd.png

神谷奈緒

>>20
(あかん)


完全にミスです
奈緒ごめんよ

ケース2. 城ヶ崎美嘉

(事務所)

カチャ

美嘉「おはようございまーす★」

シーン……

美嘉「ありゃ? まだ誰も来てないっぽいね」

美嘉「……」

美嘉「(来るまでに汗かいちゃったなー。もう10月だってのに日差し強すぎ)」

美嘉「(飲み物欲しいな……ちょっと冷蔵庫覗いてみよ)」

トコトコトコ……ガチャッ

美嘉「……ん? 変なラベルが貼ってある飲み物がある。茶色いし麦茶かな?」

【特製ドリンクだよん♪ ご自由にお飲みくださーい♪】

美嘉「……誰だろう。これ作ったの? 暑いから用意しといてくれたのかな?」

美嘉「……」

美嘉「まー、ご自由にってあるし。飲んじゃお。いただきまーす」

コトコトコト……グビッグビッグビッ……
プゥ……ボンッ!

美嘉「……」

(少しして)

カチャ

P「おはよう。美嘉。もう来てるか?」

美嘉「……」(ビクッ)

美嘉「お、おはよう。プロデューサー」

P「うん。今日も頑張ろうな」

美嘉「は、はぁっ!? 言われなくても頑張るしっ! 当たり前でしょ!?」

P「……」

美嘉「……な、何?」

P「いや。俺、変なこと言ったかなー、って」

美嘉「べ、別に普通っしょっ! もう気にしなくていいからっ!」

P「?」

美嘉「……」(ドキドキ)

美嘉「(やばい……プロデューサーが近くにいるだけで心臓がめっちゃバクバクしてるんだけど……)」

美嘉「(普段、そこまで意識してないのに……なんなのこの気持ち……)」

美嘉「(てか、まともに顔見られない……///)」

P「美嘉。ホントに大丈夫か?」

美嘉「だ、大丈夫だってば!」

P「具合悪そうだぞ?」

ズイッ

美嘉「(うわぁぁぁ! か、顔近いっ!!)」

P「もしかして熱でもあるんじゃ……」

美嘉「うるさいっ!! 大丈夫だって言ってるでしょっ!!」(キッ)

P「……」

美嘉「あっ! い、今のは違うの……その、ごめん。大声出しちゃって……」

P「いや。いいよ」

美嘉「れ、レッスン行ってくるね」

P「……おう。体調悪くなったらすぐに言えよ?」

美嘉「……ん」

スタスタスタ……

美嘉「(あー……もうっ! 何やってんの! あたしのバカバカバカ!)」

美嘉「(この気持ちはホントになんなの……っ!)」

美嘉「(うぅ……顔が熱いし……恥ずかしいし……プロデューサーに変な態度取っちゃったし……頭ん中ぐちゃぐちゃになってるよ……///)」

美嘉「(……落ち着いたらまた後でプロデューサーに謝ろ)」

(レッスン終了後)

トレーナー「どうした城ヶ崎。動きにキレがなかったぞ。何か集中を欠くようなことがあったのか?」

美嘉「い、いえ。なんでもないです。ただ、ちょっと調子が悪かっただけで……」

トレーナー「ふむ。まあいい。もし、疲れてるならゆっくり休め。もし、悩みがあるならプロデューサー殿にでも相談しろ。いいな?」

美嘉「なっ! な、な、なんでプロデューサーに!?」

トレーナー「……? プロデューサー殿に悩みを聞いてもらうことはそんなにおかしいことか?」

美嘉「いいい、いや、そんなことないですけど……っ!」

トレーナー「?」

美嘉「と、とにかく。お疲れ様でした!」

タッタッタ……バタン!

美嘉「(ああ……もぉっ!! 『プロデューサー』って言葉にいちいち反応しちゃうんだけど……///)」

(インタビューの仕事中)

インタビュアー「今日は2人に色々話を聞かせてもらったわけだけど、次が最後の質問ね」

莉嘉「はーい☆」

美嘉「OK。なんでも聞いちゃって★」

インタビュアー「それじゃあ、『Camcam』の雑誌アンケートで1番多かった質問よ」

インタビュアー「『城ヶ崎姉妹の美嘉ちゃんと莉嘉ちゃんは、好きな人ができた時はどうやってアプローチしてるんですか?』」

インタビュアー「……ですって。答えてもらえるかしら」

莉嘉「うぇー……アタシ。恋はまだあんまりよくわかんないなー……」

インタビュアー「あらあら。じゃあ、美嘉ちゃんにバトンタッチしましょうか」

美嘉「うぇっ!? あ、アタシ?」

インタビュアー「ええ。カリスマギャルの美嘉ちゃんなら恋愛経験も豊富でしょう?」

莉嘉「お姉ちゃん! ビシッとカッコいいのお願いね☆」

美嘉「え、えぇと……アタシは、その、えっと……」

インタビュアー「あら、恥ずかしいのかしら♪」

美嘉「ち、違いますって」

インタビュアー「ふふ。さ、聞かせてちょうだい♪」

美嘉「……」

美嘉「アタシは……その、好きだって気持ちを素直に伝える、かな」

莉嘉「おおー……!」

美嘉「うん。回りくどいのとか苦手かも。ちょっと不安だけど、好きな人の前では素の自分を見せるよ」

インタビュアー「美嘉ちゃんにアプローチされたら、ほとんどの男の子はメロメロになっちゃいそうね♪」

美嘉「あはは。どうなんだろ」

莉嘉「なるよ! なるなる! お姉ちゃんにコクハクされたら1発でノックアウトだよ☆」

美嘉「莉嘉。『ノックアウト』って言い方はちょっと古くない?」

莉嘉「えぇー! いいじゃん! 一撃必殺ってカンジで☆」

インタビュアー「ふふ。本当に2人は仲がいいのね。それじゃあ、今日はお疲れ様♪」

姉妹「「はーい。ありがとうございました★☆」」

休憩します

(インタビュー後)

莉嘉「はぁー、疲れたっ!」

美嘉「こーら。あんたアイドルなんだから、人前ではしゃっきりしてなさいよ」

莉嘉「はぁーい」

美嘉「よし★」

莉嘉「ねぇねぇ! お姉ちゃん! この後どーする?」

美嘉「んー……レッスンはもう終わってるし……遊びに行っちゃおうか★」

莉嘉「やったぁ☆」

美嘉「よし。じゃあどこに……」

P「おー、美嘉と莉嘉じゃないか。仕事終わったのか? お疲れ様」

美嘉「!?」

莉嘉「あ! Pくんだーっ!!」

美嘉「どどど、どうしてプロデューサーがここにいんの!?」

P「や、たまたま2人を見かけたから声をかけただけだけど……」

莉嘉「ねーねー! いまからお姉ちゃんと遊ぶトコだったんだけど、Pくんも一緒に遊ばない?」

P「おー、いいぞ」

莉嘉「やったー☆ じゃあさ、じゃあさ! 3人でカラオケにでも……」

美嘉「ご、ごめん莉嘉! 急に用事思いました!」

莉嘉「?」

P「?」

美嘉「アタシ。帰るね!」

ダッ! タッタッタ……

莉嘉「あ! お姉ちゃん!?」

莉嘉「行っちゃった……変なの」

P「……」


(都内のカフェ)

美嘉「はぁ……またやっちゃった……」

美嘉「……なーにが『素の自分を見せる』よ……適当なことばっか言ってさ」

美嘉「都合が悪くなったら誤魔化して逃げるだけ……アタシ、ホントにサイテーだよね……」

カランカラン……
イラッシャイマセー

P「……」(キョロキョロ)

P「お、見つけた。ここにいたのか。美嘉」

美嘉「……!? ぷ、プロデューサー!?」

スタスタ……ストン

P「おす。悩んでる時はいつもこのカフェに来るって莉嘉に聞いたんだ」

美嘉「……」

P「何か考え事してるんだろ。よかったら話してくれないか?」

美嘉「え、えっと……」

P「……」

美嘉「……」(ドキドキドキドキ)

美嘉「(だ、ダメ……やっぱり平常心で話せない……)」

P「……」

美嘉「な、な、何でもない……よ」

P「……そっか」

美嘉「あはは……」

美嘉「……」(ポロポロポロ)

P「!」

美嘉「あれ……なんで涙が……」(ポロポロポロ)

P「だ、大丈夫か!? 美嘉っ!」

(少しして)

美嘉「……ぐずっ」

P「落ち着いた?」

美嘉「……ちょっとだけ」

P「悪かったな。言いづらいことだったか?」

美嘉「……」

P「無理に言わなくていい。ただ、どんな時でも俺は美嘉の味方だからな」

美嘉「……」

美嘉「……プロデューサー。心配かけてゴメン」

P「いいよ」

美嘉「……」

ドキドキドキドキ……

美嘉「やっぱ、ダメだな……」

P「うん?」

美嘉「……ねぇ。プロデューサーは担当するアイドルは素直な子がいいよね?」

P「いきなりなんだ」

美嘉「い、いいから。答えてよ」

P「……」

P「素直でも、素直じゃなくてもいいかな」

美嘉「はあ?」

P「だって担当するんだろ。どんな性格の子でも可愛いに決まってるじゃないか」

美嘉「な、何その親バカ的な受け入れ方は」

P「いままでもそうだったんだ。どんな性格でも、担当してきた子はみんな可愛い。美嘉だってそうだ」

美嘉「な!」

P「最初はちょっと派手な子だと思ったけど、みんなに気遣いができるし、努力家だし、いつも笑顔だし、絶対諦めない子だし……」

美嘉「ち、ちょい! いきなり褒めんの無しっ!!」

P「本当にそう思ってるからな?」

美嘉「え、あ、その……」

美嘉「……ありがと」

P「うん」

美嘉「……」

ドキドキドキドキ……

美嘉「……そ、そーゆうのずるくない?」

P「うん?」

美嘉「……もー……ばかっ」

P「美嘉」

美嘉「……な、何?」

P「顔真っ赤だぞ?」

美嘉「っ……うるさい/// プロデューサーなんか嫌い///」

カァァァッ……

P「?」

美嘉「……いつか。逆にドキドキさせてやんね……」(ぼそっ)

ケース2. 城ヶ崎美嘉 end

休憩するよ柚
https://i.imgur.com/rRUmEa7.png

最後の美嘉のセリフが微妙に違いました

正しくは「ドキドキさせてやるかんね」です
なんかミス多いな

ケース3. 乙倉悠貴

(競技場・撮影中)

悠貴「じゃあ、行きますよっ」

カメラマン「はーい。お願いします」

悠貴「えへへっ♪ プロデューサーさんっ。『よーいどん』をしてもらっていいですか?」

P「OK」

P「では、位置について」

悠貴「……」(スッ)

P「よーい……どん!」

ダッ……タッタッタ……!
タッ! タッ! タッ!

カメラマン「おお、彼女、いいフォームでハードルを跳ぶねぇ」

カシャッ! カシャカシャ!

P「うちの悠貴は可愛いでしょう」

カメラマン「カッコいいね」

P「うちの悠貴は最高に可愛いでしょう」

カメラマン「カッコいいね」

P「そうです。うちの悠貴は可愛いんです」

悠貴「!」

ステーン……ステーン……

悠貴「……ひゃっ! っと、っと」

カメラマン「急にハードルを倒し始めましたね」

P「聞こえていたんですかね」

(撮影後)

オツカレサマデシター

P「悠貴、おつかれ」

悠貴「……」(ぷくー)

P「おや、どうしたんだ?」

悠貴「……プロデューサーさんっ! 走ってる時に変なこと言わないでくださいよっ!」

悠貴「びっくりしてフォームが崩れちゃったじゃないですかっ! もうっ!」

P「変なこと?」

悠貴「ええと……その……可愛いとかなんとか……ごにょごにょ……」

P「ああ、悠貴が可愛いって話?」

悠貴「だからっ! そういうのは走ってる時は……あの……」

P「うん」

悠貴「て、照れちゃいますので……やめてくださいっ///」

カァァァッ……

P「可愛いな」

悠貴「ちょ! もぉぉぉっ!!」

(少しして)

悠貴「まったく。可愛いって言ってもらえるのは嬉しいですけど、時と場合と考えてくださいっ」

P「ぷりぷりしてるな」

悠貴「撮影のたびにプロデューサーさんが言うからでしょうっ」

P「まあ。ドリンクでも飲んで落ち着きたまえ」

悠貴「……むぅ。ありがとうございます。いただきます」

P「ほい」

悠貴「走ったから喉乾いてたんですよ……ん……」

ぐびぐびぐびぐび……
ボンッ!

P「げ、今の音は」

悠貴「……」

P「ゆ、悠貴?」

悠貴「気安く話しかけないでくださいっ!」(ツーン)

P「やっぱりか」

寝ます
デレマス6周年記念イベントに柚の声優さんの出演が決まったそうです。つまりもう間も無く柚の声が聞けるぞぉぉぉ!!!!
柚!!!

(少しして)

P「悠貴~。機嫌直しておくれよ~」

悠貴「むーっ」(ツーン)

P「……ふむ」

P「……悠貴。ご飯食べに行かない?」

悠貴「……」(ツーン)

ぐぅぅぅ……

悠貴「……///」

悠貴「……ぷ、プロデューサーさんがごちそうしてくれるならいいですよっ」

P「もちろん」

悠貴「でも、ごはんだけで許してもらえると思わないでくださいね。私、結構怒ってますからっ」(キッ)

P「やっぱりまだ怒ってるのか」

悠貴「当然ですっ。私はそう簡単に気分が変わったりしないんですっ!」

P「ぐぅ。こいつは手強い」

悠貴「あっ! ちなみに私、ハンバーグが食べたいですっ!」

P「では、とびきりの店に連れて行ってあげよう」

悠貴「わぁ……っ♪ すごく嬉しいですっ♪」

P「……」

悠貴「はっ!」

悠貴「で、でもっ。まだ許すと決めてませんからねっ」(ぷいー)

P「(可愛い)」

(注文の殺到するハンバーグ店)

ジュゥゥ……

悠貴「いい匂いですねっ♪」

P「いい匂いだな」

悠貴「肉汁が溢れてますねっ♪」

P「肉汁が溢れてるな」

悠貴「じゅうじゅう鳴ってますねっ♪」

P「じゅうじゅう鳴ってるな」

悠貴「いただきますっ♪」

P「はい。どうぞ」

スッ……かちゃかちゃ……
はむはむはむ……

悠貴「ん~っ♪ 美味しいですっ♪」

P「幸せそうだね」

悠貴「はいっ♪ ほっぺたが落ちそうですっ……♪」

P「……」(じっ)

かちゃかちゃ……
モグモグモグ……

悠貴「……♪」

P「……機嫌は直った?」

悠貴「えへへっ♪ まだですっ♪」

P「まだなんかーい」

悠貴「まだでーすっ♪」

モグモグモグモグモグモグ……

悠貴「♪」

P「ふむ……ならば今日は徹底的に悠貴をご機嫌にさせてやる。覚悟しておけ」

悠貴「えへへっ。プロデューサーさんに出来ますかねっ♪」

P「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」

(服屋)

悠貴「この服、似合ってますか? プロデューサーさんっ」

くるっ……くるくる……

P「似合ってる。似合ってる。最高に可愛い」

悠貴「えへへっ……♪ 次はどんなの着ましょうか♪」

P「あのワンピースなんかどうだ?」

悠貴「えっ! あのフリフリのですかっ!? ち、ちょっと私には可愛すぎじゃっ?」

P「そう?」

悠貴「ほ、ほら。あっちの赤いパーカーも素敵ですよ。スポーティですしっ」

P「あれも悠貴に似合うと思うけど、俺はワンピースを悠貴に着てみてほしい」

悠貴「……」

P「着てくれないか?」

悠貴「……」

P「きっと似合う。だから着てほしい」

悠貴「……そ、そんなにプロデューサーさんが着て欲しいというなら着てみますねっ」

P「ありがとう」

悠貴「あっ、で、でも。勘違いしないでくださいねっ。プロデューサーが可哀想だから着てあげるんですよっ! フリフリのを着れて嬉しいとかじゃないですからっ!」

P「ああ、わかってる。悠貴がフリフリの服が着たいわけじゃなくて、俺が悠貴にフリフリの服を着てもらいたいから無理に言って本当はフリフリの服を着たくない悠貴に着てもらうだけだ」

悠貴「わかってるならいいんですっ♪」(ニコニコ)

(少しして)

シャァァッ……
モジモジ……

悠貴「ど、どうですかっ?」

P「やっぱり可愛い。とんでもなく可愛い」

悠貴「っ……そんなに手放しで褒めないでくださいっ!」

P「可愛い悠貴を可愛いと言って何が悪いんだ」

悠貴「……~っ///」

P「店員さん。あの服ください。着たまま帰ります」

悠貴「ええっ!?」

(買い物後)

悠貴「♪」

P「なんだか嬉しそうだな」

悠貴「いえっ!? そ、そんなことありませんよっ!?」

悠貴「ただ、こんな可愛くて素敵な服を買ってもらっ……てっ」

悠貴「……」

P「……もらって?」

悠貴「もおっ! ニヤニヤしないでくださいっ!」(ぷいー)

P「悠貴。本当に似合ってるよ」

悠貴「……本当ですか?」

P「嘘なんかつくはずないだろ」

悠貴「私……『カッコいい』とか『綺麗』とはよく言われるんですけど……可愛いなんてあんまり言われたことないです」

P「大丈夫。悠貴は可愛いよ」

悠貴「……」

P「悠貴は可愛い。だからもっと可愛い衣装を着てほしい。そして、ファンのみんなにも『悠貴は可愛い』って言ってもらいたいんだよ」

P「悠貴はどうだ? 可愛いって言われるのは嫌か?」

悠貴「……それは嬉しいですし、言われたいですけど……」

悠貴「……私。『カッコいい』じゃなくていいんですか?」

P「当たり前だ。悠貴は可愛いんだから」

悠貴「……っ」

P「あれ? 顔が緩んでない?」

悠貴「ゆ、緩んでなんかないですよっ!? プロデューサーさんの馬鹿っ!」

P「ははは」

悠貴「……プロデューサーさん」

P「うん?」

悠貴「今日のことは、あと1個だけお願いを聞いてくれたら、ゆ、許してあげますっ」

P「それはありがたい。お願いって何?」

悠貴「……」

P「なんでもいいよ。言ってごらん」

悠貴「……」

悠貴「じ、じゃあ……ハグを……してもらえませんかっ?」

P「OK」

ハグッ……ギュゥゥゥ……

悠貴「わっ……///」

P「……」

むぎゅー……

悠貴「……うぅ……ちょっとはためらいとかないんですかっ?///」

P「ためらう必要がないからな」

悠貴「……」

悠貴「(……えへへっ///)」

P「悠貴。これで許してくれたかい?」

悠貴「……」

悠貴「じ、じゃあ……ちょっとだけ許してあげますっ」

P「ちょっとって。完全に許してくれないのか」

悠貴「そんなに許してほしいですか?」

P「許してほしい」

悠貴「……じゃあ……今度の休みの日もまた付き合ってくださいっ♪」

むぎゅー……スリスリ……

悠貴「それまではずぅっとプロデューサーさんのことを許してあげませんからっ♪」

悠貴「えへへっ///」

ケース3. 乙倉悠貴 end

休憩します

ケース4. 財前時子様

P「(ふふふ。この薬をもらった時から飲んで欲しかったアイドルが1人いる!)」

P「(それが時子様だ!)」

P「(普段のツンツンからデレに変わる様を堪能してやるぜヒィハァァァァ!!)」

P「(すでに薬を混ぜたドリンクは仕込んである!! 覚悟しろ時子様っ!!!)」


(1時間後・時子様の部屋)

時子「……」

P「……」

時子「……なんだか今日は変ね……アナタを見てると……」

ピシッ……ピシッ……

P「……」(ドキドキ)

時子「……手加減抜きで躾をしたくなるわ……♪」

P「」

時子「クックック……覚悟なさいっ!!」

P「ちょっ!!」

ヒュッ……ピシィィィィン!!!!

ンギャァァァァァ!!!!


(1時間後)

P「」

志希「ありゃ? どったのプロデューサー?」

P「し……志希……あの薬は時子様には効果がなかったよ……」

志希「いやいや、効果がないわけないよ♪」

P「ぐふぅ。では何故俺はこんな目に」

志希「そりゃ愛情表現は人によって違うからねぇ♪」

志希「時子様にとってはムチ打ちが最大限の『デレ』だったんじゃないかな♪」

P「……そ、そうか。志希」

志希「うん?」

P「2度とこの薬は……使わない……」

ぱたり

ケース4. 財前時子様 end

終わり

以上です。お読みいただきありがとうございました
ツン成分が強めのツンデレのヒロインって最近あんまり見ないですよね

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