需要と供給、これら二つは商売における絶対の要素である。
これら二つの要素が寄り添う流通バランスのクロスポイント。
…その前後に於いて必ず発生するかすかな、ずれ。
その僅かな領域に生きる者たちがいる。
己の資金、生活、そして誇りを賭けてカオスと化す極狭領域を狩場とする者たち。
――人は彼らを ≪ 狼 ≫ と呼んだ。
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このスレはライトノベル『ベン・トー』の創作スレです。
世界観、設定は同じですがオリキャラであり、原作キャラが出てくることは基本的にはありません。
安価とコンマで進行をしていくこともあります。
まずは主人公の設定を
名前:
性別:
性格:
↓1~3の中から
主人公
名前:音野 琴音 (おとのことね)
性別:女
性格:普段は物静かで大人しいが、一度決めたことは一直線な性格
他の二人は後々二つ名持ちの狼として出てくる予定です。男がいないことには意外でしたが
いったん席を外しますがすぐ戻ります。安価コンマは最初の方はあんまりないので気にしなくて大丈夫です
琴音「…う、うーん。ふわぁ~、…寝ちゃってたのか」
私の名前は音野 琴音(おとの ことね)、これから私立朝浦高校に通う高校1年生だ。
時計を見る。時刻は21時を過ぎており、5時間近くも眠っていたことになる。
念願だった寮生活、想っていたものとは違って大変で入学式を終え、新たに荷物を運んだだけで疲れて眠ってしまった。
両親からの条件であった私立進学校の特待生になってまで、寮生活での一人暮らしに憧れていたが
今は後悔の念が少しばかりよぎる。
ぐー、お腹が鳴る。
琴音「…お腹空いたな。何か買いに行かなくちゃ」
この専属寮、教育方針のせいか格安ではあるものの朝食以外が出ない。
昼食、夕食は自分でどうにかしなければならないが、生憎私は料理が得意ではないし1人分を作る気にはならない。
しかし、仕送りの金額を考えると贅沢、特に外食なんてしてられない。
よし、スーパーでお弁当を買おう。今の時間帯なら割引されているだろう。
近くの商店街のスーパーは閉まっているので少し離れているスーパーに行くしかないが仕方がない。
脱ぎっぱなしのパーカーを着て出かける準備を始めた。
歩くこと数十分、お目当てのスーパー『ララギマート』に到着する。
全国チェーンのスーパーで、家の近くにもあることから馴染み深いお店だ。この町のも雰囲気は変わらない。
琴音「…なのに、どうしてだろう」
いつもの独特なBGMが鳴る店内、何故かものすごく寒気がするのだ。
非常に居心地が悪い、早くお弁当を買って帰ろう。
そう思って弁当コーナーを見ると筋肉質な店員がシールを貼り終わり、バックヤードに戻るとこだった。
私は弁当コーナーへ駆け足で向かった。
異様な視線を感じながらも急いで向かう。
選んでる暇はない、何でもいいから弁当を取ろう。
そう思い、焼き鮭弁当を取ろうとした時、突然の殺気を感じる。
琴音「…え?」
そう声を出してしまった瞬間、
ドゴォ
と衝撃が走る。〝何か”によってふっ飛ばされた、ことは理解できた。
薄れゆく意識の中、死屍累々と言える倒れた人々の中で私が取ろうとした弁当を
学生服姿の背の高いクールな生徒がその手でしっかり持っていることだけは見ることができた。
気が付くと4個残っていた弁当は残っておらず、完璧に叩きのめされて意識のない4人以外は惣菜を買いに行っていた。
そして、あの生徒が出口からこちらを覗いており、こちらに駆け寄ってきた。
??「明日もこの時間に来ると良い、勇気があるのならな」
そう言って彼はどこかに行ってしまった。
琴音「なんだったの、一体…」
何もかも分からなかった。何故、お弁当を買おうとしたらこんな目に合うのか、ここでは何が行われていたのか。
その後、ただ1つ分かったことは私の晩御飯はもうカップ麺ぐらいしか選択肢がないことぐらいだった。
~4月10日(月)~
気が付くともう夜だった。
学校ではオリエンテーションなどを行ったはずだが全然記憶がない。
それほどまでにスーパーでの出来事は強烈であり気になってしょうがなかった。
…このまま、高校生活が孤立してしまったらどうしようか。
ぐー、そしてお腹が鳴る。
そういえば、お昼におにぎりを食べてから何も食べていない。
今出れば『ララギマート』には余裕で間に合うだろう。
空腹と好奇心を満たすために制服のまま、夜の町に躍り出る。
『ララギマート』に着く。
店内に入ると、一瞬視線を感じたがすぐに感じなくなる。
まだ、何も起こっていないようだ。
どう行動するべきだろう
◇安価
1お弁当の近くで待つ
2離れたところで待つ
↓1
よし、お弁当の近くで待とう!今日もカップ麺は嫌だしね。
お弁当コーナーに移動するとバックヤードからマッチョ店員が出てきた。
弁当コーナーの前には4人の男子生徒たちが喋っている。その近くで待とうとすると複数の鋭い視線を感じる。
辺りを見回しても私を見ている人はいない。恐怖で身体が震え、帰りたくて仕方がなくなる。
ぐぐぅぅー、それでもお腹が鳴る。
そうこうしているうちに店員は半額シールを貼り終え、バックヤードに戻って行った。
バタンッ!
扉が閉じ、男子生徒たちが弁当を取ろうとしたその時、あの〝何か”が一斉に疾走してくる。
〝何か”に囲まれるまで彼らも私も恐怖で身動き一つ取ることができなかった。
獲物を狙う眼、それでいてゴミを見るような眼で〝何か”に睨まれる。
そしてそのうちの一人が動くと周りも動いた。
「弱きは叩く――」
スーツ姿の若い男が弁当を取ろうとした男子生徒1の手を叩き、鳩尾に拳を打ち込む。
「「――豚は――」」
大柄な女が男子生徒2を足を払い、猫背の女が背中から床へ叩き落した。
「「「――潰す」」」
陸上部と思わしき生徒たちが男子生徒3を取り囲みボコボコに殴っていた。
「「「「それが――」」」」
男子生徒4はきりもみ回転しながら宙を舞っていた。
「「「「「――――この領域の掟だ」」」」」
あぁ、次は私の番だ、あの男子生徒たちのようにもうお嫁に行けないくらいの傷を負うのだろう。
痴態を晒す前にトイレに行けばよかった。〝何か”たちの眼が私に狙いを定め、襲い掛かる。
どうしようもない恐怖で眼をつむりたくなる。…次に目が覚める時は病院だろうか天国だろうか。
でも眼を見開く、ここで何が行われるか知るために!
ビュンッ
〝何か”たちの拳が届く前に風を切って勢いよく何かが私の左胸を捕らえる。
勢い衰えることなく、私をそのまま吹っ飛ばしていく。
不思議と痛くはなかった。でも意識は薄れていく…。
最後に見たものは私の近く落ちている割りばしと近づいてくるあのクールな生徒だけだった。
「ッチ、女なら豚でもいいのかクランの猛犬め!」
そんな怒りがこもった声が聞こえてくる。私、太っているどころか貧相でちんちくりんなんだけどなぁ
「――――」
「―――――――」
話し声が聞こえてくる。私はどこにいるのだろうか、誰かに背負われているみたいだ。
「その子、もう起きているんじゃない?」
「というかいつまで背負ってんだよ、降ろせばいいじゃん凛次センパイ」
「ああ、そうする」
そっとソファに降ろされる。見渡すと周りには3人の朝浦校生がいた。
愛奈「自己紹介するわね、豊永 愛奈(せた あいな)。ここの部長で2年生、あなたの先輩よ」
凛次「同じく2年、瀬田川 凛次(せたがわ りんじ)だ。よろしく」
細村「俺、1年の細村 良太郎(ほそむら りょうたろう)!お前をここまで運んだの凛次センパイだかんな感謝しろよ!」
えっと、どうしようか
◇安価
1ここはどこ?
2あの場所では何が起きているの?
3その他安価
↓1
琴音「…あの、ここどこですか?」
凛次「スーパーにいたのに気が付いたらここにいるんだ、当然の疑問か」
愛奈「普通考えたら、意識失っている間に部屋に連れ込まれた小っちゃい女の子だものね、フフフ」
細村「何を隠そう!ここは朝浦高校の部室棟、その5階にあるハーフプライス部だ!」
琴音「ハーフ…プライサー部?そんな部活があるなんて聞いたことないんですけど…」
愛奈「非合法の活動だから聞いたことないのも当然ね、あなたも他の人に話したらダメよ」
凛次「スーパーで何が行われていたのか、気になって今日もスーパーに来たんだろう?今ここで話そう。
どのスーパーにもハーフプライスラベリングタイムと呼ばれる特別な時間がある。その時生まれる半額弁当を求め戦う者たちがいる。
それが俺を含め、お前に襲い掛かろうとした≪狼≫と呼ばれる奴らのことだ。」
琴音「…一方的に相手をボコボコにするのが≪狼≫のやることなのですか」
凛次「掟を守らず神聖な場を荒らす奴らには当然の報いだ」
琴音「…半額弁当、たかが半額弁当の為にそんなことを――」
言葉を言いかけた時、胸ぐらを掴まれて押し倒される。
細村「お前、今、たかが半額弁当と言ったか!!豚の分際で!!!」
怒気に染まった顔で捲し立てる、スーパーで感じた恐怖の何倍もの恐怖を感じ、涙が出てくる。
助けを求めたくて周りを見ると瀬田川先輩も鋭く睨みつけていた。豊永先輩はうっとりした表情でこちらを見つめていた
凛次「落ち着け良太郎、こいつはあの味を知らない。それに彼女が豚になってしまったのは俺にも責任がある」
細村「すんません凛次センパイ、感謝しろよな、豚」
睨み続けながらも手を放してくれる。
琴音「…さっきから豚、豚ってこんなちんちくりんなのにどこが豚なんですか!太ってませんよ!」
細村「豚なのには違いがねーし、第一名前わかんねーじゃん」
琴音「…あ」
愛奈「ちょうどいいし、名前聞いてもいいかしら?」
琴音「…音野 琴音、1年です」
愛奈「琴音ちゃんね、…≪狼≫には掟があってそれを破るものには容赦をしないの。
特に半額神、半額シールを貼る店員がバックヤードに戻る前に弁当を手を出すものは≪豚≫と呼ばれているのよ」
凛次「掟は他にもある、・取る弁当は自分の分のみ・獲った者、部外者には攻撃をしない・店に迷惑をかけるな、とかな」
愛奈「弁当をかけて戦う誇り高き者を≪狼≫、弁当を獲れたことのない者を≪犬≫と呼ばれるわ」
凛次「トマト味のソイジョイをやる。今日はもう帰ると良い。まだ戦う意志があるならこの部室に来い」
琴音「…非合法なのに部室があるのはなんでなんですか?」
「「「表向きはワンダーフォーゲル部として活動しているからだ(よ)」」」
ワンダーフォーゲル部に入ろうとしている生徒がいたらどうするのだろうか
~4月11日(火)~
特に問題もなく放課後を迎える。友達と呼べる相手が見つかってないのは問題かもしれない。
あの人たちはワンダーフォーゲル部に来いって言っていたがどうするべきだろうか
◇安価
1部室に行く
21人でスーパーに行く
3その他安価
↓1
1
幼馴染とかいないタイプなのか
更新遅くて上に誤字多くてすみません
用事ができてしまったので
ちょっと書きだめしときます
今日再開できるかはわかりません
>>25
居るのですが寮生活の為に家から出ているので別の学校です。
連絡など来るかもしれません。
友達は多くない上に進学校なので知り合いは一人もいない状態です。
原作とのからみはありますか
>>28
今のところ予定はありません
一部のメインではない二つ名がちょっこと出るぐらいと思っています。原作好きの人に申し訳ないですしね。
再開の代わりにモブ狼募集したいと思います。
モブなんで出番はあまりないんですが数は必要なので
狼は基本的にお互い名前を教えあったりはせず通り名で呼ばれます。
細かく設定されてもモブだと上手く扱えないので簡単で結構です。
通り名は簡単な見た目なんかでお願いします。
性格、年齢などは無ければこちらで決めます。
テンプレ+例3つ 原作の3人組から
通り名:坊主
見た目等:目を開くとクリ〇ンにしか見えない坊主頭の男
通り名:顎鬚
見た目等:長い金髪にヘアバンド、顎には綺麗に整えた髭があるチャラ男
通り名:茶髪
見た目等:長い茶髪をもつ女性、大変良い乳をしている、顔が隠れがちだが美人
こんな感じで↓10ぐらいまで募集します
メインキャラになる子はここからは居ないっていう認識でいいのか
通り名: サラリーマン
性別:男
見た目等:スーツで黒の短髪。仕事人
>>38
基本的にはその認識で正しいです、モブ狼ですからね。
店ごとに縄張りなんかも決めていくつもりなのでよく行く店によってはサブキャラになる可能性もあります。
原作のウルフヘアーのウっちゃんみたいに
モブからいきなり表紙を飾って筋肉質なストーカーが付きまとわれる可能性ももちろん0ではありません。
というかどうなるか決まっていません。二つ名持ちに昇格する可能性もあります。
ただ、名前が付く可能性だけは今のところないです
全員出せるかはわかりませんがもうちょっと募集します。
↓いくつか
弁当争奪戦のシステムが思いついていないのでもうしばらく更新できそうにないです、期待してくれた方はすいません
何かいい案あったら教えてほしいです
なので、システム思いつくまでモブ狼募集します
動きやすそうなキャラは二つ名持ちになるかもしれません
今のところはガンジーが筆頭です
学生だと学校内での交流なども検討してます、友達になるなど
↓全部出せるか分かりませんがシステム思いつくまで
粗削りですけど思い付いたので再開します。
せっかく誘ってくれたんだし、行ってみようかな。
…部室棟の5階ってすごく遠いんだよね。
長い長い階段を上り、ようやく部室にたどり着き、ノックをしてみる。
愛奈「開いているわ、入ってらっしゃいな」
琴音「…えっとお邪魔します、豊永先輩」
そう言いつつ部屋に入る。
愛奈「愛奈でいいわ、琴音ちゃん」
昨日は全然気が付かなかったけどこの部屋の壁、所狭しと半額シールが貼られている。怖い。
愛奈「来る人、最初は必ず驚くのよねぇ、部室の壁に。あたしもそうだったわ」
今は彼女以外には誰もいないらしい、助かった、あの中では一番話しやすいと思える。
何かを描いていたみたいだがそれを隠すように片づけて問いかけてくる。
愛奈「最初に聞いておきたかったのだけれど、貴方なら攻めの反対はなんと答えるのかしら?」
琴音「? 守りじゃないんですか?」
愛奈「いえ、その通りよ。何でもないわ」
質問の意図は分からなかったが、そんなことは問題ではない。
≪狼≫について、半額弁当について改めて聞きに来たのだから。
愛奈「半額弁当争奪戦について聞きたいのよね、安心して今日は時間もあるし、しっかり説明してあげるわ」
この人、さっきの壁の事といい、人の心を読めるのだろうか。
説明はこんな感じだった。
スーパーでお弁当に半額シールを貼られる時間のことを
ハーフプライスラベリングタイム(半値印証時刻)と呼んでおり、
その時間になると≪狼≫と呼ばれるものが集まってくる。
彼らは半額弁当を獲得するために拳を交えて奪い合いをし、勝者のみが得ることができる。
そうして、手にした弁当には普通に買っては味わうことは到底できない素晴らしい味、
勝利の一味というものが加わり、高揚感や満足感を引き立たせ、人を虜にする。
…運動後の食事が美味しく感じられるものの3000倍ぐらい美味しく感じられるみたいである。
かなり嘘っぽい。
≪狼≫と呼ばれる者たちの凄まじいまでの身体能力、戦闘力は全て≪腹の虫の加護≫によるものだという。
あの場では≪腹の虫の加護≫により、か弱そうな女の子でも巨漢を吹っ飛ばすような動きで戦えるのは当たり前のようだ。
信用しにくいが、女性がものすごい力で他の狼を屠っているところを僅かながらに見ているので納得はできる。
≪腹の虫の加護≫の強さが勝敗を決める要因であり、元々の身体能力はおまけみたいなものだという。
掟は「礼儀を以って誇りを賭けろ」に集約されており、昨日言ったことも含まれている。
半額シールを貼る店員のことを≪半額神≫と呼び、≪狼≫にとってその名の通り神のような存在であるとか…。
…うん、訳が分からない
愛奈「…実際に戦ってみないと分からないかもしれないわね、流石にまだ早いと思うけど…。
あたしは激戦区に行こうと思ってるから連れていくの無理だし…」
そう悩んでくれていると…
バンッ!
と勢いよく扉が開かれる。
細村「チャース!、あれ?凛次センパイいないんすか」
う…、コイツもそりゃ来るよね、怒ると何するかわかんないしあまり関わり合いたくない。
でも部活動の募集すら始まってないはずだけど何でこんなに馴染んでるんだろう。
愛奈「今日、南区にいくから彼は来ないわ、メガネもね」
メガネって誰だろう。
細村「まーたすか、良いっすけど」
愛奈「今日も良はミッチーのとこ行くのよね」
細村「そりゃ縄張りっすから行きますよ」
愛奈「なら、琴音ちゃんも連れて行ってちょうだい。どうせ『ララギマート』行くでしょう?」
「「えっ?」」
ビックリしてハモってしまう。冗談だよね?
愛奈「私は『ハーベスト』に行くわ、そこに琴音ちゃんを連れて行くのは危険すぎる。
その点、その二つなら≪犬≫でも見るだけなら安全でしょう?」
細村「そうっすけど、嫌っすよ。コイツと行くなんて」
私だって願い下げだ。
そう思っていると愛奈先輩が細村を手招きして何か紙を見せている。
見た瞬間、細村が震え始めた。
細村「は、ははは、任せてくださいよ、愛奈センパイ」
愛奈「じゃあ、よろしくね。後で一緒に食べましょうね」
そう言って部室から出て行ってしまう。コイツと行かないといけないのか…。
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