タイトルの通り、主春です。
ベッドの中で豹変する女の子っていいなあって思います。
主人公の名前は 来栖暁(くるすあきら)にしています。
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私――奥村春がここまで彼を求められるようになったのは、シルバーウィークで彼が帰ってきたのがきっかけだった。
それまでは、互いにいろいろ悩んでいた。だってどっちも初めて同士だったから、どうすればいいなんてわからなかったから。
来栖暁(くるすあきら)は、ひそかに悩みを抱えていた。だれかれ構わず話せるような悩みでもない。
だからとりあえず、相棒のモルガナに相談してみた。
「春がお前を嫌がってる?」
黒猫に白い手袋と靴下をはかせたような愛らしいネコだが、ネコと呼ぶと怒る。カリカリは食べるんだけどな。
「んなわけないだろう、会う度に幸せオーラ全開じゃねえか」
まあ傍目にはそう見える。
だが暁は男で春は女で、だからどうしようもなくわからないことが存在していた。
「その、春と……」
その事実を認めて言葉にすることに、多少の時間を要した。
「春は俺と寝るのを嫌がってる気がする……」
モルガナは目を丸くした。
「……うーん」
モルガナもそういう方面の知識はかなり疎い。だってネコだし。理解しているだけでびっくりだ。
「まずなんでそう思うんだ?」
「その、行為よりも……腕枕とかしているときの方が幸せそうに見えるっていうか。ぶっちゃけ反応が鈍い」
「ぶっちゃけたな。でもそうか」
モルガナは思案する顔になった。
「春はあの元婚約者から嫌な目に遭っていたことがある。なおかつその嫌な奴と結婚まで決まっていて、それを会社のためならと我慢できる」
相棒は嫌な可能性しか指摘しなかった。
「お前のためならどんなことでも我慢できるだろうな」
やっぱり、そうか。
「なあ、これは結構深刻な悩みじゃないか? 女性にも相談、できればいいんだが……うーん」
双葉には無理だし、杏が一番詳しそうだが杏も進路で大事な時期だ。となると必然的に、
「真に相談してみるか。ちょっと怖いけどな。真面目な話なら理解するだろ」
うちのリーダーから相談があると深刻なトーンで電話がかかってきたのはさっきのこと。
「ちょっと待ってね」
いったん保留にした。
「わーわーわー! ……よし、もう取り乱さないー!」
向こうは真面目に相談しているのだから、わあわあきゃあきゃあいうのは失礼すぎる。何より真にとっても友達である春のためなのだ。
「はい、大丈夫。うーん、事情は分かったけど」
反応が鈍い、と言われても漠然としている。というか怪盗団の女性陣の中でいま最も詳しいのは春になっている――つまり経験があるのは春だけということになっている。好奇心がないと言ったら嘘になるのだけど、きちんと聞いたことはない。
「その、モルガナが言った我慢している可能性っていうのはあると思う。女の子って、好きだからと言って……Hなことまで好きわけじゃない子も多いみたいだし」
可能性、あると思う、みたいだし。自分じゃそのぐらいのことしか言えない。
情けないけど、自分じゃ春の気持ちはわからない。
「杏にも聞いてみましょう。同時通話で私も参加していい?」
杏が出るかどうかはわからない。ただ出たら絶対に協力してくれる。
プー、プー、
『もしもし? どしたの?』
「ああ、暁、あなたは説明しなくていい。えっとね、杏、まじめに聞いてほしいんだけど」
――説明――
『わ、う、うん。……進んでるね……』
「本当に……」
怪盗団の中では春が一番後輩で、力を疑っていたわけじゃないけど常に何かあったらフォローを考えていたのに、今は完全に先を越された感があった。まあそれは、暁と付き合うことになった時点でわかっていたけど、悔しさとは違う敗北感がある。
『その、二人ともこういう話付き合わせてごめんな』
『それは気にしなくていいから。でも、うーん』
杏も悩んでいた。人のトラウマを引っ張り出しかねない話だけに慎重にならざるを得な、
『本人に直接聞くしかないんじゃない?』
『でも、春はすごい嫌な話なんじゃ』
『そうとは限らないでしょ。こういう話って、ライトに聞かれた方がむしろ話しやすいかも』
私に任せて、と杏は頼もしく言うと通話を切った。行動の早い杏だから、すぐ春にかけたんだろう。
「頼りなくってごめんね」
一番にかけてきてくれたのに、その言葉は黙っておいた。
暁くんどうしてるかな。チャットで聞いてみようかな。でも勉強中だったら迷惑かも。
ある意味幸せな悩みだよねと思いつつ、それでも会えない寂しさは募る。今度のシルバーウィークで私が彼のうちまで行くけど、それまでは極力、受験勉強の邪魔をしないように連絡を取らずにいた。
プルルルル、
「杏ちゃん?」
またおしゃべりがしたくなったのかな、と思って春は付き合うことにした。惚気に思われそうだけど悩みを聞いてほしかったし。
『もしもし、春?』
「杏ちゃん。勉強の方はどう?」
『英語は楽勝なんだけどさー』
他愛もない会話をしているけど、何か様子が違う気がする。電話越しでもあまり楽しそうじゃないのがわかる。
「何か悩みでもあるの?」
『ぶえ!? え、えっと』
明らかに狼狽していたけど、息を吐いて真剣なトーンで話し始めた。
『……あのね、春。これは友達の話なんだけど、私の周りにはそういう経験してるのって春しかいないから……』
そういう経験?
『男とその、寝たことがあるの』
「」
一瞬間を空けてしまったけど、まじめな話なんだから聞かないと。
「う、うん。大丈夫。何でもは答えられないけど、大丈夫。真面目に考えるから」
『あ、ありがとう。えっとさ、変な話だけど。えっとね、ぶっちゃけHって気持ちいい?』
「え、ええ? う、うん、多分」
『多分?』
あら、以前は書けませんでしたか?
すみません、じゃあ削除依頼出しておきます。ご指摘ありがとうございます。
申し訳ないです、以前は分けられてなかった気がしたので。
【ペルソナ5】Do not deny my Noir.【R18】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1503400321/l50)
こっちに立てなおしました。
ここに投下した分はR18部分じゃないのでそれが救い……にはならないですね、申し訳ありませんでした。
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