星梨花「エミリーちゃんとハンバーガーショップ」【ミリマス】 (28)

エミリー「日本の夏は、とても蒸し暑いですが……こうして扇子で扇ぐと、少し和らぎますよ。ジュニオールさんも、ぱたぱたぱた~っ」

星梨花「ありがとうございます、エミリーちゃん。ジュニオールもとても気持ちよさそうです」

エミリー「それはなによりです。とても風流な、夏の過ごし方ですね」

星梨花「えへへ、そうですね」


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ぐぅ~

エミリー「今の音って……?」

星梨花「ごめんなさい、わたしです。少しお腹がすいちゃって」

エミリー「いえいえ人間の生理現象ですから大丈夫ですよ。そういえばもうすぐお昼ですね。せっかくですし、ご一緒にご食事などいかかがでしょう?」

星梨花「ホントですかっ!ではよろしくお願いします」

エミリー「何か食べたいものはありますか?」

星梨花「そうですね……実はハンバーガーショップに行きたいんです」

エミリー「星梨花さんにしては珍しい選択ですね」

星梨花「そうですか? 実はこの前は事務所でハンバーガーを食べようとしたのですが上手に食べられなかったんです。だから練習したくて」

エミリー「できなかったことをできるように努力する、まさに大和撫子の心です。ぜひとも参りましょう」

星梨花「ありがとうございます。残念だけどジュニオールは一緒に行けないと思いますし、着替えなど準備もしたいので一旦お家に帰りますね。そのあとハンバーガーショップに現地集合しましょう」

エミリー「分かりました」

ハンバーガーショップ店前

星梨花「ここが噂のハンバーガーショップ……うう初めてのお店だから敷居が高いよう……」

エミリー「星梨花さん、『敷居が高い』は何か後ろめたいことがあるときに使う言葉ですから今のは誤用ですね」

星梨花「今はそういうのいいかも……」

エミリー「はい」

星梨花「それにしてもやっぱり緊張しますね……。エミリーちゃんはこういうお店入ったことありますか?」

エミリー「日本ではまだですが……生まれの国でなら何度かありますね」

星梨花「エミリーちゃんの国ってイノシシとか狩ってるのかと思ってました」

エミリー「私への認識おかしくありません?」

星梨花「そういえば、ここはあの店ではないけどあの有名ハンバーガーショップの名前を英語っぽく言ってくれません?」

エミリー「聞きたいだけでしょう!何度も言っておりますが大和撫子を目指している身である以上綺麗な日本語を使いたいのです」

星梨花「でも大和撫子ってハンバーガー食べるのかな?……あんまりイメージがわきません」

エミリー「帰りましょう」

星梨花「待ってエミリーちゃん! 一緒には入ろうよお!」

店内

星梨花「ここが店内ですか……牛さんはどこにいるんだろう?」

エミリー「現地調達!? 厨房の奥から牛の悲鳴聞こえてきたら帰りますよ」

星梨花「それもそうですね」

エミリー「では受付まで参りますか」

星梨花「でもまだ注文決まってないですし……」

エミリー「幸い店も混んでなさそうですし。受付で決めるのも良いかと」

星梨花「不安だけどそれが良さそうですね」

店員「いらっしゃいませ」

星梨花「切符一枚ください♪」

エミリー「それミリシタの読み込み中にでる桃子さんとのあれですよね!? そこまで世間知らずでした!?」

星梨花「ごめんなさい緊張しちゃって……」

エミリー「しっかりしてください……でもやはりお品書きの数も多いですね。どれを注文しようかと迷ってしまいます」

星梨花「ここからここまで全部くださいな♪」

エミリー「星梨花さん!?」

エミリー「一旦、受付から離れましょう」

星梨花「え? え?」ズルズル

エミリー「なんで全部注文しちゃったんです?」

星梨花「ごめんなさい分からなくなっちゃって……余った分は事務所に持って帰ってみんなで食べればいいって思って」

エミリー「いくつか持って帰れば皆さんも喜ぶでしょうが、業者さんのごとく持って帰ったらみなさん引きますよ」

星梨花「たしかに……」

エミリー「そもそもお金払えるんです?」

星梨花「エミリーちゃんがいるので」

エミリー「払わせる気だったんですか!?」

星梨花「エミリーちゃん……ダメ……ですか?」ウルウル

エミリー「星梨花さん……。って駄目でしょう! 誘惑してもよくないものはよくないです」

星梨花「そうですね……最悪買収すればいいだけですし」

エミリー「お金の使い方がおかしいですってば! 今度ふと、この店に寄ったら店名が箱崎バーガーになってたらドン引きですよ私」

星梨花「ちなみにわたしのお家のまわりのお店はだいたい箱崎○○になっちゃってます」

エミリー「多分星梨花さんは店主さんから恐れられている存在だと思います」

星梨花「そうです?」

エミリー「では気を取り直して……ここは私が先輩として注文してきます」

星梨花「よろしくお願します」

店員「いらっしゃいませ、こちらでお召し上がりですか? それともお持ち帰りですか?」

エミリー「こちらでいただきます」

店員「かしこまりました、では注文をどうぞ」

エミリー「そうですね……」

エミリー(ここは無難にハンバーガーセットで……いえ! ハンバーガーは横文字です。日本語を使わないと……。そもそもハンバーガーって日本語で言うとなんでしょう? お肉とパン……あっパンもダメです。むぅ……小麦粉を練って発酵させて………いえ難しいです。ここはあえてドリンクなどでも……抹茶もなさそうですし、せっかく来たのに飲み物だけ注文するのは忍びないです。ここはサイドメニューのあの商品を!)

エミリー「おいもください」

星梨花「八百屋さんかな?」

星梨花「一旦カウンターから離れましょう」

エミリー「え? え?」ズルズル

星梨花「何であんなことを言っちゃったんです」

エミリー「ごめんなさい、横文字のメニューが多くて発声することができず……」

星梨花「ハンバーガーショップですから横文字多いですよね」

エミリー「うう……」

星梨花「……でもエミリーちゃんはもう大和撫子って言える存在ですよ?」

エミリー「えっ」

星梨花「だから横文字解禁しよ?」

エミリー「……人をその気にさせておいて横文字言わせるのやめてください! そもそも横文字解禁する日がくるとしても、この瞬間でないことだけは分かります」

星梨花「まぁハンバーガーの注文程度で解禁したら今までなんだったの? って感じですね」

エミリー「引くに引けなくなった感もありますし……」

星梨花「ついに言っちゃいましたね。でも無理やり日本語使うのやめた方がいいと思います」

エミリー「そうです?」

星梨花「エミリーちゃんがキテレツな日本語話すたびに、ああそれは○○のことだね! ってフォローする介護要員が必要になりますし」

エミリー「今介護って言いました!?」

星梨花「えへへ」

エミリー「笑っても誤魔化さられませんよ! そういう星梨花さんだって準主役みたいな立ち位置してていうほど人気ないじゃないですか」

星梨花「あれ、それ言っちゃいます?」

エミリー「ふふん」

星梨花「エミリーは外人」

エミリー「あ! 今さらっと暴言放りこみましたね」

星梨花・エミリー「むむ……」

星梨花・エミリー「…………ふう」

星梨花・エミリー「ごめんなさい」

星梨花「どうしても緊張しちゃっていつもの3倍ぐらいふざけてしまったかもしれません」

エミリー「私も星梨花さんの前で大和撫子らしく振舞おうとしたけどできない自分にいら立ってしまったかもしれません」

星梨花「お腹がすくとイライラしちゃいますよね」

エミリー「ですね。ではそろそろ注文へと参りますか」

星梨花「店員さんのお姉さんに聞きながら無難なもの選びましょう」

注文後

店員「こちらがご注文のハンバーガーセットとチーズバーガーセットです。ごゆっくりどうぞ」

星梨花「わたしがハンバーガーでエミリーちゃんがチーズバーガーの方ですね。今すぐここで食べちゃいたいくらいです」

エミリー「はしたないですよ、星梨花さん。ちょうどあそこの席が空いてますからちゃんと座って食べましょう?」

星梨花「はーい」

エミリー「久しぶりにみましたがハンバーガーにポテトフライにドリンク! 輝いてみえますね」

星梨花(横文字のオンパレードだけど黙っとこ)

星梨花「そうですね! とってもおいしそうですね。でもどうやって食べればいいんでしょう」

エミリー「こうやって手が汚れないように袋を広げてかぷり、と!うーんおいしいです」

星梨花「え、お箸もフォークナイフも使わずに?」

エミリー「はい、郷に入っては郷に従え、ですよ」

星梨花「……えいっ! うーんパンの味しかしませんね……」

エミリー「ふふっ星梨花さんってば口が小さすぎて中の具まで届いてないですよ」

星梨花「あ、ほんとです」

エミリー「もっと大きく口を開けてかぷっと」

星梨花「あ、エミリーちゃんほっぺにケチャップがついてますよ」

エミリー「……お恥ずかしいです。って私はいいんです! ほら星梨花さんも」

星梨花「はむっ!……とってもおいしいです!」

エミリー「でしょう?」

星梨花「友だとハンバーガーショップに寄るのって中学生っぽくて憧れてたんです。夢が1つ叶っちゃいました」

エミリー「それはなによりです。私でよければいつでもご一緒しますよ」

星梨花「ありがとうございます!」

星梨花・エミリー「ごちそうさまでした」

エミリー「とてもおいしかったですね」

星梨花「そうですね。1つ提案があるんですけど、事務所のみんなにお土産として何個かお持ち帰りしませんか?」

エミリー「それは名案です!」

星梨花・エミリー「すいませーん!」

店員「さっきのお嬢ちゃんたちですね。どうされましたか?」

エミリー「あの……お持ち帰りで注文をお願いしたいのです」

店員「かしこまりました。何にされますか?」

星梨花「今日とってもおいしかった……」

星梨花・エミリー「せーの!」

星梨花「ハンバーガーで!」
エミリー「チーズバーガーで!」

星梨花・エミリー「……あれ?」

おわり

この2人なかなかいいね
乙です

>>1
エミリー(13)Da/Pr
http://i.imgur.com/TN9SgQ9.jpg
http://i.imgur.com/sx4Jn6v.jpg

箱崎星梨花(13)Vo/An
http://i.imgur.com/1O8isR6.jpg
http://i.imgur.com/uiVzOA4.jpg

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