バーゼラルド「これならそーんなにムズかしくないしらくしょーだねっ!」
──月刊モデルグラフィック 2017年10月号より引用
*あおの部屋
轟雷「あお!? そ、その姿は一体……!」
源内あお「あれー? 轟雷、いつもよりもおっきくない?」
轟雷「あおが小さいんですよ! 私たちと同じサイズ、と言うよりFAガールになっていますよ、あおっ!!」
https://i.imgur.com/ssdRFNu.jpg
あお(15cm)「えー、轟雷ったら夢でも見てるの? 私がFAガールになったなん──って、なんじゃこりゃー!?」
スティレット「見かけないFAガールが居るわね。新入り?」
バーゼラルド「スティレットー。このFAガール、あおっぽいよ?」
スティレット「あおがFAガールってあんた夢でも見てるんじゃ──って、あおじゃない!?」
轟雷「その流れはもうやりましたよ、スティレット……」
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スティレット「ほ、本当にあおなの? FA社が作ったレプリカとかじゃなくて?」
轟雷「それはそれで何をやっているのですかFA社? と言いたくなる案件ですよ」
あお「まぁ、FAガールになっちゃったものは仕方がないっか。それよりも、轟雷たちと同じ目線の光景って前にも見たような……?」
バーゼラルド「多分、あおが風邪ひいた時の夢の話じゃない? バーゼたちが人間になってあおと一緒の学校に通っているっていうアレ」
あお「あ、それだ!」
轟雷「早くもあおがこの状況に適応し始めていますね……」
スティレット「この無駄に高い適応力はあお本人よね……」
あお「とりあえず、今日は学校休みで良かったよ。この姿じゃ学校に行くのも一苦労しそうだし」
バーゼラルド「あおはさ、これからどうするの?」
あお「あ、私、スティ子とバーゼみたいに空を飛んでみたい!」
バーゼラルド「ふっふっふ、バーゼ様の飛行ユニットをあおに使いこなせるかな?」
スティレット「ちょっとあんたたち! 普通に会話進めてんじゃないわよ!」
轟雷「そうですよ! あおがFAガールになるなんて明らかに異常事態です! このままではあおが、このままでは、あおが……? ……FAガール、私とお揃い? ……このままで良いのではないでしょうか?」
スティレット「良くないわよ! 何流されてんのよ! あおは元々人間なんだからFAガールのままで良いはずがないでしょう!」
轟雷「……はい、ごもっともです」ショボン
バーゼラルド「もう、スティレットは真面目だなー」
あお「あははー、スティ子らしいよねー」
スティレット「あんたの話でしょうが! 何で他人事みたいになってんのよ!?」
轟雷「とりあえず、何故あおがFAガールになってしまったのかを明らかにしておくべきだと思います」
スティレット「……まぁ、順当ね。あおは何か心当たりないの?」
あお「うーん、特にないかな?」
スティレット「即答!? 少しは真面目に考えなさいよ!」
バーゼラルド「今日もスティレットの突っ込みが冴える!」
スティレット「うっさい! バーゼラルドォ!」
轟雷「ええと、私が目を覚ました時には、すでにあおはFAガールでしたね」
あお「そうそう! 目を覚ましたら轟雷がすっごい驚いていたんだよねー。でも、私もびっくりだったよ~」タハハ
スティレット「……私とバーゼラルドもさっき目を覚ましたばかりだったから同じ意見になるわ。となれば、あおが寝ている間に何かあったと考えるのが妥当じゃない?」
轟雷「確かに昨夜の段階では間違いなくあおは人間だったはずです。夜食においなりさんを3個食べていました」
あお「え!? 轟雷、見てたの?」
バーゼラルド「あおー、知らないよ? 太るよ?」
あお「……そう言えば、FAガールって太るの?」
バーゼラルド「太らないね!」
あお「私、一生FAガールでいるね!」
スティレット「こらー! そこのあほっこ共!」
あお「うぅ、冗談なのにスティ子に怒られた……」
轟雷「夜食以外は特別いつもと違うことはなかったかと思います。……こんな時にアーキテクトが居てくれれば心強かったのですが」
バーゼラルド「それは仕方がないよー。バーゼたち以外は多分マスターを見つけちゃったんだろうし」
スティレット「……マスター探しの旅、そんなこともあったわね」
あお「スティ子とバーゼはすぐに帰って来てくれたっけ? ……何だか懐かしいなぁ」
バーゼラルド「アーキテクト……」
スティレット「シロクロ……」
あお「迅雷にフレズ……」
轟雷「いえ、あの、マスター探しの旅立ちは一昨日で、スティレットとバーゼラルドが帰ってきたのは昨日の話ですよね?」
あお「あれ? そうだったっけ?」
バーゼラルド「テヘペロ」
スティレット「あおの家がすぐに恋しくなったのよ! 悪い!?」
轟雷「……悪いと言えば悪いです」ジロリ
スティレット「えぇっ! どういう意味よ!?」
バーゼラルド「鈍感なスティレットは放っておくとして、実はあおをFAガールにしたのはこの天才バーゼ様なのです!」ババーン!
あお「へー、凄いねバーゼ」
轟雷「凄いですね、バーゼラルド」
バーゼラルド「あれー?」
スティレット「あんた、何やっちゃってんのよ!? このお騒がせバーゼラルドォ!!」
バーゼラルド「うんうん、スティレットの反応が良くてバーゼは満足だよー。で、なんであおと轟雷はそんなに反応が淡白なのさー?」
轟雷「何故と言われても、バーゼラルドはシロとクロに混じって冗談を言うFAガールだと私は最近認識していますし」
あお「バーゼっていたずらっ子だしねー」
バーゼラルド「あれれー? バーゼの評価がおかしいぞ?」
スティレット「どうでも良いけど早くあおを人間に戻してあげなさいよ! あおがFAガールだと何だか落ち着かないのよ」
バーゼラルド「あ、スティレットはそういう理由であおを戻そうとしていたんだね」
轟雷「……あの、バーゼラルド? あおをFAガールにしたのは本当にバーゼラルドなのですか?」
バーゼラルド「うん。そうだって言ってるじゃん」
轟雷「……」フム
轟雷(今度バーゼラルドにあおのプラモデルを量産してもらいましょう)
轟雷「それで、どうやってあおをFAガールに?」
バーゼラルド「ええとね、マスター探しの旅の途中で模型雑誌を読んだんだよ」
スティレット「そう言えば、あんた本屋さんに紛れ込んでいたわよね」
轟雷「……模型雑誌とあおのFAガール化に何の関係が?」
バーゼラルド「今月の特集でFAガールの低身長化っていう記事があってね、そこにはこう書かれていたんだよ」
バーゼラルド『身体のあちこちからちょっとずつ切って縮めるんだー。これならそーんなにムズかしくないしらくしょーだねっ!』ハイライトオフ
バーゼラルド「ってね」
轟雷「──そこで夢が覚めました」
スティレット「夢オチかい!?」
バーゼラルド「えー、バーゼがヤンデレっぽくってヤダよー」
あお「なんか最後の台詞ってホラーだよね?」
轟雷「くっ、バーゼラルドにあおのFAガールを量産してもらう計画が……!」
スティレット「……最近の轟雷って変わったわよね?」
バーゼラルド「割と前からこんな感じだよ?」
あお「でもさぁ、私がFAガールになれたらやっぱり空は飛んでみたかったかも」
バーゼラルド「人間が自力で空を飛ぶことは永遠の夢なんだっけ?」
スティレット「その辺り人間って不便よね? あたしたちは簡単に飛べるのに」
轟雷「……私は飛べません」
バーゼラルド「フレズヴェルク戦で飛んでなかったっけ?」
轟雷「あ、そうでした」
スティレット「と言うか互換性があるからFAガールは誰だって飛べるわよ」
あお「えー、良いなー。空を飛べれば学校まですぐだし、買い物も楽で良いよねー」
バーゼラルド「理由が何と言うかあおらしいよね」
ガチャ
寿武希子「あおー、お邪魔するなりよー」
あお「あー、ブキ子ー。そう言えば、今日遊ぶ約束だったっけ?」
武希子「左様でありまするー。そして、ここに取り出したるは買ったばかりのモデグラ今月号! キュートな表紙もこれはこれで乙ですなー。そしてそして! 寿武希子注目の記事はFAガールの低身長化特集で──」
轟雷「……え?」
スティレット「ま、まさか……」
バーゼラルド「……」ページヲチラリ
バーゼラルド「『身体のあちこちからちょっとずつ切って縮めるんだー。これならそーんなにムズかしくないしらくしょーだねっ!』だって……」
スティレット「いやー!!」
武希子「あ、それとあおー。荷物が届いていたようだったので持ってきておいたなりよー」
あお「ありがとね。ええと、何だろこれ? 見たことのある大きさのダンボールだね。またFA社からかな?」
武希子「FA社とな!? ぜ、是非とも見せて欲しいでありんす!」
あお「ブキ子、それじゃあ舞子さんだよ……。とりあえず、開けてみよっと」
スティレット「……ねぇ」
バーゼラルド「うん」
轟雷「はい、嫌な予感がします」
あお「何かな、何かなー? ……これも見たことあるような箱だね。中身は──」パカッ
バーゼラルド「……あーあ」
スティレット「……やっぱり」
轟雷「……」ヨシッ!
あお「え、このFAガールってもしかしなくても──」
カチリ
FAガールあお『アオキドウシマス。……あれー? 轟雷、いつもよりもおっきくない? と言うか、え? 私が居るし!?』
バーゼラルド「──こうして、人間あおを加えて冒頭に戻るんだよ」ニヤリ
世にも奇妙なFAガール 終わり
最近ずっとFAガールばっかり作っていたので、FAガールSSでリハビリしてみました
プラモデルの再販も続いていますので皆さんもFAガールを作ってみると良いと思いますよ!
おまけの充電さん(充電くんを擬人化?)
https://i.imgur.com/ZToMuvS.jpg
それではまたどこかで
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