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作者は広島出身ではないので広島弁がおかしい場合がございます。申し訳ありません。
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千川ちひろ「あれ?でもプロデューサーさんって確か組長さんに一目置かれてましたよね?」
巴「ああ、それなんじゃがな…」
ちひろ「?…なにかあったんですか?」
巴「なにかあったもなにも…ありまくりじゃ!今まで生きてこれたんが不思議じゃけえ…」
ちひろ「そ、そうなんですか…?」
巴「そもそも事の発端はあの事件から始まったんじゃ!」
ちひろ「あ、あの事件…?」ごくり
巴「あれはうちがアイドルになって初めてPが挨拶しに来た時の頃じゃ…」
巴『おいP、この扉の向こうにいる親父はハジキを持っとる。気い付けんと殺られてしまうぞ』ヒソヒソ
モバP『ん?ハジキ……?』
P(広島ではおはじきをはじきって言うのかな?)
P『俺がはじきなんかで死にそうに見えるか?大丈夫だ!任しとけ!』
巴『ちょ、馬鹿もんっ!声がでかい!』
ガラガラッ!
巴父『よう言うた!その心意気があったら巴を安心して任せられる!』
P『ほ、本当ですか!ありがとうございます!』
巴「と、いう世にも恐ろしい事件が…」
ちひろ「うーん、結果オーライなのも合わせてプロデューサーらしいですね」
巴「そういえばこんなこともあったのう…これは若い衆が教えてくれたんじゃがな…」
『オラー!今夜はカチコミじゃー!』
P『久しぶりに巴の近況報告に来たらなんかピリピリしてる…』
『カチコミすっぞオラー!』
P『かちこみ…ってなんだろ?勝ち…込み…勝ち込み!よくわかんないけど勝ちって入ってるしきっと祝勝会だろう』
P『そういえば最近カープのマジックが点灯してるってニュースでやってたな、きっとそうに違いない!』
P『おーい!すみませんが俺も混ぜてくれませんかー!?』
ちひろ「えっ!?そんなこと言っちゃったんですか!?」
巴「Pも困ったもんじゃろ」
ちひろ「それで…そのあとは?」
『は?あんた…確かお嬢のプロデューサーですよね?』
『馬鹿言っちゃいけねえや!よそもんをカチコミに参加させられるわけないじゃろ!』
P『あー、やっぱりそうですか、失礼しました…』
P『やっぱ広島県民じゃないとダメなのかな』
ちひろ「そこじゃないでしょうっっ!!!」
巴「Pは天然すぎるんじゃ!」
ちひろ「そういえば巴ちゃんは極道用語を教えてあげないんですか?」
巴「嫌じゃ、だってP相手はめんどくさいんじゃもん」
ちひろ「……それもそうですね」
巴「あ!そういやあれもあったわ!聞いてくれ!」
ちひろ「はい、次はなんでしょうか?」
巴「あれはPがうちの親父と電話をしとる時じゃった…」
P『は、はあ…いや、そうは申しましても…』
巴父『おどりゃ、落とし前つけんかい!』
P『ヒイッ、す、すみません!!』
ちひろ「落とし前はわかるんですね」
巴「さすがにそがいなことまでわからんかったらただのアホじゃろ」
巴父『なあ!××組がうろついとる六本木に仕事の一環とは言え愛しの巴を降ろしよってからに……』
P『すみません!すみません!』
巴父『もし向こうが手でも出しようもんならシマ取り合戦じゃ!』
P『しま…島取りですか?』
巴父『おう、そうじゃ』
ちひろ「すでに嫌な予感がしてきました」
巴「その予感は間違うとらん」
巴父『ワシはあんたたちアイドルには危害を加えられたくないんじゃ、わかるじゃろ?』
P『日本は島国……そうか!わかりました!巴父さん!もう日本は誰のものにもさせませんよ!』
巴父『お、おう?まあとりあえずわかってくれりゃええんじゃ、次から気をつけてくれればそれでええ』
P『はい!わかりました!失礼します!』
巴「親父が圧倒されるのを見るのはうちのクリスマスプレゼントとして枕元に拳銃が置いてあってぶちギレたあの時以来やった…」
ちひろ「天然もここまでくるともはや愛らしいですね」
巴「もうエピソード尽きたと思うじゃろ?」
ちひろ「も、もしかして…?」
巴「まだある!あれは去年の年末……」
ガシャーン
『ああっ!すみません!皿を落として割ってしまいました!』
巴『まったく…何しとんじゃ!P、すまんな、うちの若い衆が』
P『ワカイシュウ?……あぁ、若い臭!』
巴『?』
P『大丈夫だよ、巴のかわいさといい匂いであの人がめまいを起こしたんだろ?君は悪くないさ』
巴『P!?』
巴父『ごらぁ!次娘を色目で見よったら許さんど!』
『気を付けますっ!』
ワハハハハハハハ
ちひろ「もはや才能でしょうか」
巴「おそらくな」
ちひろ「なんやかんや言って場を盛り上げてるのがさすがですね」
巴「親父に気に入られとるからな、信頼の賜物じゃろ」
ガチャ ※この時点ではまだ回してないよ
P「おはようございまーす、あれ、ちひろさんと巴?珍しい組み合わせだな」
巴「今ドア開ける音がおかしかった気がするんじゃが……てかこの時点ではって」
ちひろ「き、気のせいですよっ、プロデューサーさんにそんなガチャ早く回せなんて失礼なこと!」
巴「あー、うん…うちはもう突っ込まんわ」
P「ところでなんの話してたんですか?」
ちひろ「プロデューサーさんの悪口ですよ」
P「えっ」
巴「うんうん、その通りじゃけえ、もっと精進してくれや」
P「えぇー…普通にヘコむし…」
巴「あっそうじゃ!こないだ帰省したときにうちの親父がPに伝えてくれって言うてたことがあるんじゃ!すっかり忘れとった…」
P「は、はあ…巴父さんが?電話でいいのに…」
巴「なんでも誰かに聞かれたらいけん話のようなんじゃ…」
ちひろ(絶対ヤバイやつじゃないですかそれ…)
P「わかりました、聞きます」
巴「若い衆をうちの娘とできるだけ近くにいたせたいから東京で新しいシノギを始めるという体でそっちに行くからなにかおすすめの仕事でもあれば教えてくれ、と」
ちひろ(想像の5倍やべえ!!!!)
P(シノギ…シノギってなんだろう)
そのとき村上巴、千川ちひろの脳内にはある言葉がよぎる―――
「あっ、これやばいパターンの奴だ(じゃ)」
P「……警備員」ぼそっ
ちひろ「えっ?」
P「じゃあちょっと電話してきますね!」
巴「え!?P!?待て!待つんじゃ!」
ちひろ「行っちゃいましたね…」
巴「ああ…明日海の底に沈んどらんことを祈るしか…」
P「あっ、もしもし?巴さんのプロデューサーをさせていただいておりますPと申しますが、はい、巴父さんに繋いでもらってもいいでしょうか?」
P「あ、いつもいつもお世話になっております、Pです。…はい、いえいえ、そんなことは…巴さんからの伝言の件ですが、うちの事務所の警備員などはいかがでしょうか?今ちょうどアルバイトを募集しておりまして…はい、そうです、その警備員です…そうです、もしスーツに染みやシワでもできたら大変ですので…大丈夫でしょうか?はい、あ、構わない?ありがとうございます!それでは失礼します…」
P「…あー、緊張した!」
P「それにしても巴の実家がヤクザとは知ってたがかわいいところもあるんだなあ、雨を凌ぎたいなんて…確かに秋は台風がいっぱい来るしな!」
P「よーし!仕事に戻るぞー!」
\オヤジー!Pサンカラデンワデス!/
巴父「おう、待ってろ、今行くわ」
巴父「はい、お電話代わりました。いやいや、こちらこそうちの巴がご迷惑でもかけとりませんでしょうか?…ああ、シノギの件!どうなりました?…む?警備員?というと会社の前に立っていたりするあの?……ふふふふ、ああいや、君は着眼点がすばらしいと思っちょる、うむ、その方向で構わん。うむ、それではまた頼む」
「オヤジ、ご機嫌ですね?」
巴父「いやな、あいつわしらのスーツが血で汚れるのを気にしておった。」
「スーツ、ですか?」
巴父「わしらはヤクザじゃ、ナメられるような存在にはなってはならん。ほいじゃがな、わしらは広島の人間じゃから東京もんのシマを完全に把握しとるわけやない。万が一ぶつかりよる事があればお互いただではすまん。それを見越してどこの組とも結ばれてない事務所と協力関係を結ぶことでわしらは抗争も起こさずに済む。巴も監視できる。そして向こうはわしらの力で安泰なまま。」
「な、なんと…頭の切れるお人ですね」
巴父「面白い男じゃ。やはりあのときのわしの目は狂っちょらんかった!!」
完!!
オチは四時間考えました
あと昨日に引き続いて今日もまたタイトルミスりました…
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