ありす「文香さんは怪談が苦手」 (21)
ありす「文香さん、明日は地方で怪談ショーや肝試しをするイベントの仕事だそうですよ」
文香「肝試し…ですか。なぜ、そのようなお仕事が私たちの元に振られてきたのでしょうか…?」
ありす「プロデューサーさんいわく、もともとは白坂小梅さんに出演依頼があった仕事らしいです」
ありす「でもあの方、この時期…夏の間は労基ギリギリまで仕事が詰まっているのだそうで」
文香「白坂さん…心霊アイドルとして、人気ですから…。夏の怪談シーズンは、お仕事大変ですね…」
ありす「ええ。それで、小梅さんが手に負えない分を、事務所の他のアイドルたちで分担するのだそうです」
文香「…小梅さんに来たお仕事なのに、私たちで良いのでしょうか?」
ありす「イベントを打つのは地元の自治会とからしいです。とりあえずアイドルが誰でも来れば盛り上がるとの話です」
文香「…なるほど。代役でも、問題無いのですね…」
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ありす「イベント自体も比較的小規模なものだそうなので、1泊2日の小旅行くらいに思いましょう」
ありす「楽なお仕事ですよ」
文香「え、ええ…そう、ですね…」
晴「1泊2日っても仕事だからなー。旅行ってよりは合宿っぽいわ」
ありす「……ああ、晴さんもいたんでしたね」
晴「橘、おめー文香がいる時はホント文香としか喋らねーよな」
ありす「そもそもなんで晴さんがいるんですかっ!私と文香さんの二人で出演する予定のイベントですよ!」
晴「大会で負けたんだよ!サッカーの!!勝ち上がった場合のこと考えてスケジュール空けてたの!」
ありす「それは…ご愁傷様です」
晴「負けて暇になった瞬間にプロデューサーから電話かかってきてさー!『仕事入れたから』っつって」
晴「あの人ホント抜け目ねーわ…」
文香「……」
ありす「スケジュールの空いているアイドルはみんな駆り出されているようですね…」
文香「そのよう…ですね」
晴「夏休みはイベント多いし、学生アイドルも仕事入れ易いし。稼ぎ時なんだろ」
晴「ま、一人増えたけど、よろしくなっ!」
文香「はい。よろしくお願いします…」
ありす「よろしくお願いします。…でも、晴さんに怪談なんてできるんですか?」
晴「はー?橘、お前こそ肝試しにビビってんじゃねーのか?」
ありす「そんなわけがないでしょう」ハッ(鼻で嗤う音)
ありす「幽霊やおばけなんて…そんな非科学的な迷信を、私が信じているわけがありません!」
晴「お、言うねー。橘はおばけ怖くないわけだ」
ありす「あたりまえですっ!霊を怖がるなんて…子供じゃあるまいし!あり得ません!」
ありす「ねぇ文香さん?」
文香「わ、私は…怪談や…怖い話は、昔から、その…苦手なんです…」ブルブル
ありす「ちょっとプロデューサーさんに連絡してきます!!文香さんになんて仕事をさせる気ですか!!!」ふんす!
文香「い、いえ…あの、そこまで、怖いわけじゃないんですよ…ありすちゃん?」
晴「橘、お前手のひら返すの早えーなぁ…」
ありす「文香さんが怖がるような仕事を入れるなんてとんでもない事ですよ!!」ちょろーん
ありす「文香さん、大丈夫です!もしも霊が現れたとしても、私がついています!」ぎゅっ
文香「ありがとう…ありすちゃん…」
晴「霊は存在しないんじゃなかったのか橘」
ありす「それにしても意外です。文香さんはあらゆるジャンルの本を読む方だと思っていたので…」
文香「?」
ありす「怖い話が苦手、ということは、怪談の本はあまり読まれないのでしょうか?」
文香「いいえ…怖いは怖いの、ですが…本は本。その中に書かれたお話は筆者の魂です」
文香「怖がりながらも…どうにか、読んでみることにして…います…」ブルブル
ありす「そうでしたか…」
ありす(あぁ^~///怖がりな文香さん可愛いんじゃぁ^~///)パキパキ
晴(ダメだ橘のヤツ。完全にトリップしてるわ)
中断
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