【艦これ】霞「鎮守府近くの食堂へ」 (263)


深雪「おいこら」

霞「何よ?」

吹雪「また始まった」

深雪「その"また"はこっちのセリフだよ!なんで私じゃないんだよ!!」

吹雪「出番が多いから?」

深雪「出番って、私の方が先に出てたろ!?しかも霞なんて途中から追加されたキャラじゃん!」

深雪「しかもちょっと私の出番少なくなってきてるし…」

深雪「どういうことだよ!こうなったら"くぅ~疲"みたいに作者出して謝らせたろうか!」

吹雪「深雪?深雪?分からない単語が出てきてるけど大丈夫?」

深雪「大丈夫な訳ねぇじゃん!」

吹雪「深雪、少し落ち着こう!ね?」

ギャースギャース!!

霞「アホらし」フン

白雪「そんなこと言ったら私たちは…」

初雪「逆にこう考えるんだ」





初雪「出なくて正解」





深雪「ぎゃーーーす!!」


吹雪「あーもう、始まります!!」







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残暑厳しいこの頃。

皆はどうやって過ごしているのだろうか。

コンビニ店員「ありがとうございました!」

子供1「やっぱ夏はガリガリ○はソーダだろ!」

子供2「いやいや、梨もイケるって」

店主「はぁ~あっつ」

あんなもん見せつけられたら逆に暑くなんだろうが…

しかし、今年もあの季節が近づいて来たか…







深海「え?今年は吹雪ちゃんたちが出るの?」

吹雪「そうなんです!」

深雪「私たちにとっては快挙だぜ!」

白雪「快挙…とまで行くのかな?」

初雪「まぁ、先輩たちと戦えるなら…いいんじゃない?」

霞「でもそれに出るってことは…」


ガララッ


店主「ただいまぁ~」

吹雪「おかえりなさい」

白雪「お邪魔してます」

初雪「遠慮なく涼んでます」

深雪「いらっしゃい!」

それは逆だろ…

と言うか初雪…それでいいのか?


店主「いらっしゃい、4人とも」

吹雪「ふふふっ」

あん?

店主「どうした?」

吹雪「実は4人じゃないんです」

店主「?」

どゆこと?

霞「私たちも今聞いたんだけど」

ガララッ

店主「いらっしゃ…ってあれ?」

磯波「ご無沙汰してます」

店主「磯波ちゃん?」

あれ?この子って確か…

店主「◇◇鎮守府の所属じゃ…」


磯波「だったんですが、先週異動になりまして」

深海「晴れてこの姉妹と合流だってさ」

店主「良かったじゃないか!」

やっぱ姉妹一緒が良いもんな。

だから吹雪もあの笑顔…

吹雪「ふへへ…んふふふふ」ニヘラニヘラ

あれさえなければ残念ではないんだが…

店主「そうだあれ以来あってなかったけど、磯風ちゃんは元気にしてるかい?」

磯波「はい。あれ以来料理では失敗しなくなったんですけど…」

店主「うん?」

失敗しないならいいんじゃ…


磯波「変な方向に凝り始めて…」

初雪「どういう?」

磯波「多国籍料理に目覚めたというか…」

店主「は?」

多国籍?





~◇◇鎮守府~


磯風「…」

グツグツ…

磯波「…磯風ちゃんいい匂いだね。何作ってるの?」

磯風「チリコンカーンだ!」

磯波「チっチリ?」

磯風「チリコンカーン。アメリカはテキサスの郷土料理だ!」


ズズッ

磯風「むむっ辛みが足りない!ならこれを…」

磯波「ストーーップ!」ガシッ

磯風「何をする!?」

磯波「今何を!?」

磯風「今辛みが足りなかったからこのチリパウダーを…」

磯波「なんの?」

磯風「ん?」

磯波「なんのチリパウダー!?私には…"ジョロキア"って読めるんだけど!!」

磯風「そうだジョロキアだ!これはいいぞ、余分な味を付けず辛みだけを…」

磯波「余分な辛みまでつけちゃうよ!!」






磯波「ってことが…」

店主「さ…さよか…」

霞「辛党…いや、辛狂になったのね」

深海「原因は?」

磯波「暴○ハバネロっていうお菓子を食べてから…」

深雪・初雪「あ~…」

霞「何よ二人とも、その分かるって反応」

深雪「いやだってね?」

初雪「辛党…いや、辛狂者には入門的な食べ物ですし」

霞「へぇ~」


霞「薫」

深海「霞ちゃん、また甘いお菓子買ってあげるね」

それでいい。平和が一番だ。

店主「いや、災難だったね」

磯波「そのあとなんて本場四川麻婆や本場タイカレーなんて言うのも作り出して…」

白雪「あータイカレー意外に辛いよね」

磯波「味はいいんですけど…提督がトイレから出てこれないって日が何日もあって…」

店主「…」

まぁ、そうなるよね。

提督さんも不憫だな。


店主「まぁ、こっちに来れてよかったよ」

磯波「悪い人じゃないんですけどね」

深雪「悪い心ではなく、悪い舌の持ち主…」

吹雪「深雪…それ以上言っちゃダメ」

深雪「あっそうだ」

深雪「会合どうだったの?」

吹雪「今年も合同で出店ですよね?」

店主「ああ…」

そう、今年も鎮守府主催の感謝祭を商店街と合同でやることになった。

その会合がさっきまであったんだが…


店主「聞いたよ、例の演習に出るんだろ?」

吹雪「~~~」ニマァ…

吹雪「そうなんですぅ~」ニヨニヨ

すっげぇ嬉しそうだな…

表情からこぼれ出るぐらいに…

店主「だがそいつのおかげでお前さんら4人はウチで雇うことが出来なくなったわけだが…」

そう、問題はそこだ。

去年、一昨年とこの4人の力あってこそ出店を盛り上げさせることが出来た。

だが、演習で駆り出され使えないとなると代わりが居る…

まぁ、一昨年とは違い霞ちゃんが居るからそこまで人数が必要かと言われれば…

いや、何だかんだで去年は一昨年より来場数が上がりどこも人が"足りても足りない"ぐらいだった。

結局の話、どんなに人数揃えても回すことが困難だったという事だ。


理由としては、今まで限定的だった感謝祭が地元も含め大掛かりになったこと。

それに伴いブログやSNSで口コミが広がり、今までミリタリーファンや一部のお客さんにしか人気が無かったイベントも一般の方々にまで興味を持たれた事。

そういったことが積み重なっていったことで感謝祭も規模が少しづつ大きくなっている。

実際商店街までだったのが駅前にまで広がっているんだから驚きだ。

そんな状態の感謝祭、3人はもちろん5人なんかでも回らない。

店主「今回はさらに広がっているからなぁ…」

それは艦娘の争奪戦も激化する事でもある。

範囲が駅前にまで広がったことにより、今まで全く関係のなかったチェーン店まで手を上げるようになったのだ。

それだけではない。駅前のショッピングセンター、さらには居酒屋まで…

一人借りるのも困難な状態に…

店主「まぁ、ウチはかおるちゃんと霞ちゃんが居るから…」

霞「去年のこと忘れた?」

店主「…」


忘れるわけがない。

前年と同じぐらいだろうと予測を立てていたら、2倍いや5倍近くの売り上げがあった。

出店はてんてこ舞い。文字通り目が回る状態だった。

店主「希望は出すけど…今回は厳しいな…」

深海「お父さん呼ぶ?」

店主「ダメだ。親父はほら…電車ダメだし」

霞「迎えは?」

店主「行ってる暇がないだろ?」

今回も日曜日が開催日だ。平日営業のシフトじゃ迎えに行ってる暇はない…

店主「うーん」

ガララッ

??「やっているか?」

店主「いらっしゃい」

吹雪「あ、武蔵さん」


武蔵「おお、吹雪。聞いたぞ、今年は演習でれるんだな」

吹雪「はい!」

武蔵「いい笑顔だ。それに引き換え…」

武蔵「なんだ?悩み事か」

店主「いつも鋭いですね」

武蔵「武人は相手の表情を読めなければ務まらんからな」

流石かっこいい事を言う。

店主「実は感謝祭の事で悩んでるんですよ」

武蔵「感謝祭?ああ、もしかしてボランティアの事か?」

店主「ええ」

武蔵「そうか、去年までは…」

吹雪「はい、私たちが…」


武蔵「ん?」

磯波「あ」

武蔵「ひょっとして磯波か?」

磯波「はい。初めまして武蔵さん」

武蔵「…」ジーッ

磯波「?」

武蔵「店主よ」

店主「はい?」

武蔵「この磯波との面識は?」

店主「一度料理を教えて…」

磯波「今も軽く世間話を…」

武蔵「一人は決まりだな」

店主「え?」


武蔵「面識あるならなおの事。だいたい、演習に行くのは吹雪・白雪・深雪・初雪だろ?磯波は面子じゃない。なら十分条件としてはいいじゃないか」

店主「そういえば…」

磯波「え?あの…」

深海「感謝祭の日、手伝ってくれる?」

磯波「私なんかで良ければ…」

霞「あの磯風に突っ込み出来るんだから"私なんか"なんて評価しなくていいわよ。十分素質あるわ」

まぁ、確かに…

店主「手伝ってくれるかい?」

磯波「はい、喜んで!」

武蔵「…ふむ、だがそれでもまだ足りないって顔だな」

店主「去年の事を思い出すと」

武蔵「私も上からこの件はいくらか聞いている。今年はさらに増加する見込みだと…」

店主「ええ」

もらった資料にも書いてあるしなぁ…

去年の倍は来るって…


武蔵「…」

店主「どうしよう?」

深海「やっぱお父さんを」

武蔵「よし」

店主「?」


武蔵「ならば、この武蔵が力になろう!」


店主「え?」




一同「ええええええええええええええええ!!??」




店主「いやでも、武蔵さんうさぎ屋が…」

武蔵「あそこは大和一人で十分だ。だから私がこっちに来て手伝う」

吹雪「いやいや、大和さんだけじゃ荷が重いんじゃ…」

武蔵「大和型をなめてもらっちゃ困るぞ」

武蔵「いや、大和だけじゃないな…うさぎ屋一家も舐めてもらっちゃ困るな」

深雪「言われてみれば、あそこのベテラン感は…」

初雪「ヤヴァイ!」

武蔵「まぁ、選ぶ選ばないは…店主よ、お前次第だ」

店主「おおぅ…」

そりゃあ、借りれたら絶対安泰だろうけど…

うさぎ屋の権蔵さんや大和さんに申し訳ないし…


武蔵「まぁ、そのことは追々考えるとして…」

武蔵「店主よ、さっきから視界に入ってくるあのかき氷は何だ?」

店主「ああ、あれは今年の夏から始めている新しいかき氷のメニューです」

武蔵「…この店は前から台湾に凝ってるみたいだが…台湾式かき氷っていうのは何だ?」

店主「台湾式っていうのは…」

霞「ふふん、武人ならつべこべ言わずに食すものじゃない?」

武蔵「なに?」

白雪「ちょっ霞ちゃん!?」

武蔵「この武蔵、少し味にうるさいのは分かっているだろう?」

霞「だから言ってるのよ…論より証拠、味わってみなさい!」

武蔵「良かろう!この武蔵、受けて立つぞ!」

店主「はい、台湾式かき氷一丁」

深海「あいよ!」

霞「まかせて!」


武蔵「うん?」

吹雪「あれ?」

磯波「店主さん作らないんですか?」

店主「いやぁ、実はね。これ考えたの俺じゃなくて…」

深海「私と」

霞「私…基本8割方はね」

深海「私もしっかり考えた!」

霞「アンタが考えたのは"ショートケーキかき氷"とか訳のわからない事ばっかりでしょ!!」

深海「でもでも、台湾式の発想にたどり着いた決定的瞬間を作ったのは私だよ!」

霞「…チャンネル変えただけじゃん」

深海「でも手柄!」

霞「それで2割分をそっちに渡してるのよ?…何が不満なの」

吹雪「あはは…チャンネル変えただけで2割の手柄はすごいと思いますよ…サービス的な意味で」


武蔵「なるほど、だから霞は自信満々だったわけだ」

深雪「で、台湾式って何が違うんだよ?」

武蔵「気になるなら頼めばよかったじゃないか」

深雪「だって、何が出てくるかわからないし…それに何より…」

初雪「…他のよりすこぶる高い」

磯波「…本当だ他のより高い」

深海「ふふん、その高さにも理由がある!」

霞「理由はこれ…よっ!」


ドンッ


武蔵「なんだその黄色いのは…」

吹雪「ブロック?…いや」

白雪「これ氷だ…色のついた氷!」


深海「これはマンゴー果汁…つまりマンゴージュースを凍らせた『フレーバーアイスブロック』よ!」

霞「台湾式はこの味のついたフレーバーアイスブロックを削ってかき氷を作るの」

店主「本場だとマンゴー以外にもウーロン茶やミルクティーなんてフレーバーもある」

深海「そうそう。でも今年はまだお試しだからね…」

霞「とりあえずあっちでも人気のマンゴーにしたわけ」

武蔵「ほう」

磯波「私もそれ食べたいです!」

店主「もう一丁追加」

深海「あいよ!!」

霞「とびっきりの作ってあげるわ!」

店主「すっごいノリノリ」

吹雪「でもなんであの二人が?」

店主「やっぱ女性の観点って必要だと思ってね」

白雪「女性の観点?」


店主「やっぱ俺って男だし、男の好きなもんはすぐ分かるんだが…女性の好きなものってなると男の観点だと"甘いもの"や"ヘルシー"ってイメージになっちゃうんだよ」

店主「でも実際は違うだろ?一時期"ホルモン女子"なんて人たちが出てきてたりして、男から見ると意外な分野に女性が居たりする」

店主「でもそれって今の時代、意外でも何でもないって事でもあるんだよ」

店主「だから女性の生の声、女性の目線・観点が欲しいんだ」

白雪「だからあの2人なんだ」

アイデアだけでなく、最近は2人交互に厨房に入ってもらっている。

つまり昼や夜のピークに料理を作ってもらっているという事。

もちろん、まだ簡単な炒め物とかぐらいしかやってないけど…ゆくゆくはそれ以外にもやってもらう予定だ。

今は女性の力が必要な時代。この街角やも"その時代"に乗っていかなければならない…

ガリガリガリガリ…

武蔵「ほう、削られた氷に色がついているからもうかき氷として成立してるな」

深海「色だけじゃないよぉ、ちゃんと味もする!」

武蔵「それだけで十分だな」


磯波「削られた氷も少し違う…かな?」

深海「気付いた?」

霞「これはいつも使っているのとは別で、どんな氷も雪のようにフワフワに削る機械なの」

吹雪「新しく買ったんですか?」

店主「まぁ…」

高かったなぁ…これ…

深雪「ちょっと」

初雪「これはクレームモノだよ」

白雪「え?」

店主「なに?」

深雪「私たちの頼んだ奴はフワフワじゃなく」

初雪「ザクザクした奴だった…これは許されない」


吹雪「もぉ~またそういうこと言ってぇ」

店主「違うのは当たり前だ」

深雪「なにぃ」

店主「お前たちが頼んだのは"日本式"のカキ氷。こっちは"台湾式"のカキ氷。モノが違う」

初雪「ぐぬぬ…ワールドワイドめぇ」

白雪「意味わかって使ってる?」

深雪「でも日本式を台湾式で食べてみたい!」

初雪「抗議だ抗議だ」

店主「こういう時だけ元気になりやがって…」

武蔵「よさないか二人とも。艦娘としてみっともないぞ」

深雪「艦娘以前に一人の乙女だい!」

武蔵「なら乙女らしくしろ…」


武蔵「それに…日本式のザクザク感だって悪いものじゃない」

深雪「えーそうかな?」

武蔵「それも古き日本の風情だ。そう思えば悪くないだろ?」

初雪「まぁ、そうかも」

武蔵「かき氷は風情を楽しむものだ。日本式台湾式…国が変われどそこは変わらない」

深雪「じゃあ、おっちゃん!次頼むから、その時は少しワガママ聞いてくれよな!」

初雪「私も」

店主「分かったよ。まぁ、演習に選ばれたんだ少しぐらいはサービスしてやるよ」

深雪「やりぃ!」

初雪「うむ」

バチィン!!

店主「ハイタッチって…」


磯波「よかったね。姉さんたち」

深海「はいはい、そういってる間にラストの仕上げだよ!」

武蔵「仕上げって…」

磯波「もうそれで完成でいいような…」

深海「まだまだ!これに練乳をかけて」

武蔵「ん?」

霞「さらにマンゴーソースで絡めたマンゴーをトッピング」

磯波「え?」

深海「そして仕上げにマンゴーアイスをトッピング!」

吹雪「思っていたより…」

白雪「甘そう」

霞「これで…」

深海「街角や特製『雪華氷(シェー・ホア・ピン)』の完成!」


深雪「シェーホアピン?」

霞「雪の華の氷と書いてシェーホアピン」

武蔵「ほぉ、これが…」

磯波「他のより高いのが良く分かった気がする…」

初雪「トッピングいっぱい…しかもマンゴーづくし」

白雪「ねぇねぇ磯波、どんなか食べてみてよ」

磯波「うん」

武蔵「霞の自信がどれほどのモノか…」

磯波「はむっ…っ!」

武蔵「これは…氷が口に入れた瞬間すぐとける!」

磯波「凄いこんな食感なんだ!」


深海「巷じゃそれが人気なんだ」

磯波「ずっと田舎の鎮守府だったからこういうのに疎くて」

吹雪「大丈夫だよ!今度のオフが重なったら姉さんがちゃんとした都会に連れてってあげるから!」ホロリ

武蔵「だが…」

磯波「武蔵さん…多分同じ疑問ですね」

深雪「どうした?」

初雪「まずいのか?」

磯波「いや、まずくないですよ」

武蔵「味はうまいが…うむ」

白雪「どうしたんですか?」

磯波「あれだけマンゴーを使っていて」

武蔵「甘ったるいかと思ったが…そうでもないな」

磯波「ですよね?というか、氷自体はスッキリしてるっていうか」


深海「ふふん、それはウチがすごくこだわっていて」

武蔵「なんだ、熟していないマンゴーでも使っているのか?」

霞「いや、そういう事じゃなくて」

店主「氷自体は100%マンゴーじゃないんだ」

吹雪「え?」

白雪「どういうことですか?」

店主「いや、実は試食するときに100%マンゴージュースの氷を使ったんだが、思いのほかくどくなっちゃって」

店主「ほら、ここって大半の客が日本人だろ?あれだと合わないんじゃって思ったんだ」

霞「だからおじさんの提案で混ぜても味が邪魔にならないオレンジジュースを加えることにしたの」

武蔵「なるほど、氷自体はマンゴー味だが、すっきりした甘さはオレンジジュースによるものか」

店主「調べたら市販されているマンゴージュースにもオレンジ果汁が混ざってたりするから、日本人って思ったよりマンゴーの甘味が苦手なのかなって」


磯波「そうなんですか」

初雪「でもそれってある意味詐欺じゃ…」

店主「だからトッピングでマンゴーマシマシなんだよ」

磯波「なるほど…ああ、このアイス美味しい!」

武蔵「トッピングのマンゴーを混ぜながら食べると、ちょうどいい甘さになる」

磯波「食感、甘さが丁度良くて…私、次もこれでいいかな」

深海「そうは言わずに色んなもの頼んでね」

霞「そうそう、ランチタイムやディナータイムだっていつでもウェルカムよ」

磯波「ウェルカムって…霞型ってそういう感じだっけ?」

霞「うん?」

磯波「なんでもないよ」


武蔵「ははははっ、良いものを食べさせてもらった。霞よ、お前の挑戦見事だった」

霞「当たり前よ!」

深海「あれ、私は?」

店主「今後に期待だな」

深海「なにそれ!?」



一同「あはははははははは」














ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

新メニュー続々登場予定です。







新スレ移行すぐの最新話は以上です。

前スレ:足柄「鎮守府近くの食堂へ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1447945576/)

貼るのの忘れてた…

ではでは、これからも頑張っていくので応援よろしくお願いします!

前スレは適当に埋めていってください!

お久しぶりです。

申し訳ないんですが次の投下までもう少しお時間をください。

近日中に試験があってそれの勉強をしなければならないので…

もうしばらく…もうしばらくお待ちを…

ひっそりとこっそりと…

2年近く空けてしまったので初投稿です。

ゴミンニ

久々にやったから逆やった



~日曜日 朝8:00~



トットットットッ

グツグツグツ


霞「…」

深海「…」

店主「おう、おはよう」

霞「おはよう…っていうか」

深海「なにやってるの?」

店主「見ての通りだ」


ジュアーッ!


霞「見ての通りって…料理?」

深海「ちょっとまさかそれ…朝ご飯じゃないよね?」

店主「まぁ、この時間は試作していくつかは昼に試食がてらに食べようかと思ったけど…今食べる?」

霞「流石に朝からは…」

深海「…重い」

霞「と言うかどういう経緯でこれを?」

深海「ニンニクに唐辛子…いやいや、"これ"なんてウチじゃ使ってなかったでしょ」

店主「実はな、昨日寝付くときに思い立ってな。ほら、最近涼しくなったし食欲の秋なんて言うからね」

霞「だからって…これ?」

店主「おう、こういう時こそ体調を崩しやすいからな。こういうの食って、スタミナアップだ!」

深海「うーん…でもこれだけっていうのは…」

店主「いやいや、俺だってちゃんと考えてるぞ」

バッ

深海「…なにこれ」

霞「チラシ?…いや…」


霞・深海「「はぁ?」」


俺が一度はやってみたかったこと。

今年は頑張ってチャレンジしてみるか!


~○○鎮守府~

北上「はぁ~あ」

大井「大きなため息…どうしたんですか?」

北上「わかるでしょ?」

大井「まぁ…××鎮守府の話ですよね?」

北上「そうそう。去年の2月の時点で決まっていた演習も連絡なしで延期延期」

北上「さらには偵察に出した川内が見つかった際には砲撃喰らわせようとする」

北上「それからはうんともすんとも言わない」

大井「まぁ、私も気になるとこではありますが…」

北上「提督も何やってんだか…あそこの提督が友達だか何だか知らないけど、最悪攻め込めばいいんだよ」

大井「それはちょっと違うような…」

北上「…」

大井「北上さん?」

北上「大井っちって真面目だよね」

大井「え?」

北上「提督に悪態は付くけどそれ以上はしないし」

大井「まぁ、あれでも私の上官ですし…」

北上「私には無理だな…」

北上「ねぇ大井っち、もし今から私が××鎮守府に単身で攻め込むって言ったら…止める?」

大井「そりゃあ」

北上「それとも…一緒に来てくれる?」ニヤッ

大井「…」

北上「…」

大井「…」

北上「…」

大井「私は…」




叢雲「何馬鹿げた事をやってるの?」



北上・大井「「!!??」」ビクゥッ!!!!

北上「むっ叢雲秘書艦…」ゾワッ

叢雲「そんな無駄口叩く暇があるなら艤装の整備でもやっておきなさいな」ギロッ

大井「しっ失礼いたしました…」

叢雲「ふんっ」スタスタ

北上「…」

大井「北上さん…私」

北上「あー、おっでれーた」

大井「北上さん?」

北上「私駆逐艦嫌いじゃん?」

大井「いつも言ってますね」

北上「同じ駆逐艦でも、アイツだけは"嫌い"じゃなく"苦手"なんだよね…」

大井「なんと言っても初期艦…ですからね」


キーンコーンカーンコーン

大井「あっお昼のチャイム」

北上「あーあ、興が削がれたわ」スタスタ

大井「え?あ」

北上「ランチ、外行こうよ」

大井「はいっ!」

大井「…」

大井(北上さん大分ストレス溜まってる…)

大井(無理もないか、あの演習の日から1年以上経って進展がない訳だから…)

北上「…」スタスタ

北上「はぁ」スタスタ


~○○鎮守府 司令室~

提督「そうか…北上がそんなことを…」

叢雲「あの鎮守府に対しては北上だけじゃなく、いろんな艦娘がストレスを感じているわ」

提督「だが、今は下手に動くわけにもいかない。上層部にも重石を乗せられてるしな」

叢雲「そんなことは分かっているわ…でも」

提督「川内の話を鵜呑みにするか…」

叢雲「私はいまだに信じられないわあの金剛が『エラー』だなんて…しかも姉妹揃って」

提督「私も信じたくはないさ…アイツの部下だからな」

叢雲「…」

ジリリリリリ…

提督「!」

ジリリリリリ…

叢雲「私が出るわ」

ガチャッ







~街角や前~


北上「結局外だとここだよねぇ~」

大井「ですね。知ってる味が一番落ち着きますもの」

大井「あっ今日の日替わりは煮魚ランチか…私これで」

北上「私もこれにしようかな」

ガララッ

大井「2人です」

北上「ん?」

北上(チラシが貼ってある…珍しい)

北上「…四川フェア?」







~店内~


北上「たのも~」

店主「いらっしゃい!深雪もそうだが、それはやってるのか?」

北上「チャレンジャーだからだよ」

店主「ほう」

大井(なんだかいつもと雰囲気が違う?)

大井(男の人がみんな汗だく?熱気がいつもと違うんだ…なんで?)

深海「大井さんと北上さんいらっしゃい。そこの席座って。霞ちゃん!」

霞「水とおしぼりはまかせて!」

霞「お水とおしぼりね」トンッ…トンッ

大井「注文良いかしら?」

霞「どうぞ」

大井「煮魚ランチ2つ…」

北上「じゃなくて、それ1つ…にさっき表に…ああ、あのチラシ!あの壁に貼ってあるチラシの四川フェアってやつ!」

大井「四川フェア?」

霞「の、どれにします?」

北上「あれ、あの四川麻婆豆腐定食」


霞「辛さは?」

北上「上は?」

霞「5」

北上「それで」

大井「ちょっ」

霞「かなり辛いわよ?」

北上「どんと来い!」

霞「オーダー通すわ!煮魚ワン、麻婆5辛ワン!」

店主「あいよぉ!」

大井「ちょっとそんなの頼んで大丈夫なんですか!?」5カラッテ!

北上「大丈夫大丈夫」ヘラヘラ

大井「知りませんよ」

北上「責任はとるよしっかり」

大井「…もう」


大井「でも四川か…ならこの熱気は納得できるか」

大井(よく見たらお客さんのほとんどの料理が真っ赤…私だけ浮いているように見える)

大井「…」ゴクリ

大井「やっぱ私煮魚やめる…大丈夫?」

霞「え?…あっおじさん今のオーダーちょっと待って!」

店主「あいよ!」

北上「大井っち?」

大井「その四川フェアって他に何があるの?」

霞「えっと麻婆豆腐のほかに…麻婆ナスと…回鍋肉よ」

大井「じゃあ、回鍋肉定食で」

大井(回鍋肉じゃ辛くなさそうだし、周りから浮くこともないだろうし…)

霞「辛さは?」

大井「もちろんふつ…って、え!?」

北上「回鍋肉も辛いの?」

霞「おじさんが夏だし本格的な四川やろうって言いだして…麻婆ナスはもちろん回鍋肉も本格的なのはもちろん辛いって調べてて…」

大井「そうなの…?」

北上「うちの食堂で出るのただの味噌味だったし…初めて知ったよ」


霞「で、辛さは?」

大井「私は普通で」

霞「1ね」

北上「攻めないの?」

大井「さすがに…」

霞「かしこまり」

霞「オーダー通します。麻婆5辛ワン回鍋肉ワン!」

店主「あいよ!」

北上「珍しいね。辛いのなんて」

大井「まぁ…」

大井(流石に回鍋肉が辛いだなんて予想外ですもの…)

北上「でもちょっと楽しみ」

大井「何でです?」

北上「ん~なんでだろう?」

大井「…?」

北上「にしても…」

大井「はい?」

北上「なんでおじさんマスクしながら調理してんだろ?」

大井「風邪…とか?」

北上「いやぁ…そうは見えないよ?」





今日は大盛況!

一度はやってみたかった四川料理!

しかも本格派の奴だ。

四川と言えば唐辛子と花山椒をふんだんに使った料理で、とくに有名なのは今から作る麻婆豆腐や回鍋肉。

後はエビチリや以前暁ちゃんに作ったチンジャオロース何かも四川料理だ。

最近流行り?のよだれ鶏なんてのも四川料理だったな。

なんせ日本人にとっては馴染のある中華は四川が基本だ。

昔大学で一緒だった中国人の留学生に中国の料理で何が一番おいしいかって聞いたら…

「基本は何でもおいしいけど四川が一番かな?」

って言ってたこともあった。

ラーメンや餃子もいいけど、やっぱ四川料理もいいよね!

ってことでまずは注文のあった麻婆豆腐から取り掛かる。

四川の基本は酸(酸味)・辣(辛味)・麻(しびれ)・苦(苦味)・甜(甘味)・香(香り)・鹹(塩味)の7つの味でが基本で。

この麻婆豆腐は山椒によるしびれの「麻(マー)」、唐辛子による辛み「辣(ラー)」で成り立っていて「痺れる辛さ」が特徴だ。

他にも担々麺や麻辣火鍋なんかもこの2つが基本になってくる。

まずは温めたフライパンに油をひいて、刻んだニンニクとねぎを唐辛子と一緒に炒める。


店主「んふふ…」

深海「あぁ~また気持ち悪い笑み浮かべてる…」

店主「だって今日の為に仕入れたんだぜ?」

深海「知ってる。実験台になったし…」

そう。この日の為にわざわざ中国から仕入れた


"朝天辣椒"


四川唐辛子ともいわれるこの唐辛子。

辛みはハバネロなんかと比べるとかなり劣るが、香り風味が他の唐辛子と違って独特。

四川料理の味を再現するならこれを使わないと!


店主「5辛だったな」ワシッ

深海「え?」

店主「ん?」

深海「そんなに入れるの?」

店主「5辛だし…」

ジュワァ~

店主「うっ!」

深海「あ~あ」

きたきたきたぁ~!

あ~~目が痛いっ!

店主「ゴホッゴホッ」

マスクだけじゃやっぱり効かん!

こんな事ならゴーグルもはめるべきだった…


北上「…そういうことかぁ」

大井「大丈夫ですか北上さん…」

北上「いやもう頼んじゃったしね…腹くくるよ」

大井「たのもしい…」



霞「これ洗いもn…うわっ!」

深海「どうした?」

霞「洗い場でも目に来るわね…」

深海「そう?」

霞「そう?って…そりゃあゴーグルなんてしてれば痛くないわね」

店主「え?」

深海「フフン」ゴーグルカンビ!

店主「いつの間に…」

ちゃっかりしてんなぁ~


そうこうしているうちに麻婆豆腐出来上がり。

あとは…熱した土鍋に移したら

霞「先持っていくわ!」

店主「あっ…よろしく霞ちゃん!」

出来た言う前に持って行っちゃった…

さて後は回鍋肉か。

回鍋肉と言うとイメージとして湧くのはキャベツと豚肉を甜麺醤で甘辛く炒めたもの。なんだけど…

本場の四川の回鍋肉はキャベツじゃなくてコイツを使う!


"ニンニクの葉"


元々四川ではニンニクの葉を使って作っていたんだけど、中華の巨匠「陳健民」が日本で広める時に日本ではニンニクの葉が入手困難だったために、代わりにキャベツを使ったところ日本ではそれが広まったんだと。

だから今日は本格四川のためわざわざ八百屋さんに頼んで入手してきました!

ありがとう!

さてさて、こいつらを順当に炒めて行って…

甜麺醤よりも豆板醤を多めに加えて炒めたら…

店主「本格回鍋肉あがったい!」

深海「あいよぉ!」


さすが薫ちゃん、ご飯とスープがもう用意されてる。

しかし…あっついな今日…

厨房が暑いだけか。



霞「はい麻婆豆腐定食5辛お待ち!」グツグツ

北上「…」

深海「こっちは回鍋肉ねー」

大井「ん?キャベツじゃない…なにこれ?」

深海「それね、ニンニクの葉。本場のはそれ使うんだって」

大井「へぇ~」

大井(この回鍋肉なんか赤い…)

北上「…」

グツグツグツ

北上「…色が…赤を通り越して黒いんですが…」シカモグツグツイッテルシ・・・

大井「本当ですね…たっ食べるんですか?」

北上「もちのろんよ!」グアッ

バクゥッ!


北上「…」

大井「…北上さん?」

北上「ん!おいしい!…」

大井「ほんと…」

北上「…」ダラダラダラ

大井「北上さん?」ン?

北上「きたきたきたきたきたぁ!!」

ゴッゴッゴッゴッ!!!

ドンッ!

北上「水…!!」

霞「言うと思ったわ」

北上「はやっ!?」

霞「5辛なんて無理するからよ…はい水」

北上「ん!」ゴッゴッゴッ

霞「はいおかわり」

北上「ありがと」


大井「大丈夫ですか?」

北上「大丈夫だよ」ダラダラダラ

大井「あっ汗凄いですよ!?」

北上「あはっまだまだぁ!」

霞「水のピッチャーここに置いておくから。無くなったら言って新しいの持ってくるから」

北上「ありがとう!」

大井「無理したら…」

北上「大井っち何してんの?冷めちゃうよ」

大井「え?あっはい…」

大井(大丈夫かしら…)

パクッ

大井「あっ辛い」

北上「え?」

大井「でも美味しい」

大井「いつもはキャベツの回鍋肉だけど、このニンニクの葉の回鍋肉も風味が変わってて美味しい!」

北上「辛さ普通だっけ?」

大井「はい。でもちょっと辛いかな」

北上「…こっちも食ってみる?」ニコッ

大井「…」

大井「遠慮します」ニッコリ

北上「いまの間なに?」


ガララッ

霞「いらっしゃいませ!」

深海「3名様?そこの空いてる席お願いします」

霞「水持って行くわ!」

深海「よろしくぅ」

北上「…」ダラダラモグモグ

大井「大丈夫です?」

北上「…」

北上「舌の感覚無くなった」

大井「え?」

北上「花山椒の痺れもあってか舌が大分麻痺ってるね」

大井「本当に…」

北上「大丈夫大丈夫。それでもおいしいの分かるから」ニヒヒ

大井「…ああ」

大井(汗だくの北上さん…良い!)エガオモステキ!

北上「ん、冷めちゃうよ?」

大井「大丈夫ですっ!」ムフーッ

北上「え?」


ガララッ

サラリーマン「ふぅ、あっつぅ~」

深海「ありがとうございましたぁ!」

北上「食った食ったぁ~」

大井「だらしないですよ?」

北上「いいのいいの。いろいろ満足だから」

大井「いろいろ?」

北上「朝言ってた××鎮守府の話」

大井「ああ、演習だとかの…」

北上「アイツらとやれば少しは刺激になってスカッとするかなって思ってたんだけど…」

北上「最近は深海棲艦の奴らも数減らしまくってどこにも頭すら出さなくなっているし」

北上「だって最近小耳に挟んだんだけど、上の奴らはもう全部討伐したって報告まで流し始めてるらしいじゃん」

大井「そうなんですか?」

北上「大淀さんと叢雲が話してた。だからって気を緩ますなって秘書艦さまはおっしゃってましたけど」

北上「そうなると私らの存在意義がなくなるじゃんって…」

北上「そういうの含めて色々。だから今日の麻婆豆腐はいい刺激になったよ」

北上「この汗も気持ちいもんだよ。今となっては」

大井「それは良かったです」

北上「おじさん!おいしいのありがとう!」

店主「え?おっおう」

北上「さて帰りますか」

大井「はい」






霞「ありがとうございましたぁ!」

北上「さぁ、午後の訓練頑張りましょうか!」

大井「いい天気ですしね」

北上「心の天気も晴れ晴れだ」





ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。

ただいま四川フェア開催中です。







~○○鎮守府~


北上「あのヒヨッ子ども腕上げたなぁ」

大井「吹雪たちも配属してもう時間たちますからね」

北上「うかうかしてられないね」ニシシ

大井「ほんとうです」



「そこ道あけて!!」



大井「!?」

北上「なんだなんだぁ?」

ザワザワ

睦月「何事?」

如月「艦娘が一人岸に打ち上げられてたって」

皐月「座礁かな?」

三日月「さぁ?」



明石「道あけてぇ!」

ガラガラガラ!



北上「っ!」

大井「今の…」

北上「今の服装は…朝潮型のだね」

睦月「ボロボロだったね」ウワー

如月「まさか深海棲艦?」

皐月「でも近海の巣は全部つぶしたよね?」

三日月「じゃあ、また復活したのでは?」

北上「ん?」

大井「どうしました?」

北上「このタグってあの娘のかな?」

大井「どれどれ…っ!?」

北上「どったの?」

大井「北上さん…これ!」

北上「朝潮…××鎮守府…っ!」

北上「霞の話に出てきたアイツかぁ」



朝潮「…」シュコーシュコー


約2年ぶりです。お久しぶりです。

ID変えましたさっきあんなヘマしたんで。

ブランク開けすぎるとだめですね。

今回の話は時系列的には前回から少しあとって感じです。

こんなに時間が空いたのはわけがあって、試験受かったんですけど…そのあと別の資格取らなきゃいけなくなって猛勉強してたんですけど…落ちてしまいまして。

その後再試験でまた時間食ってしまいました。

ちなみにまだ試験終わってないんですがねw

なんにせよ久々に見に来たらまだ残ってるじゃないですか。驚きました。

とにかくありがとうございます!

それではまた!


やること結構あるけど…

息抜きがてらにやってたら出来たんで投下です。

ほら、息抜きって大切じゃん?


~○○鎮守府 執務室~


提督「…」

コンコン

提督「入れ」

ガチャ

大淀「失礼します」

大淀「漂着した朝潮についてですが…」

提督「どうだった?」

大淀「目を覚ましましたが…」

大淀「錯乱状態がひどく、詳しい情報を聞き出せない状況にあります」

提督「何とか聞き出せないのか?」

大淀「あまり無理をすると…」

提督「しかしあそこの状況を知るには!」

大淀「提督」

提督「ああ、すまない…熱くなってしまった」

大淀「今あの状態の朝潮から聞き出すには困難です」

提督「…そうか」


ガチャ

叢雲「戦力でも使えそうにはないわね」

提督「叢雲」

大淀「叢雲秘書艦」

叢雲「明石に確認を取ったわ。艤装だけでなく体の大部分の損傷が酷く」

叢雲「特に腕と脚は吹き飛んでて片方づつ失うって」

大淀「そんな…」

提督「…」

叢雲「どうするの?あの状態で鎮守府に缶詰め状態にするつもり?」

提督「…」

叢雲「片腕片脚を失った状態で、見た目幼いあの娘を監禁状態にしたら…面倒な連中に目を付けられるわよ?」

提督「…ならどんな手段がある?」

叢雲「簡単に言っちゃうかもしれないけど。解体…それが一番手っ取り早いかも」

提督「明石は何と?」

叢雲「…今のが明石の最善の答えよ」

大淀「そうですね。提督ここは下手に世論を動かすわけにはいかないかと…」

提督「…くそっ!」ギリッ

叢雲「…」

提督「…叢雲は明石に解体の手続きを取るように伝えてくれ。大淀は朝潮の解体後支援の手続きを」

叢雲「了解」

大淀「かしこまりました」





提督「…」







~○○鎮守府 工廠~

叢雲「明石」

明石「あら秘書艦。どうでした?」

叢雲「解体手続きお願いできる?これ書類」

明石「確かに受け取りました」

朝潮「…」スースー

叢雲「寝てるんだ」

明石「えぇ…大分暴れましたからね…疲れたんでしょう」

叢雲「この娘には悪いことするわね」

明石「本人には目を覚ましてから説明します」

叢雲「お願い…汚い役渡して悪いわね…」

明石「これも仕事ですから」ニコッ

叢雲「頼もしいわね」

明石「夕張、手伝ってくれる!」

夕張「んー?」

明石「解体の準備よ」

夕張「今行くわ」

叢雲「…」

朝潮「…」スースー

叢雲「ほんと…何があったっていうのよ…」






~日曜日 街角や~


深海「じゃあ、私と霞ちゃん出かけるからおやっさん留守番お願いね」

店主「おう、行ってらっしゃい」

深海「じゃ霞ちゃん途中まで一緒に行こうか?」

霞「ええ。おじさん行ってきます」

店主「おう、ランちゃんとハギちゃんによろしくな」

日曜日。

それは俺たちにとっては週に一回の休みの日。

いつもは3人でいることが多いこの日も今日は珍しくかおるちゃんも霞ちゃんもそれぞれ用事があり出かけるという。

というわけで俺は一人お留守番だ。

何年ぶりだろ?一人で家にいるって…

店主「つっても、掃除はしなきゃな…」コキッ

しかし掃除なんて午前中でだいたい終わるしな…

店主「その後何しよう?」

プルルルルルル

店主「んあ?」

ガチャ

店主「はい街角や」

店主「おっなんだタツか…」






~○○市駅前~

ラン「おっ霞だ!お~い!!」ブンブン

霞「ちょっとみっともないから大声で呼ぶのやめてよ。恥ずかしいじゃない」

ラン「そうか?」

ハギ「他の人もやってるから大丈夫じゃない?」

「お~い」

「待った?」

霞「ホントだ」

深海「慣れてないだけじゃない?」

ハギ「あれ深海さんも一緒なんですか?」

深海「ううん。私はこれから隣町に行ってくるの」

ラン「隣町?何しに」

深海「友達とショッピング」


ラン「…」

深海「?」

ラン「友達いたの!?」ビックリ!

深海「何それどういう事!?」ガーン!

霞「いつも街角やに居るイメージがあるからじゃない?」

ハギ「そうそう。いつも働いてて友達と遊ぶってイメージがないので」

ラン「休憩中だってグースカ」

深海「確かにそうだけど…私にだって友達の一人や二人いるもん!酷いなぁ~」

霞「一応フォローしておくと、休憩時間も寝る前にはSNS使ってその友達と連絡取り合っているわよ」

ハギ「そうなの?」

ラン「でもその友達見たことないぞ?」

深海「だってこっちに住んでないもん」

ハギ「じゃあ、いつもは?」

深海「名古屋の方だぎゃ」

ラン「だぎゃ?」


深海「っ!とにかく電車の時間あるから。じゃね!」

ハギ「行っちゃった…」

ラン「霞、見たことあるか?」

霞「一人だけなら」

ハギ「どんな人だった?」ズイ

霞「どんな人?」

ラン「深海さんって確か元深海棲艦だったよな?もしかして友達も…」

ハギ「ラン流石に失礼よ」

霞「…うーん」

ハギ「え?」

霞「どうかは知らないけど…色白で髪の綺麗な…どちらかと言えばル級に…」

ラン「嘘だろ!?」

霞「ただ似てる人だって…」



~市内映画館~

ラン「で何の映画見るんだっけ?」

ハギ「もう忘れたの?」

ラン「思い出した!トラン○フォーマー!」

ハギ「1作目から見てないのに?」

ラン「じゃあスパ○ダーマン?」

ハギ「話題にはなってるしねぇ」

ラン「じゃあ…関○原!」

霞「なんで急に渋くなるのよ…銀○でしょ」

ハギ「そもそもランが見たいって言ってたんでしょ」

ラン「えへへ。ごめんごめん」

霞「さっ早く行きましょ」

ラン「おう!」


~ラーメン龍~

ガララッ

タツ「いらっ…おっ先輩!」

店主「おお、呼ばれてきたぞ」

タツ「いやぁすんません!忙しい所!」ココドウゾ

店主「暇だったからいいんだけどよ」

店主「で?電話越しじゃあ協力してくれとしか聞いてないが…」

タツ「いやね、来年以降に出す新しい冷たい麺っていうのを今開発しようと思いましてね!」

店主「いまからか?」

いや、夏もう終わるぞ?

タツ「言いたいことは分かってますって。夏終わるぞ?ってことですよね」

タツ「だからこその今なんです!」

店主「どういうことだ?」

タツ「まぁ単純に新商品開発するタイミングが無くて、今やっておいて来年に回そうって事なんですけどね」

店主「はぁ、さいですか」

はなっからそう言え。

回りくどい…


店主「で、何を協力すればいいんだ?」

タツ「毎度おなじみの試食ですよ」

タツ「お代タダでいいんで」

店主「ただって聞こえはいいが…1種類じゃないんだろ?」

タツ「もちのろんですよ!」ワハハ

タダより高い物はないか…

店主「最近歳もあってか腹回りが気になるからな、お手柔らかに頼むぞ」

??「…ならその試食、私もお相伴にあずからせても?」

店主「え?」

加賀「どうも」

タツ「え?加賀さん…まだ食べるの?」

加賀「あの程度まだ腹八分目です」

タツ「くそぉ~…また負けた」ガックシ


店主「加賀?…ああ、瑞鶴ちゃんの先輩!」

加賀「お噂はかねがね。正規空母の加賀と申します」

店主「街角やで働いております梅村です」

加賀「以後お見知りおきを」

ん?噂?

店主「あの…噂とは?」

加賀「良く駆逐艦の娘達が騒いでいますから。今日のクリームぜんざいも最高だったとか…」

加賀「あとは鳳翔さん相手に漬物一つで宣戦布告したとか」

店主「え?!」

何その噂!?

店主「いや、今の噂は…」

加賀「ふふ」

店主「ん?」

加賀「冗談です」

店主「…」

いやいやいや。

結構焦ったよ?っていうか"ふふ"って言った割には表情変わってないし!

そういや瑞鶴ちゃん言ってたな「変わり者なうえに表情が読めない」って…


加賀「あの…」

店主「へ?」

加賀「どうかされましたか?」

店主「いえいえ何も!」

いかん、ボーっとしていたか。

タツ「まぁ無理もないでしょ。その丼ぶり見ちゃ」

店主「は?」

なに丼ぶりって?

丼ぶり「デデン!」ズモモモモ

店主「なっ!?」

何だこのデカい丼ぶりは?!

こんなの見たことないぞ…合羽橋で買った?いやいや行ったことあるが見たことない!やっぱ特注…だよな?

タツ「いやぁ~ここまで来るのに苦労しましたよ」シミジミ


店主「え?なにこれ、加賀さん専用なわけ?」

加賀「いえ、赤城さんも…」

タツ「いやいや、赤城さんのはもう一回り大きいよ」アカダモノ

加賀「あら、そうなの?」

店主「…」

会話がついていけん…

加賀「それで先ほどの話ですが…」

店主「えっと…宣戦布告でしたっけ?」

加賀「その前です。試食のお相伴です」

店主「え?」

丼ぶり「デデン!」オォォォォ・・・

店主「…まだ食えるの?」


~○○市街~

ラン「いやぁ、面白かった!」

ハギ「笑えるシーン一杯あったわね!」

ラン「霞はどうだった?」

霞「…」

ラン「霞?」

霞「え?なに?」

ハギ「面白かった?」

霞「…よくわからない」

ラン「へ?」

霞「なんて言うか映画っていうものを初めて映画館で見たから…」


ハギ「映画初めてなの?」

霞「…語弊が生じたわ。映画自体はウチのテレビでチラホラ見てたわ…」

ハギ「地上波でやってるやつだ」

ラン「ダイ・○ードとか?」

ハギ「どうしてその路線?」

霞「どんなのかはイマイチ覚えてないけど、アニメだったりSFだったり」

霞「最近"リ○グ"ってやつを見たわ」

ハギ「よりにもよって!?」

ラン「Jホラーの金字塔…よく見れたな」

霞「かおるの奴が好きなのよ。そういうの…私も一回本物に出会ってから耐性が付いたっていうか…」

ラン「何それそこんとこ詳しく!」

ハギ「ほん…もの?」ゾゾゾ…


ググゥゥゥ…

ラン「腹減った…」

霞「あっもうこんな時間…お昼にしない?」

ラン「そうか。映画終わった時間がそれぐらいか…」

ハギ「ねぇ、今日は私が決めていい?」

ラン「ハギがか?」

霞「珍しいわね」

ハギ「最近できたお店で行ってみたいところがあるの!」

ラン「何かは知らんが…おすすめっぽいな」

霞「興味あるし良いんじゃない?」

ハギ「じゃ決まり♪」

ラン「結構楽しみにしてたっぽいな」

霞「どんなお店かしら」

ラン「あ!あとでさっきの話詳しく聞かせろよ」

霞「何の話?」




~隣町~

深海「買った買った!」

??「だらしないわよ?」

深海「だって久々だしぃこんなに買ったの」

??「そうね…気持ちわかるわ」

深海「いきなりだけど…最近変わりない?瑠美ちゃん」

瑠美「変わりないわ…と言ってもあなたもじゃない?」

深海「そうだね」ニシシ

深海「そういや、今回どうしてこっちに?」

瑠美「ほら、もう時期○○鎮守府の感謝祭が始まるでしょ?」

深海「うんうん」

瑠美「そのルポをしに来たの」

深海「ルポ?」

瑠美「そうルポルタージュ。現場を取材してありのままの事実を記事にして読者みんなに教える仕事よ」

瑠美「って前教えたでしょ」


深海「そういえばそうだったね」

深海「まさか政治関係ですか?」

瑠美「違うわよ。私が記事書いてるの旅行関係よ?政治的には動かないわ」

深海「そうなんだ」

瑠美「今あの祭りは国内のみならず海外からも熱い視線を送られているの」

深海「なんで?」

瑠美「あなたも知っての通り"艦娘"って一般人の常識では"兵器"でしょ?」

深海「うん。あんなに可愛いのにね」

瑠美「今世界各国で巻き起こっている問題があるの」

深海「問題?」

瑠美「深海棲艦がこの世から居なくなったら、艦娘はその後をどうするか…」

深海「仲良く暮らせばいいじゃん」


瑠美「それがそうもいかないのよ」

瑠美「世界には彼女たちを兵器とみて差別的な行動をする者たちも居れば、国から追い出そうとする輩も居るの」

深海「うへぇ」

瑠美「もし深海棲艦が居なくなれば…彼女たちを道具…いやそれ以下として扱うやつらも出てくるはず…」

瑠美「そうしないためにも、各国政府が動き出しているのよ」

瑠美「例えばフランスでは事態が収束した時は彼女たちを兵役を終えた一般市民として迎え入れる条例を制定しようとしたり」

瑠美「アメリカの…」

深海「記事…政治関係じゃないんだよね?」

瑠美「あらごめんなさい」コホン

瑠美「とにかく感謝祭はそういった事態を解決に向かう糸口の一つとして注目しているのよ」

瑠美「兵器と一般人が分け隔てもなく接することのできる場所…その祭りの素晴らしい部分を発信していくわ!」

深海「なるほどねぇ」

瑠美「そういえば当日お店出すんでしょ?」

深海「え?うん…」

瑠美「取材させてよ」

深海「来ると思ったぁ」

瑠美「お昼ご馳走するからぁ」

深海「おっ…だとしたら取材料高いよぉ?潮凪さんやぁ~」ニシシ

瑠美「うっ…お手柔らかに」



~○○市商店街~

ハギ「ここだよ!」

ラン「タージマ…」

霞「ハル…?」

ラン「え…カレー屋?」

ハギ「そう!本場インドカレーのお店だよ!」キラキラ

ラン「おっおう…」

霞「テンション高いわね」

ハギ「だって、艦娘時代は海軍式だったし…ウチだと普通のカレーだし」

ハギ「本場の味って一度も食べたことないんだよね!」

霞「だから今日試そうと?」

ハギ「そう!」

霞「なるほど」

ラン「そういえば…なぁ、日本のカレーは何カレーだ?」

比叡「欧風ですよ」

霞「だって」

ラン「へぇ~」

ハギ「早く早く」グイグイ

ラン「わかったわかった」

霞「引っ張らないでよ…」

ラン「ところで今の誰だ?」

霞「…さぁ」



店員「ただいまのランチタイムは90分食べ放題となっております。食器等は向こうにございます」

ラン「なんと食べ放題!」

ハギ「凄いでしょ~」

霞「私初めてかも…食べ放題」

ラン「言われてみれば…初めてか?近所無いしな」

ハギ「だからここに来たの」

霞「ハギにとっては2つの初めてな事…」

ラン「だからさらにテンション高かったのかぁ~…」

ハギ「もう、早く行こう!」


霞「う~ん…」

霞(好きに取れとは言うけど…4種類…がっつくのは行儀悪いわね)

霞「バターチキンカレー…」

霞(チキンカレーはうちでも出すから分かるけど…バター?風味が変わるのかしら…)

霞「エッグカレー…?」

霞(エッグ…え?卵?…よく見たら茹で卵が丸々入ってる…本場じゃこんなのも人気なのかしら?)

霞「マトン…マトン?」

霞(マトンって何かしら?…よく見ると何か肉みたいなものが…あれがマトン?じゃあ何かの動物?)

霞「???」

霞(得体のしれないものは後回し…次は)

霞「ベジタブル…」

霞(今は肉ってよりも野菜な気分ね…他のはちょっとよく分からないから後回しにして…)


霞「あとは…ご飯…このジャーの中かな?」

パカッ

霞「!!!!?????」

霞「ごっご飯が黄色い!!」

ハギ「それはターメリックライスだよ」

霞「ターメリック?」

ハギ「そうそう。ウコンで味付け?色付け?したご飯なんだって。カレーによく合うらしいよ」

霞「へぇ…てっきり痛んでるのかと…」

ハギ「そんなことは絶対ないから安心して」

霞「じゃあ、これで…」

ハギ「あっあんまり盛らない方がいいよ」

霞「?」

ハギ「あとで美味しいのが来るから!」

霞「おいしいの?」



ラン「おっ、やっと来たか」

霞「あれ?みんな一種類づつ?」

ハギ「ちょっとづつ楽しもうかなと」

ラン「俺はこのカレーぐらいしか分からなかったから…」

霞「ハギは何を取ってきたの?」

ハギ「じゃん!エッグカレー!」

ラン「ゆで卵が入ってたやつじゃん」

ハギ「前にテレビで"インドで意外に人気なカレー"って紹介されてたの」

ラン「なるほど」

霞「ランは?」

ラン「俺はバターチキン。これぐらいしか分かりそうなの無いから…あとはお前らの評価次第だな」

ハギ「そういう霞は?」

霞「ベ ジ タ ブ ル」

ラン「主張激しいが内容シンプルだな…」

霞「仕方ないじゃない。他が変化球過ぎて…バターチキンだって普通のチキンカレーとは違うっぽいし…エッグカレーは見た目のインパクトが…」

ラン「なるほど」


霞「それに何よ"マトン"って!未知的すぎるわ!」

ラン「それな!」ビシッ

ハギ「え?」

ラン「いやマトンって言われても分かんねぇよ…」モヤモヤ

霞「何かの肉に見えるけど何の肉か分かれば…」モヤモヤ

ハギ「あれは羊よ」

霞「え?」

ラン「ひつじ?」

ハギ「インドじゃ宗教的な理由で牛と豚を食べちゃいけないの。その代りに羊肉と鶏肉を食べるのよ」

霞「じゃあ"マトン"じゃなくて"ラム"でいいじゃない!」

霞「なんでなの?」

ハギ「え?えっとぉ…それはぁ…」

ラン「もしかしたらインド語でマトンなんじゃね?」

霞「あ」

ハギ「え?」


店員「違います違います」

ラン「ん?」

店員「ラム肉は生後1年未満の子羊の肉の事を指して、マトンは2年以上の成熟した羊の肉を指すんです。」

店員「だから味も食感も全く違うんですよ」

ハギ「あっありがとうございます」

霞「もしかして大きな声だったかしら?」

ラン「かも?」

店員「いえいえ、とても熱心に議論されてたので私もつい…失礼しました」

ハギ「今年一番勉強になったかも」

霞「そうね」

ラン「そう言えば店員って日本人だな」

霞「よく見なさい奥のキッチン…しっかり本場の人が作っているわよ」

ラン「本当だ」

シェフ「ニカッ」


ハギ「早く食べましょ?冷めちゃう」

霞「そうね」

ラン「なんか今までカレーがかかってたからこういう食い方初めてだな…」パクッ

ラン「んっ!うまいなコレ!」

霞「どんな感じ?」

ラン「辛いんだけどなんかコクがあって…日本人向けの味だな!」

霞「ハギのは?」

ハギ「ゆで卵丸ごと…食べ応えあるよ。味もスパイスがちょっと強めに効いてて美味しい」

ラン「そういう霞のは?」

霞「…」

ラン「霞?」

霞「意外に辛い…」

ハギ「ジュース持ってこようか?」

霞「大丈夫自分で持ってくる…」


ラン「ちょいと一口…」

ラン「確かに辛いな」

ハギ「確かに…」

ラン「中身はインゲンにニンジンにじゃがいも…甘みのあるものが少ないのか?」

ハギ「だから余計スパイスが効くのね」

霞「うぅ~…」

ハギ「大丈夫?私のと替える?」

霞「頑張って食べる」

ラン「その黄色い飲み物なんだ?」

霞「マンゴーラッシーだって」

シェフ「ソレ、カライノニアウネ」

ラン「お?」

シェフ「ナン、イカガ?」

霞「なん?」

ハギ「カレーにつけて食べるパンよ」


ラン「ああ、よくテレビとかで見るあれか!」

霞「私欲しい」

ハギ「じゃあ3枚」

シェフ「~♪アリガトネ」

霞「これが…ナン」

ラン「テレビでやってたけど…確かこれ千切り方があったよな?」

ハギ「そんなのあるの?」

ラン「ヒンズー教じゃ左手は不浄の手?だっけかな…まぁいいや…って言われてて、使っちゃいけないんだと」

霞「へぇ」

ラン「だから右手だけを使って…こう…んしょ…ひね…ひねって…ひねって…あれ?」

ハギ「ラン?」

ラン「こうだから…ひね…あれ?できない!」

霞「フン」ムシリ

ラン「ああ、両手で!」

霞「私ヒンズー教じゃないし。不浄とか関係なしに食べるわ!」ムッシャー

霞「あら、ナン自体美味しいのね」

ハギ「でもやっぱ、カレーにつけた方がおいしいわ」

霞「そうね…ってどうしたの?」

ラン「なんか…負けた気がする…」ドヨーン…

霞・ハギ「「何に?」」




~○○市商店街大通り 夕方~

店主「あぁ~…」

食った食った…

いや、食わされた食わされた…が正解かな…

アイツこっちのペース考えずにホイホイ出してくるもんなぁ。

おかげでこっちは何食べてるか分かんないし。

加賀さんは加賀さんで尋常じゃないペースだったし…

店主「はぁ~…」

何で飯食いに行っただけで疲れるんだぁ…

しかしあんだけ食っても加賀さんの腹膨れてなかったな…

艦娘ってあんなものなのか?

もしかして霞ちゃんも…

いやいやいや

店主「ないない」

恐らくはあの艦種だけだろう。

うちの娘はあんなに食べないし…


店主「さて二人とも帰ってくるころだ」

夕飯何にすっかな?

昼案だけ食ったから軽めがいいが…

あの二人もそうだとは限らない。

手っ取り早く外食か?

店主「たまにはいいか」

店主「ん?」



??「ここがあなたの新しいお家ですよ」

??「…」



店主「あれは…」

ウチの二軒隣の花屋さんの…えっと名前なんだっけ?

『フラワーショップ ナカジマ』

ああ、そうだ中島さんだ。

最近お店ずっと休んでたから久々に顔を見たよ…

ってあれ?あの人旦那さんが不慮の事故で亡くなって今は独り身だったはず…

今の誰だ?

やけに体が小さかったな…娘さん?

いやでも…確かお子さんも…


「お!おやっさーん!」

ん?

店主「おお、かおるちゃん。お帰り」

深海「おう!お帰りだ!」

上機嫌だな~

店主「またいっぱい買ったな」

深海「えへへ~、やっぱ買えるときに買わないと!」

深海「ってことで、これとこれ…」

店主「お?」

深海「と…あとこれとこれと…これも持って」

店主「お?お?おお?」

ちょっとちょっと待ってよ?

店主「これだと俺の方が持ち物多くなるよね?」

深海「いいじゃんいいじゃん。私はか弱い乙女、あなたは屈強な紳士」

店主「か弱いって…ここまで一人で持ってきたじゃないか」

深海「だから疲れたから持ってよぉ~」

店主「…はいはい、分かったよ」

あいにく家はすぐそこだ。


店主「そういや瑠美ちゃん元気だった?」

深海「元気元気!元気だったよぉ!珠緒ちゃんに寧々ちゃんも元気だって」

店主「そうか」

あの三姉妹も元気にしているのか。

深海「ああ、そうそう。瑠美ちゃんが今度の感謝祭で記事書きたいから取材させてって」

店主「感謝祭って来週なんだけど…それまでこの辺に滞在するって事?」

深海「なんでも隣町の文化遺産についての記事を書いてからだって」

店主「瑠美ちゃん頑張ってるなぁ」

店主「まぁ、また返事しとくよ」

深海「いやいや、取材交渉終わってますが?」

へ?

店主「いやいや、俺何も聞いてな…まさか!」

深海「ランチ美味しかった!」グッ

店主「…っ!!」

買収済みかよ!

それが目的で遊びに行ったのか…

手を回すのがうまいなぁ…

どうせ店の取材じゃなくて祭りの取材何だろうから、まぁいいけどね。


さてそろそろ家に…って

店主「あれ?霞ちゃん?」

霞「…お帰り」

深海「どうしたのそんなところで?」

霞「鍵…忘れた」

店主「あらら…待ってな、いま開け…お?」

店主「かおるちゃん…鍵」

深海「え?」

店主「両手ふさがってて取れないの」

深海「ああ、なるほど」

店主「まったく」

霞「ねぇ」

店主「?」

霞「うち…」


霞「羊出さないの?」


店主「へ?」

なに?ひつじ?


霞「今日食べたマトンが結構おいしかったの」

霞「だから羊料理もメニューにいれたら」

店主「どうしてそうなったかはあとで聞くとして…」

店主「つまりジンギスカンを出したりすればいいのかな?」

霞「っ!」

霞「ジンギスカン…また知らないワードが出たわね…!」

お昼に何があったんだろう?

確か映画を観に行ったはずだよな?

なのに開口一番に映画の感想じゃなくマトンって…

まぁ、とにかく



店主「今日は楽しかった?」


霞・深海「「うん!」」


店主「そりゃ良かった」

終わり良ければ全て良し!

明日からはまた忙しいぞ!



何とか今年中に更新できた…

更新遅くてゴミンニ


武蔵(浴衣装備)「これは…ここだな」

ゴトッ

深海「凄い!そんな重いガスボンベを軽々と…」

武蔵「なに、これぐらい艤装に比べれば軽いものさ。なぁ磯波」

磯波(浴衣装備)「まぁ、艤装と比べるとそうですね…」

深海「…だってよ?おやっさん」

店主「ぜぇぜぇぜぇ…」

現役軍人と比べられてもなぁ…

深海「しかし…」

武蔵「?」

深海「前回とは違って武蔵さんと磯波ちゃんだけかぁ」

武蔵「なんだ不安か?」

深海「うぅ~ん…」

武蔵「なに案ずるな。この武蔵に任せておけ!」

深海「力仕事ならなぁ…」

店主「…」

まぁ正直こっち側の人数は気にはなる。

なんせ去年まではプラス4だったのが一気に半減したんだから…


店主「そうだ霞ちゃん。振り分けどうするか昨日決めたんだけど…これでどうかな?」

霞「どれ?」

霞「おじさん調理、私がレジでかおるが厨房兼接客…磯波が接客、武蔵客引き…」

霞「武蔵さん客引きってどうなの?」

店主「いやぁ売り上げアップするかなって…」

霞「…胸の話?」

店主「へぇ?」

霞「あの胸で浴衣来たら目立つものねぇ~」

店主「確かにあの胸はすごいが…」

武蔵「む?どうした」

ボォン!

あれはすごい…ゴクリ


店主「いやいやいや、知名度を生かしてだよ」

霞「大和より武蔵の方が地名度高いなんて聞いた事ないわよ?」

店主「うぐっ」

深海「まぁ、男は寄るからいいんじゃない?」

霞「そしてふんだくる?」

深海「キラーン」

霞・深海「よっし!」グッ

なんだか二人が食虫植物に見える…

深海「なんか失礼なこと考えなかった?」

店主「めっそうもない」

磯波「あの、この機械はどこに…」

店主「うおっ!?よく持てたね…それはあの机の上に」

磯波「よいっしょ!」

ゴトン

磯波「ふぅ~」

店主「すごいね」

磯波「鍛えてますから」フフッ


磯波「この機械…入れ物?なんですか?」

店主「これかい?これはホットショーケースっていうんだよ」

店主「形状は違うけどコンビニとかで見かけたことがあるだろう?」

磯波「確かに言われてみれば…揚げ物とか入ってる"アレ"ですよね」

店主「そうそう"アレ"だよ」

霞「この日の為にわざわざ借りてきたのよね」

店主「まぁ、レンタルの方が安いし。年に1回使うかどうかわからないのに新品買うのもばかみたいだろ」

霞「まぁ、賢明な判断ね」

深海「ウチじゃ絶対倉庫の肥やしよね」

武蔵「して主人よ。客引きはどうすればいい?」

店主「片っ端から声かけて。ああ、もちろん女の子にも」

武蔵「女の子?ああ、わかった」

店主「たのみます」


深海「いま瑠美ちゃんから連絡あったよ」

店主「え、もう来るの?」

深海「なんでも朝一から取材したいんだって」

店主「…手伝わせるか?」

深海「だめだめ。スキルないから役に立たないもん」ヘラヘラ

店主「割とひどいね君」

霞「油の温度丁度いいわよ」

店主「OK!じゃあ、俺は厨房に籠るから」

深海「頑張れー!」

店主「いや、かおるちゃんも来てよ。まだ接客するには早いでしょ!」

深海「暑いのやだなぁ…」

磯波「頑張ってください」

深海「お~う」


武蔵「…で、何を売るんだ?」

霞「串カツよ」

磯波「串カツ?」

深海「はい霞ちゃん。受け取って」

霞「はい」

深海「重いよ?」

霞「大丈夫手を放して…よっ」

磯波「ソース?…でもなんだか甘い匂い?」

武蔵「そういえば主人は名古屋出身だったな」

磯波「あっ味噌!」

霞「よくわかったわね…よっと」

磯波「味噌串カツかぁ~」


磯波「名古屋は味噌カツが有名なんだっけ」

武蔵「串カツなら持って食べ歩きもできる。さらに酒好きにもうける。考えたな!」

店主「いやぁ。実は同じの出しているところ結構あるんですよ」

磯波「じゃああえて同じものにしたんですか?」

店主「まぁ、他の所は出来あいと言うか市販されているものを使ってて。うちはそこを手作りで…ウチのレシピで勝負しようかと」

霞「だから今年のメインは味噌串カツ!注文を受けたらショーケースから取り出して味噌をつけて提供!」

深海「提供するときは根元までつけてね。試しに一本」ハイ

磯波「ありがとうございます」ネモトマデ

霞「それをその包み紙に入れてお客様に渡してね」

磯波「…で、これは?」

霞「食べていいわよ」

磯波「え?!」


霞「流石に客が来てから渡したら衣がふやけちゃうわよ」

深海「それに味も見ておいた方がおすすめしやすいでしょ」

磯波「じゃあ…」サクッ

磯波「っ!おいしい!」

武蔵「おお」

店主「はい武蔵さん」コレドウゾ

武蔵「ん、いいのか?」

店主「味見てから客引きお願いします」

武蔵「なら喜んで」

武蔵「…うん、うまい!豆味噌特有のコクが引き出ててうまいな」

深海「一応味噌がダメな人様にソースパックも用意してあるから。要望あったら渡してあげてね」

磯波「分かりました」






??「ふへーやっと着いた…」

深海「おっ瑠美ちゃん!」

瑠美「やっほー」

霞「あっ瑠美さん」

瑠美「霞ちゃんやっほー元気してた?この間のお盆以来よね」

霞「ええ」

磯波「…どなたでしょう?」

武蔵「さぁ…」

武蔵(しかし、この感じは…)

瑠美「おや」

深海「ああ、今日手伝ってくれる艦娘の2人だよ」

瑠美「そう…」

武蔵「…」

瑠美「…」

磯波「え?え?」アワアワ

武蔵「…」

深海(まずいかな)

瑠美「…」

霞「…?」

武蔵「…」

武蔵「…ふ」

瑠美「…ふふ」

武蔵「武蔵だ」

瑠美「私は潮凪 瑠美。『月刊 旅と季節』でライターをやっているわ」

武蔵「そうか…よろしく」ギュッ

瑠美「こちらこそ」ギュッ

深海「ふぅ」

磯波「…いまのは?」

霞「…さぁ」


瑠美「ちょっとかおる」

深海「え?」

瑠美「武蔵が来るならそう言っといてよ。危なかったじゃない」コソコソ

深海「まさかこうなるなんて思わなかったんだよぉ…」コソコソ

瑠美「まったく…でも良いの引き当てたじゃない」

深海「ね」

店主「おーい、かおるちゃん!いい加減てつだっ…おや」

瑠美「おじさん、おはようございます」

店主「おはよう瑠美ちゃん。なんだもう来てたのか」

瑠美「今来たばっかですよ。今日はよろしくお願いしますね」

店主「何を取材するのかは知らないけど…お手柔らかに頼むよ?」

瑠美「まぁ、基本ここを拠点として各所で手伝っている艦娘達の撮影やインタビューをするぐらいですよ」

瑠美「一応鎮守府にも連絡してそっちのインタビューをしようかと思ってますけど」

深海「そっち?」

瑠美「大淀…だったっけ?その人にこの祭りの過去と未来を聞こうかと」

深海「まさかそこから政治のお話を…」

瑠美「はぁ…だから違うって。この祭りをやることになった経緯と行きつく未来…つまり将来的にどういった形にもっていくかって事よ」

店主「まぁ難しい話は瑠美ちゃんに任せよう」



パンッパパンッ


店主「っと始まった…磯波ちゃんと武蔵さん。手筈通りによろしくお願いします」

磯波「了解です!」ビシッ

武蔵「まかされよ」

店主「で、かおるちゃんはしばらくこっちの手伝いよろしく」

かおる「はいよー」

店主「霞ちゃん、磯波ちゃんのサポートよろしくね」

霞「合点承知。磯波、頑張るわよ!」

磯波「うん!」

瑠美「さて私も始めるか」






瑠美「…」

瑠美(こうやってみると艦娘って結構多いのね…)

瑠美(昔は色々あってゆっくり見て眺めるなんてなかったから…)

瑠美「ん?あれは…」

瑠美「お菓子屋さん?」

ハギ「いらっしゃーい。おいしい御手洗団子いかがですか~」

大和「出来たてですよ~」

客1「おお~アレが噂の大和か!」

客2「まさに感動であります!」

瑠美「大和!」

瑠美(噂じゃ1体しか復元できてないとか…そんなレアが…)

瑠美「…」

瑠美(いやいや、武蔵も1体しかいないんじゃ…何なのこの鎮守府…)

瑠美「いけないいけない」

瑠美「うさぎ屋…お菓子と言うか餅屋なのね」


ハギ「いかがですか?」

瑠美「1本頂ける?」

ハギ「はい1本50円です」

瑠美「ちょうど」

ハギ「ありがとうございます」

ハギ「こちら商品です」

瑠美「ありがとう」

瑠美「ではさっそく」

瑠美(うんうまい!流石出来立て)

瑠美「それはそうと…あの」

大和「はい?」

瑠美「実は私こういうものでして」メイシ


大和「『月刊 旅と季節』…あら、これ私毎月読んでます!」

瑠美「え?」

大和「私各地へ駆り出されることが多くて、旅行とかなかなか行けなくって…」

大和「だからこの本買って気分だけでもって」

瑠美「それは大和さんに買っていただけるなんてウチとしても光栄です」

瑠美(ウチのボスが聞いたら喜びそうね…大和好きだし…あっでもヤマトの方だったかしら?)

大和「いつも写真が綺麗で…特に紅葉の季節の特集が好きなんです!」

瑠美「あれはわが部署でも特に力を入れてますから…」

大和「ですよね!気合いと言うか…こう伝わってきます!」

瑠美「で今日なんですが…この感謝祭の取材で来たんです」

大和「うわー本当ですか!インタビューですか?気合い入れて答えちゃいます!」ワクワク

瑠美「ありがとうございます。では早速…」





磯波「ありがとうございましたー」

武蔵「順調だな」

磯波「そですね…あっビールが切れそう」

霞「冷蔵庫に段ボールごと入ってるから」

磯波「持ってきちゃいますね」

客3「おい、今度は武蔵だぜ!」

客4「しかも浴衣姿…あのボディにあの姿は…」

客3「もはや凶器!」

武蔵「そこの御仁。一杯ひっかけていかないかい?」

客3「ひっかけます!」

客4「はえーなおい」

霞「…」

霞(去年の売り上げ越えるかも…)


武蔵「串カツも…」

客3「買っていきます!」

客4「食いつきパネェ…」

武蔵「そっちの御仁は?」

客4「買います!」

客3「お前も人の事言えねぇじゃん…」

武蔵「はっはっはっ!」

霞「…」


霞「おじさん!」

店主「なんだい?」

霞「じゃんじゃん揚げて!」

店主「あいよ」

店主「だってよかおるちゃん」

深海「もーだから串カツは冷凍でいいって言ったじゃん!なんで串カツまで手で刺すわけぇ!」

店主「悪かったって…来年は冷凍にするよ…」

ちょっとは拘りたいじゃん…

磯波「あの…ビールはこれでいいですか?」

店主「ああ、それで…って!」

店主「ちょっと待った!!」

磯波「?」

?…じゃござらんよ!ビール缶の段ボール4つって!

店主「1つ…せめて2つづつでいいから。そんな一気にやったらプール破裂しちゃう!」

磯波「え?そうですか」

店主「すごいな」

深海「ねぇ」

あんな貧弱そうな見た目なのに…ほんと見た目で判断しちゃだめだね…




瑠美「よし!」

瑠美(まずは収穫一つ)

瑠美「うん?」

瑠美(ラーメン屋の前で人だかり…ラーメン屋で出店?何か出しているのかしら。でも人だかり…?)

タツ「さぁさぁ次の挑戦者はどいつだぁ!」

ラン「さぁ、この勝負勝ったら飲食代は無料!更にペアのハワイ旅行券をプレゼントだぁ!」

ウオオオオオオオオオオ!!

瑠美「大食い大会?…げっ」

赤城「フフン」

瑠美「赤城…」


客5「よし次は俺行ってみようかな?」

客6「おいやめとけって」

客6「相手はあの赤城だぞ」

客5「でもアイツが食う1杯の量と挑戦者の食う1杯の量は違うんだぜ?こっちの方が量少ないんだから…そのアドバンテージで十分勝てるって」

ラン「さぁさぁ早い者勝ち!この勝負一人でも勝者が出たら即終了!」

赤城「いつでも来なさい!」ドドン

客5「ほら、いかなきゃ損だろ?」

客6「いやでも…」

客5「よく考えろ。相手はもう一回勝負して腹が膨れている…チャンスだとは思わないか?」

瑠美「…」

客6「ううむ…ならやってみな?どうなっても俺は…」

客5「皆まで言うな。分かっているさ…この勝負勝って婚約者とともに俺はハワイへ行くんだ!」

客5「次は俺が行くぞぉ!」

ラン「さぁ次の挑戦者が現れたぞ!」

ウオオオオオオオオオオ!!

客6「無事に…無事に帰ってこいよ」ホロリ

瑠美「…」

瑠美(ご愁傷さま)パシャッ





武蔵「ふむ」

磯波「ちょっとお客さん引きました?」

霞「う~む」

武蔵「どうした霞?」

霞「例の仮装演習が始まったからじゃないかしら」

武蔵「おお、もうそんな時間か」

店主「なら武蔵さんに磯波ちゃん。今のうちに休憩行っておいで」

磯波「えっ良いんですか?」

店主「言いも何も自分の姉たちも出るんだろ?だったら見ておいで」

武蔵「なら私は残ってもいいぞ?体力なら自信がある」

店主「ありがたい…と言いたいところだけど。あなた方はボランティア。言ってみれば無給でやってもらっている」

店主「そんな人たちに休憩なしで働けなんて言えないよ」


武蔵「しかしだなぁ…」

店主「俺たちなら大丈夫。あなた達がマジモンの戦場で修羅場をくぐったなら…俺たちは俺たちの戦場で修羅場をくぐっているから」

霞「私だって元艦娘見くびらないで」

深海「私たちの事はいいから行ってきてください」

武蔵「お前たち…」

磯波「はたから見ると犠牲になって味方を逃がそうとしている人たちにしか見えない…」

店主「…え?」

武蔵「私も途中からそう思った」

霞「言ってて思った」

深海「歯が浮くかと思った」

店主「正直俺も…」

武蔵「はっはっはっ!…わかった、素直に行ってくるよ。磯波同様、姉の様子でも見てくるさ」

磯波「行ってきます」

店主「おう、行ってらっしゃい」



ピーポーピーポー



店主「ん?」



武蔵「救急車?」

磯波「けが人ですかね?」

深海「喧嘩か!?」

霞「んな訳ないでしょ」

霞「多分」

店主「…」

あっちの方向、タツんとこがあるんだけど…なんか不安満載なイベントやるとか言ってなかったっけ…

店主「…俺は何も知らん」

霞「どうしたの?」

店主「知らん」

磯波「?」





ピーポーピーポー



瑠美(案の定、救急車が向かったわね)

瑠美「アーメン」

瑠美「っと…今度はパン屋?パン屋が出店とは珍しい」

陽炎「さぁいらっしゃい!」ニッコニコ

黒潮「美味しいチュロスやで!」ニッコニコ

不知火「おいしいコロッケサンドもありいますよー」ニッコニコ

瑠美「ふ~む…」

瑠美(パン屋の出店も珍しいけど…)

不知火「ありがとうございます」ニッコニコ

瑠美(あんな自然な笑顔の不知火…初めて見た!)

瑠美「やっぱ鎮守府によって艦娘の性格って違うのね」

瑠美「いい取材対象になりそう」


陽炎「あっいらっしゃい!」

瑠美「じゃあそのコロッケサンド貰おうかしら」

黒潮「まいどおおきに」

不知火「250円です」

瑠美「はい丁度」

不知火「ありがとうございます」

瑠美「あと少しインタビューよろしいかしら?」

黒潮「いんたびゅー?」

瑠美「こういうものなんだけど…」メイシ

陽炎「キャー!」

瑠美「え?」ビクッ

陽炎「どうしよう!これってマスコミよね?週刊誌よね?」

不知火「月刊と書いてあります」

陽炎「月刊!?どうしようこれで私もゴシップ記事デビュー…」

不知火「陽炎」

陽炎「どうしよう!心の準備が!あれの事かな?それともあっちの話かな?もしかしてあれかしら~!!!」

不知火「陽炎」

陽炎「きゃー!どうしましょう!どうしましょう!」クネクネクネクネ

不知火「陽炎」

陽炎「何よさっきから」

不知火「これ」ヨメ


陽炎「なになに…『月刊 旅と季節』ぅ?え…ってことは」

陽炎「芸能スキャンダルは?」

瑠美「ウチでは取り扱ってないわね」

陽炎「政治的スキャンダルは?」

瑠美「ウチでは取り扱ってないわね」

陽炎「都市伝説的スキャンダルは?」

瑠美「ウチでは…ってなにそれ?」

黒潮「多分やけど…ムー的な?」

瑠美「ああ、ウチでは取り扱ってないわね」

不知火「と言うかそれ。全部当てはまるようなスキャンダルを持っているのですか?」

陽炎「…」



陽炎「ない」



不知火「でしょうね」

黒潮「今までの騒ぎと今の間は何やったの…」

陽炎「じゃあ、何の取材ぃ?」ダルーン…

瑠美(うわー…一気にテンション落ちたぁ…)

瑠美「今日は今開催中の感謝祭についてインタビューしてるの」

不知火「感謝祭ですか」

瑠美「そう」

不知火「だそうですよ」

陽炎「えー」ダルーン…

不知火「碌にスキャンダルの一つも持ってないのに…何ふて腐れてるんですか」

陽炎「だってぇ…」ダルーン…

不知火「はぁ…不肖の姉に代わり私不知火がお答えしても?」

瑠美「私はそれでも…」

陽炎「うわーん!不肖の姉…不肖の姉って言われた…」シクシク

黒潮「言われてもしゃあないやん」

不知火「…本当に不肖の姉が申し訳ありません」フカブク

陽炎「ぐはぁ!またぁ!」グサァ

黒潮「あっとどめ刺された」

陽炎「…」チーン

黒潮「なむー」

不知火「さぁ、静かになったので…」

瑠美(面白い姉妹)



磯波「ただいま戻りました~」

深海「あれ?やけに早いじゃん」

磯波「あはは…目的は済みましたので」

霞「…ああ、ってことは」

深雪「そうだよ!そういうことだよ!」

霞「うわっ!」ビクッ

吹雪「こら深雪。急に大きな声出しちゃダメじゃない」

深雪「これが出さずにいられるか!」

深海「うーん、この荒れ様…」

白雪「あはは、ご想像通りです」

初雪「まぁ私は楽できるからいいけどね」ゴクゴク…プハァッ

深雪「あー!ラムネ!」

霞「まいどありー」

深雪「私にも寄越せ!」

霞「寄越せませんー。お買い上げいただかないとー」

深雪「くぅー足元見やがってぇ」

吹雪「深雪…商売だから普通だよ?」


霞「で…どんな負け方だったの?」

白雪「負けと言うか…」

吹雪「なんと言うか…」

深海「やけに歯切れ悪いわね」

初雪「相手は扶桑さんをリーダーとした夕張・明石のチームだったんだけど…」

霞「待って待って…やな予感しかしないんだけど…」

吹雪「相手が扶桑先輩でラッキー!と思ったんだけど…」

深雪「扶桑先輩が搭載していた夕張&明石謹製の砲台が突然暴発してね…」

磯波「その爆発の影響でお互いの艤装が使用不能になって…」

初雪「所謂ノーコンテスト。お互い戦闘不能で1回戦敗退」

深雪「季節外れのクリスマスツリーの仮装なんかするからこうなるんだよ…」

初雪「やめときな。あれはあれで気に入っている奴もいるんだから」

深雪「物好きだねぇ」

初雪「アンタの姉だけどな」

深雪「え?」

吹雪「悪かったわねぇ~…み・ゆ・き・ちゃん♪」

深雪「ひえっ!?」ゾゾッ


吹雪「さぁこっちに来なさい!扶桑先輩の素晴らしいところしっかり叩き込んであげるから!」グイッ

深雪「ひえ~~~~…!!」ズルズル

店主「おう、お前ら来てたって…なんだありゃ?」

初雪「洗脳」

店主「は?」






瑠美「さて…取材もあと少しかな?」

瑠美(祭りが終わったころに鎮守府に出向く予定だから…)

瑠美「でもあと一本ぐらいは欲しいわね」

瑠美「…あら?」

瑠美(フラワーショップナカジマ…お花屋さん?)

瑠美(なんというか賑やかな町並みにはそぐわないわね…唯一シャッターが閉まってるし…)

瑠美(今のご時世閉店なんてどこでもある話だけど…)

瑠美「あら?」


??「…」


瑠美(女の子?…でも生気のかけらも無いような表情ね…生きているのかしら…)ゾッ


??「朝香ちゃん。寒いからそろそろ閉めるわよ」

ガラガラ…ピシャ

瑠美「あさか…今の娘生きてたのよね?」






店主「さぁーて…花火の打ち上げも終わったし…そろそろ店じまいかな?」

店主「って事で余った串カツ食っていいぞ」

深雪「フソウセンパイハスバラシイフソウセンパイハスバラシイフソウセンパイハスバラシイ…」

店主「…」

コイツ大丈夫か?

店主「なぁ吹雪」

吹雪「なんですかぁ?」ニッコリ

店主「いやぁ…なんでも」

コイツ扶桑って人が絡むと見境いなくなるのか?

深雪「フソウセンパイハスバラシイフソウセンパイハスバラシイフソウセンパイハスバラシイ…ツイデニヤマシロセンパイモチョットスバラシイ」

なんかいま足されてた…

店主「まぁいいや…磯波ちゃんたちも手伝ってくれたお礼に食べちゃっていいよ」

武蔵「私もか?」

店主「もちろん!なんならビールも空けちゃいます?」

武蔵「そうこなくては!」


今年は少ない人数だったけど、何とか乗り切れた。

でも磯波ちゃんが異動って事は吹雪たちもいずれはあるのだろうか…

店主「…ふむ」

霞「何辛気臭い顔してるのよ?」

店主「そんな顔してた?」

深海「うん」

店主「そうかぁ…まぁくだらない男の心配事さ」

霞・深海「「ふーん…」」

店主「なんだよ?」

霞・深海「「べっつにー」」

なんだそれ…


瑠美「こんばんはー」

店主「おう瑠美ちゃんおかえり」

深海「お帰り!どうだった?」

瑠美「大漁大漁!」

店主「魚かよ…」

瑠美「聞きたいことも聞けたし、記事には困らないぐらいの材料も手に入った!

瑠美「何よりもこの祭りの未来が明るそうなのが分かったのが一番の収穫ね」

深海「そうなの?例えば!」

瑠美「そこは買ってからのお楽しみ~」

深海「え~文読むのの苦手ぇ~」

白雪「あの…その方は?」

深海「え?ああ瑠美ちゃん?私の友達で…」

初雪「え?友達いたの?」

深海「…」ズーン…イジイジ

吹雪「ちょっと初雪!?」

白雪「深海さん、ごめんなさい!ごめんなさい!」ペコペコ


瑠美「やっぱこっちでもいじられてるのねぇ…」アハハ…

瑠美「私こういうものです」メイシ

吹雪「わぁ、凄い!名刺!」キラキラ

白雪「仕事が出来る大人の女性って感じが!」キラキラ

深海「え?お二方変わり身早くないですか…」

初雪「私が居るから大丈夫」

深海「…」ジトー…

初雪「…謝るから」


吹雪「『月刊 旅と季節』…?」

白雪「これどっかで見たような…」

深雪「叢雲持ってなかった?」

吹雪「うおっ!」

白雪「復活してた!?」

深雪「復活?なんの事だ?」

白雪「へ?」

深雪「てかなんでもう夜なんだ?」

白雪「へ?」

吹雪「♪~」ピッピピー

白雪(えぇ!?)


深雪「それよかその『旅と季節』って叢雲が持ってたぞ」

吹雪「なんでまた?」

深雪「司令官と温泉行くのにカタログ代わりに使ってるみたい」

白雪「あぁ…」

吹雪「納得」

瑠美「そうだせっかくだしインタビュー受けてみない?」

吹雪「え?いいんですか?」

瑠美「内容が良ければ記事に載せるかも」

深雪「お!私受けたい!」

白雪「えぇ…私は恥ずかしい…かな」

吹雪「でもいい思い出になるかもよ?」

白雪「うーん…初雪は?」

初雪「私めんどいからパス」ズバッ

白雪「…わかった」

深雪「それは聞く相手を間違えてるぜ」

白雪「そうだったわね」アタマイタイ





霞「楽しそうねあっちは」

店主「楽しいならいいんじゃないか?」

武蔵「そう思うなら霞も行って来ればいい」

霞「片づけあるし」

武蔵「この武蔵に任せれば…」

霞「私はこっちも楽しいんです」

店主「おっ良いこと言うねぇ」

霞「手が止まってる」

店主「こりゃ失礼」


武蔵「なんと言うか」ハハッ

店主「?」

武蔵「いやなに。最初の事を考えると大分変ったなと思ってね」

店主「彼女ですか?」

武蔵「全員だよ」

店主「…」

霞「ほら、かおるも手伝って!」

深海「聞いておくれよ霞ちゃん!初雪ちゃんがさぁ!」

初雪「あっ!トンデモネェ奴にチクリやがる!」

霞「終わった後に聞くから!あぁ~もう…引っ張らない!」

店主「ですね」クスッ

霞「ほら手が止まってる!」

店主「ごめんごめん」

霞「もぉ~…」

武蔵「本当に変わったよ」クククッ






ここは食堂「街角や」。

ランチもディナーもぜひここで。













1か月後



大和「♪~」

武蔵「やけにご機嫌だな」

大和「じゃーん」

武蔵「旅と季節…ああ、瑠美殿がルポをやっている」

大和「そうそう。私のインタビューが載ってるし、生き生きとしたみんなの写真が載ってるの」

武蔵「ほぉ~どれどれ?」

武蔵「…ふむ私が載っていないな」

大和「タイミングが悪かったんじゃ…」

武蔵「言われてみればインタビューも写真も撮られていない…あれの所為か?」

大和「あれの所為?」

武蔵「あいや…今のは」

大和「武蔵?またなんかやらかしたんじゃないわよね?」

武蔵「いや…あー何のことかな?」

大和「あーごまかしてる!」


初雪「吹雪のインタビュー載ってるよ」

大和「!」

武蔵「!」

白雪「こら、初雪!」

吹雪「ごっごごごごごめんなさい!」

大和「ふふっ良いわよ見て行って」

吹雪「えっ良いんですか?」

大和「どうぞどうぞ」

白雪「じゃあ失礼して…」

吹雪「あっこれ私の記事だ!」

白雪「あっこれ私のインタビューも」

吹雪「結構ながなが載ってるね!」

深雪「これ初雪じゃね?」

初雪「むぅ~肖像権の侵害だ」

大和「くすくす」

武蔵(ふぅ~助かった)

大和「武蔵はあとでね」

武蔵「…うむ」

今回は以上です。

3カ月空けてしまい申し訳ございません。

今回は前回の続きです。とりあえず今年中には2年前に投下する予定だった話を終わらせたいと思っています。

続きは今頑張ってやってるんで何卒お待ちくださいませ。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年09月12日 (火) 00:02:36   ID: SHQ29s3v

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

2 :  SS好きの774さん   2017年09月12日 (火) 18:11:10   ID: QI0PL_ZE

新スレキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

3 :  SS好きの774さん   2017年09月13日 (水) 08:02:06   ID: O6kxBkuz

\( 'ω')/ヒィヤッハァァァァァァァア!!!新スレだァァァ!

4 :  SS好きの774さん   2017年10月01日 (日) 17:13:07   ID: CvIXh0Tn

遅れるのはいいんだけれど、言い訳がましいのはよくないね。

5 :  SS好きの774さん   2017年10月13日 (金) 05:39:55   ID: kVx4f8er

何で上から目線で物言ってるの?
書いてる人より読んでる人が偉いとでも思ってるの?

6 :  SS好きの774さん   2017年10月14日 (土) 19:32:54   ID: TetNBL3U

試験、無事に終わったら続き楽しみにしてます!

7 :  SS好きの774さん   2018年03月24日 (土) 02:19:38   ID: TneElyKH

幾らでもまつからしっかり戻ってきてほしい

8 :  SS好きの774さん   2018年04月17日 (火) 08:45:13   ID: 08l8JslK

活動報告おなしゃす

9 :  SS好きの774さん   2018年07月22日 (日) 17:16:33   ID: cHDK_6l1

最終投稿日から一年近く経つけど・・・まだかね?

10 :  SS好きの774さん   2018年11月28日 (水) 00:50:41   ID: LWP1z5dV

どうか、どうか続編を

11 :  SS好きの774さん   2019年07月10日 (水) 01:15:57   ID: dnDoOk7W

>>6-10
喜べ、復活したぞ!!

12 :  SS好きの774さん   2021年06月22日 (火) 05:53:15   ID: S:qxYy50

呑兵衛筆頭Jさん<あれ?うちらは?

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