モバP「巴・トダベル」 (41)
・事務所
巴「おお、ここにおったか」
P「ん?巴か、どうした?」
巴「暇じゃけえ、話でもしょーかと思っての」
P「いいねいいね。俺も今仕上げ終わっちゃってさ、丁度ヒマだったんだよ」
巴「なんの仕上げじゃ?」
P「次のライブの資料。お前も出るやつな」
巴「おお、あれか!ご苦労じゃったの」
P「ありがと」
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巴「……そうか、ほいでか…」
P「なにが?」
巴「アンタの目がえらい窪んどるけぇ、不思議におもーとったんじゃ」
P「げっ…マジか」
巴「おう、マジじゃ」
P「…こういうのショックだわ」
巴「何でじゃ?」
P「疲れが体にでると、ちょっとヘコまない?」
巴「…うーん…微妙な所じゃな…」
P「例えばほら……朝起きて鏡みたら、ちょっと顔がむくんでたり」
巴「そいは嫌じゃの」
P「なんか……テンション下がるよな」
巴「確かに、ええ気持ちはせんな」
巴「うちの顔はどうかの?」
P「いや別に……いつも通りかわいいけど」
巴「そういう事やないわバカタレ」
P「ああ、むくみ的な意味?」
巴「当たり前じゃろ」
P「むくんでないよ、全然健康にみえる」
巴「そうか、良かった」
P「心配か?」
巴「ちぃとな」
P「…巴の年齢なら大丈夫だと思うけどな」
巴「こら、P。何事も気を抜いたらいかん」
P「仰る通りです」
巴「そりゃあうちはまだ13じゃが、『若さ』ゆうんに甘えとうないけん」
P「立派な心意気だ、素晴らしい」
巴「うちも成長したんじゃ」
P「成長、かぁ…」
巴「うん?」
P「戻りてーなー……」
巴「どこへ?」
P「いや、俺も13ぐらいに戻りたいなーって」
巴「それ、口癖じゃな」
P「けっこう言ってる?」
巴「駄弁りだしたら、絶対ゆうとる」
P「戻りたくて仕方ないんだな俺」
巴「大人は楽しくないんか?」
P「いや、楽しいこともあるよ」
巴「ならええと思うんじゃが」
P「ただやっぱり…楽しくないことあるんだ」
巴「例えば?」
P「朝早いし、気を使う場面も増えるし…」
巴「大人なら、そいが出来て当然じゃろ」
P「そこなんだよ」
巴「ん?」
P「大人になると『出来て当然』が増えるから嫌なんだよなー」
巴「………」
巴「……Pよ」
P「どうしt」
巴「歯ァ食いしばれやぁ!!」ザシュッ
P「ヌッ」
巴「おいP!アンタ男じゃろ!男ならしゃきっとせえ!ちったぁ正念入れんか!」
P「はい(大出血)」
巴「全く…いつになってもPは肝の据わらんヤツじゃの…」
P「ちょっとすんません」
巴「なんじゃ」
P「応急処置だけいいですか」
巴「おう、行ってき」
P「あざっす」
P「おまたせ」
巴「早かったの」
P「もう慣れたよ」
巴「というか、そのPヘッドゆうのは凄いんじゃな」
P「まあな、俺の鎖襦袢さ」
巴「うちも欲しいのう…」
P「ダメ」
巴「なんでじゃ」
P「もったいないだろ」
巴「?」
P「こんなに可愛らしい顔を隠すなんて」
巴「……本気でゆうけえ、余計タチ悪いんじゃアンタは…」
P「迷惑だった?」
巴「………分からん」
P「えー……」
巴「うちの顔はどうでもええ、今は雑談じゃ」
P「『巴の顔』について雑談でもいいけど」
巴「うちが嫌なんじゃ」
P「恥ずかしがんなよーぅ」
巴「うるさい、黙っとれ」
P「語らせてくれたっていいじゃん」
巴「なんも語ることn」
P「あるんだなそれが」
巴「そうか、分かった分かった」
P「流すなよーぅ」
P「頼む、語らせてくれ」
巴「こがーしょうもない事で土下座せんでくれ」
P「お願いです」
巴「分かったけぇ、頭あげや」
P「はい…」
巴「…はぁ…めんどくさいのう…」
P「熱意が段違いなんです」
巴「……おう」
P「…で、良いんですよね?」
巴「……まあ……」
巴「…ちぃっとだけなら、ええ」
P「ありがとうございます」
P「まずその吊り目」
巴「女らしぃて、カッコええじゃろ」
P「かわいい」
巴「ん?」
P「溢れ出る強気の中に」
P「見え隠れする優しさが」
P「ベストマッチしてかわいい」
巴「…よく分からんのう…」
P「無自覚な所がより一層かわいい」
巴「……おう…」
P「次に鼻」
巴「鼻、かの?」
P「かわいい」
巴「うーん…」
P「特別、高くもなく低くもなく」
P「純日本人らしい鼻ではあるが」
P「確かに残るあどけなさが」
P「年相応でかわいい」
巴「誰でもそうじゃろう」
P「否認を貫く姿勢かわいい」
巴「…事実じゃ」
P「さらにその口」
巴「……口…」
P「かわいい」
巴「………」
P「適度な厚さでありながら」
P「その艶かしさたるやもう…」
P「…それはもう…」
巴「………」
P「顔真っ赤かわいい」
巴「うっ……」
巴「……終わりかの…?」
P「ちょっとだけなら良いんだろ?」
巴「…まあ…そうじゃが…」
P「今回はこの辺にしておくよ」
巴「……次もやるんか」
P「分からん、気分次第だな」
巴「……」
P「…急に口数減ったな」
巴「アンタのせいじゃろうが」
P「巴はかわいいなぁ…」
巴「ぐぬぬ……」
P「話は変わるけどさ」
巴「……なんじゃ」
P「この前の土曜、あそこの服屋行ってなかった?」
巴「…こがな場合は警察か……いやうちの若い衆がええかの……」
P「やめてストーカーじゃないからやめて」
巴「言い訳は聞きとうない」
P「前を車で通ったらたまたま見かけたんだって」
巴「なんじゃ、そういうことか」
P「早とちりすぎるでしょ」
巴「すまんすまん」
巴「それにしても、Pに見られとったか…」
P「赤髪だからすぐ分かったよ」
巴「不覚じゃ…」
P「…隠密行動してたの?」
巴「そういう訳やないが…」
P「?」
巴「……まあ気にすんなや、P」
P「怪しい……」
巴「…なんじゃその目は」
P「担当アイドルを勘ぐる目」
巴「うちはなんも隠しとらんよ」
P「………」
巴「………」
P「……何を買ったんだ?」
巴「服じゃ」
P「服にも色々あるだろ」
巴「パンツじゃ」
P「!!??」ガタッ
巴「な、なんじゃ?」
P「…いや、何でもない…何でもないんだ…」
巴「…?」
P「ち、ちなみに…色は…?」
巴「黒じゃ」
P「…意外だな…」
巴「黒は合わんかの?」
P「そんな事ないぞ!イメージは白だけど!」
巴「白か、確かにええかもしれん」
P「…いやでも…黒も全然ありだな…」
巴「??」
P「話それたな」
巴「戻さんでええ」
P「……なぜそこまで嫌がるんだ」
巴「嫌がっとらん。他の話がしたいんじゃ」
P「……別にいいけどさ」
巴「不満そうじゃの」
P「だって巴さ、あんまりこういう話しないじゃん」
巴「プライベート、ゆう事か?」
P「そう」
巴「話す義理はないじゃろ」
P「駄弁んのに義理とかないだろ」
巴「ああ言えばこう言うのう」
P「大人ですから」
巴「それも『出来て当然』の中入っとるんか」
P「当たり前田のクラッカー」
巴「そのギャグも入っとるんか」
P「オプションね」
巴「しょうもないもん付け足したんじゃの」
P「オプション繋がりでちょっと良い?」
巴「おう」
P「村上家のあの車って、やっぱ高いの?」
巴「いや…そういえば知らんのう…」
P「教えてくれないの?」
巴「教えてはくれるんじゃろうが…」
P「聞いたことないのか」
巴「そうじゃな」
P「でもめっちゃ乗り心地よさそうだよな」
巴「Pのんに比べりゃ天国じゃの」
P「いきなりマイカー批判された」
巴「事実をゆうとるまでじゃ」
P「尖った事実は投げなくていいよ」
巴「実際、乗りにくいじゃろ」
P「……」
巴「小さいし」
P「……」
巴「ヤニ臭いし」
P「……」
巴「まあうちは」
P「……?」
巴「Pの車も好きじゃがn」
P「巴ぇ!」ギューッ
巴「やめえ!離せや!」ジタバタ
P「離さない!!」ギューッ
巴「うぅーっ!」ジタバタ
P「大好き!」ギューッ
巴「P!覚えとれよ!」ジタバタ
P「巴分補充完了」
巴「……鬱陶しい…」
P「……」
巴「……なに見とるんじゃ」
P「……今日は機嫌いいのか?」
巴「…は?」
P「いつもならめっちゃキレるじゃん」
巴「……今回は、許したるけん」
P「……あっ」
巴「?」
P「2人っきりだから?」
巴「……」
P「皆の前だと恥ずk」
巴「P?」
P「……あっ」
巴「それ以上は…な?」
P「はい」
P「睨み殺されるかと思った」
巴「アンタが悪いんじゃろ」
P「その節は誠に」
巴「もうええ」
P「……ほんと凄いよな」
巴「なんじゃいきなり」
P「お前の貫禄」
巴「…そうかの?」
P「普通あり得ないもん」
巴「……親父には勝てんよ」
P「いや、そうかもしれないけどさ」
P「13歳女子のそれじゃないよ」
巴「……まぁ…」
P「……」
巴「……それはちぃと嬉しいの」
P「…ツボが分からん…いや分かるけど…」
P「そんだけ貫禄あって、赤髪で目立ってたらさ」
P「学校では一目置かれるでしょ?」
巴「男は…そうかもしれん」
P「『お嬢!』みたいな?」
巴「大体そがな感じじゃ」
P「…すげえな」
巴「うちが可愛がっとるけぇの」
P「…それでいいのか男子……」
巴「ええんじゃ、家族みたいなもんじゃけ」
P「ああ、弟みたいな?」
巴「それに近いかのう」
P「いやそれでも……まあいいか」
P「じゃあ女子からは?」
巴「………」
巴「……よ、呼び捨て?」
P「そこまで朧げなの?」
巴「…まあ…ほれ、女子は…その…」
P「うん」
巴「…友達、じゃけん…色々…」
P「………あっ、なるほどね」
P「あだ名で呼ばれてるってことか」
巴「……そうじゃ…」
P「……あだ名は嫌?」
巴「……嫌ゆうか…」
P「?」
巴「…あいつらの付けるあだ名が気に食わんのじゃ……」
P「ちょっとその辺詳しく」
巴「………」
女子A『今日も遅いねー』
女子B『また男子に付き添われてるんじゃない?』
<ガラッ
巴『はあ、やっと教室じゃ…』
女子A『あっ、ともえっちだ』
女子B『ともえっちおはよー』
巴『……おはよう』
女子B『どしたの、ともえっち』
女子A『テンション低いよ?』
巴『…ええ加減その…と、ともえっち?ゆうのやめてくれんかの』
女子A『…えー……』
女子B『…ショック……』
巴『……うっ…』
巴『いや、まあ…あれじゃ…やめえゆうか…』
女子B『ともえっち』
女子A『ともえっち』
巴『……』
女子A (顔赤いね)
女子B (真っ赤だね)
巴『…と、巴、じゃから…』
女子A (かわいい)
女子B (ほんと狂おしいほどかわいい)
女子C『ちょっとー!やめなよ女子ー!』
女子B『出たな女子C!』
女子A『貴様いいところで!』
女子C『AもBも!巴をいじめちゃダメだって言ってるでしょ!』
巴『…!お、おお!もっと言うたれ!こいつら全然分かっとらんようじゃけぇの!』
女子C『この前みんなで巴のあだ名は…』
女子C『ともえるん』
女子C『にするって決めたでしょー!』
巴『……へっ……?』
女子A『そうであった……』
女子B『忘れておった……』
女子C『もうっ!ちゃんとしてよね!』
巴『………』
巴『…は…ははっ…』ヘナヘナ…
女子B『ともえるん?!』
女子C『だ、大丈夫?!保健室いこっか!?ねえ!?保健室いこっか?!』
女子A『欲望の漏れ方が大胆』
巴『…うちは…巴じゃ…』
巴『村上、巴なんじゃ……』
巴「…という訳じゃ」
P「うわぁ…………」
巴「ひどいと思わんか?」
P「…ひどいというか…」
P「色々あぶないんじゃないかな…」
巴「何がじゃ?」
P「…Cがもう…すごかったよ…?」
巴「いつもあんなんじゃが」
P (慣れてしまったのか……!!)
巴「巴でええて言うとるのに…」
P「………」
P「…話に出てきた子についてなんだけど」
巴「おう」
P「……体触ってきたりしない?」
巴「おお、よう分かったの」
P「……どんな感じ?」
巴「急に後ろから抱きつきよったり」
巴「胸をm……それぐらいじゃな」
P「…………………」
巴「……えらい不安そうじゃの」
P「…一つだけ、お願いがある」
巴「なんじゃ」
P「………」
P「……絶対に…油断するな」
巴「お、おう?」
P「…他に何かある?」
巴「いや、こんぐらいじゃの」
P「そうか……」
巴「アンタは無いんか」
P「え?」
巴「悩みとか無いんか?」
P「んー……悩みか…」
巴「あるんなら、うちに相談しぃや」
P「特にないかなぁ…」
P「……じゃあ…悩みじゃないけどさ」
巴「おう」
P「この部屋にコーヒー作れるアレ欲しくない?」
巴「いらん」
P「はやっ」
P「なんでさ!」
巴「邪魔んなるじゃろ」
P「そんなにデカくないって!最近のは電子レンジぐらいだって!」
巴「それでもいらん」
P「コーヒーが嫌いなの?それとも俺が嫌いなの?どっちなの?」
巴「……コーヒーはあんまし飲まん」
P「苦いからだろー」
巴「いや、苦さはいけるんじゃ」
P「じゃあ何で?」
巴「分からんが、好かん」
P「やっぱお茶派か」
巴「そうじゃな」
P「麦茶美味いけどさー」
巴「そう、うちはよう冷えた麦茶がありゃええんじゃ」
P「でも俺はコーヒーも飲みたいんだよー」
巴「…うるさいのう…」
巴「ちひろさんにゆうて、買ってもろたらええんじゃ」
P「そうしよっかなあ…」
巴「そうかPのポケットマネーじゃな」
P「そんな金無いもん」
巴「なら選択肢は一つじゃの」
P「出してくれるかな?」
巴「うちに聞かれてもしらん」
P「あの人そういうとこ厳しいんだよ」
巴「ええ事じゃ」
P「まあな」
巴「ところで」
P「ん?」
巴「その機械はいくらするんじゃ?」
P「しらん」
巴「いやここで『しらん』はいかんじゃろ」
P「何かのCMでみて、あー欲しいなーって思っただけだから」
巴「軽いのう」
P「買い物なんてそんなもんじゃない?」
巴「値段くらいは普通見るじゃろ」
P「あんま気にしないな」
巴「…そこはうちより豪快じゃの」
P「巴はどうなん?」
巴「そりゃあ…自分で金貯めて…」
巴「ちゃんと決めてから買うんじゃ」
P「意外だ」
巴「よう言われる」
P「親父さんの教えか」
巴「…まあ、そうじゃな」
P「…良いお父さんだよ、本当に」
巴「……ふん」
P「親父さん、大切にな」
巴「……?」
P「いなくなってからじゃあ、遅いんだ」
巴「……」
P「どんだけ葬式を派手にしたって」
P「そんなので死んだ人は喜ばない」
P「生きてる内に孝行しなかったくせに」
P「何を今更、て事さ」
巴「……」
巴「…そう、じゃな」
巴「……そういえば、今日じゃったな」
P「……」
巴「……」
巴「……今年は、泣かんのか」
P「…おう」
巴「………」
巴「……強なったのう、P」
P「まあな」
巴「……でもな」
巴「我慢できんなら」
巴「泣いてええんじゃけぇの」
P「……そんな事言うのも、意外だな」
巴「そうか?」
P「男なら泣くな、って言いそうじゃん」
巴「……確かに、男なら泣くのはいかん」
巴「…ただ、無理してまで我慢するなゆう話じゃ」
巴「泣くのはいかんが、無茶はもっといかん」
巴「そうじゃろ?」
P「………」
P「……言えてるな」
P「……あっ」
巴「なんじゃ」
P「もうこんな時間になってた」
巴「おお、ずいぶん喋ったんじゃの」
P「喋りすぎたな…」
巴「…いぬんか?」
P「ああ、その前に送ってくよ」
巴「すまんの」
P「…今度は車で2人っきりだな」
巴「また駄弁るんか」
P「それしか無いだろ」
巴「もっとあるじゃろ…」
P「いいじゃんかよーぅ」
巴「……」
巴「……仕方ないのう」
おしまい
広島弁が自分の関西弁とごっちゃになってすっごいややこしい
一瞬でも見てくれたらありがとう
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