アイドルマスターシンデレラガールズです。
ベースはダイスDEシンデレラですがパロディ多めです。
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――コケコッコー
P「……朝か」
P(俺は今、魔王城を目指して冒険している身だ)
――――すや……、
P(俺のジョブは完全に後衛向きだ。本来なら勇者や戦士などの前衛職、それにもう一人魔導士とかヒーラーとかが居てくれておかしくない)
――――くー……、
P(だというのに、もう冒険も中盤というのに、未だに俺のパーティの人間は俺ひとりだけだった)
――――むにゃ……、
P(ああでも、別に決して人徳が無いとか、人とうまく意思疎通ができないとかそういうことではない、ないはず……)
P(それに、人間は俺一人だけだが、召喚士という職業上、旅の道連れがいないというわけではない)
――――ふー…、
P(このパーティは、一人と四柱がお送りいたします)
ヤスハ「すや、すぅ……」ギュー
ホタル「くー、ふぅ……」ギュー
チヅル「むにゃー、む……ぅ」ギュー
ヒロミ「んん、……くぅ」ギュー
P(ちなみに召喚士とくっついているほうが魔力の供給がいいという理由で、寝てる時は皆俺にくっついて寝ている。ぷちサイズだからなせるワザだ)
風の精霊 ヤスハ
ヤスハ「……ん」パチッ
P「ふああ、起きたか……おはよう、ヤスハ」
ヤスハ「あ、おはようございます、ますたー。えへへ、いつも早起きですね」
P(この子はヤスハ。風の精霊『シルフ』の一族で、俺とは一番長い付き合いになる。精霊としての年齢も一番上だから、他の三人からは先輩なんて呼ばれている。はじめの頃はいろいろあったけれど……今はお互いに、全幅の信頼を置いている仲だ)
ヤスハ「日の出にはまだ少し早いですけれど、もう準備しますか?」
P「うーん……」チラッ
ホタル「……すぅ」ギュー
チヅル「……ぐぅ」ギュー
ヒロミ「……むぅ」ギュー
P「あと少し寝かせとこうか。昨日は疲れただろうし」
ヤスハ「はい。分かりました……ええと」ウズウズ
P「?」
ヤスハ「……えい!」ピョン
ぎゅー、
ヤスハ「えへへ……私も、もうちょっとだけ」
P(先輩も、ほかのみんなが見ていないところでは存分に甘えてくる。かわいい)
水の精霊 ホタル
ホタル「…………」ギュー
P「……?」
ホタル「…………」ポロポロ
P「……!」
P「……ホタル、ホタル?」
ホタル「……っ! ふぁ、はぁ、は……ま、ますた、ぁ……?」ジワッ
P(この子は、水の精霊『ウンディーネ』のホタル。事情を説明すると……この子の居た里が、遥か昔災厄に見舞われ――その禍を招いた原因として、迫害されたという過去がある。だから彼女は、全ての不幸は自分に責任があるとして極めて自罰的な性格となり、頻繁に、夢を見てしまうそうなのだ。不幸な夢を)
P(誰にも迷惑を掛けまいと努めて気丈に振る舞い、身に降りかかる不幸は諦念を以てこれを迎え、それでも尚他者への優しさを失わないそのさまは余りにも尊く、どうしようもなく悲しかった)
ホタル「……ますたぁー、ひっく、よかった。よかったぁ……」ギュギュー
P「……ああ、大丈夫、ここにいるからな」ナデナデ
P(冒険を通して、誰かに頼ってもいいと、甘えてもいいと知った彼女は、昔の様な悲しい笑顔を見せることはほとんどなくなった。最近は少し、いやかなり、頼ってくれるようになった)
P(そでがビショビショになってしまうのは仕方あるまい)
ヤスハ「……スヤァ」(二度寝)
土の精霊 チヅル
チヅル「むにゃむにゃ……ますたぁ……」
P「…………」
チヅル「……えへへ、ますたぁ、すきー……すぅすぅ」zzz
P「……やっぱり寝言か」
P(土の精霊『ノーム』のチヅルは、普段は生真面目で恥ずかしがり屋だが、油断するとすぐに本音を漏らしてしまうという、ちょっとおっちょこちょいな子だ)
チヅル「んん……ふぁっ」ムクッ
P「……起きたのか?」
チヅル「お……おはようございます。わ、わたしぃ……何か、言ってましたかぁ?」
P「いーや、なんにも……眠いんだったら寝てていいぞ? まだ少し早いから」
チヅル「そ……そう、ですか……そしたらお言葉に甘えて……すぅ」
チヅル「……えへへー、ますたぁ、ますたー……」ニヘラッ
P「……わざとやってんじゃないだろうな」ナデナデ
P(それはそれでおいしい)
ホタル「……すぅ、すぅ」
火の精霊 ヒロミ
ヒロミ「んん……んむー、むぅ……」ギュー
P(火の精霊ヒロミ……険しい顔をするクセあって、恐がられたりもするけれど、その実とても優しくて、思いやりのある子だ)
ヒロミ「……ますたぁ……、えへ、えへへへぇ……」ギュギュー
P(この子も、初めて会った時は色々と困ったことにもなったけど、今となってはありがたいくらいに俺を慕ってくれて、一生懸命がんばってくれる)
ヒロミ「むーぅ……」メラッ
P(ただひとつ、困るのは)
ヒロミ「ん、らめ、ん……ぁ、ふみゅ…………ふぁ」メラメラメラメラ
P「……あちっ、あちちちちち!! ひ、ヒロミっ、燃えてるもえてる!」
ヒロミ「ん……ふぁっ?!」ガバッ
P(寝ぼけてしょっちゅうおもらし(失火)しちゃうことだ)
ヤスハ「……ぁ、いけない、つい寝ちゃってた……」
ホタル「……っ?! か、火事? また私、ますたーを不幸に?!」
チヅル「むにゃむにゃ……」
じょばー
P「ありがとうホタル……ところで、今日はまだなんで熱くなっちゃったんだ?」ビショビショ
ヒロミ「……っ! し、知らないしらないっ! ますたーのイジワルっ!」プイッ
P(キャラぶれてる……どっかの凸ちゃんみたいになってる……)
P(恒例となった朝のひと騒動を終え、みんなで朝食の準備に取り掛かる)
ヒロミ「ふー、ふー、」メラメラ
ヤスハ「ぱたぱたー」ソヨソヨ
ホタル「ぐつぐつー」トプトプ
チヅル「ぐるぐるー」カキマゼー
P(ぷちサイズだと出来ることに限りがあるので、もっぱら火の番をおねがいしている。ひとつの鍋に四人がかりで奮闘している様子はとても微笑ましい)
P「こっちは準備できたぞー」
ヒロミ「うん、こっちももうすぐできるから、待っててね、ますたー」
P(ちなみに、精霊たちは別に人間と同じ食事をする必要はないけれど、『なんでも一緒にしたい!』という希望で、一緒に食事するようにしている。召喚士は精霊たちと精神的な結びつきを強めるほどいいから、これはこれで意味のあることだ)
P(ただ)
――――――――いただきまーす!
P(四人が食べる量はそれはそれは少ない。食器は街の雑貨屋で買ったままごと用だ)
ヤスハ「はむはむ……」
ホタル「もぐもぐ……」
チヅル「かみかみ……」
ヒロミ「ぱくぱく……」
P(対して四人が一生懸命作った料理は、一抱えもある大鍋になみなみと入っている)
P「ええと……これ、全部食っていいのか?」ドッチャリ
ヤスハ「はい、しっかり食べてください」
ホタル「おかわりもいいですよ」
チヅル「遠慮しないでください」
ヒロミ「残った分も食べてね」
P「お、おう、ありがとう……」ウメウメ
P「もぐもぐ…………」デップリ
ヤスハ「どう、でしたか?」ドキドキ
ホタル「不幸が邪魔しなかったから、おいしく出来たと思うんですけど……」ドキドキ
チヅル「その、よく出来てたら、ほめてもらえたらなって……はっ!」ドキドキ
ヒロミ「その……ああ、いけない、緊張して、また恐い顔になってる……うぅ」ドキドキ
P「……サイコーだよ」グッ
P(心からの言葉だ……だが、夜まで何も食べなくても大丈夫かもしれない)ダブダブ
P(満腹で動けないと言いたくなる身体に鞭打って、冒険を再開する)
P(ここで、冒頭の問題が出てくるわけだ)
――草むら
スライム が あらわれた !
スライム が あらわれた !
スライム が あらわれた !
スライム「ふぇぇん……」
スライム「ふぇぇん……」
スライム「ふぇぇん……」
ヤスハ「うぃんどすらっしゅ!」ヒュンヒュン
ホタル「あくあすぱいく!」パシャパシャ
チヅル「すとーんざっぱー!」ゴロゴロ
ヒロミ「ふれいむどらいぶ!」ポポポポ
スライム「ひぇぇん……」
スライム「ひぇぇん……」
スライム「ひぇぇん……」
P(序盤程度のモンスターならこの編成でもさほど問題はないのだが)
――洞窟
ミニデーモン が あらわれた !
ミミック が とびだしてきた !
ミニデーモン「ひっひっひ! しこたまイタズラしてあげるから覚悟しなさいっ!」シュババ
ミミック「呼ばれて飛び……え、呼んでない? 細かいことはいいんですよ!」バシバシ
ヤスハ「くっ……イタズラが邪魔で集中できない!」
ホタル「みんな、回復を……あてっ」コテン
チヅル「だ、大丈夫?! 今防御呪文を……」アタフタ
ヒロミ「こらー、待ちなさーい! もうっ、ぜんぜん当たらない……!」ヒュボボ
P「……仕方ない、撤退だー!」
P(敵がちょっと強いと、あっというまに乱されてしまう。術師ばかりだから当然と言えば当然だが、さすがにまずい)
ヤスハ「うぅ……すみません、みんなのお手本にならないといけないのに……」ショボーン
ホタル「ごめんなさい、私こそ、幸運値が低いから、足を引っ張っちゃって……」シクシク
チヅル「もう、全然うまくいかない……でも、何か考えないと、何か……」ギリッ
ヒロミ「ダメだね、私、やっぱり、私なんか……」ジワッ
P「いや、みんなは悪くないよ……俺がもっとちゃんと指示出来ていれば」
「「「「ますたーはわるくありません!」ないです!」ないわ!」ないの!」
P「むぅ……」ポリポリ
P(そろそろ真剣に、仲間を探さないといけないな。アタッカーにタンク、シューターあたりがいたら、もっと違うだろう)
P「それにしても……もう、絆レベルは皆高水準になってるだろうに、どうしていつまでもちっちゃい姿のままなのかな。そろそろ、精霊としての本来のチカラを取り戻してもいいだろうに」
――街
P「みんなに提案があるんだ」
ヤスハ「どうしたんですか? 改まって……」
ホタル「……っ」ゾワッ
P「――この街で、新しい仲間を探そうと思う」
チヅル「……え、ますたー、いま、なんて」
ヒロミ「そ、そんな……っ」
P「? あ、ああ、もう、敵の強さも上がってきて、一筋縄じゃいかなくなってる。ここはパーティーメンバーを募集して、戦力強化を……」
ヤスハ「…………」ポロポロ
ホタル「…………」ポロポロ
チヅル「…………」ポロポロ
ヒロミ「…………」ポロポロ
P「?!」
ヒロミ「やだ、うそ……ますたー、私たちのこと、すてちゃうの? 私、ますたーのおかげで変われたのに、やだよ、いやだよぉ……」グスグス
チヅル「……確かに、ふがいない所は多々ありました。それでも、これ、でも……、ひっく……ますたーの、力に、なりたかったんです……っ」フルフル
P「え、いや、あの……きみたち、ちょっと何か勘違いして」
ホタル「……えへ、えへへ、はい……分かっていました。こんなに幸せな日が、永く続くわけないって。でも……でも……ぉ!」ボロボロ
ヤスハ「ますたーは……あなただけは、私たちのこと、ただの道具だとは思ってないって、そう信じてたのに……やっぱり、だめ、なのかな……」フラフラ
――――ゴゴゴゴゴ
P(やばい一帯の霊素汚染超やばいこのままじゃ世界がヤバい)
P「ち、違う! 落ち着いてくれ! これはみんなと別れるなんて話じゃない!!」アセアセ
ヒロミ「ひっく、うぅ……ちがうの?」ゴシゴシ
P「当たり前だ! 大切なみんなと別れられる訳無いだろう!」
チヅル「で、でも、新しいメンバーを探すって、それって、私たちが弱いから……」スンスン
P「あくまでも、バランスの問題だ。みんなはちゃんと立派にやってる、それは確かだ」
ホタル「じゃあ……ぐすっ、私たちは、まだ、ますたーの隣にいてもいいんですか? ますたーは、私たちの隣にいてくれるんですか?」シクシク
P「……そうじゃなきゃ、俺が困るよ。頼りない召喚士だけど、どうか、これからも力を貸してくれ」
ヤスハ「……ますたー、ますたぁ……っ!」ダッ
ヤスハ「むー」ギュー
ホタル「むー」ギュー
チヅル「むー」ギュー
ヒロミ「むー」ギュー
P(すげえ『圧』だっ!)ピロリンッ♪
P(なんだ今のSE……ん? 『ADC』なんてステータスあったか?)
【TIPS:『ADC』値は絆レベルが一定以上になった精霊の強さに関する重要な要素です。『ADC』値を開拓した召喚士は精霊の本来のチカラ、ひいては未知のチカラを解放できますが、魔力の必要供給量が増大します】
P(なるほど。精霊の力が召喚士に依存するということか……俺自身もがんばらないとな)
ヤスハ「むー」ギュギュー
ホタル「むー」ギュギュー
チヅル「むー」ギュギュー
ヒロミ「むー」ギュギュー
――酒場
P「で、分かってくれるな? やっぱり役割を考えたら、俺たち後衛を守ってくれるパーティを組んだ方がいいんだよ」
チヅル「それは……理屈としては、ますたーの言う通りだと思います」
ヒロミ「ても……ますたー以外の知らない人と、上手に付き合えるかな、嫌われたり、しないかな……」
ホタル「私の不幸を、その方たちにも与えてしまわないでしょうか……」
ヤスハ「……みんな、不安なのは私も同じだけど、がんばろう? ますたーが私たちのために考えてくれたんだから」
P(やっぱりヤスハは落ち着いているなあ。さすがは先輩だ)
ヤスハ(あ、あまりほめないでください……みんなの前では)テレテレ
P(直接脳内に?!)
ヤスハ(ますたーのことは何でも分かりますから)フンス
???『あら、見ない顔ね。この街は初めて?』
???『…………』モグモグ
???『ずいぶん奇妙な格好の御仁ですな……ん? 何か、妙な気を纏っておられる?』
P「ああ、そうだ。初めまして。俺は召喚士のPという者だ」
チアキ「召喚士、ね。こちらこそ初めまして。私は騎士のチアキ。こっちはノアで、こっちはタマミよ」
ノア「ごくん……ガンスリンガーのノアよ」ファサァ
タマミ「剣士のタマミと申します! 召喚士殿、以後、お見知りおきを!」ペコリ
P(騎士、タンク職……ガンスリンガーは当然シューター、剣士もほぼアタッカーで決まり)
P(完璧じゃん)キュピーン
P「どういう目的でパーティを?」
チアキ「主に、街道周辺の治安維持活動を任務としているわ。そちらは?」
P「――魔王城への旅だ」
チアキ「魔王城……!」ゴクリ
ノア「…………」
タマミ「ほぁ~、重い使命をお持ちなのですね! 道理で、佇まいにも風格が!」
チヅル(ますたーがかっこいいのは当然です!)フンス
チヅル(……はっ!)
P(直接脳内に)ムズムズ
P「それで……ものは相談なんだが、チアキさんたちにも、俺の旅に同行してもらえないだろうか」
ホタル(?!)
チアキ「……理由を聞かせてもらえないかしら」
P「おわかりだろうが、召喚士は後衛職だ。これまではなんとかしのいできたが、これからの旅は苛烈さを増すだろう。真剣に編成を考える必要がある。そしてそちらの三人とも、熟練の腕を持っているとお見受けする……こんなところだ」
チヅル(どど、どうしよう!)アタフタ
ホタル(確かに、ますたーのおっしゃる通りですけど……)オロオロ
ヒロミ(悪い人たちじゃないとは思うけれど、こんなに早く誘っちゃうなんて……)アセアセ
ヤスハ(…………もしかして)チラッ
チアキ「なるほど……」ボンッ
ノア「…………ふむ」キュボーン
ヤスハ(……っ!)マッカッカ
チヅル(そ、そんなまさか?!)アタフタアタフタ
タマミ「おぉ~、我が剣がどこまで通用するか試してみたいものですぞ!」ペターン
ホタル(……やっぱり、違うんじゃないかな?)ウーン
ヒロミ(ほっ)ホッ
P(何かウチの子たちから善からぬものを感じる)
P「もちろん、報酬は約束する。危険な旅だ。すぐにとは言わないが、何とか」
チアキ「そうね……ノアはどう思う?」
ノア「……たとえ何処に居たとしても、私達は同じ旅路の途中。ただ、そうね……風景が変わるのは、悪くない」
P「?」
チアキ「歓迎する、ということらしいわ」フッ
タマミ「タマミも歓迎ですぞ!」ピョン
チアキ「そして、私も。近頃、街道沿いに現れるモンスターの数が多くて、魔王の力の増大を感じていたの。高貴なる者の務めとして、その根源を封じる使命に馳せ参じたく思う」
P「じゃあ……」ワクワク
チアキ「でも、少し時間をくれないかしら。この街で、我々が請け負った仕事の任期まで」
P「分かった。準備が出来たら教えてくれ。連絡は……」
ホタル(ど、どうなるんでしょう……)
――荒野
P「さて、チアキさんたちと合流できるまで、俺たちも鍛えとかないとな」
ヤスハ「そうですね……あちらの方もレベルが高そうでしたし」
チヅル「頑張らなきゃ……!」
ヒロミ「……はぁ、ふぅ、はぁ……っ!!」
ホタル「できる……いや、やらなくちゃ……!」
P(恐いくらいの集中力だな)
P「……みんな、現れたぞ! 気を引き締めていこう!」
アラクネ が あらわれた !
ケンタウロス が あらわれた !
アルラウネ が あらわれた !
アラクネ「ククク……そろそろ新しい下僕を調教したかったのよね。今度こそ、育てがいのある豚だといいのだけれど」
ケンタウロス「むぅ、狩りには協力しますが……あの殿方の種は私が頂きます!」
アルラウネ「えへへ、みんなのものにすればいいよねっ! でもあの人、お花が好きな人だと嬉しいな!」
P「な……中ボスクラス3体?!」
P(まずい、レべリングなんて場合じゃないぞ)
P「みんな、こいつは分が悪い! 急いで撤退だ!」
ヤスハ「負けたくない、負けたくない……っ!!」
ホタル「だ、だめ……私からますたーを、取り上げないで……っ!」
チヅル「ますたーの力になるんだ……っ、大丈夫、私は出来る……っ!!」
ヒロミ「絶対、絶対……!!」
P「何してるんだ、はや……ッ?!」ゾクッ
――カッ!!
召喚士、P
この時の様子を後にこう語っている
「いやもう、絶体絶命だと思いました」
「1体でも苦戦する中ボス級が3体。おまけに前衛、中衛、後衛がきちんと役割分担された構成だ。対してこちらは術師のみ。結果は火を見るより明らか」
「だから、恥ずかしい話なンですが……俺はイの一番に撤退を指示しました。今でも、あの時の判断が間違っていたとは思っていません」
「ですがね、逃げなかったんですよ、彼女たち」
「俺は仰天しました。今まで指示に従わなかったことなんて一回も無かったあの子たちが、誰一人として動こうとすらしなかったんですから」
「あまりの強敵に正気を失い、揃って棒立ちになってるのかと思いました」
「でも俺は、あの子たちがどういう存在なのかを全く理解していなかった」
「まず、突然光が目に入って――最初は西日でも射したんだと思いました」
「でも直ぐに違うと分かった。それじゃこの全身で感じる怖気を説明できない、ってね」
「瞬間、目の前で爆発が起こった。マジにそう思いました。視界が真っ白になって大気が振動して、俺はこう――背中からひっくり返りました」
「そしたらね、どこからか歌が聞こえてきたんです。四の旋律が四の声音で、思わず聞き惚れて――ああ、いよいよ天の国からのお迎えが来たんだと思いました」
「それが――古ぼけた研究書でしか見たことの無い、失われた秘術だと気付いた時には、もうすべてが終わっていました」
「敵さんのすぐ背後の荒地が、無くなってたんです。比喩じゃなく、誇張でもなく、まるでスプーンでプディングを掬った跡さながらに、さっくりと削り取られていました」
「そんで、ほうほうの態で逃げて行った相手を見送り、こちらに振り返った四人に……強さへの憧れって言うんですかね、ぶっちゃけ飛び付いてキスしたいくらいでしたよ。そしてようやく、理解(わか)りました。その強さ、尊さを」
「それが四大精霊なんですねェ……」
――酒場
チアキ「お久しぶり、さて約束通り今後のことを……と、思ったの、だけれど……」ゾクッ
ノア「……力が収斂されている……調停が、必要? いいえ、まだ見守るべき」ボソボソ
タマミ「男子三日会わざれば、とは言いますが……P殿、特訓でもされたのですか? 纏う気配が、その……尋常ではないような」ビクヒク
P(あの戦闘を機に四人は一変した。たかだか小一時間で蚊トンボを獅子に変化(かえ)る……勝利とはそういうものだった)
――――――――――――――――
チアキ「だいたい分かったわ……ところで、これは私の興味なのだけれど……私たちにも、精霊は見えるのかしら? 意思の疎通は?」
P「出来ないことはないが……ええと」
タマミ「ま、まさか顕現したら、辺り一帯に重大な影響でも?」
P「ええと、その……」
ノア「……?」キョトン
P「……恥ずかしがり屋なんだよ」
チアキ「」ドテッ
P「ちょっと待ってくれ、いま聞いてみるから」
P(チアキさんたちはああ言ってるけれど……どうかな?)コソコソ
ヤスハ(私は……姿を見せる方がいいと思います。パーティとなる以上、お互いの信頼は必要ですから)
ホタル(私も同じです……これからお世話になる方ですから)
チヅル(少し抵抗はあるけれど……必要なことかと)
ヒロミ(うぅ……第一印象、第一印象……)ムムム
タマミ「な、何やらあれだけ見ていると、誰もいない空間に話しかけているみたいで、少々不気味ですな……」
P「よし、みんな大丈夫だな? それじゃ、出てきてくれ」
ポワポワポワポワ……
チアキ「!!」
ノア「……」
タマミ「やや!」
ヤスハ「……は、初めまして、シルフのヤスハです」ペコリ
ホタル「ウンディーネのホタルです……よろしくお願いします」ペコペコ
チヅル「ええ、ええと、ノームの、チヅルよ。迷惑にはならないようにするから……」コクリ
ヒロミ「サラマンダ―の、ヒロミ……頑張るから、よろしくね」フイッ
チアキ「……かわいい」ボソッ
P「……ん? ああ、俺もそう思う」
チアキ「?! や、そ、その、誤解しないでほしいのだけれど、これだけ強大な魔力を保っているから、こう、見た目もさぞや厳めしいのかと思って、ええと……」アタフタ
ノア「……タマミ、私の後ろに」ササッ
タマミ「?」
チアキ「ノア?!」ガビーン
P「うへぇ、ロリコンか」
ヒロミ「ロリコンってなに?」
チアキ「も“お”お“お”っ!!」
P(なにはともあれ)
チアキ が なかま に なった !
ノア が なかま に なった !
タマミ が なかま に なった !
―――――――――荒野
チアキ「ねえ、Pさん」
ヤスハ『――恐怖と共に消えよ! 鳴け! 極限の嵐!』
ホタル『――氷結は終焉、せめて刹那にて砕けよ!』
チヅル『――大地に秘められし、破壊の力よ!』
ヒロミ『――古より伝わりし浄化の炎……落ちよ!』
チアキ「危険がないのは結構なことなのだけれど……」
タマミ「……タマミ達の出番もあまりないですなあ」
ノア「霊素調和の乱れ……いえ、此方では何も確認できていない。本当ほんと」ボソボソ
P「み、みんなガンバリ屋さんだからな……やるからには全力を尽くしているんだ」
P(ウチの精霊様は禁呪レベルの上級魔法をぽんぽん連発し、経験値を総取りしていた)
P(このままではチアキさんたちに申し訳ないし、それに……俺の魔力がもたない)
P(……なにしろ、最近の魔力の供給にはちょっと問題がある。魔力消費が膨大になったというのも勿論だが、一番には、みんなの姿の変化だった)
P(前までぷちサイズだったみんなは、あの一件以来、普通の人間の女の子くらいの大きさになった。その格好で魔力供給するもんだから……)
――――夜 宿屋
ヒロミ「ねえ、ますたー……そろそろ、その」モジモジ
チヅル「っこ、交代の時間、ですよ……だからその、早く……」スリスリ
ヤスハ「ああっ、んっ、や、あっ、ますたっ、ますたあっ、さきっぽ、もっと、吸ってぇ」ビクビクッ
ホタル「ぁ……ご、ごめん、なさいっ、こんなに、つんつん尖らせてぇ、シーツ濡らしてぇ、ごめんなさい……っ!」ビショビショ
P(彼女たちの発言を誤解しないでいただきたい。ここが速報Rではないこと――全年齢向けであることは重々承知。そのうえで、言葉を付けたさせていただく)
ヤスハ「ああっ、んっ、や、あっ、ますたっ、ますたあっ、(ツノの)さきっぽ、もっと、吸ってぇ」ビクビクッ
ホタル「ぁ……ご、ごめん、なさいっ、こんなに、(ツノを)つんつん尖らせてぇ、(ウンディーネの特性で)シーツ濡らしてぇ、ごめんなさい……っ!」ビショビショ
P(どうも精霊というのは、頭のツノが霊素のアンテナみたいなもので、そこを召喚士と接触させることでエネルギー交換の効率がよくなるらしい。その際、人間で言うリンパ的なものが流れて、霊感が昂ってしまうとのことだ)
P(ね? 健全でしょ?)
ヤスハ「あっ! らめっ! ますたっ、しゅきっ、すきぃ……イあぁっ!!」ビクンビクン
ホタル「んふっ、んっんあぅあむっんっンッン……あ……ァ」ジョワ……
P(充填完了)ジュルリ
ヒロミ「あ、ああ……も、もう……だめ、はやく、アソコ、熱いよぉ、ねぇ……」ジリジリ
チヅル「はぁ、はぁ……じ、じぶんで触っても、だめなんれすっ、ますたぁ、ますたぁのカラダじゃないと……ぉ!!」ヌチュヌチュ
P(おっといけない)
ヒロミ「あ、ああ……も、もう……だめ、はやく、アソコ(ツノ)、熱いよぉ(サラマンダ―は体温が高い)、ねぇ……」ジリジリ
チヅル「はぁ、はぁ……(ツノを)じ、じぶんで触っても、だめなんれすっ、ますたぁ、ますたぁの(霊力の素養のある召喚士の)カラダじゃないと……ぉ!!」ヌチュヌチュ ← ノームの泥部分
P(これでよし……それでは)
ヒロミ「ふああああぁ!!」ビクンビクン
チヅル「んにゃあああ!!」ビクッビクッ
――隣室
チアキ「…………」
ノア「…………」
タマミ「…………」
P(翌朝、やつれ切ったチアキさん達から、脱落を告げられた。いわく、『召喚士との旅がこんなに大変なモノとは思わなかった』とのこと)
P(ちなみにノアさんは、『これ以上するとおこられる』とのこと……誰に?)
P(ともかく精霊の生態に対する人間の意識の壁は、まだまだ厚いということのようだ。精霊と人間の融和を目指す俺としては……唇を噛む思いである)
P「チアキさんたちと別れてしまったのは残念だが……まあ、みんな気にしないでくれ。出会いもあれば別れもある、別れもあれば、また新しい出会いもあるさ」
ヤスハ「ごめんなさい、私たちが至らなかったばかりに……」
ホタル「でも、どうしましょう……また、前衛になってくださるような方に、お会いできるといいんですけれど」
チヅル「……ねえ、みんな、私に考えがあるのだけれど」
ヒロミ「……?」
チヅル「私たちが成長する……というのはどうかしら。前衛、中衛、そういった役割分担ができるように」
ホタル「えぇ……? そ、そんなこと、私にはとても……無理です」
チヅル「無理……? この旅は無理なことばかりして来た旅だったわ。無理だとか無駄だとかいった言葉は聞きあきたし、わたしたちには関係ないわ」
ヒロミ「うん……私たちなら、きっと出来るよ。今までも私たちは、変わることができたんだから。ますたーのためなら、大丈夫」
ヤスハ「ええ。精一杯、やってみよう?」
P(なにかみんなが考えてくれているようだ……信頼して、任せてみよう)
P(そういえば、『ADC』の数値がカンストしていた。何か……起こるかもしれない)
―――――――――――――魔王城 魔王の間
まおう「クックック……もう間もなく、杯は贄の血で満たされる。彼の漆黒を纏いて、夜の頂点に君臨する時は近いわ(わーい、もうすぐ貯金箱がいっぱいになるの! あのお洋服を買ってお城でお披露目会をするんだー!)」
バタンっ
じごくのもんばん「か、カワイイボクが報告します!」
ミニデーモン「いちいちカワイイ言わなくていいわよ!」
まおう「何事っ!」
もんばん「討伐隊が城門に到着しております!」
まおう「ほほう……敵の規模は?」
もんばん「召喚士と契約した、精霊4体とのこと!」
まおう「……ックックック、ハーッハッハッハ! 我も舐められたものよ!」
ミニデーモン「ひひっ、それに、アタシたちは前に戦ったことあるけれど、術師ばっかりで全然大したことない相手だったわ!」
まおう「……ただ捻り潰すだけなら容易い。という訳ね」
もんばん「フフーン♪ KBMD(カワイイボクとミニデーモン)のコンビでイチコロです!」
まおう「だがっ、この城まで辿り着いたその努力を称え、魔王四天王で相手してやろう! 門を開けよ!」
まおう「そして……四天王それぞれの部屋へ誘い、敵を分断し、各個撃破せよ!」
ミニデーモン「おおっ、さすが魔王様! 術師には致命的な作戦!アタシ並みの大悪党ね!」
もんばん「巨悪! 悪の権化! 鬼、悪魔、ちひろ!」
まおう「カーッカッカッカッカ!」
まおう「あ、城門と魔王の間の外にセーブポイントは置いてくれた?」
ミニデーモン「抜かりなく!」
まおう「使ってないベッドは?」
もんばん「ボクがカワイくメイキングしておきました! 少し休めば完全回復です!」
――――――――――――――――30分後
もんばん「とととと。突破されました! 間もなくこちらへ向かってきます!」アタフタ
ミニデーモン「ちょとちょとちょっと!き、聞いてないわよあんなのぉ!」ジタバタ
まおう「おおおおおちつけ! な、何が起こった?! 術師ばかりのパーティに、一対一の戦闘は致命的であるはず、なのに?!」ガタガタ
もんばん「それが……」
――――――――――――――――
猫又「呪文を唱える暇なんて与えないにゃ! この素早さには追いつけまいにゃ!」シュンシュ
ヤスハ(……二つの目で捉えているようでは駄目)
猫又「ふっふっふー、戦いとは常に二手三手先を読んで行うものにゃ! 術師がひとりで招き寄せられた時点で……」
ヤスハ(ますたーと一緒に眺めた宇宙(そら)……あの星座の視点で、落としてみせる!)
―――――――カッ!!
猫又「にゃにゃにゃ?!」
プラネットスター・ヤスハ「…………」
猫又「なんにゃ、その格好……ふわふわ浮いてるそれは……ッ?!」ゾワッ
プラネットスター・ヤスハ「――フィン・ファンネルッ!!」バシュンバシュンッ!!
猫又「にゃっ?! にゃっ、やっ、そ、そんにゃの、はんそく……っ」
プラネットスター・ヤスハ「そこっ!」
猫又「ふにゃ……っ」
――――――――ああ、時が見えるにゃ
――――――――――――――――
烏天狗「わたくしに挑む意気はみごとー。故に……神の力で応えませー」ゴゴゴゴ
ヒロミ「神の力……? 行く手に神が立ちふさがるなら……神をなぎ倒して行く!」
ヒロミ(この旅で友達になったみんなの笑顔のため――ますたーのため、私は戦う!)
ヒロミ「おねがい、力を貸して――白龍!!」
――――――――カッ!!
烏天狗「?!」
ド
ンッ★
青眼の白龍「グギャアアアアアアアアアアアアァ!」
守備力 2500
烏天狗「……」ポカーン
※烏天狗のHPは25です
ヒロミ「天駆ける龍の唄を今――!! 『滅びの“爆裂疾風弾”(バーストストリーム)』!!」
烏天狗「で、ででで……!」
――――――――でしてー
ヒロミ「粉砕、玉砕、大喝采!!」
――――――――――――――――
ラミア「ようこそ来訪者! ふふーん、そのお隣の岩石人形(ゴーレム)は、キミの能力かな? 詠唱中の盾だろうけどー、岩石は融通効かないからねー……ところで変わった匂いさせてるねー。何の石使ってるの?」クンクン
チヅル「石の種類の名前? ……よく知らないわ」
ラミア「あのね、何にでも『名前』はあるの。それをないがしろにするようじゃあ……くんくん、花崗岩に安山岩、流紋岩はお決まりとして……おっ、これアダマンタイト? いいねいいねー贅沢だねー! そして……危険なにおいだ、このにおいは! だから……このにおいを消してやる!」バルバルバルバル
チヅル「……何にでも『名前』はあるって言ったわよね。じゃあ私も、名前を付けるわ」
ラミア「え?」
チヅル「――『ストーン・フリー』。あたしは……術師というくびきから自由になる」
チヅル「聞こえた? 『ストーン・フリー』よ……これが名前」
チヅル「オラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
――――――――ヤッダーバァアァァァァアアアアア
バァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
チヅル「やれやれだわ」
/|_________ _ _
〈 To BE CONTINUED…//// |
\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ ~  ̄
――――――――――――――――
わたしと出逢ったあなたは不幸
あなたに不幸は似合わない
あなたを手折り わたしがその座に返り咲く
九尾の狐「それにしてもさー、うちの魔王様甘すぎと思わない? 門番は門開けるためにおんねんとちゃうやろ」
ホタル「はっ、は……ぁ!」ボロボロ
九尾「んー、剣の心得があったのは驚いたけどさ……その鎧、脱いだ方がいいんじゃない? さっきからかすりもしてへんよ?」
ホタル「……すぅ、はぁ、…………よけなくていいです。どうせ、あたりませんから」
九尾「……?」
ホタル「ああでも……『中(あた)る』ことは、あるかもしれません――不幸なことに」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣
ホタル「臥(よこたわ)れ――『悲願白菊(ひがんしらぎく)』」
――――――――なん……やて……
――――――――――――――――
もんばん「――という感じで、各個撃破されちゃったんですよぉ!!」
ミニデーモン「ヤバいわよ! は、早く逃げないと!」
まおう「ひ……退かぬ!! 媚びぬ省みぬ!! 魔王に敗走はないのだー!!」ガタガタ
もんばん「ま、魔王さま……」ジーン
ミニデーモン「……ああもう! バカばっかりね! こうなったらこの部屋に出来るだけ罠でも……」
まおう「し……侵入者どもは?」
もんばん「最後の回廊を通過中ですが――ああでも、途中の小部屋の休憩室を使うかも」
まおう「……クックック、アーアッハッ! それこそが罠よ! まんまと我が顎(あぎと)に掛りおった!」
ミニデーモン「?」
まおう「分からぬか? 消耗した彼奴等が、回復拠点を見逃すはずはない! なればそこに詰め掛けるは必然! そして――そこが墓場となるのだ!」
ミニデーモン「なっるほど! 袋のネズミってワケね!」
もんばん「そうときまれば行きましょう! フフン、侵入者、おそるるに足らず!」
――――――――――――――――
ミニデーモン「……居るわね。間違いないわ」コソコソ
まおう「ククク……そのしとねが、永遠の眠りを約束するとも知らずに」コソコソ
もんばん「フフンフッフ……じゃあ、油断し切ったあの人たちに、カワイク引導を渡してやりましょうっ」コソコソ
まおう「ではさっそく……」
ミニデーモン「……待って、部屋の中でなにか聞こえる……話し声?」キキミミ
もんばん「まだ出し抜けないかもしれません。少し、様子を伺いましょうか」キキミミ
まおう「う、うむ」キキミミ
ミニデーモン「……うん」キキミミ
もんばん「うんうん」キキミミ
まおう「…………ん?」キキミミ
――――――――ああっ、んっ、あんっ!
ミニデーモン「?!」
もんばん「?!」
まおう「?!」
――――――――――――――――
――――おいおいヤスハ。もう立てなくなってるじゃないか。これからが本番だぞ?
…………は、はい。ひっ、んっ。あんっ! も、もっとぉ、ください……っ、
――――ほら、ホタルのココ、こんなにぐっずぐずに濡れちゃってるじゃないか
…………や、やぁ……そ、そんなにしたら、ら、めっ、あっあっ!
――――チヅルも、何だ? これは。こんなにドロドロにして、まともに戦えないだろう?
…………あ、ああっ、ゆ、るしてください……ぃ、だからはやく、はやくキて……ぇ
――――さっきからダメだめ言ってるけれど、熱いココはそうは言ってないぞ?
…………そ、そんなコトぉ……ますた、ますたぁのも……熱いよ……ぉ
もんばん「あ、あ……」カァッ
ミニデーモン「な、なにやってんのよアイツら……」マッカ
まおう「あ、……わわ」マッカッカッカ
――――――――――――――――
☆こたえあわせ
――――おいおいヤスハ。もう立てなくなってるじゃないか(ニュー・タイプに目覚めて日の浅いヤスハは消耗が激しい)。これからが本番(魔王戦)だぞ?
…………は、はい。ひっ、んっ。あんっ! も、もっとぉ、(魔力を)く、ください……っ、
――――ほら、ホタルのココ(魔力核)、こんなにぐっずぐずに濡れちゃってるじゃないか
…………や、やぁ……そ、そんなに(一気に補給)したら、ら、めっ、あっあっ!
――――チヅルも、何だ? これは。こんなにドロドロにして、(正直に疲れたと言っておかないと)まともに戦えないだろう?
…………あ、ああっ、ゆ、るしてください……ぃ、だからはやく、はやくキて……ぇ
――――さっきからダメだめ言ってるけれど、熱いココ(正義の心)はそうは言ってないぞ?
…………そ、そんなコトぉ……ますた、ますたぁの(正義の心)も……熱いよ……ぉ
モバP「…………?! みんな、敵だ!」
もんばん「ば、ばれちゃいましたあっ!」
ミニデーモン「ちょ、ちょっとどうすんの?!」
まおう「…………もうー怒った!! 崇高なる我が居城で不埒な真似に及びおって! その罪、万死に値するわっ! 総員突撃せよ!」バタン
ヤスハ「…………我が喚び掛けに応えよ!」カッ!
ホタル「…………我が喚び掛けに応えよ!」カッ!
チヅル「…………我が喚び掛けに応えよ!」カッ!
ヒロミ「…………我が喚び掛けに応えよ!」カッ!
もんばん「……え」
ミニデーモン「もう、詠唱済んでるじゃん……」
まおう「あわ、あわわわ……」
――――――――舞い降りし疾風の皇子よ! 我等に仇なす、意思を切り裂かん!!
――――――――静かなる意思、粛正の力に変えて! 正義の心、我等に!!
――――――――荘厳なる意思は今此処に! 来たれ、大地の煌めき!!
――――――――我が力、解放せよ! 灼熱と、業火の意思よ! 焼き尽くせ!!
まおう「ひいいいいいいいいいあああああああああああああああああああああ!!!!」
――――――――――――――――
まおう「う、うう……」プスプス
P「終わりだ、魔王……」
まおう「だ、だれか、助けてえーっ!」
P「無駄だ。もうお前を守る騎士はいない」
――――――――いるさっ ここにひとりな!!
P「何者っ!」ガタッ
サチコ「カワイイボクです!」バーン
P「な……術に巻き込まれたハズじゃ……」
サチコ「フフーン!」ファサッ
ヒロミ「ヒュ――、見てよ! あの子の筋肉を……まるでハガネみたい!」
サチコ「対腹パン用に鍛えておいたのが役に立ちました!」ドヤァ
まおう「し、しかしお前の武器はもう……」
サチコ「魔王様には黙っていましたが……サチコ・ガンは心で撃つ!!」バキューン
P「ぐっ……みんな下がれ!」
ヤスハ「わー」トテトテ
ホタル「 わー」トテトテ
チヅル「 わー」トテトテ
ヒロミ「 わー」トテトテ
P(かわいい)ホッコリ
まおう(かわいい)ホッコリ
まおう「……しかし、まだ形勢はあまりに不利だ……ん?」
ミニデーモン「…………ぅ」プスプス
サチコ「まだやれるみたいです! 魔王様、回復呪文を!」
まおう「よ、よし!」
ミニデーモン「ウギャアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオ!!!!」ガクガク
一同「????!!!!!!!!!!!!!!」
ミニデーモン「ッグギ、ガギグッ、ウッウウウウウウウウウウウ……」ビチャビチャバチュバチュ
サチコ「な、な、な、何事ですかぁ?! 魔王様何の呪文かけたんですかぁ!」
まおう「ま、まだ何の呪文も掛けておらぬ!」
P「なんかヤバいぞ……どんどんデカく、凶悪な感じに……」ゴクリ
デーモン「…………ウゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
P「フ○ム作品のボスみたいなヤツになった!!」ガビーン
まおう「お、おお……そなたも、このような力を隠し持っていたとは……! 素晴らしい、素晴らしいぞ!! これで戦える!!」
デーモン「…………ウゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
(コロシテ、コロシテ…………)
P「ちょっと待ってこの変身隠してたって言うか勝手に改造とかされてないよな?!」
???「科学ノ発展ニ犠牲ハツキモノデース」
P「ほら今黒幕みたいなやつのモノローグ聞こえた!!」ガビーン
――――――――――――――――
P「くそ……みんな、よくわからんが、やるしかない! 覚悟はいいか?!」
ヤスハ「もちろんです!」
ホタル「私たちは……ますたーと共にあります!」
チヅル「絶対に、止めてみせる!」
ヒロミ「みんな、行くよ!!」
魔王「――――――――――――――――来いっ!!!」
やめて! ヒロミの白竜の特殊能力で焼き払われたら、闇のゲームでモンスターと繋がってるレイナの精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないでレイナ!あんたが今ここで倒れたら、魔王様やサチコとの約束はどうなっちゃうの? ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、召喚士に勝てるんだから!
次回、「レイナ死す」。デュエルスタンバイ!
これで終わりです。
お読みいただいた方ありがとうございました。
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