女騎士「近くにいたお前が悪い」 (1000)

≪過去スレ≫
女騎士「いやだ!死にたくない、仲間の居場所でも何でも話すから!」 女騎士「いやだ!死にたくない、仲間の居場所でも何でも話すから!」 - SSまとめ速報
(http://www.logsoku.com/r/news4vip/1374167969/)
女騎士「絶対に死んでたまるか!!絶対にだ!!」 女騎士「絶対に死んでたまるか!!絶対にだ!!」 - SSまとめ速報
(http://www.logsoku.com/r/news4vip/1374408863/)
女騎士「いやだ!死にたくない、仲間の居場所でも何でも話すから!」女騎士「いやだ!死にたくない、仲間の居場所でも何でも話すから!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1374513485/)
女騎士「私が死ぬと思ってるの? バカなの? 死ぬの?」女騎士「私が死ぬと思ってるの? バカなの? 死ぬの?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1375200813/)
≪あらすじ≫
キュートでファンシー、ビビッドなお茶目さが魅力でお馴染みの女騎士ちゃんがめっちゃ活躍した。
女騎士ちゃんは果たして薄汚い魔物どもを一匹残らず根絶やしにする事ができるのか。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375900319

前スレ
999:名無しNIPPER[sage]
2013/08/08(木) 03:24:33.86 ID:yEuggtchO
1000なら敵兵ハッピーエンド
1000でも無理そう

1000:名無しNIPPER[sage]
2013/08/08(木) 03:39:05.55 ID:aW1YJe1Io
1000ならほの字ちゃんが最後に笑う


頑張れ敵兵……

≪幕間≫

――撮影を終えての感想をお聞かせください

おかっぱ「のどが潰れた(笑)」

女騎士「わかる(笑)。ようこそ現場へって感じです」

敵兵「しかし、6年ぶりだってのに全然演技変わってないよね、女騎士」

女騎士「怒鳴り合いの相手が変わっただけよね」

おかっぱ「ほんっと、喋りっぱなしで汗がすごいです。衣装びしょ濡れになりますし、おかっぱちゃんって動き多いから」

エルフ三男「甘えるな! もっと小さい子がいるんだぞ!(笑)」

おかっぱ「あー……双子ちゃんか。そういや役と違って女の子の双子なんですよね。びっくりした」

女騎士「あの子達、なんで来てないの?すごい可愛いのになー」

――収録時間が合わなかったそうです(取材時の時刻は午前2時)

勇者「夜中にこんな事してる僕らも僕らですけどね」

エルフ三男「よい子は丑三つ時にぶらぶら出歩かないと(笑)」

女騎士「んもー可愛いの。お弁当食べてる時が一番可愛いのよ、マネージャーさんと一緒にさあ」

エルフ三男「出た!親バカ!」

おかっぱ「親バカ(笑)」

(一同爆笑)

女騎士「6年前の勇者くんもすっげー可愛かった。可愛かったんだけど……」

おかっぱ「現場じゃ三枚目ですよね、どっちかって言うと」

勇者「高校生活が僕を変えてしまったようです」

敵兵「凄い真面目なんだけど、なんか笑えるというか……」

エルフ三男「にらめっこ常勝無敗のイケメンだよね」

敵兵「それだそれ、面と向かうとなんか吹き出しちゃう(笑)」


糸冬

オーク「許してくれ・・・許してくれ・・・」ドビュルルルルルルルル
魔法使い「おぼおぉぉぉぉぉぉぉ」グツグツ
クズ「ククク」
これで一冊描けるじゃないか

女騎士「……するってーと何か、未だにガスを使用した部隊は特定できていません、デマも流れて一部で大荒れですってか」

エルフ三男「ええ、まずいですね……十中八九、魔王軍はこれに乗じて旧帝国体制へのバッシングを強めましょう」

女騎士「シャクだな、私に断りもなくそんなオモシロふしぎ道具を持ち出してくるとは!死にやがれ!」

エルフ三男「ぼくが出ます、とにかく動かない事には……!」

女騎士「ふざけんな、やめとけ。ただでさえお前らエルフは既得権益ドロボー呼ばわりされてる上に、
条約抵触の常習犯だろうが。この上化学兵器の開発や使用への関与が明るみになれば、ガサ入れじゃ済まねえぞ」

エルフ三男「しかし……!」

女騎士「(幕府のマメチビ……違うな、連中の引き連れてきた兵隊や物資は北西諸島の検閲を受けている。
そもそも、今回の作戦ではドラゴンに慣れたエルフの兵を中心に部隊を構築している、そんな奇妙なモンを持って来れまい)」

エルフ三男「クッ……全騎に通達、戦闘を避け風上へ向かえ!指定地にて別命あるまで待機!」

女騎士「(連合も違うか。連中、本国でも魔王軍融和派を抱えている、無暗にそういったキの字を自国内で煽る真似はまずしない筈……
ではまさか、魔王軍……毒ガスばらまく魔物がいたとしても不思議じゃあない……使用が疑われたとしても誤魔化す事はできるか……?)」

エルフ弓士「閣下……帝国領での情報統制もそろそろ限界かと。北西諸島がそろそろ動き出します!」

エルフ三男「どうせ末端の雑兵だ、地方警察とそう変わるまい。構わん、射殺していい」

女騎士「(それか北西諸島がやったか、だな……あの島国連中の腹の内は未だにわからん所が多い……
案外、これがアタリかもしれんな……やってくれる、ドラフェチどもが……!!)」

竜騎兵長「有毒ガスの使用だと!?そんな報告は受けておらん、許可などするものか!!」

騎手「し、しかし……」

竜騎兵長「この私が、わざわざ旧帝国の目と鼻の先にまで出向いたと知っての事か!?
やはり大陸の俗物に戦の気品や礼節を求めるのは無駄だったか……!!」

騎士ほ「……閣下。私が出ますわ、これも目付け役たる私が招いた惨事……!」

竜騎兵長「お前が……!?」

騎士ほ「夫亡き後、哀れな私を拾っていただいた女王陛下への御恩に、少しでも報いねば……」

竜騎兵長「……お前にはまだ幼い子がいるだろう、死のガスが蔓延しているやもしれん戦地に差し向けるなど!」

モルドレッド「ぼくがいてもダメかな、兵長。彼女は非常に有能な騎士だ、期待に応えてくれる働きを何度もしてくれただろう」

竜騎兵長「モルドレッド卿、あなたまで……」

モルドレッド「……円卓もなるべく不祥事沙汰になるような芽は、明るみに前に摘んでおきたいと言う事だよ。
行動を起こしたという体面を求める他の騎士たちにも体裁を繕える。そういう事で、納得してもらえないかな?」

竜騎兵長「……仕方ありますまい、私も随行させていただきますぞ。構わんな!」

騎士ほ「ああ……ありがたき幸せにございます……!!」

将軍丙「あ、あなた……!まだこんな所にいたの!?」

姪「まだ全てを把握したわけではないからな。案外、ガスの流出というのも事故……いや、それ自体がデマなのかもわからん」

将軍丙「何を言っているの!あなたも早く逃げなさい!」

姪「あなた方は、自己の徳に基づいて……ここに残って避難活動の支援を行っている。
私も同じだ、私も私の善性に基づくままに行動しているだけに過ぎない」

将軍丙「あなたは生身の人間でしょう……!」

姪「だからどうした。何だと言うのだ、あなた方と私とで何が違うと言うのだ。決定的な差異があるなら言ってみろ」

将軍丙「くっ……」

姪「私はまだ、この目で捉えていないのだ。罰を下すべき罪人の姿を。すぐ近くにいる筈だ
……二度と立てんようにした上で、必ずブタ箱に叩き込む。必ずな」

アラクネー「か、閣下ぁ。逃げましょうよォ」

将軍丙「30分!それだけ付き合うわ、それだけよ!」

アラクネー「」

姪「……救えんな」

竜騎士長「全騎兵、上昇せよ!使用されたのが硫黄由来の気体ならば低位に留まる筈だ!」

騎士ほ「……」

モルドレッド「浮かない顔だね」

騎士ほ「あら……そう見えましたかしら……フクク」

モルドレッド「機嫌が悪いと見た」

騎士ほ「そう見えるのなら、話しかけないでくださいまし……」

モルドレッド「……ごめん、調子に乗ったよ、すまない」

騎士ほ「……」

モルドレッド「(旧帝国師団の受け入れは、確かに円卓会議の賛成あっての事……
彼女自身の弁舌に心動かされた者が大半だ、事実として周囲からは人道的観点から好意的に取られた……)」

騎士ほ「……先行いたします……兵を動かしますわ……」

竜騎兵長「死に急ぐな、くれぐれもな!」

モルドレッド「(ガスの使用を消去法で考えるなら、魔王軍か帝国残党……だが、彼らに擦り付ける事を前提とした使用だとすれば……
……もしや、師団の連中か?そうとするなら、嫌疑の目を彼女にも向けねばならんが……)」

騎士ほ「……」

モルドレッド「(クク……今は、そんな事は野暮だな。考えるだけ無駄か。こんな所で弾劾などする気はない……
女王派にも好かれている彼女を貶めたとて、僕にはなんらメリットはない……そうさ、そもそも……)」

騎士ほ「……あら、卿はついて来てくれませんの?フクク……」

モルドレッド「(僕が彼女に与さない理由などないわけだからな……)」

モルドレッド「エクスカリバーを限定解放する。承認してくれ」

竜騎兵長「……よろしいのですかな、私めの名が本国の書類に送られてしまいますが」

モルドレッド「やれやれ……僕は相当君たち王党派に嫌われているみたいだな」

竜騎兵長「(ふん……円卓の青二才が。反女王派に負けず劣らずのタヌキぶりを見せてくれる……!)」

モルドレッド「『本物』でなくとも、我らが王国の威光は伝わる筈だ。よろしく頼む」

竜騎兵長「……御意に」



騎士ほ「(……モルドレッド卿が抜刀した……エクスカリバーを使う気か?)」

騎士ほ「(創国の宝剣……円卓に配られしそのレプリカ……!下手をすれば、本国で尋常でない反感を買うが……)」

騎士ほ「(フクク……何にせよ好都合だ、この目でその図々しい神意とやらを確かめられるのだからな)」

騎士ほ「(せいぜい円卓の椅子の座り心地を楽しんでおくがいい……王座に付くに相応しいのは猿山の大将じゃあない。
……近々には明け渡してもらうぞ、その場を……わたしのお姉様になあ……!!)」

姪「テロリストどもの奇襲から数刻……ガス騒ぎはそれから流布し始めたのだろう」

将軍丙「状況から考えるに、連中の後続部隊が流出をさせたのでしょうね。姑息なマネを……!」

姪「……近辺の路線図はあるか」

アラクネー「は、は、はいぃ」

姪「恩に着る。上下水道の配備図くらいしか持ち合わせていないのだ」

将軍丙「(ああ……)」

アラクネー「(だからちょっと臭うんだ……)」

姪「……なるほどな、この敷設状況なら……南西……ゲットーと連合駐屯地の中間地点に辿り着けるか」

将軍丙「……?」

姪「ゲットー付近の駅舎に向かうぞ、飛竜はいるか」

アラクネー「て、手配はできますけど……駅舎?なんで?」

将軍丙「実行犯に目途がついたというの……?」

姪「ああ、連合でも北西諸島でもない……おたくら魔王軍でもない。加えて、暴れてくれたテロリストどもでもないかもしれんぞ」

姪「……ふん、こういう事か。掃除を済ませてさっさとトンズラだな」

アラクネー「ひいいいい」

将軍丙「死屍累々……ひどいものね、駅舎の倉庫に潜り込んでこんな事を……」

姪「……」

アラクネー「ご、ご冥福……」

姪「(……装備や服装を見る限り、やはり北西諸島傘下となっていた西方遠征師団の部隊か。
目立つような外傷はなし、死因はテーブルの上を鑑みるに、恐らくは服毒……)」

アラクネー「こいつらが……ガスを撒いた実行犯って事なんでしょか」

姪「(ふん……こんなわざとらしい遺書まで用意しやがって。白々しい……誰が信じるものかよ)」



モルドレッド「動くな」

騎士ほ「まあ、これはこれは……酷い有様。あなた方の仕業ですの?」

姪「……ふん」

将軍丙「我々は魔王軍所属の者だ、そちらは北西諸島の……」

モルドレッド「……動くなよ、もちろん口も動かすな」

姪「……」

騎士ほ「(魔王軍がなぜここにいる……?ガスの存在に確証を持ったからこその行動だろうが……
証拠隠滅か?私の推察の全てが間違いであり、こいつらがここにいる理由は単なる尻拭い……?)」

モルドレッド「(エクスカリバーを使う事もなかったかな。この規模の部隊なら、現状のドラグーンでも……)」

姪「……拘束されるのは嫌いだ。見ろ」

将軍丙「……」

モルドレッド「帝国陸軍情報部……?貴様がか」

姪「もっとも、今はほとんど連合の使い走りだがな」

騎士ほ「……」

姪「私が……どうかしたかな」

騎士ほ「(どうも面影があると思えば……お姉様の姪か。汚らしい……!毒されてしまったのか)」

姪「(……見覚えがあるな、あの黒髪……死んだ魚のような目……どこかで……)」

将軍丙「我々は連合と共同で、ガス流出の真偽を調査している。一方的に拘束されるような謂れはない。
それとも、北西諸島は民衆の命に関わる活動にもけちをつけるのか?」

アラクネー「(け、結構エライ人だったんだ……でも、連合の後ろ盾が本物だったら、ここはなんとか切り抜けられる……)」

騎士ほ「(ここは……あまり欲張らん方がいいか。魔物どもやドワーフがいくらガスで死のうが知った事ではないが)」

モルドレッド「(状況的に、こちらは圧倒的に不利か。嫌疑を他に向ける事を考えねばならん……!)」

将軍丙「(獅子身中の虫……師団の中に巣食っていた、過激な帝国主義者による犯行で間違いなさそうね。
この連中がそれを後押しした可能性も否定はできないけれど……)」

姪「ここで睨み合っていても仕方なかろう、我々にもやるべき事がある」

モルドレッド「……奇遇だな、我々も同じだよ」

騎士ほ「卿……この現場は向こうに引き渡すべきです。他人を信じる事を知らぬ哀れで愚かな魔物どもです、
我々が譲ってやるのは道理でございましょう……」

モルドレッド「わかっているよ、僕もそう思っていた」

姪「(……島国のレイシストが、しゃあしゃあと善人気取りか。どうしようもないな、円卓も)」

騎士ほ「(お姉様の血筋の娘……できる事ならば、連合や魔物の毒を取り除いてやりたいが……
まだ時期が悪い、ここで連合に唾を吐くようなマネは控えるべきか……)」

姪「わかっていただけたようで結構。将軍殿、現場を押さえてくれ。私は少し用事があるのでな」

将軍丙「わかったわ。あなた、よろしくね」

アラクネー「ふぇぇ」

エルフ騎兵ア「若様ァ、お嬢様ァ!!もう限界です、撤退してください!!」

娘「今何してンのかわかってンだろォがァ!!」

息子「戦争の産んだ膿……!ここで殺さねばならない……!!」

エルフ騎兵イ「時間です、戻りましょう!!」

娘「ガスが何だってンだァ!?面白ェ、このオス豚ども羽交い絞めにして実験してやるァ!!」

エルフ騎兵ウ「お母様がお呼びです!!ご褒美をくれるそうですよ!!」

娘「お兄ちゃん、わたし帰る!!」

息子「皆さん、撤退いたしましょう!ドラゴンさえ残っていればいくらでもやりようがあります!」

エルフ騎兵ウ「(扱いやすいなあ)」


勇者「退く気か……!」

賢者「わ、私たちも早く場所を移さないと!」

戦士「だがよォ、住民の避難は終わってるのか!?」

僧侶「現在、ゲットーの7割の避難が完了……まだ完全とは言えません!」

勇者「実際に連合……それに北西諸島が動いたとなれば、ガスの件は真と判断して良いだろう。
僕たちも可能な限り救助に参加するぞ」

勇者「うっ!?」

僧侶「ゆ、勇者様!」



息子「クソッ、外した!」

エルフ騎兵ア「若様、おやめください!まだそれは試作品にございます!」

娘「お兄ちゃん、私にも一発撃たせて!」

エルフ騎兵イ「お嬢様、おやめください!その20ミリ弾が減っているとばれれば一大事です!
大将、嬉々として2000字は書かせてきますよ!!」

エルフ騎兵ウ「最後っ屁に対戦車ライフルなんか撃たんでください!」



勇者「……」

賢者「立ち位置がもう少しずれてたら、つぶれたスイカになってたでしょうね」

僧侶「あの、おっぱいがたくさん着いてるドラゴン……たぶん夢に出ます……」

戦士「何なんだあいつら……単なるテロリストとは思えねえ……」

おかっぱ「ふん……クロウクルアッハの速力に救われたな。この速さはティアマトーには出せんか」

エルフ騎兵「都市部に流れ込む黄土色の気体が確認されたらしい……やはり有毒ガス流出は行われたらしいな」

敵兵「や、やややややっぱり……あのクソ女がやった……?」

おかっぱ「さっきも言っただろう、エルフやあの騎士がやった事と考える事はできん」

真神「吐く……この匂いやべえ……オゥェェェェェ」

金長狸「におってきた……ううう……」

九尾狐「……」

おかっぱ「お前は文句いうなよな、殺生石」

九尾狐「えっ」

エルフ三男「騎士様、こちらの部隊の損害はほぼ無し……撤収は無事に終わった模様です」

女騎士「はーい、よくやった。じゃあ、こっちも頃合いだな。ガキどもに合図を出せ」

エルフ三男「了解です」

女騎士「クク……ただで起きてたまるかよ……同時にってのも興が乗るってもんだぜ……」

エルフ三男「……騎士様。若様のクロウクルアッハへの乗り換えも済んでいるようです。いけます」


女騎士「よく聞けや、田舎モンどもォォー!!」

息子「この地に住まうドワーフの皆さま!お聴きくださいませ!!」

女騎士「ガスで苦しんで死にたくなかったらよォー、武装を捨てて裸一貫で正門の前に来やがれ!!」

息子「我々北西諸島のドラグーン兵団は、あなた方の味方であります!どうか、我々の支持に従って行動してください!」

女騎士「うひゃははwwwwww必死こいて門叩いてんぜwwwww軍人どもwwwwざっまああああwwwww」

エルフ三男「火器の使用の危険性について説いたのも効果的だったようですね……あーあーひどい……」

おかっぱ「……こんな所で何をしている、地上の陣地に姿がないと思えば、わざわざクロウクルアッハを出して……」

女騎士「だってよォwwwww見ろよアレwwwwwwだっらしねーwwwwww」

おかっぱ「……街道への門が閉鎖されているのか!?」

エルフ三男「あの一派のもとにガスがなだれ込むのは、時間の問題ですね……連合や北西諸島の末端兵……」

おかっぱ「た、助けんのか!?人質にもなろう、何をしている!?」

女騎士「人質になりそうなのはドワーフどもの方だろ?そっちはガキどもが上手い事やってるっての」

おかっぱ「で、では……こちらの庁舎と駐屯地の人間は……」

女騎士「おらおらwwwww武器捨てなってwwwwバーカwwwww開門してあげないよぉー?」

エルフ三男「あー、見てください。市民ともめてますよ……あ、撃った。最悪ですね軍人って」

女騎士「あーあー、そんなにガスいっぱい吸って死にてーのかよwwwwwマゾどもがwwww」

エルフ三男「まったく人がゴミのようですねえwwwwwwwwwwww」

女騎士「私以外は元からゴミだろwwwwwwwwwwwwwwww」

おかっぱ「」

連合兵『――――』

北西兵『――――』

女騎士「あんだってーっ!?耳が遠くて聞こえねェよォー!!」

エルフ三男「『いやだ』『死にたくない』『仲間の事でも何でも教えるから』だそうです」

女騎士「身も心もグチャドロに腐りきったゴミカス野郎どもだなwwwww生きてる価値ねェやwwwwwwwww」

エルフ三男「民衆を守るための兵が、保身の為に民衆を撃つだなんて……」

女騎士「うぇぇwwwwwまじで服脱いでる奴いるよwwwwwバカじゃねぇのwwwwwwwwwwwww」

おかっぱ「……さ、先に降りているぞ」

女騎士「きったねーもん見せんじゃねェよwwwwwばーんwwwwばーんwwwww」パンッ パンッ

エルフ三男「騎士様射撃下手ッwwwww下手ックソwwwwwwww」

姪「……」

姪「(旧帝国西側領におけるガス流出『事故』における死傷者は約5000人……)」

姪「(旧ゲットーでの行方不明者は300人以上……魔王軍及び共和国で難民としての迎え入れができたのは、
総住民のうち6割強……ドワーフ達がどこに消えてしまったのか……魔王軍のその後の対応が待たれる……)」



姪「だそうだ、目論見は失敗に終わったようです、なあ!」バギッ

騎士と「がうっ!!」

姪「陸路を掌握していたのを良い事に、鉄道各社に人材を送り……政党の名を出して師団の指揮官を強請った……」

騎士と「……」

姪「……わからん、わからんな。どんな思惑があってそんな事をしたのかわからん」

騎士と「……」

姪「ガスを師団に撒かせたとして、損をするのは誰か。当然、師団の親代わりの北西諸島か、元鞘の帝国残党……
さっきまでは、誰が得をするかと考えていたが……分かるわけが無かったな、思案を逆にしたり努力はしたんだが」

騎士と「……」

姪「おまえ、北西の竜騎兵を狙ったな?大がかりな事だ、師団の受け入れを陳情したその騎兵をピンポイントで、なあ!」バギッ

騎士と「がっ……!!」

騎士ほ「フクク……ざまぁ見ろ……バカ女が……」

姪「……」

騎士ほ「私にケンカ売って……勝てると思ったのかしら……?つまらない横槍を入れてきて……フククク……」

姪「粉飾決算の山だ。相当ネジくれているな、この汚職政党は」

騎士ほ「オーガなんぞに共同体を任せるから、こんな事になるんです……いくら実力主義とはいえ……お姉様はお優しすぎますわ……」

姪「……」

騎士ほ「フクク……そのご褒美だけじゃ不満かしら……?政党の汚職の告発……そこまでは譲れなくてよ……?」

姪「ああ、取引だからな。私はお前から得た情報をもとにこのゲス女を断罪し……お前はこの政党を手中に収める」

騎士ほ「……おいしい取引で嬉しいわ……フクク……」

姪「……」

秘書「ひ、ひい!!」

姪「……」

秘書「こ、こ、こ、殺さないでえ!!嫌、嫌あ!!ももも、もう親のおカネでギャンブルしません!!ちゃんと仕送りします!
たた、助けて!!わたし悪くない、何も知らなかったんですぅ!!もう変なピンナップ集めませんからぁ!!」

騎士ほ「だそうよ……・フクク……」

姪「……連合には、この小娘を突き出して手打ちにする。それで十分だ」

騎士ほ「フククク……毎度あり……」

姪「(この女も大概だな、大陸に呼び込んではいけない害悪に他ならん。いつか、尻尾を掴んでみせる……ビッチが……!)」

第5部 女騎士おかっぱ編 ⑨

                ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                 d⌒) ./| _ノ  __ノ 

第6部 女騎士衝撃!Z編へ

                                       ー- 、 ー-、``/  
                                      _, '  ._, '  \  
                                    -------------------
                                     制作・著作 NHK


 

> 第6部 女騎士衝撃!Z編へ

おいおいマジンガーか

>>128
姪「友よ…きみと一緒に悪を討つ!」ってなるならまだ良いが

おかっぱ「ジャパニウムの精製がやっと出来たわ、もうあいつら滅ぼそうず」ってなったら星が終わるな…

アウトレイジが「全員悪人」なら
こっちは「全員クズ」か

クズ女騎士のaaってどこで作られてるんだろ

本当だあった、ありがとう
触手の方もAA化されてたんだな

ガラハッド「デュクシwwwwデュックシwwwwww」

ガウェイン「やめろwwwwwやーめーろーよーwwwwww」

ガレス「デュクシwwwwww」

ガウェイン「年上だぞやーめーろwwwwやーめーろーよーwwwww」

ユーウェイン「ちょっと男子!!!!ケイ卿の部屋にあたしのコンボイちゃん連れてったの誰よ!!!」

ケイ「痛い死ぬ」

ガウェイン「知らねーwwwwww何だよコンボイってwwwwwww」

ガレス「あのでっけえネコだよ兄貴wwwwwwww」

ベティヴィエール「あれライオンって言うらしいよねwwwwwフッサフサできめぇからケイに殺してもらおうと思ってwwwww」

トリスタン「おーまーえーかーよーwwwwwデュクシwwwwwwww」

ケイ「万死に値するぞ……カスども……」

パーシヴァル「だめだからwwwwwケイのおっさん弱えからwwwwwwネコにも勝てねぇからwwwwwwwww」

パラメデス「静かにしろバカども!!」

ラーンスロット「……」

ガラハッド「やべ、親父だ!!散れ散れ!!」

パラメデス「散るなバカども!!席につけえ!!」

モルドレッド「……」

モルドレッド「あれで公務が勤まっているものか、いささか疑問に思うな……」

騎士ほ「……」

モルドレッド「いや、お恥ずかしいところを見せてしまって申し訳ない。いつもこうなんだ」

騎士ほ「(エクスカリバー保有者集団、円卓会議……この幼子のような振る舞いはブラフと考えていいだろうな)」

コンボイ「ガオーッ」

ケイ「おぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」

パラメデス「ケイ卿ォー!ケイ卿ォー!!」

パーシヴァル「おっwwwwwwさんwwwwwww」

ユーウェイン「コンボイ!!!やめなさい!!!いう事聞きなさい!!ちょっと男子ー!!」

ガラハッド「あーやべぇ、なんかライオン女の尻見てたらムラついてきたはwwwww」

ラーンスロット「……」

ガラハッド「親父ィwwwwwちょっと表で一発ブッこいてくるはwwwwww勃ちっぱなしじゃ会議無理だはwwwww」

モルドレッド「いやはや……御子息はあなたに似てお盛んなようだ、ラーンスロット卿」

騎士ほ「(資産と王位の上に成り立ったクズの集まりか?お姉様の靴磨きにも相応しくないゴミどもに見えるが……)」

騎士ほ「……」

騎士ほ「(連合王国の建国神話に登場する英雄の名を役職として冠する上級貴族集団……
権能としては女王の政治運営と同様に、資本主義の台頭から徐々に衰退していっていると聞くが……)」

モルドレッド「(フフ……それはあくまでキミ達から観た北西諸島観かな。それでも、保守党への影響力は非常に大きい)」

騎士ほ「(あなたにとっては……分かりやすいくらいの障害かしらね……)」

モルドレッド「(人聞きが悪い。僕は自由党にも保守党にも与する気はないんだ)」

騎士ほ「(欲の深い騎士だこと……フククク)」

ガラハッド「モの字wwww誰その子wwwwwwセフレ?wwwww親父ィ、ついに乱交解禁なん?wwwww」

トリスタン「キャメロットで乱交オッケーなん!?じゃあ俺イズー連れてくるわwwwwww」

騎士ほ「いやですわ……うふふ……」

モルドレッド「先のガス流出事故の立役者だ。殿下やラーンスロット卿に顔だけでも通しておこうと思ってね」

騎士ほ「(俗物どもめ……近親相姦で構築された上位組織などこんなものか……)」

ケイ「子飼の帝国師団の断罪を、みずからの手で行ったと聞く……」

モルドレッド「その通りだ。きちんとけじめは着けた。紆余曲折こそあれど、功績は認められてしかるべきだと僕は思うが」

ケイ「……」

騎士ほ「(ケイ卿……私の竜騎兵団入りに、最後まで嫌疑の目を向けていた人物……)」

モルドレッド「卿はもう少し見聞を広げたらよろしいのでは?他国の人間の思考を鑑みるのは非常に楽しゅうございます」

ケイ「私がつまらん懐古主義者のような言い分だな、若造め」

モルドレッド「これは失礼……と申し上げたいところでございますが、僕と卿では五つも歳が違わないではありませんか」

ケイ「……」

騎士ほ「(まあ……他の猪突猛進、狡猾にして残忍ならず、迂闊にして残念の為政者もどきどもに比べれば、まだ話せるか……)」

モルドレッド「まったく、女王直下の組織がこれでは、かの人食い一族など笑い話になりませんな」

騎士ほ「その円卓の主と杯をかわしたあなた様が仰る言葉とは思えませんわ……」

モルドレッド「クク……これは辛辣な事を言う」

騎士ほ「(フクク……この男そのものも、かつての王とその身内の間に出来たる不義の子……か)」

モルドレッド「まったく、王から末の一族に至るまで、股が緩いと言ったらない。誰が何を孕ませ、誰が何を産んだかもわからない」

騎士ほ「フクク……」

モルドレッド「王のお気に入りを見ればわかろうもの。ラーンスロット卿のだらしなさを御存知か?」

騎士ほ「さて。私は他人の私生活……性生活に、興味はないのでございます。でばがめではございませんゆえ」

モルドレッド「そうか……キミは、本当に奥ゆかしい女性だな、この精汁の青臭い臭いが染みついた円卓には勿体ない」

騎士ほ「(その通りだな……こんな組織、一刻も早く叩き潰してやりたいものだが……)」

騎士ほ「勇猛たるラーンスロット……最上たる騎士……ケイ卿と我らが女王の恩人」

モルドレッド「それはそれは凄い騎士だ、彼は。尊敬に値する」

騎士ほ「フクク……ええ、本当に素晴らしき英雄……まさしく、ラーンスロットの名を冠するに相応しい英人にございます」

モルドレッド「保守派……女王派を束ねる宣伝塔のようなものだ」

騎士ほ「フクク……」

モルドレッド「その不義、その密会……円卓の血がしからしむるところであろう」

騎士ほ「あら、当てられてしまいました……フクク……」

モルドレッド「彼のアリ塚のような牙城、ちょいと小突けばすぐにでも崩れ去りましょうな」

騎士ほ「不義と理解しておきながら、高嶺の花を求めてぐずぐずと溺れていく不信心者……」

モルドレッド「詳しいね。かなり僕らの事について予習して来たとみえる」

騎士ほ「それはもう。女王陛下に忠誠を誓う竜騎士の一人でありますれば……」

モルドレッド「まっこと、キミは騎士の鑑と言うほかあるまいね」

騎士ほ「フクク……」

騎士ほ「して、モルガーナ妃の子であるあなたは何をお望みなのでしょう」

モルドレッド「さて、何でしょうな……」

騎士ほ「しらをお切りにならないで……ああまで露骨に語られれば、嫌でも察しがつくというものでございます」

モルドレッド「そうだなあ……」

騎士ほ「やたらとケイ卿と国民労組法、社会主義者との癒着とその活動を引き合いに出されたり……
あなたはよほどケイ卿のする事が気に喰わないと見えます、意地が悪いですわ……」

モルドレッド「まさか、その逆さ。僕が周りからどう思われているか知っているだろ?」

騎士ほ「……反女王派シンパ……円卓のユダ。根も葉もない流言を気にしておいでで?」

モルドレッド「皆は一体何が気に喰わないのやら。ひどいものさ……」

騎士ほ「(実際はその通りだろうに……連合王国のユダとは、この男にこれほど合う字名はないな)」

モルドレッド「今日など、ラーンスロット卿本人直々に詰め寄られてしまった。僕はケンカをする気なんてなかったんだが」

騎士ほ「前置きと言い訳はよろしくってよ。私をこのキャメロットに呼び立てたのは、何らかの下心があっての事でしょう」


騎士ほ「(それは、恐らくは師団のガス事件に帰結する欲望……!この男が求めているのは、自らの意のままに動く私兵……
王党派の横槍や他の円卓メンバーのあずかり知らぬポストに置く事ができる、そんな軍団……!)」

敵兵「……」

おかっぱ「……寿命が縮むな」

敵兵「良かった……生きてて良かった……」

おかっぱ「テメェが安心してんなよ……6年前は肩並べてこれと似たような事してたんじゃねェのか」

敵兵「ガス撒いて無差別テロだなんて、そんな事は……」

おかっぱ「……」

敵兵「(オークの子を人質に王宮陥落……エルフの森を焼いて、麻薬を帝国圏を流通……)」

おかっぱ「……」

敵兵「してない!!してません!!」

おかっぱ「してるな!!テメェしてンな!?」

おかっぱ「(しかし、実行犯は本当にあのクズ女だったのか?便乗するからには、疑問はなるべく解消しておきたいが……)」



女騎士「おいボンクラども!!庁舎もゲットーも潰せてねぇじゃねぇか!!どうなってんだよ!!」

息子「ごめんなさい、ごめんなさい!!」

娘「次は絶対、みんなブッ殺しますからぁ、ゆるして、ゆるしてえ」

エルフ三男「何の成果も得られませんでしたアアアアア」

女騎士「クソが……ガスの横槍入れたのも結局は分からずじまい、このまま指咥えてたら連合側が更に反連合対策を強固なものにする……!」

息子「ごめんなさいお母様ぁ、お母様、お母様ぁ……」

女騎士「(全騎帰還してから既に四日……いや、まだ四日と言うべきか。幸い、連合の疑いは魔王軍側に反し北西諸島に向いている。
奴さんの外務省同士が不毛なやりとりしてる間に、帝国領を完全に掌握するしかねぇ……!!)」

息子「……かあさまっ、おかあさまぁっ!!ふああっ……!!」

女騎士「うるせぇァ!!」

エルフ三男「んはぁぁぁっ!!」

息子「お母様の髪髪モフモフしたいですぅっ!!」

女騎士「」

おかっぱ「二日後に奇襲だと!?」

エルフ三男「恐らく、それくらいがタイムリミットでしょうね。それ以上遅れれば、連合本国の部隊や査察の人員がやって来るでしょう」

女騎士「それより先に、西側だけでも私らの手中に収めたい。糞生意気な共和国にはそろそろ出て行ってもらいたいしな」

おかっぱ「だが、打撃を与えた連合はともかく……今では共和国や魔王軍は積極的にこちらを警戒している筈だ。
情報統制の工作は今現在も続けてはいるが、既にドラグーンを用いる所属不明軍のゴシップは目立ち始めているぞ」

女騎士「まだ所属不明なだけマシだぜ」

おかっぱ「それに、人材についてはどうする気だ。頼みの綱であった師団の連中は帝国現地の連合軍や北西諸島軍の連中に押さえられてしまったが」

女騎士「……ほの字の野郎、クソみてえな人材送ってきやがって」

おかっぱ「私の権能で動かせる幕府陸軍の部隊もそう多くはないぞ、ドラグーンとして徴用できる者は更に限られるが……」

エルフ三男「こちらの方で人材は出します。少なくとも、必要な数だけは間に合うかと……」

おかっぱ「エルフの側から……だと?」

エルフ三男「ええ。伊達に、周囲から血の対外輸出国家と呼ばれておりませんゆえ……」

敵兵「……」

女騎士「童貞くーん、童☆貞☆くーん☆」

敵兵「何だよォ……」

息子「うわ……」

娘「呼ばれて振り向いた……キッモ……クソ童貞……」

女騎士「おいチェリボ、ごく潰しのクソニートなテメェに朗報をくれてやるよ。テメェが必死こいてこさえた借金を帳消しにできるおいしいお話だぜ」

敵兵「借金ァ!?何でだよ!?カネなんか、俺がどこで借りたってんだ!?」

女騎士「はぁ?現在進行中で滞納してる野郎が何言ってんだボケ、見ろよ」

敵兵「……何だよコレ。部屋代……敷金礼金……水道代、食費……!?」

息子「見て分からないのか、自分の生活費を」

娘「アタシ達だってお母様に耳揃えて払ってンだぞォ?三十路のテメェは何やってンだよって聞いてンだ」

敵兵「生活費!?ふざけんな!!お前らがワイン蔵の……端っこの倉庫に押し込んだんじゃないか!!」

女騎士「逆切れできる身分かよ無職さんよォ!?嫌ならここでドラゴンの餌になってもらうぜ!?」

敵兵「それにこの額……ホ、ホテルのスイート並じゃねえか!!」

娘「だからどうしたってンだァ!?払えねえたァ言わせねェ、カネ集めて持ってきやがれ!!」

息子「まだどこも摘出していないんでしょう?こちらで業者を斡旋してやってもいいですけど」

敵兵「」

女騎士「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」


敵兵「おかっぱさァーん!!おかっぱさァーん!!」

おかっぱ「……何だ」

敵兵「お金貸してください!!」

おかっぱ「」

おかっぱ「……いくらだ」

敵兵「ごめんなさい!!殴らないで!!やめて!!!」

おかっぱ「これで足りるか」

敵兵「……殴らないのか」

おかっぱ「必要経費だ、持っていけ」

敵兵「……」

おかっぱ「ふん、我々幕府は大陸人のように情報提供者を家畜のようには扱わん。必要な量の金銭援助も……」

敵兵「足りない……」

おかっぱ「……なに?」

敵兵「……」

おかっぱ「お前……何をした?まさか、無職の分際で博打でもやったのか?」

敵兵「……」

おかっぱ「よく見ろビチグソ野郎、札束だぞ?ひのふのみ、いくらあると思ってる!?」

敵兵「……た、足りないんでもっとください。これ、請求書……」

おかっぱ「」

敵兵「……」

おかっぱ「……」

金長狸「お社が立つわー」

九尾狐「参拝客いっぱい来るわー」

真神「わんわんお!」

敵兵「だだ、大体アンタ達、どうして助けてくれなかったんだ!」

おかっぱ「こちらの台詞だバカタレ、安い部屋だが用意したわ!!なぜ姿を見せなかった!!」

敵兵「……」

おかっぱ「口を開けば人のせいか!?クソッタレの連合兵というのはみんなこうか!!グズ野郎め!!」

敵兵「ふぇぇ」

真神「なぜ野宿という手段をとらなんだ」

金長狸「わたし達なんて放し飼い状態なのに」

九尾狐「屋根があるだけマシじゃない」

敵兵「し、敷地はおっぱいいっぱいやワイバーンが放し飼いになってるんだよォ……迂闊にふらふら出歩いたら食われちまう……」

おかっぱ「この金蔓男が!!」

敵兵「なんかこんなの渡された……」

おかっぱ「……」

敵兵「こわい」

おかっぱ「……人材とはこういう事か。エルフの有する傭兵団に加え……牙を抜かれているに等しい、帝国領民を使うか」

敵兵「これまさに体で払うって事だよな……借金だけはするなって近所のおじいちゃんが言ってたのに……」

おかっぱ「更に……在ダークエルフ部隊か。レイシストのあの女がよく登用に応じたものだな」

敵兵「ダークエルフ……」

おかっぱ「魔族……神性、タタリ神の側に傾いた亜人の類と聞いている。しかし……在エルフならまだしも、
魔王軍や北方共同体に迎合しないダークエルフがそういるものなのか……?」

敵兵「この人材合せて、もう一度帝国領に再アタックって事だよな……」

おかっぱ「……それで、お前は命を担保にぶちこんで先陣を切ると言う事だな」

敵兵「」

おかっぱ「……」

真神「怖い……借金とはげに恐ろしきもの哉……」

敵兵「……何しろ1円も持っていないでしょう‥‥‥‥「出ろ」だの「飛べ」だの言うのは簡単だけど‥‥‥‥‥
そんな言葉に乗せられて出たら‥‥要するにオレがただ困るわけで‥‥‥‥
そういうのちょっとオレには向かない‥‥っていうか‥‥無理‥‥‥たぶん無理‥‥‥‥‥っていうか不可能‥‥」

おかっぱ「こいつ……」

騎士は「あら、よくもまあぬけぬけと朝を迎える事ができましたわね」

騎士ち「腐っても元軍人という訳ですか……くだらないプライドです事、何の価値があるのか知りませんが」

敵兵「……」

騎士は「して……あなた方はなぜここに?」

おかっぱ「実際に前線に赴く人間として、顔を合わせておきたい。ダークエルフという人種はお目にかかった事がないのでな」

騎士は「左様でございますか……」

おかっぱ「(純血主義者が識者の大半を占める帝国内でのダークエルフ……か。もう少し情報が欲しいところだ……)」

エルフ三男「(幕府も幕府でそれなりに頭が回るようだな……まあ、今のところはその胡散臭い布教活動も大目に見てやるか)」

敵兵「(ふぇぇ……おなかすいたよぅ)」

真神「(ふぇぇ……(ry)」

ポニテ「第314連隊戦闘団総員1482名。無事にエルフ勢力圏内に到達いたしました」

おかっぱ「(こいつが……ダークエルフ)」

敵兵「(ちょうど、エルフを反転させたような色素を持ってるんだな……連合じゃ見た事ないぞ)」

エルフ三男「ご苦労様でした、帝国の僻地から遥々大変だったでしょう」

ポニテ「いえ……蹂躙され搾取を続けられる帝国臣民の身を思えばこれくらいは」

敵兵「(ブロンドが8割以上のエルフに対して、こっちはほとんど銀髪なのか……)」

おかっぱ「(位置づけとしてはエルフのアルビノ……こちらには、一部地域における被差別人種と聞いていたが)」

エルフ三男「……大尉、もっと楽にしていい。あなたは、しっかり帝国の士官学校を出ているんだろう」

ポニテ「しかし……」

エルフ三男「卑屈に思っているのなら考えを改めてほしい、少なくとも僕は君達の肌や髪の色で差別はしない」

ポニテ「……」

エルフ三男「帝国の……騎士様の為に戦ってくれるのであれば、僕たちは誰にでも、何にでも門戸を開く。君達とて例外ではない」

ポニテ「身に余るお言葉にございます」

おかっぱ「(クズ騎士のシンパがよく言う……)」

敵兵「(レイシストが骨の髄までしみこんでるくせに……)」

敵兵「あのポニテ女が、オレの同僚になるってわけか……」

おかっぱ「お前にドラゴンが与えられるならそうなるな。最悪生身で突撃かもしれんぞ」

敵兵「」

おかっぱ「しかし、在帝国ダークエルフ……彼らを使うメリットはどこにある?
まさか、お前達が人種の門戸を良心で広げたわけではあるまい」

エルフ三男「嫌ですね、冷血漢のように言わないでください。あくまで純粋に、戦力の補強に有用だから呼び寄せたのです」

おかっぱ「……」

エルフ三男「共和国外人部隊、在帝国外人部隊、そして我々の保有する傭兵団。常備軍とは成り立ちは違いますが、
愛国から来る士気という面では諸外国のどこにも負けません。数の戦争を質でカバーしていこうと思いましてね」

おかっぱ「(愛国心を煽る……あのクズが得意そうな事だな)」

エルフ三男「こちらのフラッグは何と言ってもあの皇族とほど近い位置にいらっしゃる騎士様です。
現に、あなた達幕府もそれにつられて接触を図ったのでしょう?」

おかっぱ「そういう事だな」

エルフ三男「……今作戦では、絶対に失敗は許されない。だからこそ、彼女ら在帝ダークエルフ部隊が必要なのですよ」

おかっぱ「そうまでして言うのだ。メリットを聞かせてもらおう」

エルフ三男「特筆すべきは、彼女らの練度です。教育については、士官以上は純帝国民と同じレベルの水準で受けていると聞きます。
構成員のほとんどは志願兵であり、こちらも独学で常備軍の一般兵と同じかそれ以上の頭を持っていますね」

おかっぱ「国防に対しての意識の差異、か」

エルフ三男「彼女らのほとんどはダークエルフの二世。ジプシーとして流れてきた者もいれば、
数世紀前の魔王軍台頭時に帝国領内に留まった者もいる。彼女らのサイクルは、僕らに比べてかなり人間に近しい、
だからこそ世代交代が早い。だからこそ、人間と同じようなパトリオティズムを構築する。自分の産まれた土地を守るという意識が強い」

おかっぱ「……」

エルフ三男「しかし、純血主義の台頭する帝国内における彼らの扱いは、懲罰部隊のそれとほぼ同格。
いわゆるアインザッツグルッペンの如き鬼畜の所業を強いられた部隊も存在していたと聞きます」

おかっぱ「予想には難くないな……」

エルフ三男「人呼んで虐殺部隊……先のマスタードガス開発や、ドワーフゲットー建設の背後にも、
彼女らのような捨て石が苦汁を呑まされていたと考えられます」

おかっぱ「……土地を守るために命をかける、その為ならプライドもかなぐり捨てるか」

エルフ三男「少なくとも、僕はそっちの方が好きですねえ。魔王軍やみずからの集落で、
安穏とした生活を送るダークエルフというのは……大嫌いです。カスです。ゴミです」

おかっぱ「……」

エルフ三男「どれだけの支援を帝国や僕らがしたかは、もう考えるのがバカらしいくらいですよ。
まさしく砂漠に如雨露で水をやるが如くです。食料、技術、経済支援……全てを連中は仇で返してくる」

おかっぱ「仇とは?」

エルフ三男「恣意的な歴史的見解の捏造に始まり、領土紛争のでっち上げ……今でこそ魔王軍の庇護のもとにありますが、
魔物の後ろ盾がなくなれば、僕はすぐにでも奴らを滅亡させます。必ずあの寄生虫を……エルフの恥を抹殺してみせましょう」

敵兵「(やっぱり似てきてんなぁ……)」

エルフ三男「その点、闘争と情熱を抱く在帝ダークエルフ達は自らの存亡をかけているわけですからね。
こちらとしても扱いやすいですし、彼女らもかなりいい仕事をしてくれる」

エルフ三男「人種的立場としても窮地にある彼女らは、本当に強いですよ。
基本的に部隊内の結束は硬いですし、帝国人士官にも従順。何より、常備軍よりずっと清潔です」

おかっぱ「必要以上の迫害から身を守る為……いや、立ち向かう為だな」

敵兵「……」

エルフ三男「敗けない為の努力を惜しまない。仲間の為には、無謀な進撃も止む無し。
すべてが彼女らのアイデンティティとして存在している。まさしく兵士としての理想です、素晴らしい事ですよ」

敵兵「(耳が痛いですねェ……)」

おかっぱ「アメとムチの使い方をよほど誤らなければ、常備軍など比較にならないほど優秀という事か」

エルフ三男「もちろん教育の質も問われるわけですが、下地となっているものが優れているとも言えますね」

おかっぱ「それで残ったのが1400数名か……」

エルフ三男「元来は5000人程の志願兵で構築されていたそうですが、6年前の対連合戦で五割が損耗。
その後の連合、魔王軍による統制活動によって1000人弱が拘束……後は皆まで言わずともお分かりでしょう」

おかっぱ「そりゃあそうさ……向こうから見れば、これ以上ないくらい危険な反乱分子なわけだからな」

エルフ三男「1400数名……も集まってくれたのは奇跡です。1400人も、帝国の為に戦ってくれるんですよ?
彼女らは同胞と呼ぶに足る人材ではありませんか、上出来です。僕たちも本腰を入れて支援をしてやりたいじゃないですか」

おかっぱ「……そうだな。俄然勝つ気も湧いてくるというものか。なあ」

敵兵「はい?はい……そうだね……」

おかっぱ「……」

おかっぱ「あなた方エルフが魔王軍を嫌悪している理由というのは……」

エルフ三男「……もちろん、あの出来損ないの黒エルフどもをいちいち擁護するという点もあります。
共同体も同様です、黒エルフどもに加担するケンタウリもまた……我々の商売相手足りえませんので」

おかっぱ「それで、在帝ダークエルフは別と」

エルフ三男「その通りです。姿形で思想を判断するのはナンセンスですよ。幕府の予想と違いましたか?軽蔑します?」

おかっぱ「いや……思ったよりもアグレッシブな思考をしているようだと思ってな、気に入った」

エルフ三男「それは光栄な事で。僕たちは即物主義なのです、益がないもの、不利益を被るものを徹底的に排除します」

敵兵「(ふうん……何だろうなぁ、益がないものとか不利益を被るものって)」

おかっぱ「今後ともいい関係を続けていきたいものだな」

エルフ三男「お互いに……唯一神にへつらった歴史を持たない者同士、仲良くしようではありませんか」

おかっぱ「(……タヌキ……いや、女狐のような男だな……エルフとはやはり侮れん……!)」

金長狸「はあ……」

九尾狐「エルフって綺麗な男の子多いですわねえ……」

おかっぱ「」

おかっぱ「そうだ、参謀のあなたに伝えておきたい事がある」

エルフ三男「何でしょう」

おかっぱ「こいつらどうぶつ奇想天外についてだ。先の作戦では、あの騎士が舵を取っていただろう?」

エルフ三男「ええ、まあ」

おかっぱ「……この連中を扱うには、少しばかりコツがいるんだ。普通の兵士を使うのとはわけが違う」

エルフ三男「コツですか……面倒でないといいのですが」

おかっぱ「残念ながら……正直、かなり難解だ。使いどころを見出すのに慣れが必要だ」

敵兵「(それってとどのつまり欠陥品って事じゃ……)」

おかっぱ「こいつら……極東列島のカミ、および物の気は、定義づけられたロジックによって起動している。
そもそもこの連中の帰結する先は、民集のイマジネーション……コミュニティ間で共有される哲学観念に基づいて発生する、
未知の存在への畏怖や信仰だ。今言ったロジックとやらは、その未知への畏れがある程度の合理性を以て形成される」

敵兵「つまり……どういう事だってばよ」

おかっぱ「要は……相手がこのじゃじゃ丸ぴっころぽろりの正体を把握していた場合には、お前と同様ごく潰しと化すって事だ。
真なる姿を視認されただけでも大打撃、完全な奇襲でなければこいつらの能力は発揮できない。
もっと言うなら……勝てる相手にしか勝てない、格下でなければ絶対に勝てない。どう工夫しようが無駄なんだ」

金長狸「ごく潰しでーす」

九尾狐「ギブミージョブ」

真神「わんわんお!!」

エルフ三男「ロジックと言えば……魔王軍の有する魔術だとかも、似たようなものですね」

おかっぱ「魔術……?」

エルフ三男「ええ。お聞きになりましたか、若様とお嬢様が交戦した部隊の話を」

おかっぱ「俄かには信じ難かった、魔族の王に与する類のモノと剣を交えた事はないものでな」

エルフ三男「そう、今の世で実戦運用可能な魔術を行使するなど信じ難い……しかし、実際に奴らはやってのけた」

おかっぱ「……」

エルフ三男「旧魔王軍が討伐されて以降、魔術は実用性を欠き、姿を消していった……
そんな魔法のようなマユツバものの技術がそれまでは使われていた事自体、我々にとってはバカバカしいんですがね」

おかっぱ「(エルフが魔術を否定するか……)」

エルフ三男「大陸における『未知』が姿をひそめた。丁度その直後、北西諸島で産業革命が起こった事も関係しているのでしょうね。
ガス灯が暗闇を照らすとともに、畏怖と恐怖は徐々にその存在を忘れられていった」

おかっぱ「文字通りの文明開化か。それで魔法の技術とやらがさっぱり消え去ったと?」

エルフ三男「さあ……しかし、少なくとも魔王軍が何らかの鍵を握っているのは確かな筈です」

おかっぱ「……やはりそうなるか。魔王軍……やはり、人間が直接対峙するには荷が勝ちすぎる存在か。面倒だな……」

敵兵「(こっちのどうぶつ奇想天外も十分魔法チックだよなぁ……)」

エルフ三男「それでは、幕府陸軍へ送付した別紙の方も後にご一読ください。よろしくお願いいたします」

おかっぱ「了解した」

敵兵「……」

エルフ三男「ふふ……作戦に備えて、今日はゆっくり鋭気を養ってくださいね」

敵兵「あの、俺は当日どうしたらいいんですかね……」

エルフ三男「……」

敵兵「あの……」

おかっぱ「もういい……もう……休めっ……!休めっ……!」

敵兵「」

おかっぱ「お前……元から不養生な身なりをしていたが、更にやつれたな」

敵兵「ヘッヘッヘ……もう何日も固形の便が出てねぇや」

金長狸「なんと痛ましい……」

おかっぱ「その調子で作戦に参加できるのか?足を引っ張られても困るぞ」

敵兵「(幕府の人は優しいなぁ……今の発言って助ける事前提の言葉だよな……あああ……)」

九尾狐「やだ……泣いてる……」

おかっぱ「……参加できるのか?」

ポニテ「彼の不調は精神的負荷によるものかと。あまり故障がひどければ、今回は……」

敵兵「いいさ……出るよ、出てみせるさ」

ポニテ「……」

敵兵「(クソが……もう、もうこんな扱いたくさんだ……武勲でもなんでも立てて、幕府に絶対取り入ってやる……!!)」

エルフ近衛兵「閣下、沿岸部に駐在していた松山機構の方々がお見えになられました」

エルフ三男「割かし早かったな……合流は早くて開始ギリギリかと思っていたが」

エルフ近衛兵「あちらも連合に大きな顔をされるのは不愉快と見えますね」

エルフ三男「その割に……幕府陸軍が人材を渋るのはどういう事なのか勘繰ってしまうな」

敵兵「……松山機構?」

おかっぱ「我々幕府の……そうだな、カミを有する国教騎士団とでも思ってくれればいい」

敵兵「国教騎士……団……つまり、あいつみたいな騎士が……」

おかっぱ「おらん。おらんぞ!!」

九尾狐「今のは説明が悪すぎました……そんな風に思われたくないです……」

真神「だが、我々幕府側にとっては……お前達京に属する物の気はすべからくそうした印象であるぞ……」

金長狸「ハイカラ通り過ぎて懐古主義……何かすげぇとっつきにくいんだもの」

九尾狐「ひどい」

敵兵「……似たようなものっぽいじゃん」

おかっぱ「あそこまでは腐っておらん!!」

メガネ「ごきげんよう、大陸の皆々様ぁ」

櫛巻き「どうか仲良くしておくんなんし、よろしゅう頼んます」

エルフ近衛兵「(極東の……人?)」

敵兵「(思いっきり西洋にかぶれてんな……)」

エルフ三男「いやいや、お似合いですよおふた方」

敵兵「(……東洋人なのに全然体つき違うわ……何だあの胸……何だあの尻……)」

おかっぱ「……」

敵兵「(おっぱい大好き!!)」

櫛巻き「わっちらのお仲間、もう酒造の敷地に揃えとります、遅れてるもんは居やしんせん」

メガネ「遠慮なさらずお使いくださいな、何でもお手伝いいたします」

エルフ三男「それは助かります。しかしお疲れでしょう、少しこちらで……」


敵兵「……あれが助っ人?増援?」

ポニテ「我々が言えた義理ではございませんが……その、どこぞの遊女にしか見えませぬ」

九尾狐「……」

真神「……て、偵察だけじゃあなかったのか……何であの連中が来ておるのだ……」

敵兵「(あれー?モンスターの類が怯えてるぞぉー?これってあれかー?なんかこいつらよりもっとヤバイ系かぁー?)」

九尾狐「かか様まで来られたらどうしようかと思いました……」

おかっぱ「そう神霊に出て来られてたまるものか……百鬼夜行の主がああして人前に顕現する事自体が異例中の異例だ
このアタシとて気が気でなかったわ……!ああ、寿命が縮む……!」

敵兵「なにそれこわい」

おかっぱ「宵闇を統べるあやかしの長、カガセオの系譜にあたる神性。まさしく百鬼の首領と呼べる存在だ、あの二人は」

敵兵「」

真神「ふざけるな……あんなものと肩を並べるなど……聞いておらん……」

九尾狐「あー良かったー、かか様いないんならどうでもいいやー」

敵兵「で、でもさぁ……そこのワンニャン時空伝みたいなもんなんだろ?あんたの同僚だか部下なんだかなんだろうし……」

金長狸「わんわんお!」

真神「わんわんお!」

おかっぱ「……真剣に連合と魔王軍の首を盗りに来たと言っても過言ではないのだろうよ、幕府も近衛もな。
あのメガネとあばずれ、野放しにすれば大陸全土が中世期に逆戻りだ。魔王がどうとか言っている暇はなくなるぞ」

敵兵「……ん?ん?ん?」

おかっぱ「今でこそ帝直下の近衛が首輪を付けている、そう簡単には外れんだろうが……」

九尾狐「それだけ南部の異教徒を警戒してるって事なんでしょうねぇ」

敵兵「(あれー?おかしいな……オレの知ってる極東列島じゃない……変だなー、雲行きが怪しいぞー?)」

おかっぱ「(茨木に大嶽……最上位の連中を差し向けてきたか。本庁からの圧力か、それとも近衛の指示か……
それとも、こいつら本人が我々の様子見に業を煮やしたかだな。せっかちな事だ……)」

敵兵「

     //            //  そんなっ…!
.    / / __,‐⌒ヽ、       //  バカなっ…!  バカなっ…!
   / / /   '─ \    / /   常識外なっ…!  ありえないっ…!

  //ノ ノ-、 (○つ\  / /   どうして…!  こんなことがっ…!
//  | 。(○)  、゚ ヽ, ヽ l l   どうして……  こんな…

/   ヽ Uヽ__,,,トー'i   )| |  あってはならない……!  常識的に……!
      ノ    ` ⌒''  ノ | |  どうして…
    (           } ノ ノ  どうして…  こんな…
     ヽ         //  こんな…
      ヽ      //      こ ん な こ と が っ … … !

敵兵「」

おかっぱ「茨木に大獄、どちらも列島における上位の鬼だ。こいつら奇襲専門のびっくり箱連中とは違う」

金長狸「」

真神「」

九尾狐「いやあたしは違うし、まだ本気出してないだけだし。あたしのかか様とか本気出したら世代規模で災厄もたらすし」

おかっぱ「連中の司るのは戦乱と疫病。直接的な害意のみを専門に扱う鬼だ、故に小細工など必要としない。
ただ眼前にあるものを打ち砕き、叩き潰し、犯し尽くし、やがて腐らせる……」

敵兵「あははは」

ポニテ「当面は味方と考えてよろしいのでしょう、ならば構いません」

敵兵「……あんた、よくそんな平然としてられるなあ」

ポニテ「狼狽えたって仕方ありますまい。今の我々は戦うほかにないのです」

おかっぱ「我々とて、あれらを好き勝手させる気は毛頭ない、あの女の絶滅政策に賛同した覚えはないからな」

ポニテ「……お言葉ですが、騎士様は何も刃向う者を根絶やしにする気ではないのではないでしょうか。
騎士様が掲げるは、ある程度の実力主義……目的はあなた方と同じ平定であると愚行いたしますが」

敵兵「(ううっ、まぶしい!!)」

おかっぱ「……さりとて、あなた達はダークエルフだ。なぜ、そこまであの女に肩入れする?」

敵兵「そ、そうだぜ……何でわざわざこんな事を……」

ポニテ「我々は帝国臣民です。それ以外に理由が必要でしょうか」

敵兵「だ、だが……エルフに加担する事になるんだぞ?そうなりゃ、おんなじダークエルフとだって……」

ポニテ「それが何か?」

敵兵「……」

おかっぱ「(あのエルフの大将の言う通りか。帝国で育ったこいつらダークエルフ二世、三世の大きな武器……)」

ポニテ「我らが守るのは民族としての血ではないのです。我らが命を賭して守るのは、我らの国と家族、そして我らを育んだ帝国の地であります」

おかっぱ「(6年前の東西戦争では、実際にダークエルフとも相まみえたと聞く……
腐敗する帝国陸軍の中でも、在帝ダークエルフ部隊の練度、その統制は群を抜いて優秀であり、
国境沿いや地方での評判もそう悪くは無かった……略奪といった戦時犯罪に手を染めたという話も聞かない)」

ポニテ「……あなたもまた、ドラゴンを駆って戦列を共にするならば、我らの家族も同然です」

敵兵「……」

おかっぱ「(部隊損耗率は通常の数倍から数十倍……一人当たりが平均三度負傷している計算とはな。
そうして3000人強が命を落とし、残ったのはスズメの涙……彼女らが報われるか否かもまた、我らの努力次第か)」

おかっぱ「(当然、人手不足を理由に設立された当初から、こんな部隊を欲しがる部署もなく……
付いたあだ名がみなしご大隊……救われん話だ。師団にもそんな連中が何人か差し向けられたらしいが……
先のガス騒動でも、何人か犠牲になったのだろうな。国教騎士団のきたないカネの流れにも、恐らくは利用されたか……)」



敵兵「ところで……あんたってやっぱり、偉かったりするの?」

ポニテ「階級は大尉であります。帝国領内から抜け出す際に上官が全て戦死された為、不肖この私が指揮を任されております」

敵兵「……そうなんだ」

ポニテ「あなたも、やはり帝国民なのですか?」

敵兵「えっと……オレは……」

ポニテ「私も帝国の国籍を有していた者として、東西に自国を引き裂かれる様を見るのは辛いものでした。
ともに戦いましょう、よろしくお願いいたします」

敵兵「(どうも、元連合兵です……あなた達のお国をぶっ裂いた敵国民です……)」

ポニテ「歓迎しますよ。我々の任務は通常の情報任務の他、大型の魔物の駆逐です。
巨人型、巨獣型……中には石でできた怪物までいましたね。ゴーレムだとか言いましたか」

敵兵「お、大型……」

おかっぱ「(死傷者が増える筈だ……)」

敵兵「(……まじで……魔王軍にケンカ売るんだな……オレ……)」

おかっぱ「(確か、彼奴等が運用しているのは……北西諸島とのパイプが完成し、帝国陸軍技術局とエルフが共同で開発した
遠近両立複合兵装、スライダーリコイル搭載超大型銃剣……ヴォーパル鋼製の刃を、炸薬を用いて敵の肉体に突き込む……
任意で叩き折る事で、ヴォーパル鋼の持つ対魔作用を永続的に発動させる……人材も兵装もほぼ使い捨て、人権などあったものではないな)」

敵兵「(あんときの二人……まだ生きてんのかなぁ……)」

敵兵「うう、胃が痛い……」

おかっぱ「……食事を奢る甲斐のない男だな、もっと食え」

敵兵「だって……だって……」

おかっぱ「この近辺ではお前の顔を知っている者などおらんだろうに。堂々としていろ」

敵兵「そうだけど……」

おかっぱ「……生きるのが辛いとは言わせんぞ?そんな弱音を吐いてみろ、今すぐその首叩き折ってやる」

敵兵「こわい」

おかっぱ「ふん……今、お前にできそうな事と言えば……連合の首でも狙ってみてはどうだ?
今のお前に連合兵としてのプライドなんてなかろう、憎い奴をそのまま叩いてしまえ」

敵兵「オレが一番憎たらしい奴を知ってるくせに……」

おかっぱ「ははは、そっちはまだ時期が悪いという事だな。だが、生きていなけりゃあそいつの首だって取れんぞ」

敵兵「……」

おかっぱ「(アタシとて、あのケモノを生かし続けておいていいとは思っておらんからな。
頃合いを見て始末せねば、幕府……帝にも届き得る災厄を撒き散らしかねん。今はその時期ではない……)」

ポニテ「閣下、各小隊長からの書類を持ってまいりました……閣下?」

エルフ近衛兵「閣下は……その、ちょっと励んでおられる。少し待て……」

エルフ三男「……」

エルフ近衛兵「オッケーだそうだ。入れ」

ポニテ「励む……?」



エルフ三男「ああ、ご苦労様……そこに置いておいてください」

ポニテ「何をしておられるのですか」

エルフ三男「騎士様の親子水入らずの刻を見守っているのです」

ポニテ「……騎士様は何を?」

エルフ三男「湯浴みの最中です」

ポニテ「」

エルフ三男「ハアッオ゛……愛おしい……シルクの如ききめ細やかさに、ミルクのような真白さ……素晴らしい……」

ポニテ「」

エルフ三男「まるで一枚の絵画を眺めているようです……ああ、騎士様……
女性のか細さと、母としての豊満さを併せ持つ肢体、美しゅうございます……
痛ましき妊娠線までもその美に貢献している……女性のその痕は、男の戦傷よりずっと尊いとはこの事ですね……」

ポニテ「」

エルフ近衛兵「(スタイリッシュ☆ノゾキ☆)」

エルフ三男「そうだ、これをお持ちなさい。女性のあなただから任せられるミッションです」

ポニテ「これは……」

エルフ三男「最新鋭の写真機です、これで騎士様の美貌を永劫まで残してください」

ポニテ「……」

エルフ三男「早くしろっ!!間に合わなくなっても知らんぞーっ!!」

ポニテ「は、はっ!!」

エルフ三男「ああ……お嬢様の御髪をこの手で洗ってさしあげたい……
若様の角の生え変わる様をまじまじ見据えたい……!騎士様の肢体を、ぼく自身の手で……!」

ポニテ「騎士様……騎士様……!」

エルフ三男「しっかり記録に残しておくんだ!」

ポニテ「了解であります!!他の者も喜びます!!」

エルフ三男「だめだ!!これは極秘事項なのだ!!下の者に漏らしてはならない!!
キミはあくまで役得に預かっているに他ならない!」

エルフ近衛兵「(同☆類)」

女騎士「よォーッ、童貞!今日も元気にマスかいてるか?」

敵兵「ひい!!」

女騎士「なんだよォ、そんなにびびんじゃねーよ、私とお前の仲じゃねェか」

敵兵「(やばいちょっと実が出た)」

息子「……」

敵兵「(なんかお子さんがすごい機嫌悪い……こわい……)」

娘「……」

敵兵「お、親子で風呂でも入ってたのか……ははは……」

女騎士「んー、まあなあ。少なくともお前みたいなゴミに比べりゃよっぽど上等だしなぁ。
見なよこの顔を……私の生き写しじゃあないか、私ほどじゃないにしろ整った顔してるだろ?」

敵兵「(何度考えても信じられん……こんな奴が母親だなんて……オレだったら自殺してる……)」



娘「ねえ、お兄ちゃん」

息子「な、何!?」

娘「……またお母様でシてたの?」

息子「してない……な、何の事?」

娘「私とも仲良くしてよ、ねえ」

息子「う、うん……」

娘「私だって……同じくらい、お母様がすきなんだから」

敵兵「うう……」

敵兵「(目が覚めちまった……決行前夜だってのに……)」

敵兵「(散歩……散歩なぁ……ドラゴンどもを避けて、ちょっと外の空気でも吸いに行くかなぁ……死んじまったら……それまでって事で)」




ポニテ「おや、こんな遅くにどうかしましたか」

敵兵「……」

ポニテ「寝付けませんか?」

敵兵「ええ、まあ……あんたは何を……?」

ポニテ「愛馬……いえ、愛竜との最後の調整でしょうか。今作戦では、魔王軍も本腰を入れて防衛に当たっている筈です。
大型のキュークロプスやオルトロス等も投入されるでしょう、となれば我々の出番です」

敵兵「……」

ポニテ「先ほど座学で一通りお話しした通り、メリジェーヌ及びクロウクロアッハに騎乗しての大型銃剣による強襲。
大型をいち早く潰し、仕事を済ませたら戦線を速やかに離脱するのが我々の任務です」

敵兵「ああ……」

ポニテ「あなたは……そうですね、無理はしないでくださいね。あの複合兵装、一日二日の付け焼刃では意味がありませんから」

敵兵「き、肝に銘じておくよ」

ポニテ「何分重たいですからね……使い捨ての刃を抜いたカラ重量でも、約9キロ近くありますから」

敵兵「(腕が千切れ飛ぶっての……あのクソ騎士めえ……!!)」

ポニテ「とにかく、勝ちましょう!勝って、帝国を取り戻すんです。私たちの国を!」

敵兵「お、おお……」

ポニテ「焦らなくても、武勲は逃げませんよ。魔物ども相手の闘いはまだまだ続くんですから」

敵兵「(何か不思議だな……魔王軍のオマケみたいに思ってたダークエルフが、帝国人として戦ってるなんて……)」



ポニテ「……ん、何でしょうね、あれ……金星……違う、何だ?」

敵兵「……」

ポニテ「あれは……」

敵兵「……」

ポニテ「……」

敵兵「ド……ドラ……ゴン……?」

ポニテ「まさか、だとしたら……ものすごく大きいですよ……」

敵兵「あんなん見た事ねえぞ……ウソだろ、見間違いじゃ……」

ポニテ「非戦闘員退去!!314、スクランブルだ!南南東より飛来する大型の飛行物体あり!」

敵兵「」

ポニテ「314連隊飛行隊、先行するぞ!!」

敵兵「あばばばばばば」

女騎士「……」

エルフ三男「目視での分析によれば、恐らくはギガント・ドラゴン……大陸最大の竜種と同程度!」

エルフ近衛兵「閣下、ドラグーン部隊の編制まで残り4分弱かかります!」

エルフ三男「2分で済ませろ、用意をいち早く済ませた者には褒美を取らせると言え」

女騎士「ねむい……」

エルフ近衛兵「閣下、敵飛行隊の編成は恐らくこのようになっていると……」

エルフ三男「ふむ……この奥に位置するデカブツが虎の子か。進行方向、運用……チッ、よりによってこの場所がバレるか……!」

女騎士「おしっこ……」

エルフ近衛兵「ガス騒動の後に、ほとんどのドラグーンは風上へ迂回してこのワイン蔵に帰投しました。そこからここを割り出されたのでは……」

エルフ三男「こうなってしまってから悔やんでも仕方ないか……サイズからして雲海級……」

女騎士「うるさい……寝かせて……」

エルフ近衛兵「閣下、緊急発進した314連隊は6分後に接敵する模様です」

エルフ三男「彼女らの主任務は白兵戦だ、銃撃戦じゃない。命を無駄にするなと指示はしてある」

娘「お母様、お手洗いはあっちです」

エルフ三男「……この大きさ、速度、形状……まさか……異教のガルーダか?
想定できる用途は……恐らくはエアボーン、奇襲か!機動性に長ける314がおびき出された形になったのか!?」

敵兵「でけえ……なんだ、何なんだよこの……このトリ!?」

ポニテ「主に物資を運搬しているようですが……この護衛の数は尋常ではありません!」

敵兵「こいつら、間違いなく連合じゃないよな……」

ポニテ「十中八九、魔王軍の連中でしょう。そして、彼らの奇襲には必ず……!」

敵兵「……まさか」

ポニテ「魔王軍の、最少規模にして最大戦力……勇者率いるパーティが存在している筈……!」

敵兵「こ、この前の報復って事かよ……!」

ポニテ「まずい……まさか、本拠地がこれほどまでに早く叩かれようとは!」

敵兵「(勇者が……あの時の子がいるのか!?)」

ポニテ「だからあれほど、得体の知れんマフィアを小間使いに扱うのは止した方がいいと陳情したのに!!」

敵兵「……」

勇者「先頭のガーゴイル部隊は、既に接敵している。僕たちも行こう」

戦士「おうよ。ここから見ると……ブドウ農園ってのがいかにうさんくせえモノだったかよくわかるな」

賢者「殆どが芥子……麻薬工場だったわけですね」

僧侶「い、行きましょう、皆さん!頑張りましょう!」

勇者「ああ。ここで全ての禍根を断つ!グリフォン、行けるか!?」

グリフォン「問題はない。振り落とされて地面とキスだけはせんようにな」



エルフ騎兵ア「未確認の飛行物体……何だありゃあ、鳥の頭に……下はライオン!?」

エルフ騎兵イ「ケンタウリ……じゃねえ!あれも魔物かよ……」

ポニテ「……必要以上の交戦は避けましょう、今いるドラグーンだけであれを対処するのは不可能です!!」

敵兵「……」

ポニテ「戻りましょう、あの巨鳥が背負っているのは単なる物資ではありません……!」

敵兵「もうどうにでもなーれ……」

騎士は「魔物どもめ……」

騎士ち「なんと卑劣な……自分達の業を顧みず、お姉様にこんな仕打ちを!」

騎士は「許さん……ただでは帰さぬ……」

騎士ち「俗物が……血煙に成り果てろ……」

おかっぱ「……いつになく士気が高いな」



魔王軍剣士「一番乗りだ!!勇者様の道を空け」

騎士は「死ね!!」

騎士ち「愚か者め!!」

魔王軍剣士「うわらば」

おかっぱ「(そりゃあ攻城戦は守る方が有利だからな、しかも武装は滑腔砲にトレンチガン……突出するバカがこうやっている事を鑑みるに、
魔王軍の統制はそこまで隅々まで行きわたっていないと言う事か。人魔共存につられたチンピラも少なくない……というわけだな)」

魔王軍槍士「あべし」

魔王軍重騎士「ひでぶ」

おかっぱ「しかし……何とまあ前時代的な武装だ……」

おかっぱ「……お前達、我々も動くぞ」

金長狸「ど、どこ行くの?」

おかっぱ「部隊の責任者だ。話をつける」

真神「は、話だと……この乱戦の最中にか……!?」

九尾狐「あ、あの二人……嬉々として行っちゃったけどいいの?」

おかっぱ「大獄と茨木……あの二匹は私の管轄ではない、そもそも私では奴らを止められん。
私達幕府の目的は、奴らと違って魔王軍を殲滅する事ではないだろう」

九尾狐「そ、そォだけど……あたしの場合は、茨木に肩入れしとかないとまずいかなーって……」

おかっぱ「嫌なら残って構わん、私は行くからな」

金長狸「タヌキ鍋は嫌だァ」

真神「わんわんお!!」

おかっぱ「(私が相手をするべきは末端のザコじゃない。魔王、もしくはそれに近しい者だ。
これほどの軍勢を用意できるほどの存在だ、期待はできる筈……少しはおいしい思いをさせてくれよ……!)」

エルフ三男「314連隊を地上に戻せ、既に相当数に降下されている」

エルフ近衛兵「既に大半のドラグーンが地上での迎撃にあたっています、314の大尉さまさまですね」

エルフ三男「(ふむ……あの大尉か。なかなか柔軟な対応ができるようだな……)」

女騎士「……ん、何。何なの、何やってんの」

エルフ三男「勇者の野郎がカチ込みに来ました」

女騎士「……あ?」

エルフ三男「勇者の野郎がカチ込みに来ました」

女騎士「ブッッ殺せ!!絶対絶対ブッ殺せ!!クソナマイキな小僧が、この私にケンカ売った報いを受けさせてやる!」

エルフ三男「元よりそのつもりです。総員に通達、勇者をブッ殺せ!!」

女騎士「クソダボがァ、私の安眠を邪魔しやがってよォ……覚悟しやがれ、この私が直々に」

エルフ三男「やめて」

女騎士「」

エルフ近衛兵「調子出てきたなァ騎士様」

賢者「先行した部隊の損耗が激しい……ああもう、やられ放題じゃないの!」

勇者「クッ……」

グリフォン「間もなく建屋に突っ込むぞ、用意はいいか!!」

僧侶「いつでもいけます!」

勇者「戦士、そんな装備で大丈夫か!」

戦士「大丈夫だ、問題ない」

グリフォン「よし、行くぞっ……」

勇者「……待ってろブロンド……悪魔め、そこにいるんだろ!!もう、好きにはさせない!!」




娘「させるかボケェェェェ!!!」

息子「汚い汚い汚い!汚い土足でお母様の下に近寄らせるものかあ!!」

娘「顔の皮ァ引っぺがして、ドラゴンのクソでも塗りたくってやンよォ!!簡ッ単にゃア殺さねェ!!」

賢者「戦士ィー!!戦士ィー!!」

戦士「」

僧侶「戦士さんの右半分が飛んで行っちゃいましたァー!!」

グリフォン「」

賢者「グリフォンも息してないわ!!さっきの銃撃で……!」

勇者「ここまで来れれば御の字だ、このまま徒歩で向かうぞ!回復を頼む……」

賢者「待ってて、今治してあげるから……」



娘「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

戦士「ひでぶ」

息子「死ねっ!!」

戦士「うわらば」

賢者「戦士ィー!!戦士ィー!!」

娘「早く回復させろよザコがァ!!治った傍からソイツの首ィ吹き飛ばしてやッからよォ!!」

戦士「たわば」

エルフ騎兵「(回復役を先に潰さないあたり、あの人の子どもなんだよなぁ……)」

娘「相変わらずキモチの悪ィ連中だなァ、テメェらはよォ!!」

勇者「……やはりこの先にいるんだな、あの女は」

息子「武器を捨てろ、お前だけは……お前だけは、お母様の目の前で殺さなきゃあならない」

娘「テメェらがやっていいのは……そうだな、そこから血ィ噴いてるゾンビ野郎の治療だけだ、変なマホーなんか使うんじゃねェ!!」

戦士「」

僧侶「戦士ィー!戦士ィー!!」

勇者「……なるほど、母親そっくりだな。そういう事か」

娘「おいおいおいおいおい、聞いてますかァ?おミソがコンコンチキのおニィさんよォ?ぶきをすててくださァい、お願いしゃァーッす」

エルフ騎兵「(……何だ、抜き身の剣を片手に……もう降参か?)」

娘「ホールドアップッて知ってッかァ、おニィさァん。もうアンタら、地に足着いた時点で詰ンでンだよォ、分かってンだろォ?」

勇者「そっくりだ、ここまで似てるなんて思わない……そうやって、オモチャにかまけている間は何もしてこないところまでそっくりだ!」

エルフ騎兵「(やばっ……何か手があるぞ、ありゃ!?)」

僧侶「いぎゃあああああッ、痛っ、痛ああああああいいいい……」

娘「……」

エルフ騎兵「お嬢様!!」

息子「な……!?」

エルフ騎兵「(何が起こった…・・・?あの錫杖を持っている女は、警戒の為に私がたった今潰した……
樫の杖を持っている女は、大柄な男の治療中……リーダーと思しき男もまた、銃を突き付けられ……)」

娘「てめ……これ……これ、抜けよ……ぬ゛け゛ッて゛ぇ……!!」

勇者「1人目!」

エルフ騎兵「(お嬢様が抜かれた……人間に!?)」

娘「あああああ、血いいいい、血いいいい出だあああああああ、あああぐぐぐぐぐ」

息子「お前……お前ッ、剣を捨てろっていっただろォがあ!!」

勇者「……2人目、行くぞ!!」

エルフ騎兵「クソッ、何なんだあいつらは!」

息子「血、血が……血が止まらない!傷口が……こ、焦げてるみたいだ!!」

エルフ騎兵「陣地に退きます、あの場は他の騎兵になんとか耐えてもらうほかありません!」

娘「あぢゅ、あぢゅいいいいい、いだい、いだああああああいいいいい!!」

息子「あの……あの畜生ども!!何の謂れがあって……僕たちの前に立つ!!ふざけやがってえ!!」

エルフ騎兵「(お嬢様や若様のティアマトー、接近戦に特化している品種だけあって致命傷になるような負傷はない……
少しばかりの刀傷……しかし、お嬢様のこの傷……深いとはいえ、この……焼けた鉄を押し付けたような症状は……)」

娘「おがあじゃまああああああ、いだああああい、あぢゅいいいいいい!!!」

息子「ああ、ああ……どうしよう、どうしよう!な、治るかな……治るかなあ!?」

エルフ騎兵「(……魔王討伐にかつての勇者が用いた叡智の教義……高純度ヴォーパル鋼の魔剣か!)」

息子「カスども……皆殺しにしてやる、魔物のぶんざいで妹に、妹に触れやがって……!」

エルフ騎兵「若様、ここは退きましょう!!残弾も心許ないはずです」

息子「妹がここまでされて黙っていられるか!!ケンカ売られて黙ってろってのかこんダラズがァ!?
一兵卒のチンカスみてぇなテメェなんぞがこのボクに説教垂れるってのか!?やってみやがれ上等だボゲェ!!」

エルフ騎兵「」

エルフ騎兵「若様もご覧になったでしょう、あの勇者の……なんか凄いゴキブリみたいな動きを!」

息子「散弾でも撒いてやりゃあ、そんなクソムシ潰せらァ!!」

エルフ騎兵「いいですか若様、恐らくはあの勇者と思しき人物が持っていた両刃剣がカギです!
勇者を発端とする英雄信仰のすべてを凝縮した宝具、あの剣一本で神性一柱ぶんの力を持っていると言っても過言ではありますまい!」

息子「か、神……!?」

エルフ騎兵「このお嬢様の症状を鑑みるに、ダークエルフ達の部隊が大型種に用いているヴォーパル鋼銃剣と同じ……
人外の者に対し、切創から甚大な損傷を与える効力を持っていると考えて間違いありません!」

息子「……あのワケの分からねェ動きも、その剣のせいだってのか」

エルフ騎兵「人外……人間以外の種族に対するあらゆるカウンター、伝承ではそうした解釈が為されていますからね。
幻魔や神性、それに類するあらゆるものには常勝無敗と言っていいでしょう、私の推察に過ぎませんが……!」

息子「ザッケンじゃねェぞ……クソが……それじゃあ……」

エルフ騎兵「……」

息子「ドラゴン混じってるボクじゃあ……あいつらをブッ殺せねェってのか!?ザッケんなあ!!」

おかっぱ「チ……こうもシッチャカメッチャカじゃあ、どこに指揮官がいるかもわかりゃしねェ」

真神「わ、わんわんお!わんわんお!」

金長狸「うひゃあー、あっちで血しぶきこっちで肉塊……ご先祖様の合戦小噺を思い出しまする」

九尾狐「……」

おかっぱ「おい、お前は京の鬼についていったんじゃあないのか」

九尾狐「こわい(迫真)」

おかっぱ「……」




メガネ「あらやだぁ……おっきな鳥さん……」

櫛巻き「どねえしんしたら、こねえなに大きくなるのでありんしょうか……」

メガネ「ちょっと、食用にしたら育ちすぎねぇ……おいしくはなさそうだわぁ」

櫛巻き「物珍しくはありんすが……それだけでござんすねぇ」

メガネ「それじゃあ、さっさと片してあげましょうか……」

ポニテ「掃討が間に合わない……デカブツが多すぎる、私の騎竜のスタミナがもたん……!」

敵兵「く、くそう……!」

ポニテ「あなた!弾の補充は必要ですか!?」

敵兵「す、すこし不安になってきたが……しかしあんたは大丈夫なのか!?」

ポニテ「我々の仕事は、このお高い金属の塊を奴さんの喉元にぶち込む事です。弾は新米のあなたがお持ちください」

敵兵「か、かたじけない」



櫛巻き「ううう……酷いでありんす。大獄ばかしあのように珍しいものを……」

ポニテ「あれは、幕府からの……」

敵兵「丸腰じゃねェか、何やってんだ!!」

櫛巻き「しょうがない、細かい方でお腹をいっぱいにするしかありんせん……」

敵兵「き、聞こえてるだろ!下がれえ!」

櫛巻き「嫌でありんす……船旅ではろくに食べていんせん、いい加減お腹が空いてしまいんした……」

ポニテ「……放っておきましょう、彼女も我々の味方なら……多分、大丈夫でしょう」

敵兵「えっ……」

ポニテ「ほら、上……」

敵兵「……」

ポニテ「あのデカブツが頭を潰されて……ほら、落ちていきますよ」

敵兵「」

エルフ三男「ガルーダを撃墜……一安心と言ったところか」

エルフ近衛兵「しかし、地上は未だに混戦中です。先ほど一時帰還した兵によりますと……
お嬢様が負傷されたとの事、若様たちの部隊が勇者と交戦した模様です」

エルフ三男「お嬢様が……!?」

女騎士「……」

エルフ三男「騎士様……」

女騎士「クソッタレが……私の娘をキズモンにしただあ?腐れ脳ミソのヤリチン勇者がァ、何様のつもりだよ、オイ。
あのガキが死のうがどうなろうが構いやしねェが、私の遺伝子を継いだ人間をキズモノにするって事ァだ……
この私のケツの穴に、思いっきり中指ブッ立てる事と同義だよなァ!?神様の偶像にクソひっかけんのと同義だよなァ……」

エルフ三男「(ああ……はふぅ……久しぶりだなァ……この表情……)」

女騎士「ククク……どうするよォ。あの豚煮込みと同じ目に遭わせてやるかァ?野郎での臨床実験はまだだろォ?」

エルフ三男「ええ、まあ」

女騎士「生け捕りにできたらの話だけどなァ……それともどうする、魔王のチビガキがおっ死ぬところを目の前の特等席で……
あのクソ童貞と電気椅子並べて鑑賞させてやるってのもいいよなァ。爪を一枚ずつ引っぺがしてよお!」

エルフ三男「全騎兵に再度通達。『勇者』に狙いを絞れ、大型の魔物は314に任せろ、勇者を必ず仕留めろ」

女騎士「……ガキが。手足にナマリ弾叩き込んで命乞いさせてやらあ」

騎士ち「人外へのカウンター……?」

騎士は「ええ、すなわちあちらからの騎竜への攻撃は全て致命傷になり得る。そう考えていいと聞いています」

騎士ち「しかし、単なる歩兵でなくて?」

騎士は「……相手が人外ならば、少ない例外を除いてほとんどの場合、敗北する事はない。そうしたロジックが組まれているとの事です」

騎士ち「なるほど……だから、あの大将閣下はドラゴンから降りろと命じましたのね」

騎士は「あの勇者のせいで塹壕戦に逆戻り……退魔のチカラも考え物ですわ」


騎士は「それで、おめおめとたった4人でやって来たと」

勇者「……」

僧侶「……ば、万全です!いつでも行けます」

賢者「勇者くん、行けるわ」

騎士ち「おらっ!」パンッ

戦士「ちにゃ」

僧侶「戦士ィー!!戦士ィー!!」

騎士ち「ふう……しかし、こう壁をはさんでにらめっこじゃ埒があきませんわ」

騎士は「そうですわね……お姉様のところに戻りましょう、面倒ですわ」

騎士ち「ええ……それじゃあ勇者パーティ御一行様、ごきげんよう……」



勇者「……」

賢者「あの扉の奥……か。どうする?」

僧侶「……あの、魔王さんから教わった……閃熱術式って使えないんですか?」

戦士「確かに、扉に入らずあぶりだせるかも知れんが……」

勇者「……十中八九、人質がいるはずだ。あの女がここにいるならね」

賢者「……」

勇者「それか、僕らが動けなくなる何らかの手を使ってくる。人質に限らず……何かを」

僧侶「う、うう……」

勇者「剣はドラグーン相手にしか使えない……ここで僕がアドバンテージを取る事は出来ない」

賢者「……決まりね。先頭はまず戦士、よろしく」

戦士「」

戦士「……」



女騎士「ようこそ、ヘッドクォーターへ」

エルフ三男「身一つ、ちゃちい盾のみとは御見それいたしました」

エルフ近衛兵「お察し申し上げます」

騎士ち「では、ごきげんよう」

騎士は「後ろの方も残らず蜂の巣にして差し上げます」

エルフ騎兵ア「さようなら」

エルフ騎兵イ「さようなら」

エルフ騎兵ウ「さようなら」


戦士「おいッ、戦闘員は出払ってるって言ッ」




賢者「戦士ィー!戦士ィー!!」

僧侶「きゃ……な、何か投げ込まれましたけど……外から!!」

賢者「ウソ……あれは……」

勇者「催涙弾……いや、黄土色の気体……まさか、あのガスか!?」

賢者「う、ウソ……障壁、術式組んで!」

僧侶「ひいいい」

勇者「(色、臭気……どう見ても、窓から投げ入れられたのは有毒ガス弾……しかし……!!)」

僧侶「む、無理ですよお!に、逃げましょう、早くう!!」

勇者「落ち着け!あの女がいる建屋内にガスを流出させる事などあり得ない、気をしっかり持て!!」

僧侶「嫌あ!!あ、あ、あれで死ぬのは嫌ぁぁ!!」

勇者「ガスは……あれはまやかしだ!しっかり……!!」



ポニテ「今です、仕留めましょう!!」

敵兵「お、おう……!」

ポニテ「くたばれっ!!」

敵兵「……」

エルフ三男「……」

女騎士「んー、表じゃドンパチ白兵戦やってるみてぇだなあ。どのくらいで済むかねぇ」

エルフ三男「(手筈通り……あの九尾の狐の術が起動しているなら、勇者とまでは行かずとも……取り巻きを潰す事は出来る筈だ。
奴らが先のガス流出を目の当たりにしているなら好都合、殺生石の毒気伝承……認識に潜り込めば、
亜硫酸ガス、硫化水素……生物を死に至らしめるに十分な気体を顕現させられよう)」

女騎士「んじゃあ、もう寝に戻っていっかなー……後は勇者の野郎の首でもちらつかせりゃ……」

エルフ三男「んふふ……ぼくはちょっと様子を見て参ります、少々お待ちください……」

エルフ近衛兵「か、閣下!?危険です、お戻りください!」

エルフ三男「(……そう、勇者にはあの妙な剣の存在がある。だからこそ警戒しなければならん。
勇者の正気を、人外の術で奪う事は不可能……そこに付け込む奴がいないとも限らん……たとえば……)」



エルフ三男「(くそ魔王軍に対し……殲滅でない方法で歩み寄ろうとする勢力だとかな)」

ポニテ「314……増援、まだか!」

戦士「ぐ……ちくしょう、早く出ねえと……勇者ァァ!」

敵兵「あ……」

勇者「……」

ポニテ「早く!早くその男の首を!!勇者を討ってください、大尉ィ!!」

勇者「……下がってくれっ!!」

ポニテ「がうっ!!」


敵兵「ひ……!!」

戦士「勇者ァ!!このガス……ハッタリなのァ、わかったが、賢者と僧侶の二人がアウトだ、撤収しようぜ!」

勇者「……」

戦士「何だ、テメェ……この期に及んでまだやんのか、悪女の手先ィ……!」

勇者「やめてくれ……」

敵兵「……」


敵兵「い、いやだ……死にたくない……な、何でもする、何でもするから、オレを助けてくれ、頼むよォ!!」

敵兵「」

勇者「あなたは……やはり、あなたは6年前の……!」

敵兵「た、頼む……オレを助けてくれ、もォ限界だ……いやだ、もういやだァ」

戦士「お、おい……何なんだよ、コイツぁ……」

勇者「……」

ポニテ「……」

敵兵「ひい……お、お願いだ……も、もう銃も何も持っちゃいない……助、助けてくれ……」

戦士「ゆ、勇者よう」

勇者「彼を連れて退くぞ、出直しだ。あの女の兵力の厚さ、やはり魔王に着いている勢力のチカラも必要だ」

敵兵「……」




エルフ三男「このゲス野郎が……もしやと思って様子見りゃあ……恩義もブン投げて鞍替えたァ、ムシが良すぎるのと違うかァ?」

敵兵「う……」

エルフ三男「グズがっ!!」パンッ

敵兵「げぇっ!!」

敵兵「痛てえ……痛てて……死ぬ……死……」

エルフ三男「次は喉だ、死ぬほど痛ぇぞ」

敵兵「いやだ……死に、死にたくねえ……死にたくねえよ……」

勇者「……」

エルフ三男「ほら、今日の所は見逃してさしあげます。さっさと帰って魔王の足の指でもしゃぶりなさいな」

敵兵「……」

勇者「死なせてたまるか、ふざけるなっ!!」

戦士「僧侶ッ、今だぜ!!」

エルフ三男「な……に!?」


エルフ三男「(錫杖の女!?なぜ、なぜ動ける……術式が停止したのか……!?
……それはあり得ない、現にフェイクの気体は目視できるまでに顕現している……では……)」

エルフ三男「(まさか……ぼくのミスか!?あのクズ野郎への発砲……!
あれを見て、ガスの存在が真でない事を悟ったか!?認識祖語が正されれば、あの狐の術は無効化される……!)」

僧侶「は、早く……逃げましょう、指定地に迎えが来ているんでしょう……?」

エルフ三男「(よりにもよって……あの治癒術師が先に復帰するか……!)」

勇者「戦士っ、彼を頼む!僕が後続を努める、退くぞ!」

戦士「わかった!」

勇者「(……ガルーダの撃墜と、今の奇妙な幻術……6年で更に力を蓄えたか、悪魔め!)」



エルフ三男「……」

ポニテ「がっ、がっふ……」

エルフ三男「ただじゃおかねェぞ、アバズレ魔王のサオ役がよォ……ナメくさりやがって……!」

エルフ三男「申ォォォし訳ございません騎士様ァァ……不肖このぼく、あのくそ勇者一行を取り逃して……」

エルフ近衛兵「シャラップでございます閣下……お静かに……」

エルフ三男「……」

女騎士「……んふ……ふぅ……」

エルフ近衛兵「二度寝中にございます」

エルフ三男「……」

エルフ近衛兵「……」

エルフ三男「騎士様きゃわいい……寝顔きゅんきゅんきゅい!ちゅっちゅしたいなあ!!」

エルフ近衛兵「」

エルフ三男「きゃわわわわ!お肌すべすべ!!」

エルフ近衛兵「(娘が死線を彷徨っている最中にも関わらず、なんとおおらかな女性か……)」

おかっぱ「すまない、取り逃がした……奴らが駆っているのは、ワイバーンとは別種の魔物だ、あの速さは」

エルフ三男「ああ、そんな事はどうでもいいんです……あの連中を打倒するのも大切ですが、
優先すべきは帝国東部の奪回です。追い払えただけでも万々歳ですよ」

おかっぱ「そうか……損害が最小限に抑えられたのならいいのだが」

エルフ三男「おかげさまで……」

おかっぱ「……」

エルフ三男「ところで……ずいぶん早くぼくの指示がそちらに行ったのですね、助かりました」

おかっぱ「ああ、事前に狐狸妖怪の伝承や逸話をそちらに伝えておいてよかった、的確な使い方で感心した」

エルフ三男「ええ、実に迅速だった……何だか、少し早すぎるくらいに」

おかっぱ「……」

エルフ三男「なんだか……ワイン蔵内部を、有色ガスで覆う事が目的だったかのようで」

おかっぱ「……まさか。そんな事をして何になる」

エルフ三男「……」

エルフ三男「幕府の豆タンクが……ぼく達が気づいていないとでも思っているのか?」

エルフ近衛兵「……」

エルフ三男「あの女の主張と幕府陸軍……そして、あの虎の子二匹の言動、主張の不一致を、
ぼくが黙認すると思っていたのか……それとも、気づいていないのか?己の纏う不自然さが」

エルフ近衛兵「今のうちに、行動の制限を課しておきましょうか。幕府に対する人質として……」

エルフ三男「下手につついて、大人しくして頂いている二匹に暴れてほしくはない」

エルフ近衛兵「……声が少し大きいです」

エルフ三男「幕府とて、内的先進国を気取っておきながら一枚岩ではない。上手く立ち回れば、こちらの益の為になる事もあろうよ」

エルフ近衛兵「……」

エルフ三男「ハト派なんぞに邪魔されてたまるものか……あのヘルメット頭、魔王軍とのパイプを持ったな?
それほどまでに、我々は嫌われているか……いいだろう、嫌われ者同士で仲良くするさ……」

大獄「嫌ですわ……ひどいですわ……嫌われ者だなんて」

茨木「幕府は物事を考えすぎなのでありんす、他人を疑う事ばかりして」

エルフ三男「ああ、まったくひどいものです……ぼくもその通りだと思いますよ。
まったく、同じお国の者同士で仲良くするべきです。ねえ、そう思いませんか?」

茨木「クク……」

大獄「どうぞ、よしなに……うふふ……」

第6部 女騎士反目編

                ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                 d⌒) ./| _ノ  __ノ 

第7部 女騎士奪回編へ

                                       ー- 、 ー-、``/  
                                      _, '  ._, '  \  
                                    -------------------
                                     制作・著作 NHK

僧侶「迎えの部隊が来た」
僧侶「待望のステーキをほおばりながら、あたしは泣いた」

女騎士「……」

ポニテ「……」

おかっぱ「……どうした、あれが気になるのか」

ポニテ「は……?」

おかっぱ「あれだ、あれ……」



女騎士「……なんだこれ、おいしー。もっと」

エルフ三男「では、こちらの店舗も出店許可を出すという事でいいですか?」

女騎士「オッケーオッケー、ショバ代肩代わりしてだいじょぶ。ほんとおいしーコレ」

エルフ三男「北西諸島の機材を用意させたことで、滑らかな舌触りのチョコレートになっていると」

女騎士「これをまた飲用に仕上げたら、娼館やサロンで叩き売れるな……んはぁぁ、いい香り」


ポニテ「……」

おかっぱ「我々が雑務に追われている最中、ああしてハンモックに揺られながら菓子をむさぼる騎士殿、か…」


女騎士「そらー食えー」

息子「くださいっ、お母様あ、ありがとうございますぅ」

女騎士「そーだ、あの子の方は点滴にチョコでも混ぜとけー」

息子「ありがとうございます!彼女も喜びます!」

女騎士「ねえねえ、練乳ないの練乳」

おかっぱ「」

エルフ近衛兵「は、こちらを」

女騎士「あとメープルちょーだい……ありがとありがと」ドッポッポッポ

ポニテ「」

女騎士「んはぁぁ、これこれ、この味。ちょっと控えめだけどおいちー」

ポニテ「うぐ……胃が……」

おかっぱ「ワイナリーの異臭はドラゴンの畜舎のものでは無く……このクソ甘ったるい匂いだったか……!!」

女騎士「何だカスども、欲しいのか?」

おかっぱ「ちっ、近づけるなっ!!ふざけるな、何だそれは……!!」

女騎士「一昔前のチョコだよチョコ、これほんっとおいしーの」

ポニテ「(加糖チョコ3、コンデンスミルク5、メープルシロップ2、砂糖1……うう……見るだけで胃が……)」

女騎士「私はクスリもタバコもやらんが……こればかりは酒より好きだ、たまらん……」

おかっぱ「(これだけ糖質とカロリーを摂っておいてこのスタイルか……どこか脳がおかしいのか?)」

息子「んく……んく……んく……んはぁぁ……」

おかっぱ「(予想通り親子揃って!!この糖尿病補助飲料を!!ピッチャーで!!)」

ポニテ「(あまりのチョコレート臭に比率計算を間違えてしまった……)」

エルフ三男「カカオの供給が安定してから、共和国を中心にチョコレートが普及しましたからね。
国教会の教義にある断食にも引っかかっていないから、神職者の間でも非常にポピュラーなのですよ」

おかっぱ「ほ、ほお……」

エルフ三男「当然、貴族主義の帝国では識者や裕福層、政治屋の集まるサロン等で嗜まれるようになりましたがね」

女騎士「北西諸島や共和国なんかはあんまり下品なもんで、つい最近まではチョコなんか空気だったんだぜ。
クソいかがわしいサロンが目の敵にされてさあ。帝国じゃさほど値は高騰しなかったのが救いだったな」

おかっぱ「(きもちわるい……胸焼けがする……)」

息子「ふあぁ……おかあさま……チョコ、チョコおいひぃれしゅぅ」

女騎士「このガキも道端で客取れるようになったら真っ先にチョコ買占めに行ったからな。ガキには麻薬みたいなもんか……
いや、おクスリの方が安いくらいだなwwwwwwwwwwチョコなんか昔は買えねぇってのwwwwwww」

おかっぱ「そうか……」

女騎士「そうだ。ほらほら、おいでな」

ポニテ「は……お呼びでしょうか」

女騎士「イッキ」

ポニテ「……」

女騎士「先の戦闘じゃ疲れただろう、これを飲んで精気を養え」

ポニテ「」

おかっぱ「ゲェッホ!!ゴハァアァ」

ポニテ「オゥェェッ、ゴホ、ゴッホ!!」

おかっぱ「ノドが焼゛げる゛う゛うう゛」

ポニテ「食堂が痛ゲェエェェッ!!息があ゛ま゛い゛い゛い゛」

おかっぱ「(クソが……こんな役回りは私に相応しくない……!!なぜ私がこんな目に……)」

ポニテ「(あれが人間の摂取するものなのか……炭水化物や糖分の高速摂取には持って来いだろうが……)」

おかっぱ「(こうして便器に向かって嘔吐など……あのクソニートの性分だが、今は仕方あるまい……
魔王軍に渡った奴がどのように作用するか……その影響を考えれば安いもの……)」

ポニテ「ヴェエエッ」

おかっぱ「オロロロロロ」



女騎士「三男坊よー」

エルフ三男「はいはい」

女騎士「ハンモック考えた奴って天才だわー、これ確実に人間ダメんなるわー、ラジオホルダー入れたらやべーって」

エルフ三男「(ぐだぐだの疑似アヘ顔……崩れたお顔もお美しい、騎士様ぁ……)」

息子「けぷぅ」

女騎士「……わ、ボテ腹。飲みすぎじゃないの」

エルフ三男「(ピッチャー2?を6杯いってお腹ぺったんこなあなたはどうなんですかね……ペロペロしたいな……)」

女騎士「これさー、見晴らしのイイところだったり、湖畔だったりで使ったらヤベーよ」

エルフ三男「見晴らしのイイ……」

女騎士「冗談抜きで脳みそとろけるってまじで。やばいやばい、とろかせたい。決めた」

エルフ三男「決めた……何をお決めになられたのです」

女騎士「ヴァカンスがしたい!」

エルフ近衛兵「」

エルフ三男「」

女騎士「湖畔で泳いで森林浴してハンモックで寝たい。おいしいモノいっぱい食べたい。あんたンとこでいいでしょ」

エルフ三男「ぼくは一向に構いませんが……」

エルフ近衛兵「えっ」

女騎士「目覚めたわ……これ私、私これ目覚めたわ。一流のハンモッカーにならんといかんわ」

エルフ三男「聞いたな!!クロウクルアッハを出すぞ、出発準備急げ!!」

女騎士「わーい、ヴァカンスだぁー、わーい」

おかっぱ「ヴァカ?あの女の頭がか」

金長狸「大規模な遠征って聞いたのよ」

真神「遠征……遠足と聞いたぞ」


大獄「あらまあ……こんな来て直ぐにお暇を頂けるだなんて、お優しい将軍様ですこと」

茨木「エルフだかいう人らも、なかなか太っ腹でありんす」

エルフ三男「皆さんの水着等々もご用意いたしますよ、ぜひ楽しんでください」

ポニテ「……」

エルフ三男「おや、どうかいたしましたか。最低限の人員はともかく、あなた方を漏らすような事はしませんよ」

ポニテ「あの……作戦に支障は……」

エルフ三男「パッと行ってピッと帰ってくればいいじゃないですか」

ポニテ「……」

エルフ三男「ヴァカンスと作戦と、どっちが大切だと思ってるんですか?」

ポニテ「……あの……」

エルフ三男「ヴァカンスでしょう?あなたは見込みのある人ですが、もう少し修練が足りませんね」

ポニテ「……」

第6,5部 ハンモック編へ

                                       ー- 、 ー-、``/  
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                                     制作・著作 NHK

息子「過剰再生……ですか?」

エルフ三男「我々の医療スタッフの推察ですが……お嬢様のあの有様は、便宜的にそう表現するのが良いかと」

息子「便宜的に、という事は……」

エルフ三男「甲殻類のそれと同じものかどうかは分かりません。リンドヴルムのような神格の血を引くあなた達の身体は、
まだまだ未知のままの部分の方が多い。もっとも……便利な便利な魔法でもあれば別ですが」

息子「……でも、それでも……無事でよかった」

エルフ三男「その通りです。正直、肝を冷やしました。まさか、あのような高純度のヴォーパル鋼を剣に鍛え上げるなど。
あなたがたの神竜の血が仇になったと同時に、ヒトの血があの剣の浸食を抑制したのが不幸中の幸いと言えましょう」

息子「ヒトの血……お母様の血が、彼女を護ってくれたのですね」

エルフ三男「あれが並の魔物や神性なら、そのまま斬殺されていたでしょう」

息子「おかあさま……」

エルフ三男「ただ、その双方の血がああした過剰再生……異常修復をもたらしたとも言えます」

息子「いいんです……彼女の命が無事ならば、それで……!!」

エルフ三男「……」



エルフ三男「それにしても目に毒ですねぇ、この前まではつるつるのまな板でしたのに」

息子「……」

エルフ三男「損傷した胸部の過剰再生があんな事になるとは。トップとアンダーの差では騎士様より上なのでは」

息子「そう、ですね……す、すごい……むね、ですね」

エルフ三男「このまま大陸全体に流しましょうか、勇者の剣はおっぱいを大きくする豊胸の剣だと」

息子「……」

エルフ三男「ううむ……あの身体にあの乳房……アンバランスさが好評を博すケースも我々の国内なら……
そうだな、ロリ巨乳……いや、下品すぎるか……トランジスタグラマーの真髄として……アイドル……ふむ……」

エルフ三男「いやぁー素晴らしい、休暇を企画して本当に良かった」

息子「そうですね……ここの湖畔、すごくいい土地です」

エルフ三男「なんとも素晴らしい。股倉がいきり立ちます」

息子「……」

エルフ三男「若は誰を視姦……目の保養に失敬しておられるので?」

息子「え……っと……言わなきゃいけませんか」

真神「……わんわんお」

息子「うわ……あ、あなた……幕府の人達のところにいないって事は、雄なんですか」

真神「それもある、しかし連中が怖すぎるのもある」

エルフ三男「大獄殿と茨木殿のおふた方ですかぁ。確かに起伏の少ない東洋人とは真逆ですからねぇ」

真神「……わんわんお!わんわんお!」

息子「カミの一柱が犬かきをしていらっしゃる……!」

エルフ三男「御利益が見込めますね……」

真神「む……光栄なり」

エルフ三男「いえ、『革命志士御用達の地』として……リゾートレイクか……共和国には売り込めるかな……」

真神「」

エルフ三男「ううむ……我ながらこの審美眼は恐ろしくなる……騎士様を始め、皆さまなんと水着のお似合いな事か」

息子「そうですね、似合ってらっしゃいます」

エルフ三男「お嬢様は後々にいらっしゃると?」

息子「ええ、そう聞いています。慣れない体に戸惑っているようで」

エルフ三男「なるほど……それで若は一足お先に騎士様を視姦と」

息子「人聞きの悪いっ!に、日光浴です!」

エルフ三男「こうして野郎二人で日光浴……ねえ。もしや、女装が板について満更でもないですとか?」

息子「ぼくはノーマルです、女性が好きです」

エルフ三男「それもとびきりのマザコンです、と……」

息子「……」

エルフ三男「(いかん泣かしちゃうやばい)」

エルフ三男「まずは騎士様……経産婦とは思えぬ抜群のスタイルの持ち主です
女性らしさを阻害しない適度な筋肉量はまさしく美の最終到達点……いささかお胸がふくよかすぎますが、そこもまた魅力と言えましょう」

息子「(実の息子がここにいるというのに……)」

エルフ三男「そして幕府の……あれまあ、見事な90度ですねえ。現地の民族衣装が似合いそうな体型です」

息子「ドラム缶……」

エルフ三男「そしてダークエルフ達はと言えば……ああ、大尉はあちらに居ますね」

息子「……」

エルフ三男「褐色ともまた違う色合いの肌ですが、これもまた好事家には需要がありそうです。後で写真を確保しておきましょう」

息子「(お母様よりかは筋肉質なのかな……すてきです)」

エルフ三男「そして煮凝……失礼、魔子はと言えばあんなところで犬かき……年相応ですね、後でクロールでも教えてあげましょうか」

息子「(おかっぱの人と似てる……イカみたいなおなかだ)」

エルフ三男「茨木殿……ご立派なお胸も然ることながら、しっかり脂肪と筋肉のついた臀部が素晴らしい……」

息子「(ぼくの琴線には外れるな……)」

エルフ三男「そして大獄殿……ううむ、元より長身痩躯のイメージはありましたが、あまりにこれは体幹と比べてお胸が豊かすぎますな。
その様はまるで、でっぷり熟した果実の如く。乳房の肉が可哀想に、圧迫されて食い込んでいるのも愛嬌でしょう」

息子「……」

エルフ三男「(母親一筋にも程がある……)」

息子「……」

エルフ三男「……若、そのお気持ちは重々お察し致しておりますよ」

息子「ううっ……」

エルフ三男「若よりもほんの少し、大人の階段を数段リードしてしまったお嬢様のお身体……」

息子「……」

エルフ三男「そのご容姿、まさしく騎士様の鏡写しに他なりません……
少々お嬢様の方が痩躯……鋭利な印象を受ける体つきでございましたが」

息子「あんな……あんな姿で声をかけられたら……ぼくの心が揺らいでしまいます、ぼくは一体どうすれば!」

エルフ三男「悩んでください若、存分にお悩みください……」

息子「……」

エルフ三男「(僕と同じ腹フェチか……苦労するな、幼さの残った透ける肋骨を取るか、艶めかしい静脈や妊娠線を取るか……)」

エルフ三男「……」

息子「お母様ぁ……乳房ぁ……静脈ぅ……色素沈着ぅ……妊娠線んん……」

エルフ三男「(こっちは死ぬほど羨ましいなぁ……おカネ積んで土下座すれば触らせてくれるかなぁ……)」

息子「ううう……肋骨……腹直筋……鎖骨ぅ……骨盤……」

エルフ三男「(騎士様はともかく、そっちはキミにとってはハードル激低だよ、多分……)」

息子「ああっ、ぼくは何て、何て浅ましくて品の無い下劣な男だ!」

エルフ三男「(コンパクトの鏡を眺めながら言う台詞かね……そうだね……)」

息子「ぼくは……お母様から頂いたこの容姿と血に見合う精神を培えるのか……うう……」

エルフ三男「(悩みなさい若人よ……ただし騎士様を選べば容赦はしない……)」

息子「(何だ……直接脳内に!?)」

エルフ三男「(ああやっぱ無理……手心てんこもり……僕の屍を越えてゆけ……キミもすっごく可愛いんだもの……)」

息子「無理だ、今のぼくには無理です!選べません!!」

エルフ三男「(僕本人はバイだが……彼にそれを迫るのはやはり酷というものだ、双方に利は無い……)」

息子「肋骨か妊娠線かなんて……どっちも、どっちも触れて愛でたいに決まっているじゃありませんか……!!」

エルフ三男「(正直この子達が騎士様と戯れていてくれるだけで、僕にとっては十分すぎるオカズたりえるんだなこれが)」

息子「この手指を、妹の肋骨のすきまというすきまに差し入れたい……その直上に鎮座する乳房を愛したい……!
お母様のお腹を、僕らを包み込んでいた場所をこの手で愛したい……僕のありったけを……くちびるからお伝えしたい!」

エルフ三男「じゃああれだ、つまり僕が騎士様と結婚すれば全部丸く収まる」

息子「ブチ殺すぞ」

エルフ三男「」

息子「あっ……ごめ、ごめんなさい……」

エルフ三男「(あふん……)」

女騎士「んぎもぢぃぃ……ハンモックだめだわ……人類の天敵ぃ……」

娘「……」

女騎士「駆逐しなきゃ……一匹残らずぅ……絶対にハンモックなんかに負けたりしない!!」

娘「お母様……」

女騎士「ハンモックには勝てなかったよ……」

娘「ハンモックに勝てないお母様も素敵……」

息子「……」



エルフ三男「そりゃあなぁ……身体は思春期に片足突っ込んでるようなもんだしなぁ……辛いよなぁ……
大好きな母親と妹を前にエレクチオンしまくっちゃうなんて……二人ともボインボインだものなぁ……ウッ」

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