【モバマス×地獄少女】橘ありす「地獄のU149」 (109)

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※宵伽6話ネタバレ注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503243073

こんにちは、橘ありす改め妖怪のタチバナです

私はかつてアイドルをしていた女の子だったのですが、諸事情により命を落とし、妖怪へと転生してしまいました

行き場がなくなった所を地獄少女、閻魔あいさんに拾われ、彼女の仕事である「地獄流し」を手伝うことになりました

そして私は今、とても面倒な目にあっています

ここは常に夕暮れの我々の住処

きくり「あ~り~す~」グイグイ

タチバナ「・・・・・」ポチポチ

きくりさんが私に構ってほしくてスカートを引っ張ってますが、私は無視してタブレットを弄っている

きくり「無視すんな~!えいっ!」ガシッ

タチバナ「あっ!」

きくり「も~らった~♪」

きくりさんはわたしのタブレットを奪って走っていきました

タチバナ「か、返してください!」

きくり「それならここまでおいで~♪」

タチバナ「この・・・」

タタタ・・・

私達は夕暮れの庭で追いかけっこをしていました

こうなったのも・・・山童のせいです

最近、ミチルという女の子が我々の仕事に茶々をいれていました

お嬢さんが言うにはかつて理不尽な目に遭って死んだ魂だとか・・・

そして、お嬢さんは彼女を新たな地獄少女にしようとしていた

一応その目論見は成功し、山童は彼女の従者となりいなくなってしまいました

お陰できくりさんの鬱憤が私に回ってきて迷惑してるんですよ・・・

きくり「きゃはははははははは!!!」

タチバナ「この・・・」スウウ・・・

私は大きく息を吸い込み

タチバナ「はあああああああああああっ!!!」ビュオオオオオオオオ

パキパキパキ・・・

吐き出した、するとみるみるうちに地面が凍りはじめた

きくり「え・・・わわわっ!」ツルン

ステーン!

きくりさんは滑って転び、タブレットを手放した

タチバナ「よっと」パシッ

私はやっとタブレットを取り返しました

さっきの氷の術以外の術はこれがないと使えないのです

骨女「まったく、何やってんだか・・・」

輪入道「いいじゃねぇか、仲の良い姉妹みたいでよ」

一目連「そうだな」



あい「・・・一体何を騒いでいるの?」スッ

一目連「あ、お嬢駄目だ庭に出ちゃ・・・」

あい「・・・え?」ツルッ

スッテーン

タチバナ「あ、すみません!大丈夫ですかお嬢さん・・・」

あい「え、ええ・・・」

タチバナ「あ・・・」

あい「どうしたの?」

タチバナ「い、いえ・・・」

お嬢さんは滑って転んだ拍子にスカートが盛大に捲れて・・・

きくり「あー!あいパンツ丸見えだー!!!」

あい「!?」

あい「・・・///」

お嬢さんは顔を赤くしている、可愛い

あい「・・・見た?」

三藁「・・・・・」フルフル

あい「・・・タチバナ」

タチバナ「み、見てませんよ・・・」

あい「・・・本当に?」ジロッ

タチバナ「うっ・・・」

お嬢さんの鋭い眼光に怯んでしまいました

タチバナ「・・・紐パンは早いと思いますよ」

あい「・・・やっぱり見たのね」

タチバナ「すみません・・・」

あい「着物着る時脱ぎやすいのよ」

タチバナ「左様ですか・・・」

あい「それで、何で庭が氷漬けになっているの?」

タチバナ「あ、それはですね・・・きくりさんが・・・」

きくり「ありすがいじめるんだよー!!!」

あい「・・・・・そう」

タチバナ「いじめてませんしむしろこっちが被害者ですしありすって呼ばないでください!」

あい「・・・・・」

タチバナ「お、お嬢さん?」

あい「タチバナ」」

タチバナ「はい」

あい「左遷よ」

タチバナ「はい」





タチバナ「え・・・えええええええええええっ!?」

後日、私ときくりさんは街中を歩いていた

「彼女」を探すために

きくり「ありすー!はやくはやく!」タタタ・・・

タチバナ「待ってくださいきくりさん!それとありすって呼ばないでください!」

きくりさんも、「彼」に会うのが楽しみなようだ

きくり「ホントに場所わかってんのー?」

タチバナ「ええ、このタブレットの人外探索機能を使えば・・・」

きくり「おー」

タチバナ「私達が今ここ・・・2人で移動してるのがこの先にいますね」

きくり「じゃあレッツゴー!」

タチバナ「はいはい」







タチバナ「ん?他にも彷徨える魂が・・・今は関係ないですね」

ほどなくして、彼女達は見つかった

ミチル「・・・・・」

タチバナ「・・・・・」



きくり「わろわろ~!!!」バッ

山童「ひ、姫・・・」

タチバナ「はじめまして、でいいですよね、あまり話しませんでしたし」

ミチル「・・・何しに来たの」

おやおや、いきなり警戒されてますね

タチバナ「お嬢さんに言われて、しばらくあなたの下で働くことになりまして・・・」

ミチル「・・・解雇?」

タチバナ「違います!」

~回想~

タチバナ「ミチルさんの所?」

あい「そう」

タチバナ「何か私に不満でもあるんですか?」

あい「まずその態度がいただけないけど・・・あなたは力を持て余してる・・・」

タチバナ「そうですかね?」

あい「あの子の下にいれば何か得るものがあるかも・・・頑張ってね」

タチバナ「はぁ・・・」

~回想終わり~

タチバナ「というわけで、甚だ不本意ですがよろしくお願いしますね」

ミチル「・・・好きにすれば」

タチバナ「むっ・・・」

この人・・・お嬢さん以上にやり辛いかもですね・・・

きくり「わろわろ~久々に遊べ~!!!」

山童「ちょ、ちょっと姫・・・」

ミチル「しばらく遊んできていいよ」

タチバナ「どうぞごゆっくり」

山童「・・・・・はい」

そう言って、2人はどこかへ行ってしまった

タチバナ「ふぅ、やっと肩の荷がおりました・・・」

ミチル「そうなの?」

タチバナ「山童がいなくってからというのも、あの子の鬱憤が全て私に向けられましたからね」

タチバナ「スカートずり下げられたり、水ぶっかけられたり、タブレット隠されたり・・・」

ミチル「なんか・・・ごめんね・・・」

タチバナ「そういうあなたも、こういうとこ興味あったんですね」

ミチル「・・・・・」

ワイワイガヤガヤ

彼女達を見つけたのはゲームセンターだった

ミチル「私の時代にはこんな騒がしい所なかったから・・・」

タチバナ「なるほど・・・」

タチバナ「よければ色々教えましょうか?」

ミチル「え・・・」

タチバナ「私もこういう所にはあまり来たことはなかったのですが・・・この時代で生きるのならば色々知っておいたほうがいいでしょう」

ミチル「まぁ、あなたがそういうのなら・・・」

タチバナ「じゃあ行きましょうか、ミチルさん」

ミチル「うん、えっと・・・ありすさん?」


タチバナ「・・・タチバナです」

タチバナ「ほら、この銃をゾンビに向けて・・・」

ミチル「こ、こう?」スチャ

タチバナ「撃て!」

ミチル「えい!」パン

ギャアアアアアアア

ミチル「や、やった・・・」

タチバナ「その調子でいきましょう」

ミチル「うん」



ギャアアアアアアア

ウワアアアアアアアア

ワタシハフメツダアアアアアアアア

その後クレーンキャッチャーもやりました

ポロッ

ミチル「あ・・・」

タチバナ「風鈴持ったぴにゃこら太人形・・・手ごわいですね・・・」

ミチル「でも絶対取る・・・」

タチバナ「その意気です!」

その後2000円使って何とか取りました

その後、ダンスゲームもしたりしました

タチバナ「ふぅ・・・杏さんの歌って案外ハードなんですよね・・・」

タチバナ「まぁでもいい運動になりました、ねぇミチルさ・・・」

ミチル「」チーン

タチバナ「・・・・・」


タチバナ「地獄少女って体力ない人ばかりですね・・・」

ミチル「お、男の子3人から逃げるくらいの体力はあったのに・・・」ゼェゼェ

タチバナ「そうですか、そろそろ小腹も減ってきましたし出ましょうか」

ミチル「うん」

タチバナ「いい店があるんですよ」

ミチル「店?」

タチバナ「私達のような人でも受け入れてくれる・・・ね」

そして私達は喫茶店「USAMIN17」を訪れた

カランカラン

菜々「いらっしゃいま・・・あ」

タチバナ「お邪魔しまーす」

ミチル「・・・・・」ペコ

菜々「・・・もう2度と会わないんじゃなかったんですか?」

タチバナ「あれは社交辞令ですよ、本気にしてたんですか?」

菜々「そうですか・・・」

タチバナ「それに、この辺ではここにしかいちごパスタは置いてませんしね」

ミチル「・・・・・」

菜々「おや、あなたは・・・」

ミチル「私は・・・」

菜々「いえ、深くは聞きませんよ、ありすちゃんと一緒にいる時点でワケアリの子みたいですしね」

タチバナ「それはどういう意味ですかね?」

菜々「そのままの意味ですよ」

ミチル「・・・・・」









菜々(あの子・・・昔燃えた村にいた・・・まさかね)

そんなこんなで私達は席についた

菜々「ご注文は?」

ミチル「えっと・・・」

タチバナ「いちごパスタとカフェオレ2つずつで」

菜々「かしこまりました~」

ミチル「」

ミチル「わ、私まだ頼んでな・・・」

タチバナ「どうせこういう店始めてでしょう?私に任せてくださいよ」

ミチル「・・・あいにもそういう態度とってるから解雇されるんじゃないの?」

タチバナ「解雇じゃありません!左遷です」

ミチル「そんな違わないような・・・」

タチバナ「大体お嬢さんときたら無口で不愛想で何考えてるかわかりませんし・・・」

ミチル「不満だらけ・・・」

タチバナ「いつもセーラー服か和服だしパソコンは古いし駄洒落は寒いし・・・」

ミチル「・・・・・」

タチバナ「肌は白いし髪は綺麗だしお仕置きコントの時のコスプレは可愛いし・・・」

ミチル「・・・あれ?」

タチバナ「この間覗き見した行水してた所も色っぽかったし、たまにからかって赤面した顔もメチャクチャ可愛いんです!」

ミチル「・・・・・」ボーゼン

タチバナ「とにかくお嬢さんときたら・・・」ブツブツ

ミチル「わかった、もういい」

タチバナ「わかっていただけましたか」

ミチル「あなたがあいの事を大好きだって事が」

タチバナ「違います!」

タチバナ「そりゃあまぁ最初は成り行きで地獄流しを手伝ってきましたけど・・・」

タチバナ「付き合ってるうちに同じ女の子の私からみてもお嬢さんは可愛いというか儚げというか・・・」

タチバナ「そこにクールさも加わり愛おしいとか全然思ってませんからね!」

ミチル「もう喋らない方がいいよ」

タチバナ「え?」

ミチル「もうフォロー不可能なレベルまで本音駄々洩れだから」

タチバナ「ハッ!?」ビクッ






タチバナ「うう・・・私のハートはもうボドボド・・・いえボロボロです・・・」

ミチル「あの子も幸せ者ね、そうやって慕ってくれる部下がいるなんて」

タチバナ「そうですね・・・あんな復讐代行なんて胸糞な仕事に付き合ってくれるなんて皆さん物好きですよ」

ミチル「あなたもその1人」

タチバナ「・・・返す言葉もありませんね、あ、ここにお嬢さん隠し撮り映像があるんですが・・・」

そう言って私はタブレットの画面を見せた

ミチル「見たい」

タチバナ「まずこれが私の方が胸大きい事に気付いて若干ショック受けてるお嬢さんの顔で・・・」

モバP「千川ちひろ」

閻魔あい「この恨み地獄へ流します」

千川ちひろ「常務さんも武内さんも本田未央さんの地獄に要る」

不人気共「地獄は嫌だ―」

??「にょわー☆いちごパスタお待たせしましたにぃ☆」

そうこうしているうちに料理が来たようです

タチバナ「ってこの声は・・・」

ミチル「どうしたの?」

間違いない、この喋り方、女性にしては大柄な体躯・・・

タチバナ「きらり・・・さん?」

「あの事件」で私の同僚だったアイドル達は殆どお亡くなりになってしまいました

しかし、菜々さんのように諸事情でその場にいなくて難を逃れた方達もいました

その日風邪をひいていた杏さんを看病していたきらりさんもそのうちの1人でした

まぁ、皆さんアイドルを辞めて行方知れずになってしまいましたが

まさかこんな所で会うなんて・・・

きらり「お客様、どうかしましたかにぃ?」

タチバナ「ああいえ何でもありません」

そうでした・・・きらりさんの中では私は「死んだ」扱いになってるんですよね・・・

きらり「それではごゆっくり~☆」

タチバナ「それでは・・・いただきます」ズルズル

私はいちごパスタを食べ始めた

あっという間に完食すると、私は席を立った

ミチル「どうしたの?」

タチバナ「すぐ戻りますから食べていてください」

タタタ・・・

ミチル「あ・・・」

ミチル「とにかく食べよう・・・・」ズルズル





ミチル「あんまりおいしくない・・・」ゲフ

私は菜々さんをみつけると店の裏手に呼び出した

菜々「な、何ですか?代金ならツケにできませんよ」

タチバナ「そうじゃないです、何できらりさんがここで働いてるんですか」

菜々「ああきらりちゃんね、アイドル辞めてから杏ちゃんと2人で暮らしていてね・・・」

タチバナ「ふむふむ」

菜々「働かない杏ちゃんの分まで働いてるそうですよ」

タチバナ「そうだったんですか・・・」

菜々「何でもきらりちゃんバイト4つくらい掛け持ちしているとか・・・」

タチバナ「大丈夫なんですか?それ」

菜々「まぁ本人は元気そうですし・・・杏ちゃんもあの日以来病気がちだっていうから・・・」

タチバナ(それは本当なんですかね・・・)

菜々「ま、とにかく何かあったら注意しておきますよ」

タチバナ「そうして下さい」

その後、私はミチルさんの元に戻った

ミチル「どこ行ってたの?」

タチバナ「いえちょっと・・・って全然食べてないじゃないですか」

ミチル「あんまり口に合わなくて・・・」

タチバナ「じゃあコレワタシガタベテモイイデスカ?」

ミチル「・・・どうぞ」

そして、私達が外へ出ると

きくり「あー楽しかった」

山童「」ゲッソリ

タチバナ「大変だったみたいですね・・・」

ミチル「・・・・・」


ヒュウウ・・・



ミチル「風向きが変わった・・・そろそろ仕事が始まるかも」

その後、ここは杏ときらりが住むアパートの一室

ガチャ

きらり「ただいま・・・」

コツン

きらり「いたっ」

入って早々ビールの空き缶を投げつけられる

杏「遅いよきらり、杏もうお腹ペコペコだよ~」

きらり「ご、ごめんね・・・」

きらり「すぐに準備するからにぃ☆」

杏「ったく、トロいんだから」

杏「後、その喋り方いい加減ウザいからやめろって言ったよね?」ポイ

コツン

きらり「いたっ・・・ゴメンね」

杏「さて、できるまでもう一狩りするか」

杏はそう言って手伝いもせずにゲーム画面に目を戻した

きらり「・・・・・」

そして、時刻は午前0時・・・

杏「グーグー・・・」

きらり「・・・・・」カチカチ

きらりはパソコンを操作し「地獄通信」にアクセスする

あなたの恨み、晴らします

~地獄通信~

きらり「ここが・・・」ゴクリ

カチカチ

彼女は記入欄に「双葉杏」と入力した

きらり「・・・・・」ドキドキ

そして、送信ボタンを・・・

きらり「・・・やめよう」

押さなかった

きらり「もっときらりが頑張ればいいだけ・・・」

きらり「そうすればきっと杏ちゃんも笑顔を取り戻してくれるにぃ☆」

きらり「じゃあもっとバイトを増やして・・・」

きらり「また一緒にハピハピしようね☆杏ちゃん」








杏「・・・・・」

杏(そろそろかな・・・)

そして、その様子をタブレット画面から見ている者達が・・・

タチバナ「押しませんでしたね」

ミチル「うん」

きくり「けっ、デカいくせにコンジョーナシが!」

山童「ちょ、ちょっと姫・・・」

言うまでもなく、新地獄少女一団である

ミチル「誰も流されないに越した事はない、これでおしまいだね」

山童「そうですね」

きくり「つまんねーのー」

タチバナ「・・・・・」

ミチル「知り合いが流されなくてよかった・・・って思ってる?」

タチバナ「お、思ってませんよ、私はもう人の理を離れた存在・・・彼女達とは違うんです」

ミチル「・・・そう」

タチバナ「さて、何もないんなら帰りますよ!」






ミチル「これで・・・終わりだといいけど」

後日、とあるコンビニにて

きらり「よーし!今日もアルバイト頑張るにぃ☆」

ウィーン

きらり「あ、いらっしゃいま・・・」

強盗「お前ら大人しくしろぉ!」

きらり「!」









バキューン!

一方その頃、杏ときらりの家

杏「本当ですか!?ありがとうございます!」

杏は電話で会話をしていた

杏「ふふふ・・・あーっはっはっはっはっは!!!!!」

杏「ついに・・・ついに内定がとれたぞ!」

杏「ここまで長い道のりだった・・・」

杏「きらりに内緒でコツコツ就活すること1年・・・」

杏「ついにここまできた・・・」

杏「あえてきらりに冷たい態度をとっていたのもサプライズのため・・・驚くだろうな」

杏「給料もいいし、これからはきらりに楽させてやれるな!」

ピピピ・・・

杏「ん?電話?まさか内定取り消しとか・・・」

杏「はいもしもし・・・」

杏「はい、確かにきらりさんの同居人ですが・・・」

杏「え、きらりが・・・」

ガタッ

そのニュースは、地獄少女達にも伝わっていた

タチバナ「コンビニに強盗が押し入るも、1人のアルバイト店員が他の店員や客の盾になり皆を逃がすことに成功・・・」

山童「でも、その店員・・・きらりさんは銃で撃たれ死亡、犯人も逃亡中・・・」

きくり「デカブツ・・・・・」

ミチル「・・・・・」

そして、物言わぬきらりの前に立つ杏

杏「きらり・・・」

杏「馬鹿だな・・・いくらきらりがデカいったって銃に勝てるわけないじゃん・・・」

杏「まったく、杏がポリシー曲げてまで頑張ってきたのに無駄になっちゃったよ・・・」

杏「ホントに・・・バカ・・・」グスッ

杏「いや、本当にバカなのは杏の方だ・・・」

杏「最初から就活頑張ってますよって言っとけばここまで無理することもなかったのに・・・」

杏「何がサプライズだよ・・・今の状況の方がよっぽどサプライズだっつーの」

杏「・・・ゴメン」

杏「う、うう・・・」





杏「うわああああああああああああああああっ!!!!!」

杏「うう・・・」ボロボロ

ひとしきり泣いた杏、すると別の感情がふつふつと湧き上がってきた







杏「ダレガキラリヲコロシタ・・・」

気づくと、時刻は0時を回っていた

杏「・・・・・」カチカチ

杏はスマホを操作し、地獄通信にアクセス、「きらりを殺した奴」と入力し

ポチッ

送信ボタンを押した

すると、夕暮れの・・・朽ちた電車の前に移動していた

杏「ここは・・・」

ミチル「呼んだ?」

杏「!」

杏の前には緑の服を着た少女が立っていた

杏「アンタが・・・地獄少女?」

ミチル「・・・・・」コクリ

杏「おかしいな・・・ネットの噂だとセーラー服着た黒髪ロングだって・・・」

ミチル「それは・・・」

杏「本当にアンタが・・・ん?」

タチバナ「・・・・・」

杏「あ、ありすちゃん?」

タチバナ「ご無沙汰してますね、杏さん」

杏「え、だってありすちゃんは・・・」

タチバナ「・・・・・」

杏「そっか、そういう事か」

杏「本来はいないありすちゃんがいるって事は、やっぱりアンタが地獄少女なんだね」

ミチル「うん」

ミチル「・・・ありす」

タチバナ「タチバナです!わかりました、ミチルさん」ピッ

パキパキパキ・・・パリン!

タチバナがタブレットを操作すると彼女は藁人形に変化した

ミチル「受け取りなさい」スッ

杏「・・・・・」

ミチル「貴方が本当に恨みを晴らしたいと思うのなら、その赤い糸を解けばいい」

ミチル「糸を解けば、私と正式に契約を交わしたことになる、恨みの相手は即座に地獄に流される」

杏「・・・・・」

ミチル「ただし、契約を交わしたら、貴方にも代償を支払ってもらう」

杏「!」

ミチル「人を呪わば穴二つ、契約を交わしたらあなたの魂も地獄へ落ちる」

杏「地獄・・・」

ミチル「後はあなたが決める事・・・」

杏「地獄か・・・上等」

杏「きらりを殺した奴を落とせるなら、杏がどうなろうと・・・道連れにしてやる」

ミチル「それは駄目」

杏「!」

ミチル「あなたは・・・生きなきゃ駄目、あの子の分まで・・・この世界で生きなきゃ・・・」

ミチル「それが・・・あなたへの罰」

タチバナ(藁人形)「・・・・・」

杏「ハハ、そりゃ地獄・・・」

杏「きらりのいない世界で生きるなんて、最大の地獄だね、それは重すぎるよ・・・」

ミチル「・・・・・」

杏「でも、そうしないと前に進めないなら・・・」

タチバナ「杏さん・・・」

杏「きらり、見ててよ」シュル





タチバナ「恨み、聞き届けたり」

強盗「ヒヒヒ・・・そろそろ次のコンビニを・・・」

フッ

強盗「え?」





タチバナ「お仕置き№139、「働いたら負け」始めます」

気が付くと、男は狭い部屋で布団に寝かされていた

強盗「な、何だこれは・・・」ググッ

強盗「お、起きられない・・・何でだ!?」

それもそのはず、布団の上には200㎏の重りが乗せられているのだから

強盗「お、重い・・・」

タチバナ「起きちゃ駄目ですよー、起きて・・・働いたら負けですから」

強盗「何を言って・・・」

タチバナ「おや、まだ労働意欲があるんですか?では・・・」

タチバナはタブレットを操作した

タチバナ「200㎏」

ズシン

強盗「ぐわあああああああああ!!!!!」

タチバナ「ふぅ・・・少し暑くなってきましたね・・・フゥッ!」

パキパキパキ・・・

強盗「さみいいいいいいいい!!!」

タチバナ「ニートといえば冷房でしょう、情けないですね・・・300㎏」

ズシン

強盗「ぐわあああああああああ!!!!!」

山童「そんなに寒いなら・・・」

きくり「アツアツおでんをくらえー!」ベチャッ

強盗「あぢいいいいいい!!!!!」

タチバナ「ギャーギャーうるさいですね・・・500㎏」

ズシィン

強盗「ぎゃああああああああ!!!!!」

強盗「た、助けてくれ・・・」

タチバナ「・・・だそうですよ、ミチルさん・・・」

ミチル「・・・・・」

強盗「え?」

男の前に現れる着物姿のミチル

ミチル「天に背きし哀れな影よ」

ミチル「人の痛みに瞼を閉ざし」

ミチル「過ち犯せし咎の魂」

ミチル「いっぺん、死んでみる?」




タチバナ「1t」

ブチュッ

強盗「うわああああああああ!!!」

~三途の川~

強盗「」

ミチル「この恨み、地獄に流します・・・」

その後、杏のアパートでは

杏「これでよしっと、さらば、昔の杏」

そう言って杏はトレードマークであった「働いたら負けTシャツを押し入れの奥にしまった」

杏「おっと、そろそろ会社に行かないと・・・」

杏「・・・行ってきます、きらり」

そう言って、スーツに身を包んだ杏は出かけていった

胸に、契約の刻印を刻んで

タチバナ「杏さん・・・こういっちゃ悪いですけどスーツ似合ってませんよ・・・」

きくり「きゃははは!たしかに~」

ミチル「帰るよ、山童」

山童「はい」

フッ

タチバナ「ねぇミチルさ・・・っていない!?」

きくり「わろわろも!くっそ~逃げたな!」

タタタ・・・

タチバナ「あ、ちょっと!」

きくりさんもどこかへ走っていってしまいました

あい「あなたも・・・ついて行ってよかったのに」

タチバナ「お嬢さん・・・いつの間に」

あい「あの子はまだ心配だから・・・」

タチバナ「私にもあの子のサポートをしろと?だから・・・」

あい「・・・・・」コクリ

タチバナ「冗談が過ぎますよ、お嬢さん」

あい「?」

タチバナ「私はお嬢さんがとーーーーーーーっても気に入ってるんです」

タチバナ「だから、他の人の所に行くなんてありえないんですよ」

あい「タチバナ・・・」

タチバナ「さて、そうとわかったらきくりさんを追いかけますよ」

あい「・・・うん」ニコ

タチバナ「あ、今笑いました?」

あい「・・・笑ってない」

タチバナ「あ~写真撮り損ねました・・・残念」

あい「他の写真もすぐに消しなさい・・・それに」

タチバナ「それに?」





あい「お尻は私の方が大きい」

タチバナ「それは喜んでいいんですかね・・・」

そう話しながら、私達は雑踏の中へ消えていきました

思えば、この時ちょっと油断してたのかもしれません

あの時レーダーに写った、彷徨える魂・・・

アレに気を配っていれば、あんな事態を起こさずに済んだのかもしれません・・・

??「ククク・・・ついに見つけたぞ!」

??「我が宿敵、地獄少女・・・」

??「我が漆黒の力で、貴様を地獄に送ってやる!」

??「フハハハハ!!!闇に飲まれよ!」






あい「あなたの恨み・・・晴らします」

~次回予告~

タチバナ「名前は?」

??「神崎・・・いや我が名は漆黒の女王ブリュンヒルデ!」

タチバナ(・・・めんどくさっ)

ブリュンヒルデ「憎き地獄少女・・・待っていろ」

ブリュンヒルデ「我が魔力、とくと味わうがいい!」

タチバナ「待ってください、お嬢さんを倒したいのなら・・・」

タチバナ「私が・・・相手です」


あい「次回、地獄少女VS漆黒少女・・・」

~おわり~

これで終わりです
新生地獄少女ミチルちゃんも中々様になってました(心変わりした経緯はどうなってたのかは気になるが)
5期あるのかな・・・

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