10年後のラブライブ 2学期 (203)
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10年後のラブライブ - SSまとめ速報
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ザーッ ザーッ
「よっと…」
プシュッ
「んぐっ…ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ。ぷはー 」
ザーッ ザーッ
「やっぱり、仕事終わりのビールは美味しいなぁ。満点の星空の下で星見酒。幸せだぁ。皆んなも今頃同じ星を見てるのかな」
支倉「おはようございまーす」
志賀「オッス」
白木「おはようございます」
絵里「これで全員ね」
支倉「あれ?高坂先生は?」
絵里「ああ…」
梨子「もしもし?高坂先生?もう電車来ちゃいますよ?え?忘れ物した?」
支倉「げぇ~。教師が遅刻って…」
志賀「仕方ねぇな」
絵里「はあ…生徒に示しが付かないじゃない。全く…」
絵里「全く。生徒がちゃんと時間に来てるのに教師が遅刻ってどう言う事なの?」
穂乃果「はい…」
絵里「いい?あなたは社会人なのよ?教師なのよ?生徒のお手本なのよ?」
穂乃果「わ、分かってるって」
絵里「分かってるならどうして遅刻なんてするの!」
穂乃果「それは起きれないから…」
カチン
絵里「いい加減にしなさい」
支倉「うわぁ。怖っ」
志賀「いや、悪いのは高坂先生だろ」
白木「良かったですね。遅刻しなくて」
絵里「だいたい、あなたは昔から…」
梨子「ま、まあまあ。絢瀬先生。生徒も見てますから」
絵里「へ?」
梨子「と、取り敢えず。ここで話してても仕方ないし。行きましょうか」
白木「そ、そうですね」
絵里「すいません…」
穂乃果「じゃあ、取り敢えず。合宿に向けて部長から一言」
志賀「おっ!先輩ガンバ!」
支倉「へ?」
志賀「え?」
支倉「私部長なの?」
志賀「え?」
支倉「へ?」
穂乃果「ええ?」
志賀「そりゃそうだろ。先輩が部長じゃなかったら誰が部長なんだよ」
白木「自覚なかったんですね」
支倉「そっか。私って部長だったんだ」
志賀「大丈夫かよ」
絵里「心配になって来ちゃうわ。誰かさんみたいで」
穂乃果「確かに。支倉さんってにこちゃんと被るよね」
絵里「違う。あなたよ」
穂乃果「え?」
ガタン ゴトン ガタン ゴトン
支倉「わ~見てください。富士山が段々大きくなって来ましたよ」
志賀「本当だ!こっからでも富士山が見えるんだな。流石静岡」
絵里「ふふふっ。まだ、ここは神奈川県よ。静岡はもうちょっと先ね」
支倉「へ~」
穂乃果「ぐ~」
志賀「うわっ。高坂先生寝てるし。どんだけ寝るんだよこの人」
絵里「放っておくとずっと寝てるわよ」
支倉「ナマケモノみたいな人ですね。高坂先生って」
志賀「起きると騒がしいのにな」
梨子「詞は書けた?」
白木「それなりに書き溜めてはいるんですけど…」
梨子「けど?」
白木「あれが本当に曲になるのか不安で」
梨子「どうして?」
白木「私は作曲とかした事ないから。メロディとか気にしないで書いちゃったんで…語呂が悪かったりするかもですし」
梨子「なるほど。でも、そこが作曲担当の腕の見せ所かな。もちろん、白木さんと相談しながらやって行く事にはなると思うけど」
白木「…」
梨子「大丈夫よ。出来るわ。0だった私達でもやって来たんですもの」
白木「0?」
梨子「うん」
白木「それってどう言う…」
梨子「それはね…」
支倉「あーーー!海だーーー!」
絵里「ちょっと。騒がないの」
穂乃果「んあっ!何?海未ちゃん?うわっ。ごめんなさい」
志賀「先生何言ってんだ?」
穂乃果「へ?なんだ。夢か」
絵里「高坂先生は一体いくつまで海未に怒られてるつもりなのかしら」
白木「あの…」
次は~
梨子「さあ。もう直ぐ着くわよ。降りる準備しちゃいましょう」
白木「は、はい」
支倉「ん~気持ち~」
絵里「空気が綺麗ね」
支倉「先生ってこんないい所に住んでたんですね」
梨子「色々と不便な事も多いけどね」
支倉「そうなんですか?」
梨子「そうよ。東京と違って交通の便は悪いし」
志賀「先生見ろよ。カブトムシ」
穂乃果「わっ!本当だ!カブトムシが道に落ちてる!」
志賀「こんな事ってあるんだな」
梨子「こっちの方じゃ普通だけど…」
「おーい!」
絵里「ん?誰か呼んでる?」
「おーい!梨子ちゃーーーん!」
穂乃果「桜内先生を呼んでるんじゃない?ほら!あの車」
梨子「どうやら迎えが来たみたい」
穂乃果「迎え?」
梨子「非番だって言うから頼んでおいたの」
キーーーッ
ガチャ
支倉「降りて来た」
曜「梨子ちゃん、お帰り」
梨子「ただいま。曜ちゃん」
支倉「先生のお知り合いですか?」
梨子「ええ。高校時代の友人で…」
志賀「何言ってるんだよ。Aqoursの渡辺曜だよ」
穂乃果「おお!って事は元スクールアイドル!」
曜「初めまして。高坂穂乃果さんと絢瀬絵里さんですよね?」
絵里「え?ええ。やっぱり知ってるの?」
穂乃果「私達って結構有名だったんだね」
曜「もちろん!μ’sについては散々聞かされたもんね?」
梨子「そうね」
曜「それじゃあ、車に乗ってください。旅館まで送ります」
支倉「旅館?旅館に泊まるんですか?」
梨子「ええ。そうだけど…」
穂乃果「あの…部費で足りるの?まだ、一応同好会だよ」
梨子「大丈夫ですよ。素泊まりだけど知り合いなんで」
絵里「え?そうなの?大丈夫?迷惑じゃない?」
梨子「スクールアイドルの話をしたら是非使ってくれって」
絵里「ならいいけど」
曜「それじゃあ。出発しますよ。シートベルトして下さい」
ブーーーーーン!!!
梨子「曜ちゃんいつこんな大きな車買ったの?」
曜「ああ、これ?違うよ。これは私のパパの車だよ。ほら?パパは帰って来た時しか乗らないからたまにはエンジン掛けてあげないとさ」
梨子「そうなんだ」
支倉「たまに帰って来た時?」
絵里「渡辺さんのパパは何の仕事をしてるの?」
曜「あっ、曜でいいですよ。私のパパはフェリーの船長をしてるんですよ」
支倉「おおっ!船長さん!凄い!」
穂乃果「それにしても、こんなデカイ車…。私は運転する自信がないなぁ。ペーパーだもん」
梨子「私もですよ。東京だと車がなくても生活出来ますからね」
支倉「絢瀬先生は車運転しないんですか?」
絵里「え?私?私は…」
穂乃果「あ~…絵里ちゃんの運転は…」
プップー
穂乃果「ん?誰?昼寝してるのに…」
ガララ
絵里「穂乃果ーー!」
穂乃果「絵里ちゃん?どうしたの?」
絵里「免許取ったのよ。レンタカーだけど…これからちょっと流しにいかない?」
穂乃果「本当!行く行く!今降りるね」
希「あかん。穂乃果ちゃん…逃げるんや…」
にこ「乗ったら…後悔するわよ…」
穂乃果「え?」
絵里「大丈夫よ。穂乃果も受験でストレス溜まってるでしょ?憂さ晴らしにでも。ね?」
穂乃果「う、うん」
絵里「よしっ!それじゃあ、この後海未とことりも拾って海沿いでも流しに行きましょう。レッツゴー」
にこ「ちょっと…にこは置いてってよ」
希「そうや。ウチ等はもうゴメンやーーーー」
穂乃果「ってな感じでドライブに行ったよね」
絵里「あったはね、そんな事!楽しかったじゃない」
穂乃果「いや…」
支倉「一体何があったんですか?」
志賀「高坂先生顔悪いぞ?」
梨子「顔色ね」
絵里「さあ、乗った?」
海未「はい!よろしくお願いします」
ことり「絵里ちゃんの運転でドライブ楽しみ~」
穂乃果「どうして海未ちゃんとことりちゃんを家まで呼んだの?迎えに行っちゃった方が早いのに」
希「運転時間は少ないな越した事はないからや」
穂乃果「どういう事?さっきから…」
絵里「それじゃあ、行くわよ。しっかり掴まってなさい」
穂乃果「え?」
ガチャ ブルルン
穂乃果「ちょ…アクセル…」
ブォォォォォォォォォン
穂乃果「うわぁぁぁぁ」
ことり「え、絵里ちゃぁぁぁぁぁん」
穂乃果「ってな感じで…」
白木「絢瀬先生、運転上手そうなのに…」
絵里「そんな事ないわよ。あの時は初心者だったからで」
穂乃果「違う。絶対に違うよ。だって人変わるもん。ハンドル持たせちゃいけない人なんだよ」
絵里「え~…だって…」
志賀「うわぁ。絢瀬先生の運転は絶対に乗らない様にしよう」
曜「あはは。なんかこんなに賑やかなの久しぶりだなぁ」
支倉「Aqoursで集まったりはしないんですか?」
曜「う~ん。梨子ちゃんだって東京に行っちゃったし。他の皆んなも地元から離れたりしてなかなか集まらなかったり」
支倉「そうなんですか」
絵里「まあ。大人になると段々とそうなっていくのよね。μ’sも似た様なものだし。ってこれは生徒達の前で話す様な事じゃないわね」
白木「大人って大変ですね」
穂乃果「そうだよ。だからこそ悔いの無い高校生活を過ごさなきゃね」
支倉「悔いの無い高校生活って言われても。難しいなぁ」
穂乃果「まあね。その時は分からなかったりするしね」
支倉「ふ~ん」
梨子「今日、本当はルビィちゃんも一緒に来る予定だったんだけど」
曜「あっ!ルビィちゃん!元気?なんで来れないの?」
梨子「理亞ちゃんが東京に遊びに来るからって」
曜「あ~それで!あの二人仲良いね~」
梨子「ルビィちゃんとは高坂先生も絢瀬先生も仲良くして貰ってて」
曜「そうなんだ。じゃあ、喜んでたでしょ?ルビィちゃんμ’sの大ファンだから…っとそろそろ着きますよ」
白木「あっ!もしかして、あの旅館ですか?」
曜「正解!」
支倉「おおっ!なんかワクワクして来ました!」
志賀「だな!なんだろう!たびさきの旅館に着いた時のこの気持ち!言葉に出来たない」
支倉「だから、ワクワクだって」
曜「さっ、到着!」
絵里「曜さん。ありがとうございました」
曜「いえいえ。可愛い後輩グループの為ですから。えっと…そういえばグループ名は」
支倉「私達ですか?」
志賀「そういえば人に聞かれるのは初めてだな」
白木「そうですね」
支倉「私達は音ノ木坂学院スクールアイドル」
三人「you'sです!」
志満「十千万旅館へようこそおいで下さいました」
絵里「お世話になります」
梨子「志満さん。お久しぶりです。」
志満「あら。梨子ちゃん。久しぶり。また綺麗になったんじゃない?」
梨子「え?そ、そんな事は…あるかな…」
絵里「…」
穂乃果「…」
梨子「はっ!あ、あの…今日からお世話になります。そういえば千歌ちゃんは?」
志満「あの子は今出掛けちゃってるんだけど…」
梨子「そ、そうなんですね。あっ!私もちょっと実家の方に顔を出して来ますんで。それじゃあ」
絵里「は、はあ…」
志賀「なんか桜内先生キャラ変わった?」
穂乃果「意外な一面見ちゃったね」
志満「こちらです」
支倉「わぁ~。旅館だーーーー」
志賀「だな!」
絵里「素敵な部屋ね」
志満「もしかして…お二人がμ’sの…」
絵里「あっ!はい。申し遅れました。東京の音ノ木坂と言う高校で教師をしてます。絢瀬絵里です」
穂乃果「私は高坂穂乃果です」
志満「やっぱり!千歌ちゃんが会ったらきっと喜ぶは」
穂乃果「千歌ちゃん?」
志満「はい。妹なんですけど…」
志賀「もしかして…千歌ちゃんって…Aqoursのリーダーの高海千歌?」
志満「はい。ここは彼女の実家で高歌千歌は私の妹なんです」
一同「えーーーーーー!!!!」
絵里「穂乃果?お茶飲む?」
穂乃果「あっ!ごめん。ありがとう」
絵里「それにしても。まさかAqoursのリーダーの実家だったとは…」
穂乃果「桜内先生も結構肝心な事を黙ってるよね。Aqoursの事も最初言わなかったし。他にもまだ聞いてない事あったりして」
トントン
穂乃果「はーい?」
ガチャ
志賀「おお!先生達の部屋もいい部屋だなぁ」
穂乃果「うん。部屋を見に来たの?」
支倉「違いますよ。とりあえず一息ついたし…海に行きましょうよ!」
穂乃果「あー!そうだね」
絵里「いや、その前に」
梨子「合宿なんだから練習でしょ?」
支倉「え?」
梨子「はあ…遊びに来たんじゃないでしょ?」
支倉「桜内先生。実家の方はもう良いんですか?」
梨子「ええ。挨拶さ済まして来たから」
支倉「ちぇ。せっかく海に来たのに」
志賀「まあ、合宿だしな」
穂乃果「じゃあ、とりあえず」
支倉「とりあえず?」
穂乃果「何から始めようか?」
絵里「そうねぇ。って何も考えてないの?」
穂乃果「いやぁ。合宿って何やってたっけ?」
絵里「あなたねぇ…」
梨子「はあ…。先が思いやられるわ…。とりあえず、私が練習メニューを考えて来てますんで外に行きましょう」
支倉「わーーーー!海!海が目の前にあるのに遊べないなんて」
志賀「先輩も諦め悪いな」
梨子「取り敢えず。いつも通り走り込みと行きましょうか」
「おっ!本当に梨子が先生やってるんだ。しかも、アイドル部の顧問を」
穂乃果「え?誰?」
梨子「この声は…」
果南「よっ!梨子!久しぶり」
梨子「果南ちゃん…」
果南「元気してたか~?曜から聞いてさ」
梨子「元気だけど…その右手に持ってる物は何?」
果南「ん?ビールだけど?」
梨子「まだ明るいのに?」
果南「いいの、いいの。今日は久しぶりの休みだしやる事はやったから。たまにはさ…」
支倉「だ、誰ですか?」
梨子「Aqoursのメンバーよ。ある意味Aqoursの最初期メンバー」
支倉「この人が…元スクールアイドルですか?」
果南「梨子はどう?東京で彼氏は出来た?」
梨子「いや…それは…」
穂乃果「そういえば桜内先生のそう言う話って一回も聞いた事ないね?」
絵里「そうね。自分からも話さないし」
果南「そっか~。壁ドンしてくれる男の子なんて待ってても一生現れないぞ~」
支倉「壁ドン?壁ドンってあの?」
梨子「ちょ、ちょっと…なんでその事を…果南ちゃん酔っ払ってるの?」
果南「酔っ払っては…」
梨子「ちょっと果南ちゃん。一回酔いを冷ましに行こう?ね?」
果南「だ、大丈夫だよ。そんなに飲んでは」
梨子「いいから」
穂乃果「……」
絵里「……」
バシャッ
果南「冷たっ」
穂乃果「何やってるのかな?」
絵里「さあ?」
梨子「お待たせ~」
穂乃果「う、うん」
梨子「えっと…元Aqoursの松浦果南ちゃんです」
果南「あはは…どうも。よろしく」
穂乃果「どうも。高坂穂乃果です」
絵里「絢瀬絵里です。桜内先生とは職場が一緒で…」
果南「高坂穂乃果…絢瀬絵里…って!μ’sの?」
梨子「あれ?それは曜ちゃんから聞いてなかった?」
果南「聞いてないよ。言ってくれれば良かったのに。それで?今日は合宿に来たんですよね?」
穂乃果「は、はい」
果南「そう言う事なら私も手伝います」
梨子「大丈夫?酔いは覚めた?」
果南「大丈夫。さっきので大分覚めたから…」
支倉「おお!これって凄くないですか?μ’sとAqoursのメンバーが合わせて5人も」
梨子「曜ちゃんもまた来るから…」
白木「その人達に教えて貰えるなんて私達恵まれてますね」
志賀「これはもしかするともしかするな」
支倉「ぜぇ…ぜぇ…」
果南「ほら?まだランニングしか終わってないよ」
志賀「な、なんだよこれ…」
白木「アイドル研究部の練習ってもっと歌を作ったり歌ったりだと思ってました…」
支倉「こ、こんな体育会系だなんて…」
曜「だって、歌いながら踊るんだよ?しかも笑顔で!こんなのは当たり前だよ」
梨子「懐かしいわね。この光景」
曜「私達の時も最初はこんな感じだったよね」
穂乃果「え?Aqoursってこんな事やってんですか?」
梨子「そうですけど?」
果南「μ’sもこれくらいやってたんじゃないんですか?」
絵里「いや…若干名そう言う人間は居たけど…」
曜「でも、合宿の練習メニューってμ’sの練習メニューを参考に…と言うか丸パクリしたって聞いてたけど」
穂乃果「いや…してないしてない。やった覚えない」
絵里「どこで話が捻れたのかしら?」
穂乃果「って言うか桜内先生も実は体育会系?」
絵里「恐るべしね。Aqours…」
支倉「はあ…はあ…はあ…。キツイけど…。頑張らなきゃ」
志賀「これくらい出来なきゃラブライブで勝ち上がっていく事なんて出来ない…」
白木「もう…無理…」
果南「今日は初日だしこれくらいにしといた方がいいんじゃない?」
絵里「そうね。無理に飛ばして体を壊したら元も子もないもの。ね、穂乃果?」
穂乃果「うん。それはほんっとうにその通りだから。じゃあ、今日はこれで終わりにしようか。あれ?桜内先生と曜ちゃんは?」
曜「おーい!夕飯の支度は済んだよ」
支倉「え?夕飯?まだ17時ですけど?」
梨子「とりあえず旅館へ戻ってお風呂に入って来なさい」
曜「いっぱい作ったから体力つけるためにも沢山食べてね」
支倉「おおっ!それは楽しみですね!」
プシュッ
絵里「え~それでは元スクールアイドル会を開催したいと思います。かんぱーい」
曜「イェーイ」
梨子「いいんですか?生徒達の合宿で来てるのに」
絵里「いいのよ。節度を持って飲めば」
果南「梨子は相変わらず堅いなぁ」
穂乃果「いや~でも本当に。果南ちゃんと曜ちゃん。今日は本当にありがとうね。助かったよ」
果南「いいんですよ。どうせ今日は休みだったから。ね?」
曜「うん。なんか懐かしかったし。あれからもう5年だもんね…」
果南「5年か…。早いよね」
絵里「確かに。あっという間よね。気がついたらもうアラサーだし」
穂乃果「その話はいいからさ。そういえば、あのμ’sの練習メニューってどこからの情報なの?」
果南「ああ、あれはダイヤだっけ?」
曜「確か…」
梨子「ルビィちゃんのお姉さんもμ’sの大ファンなんです」
穂乃果「え~そうなの?」
果南「ダイヤのμ’s愛は凄かったよね」
曜「うん。でも、最初アイドル部を作る時に反対された時はスクールアイドル嫌いなのかなって思ったけどね。あっ、ダイヤちゃんって生徒会長なんですよ」
穂乃果「へ~そうなんだ。どっかの誰かさんみたい」
絵里「誰の事かしら?」
穂乃果「うわ~とぼけちゃって」
曜「梨子ちゃんだって何回も断られたもんね」
梨子「そうね。だって全然考えられなかったもの。私がアイドルなんて。結局千歌ちゃんの情熱に負けちゃったけど」
曜「しつこかったもんね~。千歌ちゃん」
穂乃果「へ~会ってみたかったなぁ。その千歌ちゃんって子に」
梨子「会ったら喜びますよ。千歌ちゃん」
曜「なんたってμ’sが始まりですからね。千歌ちゃんの」
穂乃果「いや、なんか照れるよね?」
絵里「そうね。それで、明日からの練習なんだけど」
果南「なんとなくあの子達個人個人の弱点がわかって来たね」
絵里「明日は三人別々にして弱点を克服して行きましょうか」
曜「ごめんなさい。明日は出勤なんですよね」
果南「私も明日はお客さんが沢山来るかなぁ。夏休みだし」
穂乃果「そうだよね。ごめんね?貴重な休みを」
曜「さっきも言ったじゃないですか。むしろ嬉しかったですって」
絵里「そう言って貰えると助かるわ」
果南「それにしても、梨子の先生姿。貴重な物を見たね」
曜「うん。これこそ他のメンバーにも見せたかったぁ」
穂乃果「ん?Aqoursの他のメンバーって今は地元に居ないんだっけ?」
梨子「そんな事は…ダイヤさんとかは地元に残ってるはずよね?」
果南「あ~、ダイヤは今…」
ガチャ
白木「もう知らない」
志賀「おいっ!白木!」
穂乃果「ん?あっちの部屋で何かあったのかな?」
支倉「…」
志賀「先輩っ!追いかけなくて良いのかよ」
ガチャ
絵里「どうしたの?今白木さんが出てったみたいだけど」
志賀「先生…それが…」
支倉「…」
~数分前~
志賀「あ~それにしても疲れたぁ。腹が減りすぎてカレー2杯も食っちまったぜ」
支倉「ね~。美味しかったもんね」
白木「…」
志賀「ん?白木?大丈夫か?」
白木「はい…」
志賀「まあ、あんだけ動き回れば喋るのも嫌になるよな。今日はよく眠れそうだ」
支倉「うん。明日もあるし今日はもう寝ようか」
白木「こんな事…明日もやるんですか?」
志賀「え?」
支倉「そりゃあ、もちろん。これくらいしないと私達は優勝なんて出来ないよ」
白木「けど…」
支倉「辛いのは分かるよ?でも、私達は…」
白木「別に…今回間に合わなくたって…まだ次もあるじゃないですか」
支倉「なっ…」
志賀「白木。先輩は今年で最後なんだぜ?」
白木「でも…ラブライブは年に二回あるって」
支倉「だからって夏を諦めろって言うの?」
白木「…」
支倉「いくら練習がキツかったからって凪ちゃんがそんな事言うとは思わなかったよ」
白木「仕方ないじゃないですか。私は先輩達みたいに体力もないし」
支倉「だから練習するんでしょ」
白木「そうですけど」
支倉「そんないい加減な気持ちだったんなら…」
白木「かさね先輩だって三年生の…このタイミングなるまで何もして来たかったんじゃないですか。だから今になって」
志賀「白木!言い過ぎだぞ」
カチン
支倉「じゃあ、いいよ。そんなにキツくて嫌ならやめればいいよ」
志賀「おいっ!先輩!何言ってるんだよ」
白木「分かりました」
志賀「お、おい?何が分かったんだよ?落ち着けって。な?先輩もつい売り言葉に買い言葉で…な?そうだよな?」
白木「もう知らない」
ガチャ
志賀「おいっ!白木」
志賀「って事が…」
絵里「なるほど」
梨子「ちょっと厳し過ぎたのかも。私達の配慮が足らなかったかしら…。」
支倉「…」スッ
志賀「先輩?」
支倉「ちょっと頭冷やして来るよ」
梨子「支倉さん」
穂乃果「桜内先生」
梨子「高坂先生?」
穂乃果「ちょっとだけ。私達が口を出すのは控えましょう」
梨子「でも…」
穂乃果「ね?」
梨子「はい…」
白木「グスッ…ん…」
果南「お~今日は星が綺麗だなぁ」
白木「…」
果南「これはお酒がすすむぞ~」
白木「探しに来たんですか?」
果南「ん?いや…違うよ」
白木「え?」
果南「ほら、これ。名付けて海南1号。日課なんだよね。ここから星を見ながらお酒を飲むのが。そこにたまたま君が居ただけ」
白木「…毎日お酒飲んでるんですね」
果南「そりゃあね。お酒を飲まなきゃやってられない時もあるからね」
白木「大人って大変ですね」
果南「まあね。これでも好きな仕事してるんだけど。それでも大変だよ」
白木「そうですか。凄いですね。それに比べて私は…。嫌な事から逃げて」
果南「私が毎日ここから星を見てる理由はさ」
白木「お酒の肴ですか?」
果南「ま、まあ…それもあるんだけど。大人になって離れ離れになった仲間も同じ星を見てるんだろうなぁって。星は空を見上げればどこからでも見えるからね」
白木「…」
果南「そうするとさ。なんか明日も頑張ろうって気になれるんだよね」
白木「そうだったんですね」
果南「うん。だから…凪ちゃんもさ。いつか大人になって空を見上げた時そう思える相手が居たらいいね」
白木「…」バッ
果南「どこに行くの?」
白木「先輩に謝らなくちゃ…。だって…今のままじゃ…」
果南「そっか。行ってきな」
支倉「…」
ザッ
志賀「なあ、先輩。白木を探しに行こう」
支倉「私さ後輩が出来たのって初めてなんだ」
志賀「うん」
支倉「友達は居たけど…こうやって何かに向かって仲間と何かをやるって言うのも初めてで。だから、二人が入ってくれたのが凄い嬉しくってさ。なんかこう言うのっていいなって思ってたんだ」
志賀「そうか」
支倉「だから、一人で舞い上がっちゃって…二人の気持ちなんて置いてけぼりにして」
志賀「そんな事ない。私は…私は支倉先輩に誘われて嬉しかったよ。ずっと、一人だったから。だから、誘って貰えて嬉しかった」
支倉「仁美ちゃん…」
白木「私も…」
支倉「え?」
白木「私も…グスッ…私も同じです」
支倉「凪ちゃん?」
白木「先輩ごめんなさい。ワガママばかり言っちゃって」
支倉「凪ちゃん…」
白木「先輩お願いします。先輩…もう一度…もう一度私を…」
支倉「ううん。私の方こそごめん。凪ちゃん…戻ってきて。私と一緒にラブライブを目指して下さい。私は二人と一緒じゃかいと嫌だ」
白木「先輩…うわぁぁぁん」
支倉「凪ちゃん…うわぁぁぁん」
志賀「まっ、雨降って地固まるって奴だな」
穂乃果「だね」
志賀「先生。いつから居たんだよ」
絵里「最初から居たわ」
志賀「…桜内先生は?」
穂乃果「曜ちゃんと一緒に果南ちゃんの介抱に行ったよ。今日結構酔っ払ってたみたいで」
志賀「へえ…そうなんだ」
ザワザワ
生徒「でね、家族でグアムに旅行に行ったんだ」
生徒「いいな~。私はどこにも行ってないよ」
生徒「支倉ちゃんはどこか行ったの?随分日焼けしてるけど」
支倉「うん…。部活の合宿に…」
生徒「へ~そうなんだ」
支倉「うん…。日焼け止めするの忘れてた…。日焼けしてるアイドルっていいのかな…」
キーンコーンカーンコーン
ガラガラ
絵里「はーい。皆んな席に着いて」
生徒「絵里ちゃん久しぶり」
絵里「絵里ちゃんじゃなくて先生でしょ?全く…」
生徒「え~絵里ちゃんの方がいいよね?」
生徒「うん」
絵里「ダメよ。あなた達ももう三年生なんだからメリハリつけなきゃでしょ?」
ガラガラ
穂乃果「絵里ちゃ~ん。ちょっと、いい?」
絵里「はあ…高坂先生…。ここ学校」
穂乃果「あっ…」
支倉「あ~もう最悪ですよ。どうして夏休みって短いんですかね?」
穂乃果「あ~、そうだね」
志賀「いや…充分長いだろ」
白木「でも、今年の夏休みは充実しましたよね?練習も沢山したし三人でお出掛けなんかもして」
穂乃果「え?そうなの?」
支倉「はい。仁美ちゃんが花火大会に行こうって誘ってくれたんです」
穂乃果「へ~志賀さんが」
志賀「べ、別に…ちょっと暇だったから…そんな事より先輩の宿題を見るの大変だったんだからな。感謝しろよ」
支倉「いや~宿題の事なんて頭から抜けてたよ」
穂乃果「夏休みあるあるだねぇ。私なんて31日までやらなかったから」
志賀「そんな事自慢するなよな」
ガチャ
梨子「あら?もう集まってるの?」
支倉「あっ!来た来た。夏休みのMVP」
梨子「それはやめなさい」
志賀「あれ?絢瀬先生は一緒じゃないの?」
梨子「絢瀬先生はやる事があって今日は来れないみたいよ」
志賀「そう言えば夏休みの練習も半分くらい来れなかったもんな」
白木「忙しいんですね」
穂乃果「まあ…ね」
絵里「はあ…えっと…これはっと…」
同僚「絢瀬先生」
絵里「はい?」
同僚「この資料。間違ってますよ?」
絵里「え?あっ…すいません」
同僚「直しといて下さいね」
絵里「はい」
学年主任「あっ、絢瀬先生。この間の書類提出しました?」
絵里「すいません。まだ…」
学年主任「頼みますよ?絢瀬先生はまだ若いけど皆んな期待してるんですから」
絵里「はい」
同僚「絢瀬先生」
絵里「今度は何…何でしょうか?」
同僚「絢瀬先生のクラスの親御さんがお見えになって。教頭が…」
絵里「ええ?どうして?」
保護者「どういう事なんですか?」
絵里「えっと…用件は…」
保護者「ウチの子の成績表。納得がいかないのですけれど。聞けばあなたの受け持ちだと」
絵里「はあ」
保護者「ウチの子はテストで良い点数だったのですよ?なのに5段階評価で4と言うのはどう言う事ですか?」
絵里「それは…授業態度があまり良くないと言いますか…」
保護者「それは先生の授業の仕方に問題があるのでは?つまらない授業をするから態度も悪くなるんです」
絵里「ですが…提出物もあまり出ていないですし他の授業でも」
保護者「じゃあ、何ですか?ウチの子が悪いと?自分の事は棚に上げて。それは先生の怠慢という事じゃないのですか?」
絵里「ですが」
教頭「大変申し訳ありません。絢瀬先生には私の方からキツく言っておきますので」
保護者「これからはお願いしますよ?所で理事長は?」
教頭「理事長も校長も外出していまして」
保護者「ふーん。そう。まあ、次からは気をつけて」
教頭「はい。申し訳ありません。ほら、絢瀬先生も」
絵里「申し訳…ありませんでした」
教頭「絢瀬先生。頼みますよ?今はなんでも直ぐにクレームに繋がるんですから」
絵里「はい…。ご迷惑お掛けしました。それでは」
ガチャ
絵里「はあ…」
生徒「先生!」
絵里「どうしたの?」
生徒「ウチの親が来たんでしょ?ごめんなさい。ウチの親…私の事猫可愛がりしてますから」
絵里「大丈夫よ?何にもなかったから」
生徒「本当ですか?」
絵里「ええ。そんな事より部活はいいの?」
生徒「あっ、そうだった。行かなきゃ」
絵里「頑張ってね」
生徒「はい。失礼します」
カタカタ
絵里「ふう。やっと終わったわ。半角と全角が混ざってる部分があるなんて良く気づくわよね。なんて…愚痴っても仕方ないか」
穂乃果「絢瀬先生!もう終わり?」
絵里「穂乃果…。ええ。これから帰り自宅をしようかなと…」
穂乃果「あれ?希ちゃんから連絡来てない?」
絵里「え?連絡…ああっ!!昼休みも作業してたから…」
穂乃果「多分いつもの居酒屋さんで待ってるよ」
絵里「そう。なら帰りに寄りましょうか。桜内先生は?」
穂乃果「今日は用事があるからって帰ったよ」
絵里「そう」
ガラガラ
いらっしゃい
希「おっ!えりち!待ってたよ」
真姫「遅かったじゃない」
絵里「え?真姫?真姫もいるの?何よ。久しぶりじゃない。真姫ったら全然顔出さないんだもの」
真姫「仕方ないでしょ。あれ?穂乃果は?」
穂乃果「いるよ~。真姫ちゃん久しぶり!おっ!真姫ちゃんのその服…ミナリンスキーだね!」
真姫「ええ。私が探してるって言ったらあっちから送ってくれたのよ」
穂乃果「へ~そうなんだ。他のみんなは?呼んでないの?」
希「一応声掛けたんやけどな。皆んな忙しくて」
穂乃果「海未ちゃんも?」
希「なんか出稽古行ってるらしいよ。花陽ちゃんは子供が風なんやって」
穂乃果「ふ~ん。皆んな大変だね」
真姫「で?今日は一体なんなのよ?」
希「ああ…そうやね」
絵里「何?真姫も聞いてないの?」
真姫「皆んなが揃ってからって」
絵里「ふ~ん。で?何があったの?面白いこと?もしかして、プロポーズされたとか?なんて…」
希「うん」
絵里「え?」
希「結婚しようって…」
真姫「嘘?何?希もついに結婚?」
穂乃果「うわ~凄いなぁ。おめでとう」
真姫「おめでとう、希」
希「ありがとう」
絵里「あっ」
希「えりち…」
絵里「な、何よ。やっぱりそんな事だろうと思ったのよ」
希「うん。ごめんな?えりちにはもっと早く報告しようと思ったんやけど」
絵里「気にしてないわよ。もう、今日はめでたいわね。じゃあ、もう今日は飲みましょう!こんなめでたい日は飲まなきゃ!」
真姫「そうね。今日は私も付き合うわ」
穂乃果「私も!」
希「うん。ありがとう」
絵里「希…」
希「ん?」
絵里「おめでとう」
希「…ありがとう。えりち」
絵里「そっか。でも、結婚か…あの希が…」
希「そうやなぁ」
真姫「本当、信じられないわよね。覚えてる?希ってしょっちゅう人の胸を揉んだりしてたわよね」
穂乃果「あった、あった。ワシワシ~とか言ってね」
絵里「海未にやろうとして怒られてたわよね?プールで」
希「それは凛ちゃんやって」
絵里「そうだっけ?希だった木がするけど」
穂乃果「ね?そう言う事するのは希ちゃんだよね。でもその割にはピュアだったりしてね」
希「もう。昔の話やん」
絵里「そうよ。昔の話よ。良いじゃない今日くらい思い出話に花を咲かせたって。ね?」
穂乃果「うん」
真姫「あっ!で、あの事は覚えてる?」
穂乃果「え?なになに?」
希「も~」
絵里「ん…んん…希ぃ…」
希「それじゃあ、穂乃果ちゃん。真姫ちゃん。えりちのお世話よろしくな?」
穂乃果「うん」
希「ごめんな。ウチから誘っといて先に帰るなんて」
真姫「大丈夫よ。希…本当におめでとう」
穂乃果「お幸せにね」
希「…もう…帰り際に…泣かせないでよ…」
穂乃果「へへ~」
希「じゃあ、帰るな」
絵里「希…帰ったの?」
真姫「あら?起きてたの?」
絵里「なんとなく…」
穂乃果「まあ…あれだね…飲み直そうか?」
絵里「うん…」ポロポロ
真姫「え?絵里?」
絵里「違うの…グスッ」
穂乃果「…やっぱり…寂しい?」
絵里「それもあるけど。グスッ…違うのよ…。嬉しい…グスッ…凄く嬉しい…けど…もう…分かんない…色んな感情が溢れて来て…うぁぁぁぁん」
真姫「え、絵里…絵里がこんなに泣くの初めて見た…」
穂乃果「まあ…あれだね。今日はとことん付き合うよ」
絵里「うぁぁぁぁん。希ぃぃぃ、幸せにならないと許さないからぁ」
穂乃果「ふぁ~なんだか寝不足かなぁ」
志賀「よっ!先生おはよ!」
穂乃果「あ~志賀さん。おはよう。早いね」
志賀「まあな。いつもこの時間だけどね」
穂乃果「へ~そうなんだ」
志賀「早起きは三文の得って言うし」
穂乃果「志賀さんって凄い真面目だよね」
志賀「教師が言うなよ…」
穂乃果「まあ…」
教師「おいっ!スカートの丈が短い」
生徒「えっ…でも…」
志賀「うわっ。しまった。今日武センが当番かぁ」
穂乃果「こら。武田先生でしょ」
志賀「だってさぁ。あのセンセーすげぇ厳しいんだぜ?」
武田先生「二年B組。志賀仁美!」
志賀「げっ…お、おはようございます」
武田先生「おう。おはよう。所で…その服装はなんだ?制服はどうした?」
志賀「いやぁ…制服は忘れちゃって…」
武田先生「言い訳はいい。後で職員室に来い」
志賀「ええ…穂乃果先生…」
穂乃果「まぁ…武田先生。志賀さんも反省してますし…」
武田先生「甘い。ダメなものはダメだ。高坂先生が許しても俺が許さない。分かったな?」
志賀「はい」
志賀「あ~もう。うぜぇ。武センのやつぁよ」
支倉「こら!汚い言葉遣い!仁美ちゃんはアイドルなんだからね。このなんちゃってヤンキー」
志賀「誰がなんちゃってだ。いや、ヤンキーじゃないけど」
白木「でも、厳しですよね?武田先生。こないだもウチのクラスの子がゲームを没収されてました」
志賀「だろ?ゲームくらいいいじゃねぇか。やな奴なんだよ。全く。生徒の事なんて何にも考えてないんだからよ」
ガラガラ
絵里「こら。声が大きいわよ」
志賀「あっ!珍しい人が来たと思ったら絢瀬先生。聞いてよ先生。武田先生ったらさ」
絵里「あなた達ねぇ。何か勘違いしてない?武田先生は素敵な先生よ?」
志賀「え?どこが?もしかして、先生ってああ言うおっさんがタイプなの?」
絵里「何をバカな事を言ってるの?さあ、早く練習に行きなさい。私も準備したら行くから」
支倉「おおっ!今日は絢瀬先生が見てくれるんですね」
志賀「それにしても。どうして武センの肩を持つんだろうな?絢瀬センセーは。もしかして、本当にあの手がタイプとか?」
白木「まさか…それはないと思いますけど」
志賀「そうかなぁ。なんか怪しいんだよなぁ」
支倉「あっ!」
志賀「うぉっ!?なんだよ?先輩」
支倉「忘れ物した。先に戻ってて」タッタッタッ
志賀「いちいち騒がしい人だよな。先輩って」
白木「私はああ言う所も好きですけどね。ん?」
志賀「どうした?白木も忘れ物か?」
白木「いえ。武田先生が…」
志賀「武セン?」
白木「はい。武田先生と…女の人が喋ってます。奥さんですかね?」
志賀「うわっ!?本当だ。奥さん…じゃないだろ。まだ…20代前半って感じだぜ?」
白木「え?じゃあ何ですかね?」
志賀「さあ?ウチの教師でもないし」
女性「先生。お久しぶりです。近くまで来たので」
武田先生「おう。元気でやってるか?」
女性「はい。お陰様で」
武田先生「そうか」
女性「あの時…先生が背中を押してくれたおかげです。あの時先生が一緒に頭を下げてお願いしてくれたから。だから、私は夢を追う事が出来ました」
武田先生「ふん。そう言うのは成功してから言うんだな」
女性「ふふっ。先生も相変わらずですね」
志賀「なんだよ。結構いい奴じゃんか」
白木「ですね」
絵里「ああ言う人なのよ」
志賀「絢瀬センセー」
絵里「ぶっきら棒で真面目で厳しくて。でも、それは生徒の事を本気で思っていてるからで…。中々皆んな気付かないんだけどね」
白木「そうだったんですね」
絵里「うん。厳しい人ってきっと本当はとても優しい人なのよ」
志賀「ふ~ん。でも、先生随分詳しいんだな」
絵里「そうね。私がまだ新人だった時…」
志賀「え?」
絵里「ううん。何でもないわ」
志賀「うわっ。気になる。何かあったんだな?」
絵里「さっ、早く練習に行きましょう」
志賀「うわ~そう言うのが一番嫌だあ」
ザワザワ
武田先生「お前ら…どう言うつもりだ?」
シーン
武田先生「どう言うつまりだと聞いてるんだ!!!」
生徒「私達、もう武田先生の授業は受けたくありません」
武田先生「なんだと?」
生徒「私物はすぐに没収するし」
武田先生「それはお前らが学校に関係ないものを持ってくるからだ。いいか?社会ではルールを守らないと…」
生徒「ほら。そうやってすぐに怒鳴るじゃないですか」
生徒「先生が今日没収したアクセサリー。この子の恋人がプレゼントしてくれた大切なものなんですよ?なのに理由も聞かずに没収するなんて」
武田先生「そんなに大切なものだったら学校に持ってくるな。それに返さないとは言ってないだろ」
生徒「もう、先生みたいな人には何も教わりたくないって言ってるんです。もう、いいよ。皆んな、行こ」
ガララ
支倉「え?え?皆んな出て行くの?」
武田先生「おいっ…」ポツーン
ゾロゾロ
絵里「ちょ…なんの騒ぎ?」
梨子「絢瀬先生…どうしたんですか?」
絵里「ウチのクラスの子達だわ。どこにいくのかしら?」
梨子「絢瀬先生のクラスって…確か武田先生の授業の時間ですよね?」
絵里「そのはずだけど…」
支倉「ちょっと皆んな…本当にボイコットするの?」
絵里「支倉さん?」
支倉「絢瀬先生…」
絵里「何してるの?授業中でしょ?」
支倉「えっと…実は…」
ガラガラ
絵里「武田先生!」
武田先生「…」
絵里「武田先生…」
武田先生「俺は…時代遅れなのかなぁ…」
ガラガラ
絵里「先生…どこへ…」
梨子「絢瀬先生!」
絵里「桜内先生…。生徒を連れ戻して来て貰ってもいいですか?」
梨子「はい」
絵里「……」
生徒「あの…絵里ちゃん…」
絵里「ふぅ…」
梨子「…」
絵里「山本さん」
生徒「は、はい」
絵里「あなた達テニス部が…いつも心置きなく練習出来るのはどうしてだか知ってる?」
生徒「え?」
絵里「顧問の武田先生がね。あなた達が怪我をしないようにって朝練が始まる前に来てコートの整備をしてくれてるのよ」
生徒「そうだったの…」
絵里「遠藤さん。あなたが二年生の時。将来通訳の仕事に就きたいって語るから。武田先生は私の所にあなたに英語を教えてやって欲しいってお願いしに来た」
生徒「そ、そんな事…」
絵里「徳田さんは普段校則を破ってばかりで武田先生も叱ってばかりだけどその分可愛いって酔った時に言ってたわ。社交性があってリーダーシップがあるんだから将来楽しみだって」
生徒「…」
絵里「文化祭の時期に皆んなが頑張ってるからって。自分だって疲れてるのに毎日遅くまで残ってくれてるのよ」
生徒「だって…そんなの知らない…」
生徒「私達は…ただ…」
絵里「こう言うエピソードをあげればキリがないわ。見せ掛けの優しさじゃない。生徒の事を本当に思ってるからこその厳しさ。ぶっきら棒で厳しくて生徒思いな先生。あなた達はそう言う人を集団で追い詰めたのよ!!!!!」バンッ
梨子「絢瀬先生…」
生徒「…」だっ
絵里「どこへ行く気?」
生徒「だって…グスッ…そんなの知らなくて…私が言い出しっぺなんです。私物を没収されたのが悔しくて。だから…謝りに」
絵里「まだ、授業中だから終わってからにしなさい」
生徒「でも…」
絵里「武田先生はそう言うの一番嫌がるわ」
生徒「はい…」
穂乃果「へぇ。あの絵里ちゃんが…怒鳴るなんて珍しい」
梨子「絢瀬先生が新人の頃。上手くいかなくて落ち込んでいる時に武田先生に助けて貰ったらしいんです」
穂乃果「そうなんですね。初めて知ったなぁ。絵里ちゃんって普段そう言う事を言わないから」
絵里「はい、缶コーヒー。武田先生は顔の割にブラックが飲めないんですよね」
武田先生「絢瀬か…いや、もう教育実習生じゃないから絢瀬先生だな」
絵里「何年前の話をしてるんですか」
武田先生「俺ももう歳だからな。お前が教育実習生で来たのがついこの間みたいに感じるなぁ」
絵里「煙草…辞めたんですね」
武田先生「時代の流れに乗らないとな…身体に悪いからな…」
プシュ
絵里「あの時と逆ですね。あの頃は私が落ち込んでるといつも武田先生がコーヒーを持って慰めに来てくれましたよね」
武田先生「そうだったかなぁ。忘れちまったなぁ」
絵里「武田先生が忘れても…私は一生忘れません」
武田先生「さっき…お前のクラスの子達が謝りに来たよ」
絵里「そうですか」
武田先生「世話掛けたな。本当…すっかり逆転しちまったなぁ。俺は…もう、すっかり時代遅れだ。痛感したよ」
絵里「そんな事ありません。私は…まだまだ武田先生の背中を追いかけてます。だから…だから…そんな事言わないで下さい」
武田先生「そうか…」
ブォォォォォォォォォン
「ふふっ。日本に帰って来るのも久しぶりだなぁ。皆んな元気にしてるかな」
女性「あっ、ねえ?あれってそうだよね?」
男性「うん。なんだっけ?あのブランド…えっと…」
「さーて、とりあえず、こっそり皆んなに会いに行って驚かせちゃいます」
穂乃果「ふんふんふ~ん」
志賀「あれ?先生…やけにご機嫌だな?」
穂乃果「え?そう?分かっちゃう?」
支倉「恐ろしいくらい分かりやすいですよ。何があったんですか?」
白木「もしかして、素敵な人が出来たとか?」
穂乃果「いや~違うなぁ」
志賀「宝くじが当たった?」
穂乃果「そしたらもっと喜ぶよ」
支倉「う~ん。先生の事だしなぁ」
穂乃果「昨日牛丼の大盛り無料券を貰ったんだよ。しかも卵付き」
志賀「それだけ?」
穂乃果「あのねぇ。大盛り無料だよ?今月ピンチだったんだから助かったよ」
支倉「へぇ…」
絵里「高坂先生…。生徒の前でそう言う事を言うのはやめなさい」
穂乃果「うわっ。絢瀬先生いつの間に」
絵里「さっきから居たわよ。ねえ?」
梨子「はい」
穂乃果「だったら早く言ってよね」
志賀「いや…高坂センセーが悪よ。今のは…」
トントン
支倉「ん?誰か来ましたね。誰だろ?」
トントン
志賀「あのガラス越しでも分かりやすいシルエットは一人しかいないだろ。理事長だよ」
トントン
穂乃果「あっ、すいません。今開けます」
ガチャ
穂乃果「すいません。理事長…」
ことり「穂乃果ちゃん。久しぶり」
穂乃果「え?」
絵里「ええ?」
支倉「ん?理事長?なんか若くないですか?」
ことり「驚かせ様と思ってこっそり来ちゃいました」
穂乃果「ことりちゃん!!!!」
ことり「初めまして。元音ノ木坂学院の南ことりです」
梨子「えっと…理事長の娘さんで…」
志賀「μ’sの元メンバーで…」
白木「今流行りのブランド。ミナリンスキーを立ち上げたファッションデザイナーの…南ことり…さん…」
支倉「ええ?そうなの?」
志賀「超有名だぞ」
穂乃果「ことりちゃん。帰って来てたの?」
ことり「うん。活動を日本に移そうかと思って」
穂乃果「え?本当?」
ことり「うん」
支倉「しかし、凄いですね。μ’sって」
志賀「ああ。南ことりに陸上の星空凛。アーティストのNIKOもそうだし」
支倉「ね。もしかしてAqoursにも有名人がいたりして」
梨子「ええ…まあ…いるわよ。ホテルの社長令嬢…時期社長だけど」
志賀「だけ?」
梨子「後は…ユーチューバーが一人…」
支倉「え?ユーチューバーですか?凄い」
梨子「うん」
穂乃果「って事はさ。ことりちゃんはずっと日本にいるの?」
ことり「うん」
穂乃果「本当?」
ことり「うん」
穂乃果「うぅぅ。嬉しぃぃぃ。嬉しいよぉぉ。ことりちゃぁぁぁん。なかなか会えなくて寂しかったよぉぉぉ」
ことり「うふふ。もう大丈夫ですよ~」
支倉「なんか今日の高坂先生子供みたい…」
志賀「よっぽど嬉しかったんだな」
絵里「そりゃあ、そうよ。穂乃果にとってことりは小さい頃からの大親友だもの」
支倉「へ~幼馴染って奴ですか?」
絵里「そうね」
穂乃果「ねえ、ことりちゃん。良かったら練習を見ていってあげてよ」
支倉「あっ、是非是非お願いします」
穂乃果「この子達ラブライブ優勝を目指してるんだよ」
ことり「え~ラブライブに?あれ?でも、ラブライブってもうそろそろ本戦が始まるんじゃ…」
支倉「今年は夏の大会はなくて冬だけだったんですよ~。通りでエントリーした後音沙汰無しだと思ったんですよね」
志賀「まあ…ちゃんと調べておけば良かっただけだけどな」
白木「私と先輩の合宿でのあれは何だったんでしょうね」
穂乃果「とまあこんな感じでやってるんでだよ。ね?」
ことり「うん」
梨子「ワンツースリーフォー」
ことり「なんだか懐かしいなぁ。この光景」
穂乃果「でしょ?」
梨子「ワンツースリーフォー」
白木「わっ」ズテッ
志賀「白木ここのステップ本当苦手だなぁ」
ことり「今のステップは重心の移動を意識すると自然と出来ると思うよ」
白木「重心の移動ですか?」
ことり「うん。右から左に移る時意識してみて?」
白木「はい」
梨子「それじゃあ、再開するわよ?ワンツースリーフォー」
白木「重心を…あっ!出来た!」
支倉「おおっ!凪ちゃん凄い!」
穂乃果「流石ことりちゃん」
ことり「そんな…そんな事はないよ」
穂乃果「ん?どうしたの?」
ことり「ううん。何でもないよ」
穂乃果「そっか」
ことり「うん」
穂乃果「それでは。ことりちゃんが日本に帰って来た事を祝して…乾杯!」
かんぱーい!
花陽「ことりちゃんお帰りなさい」
ことり「花陽ちゃん。久しぶり。凛ちゃんは前にテレビで会ったよね?」
凛「うん。えっと…あれは何の番組だったっけ?トーク番組だったっけ?」
絵里「そっか。この二人は有名人だからそう言う事もあるのよね」
海未「ことりはいつから帰って来てたのですか?」
ことり「ん?今日帰って来たんだ」
海未「だったら連絡くれれば出迎えに行ったのに」
ことり「驚かそうと思ったんだけど」
真姫「そう言う所ことりらしいわね」
ルビィ「はぁ~」
絵里「ど、どうしたの?ルビィちゃん?」
ルビィ「μ’sのメンバーがこんなに…」
絵里「そ、そう?まあ、希とにこは居ないけど。これだけ揃うのも久しぶりだしね」
梨子「すいません。そんな会に私達まで…」
絵里「もう。そう言うのはいいわよ。ね~ルビィちゃん?」
ルビィ「はいっ!!」
ことり「そう言えば穂乃果ちゃんは髪型変えたんだね?」
穂乃果「まあ…変えたって言うか下ろしただけだけどね。流石にもう教師だしね」
ことり「髪も伸びたし海未ちゃんとお揃いだね~」
穂乃果「え?そう?」
海未「ヤキモチですか~ことり~?いいじゃないですか。昔はことりと穂乃果がサイドテールでお揃いだったんですから」
穂乃果「いや、お揃いって程じゃないけど。って言うか海未ちゃんもう酔ってるの?」
海未「酔ってません」
穂乃果「いや、もう酔ってるよ」
真姫「あの三人が揃うのも久しぶりに見たわね」
花陽「そうだね。何年振りかな?毎回誰かしら忙しくって揃わないもんね」
凛「また9人全員で集まりたいよね。って言うか何気にかよちんと真姫ちゃんの三人が揃うのも久しぶりかも」
穂乃果「あっ!海未ちゃんつくね食べないの?貰い~」
海未「あっ!コラッ!穂乃果!それは私のです」
ことり「穂乃果ちゃん。私のをあげるから」
花陽「ご飯注文していいですか?」
絵里「え?お酒飲んでるのに?」
凛「流石かよちん!」
ことり「あはは。懐かしいなぁ。本当に…昔に戻ったみたいだよね」
海未「そうですね。ずっと三人一緒でしたからね」
穂乃果「ねぇ。あの頃は三人バラバラになるなんて想像もしてなかったけど…」
穂乃果「とうとう明日かぁ」
ことり「うん」
穂乃果「三人が離れ離れになるのは初めてだから…少し寂しいね」
海未「ことりは海外。私と穂乃果はそれぞれ別々の大学に」
ことり「今度日本に帰って来る時は」
穂乃果「帰って来る時は?」
ことり「えっと…立派になって帰ってきます」
穂乃果「じゃあ、私も。胸を張って会えるように」
海未「それでは。私も負けません」
穂乃果「私も負けないよ!」
ことり「私も!」
ことり「…」
海未「ことり?」
ことり「ん?どうしたの?」
海未「本当はどうして日本に帰ってきたのですか?」
ことり「え?」
海未「ことり」
ことり「本当に何でもないよ。立ち上げたブランドも若い子達に受けて順調だし」
海未「…」
ことり「ただ…。最近ちょっとスランプって言うか。いいデザインが浮かばなくて。だから、心機一転してみようかなって。私の生まれ育った土地で初心に戻ってやってみようって。ただ、それだけなんだ」
海未「そうですか」
ことり「うん。だから、今が踏ん張りどころだと思うの。皆んなの顔を見たらやる気が出て来たよ」
海未「なら、良かったです」
支倉「さてと…ポチッとな」
志賀「そうやってキーボード打つやつ初めて見たわ」
白木「どうですか?」
支倉「おお!コメントが書いてあるよ」
志賀「どれどれ?μ’sの再来だってよ!」
白木「凄いですね。一高校生だった私達がこんなに指示されてるなんて」
支倉「これはランキングの方も期待できそうだね~」
ポチッ
you's 623位
支倉「623位…え?623位?低っ」
志賀「まあ…そんなもんだろ」
白木「むしろ母数を見れば全国で623位ですから。マシだと思いますよ」
支倉「そうかぁ」
穂乃果「おっ!ランキング見てるの?」
支倉「はい。でも、思ったより伸びてなくて」
穂乃果「どれどれ?623位かぁ。ん?ええ?」
支倉「どうしました?」
志賀「ビックリする程低いのかよ」
穂乃果「いや…え?参加グループこんなにいるの?」
白木「え?やっぱり多いですか?」
穂乃果「いや…私達の頃よりも全然多いよ」
支倉「本当ですか?」
穂乃果「うん。いやぁ…なんか嬉しいなぁ。スクールアイドルがここまで市民権を得てさ。もう、甲子園とか国立とかと並んできたなぁ。頑張った甲斐があったよ」
支倉「ですねぇ」
志賀「国立はもう違うけどな」
穂乃果「と言う現状なので」
支倉「はい」
穂乃果「やはり出来るを事やる」
支倉「はい!」
穂乃果「ダンスは結構な水準に達してると思うんだ」
支倉「あの地獄の合宿のお陰ですね」
白木「思い出すだけでゾッとしますね」
絵里「ほら。体幹は全てに通ずるのよ」
支倉「ぐぬぬ…」
果南「アイドルは笑顔で歌って踊らなきゃいけないんだからね。体力はいくらあっても足りないよ」
白木「はあ…はあ…はあ…」
曜「仁美ちゃんは身体能力はピカイチなのは分かったから周りに合わせる事を考えて。個人競技じゃないんだからね」
志賀「周りに合わせながら…難しいなぁ」
穂乃果「うわぁ。凄いスパルタだね」
梨子「あの二人はAqoursの中でも一、二を争う肉体派ですから…」
穂乃果「海未ちゃんにお願いをしなくて良かったよ。本当…」
白木「よく乗り切れましたね。あの合宿…」
志賀「まあ…そのお陰での623位なんだろうな」
ガチャ
絵里「けど油断しちゃダメよ?」
志賀「出た。絢瀬センセーの急に登場するパターン」
支倉「油断なんかしてませんよ。むしろ焦ってます」
絵里「焦る事はないと思うけど。いい?急成長した分それを失うのも早いの。だから…」
支倉「日々の基礎練を怠らないって事ですよね」
絵里「そう。毎日ちょっとでもいいから。基礎練はやってね」
支倉「はーい」
穂乃果「けど、曲を作りもしなきゃいけないのが現実な訳で」
絵里「仕方ないわね。少し基礎練をやったら空き教室に集まって今後の曲作りの方向性を考えましょう」
穂乃果「と言う事でランキング上位にくい込む為の。ラブライブに出場する為の曲を作らなきゃいけません」
支倉「はい」
穂乃果「その為にどう言った曲がいいのか。次の曲の方向性を意見を出し合って決めたいと思います」
支倉「はい!」
穂乃果「はい。どうぞ」
白木「私は青春キラキラソングを歌いたいです」
穂乃果「青春キラキラソング?」
志賀「なんだよ青春キラキラソングって…」
白木「例えばスポーツ飲料のコマーシャルに使われる様な曲!そう言った曲が私は好きです」
穂乃果「なるほど。確かに爽やかだしスクールアイドルには持って来いかもしれないね」
絵里「そうね。ただ…王道って言うのはその分他のグループと被る可能性もあるわね」
志賀「そう言う事ならやっぱり青春には悩みが付きもの。縛られた自由…社会への疑問…自分は何者なのか…自分はどうするべきのか分からない漠然とした不安。誰しもがそう言ったものを少なからず抱えてると思うんだ」
梨子「えっと…アイドルが歌う曲なのよ?」
志賀「ダメっすかね?」
梨子「ダメと言うか…。メッセージ性の強い曲って下手をすると独りよがりの歌詞になってしまうから…票数を獲得するのは…」
絵里「でも、当たれば爆発的に票数を獲得する事も可能かも」
梨子「ある種の博打ですね」
穂乃果「他にはある?」
支倉「はい!」
穂乃果「おっ!どんどん意見が出るね」
支倉「いっその事バンドをやってみては?」
穂乃果「え?バンド?」
支倉「はい。バンドです。私ピアノ出来ますし」
絵里「いや、あのね?支倉さん。やっぱりアイドルだし…バンドって言うのは…」
支倉「ダメですか?今までラブライブでバンドをやってるグループって見た事ないからインパクトあると思うんだけどなぁ」
梨子「そうだけど。楽器を覚えるのも凄い大変なのよ?」
志賀「あっ、私ギター弾けるけど」
支倉「おおっ!流石仁美ちゃん!凪ちゃんは?」
白木「私はバイオリンなら…」
支倉「え?バイオリン弾けるの?なんで黙ってたの?」
白木「黙ってた訳じゃないんですけどね」
支倉「え?これっていけるんじゃ…」
絵里「いや、だけど。やっぱり、アイドルなんだしダンスが…」
梨子「そうよ。合宿であんなに頑張ったのに…」
支倉「え?ダンスはダンスでやればいいじゃないですか」
梨子「ダンスと楽器を両方?」
絵里「それはちょっと無理があるんじゃ」
支倉「え?そうですか?」
絵里「そうよ。楽器を持ちながらダンス出来る?」
支倉「違いますよ。それぞれ別にやるんですよ。だってPVを撮るってネットに上げるんですよね?別にライブをやる訳じゃないんですもん」
穂乃果「あっ!そうか!バンドとダンスをそれぞれ撮って編集すればいいのか!」
支倉「はい。そう言う事です」
絵里「なるほど。それは思い付かなかったわ」
梨子「ラブライブ=ライブで披露するって固定概念にとらわれていましたね」
穂乃果「ラブライブでバンド。これは確かにインパクトあるかもしれない」
支倉「ですよね?」
志賀「なんか…ワクワクして来たな」
白木「はい!」
支倉「私、早速依頼しに行ってきます」
穂乃果「え?依頼って?」
支倉「ギターとバイオリンとピアノだけじゃ成り立たないじゃないですか」
穂乃果「確かに…」
支倉「軽音部に友達がいるんで。バックバンドをやって貰える様にお願いしてきます!」
ジャーン
穂乃果「おおっ…」
支倉「どうでした?」
梨子「この短期間で…」
絵里「ちゃんとバンドになってるわ。凄い。凄いわよ」
志賀「なんか…自分で演奏してて感動しちまったぜ」
白木「私のバイオリンがこんな感じになるなんて…」
支倉「これも優理ちゃん達軽音部のお陰だよ」
御堂「かさねのお願いだったらいつだって引き受けるぜ」
軽音部「それにあのラブライブで優勝してくれれば私達のバンドの名前も売れるかもしれないしね」
御堂「まっ、持ちつ持たれつってやつだよ」
支倉「ありがとー優理ちゃーーん。皆んなーーー」
御堂「まっ。私達の為にもラブライブ優勝してくれよ」
支倉「うん!頑張るよ!」
ウィーン
いらっしゃいませ
梨子「それにしても支倉さんって発想力が豊よね。ああ言う所…誰かに似てるのよね~。なんて…さて、今日は気分も良いしお酒でも買ってってコレクションを…ん?えっ!?」
ありがとごさいました~
ウィーン
梨子「千歌ちゃん?いや…でも、千歌ちゃんは東京には…」
女子高生「…」スッ
梨子「え?」
店員「ちょっと君…今ポケットの中に入れた物を出しなさい」
女子高生「くっ…」
店員「あっ、ちょっと…」
ウィーン
梨子「今のって…うちの生徒じゃ…」
キーンコーンカーンコーン
支倉「あの後見ました?」
穂乃果「凄い反響だったね!」
志賀「先輩のピアノなかなかイカしてたぜ」
支倉「仁美ちゃんのギターも良かったよ。そしてなりより凪ちゃんのバイオリン。一人だけ気品漂ってたよ」
白木「やめてください。恥ずかしいですよ」
志賀「と言いつつ顔がにやけてるぞ」
白木「え?」
穂乃果「この分だとランキング上位に行けそうな感じがするね」
絵里「そうね」
支倉「気品があるで思い出しましたけど。そう言えば今日は桜内先生はまだ何ですか?」
穂乃果「あ~そう言えば」
志賀「桜内先生が来ないのは珍しいな。絢瀬先生はしょっちゅうだけど」
穂乃果「何か仕事があるって言ってたっけ?」
絵里「さあ?」
梨子「山口さん」
生徒「桜内先生?なんですか?」
梨子「昨日…駅の近くのコンビニに居たわよね?」
生徒「…」
梨子「現場…見ちゃったのよ」
生徒「何の事ですか?」
梨子「何の事って…とぼけるの?昨日は制服着てなかったもしれないけど直ぐに分かる事なのよ?」
生徒「私…受験勉強で忙しいんです。それじゃあ」
梨子「待って…」
生徒「何なんですか?」
梨子「ダメよ。まだ、間に合うから。先生と一緒に…」
生徒「やめてください」
梨子「ちょっと…」
生徒「私に構わないで下さい。こんな所で油を売ってる暇はないんです」
穂乃果「あ~お腹空いたぁ」
同僚「ふふっ、毎日言ってますね」
穂乃果「え?そうですか?」
梨子「あの…絢瀬先生」
絵里「何ですか?」
梨子「C組の山口さんってどんな子か詳しく知ってますか?」
絵里「あ~山口さん?あの子はとってもいい子よ?凄く真面目で一年生の時あの子の担任だったんだけど学級委員長で凄く助かったわ」
穂乃果「あ~あの子って確か○○大学目指してるんだっけ?」
絵里「そうなのよ。本当感心しちゃうわ。桜内先生も授業受け持ってるでしょ?」
梨子「受け持ってはいるんですけど…」
絵里「ん?何かあったの?」
梨子「あっ、いえ…」
絵里「そう」
梨子「はい」
穂乃果「完全に何かあったんだね」
絵里「そうね」
ガラガラ
理事長「まだ先生方残って居ますか?」
穂乃果「あっ、理事長」
絵里「こんな時間にどうしたのかしら?」
理事長「先ほど近くのコンビニから電話がありました」
梨子「え?」
穂乃果「ん?」
理事長「ウチの生徒が万引きをしていると」
絵里「え?ウチの生徒が?」
梨子「…!?」
理事長「桜内先生?何か心当たりがあるの?」
梨子「実は…」
理事長「なるほど。そう言う事ですか」
絵里「それでさっき彼女について聞いてきたのね」
梨子「はい…」
絵里「山口さんが本当にやったって言う確証はあるの?」
梨子「それは…」
穂乃果「監視カメラに映ってなかったのかな?」
理事長「たまたま死角だったみたいなの」
梨子「あの…」
理事長「何でしょう?」
梨子「私の方からもう一度山口さんに当たってみます」
絵里「大丈夫?だって一度」
梨子「私は現場に居ましたから…やっぱり」
理事長「そうですか。それじゃあ、この件は一度桜内先生に任せします」
梨子「はい」
生徒「…何でしょうか?」
梨子「山口さん…もう一度だけ…もう一度だけ聞くけど」
生徒「はい」
梨子「あなたは…やってないのね?」
生徒「何をですか?」
梨子「万引きを」
生徒「…やってないです。本当です」
梨子「信じていいのね?」
生徒「信じて下さい」
梨子「分かった。そこまで言うならあなたの事を信じるわ」
生徒「本当ですか?」
梨子「ええ。生徒の言う事ですもの」
生徒「良かった」
梨子「そうよね。良かったわ。たまたま、盗まれた物と山口さんが授業中に使ってた物が同じだったから」
生徒「はい。ボールペンなんていくらでも…」
梨子「山口さん…あなた…」
生徒「え?」
梨子「私…ボールペンが盗まれたなんて一言も言ってないわよ」
生徒「…」
梨子「嘘をついたのね?」
生徒「サイテー…」
梨子「え?」
生徒「カマをかけたんですね。信じるって言っておいて…生徒の事なんて最初から信用してないんですね」
梨子「それは…」
生徒「いつもそう。だから教師なんて信用出来ないんだ」
梨子「それは…どう言う…」
生徒「来ないで!!!!」
梨子「山口さん…」
教師「なんの騒ぎですか?」
生徒「何かあったの?」
生徒「山口さんと桜内先生?」
ザワザワ
生徒「あっ…ああ…」
梨子「ちょっ…ちょっと…落ち着いて…」
生徒「山口さんが何かしたの?」コソコソ
生徒「みたいだね」コソコソ
生徒「い、いや…」
梨子「ちょっと…山口さん…落ち着いて…」
母親「ごめんなさい。誰にも会いたくないって」
梨子「そうですか」
母親「あの…学校で何かあったのでしょうか?今までこんな事一度も」
梨子「いえ…」
ダダダッ
生徒「帰って」
母親「ちょっと…」
梨子「山口さん」
生徒「帰って」
梨子「待って」
バタン
梨子「私が…山口さんを追いつめた…。私は…私は…」トボトボ
「あれぇ?確かこの辺だって言ってた様な…」
梨子「え?…どうして?」
「おかしいなぁ」
梨子「千歌ちゃん…」
千歌「え?梨子ちゃん!良かったぁ。やっぱり、合ってたんだ」
梨子「千歌ちゃん…うっ…」
千歌「え?梨子ちゃん?」
梨子「千歌ちゃん…。私…私…どうしたら…」ギュッ
千歌「ど、どうしたの?」
梨子「私…生徒を追い詰めちゃった…うぅ…うぅ…」
千歌「ちょっ…ヨシヨシ…とりあえずお家入ろう?」
梨子「うん」
ピンポーン
ガチャ
梨子「…」
母親「先生…」
梨子「こんにちは」
母親「あの…」
ダダダッ
生徒「また来たの?」
梨子「山口さん…」
生徒「何で来たのよ。帰ってよ」
梨子「山口さん待って」
生徒「待たないわよ。最初から私の事なんてどうでもいい癖に」
梨子「私は…あなたの事を何も知らなかったわ」
生徒「は?」
梨子「あなたがどうしてあんな事をしたのかも。どんな悩みを抱えていたのかも何も知らなかった」
生徒「…」
梨子「だから教えて。あなたの事。そしたら、一緒に謝りに行きましょう」
生徒「どうして…そこまで…」
梨子「先生だからよ」
穂乃果「結局受験勉強のストレスだった訳か」
梨子「はい」
絵里「よくある話ね」
梨子「そうなんです。よくある話で。私も最初からそうだろうって決めつけていたんです」
穂乃果「まあ、容易に想像はできるしね」
梨子「でも、肝心な事はそうじゃなかったんですね」
千歌「そっか。そんな事があったんだ」
梨子「うん…」
千歌「難しいよね。そう言うのって」
梨子「うん…」
千歌「どうして万引きなんかしたのかな?」
梨子「多分…受験のストレスだと思うわ」
千歌「え?本人が言ってたの?」
梨子「そうじゃないけど。こう言った話は良くある事で」
千歌「じゃあ、まだ分からないよね」
梨子「そうだけど」
千歌「私は先生じゃないから何が正しいのか分からないけどさ。生徒さんの話をちゃんと聞いてあげる事って大事だと思うよ」
梨子「生徒の話を…」
千歌「うん」
梨子「千歌ちゃんが居なかったら…きっと、私は…」
穂乃果「ん?何?」
梨子「あっ、いえ…」
絵里「さて、問題も解決したみたいだし。明日は休みだし飲みに行きましょうか?」
穂乃果「明日練習あるよ?」
絵里「大丈夫よ。深酒はしないから」
穂乃果「その大丈夫が一番信用ならないんだよね」
梨子「ごめんなさい」
穂乃果「ん?」
梨子「私、今日は家に来客が」
絵里「え?もしかして、彼氏とか?」
梨子「ち、違いますよ。友人ですって」
穂乃果「え~って事は絢瀬先生と二人?」
絵里「何よ?嫌なの?」
穂乃果「別に…」
ガチャ
梨子「ただいま。千歌ちゃん、あのね」
ポツーン
梨子「千歌ちゃん?あっ…」
『梨子ちゃんへ
急にお家を訪ねたりしてごめんね。 実は仕事の関係で来てたんだけど 梨子ちゃんが東京でどんな感じで やってるのか気になったのでドッキリも兼ねていきなり訪ねちゃいました。
梨子ちゃんが東京に染まっちゃうんじゃないかな~って内心心配だったけどいつもの優しい梨子ちゃんで安心しました。
なので、私は帰ります。ルビィちゃんにもよろしくね!
チカ』
梨子「千歌ちゃん…どうして。もっと、お話ししたい事が沢山あったのに。いきなり来ていきなり帰っちゃうなんて…」
ガチャ
千歌「ふぅ。サッパリした」
梨子「へ?」
千歌「あっ…帰る前にお風呂に入りたくて…ごめん。お風呂借りちゃったよ?」
梨子「え?あっ、うん」
支倉「いよいよ。後1ヶ月だね」
志賀「そうだな。1ヶ月だ」
支倉「あの辛い合宿も乗り越え…曲も作り…ついにランキングも上位に食い込んで来た」
白木「はい」
支倉「このまま行けばラブライブに出れると思ってたのに」
志賀「うん。何?」
支倉「地区予選で勝ち上がらなきゃ本戦に出れないの?」
志賀「そりゃあそうだろ」
支倉「え?じゃあ、ランキングって何の為にあるの?」
白木「地区予選に出る為にはランキング上位じゃなきゃダメなんですよ」
志賀「まっ。東京ってだけでかなりの数だからな。他の地域はどうしてるのか知らないけど」
支倉「な、なるほど。そういう事か」
ガチャ
穂乃果「おっ!やってるねぇ」
支倉「先生。先生は知ってました?ラブライブに出場するには地区予選で勝たなきゃいけないって」
穂乃果「え?まあ…知ってたけど」
支倉「どうして教えてくれなかったんですか」
穂乃果「てっきり知ってるもんだとばっかり」
志賀「って言うか優勝を目指してるんならそれくらい調べておけよな」
支倉「それを言われると…返す言葉もないけど」
志賀「だろ?」
支倉「うん」
トントン
支倉「ん?」
志賀「誰だ?」
白木「絢瀬先生か桜内先生じゃないんですか?」
志賀「それならいちいちノックなんてしないだろ」
支倉「今開けまー…」
ガチャ
支倉「うわっ。危な。ちょっと。いきなり開けたら危ないでしょ!」
「おっと…ごめんよ」
支倉「え?誰?」
「すいません。ガサツな妹で…」
支倉「え?あなたも誰?」
穂乃果「あっ!あなた達は…」
支倉「え?先生の知り合い?」
ここあ「ひっさしぶりだなぁ。穂乃果さん」
こころ「ご無沙汰してます。穂乃果さん」
穂乃果「こころちゃん!ここあちゃん!久しぶり。どうしたの急に」
ここあ「どうしたもこうしたもないよ、穂乃果さん。水くさいんだからぁ」
こころ「穂乃果さんと絵里さんが音ノ木坂でスクールアイドル部の顧問をしてるって聞いたので来ちゃいました」
穂乃果「あ~そう言う事ね」
志賀「って言うか…先生。どう言う事だよ」
穂乃果「ん?何が?」
ここあ「そっかぁ。ここが姉ちゃんが通ってた音ノ木坂かぁ。うんうん。姉ちゃんの母校がライバルなんて感慨深いなぁ」
こころ「そうだね。来てよかったね」
支倉「え?ライバルって?」
志賀「先輩知らないのかよ」
支倉「え?」
志賀「ここ最近一気にランキング上位に加わって来たグループ。ココロアシスターズ」
支倉「あっ、なんか聞いた事あるかも」
志賀「その二人だよ」
ここあ「おっと。自己紹介がまだだったなぁ。」
こころ「ココロアシスターズ、長女、矢澤こころ。特技は勉強と卵を片手で割れる事」
ここあ「同じくココロアシスターズ、次女、矢澤ここあ!特技は合気道とキャベツの微塵切り」
支倉「な、なるほど」
白木「こころさんとここあさんでココロアシスターズなんですね」
志賀「なんて安直なグループ名なんだ…」
穂乃果「二人とも噂は聞いてるよ。ラブライブ東京代表候補。頑張ってるんだね」
支倉「え?先生知ってたんですか?」
穂乃果「まあね」
ここあ「ん~それにしても…音ノ木坂のアイドル研究部の部室ってこんな感じだったっけ?最後に来たのが小学生の時だからなぁ」
こころ「そうですね。確か…亜里沙さん達の引退の時だった様な…。確かに亜里沙さんやお姉様の時とは部室が変わってますね」
穂乃果「あ~実はあの時とは状況が違うんだよ。まだ、部員が三人だから…正確にはアイドル研究同好会なんだよ」
ここあ「え?そうなのか?」
穂乃果「うん」
支倉「ちょっと待ってください。お姉ちゃんってどう言う事なんですか?お二人のお姉さんはここのアイドル研究部出身なんですか?」
ここあ「ん?私達の姉ちゃんかぁ?」
こころ「矢澤にこですよ。音ノ木坂アイドル研究部初代部長。μ’sの矢澤にこが私達の姉です」
白木「え?」
志賀「ええ?」
支倉「えええええ?」
ここあ「穂乃果さん何も教えてないんだな。まあ、穂乃果さんらしいっちゃらしいかな」
穂乃果「あはは…まあね」
志賀「な、なんだよ。って事は…初代部長の妹達が私達のライバル…」
ここあ「そう言う事になるな」
支倉「はいはい。質問です」
こころ「はい。なんでしょう?」
支倉「お二人はどうして音ノ木坂に入学しなかったんですか?」
こころ「ああ、それはだなぁ…」
ここあ「お姉ちゃん。μ’sをやめちゃうの?」
こころ「ここあ。これは仕方ない事なんですよ」
にこ「そう。仕方ない事なの」
ここあ「そんなの嫌だよ。μ’sがなくなっちゃうなんて」
こころ「それは私も悲しいです。そうだ!大きくなったら私達がμ’sに入って」
ここあ「あっ!それだよ!それがいいよ!」
にこ「ダメよ」
ここあ「え?」
こころ「どうしてですか?」
にこ「私の真似をしたってダメ。あなた達はあなた達の。自分の道を行きなさい」
ここあ「お姉ちゃん…」
こころ「お姉様…」
にこ「でも、嬉しいわ。だから、μ’sは無くなっても音ノ木坂の…」
ここあ「なるほど。私達は私達の」
こころ「お姉様の真似をするのではなく」
にこ「ちょっと…聞いてる?音ノ木坂のアイドル研究部はあんた達に…」
ここあ「って事があってな。私達は姉ちゃんとは違う道を選ぶ事にしたんだ」
支倉「ん~そう言う事ですか」
こころ「はい。なので、ラブライブ地区予選。楽しみにしてますね」
ここあ「悪いけど、姉ちゃんの母校だろうが穂乃果さん達が相手だろうがアタシ達は容赦はしないぜ!」
穂乃果「ふふっ。ウチの子達だって負けないよ」
ここあ「そうこなくっちゃ」
こころ「失礼します」
ガチャ
支倉「行っちゃった…」
志賀「台風みたいな奴らだったな」
白木「そうですね」
絵里「え?こころちゃん達が来てたの?」
穂乃果「うん。急に来たからビックリしちゃったよ。大きくなってたよ。もしかしたら、にこちゃんより大きいんじゃない?」
絵里「なによ。言ってよ~。会いたかったわ。にこの引退ライブの時も会えなかったものね。あっ、ビールおかわり」
梨子「絢瀬先生。明日も学校ですからね?」
ルビィ「でも、なんか凄いですよね」
穂乃果「ん?何が?」
ルビィ「かつての仲間の妹と自分の教え子が競い合う事になるなんて。運命感じませんか?」
穂乃果「まぁ、感慨深いものはあるよね」
絵里「そうねぇ…。あの二人が…初めてあった時はこーんなに小さかったのに…」
ルビィ「そ、そんなに小さかったんですか?」
穂乃果「ルビィちゃん。本気にしなくていいから。もう結構キテるから」
ここあ「ただいま~」
こころ「ただいま帰りました」
虎太郎「おかえり」
こころ「お母様は?」
虎太郎「まだ仕事中だよ。なに?音ノ木坂に行って来たんだって?」
ここあ「あ~まあね。なんで知ってんの?」
虎太郎「穂乃果さんから連絡来たんだよ」
ここあ「え?何?穂乃果さんと連絡取ってんの?」
虎太郎「ほら。一番上の姉貴の事とか…一時期」
ここあ「ふ~ん。そうなんだ。まあ、いいや。アタシは走ってくるぜ。うぉぉぉぉぉぉ」
虎太郎「帰って来たばかりなのに…。で?どうだったの?」
こころ「いいグループでしたよ。行って良かったです」
虎太郎「そうか」
こころ「でも、私達は負けませんよ。絶対にラブライブで優勝してみせる」
支倉「ヨーシ!今日も頑張るぞ~」
志賀「先輩気合い入ってんなぁ」
支倉「あったり前じゃん。後1ヶ月。追い込み時期だからね。そう言う仁美ちゃんだって今日朝の6時から来てアップしてたの知ってるからね」
志賀「え?知ってたの?」
支倉「うん」
白木「知ってるって事はかさね先輩も来てたって事ですよね」
志賀「だったら声掛けてくれてもいいじゃねぇか。白木も来てたのか?」
白木「はい。かさね先輩と一緒にアップしてました」
志賀「そうなの?性格悪いなぁ」
支倉「えへへ」
支倉「さーて。練習、練習~っと…ん?」
生徒「先生。今までありがとうございました」
生徒「練習もきつくて…挫けそうな事もあったけど。それでも先生が…先生のお陰でここまでやって来れました。なのに…なのに…期待に応えられず…」
先生「もういい…」
生徒「先生…」
先生「もういいよ。お前達はよくやったよ」
生徒「うっ…うぅ…うわぁぁぁぁ」
支倉「…」
志賀「あれって…」
白木「ソフトボール部の三年生ですね。残念ながら…今年の大会は…」
志賀「そうなのか」
白木「…」
志賀「先輩…」
支倉「さて、練習に行こうか」
白木「…はい」
志賀「そうだな」
支倉「ん?んん?」
志賀「今度はなんだよ?」
支倉「いや…あれ」
女「…」キョロキョロ
支倉「不審者?なんか怪しいけど」
白木「ど、どうなんでしょう?見ない顔ですよね」
志賀「学校関係者じゃ…ないよなぁ。あの感じ…」
支倉「あの…」
女「ひい」
支倉「こんな所で何してるんです?」
女「えっと…決して怪しい者では…」
志賀「不審者は皆んなそう言うんだよなぁ。この学校の者でもないのに裏庭になんの用なんだ?」
女「その…あれ?あなた達…もしかして!」
支倉「え?」
女「you'sよね?」
支倉「え?は、はい。そうですけど…どうして」
女「やっぱり!こないだのPV見たわよ。ラブライブでバンドなんてまさかの発想ね。あれって本当に演奏してるんでしょ?」
支倉「え、ええ…もちろん」
女「ハラショー」
支倉「え?なに?お腹痛いんですか?」
女「違うの。本当にびっくりしたのよ。ライブの時はどうするの?バンド演奏をするの?それともダンスを踊るの?」
支倉「え、あ~、まだそこまで考えては」
女「ふ~ん。そうなんだ。で?次の曲は…」
志賀「ちょい待ち」
女「ん?」
志賀「いや、あんた誰だよ?」
女「あ~私?」
志賀「不審者だろ?この間の矢澤姉妹と言い…この学校は出入り自由なのか?」
女「いや…違うわよ」
志賀「本当かぁ~…ん~どこかで見た事あるような」
支倉「え?本当?」
白木「やっぱり学校関係者なんじゃ」
女「いやぁ…私は…ここの卒業生なのよ」
支倉「え?そうんですか?」
女「うん。可愛い後輩達が頑張ってるって聞いたから。これは先輩として励ましに行かなくちゃって思った訳だよ」
支倉「じゃあ、もしかして…アイドル研究部出身とか?」
女「そう。しかも…私は音ノ木坂三代目アイドル研究部部長よ」
支倉「三代目?」
女「うん」
白木「え?って事は…初代部長がμ’sのメンバーですから。もしかして…」
支倉「え?μ’sのメンバーって事ですか?」
女「いや~私は違うのよ。ちょっと、そこら辺は色々とあってね。私はμ’sより世代が一つしたなの。二代目はμ’sのメンバーだったけどね」
支倉「そうなんですね。って事は高坂先生や絢瀬先生とも顔見知りなんですか?」
女「もちろん。絢瀬先生とは入れ違いだったけどね。よく知ってるよ。私はあの人達に憧れてスクールアイドルになったから」
支倉「なるほど!って事はラブライブにももちろん」
女「出場したよ」
支倉「どうだったんですか?」
女「ダメだった」
支倉「え?」
志賀「優勝出来なかったって事?」
女「うん。優勝出来なかった」
支倉「そうだったんですか」
女「でも、悔いはなかったよ」
支倉「やりきったんですね」
女「嘘」
支倉「え?」
女「凄く悔しかったよ。当たり前よ。あれだけ練習したんだもん」
支倉「そうなんですか」
女「うん。まあ、でも。あの敗北が無駄だったとは思わないけどね。っと…ごめんなさい。これからだって時にこんな話をしちゃって」
支倉「いえ…」
女「…これ、差し入れね」
支倉「あっ、すいません」
女「本当はこれを置いて帰るつもりだったんだけど会えて良かったわ。頑張ってね。応援してるから」
支倉「はい」
女「それじゃあ」
支倉「あっ、絢瀬先生達そのうち来ると思いますけど」
女「あーいいのよ。毎日会ってるから」
支倉「え?」
女「じゃあ」
絵里「ワン・ツー・スリー・フォー。ワン・ツー・スリー・フォー」
支倉「はっ」
志賀「よっと」
白木「はいっ」
絵里「いいわよ。その調子。ワン・ツー・スリー・フォー」
穂乃果「なんかダンスのキレが増してるね」
梨子「そうですね。課題だった最後のステップも綺麗に出来てるし」
絵里「ワン・ツー・スリー・フォー。はい。そこまで」
支倉「はあ…はあ…」
志賀「ふぅ…」
白木「はぁ…はぁ…」
絵里「皆んないい感じよ。この調子でいけばいい所まで行くんじゃないかしら」
志賀「いい所までじゃなくて…」
白木「ラブライブ優勝…」
支倉「先生。もう一度」
絵里「凄い気合いね」
支倉「練習不足だったなんて後悔だけは絶対にしたくないんで」
絵里「そう。でも、休憩はちゃんとしなさい?それで怪我をしたら元も子もないのよ。ねぇ、高坂先生?」
穂乃果「その通り。先生もそれで痛い目見てるから」
支倉「でも…」
絵里「どうしたの?急に…。言って分からないあなた達じゃないでしょ?」
支倉「実は…さっき、三代目が来たんです」
絵里「は?何?」
梨子「三代目?」
穂乃果「えっと…何の三代目?」
支倉「名前を聞くのを忘れちゃって。アイドル研究部三代目部長ですよ」
絵里「三代目…。あぁ、なるほど。あの子来たのね」
梨子「知り合いなんですか?」
絵里「まあ…知り合いと言うか…身内。で?あの子に何を言われたの?」
支倉「三代目部長はラブライブで優勝出来なくて凄く悔しかったって。だから…」
絵里「ああ…なるほど。そう言う事」
支倉「そう言う事って?」
絵里「あの子達ってμ’sが解散した年にスクールアイドルを始めたのよ」
志賀「あ~、そう言えばそんな事言ってたっけ?入れ違いだって」
絵里「ラブライブで優勝したμ’sが居た音ノ木坂のスクールアイドルだって物凄い期待されててね。そのプレッシャーでその年のラブライブの地区予選で失敗しちゃってね。一時期はもうスクールアイドルをやめるんじゃないかってくらい落ち込んじゃって」
支倉「え?そんなに?」
絵里「ええ。それから色々あったんだけどね。プレッシャーを乗り越えて三年生の最後の年。彼女達はラブライブでベストパフォーマンスをしたの」
支倉「そ、それで?」
絵里「ダメだった。彼女達が全力を出したのにそれでも優勝出来なかったの。あの子達がベストパフォーマンスをする迄の過程を知ってても彼女達がどれだけ悔しかったのかは計り知れないわ」
支倉「そうだったんですか」
凛「お帰り…」
真姫「……」
雪穂「あはは。ダメでした」
亜里沙「行けると思ったんだけどなぁ」
花陽「二人とも…よくやったよ」
亜里沙「花陽さん…うっ…うぅ…うぁぁぁぁぁん」
雪穂「亜里沙…うっ…うぅ…」
亜里沙「うぁぁぁぁぁ」
絵里「亜里沙…雪穂ちゃん…」
絵里「まっ、優勝する者がいると言う事は悔し涙を流す者もいるって事よ」
支倉「そっか。そうですよね」
志賀「先輩!先輩の最後の大会。いや、私達三人の最後の大会。絶対に優勝してやろうぜ」
白木「私達ならやれますよ」
支倉「うん。そうだね。よーし。頑張るぞ~」
絵里「あらら。諭そうとしたのに…余計に火を付けちゃったみたいね」
穂乃果「まあ、仕方ないよ。青春だもん。多少周りが見えなくなるもんだしね」
梨子「そうですね。その為に我々がいるんですから」
絵里「ふふっ。そうね」
絵里「ただいま」
亜里沙「あっ、おかえり」
絵里「今日、学校に差し入れに来てくれたんだって?」
亜里沙「あ~、うん。元部長としては応援しなきゃと思って」
絵里「そう。ありがとう。助かったわ」
亜里沙「あの子達、何か言ってた?」
絵里「ん?どうして?」
亜里沙「ちょっと暗い話しちゃったから。本当はもっと違う話をしようと思ってたんだけどなぁ」
絵里「大丈夫よ。刺激になったみたい」
亜里沙「そっか。なら良かったわ」
絵里「ただ、一つだけ」
亜里沙「え?」
絵里「差し入れは有難いけど。アレはないわよ」
亜里沙「だめ?」
絵里「スポーツドリンクでしょ。普通は」
亜里沙「あ~そうかぁ」
穂乃果「さて、ラブライブ地区予選はいよいよ明日です」
白木「う~緊張するなぁ。今日眠れるかなぁ」
志賀「白木は本当に緊張しぃだな」
白木「だって~」
絵里「大丈夫よ。あなた達は出来るわ」
梨子「あんなに努力したんですもの。練習は嘘を吐かないわ」
穂乃果「その通り。嫌でも体が覚えてるから」
白木「はい」
支倉「…」
白木「あれ?先輩?どうしたんですか?」
志賀「まさか…緊張してんのか?」
支倉「ふふっ。ふふふ…あはははは」
志賀「先輩が壊れた」
支倉「緊張?はん。むしろその逆だよ。早く踊りたくてうずうずしてるよ」
志賀「ええ?」
穂乃果「ふふっ。あははは。頼もしいよ。支倉さん」
志賀「全く。羨ましい性格してるなぁ。白木も見習え」
白木「そうですね」
志賀「バカヤロー」
支倉「すいません」
志賀「遅刻するってのはどう言う了見だ」
白木「ま、まあまあ」
梨子「はあ…ヒヤヒヤしたわ」
絵里「出番が最後の方で良かったわ」
支倉「すいません。気持ちが高ぶっちゃって…中々寝付けなかったんですよね」
穂乃果「分かるよ~その気持ち。私もそのタイプだから」
支倉「ですよね!」
絵里「自慢げに言わないで」
志賀「あのなぁ。もうちょっと緊張感を持てよ」
支倉「昨日は緊張するなとか言ってた癖になぁ」
絵里「もしかして、寝不足とかじゃないわよね?」
支倉「大丈夫です!遅刻した分ちゃんと寝たから」
志賀「はあ。頼むぜ…」
穂乃果「まあ、間に合ったんだし。いいじゃない」
白木「そうですね。お陰で私の方まで緊張してたのがどっか言っちゃいました」
支倉「でしょ?これを狙ってたんだよ」
白木「ふふっ、ホントですか~?」
志賀「先輩って本当調子いい奴だなぁ」
ここあ「おいおい。本番前だってのに随分と賑やかじゃねーか」
志賀「あ?」
こころ「皆さん。ご無沙汰してます」
穂乃果「こころちゃん!ここあちゃん!」
絵里「あら。久しぶりじゃない。何よ~立派になっちゃって」
ここあ「えへへ~そうかなぁ。っとそうじゃない。宣戦布告に来たんだったぜ」
穂乃果「宣戦布告?」
ここあ「おう。良い大会にしようぜ!でも、ぜってえ~負けねぇからなって!」
支倉「流石、気合い入ってますね!」
ここあ「ああ、お陰で気持ちが高ぶっちゃって昨日はあんまり眠れなかったぜ。寝坊しちまったぜ。あはは~」
支倉「あははは」
志賀「今日って本当に地区最終予選なんだよな?」
こころ「そのはずです」
ここあ「おっと!そろそろあたしらの出番かな」
こころ「そうですね。行きましょう」
ここあ「私達のライブ!楽しみにしてろよ!」
支倉「はい。楽しみにしてます」
穂乃果「こころちゃん。ここあちゃん」
こころ「はい?」
ここあ「なんだよ。穂乃果さん」
穂乃果「頑張ってね」
ここあ「…ったく。ライバルだって言うのに…穂乃果さんらいしな」
こころ「ふふっ。ベストパフォーマンスをしてみせますよ」
司会者「イェーイ。どうもありがとう。続いてはココロアシスターズだぁ」
穂乃果「あのお姉さん…。まだ、やってたんだね」
梨子「高坂先生の頃から居たんですね」
志賀「んな事より矢澤姉妹の曲が始まるぜ」
白木「そう言えば初めて見ますね」
支倉「どんな曲なんだろ」
ジャンジャンジャーン
ここあ「…」バッ
こころ「…」バッ
志賀「なっ、なんだ?あのダンスは」
穂乃果「凄いキレだね」
支倉「なんかに似てますよね」
「あれは空手の型を参考にしてるんすよ」
支倉「へ~空手。空手かぁ…ん?誰?」
虎太郎「どうも」
穂乃果「おお!虎太郎君」
絵里「え?やだ。虎太郎君?久しぶりじゃない」
虎太郎「うすっ…」
支倉「え?どなたですか?」
穂乃果「この子はココロアシスターズの弟君だよ」
志賀「え?矢澤姉妹の?弟なんか居たのか?」
支倉「言われてみればちょっと似てるかも」
白木「あっ、あの。空手の型を参考にって…」
虎太郎「ここあがスクールアイドル始めるまで空手とか合気道とかやってたんで」
絵里「空手の演武とダンスは似てるって言うものね」
穂乃果「やってくれるなぁ。ココロアシスターズ」
梨子「会場も驚きの一色ですね」
虎太郎「まあ。そんな所です」
白木「そ、そうなんですね」
支倉「ん?凪ちゃんどうしたの?」
志賀「こいつ男と話すの慣れてないんだよ。きっと」
白木「ちょっ、違います」
穂乃果「所で…にこちゃんは今日は来てないの?」
虎太郎「今日は来てないですよ」
絵里「そうなの?にこの事だから妹達が出場するとなったら絶対に来ると思ったんだけど」
穂乃果「ね~」
わぁぁぁぁ
こころ「はあ…はあ…」
ここあ「ふぅ…」
梨子「凄い歓声…」
穂乃果「迫力のあるパフォーマンスだったね」
支倉「…」
穂乃果「びっくりした?」
支倉「はい。でも、それ以上に負けてられないなって。余計に燃え上がりそうです」
穂乃果「じゃあ、あの二人に感謝だね」
支倉「そうですね」
志賀「さて、先輩。私達の実力を魅せつけてやろうぜ」
白木「きっと皆んなびっくりしますよ」
支倉「うん。それじゃあ、行こうか!」
志賀「おう!」
白木「はい!」
司会者「それでは~音ノ木坂アイドル研究同好会。you's」
梨子「いよいよですね」
絵里「そうね。なんだか私の方が緊張して来たわ」
ことり「おーい」
穂乃果「ことりちゃん!来てくれたんだ?」
ことり「うん。何とか仕事の都合がついてね。ね~ルビィちゃん」
穂乃果「おおっ!ルビィちゃんも」
ルビィ「はい!」
穂乃果「そっか。ことりちゃんが練習みてくれてからさらに成長したからね。きっと驚くよ」
ことり「そっか~。ん?あれ?」
虎太郎「あっ、どうも」
ことり「え?もしかして、虎太郎君?きゃ~大きくなったね。びっくりしちゃったぁ」
虎太郎「そ、そうですか」
志賀「ふぅ。凄い景色だな」
白木「これからこの大勢の前で歌って踊るんですね」
支倉「うん。何だか血が騒ぐね」
志賀「そうだな。今すぐ踊りたいってな」
支倉「さあ。行こうか!」
わぁぁぁぁ
穂乃果「地区予選で歌う曲?」
支倉「はい。どうしようかなと思って。μ’sやAqoursはどんな曲を披露したのかなって」
絵里「私達の場合は…皆んなで出し合った言葉で曲を作ったわよね?」
穂乃果「あ~そうそう。希ちゃん家でね。初めてラブソングを歌ったんだよ」
志賀「スノハレだな!」
穂乃果「う、うん。よく知ってるね。スノハレって略すんだ…」
梨子「私達の時は…MIRACLE WAVEを歌ったのよね」
志賀「あぁ!あれは凄かったなぁ。ロンダードからのバク転!」
梨子「やっぱり知ってるんだ」
白木「仁美先輩って意外とミーハーですからね」
志賀「うるせぇ」
支倉「なるほど。ラブソングにハードなダンス曲ですか」
絵里「別に真似する必要はないのよ?」
支倉「あっ、はい。ただどんな感じだったのかなって参考までに」
志賀「どうする?ラブソングをやるか?それともハードなダンス曲をやるか?」
白木「でも、絢瀬先生は真似をする必要様はないって」
支倉「う~ん…」
志賀「そうだなぁ。それに三代目の話もあるしなぁ。先生達は先生達。私達は私達なんだもんな」
支倉「う~ん…」
志賀「先輩さっきから唸ってばっかりじゃねぇか」
支倉「どっちもやるって言うのはどうかな?」
志賀「どっちも?」
白木「ラブソングもハードな曲も両方やるって事ですか?」
支倉「うん。ダメ?」
志賀「別にダメじゃないけどよ」
白木「さっきも言ったじゃないですか。μ’sやAqoursの真似をしなくても…」
支倉「そうだけど」
志賀「だったらなんで」
支倉「避けては通れないと思うんだよね。μ’sもAqoursも」
白木「どう言う事ですか?」
支倉「何も出来なかった私達にスクールアイドルを教えてくれたのは先生達。その先生達を超える事が教え子としての恩返しだと私は思うんだ」
白木「なるほど。そう言う事ですか」
支倉「うん。どう?」
志賀「仕方ねぇな。こうなったら歴代のどのスクールアイドルも超えてやろうぜ」
白木「これは骨が折れそうですね」
支倉「だね。よ~し。やってやろう」
わぁぁぁぁ
支倉「~♪」
志賀「~♪」
白木「~♪」
絵里「どう言う事?聞いてた曲と違う…」
ことり「私達も予選で歌ったよね。ラブソングを」
志賀「はっ」バッ
梨子「ロンダードからのバク転…いつの間に出来るように…」
支倉(先生。今日披露する予定だった曲はラブライブ本戦で披露します。だから、今日は)
穂乃果「なるほど。そう言う事か」
絵里「え?」
穂乃果「あえてμ’sやAqoursと同じ事をやるって事は。つまり私達に宣戦布告をしたって訳だ」
梨子「なるほど。私達を越えるつもりなのね」
絵里「そう言う事。ふふっ、面白いじゃない」
ここあ「あいつら…」
こころ「やるじゃないですか」
支倉(私達はμ’sもAqoursも超えます)
穂乃果「うん。かかってきなよ、you's」
支倉「~♪」
志賀「~♪」
白木「~♪」
わぁぁぁぁ
白木「うわぁぁぁん」
志賀「白木…もう泣くなよ」
白木「だって…ヒック…だってぇ。私は…ヒック…いつも先輩達の足を引っ張ってばかりで…なのに…」
支倉「そんな事はないよ。凪ちゃんはよくやってくれてるよ」
白木「うぅ…せんぱぁぁぁぁい」
志賀「何も泣く事ないのに」
支倉「そんな事言って。仁美ちゃんだって」
穂乃果「皆んな」
支倉「先生…あの…すいませんでした」
絵里「はあ。心臓に悪いわよ。でも…」
梨子「そうですね」
穂乃果「本選出場おめでとう」
白木「うわぁぁぁ。ありがとう…ヒック…ございます」
志賀「おい。まだ本選があるんだからな?」
支倉「あはは」
こころ「本選進出おめでとうございます。素晴らしい曲でした」
支倉「あっ…ありがとうございます」
ここあ「おいっ」
支倉「は、はい」
ここあ「あたし達に勝ったんだ。絶対優勝しろよ」
支倉「うん。もちろん。そのつもりだよ」
こころ「それじゃあ、私達は行きますね」
支倉「うん」
ここあ「姉ちゃん。あの…」
こころ「完敗でしたね」
ここあ「うん。悔しいなぁ」
こころ「悔しいですね」
虎太郎「お疲れ様」
ここあ「虎太郎…。なんだよ。先に帰ってて良かったのに」
こころ「あれだけ大きな口を叩いておいて…虎太郎にかっこ悪い所を見せてしまいましたね」
「そんな事はないわよ」
こころ「え?」
にこ「カッコ良かったわ。あなた達は私の誇りよ」
ここあ「姉ちゃん…なんだよ…来てたのかよ」
こころ「お姉様…グスッ…お姉ちゃぁぁぁん。グスッ…悔しぃ。悔しいよぉぉぉ」
ここあ「うわぁぁぁん。お姉ちゃん…お姉ちゃぁぁん」
にこ「こころ…ここあ…よく頑張ったわね」ギュ
ここあ「うわぁぁぁ」
こころ「あぁぁぁぁん」
穂乃果「さあ。ラブライブ本選は来月!」
梨子「ウカウカしてるとすぐよ」
ことり「皆んな頑張ってね」
ルビィ「応援してます」
支倉「はい!よーし!頑張るぞぉ~」
志賀「おう!このままの勢いで優勝だ」
白木「ですね!」
穂乃果「皆んなファイトだよ!」
支倉「はい!」
絵里「その前に…」
支倉「はい?」
絵里「冬休みの前には期末テストがあるから。赤点取ったらラブライブに出れないわよ」
支倉「…はい」
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