ガヴリールドロップアウトのSSです
ある日の放課後
下校するヴィーネとサターニャ
サターニャ「だーーー!今日はまたガヴリールのやつにやられたわあ!くそ!くそ!何なのよいつもいつもっ」
ヴィーネ「…その反応…アンタまたガヴリールに何かしたの?サターニャ」
サターニャ「いやどうもこうもないわよっ、実は今日の朝さあ…」
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……今朝のはなし
学校の下駄箱前
サターニャ『くっくっく…ガヴリールの上履きをゲタにすりかえてやったわ…くっくっく…我ながら最上級の悪魔的行為…
登校してきたガヴリールの狼狽する姿が目にうかぶわ…』
サターニャ『って、あ!ガヴリールのやつが登校してきたわねっ、ふふ…影で様子をみといてやるわ』
下駄箱前
委員長『おはよ、天真さん』
ガヴリール『おはよ、インチョ…ふわあ、今日も貴重な時間を学校さまにささげますかね』
ぱかっ
下駄箱を開くガヴリール
ガヴリール『…………………』
遠くからガヴリールの様子をうかがうサターニャ
サターニャ『わくわく…わくわく…!』
………
ガヴリール『ふわあ…ねむ…』
からーん、ころーん からーん…
サターニャ『って、またんかいっ!!』
ガヴリール『あん…?何だよアホ悪魔…』
サターニャ『どうもこうもないわよっ!!
な、なにふつうにゲタ掃いて教室行こうとしてんのよっガヴリール!そんなもんで廊下歩いたら足音がうるさくて敵わないでしょうが、
みんな不思議な顔してアンタのことみてるわよっ!!!バカなの!?ほんとバカなんじゃないのアンタ!』
ガヴリール『はあ…』
ガヴリール『やっぱりお前の仕業だったか…このアホ悪魔!!』
サターニャ『は、し、しまったあ!!』
………
………
……………
回想おわり
サターニャ「ってな感じで犯人が私ってことがバレてこの後めちゃくちゃ怒られたわ」
ヴィーネ「いやもう、もはやどこからツッコんでいいかわからないわ…」
サターニャ「くそ…今日という今日はガヴリールの奴をぎゃふんと言わせれるとおもったのに…」
ヴィーネ「アンタ…ホント毎日毎日よく飽きないわね…けど、ほどほどにしてちゃんと勉強もしなさいよサターニャ…それじゃ、わたしこっちだから」
サターニャ「あーはいはい、わかったわよ…」
ヴィーネと別れ、一人下校するサターニャ
サターニャ「うーん、ガヴリールをぎゃふんと言わすもっといい作戦は…」
サターニャ「そうね、例えば…下駄箱の上履きをワラジにすりかえるとか…いや…なんか、我ながら発想に
全然進歩がないような気がするのは気のせいかしら…」ぶつぶつ…
『…が…ほしいか…』
サターニャ「え?」
サターニャ「何よ今の声…誰の声?何かこっちのほうから聞こえたような…」
道沿いにある公園に入るサターニャ
『力が……、ほしいか…』
サターニャ「何よ…もしかして、わたしに話かけてるの…?誰、隠れてないで出てきなさいっ!」
…………
サターニャ「確かこっちの茂みのほうからだわ…一体だれが…」がさがさ
サターニャ「……誰もいないわね……、おかしいわね、たしかにこっちのほうから声がしたと思ったんだけど…
あれ、けど…茂みに何か…光るものが…落ちてるわ?何かしらこれ…?」
光るものを手に取るサターニャ
サターニャ「ん…これは……」
………
………
………
その翌日……
ガヴリールの家
床に寝っ転がってネトゲをするガヴリール
ガヴ「ほんと、昨日もあのアホ悪魔にはまいったよ」
ヴィーネ「いや…、その話、サターニャからも聞いたけど、わたしは、そこで普通にゲタ履いて教室来ようとするアンタにもまいるけど…」
ガヴ「え?いや私は、基本的に履けるものだったらなんでもかまわないから」
ヴィーネ「いやズボラすぎるでしょ、あんた!」
ラフィ「それにしてもガヴちゃんは、ほんとサターニャさんと仲がいいですねえ…サターニャさんウォチャーのわたしとしてはホント、うらやましいです」
ガヴ「はあ?何言ってんだよラフィエル…誰があんなアホ悪魔と…!いつも、つまんないイタズラばっかりしてきやがって…」
ラフィ「ふふ…そこがサターニャさんの可愛いところじゃないですかガヴちゃん」
ガヴ「いやいやいや…どこが可愛いんだよ…ほんと迷惑してんだからなっ!」
ガヴ「しかも最近はさあ、アイツ、そのつまんないイタズラがエスカレートして…ところかまわず毎日のようになんか仕掛けてくるし…、
多分、ここ最近の流れだと、休日の今日だってお構いなしに…」
サターニャ「がヴりいいいる!!アンタのライバル、サターニャさまが来てあげたわよ!勝負しなさいっ!」ばん!
ガヴ「ほらな」
ラフィ「ですね」にっこり
ヴィーネ「ええ、まあ…そうね」
サターニャ「いやなんなのよアンタたち、そのあきれたような反応は!!」
サターニャ「ふふ…そんな態度取ってられるのも今日かぎりよガヴリール!今日の私は一味違うわよ!みなさい、これを!」
右手をみせるサターニャ
ラフィ「わあ…きれいな指輪ですね、とってもお似合いですよサターニャさん」
ヴィーネ「ほんとね、すごくきれい…、けどサターニャ…アンタそんな高価そうなアクセサリー、
どこで手に入れたのよ、もしかしてまた、お金もないのに通販で買ったんじゃあ…」
サターニャ「ふっふっふっ!私はこの指輪を身にすることで、とうとう手に入れたのよ!わからないかしら…?
この私からあふれ出る絶大な魔翌力を…くくく…」
ヴィーネ・ラフィ「え?」
サターニャ「ふふ…そう…私はとうとう、手に入れたのよ…この世のすべてを掌握するほどの力を…そう…大悪魔としての力をね!」
ガヴ「はあ…?」
サターニャ「はあーはっは!我がライバル、ガヴリールよ!今日という今日こそ、大悪魔に進化したサターニャさま……、
そう…真★サターニャ様の絶大な魔翌力の餌食にしてあげるから覚悟なさいっ!!!」
……………
ガヴ「あーはいはい、そうなんだすごいねー」
サターニャ「いや何よ!そのつまんなさそうな反応はあ!?食いついて!もっと食いついてきなさいよっ!」
ラフィ「さ、サターニャさんっ!めちゃくちゃ、おもしろ…い、いえ!かっこいいれすぅっ!もっと、もっとその、
真wwwwww、サターニャさんの話、聞かせてくだしゃいっ!!詳しく教えてくりゃしゃいっ!!」だらだら…
サターニャ「汚っ!!何、悦に入った顔してヨダレ垂らしてんのよアンタ!!バカにしてんのねっ!!いつものごとく私のことバカにしてんのねっ!
いやそういう感じの食いつきは要らないんだけどっ!」
ヴィーネ「あ、あの…サターニャ…その……、確かにアンタのこと、前々からちょっぴり頭がアレかなって思ってたけど…
とうとうアレなの?…本格的にアレになったの…?そんな…私…、アンタのおじさんとおばさんになんていえば…」おろおろ…
サターニャ「いや、なによ頭がアレって!?何そのオブラートに包んでるようで包んでない言い回し!?っていうか何気に
付き合い長いはずのアンタの反応が一番傷つくんだけどっ!」
ガヴ「あーもう、うっさいなあ…いつもの中二発言はどーでもいいけど、休日まで私のネトゲの邪魔すんなよな…ったく」
サターニャ「んなっ……!!?」
ガヴ「お!!レアアイテム発見!やった、これめちゃくちゃ出現率低いやつじゃん!他の奴に取られないように早く取り行かないと…!!」ぶつぶつ…
サターニャ「ガヴリール…!どうやら、私の話を…全然信用してないようね…」
サターニャ「いいわ…それじゃあ分からせてあげる…!大悪魔となったこの私の力を…!そう…否が応でもその体に刻み込んでやるわ…!!」
ごごご…
ヴィーネ「……え?何…この空気……??」
ラフィ「な…、と、とてつもないオーラをサターニャさんから感じます…、ま、まさかサターニャさん、ほんとうに…」
ガヴ「…え?」
漆黒の闇のオーラに包まれるサターニャ
サターニャ「くっくっく…、今更謝ったって遅いわよガヴリール…!くらえ!!サタニキアああああ、アタああああっく!!」
ガヴ・ラフィ・ヴィーネ「!!??」
………………
ガヴ・ヴィーネ・ラフィ「………」
サターニャ「………、あ、あれ?」
ヴィーネ「………、何も…起きないわね」
ラフィ「あら?ほんとですねえ…けど…確かに今…すごい力を感じたんですけど…」
サターニャ「え、あ、あれ?ちょ…あ、あれええ?お、おっかしいわねえ…」
ガヴ「は…なんだ…やっぱハッタリかよ…ま、所詮、サターニャだし、わかってたけどね…って、あ、あれ?」
ラフィ「…?どーしたんですか…ガヴちゃん」
ガヴ「な…そ、そんな…ば、ばかな…」ガタガタ…
ヴィーネ「え…が、ガヴ、ど、どうしたの!?もしかしてどこか体の具合が…?」
ガヴ「レア…アイテム…」
ヴィーネ「え?」
ガヴ「馬鹿な…フィールドに落ちていたはずの…レアアイテムが…なくなってる…!」
ヴィーネ「……は?」
ガヴ「そんな…、ま、まさかサターニャ!お、おまえが…!」
ヴィーネ「いや何言ってんだお前!違うでしょ、どー考えても!何今後に及んでネトゲの話リアルに持ち込んでんのよ!」
サターニャ「……え?…あ、ああ……」
サターニャ「ふふ…、どうかしらガヴリール…この真サターニャ様の『悪魔的神隠し(デビルズイレイザー)』のお味は…」
ヴィーネ「え、ええええええええ!?」
ガヴ「お…お前…そんな…まさか…ホントに…大悪魔としての力を手に入れて…」がたがた
ヴィーネ「ええ!ウソでしょ、ガヴリール!?アンタ、この流れで信じるのぉ!?」
サターニャ「ふふ…ガヴリール…ようやく信じる気になったかしら、この大悪魔としての私の力を…」
ガヴ「そ、そんな…お前…なんで…!」
ヴィーネ「いやいやいや…落ち着きなさいよ!ガヴリール!!そんな、ネットのアイテムが消えたのなんて、ただのゲームの不具合でしょ、どー考えても!」
ガヴ「は、た、確かに!あブね、信じるところだった、や、やいアホ悪魔!よくもだまそうとしやがったな、バーカバーカ!」
サターニャ「ふん…疑りぶかいやつねえ…愚かなガヴリールよ…それじゃあ、もう一つお見舞いしてやるわ…
この大悪魔、真サターニャさまの攻撃を!!は、はああああああ!!!」
ガヴ「な、なに!?」
サターニャ「くらいなさい、ガヴリール!!スーパー、デビルズ、アタアアアアーーーーく!!」
ガヴ「!!??」
…………
しーん………
ヴィーネ「……やっぱり何も起きないわね…」
サターニャ「あ、あれええ…へ、変ねえ…」
ガヴ「は、…や、やっぱハッタリじゃん…お、驚かすなよなこのバカ悪魔!バーカバーカ!」
ラフィ「いえガヴちゃん…今度ははっきりと感じました…サターニャさんの手からガヴちゃんに向かって絶大な魔翌力が放出されたのが…」わなわな…
ガヴ「え!?…な、何言ってんだよ…ラフィエル…!私はピンピンしてるし…サターニャの攻撃なんて全然…、って…あ、あああああ!!」
ヴィーネ「………………………、何よガヴ」
ガヴ「……ば、バカな…ネトゲが…急にメンテナンスを理由に数日間休止に…な、そ、そんな…まさか…サターニャ…お、お、お前が…!」
ヴィーネ「………」
サターニャ「…え、…あ、ああ…そう…」
サターニャ「……、くっくっく…どうだったかしらガヴリール…
わが『悪魔的運営放棄(デビルズネグレクト)』のお味は…、これでようやく大悪魔の力をわかってもらえたかしら」
ヴィーネ「いやくだらんわっ!!」
ヴィーネ「いや何よこの展開!すっごいくだらないんだけどっ!どーなってんのよ!」
ラフィ「い、いえ、ですけどヴィーネさん…確かに今のサターニャさんからは途轍もないオーラを感じます…、
おそらくネトゲに起こった一連の現象もサターニャさんによるものなのは間違いないです」
ヴィーネ「え、ええ、そうなの、間違いないんだ!?え、け、けど…サターニャ…それがほんとなら、どうして急にそんな力を…!?」
ラフィ「そういえばさっき、手にしてる指輪がどうとか…」
ヴィーネ「た、確かにそんなこと言ってたわね…ね、ねえサターニャ、その指輪って…」
ガヴ「ゆ、許さない…!」
ヴィネラフィ「え?」
ガヴ「火曜日でもないのに、ネトゲをメンテ休止にさせるなんてよくもひどいことを…!この休日、私は何をすればいいんだよ!」
ヴィーネ「いや、アンタは他にいろいろすることあるでしょうが!」
ガヴ「サターニャ、今日という今日は絶対に許さないぞ…!ぶちのめしてやる…!」メラメラ
サターニャ「ふふ…面白い…、ようやくやる気になってくれたようねガヴリール、いいわ、かかってきなさい!返り討ちにしてあげるわっ!!」
ラフィ「すごい!ガヴちゃんの体から聖なるオーラがドバドバあふれ出てます…ガヴちゃんも本気です!」
ヴィーネ「いやなんか、ケンカの動機がネトゲだからものすごくくだらなく感じるんですけど!?」
ガヴ「いくぞ…バカ悪魔!!くらえ、ゼルエル姉さん直伝の!天使真拳奥義!!天真七死星点っ!!」
サターニャにとびかかるガヴリール
サターニャ「う、うわっ!ちょ、顔、こ、怖っ!!」
顔を背け、手でガードするサターニャ
ガヴ「うおおおおおおお!!!〇ねゴラあああ!!!」
ぽよーん
ガヴ「え?」
ガヴ「どわああああ!!」がしゃーん
サターニャ「…え?」
ガヴ「あ、イタタタ…」
ヴィーネ「え、なになに、何が起こったの?」
ラフィ「サターニャさんにとびかかったガヴちゃんが逆に吹っ飛ばされたようにみえましたが…、
ってああ!ヴぃ、ヴィーネさんみてください!あ、あれを…!」
サターニャ「え」
ラフィ「み、みてください!サターニャさんを身にまとっていた漆黒のオーラが、
いつの間にかメロンパンのような形になって、サターニャさんを、ガードしています!
ガヴちゃんは、あのぽよぽよのメロンパンオーラに触れて、吹っ飛ばされたみたいですっ!」
サターニャ「あ…ほんとだわ…なんかよくわかんないけど、助かったわ」
サターニャ「ふ、ふふ…みたかしらガヴリール…!わが悪魔的大好物防御(デビルズメロンパン)のお味は…!」
ガヴ「な……!!そ、そんな…わたしの技が…メロンパンに…打ち負けた…だと…」わなわな…
ヴィーネ「いや、なんかやっぱり戦闘シーンもくっだらないわね!?」
ガヴ「ふ、ふっざけんな!そんなお前の脳みそみてーなぽよぽよのメロンパンオーラで私の攻撃を、そう何度も防げると思うなよ!
天使学校の首席なめんなよ!ば、ばーか!あほっ!」
サターニャ「くっくっく…、口だけは達者のようねえガヴリール!いいわ、かかってきなさい!何度でも相手になってやるわ!」
ガヴ「言わなくてもやってやるよ!!う、うおおおお!!どりゃああああ!!」
…………
…………
…30分後
疲労で床に倒れこむガヴリール
ガヴ「ぜえ…ぜえ…」
ヴィーネ「だ、大丈夫ガヴ?」
ラフィ「あらあら~、ガヴちゃん、結局何度挑んでも、サターニャさんのメロンパンオーラを突破できませんでしたねえ」
ガヴ「う、ううううるさい…!ばかラフィエル!!はあ…はあ…」
サターニャ「はあーはっは!!いい気味ねガヴリール!今までこの私に対して行ってきた仕打ちに対する罰があたったと思いなさい!!」
ガヴ「ぜー、ぜー…、う、うっさい…あほ悪魔!!ばーか!バーカ!ぼげ!うんこ!」
サターニャ「ふふ…やったわ!とうとう勝ったわ!あのガヴリールに勝ったんだわ!ふふ…サイッコーの気分だわ」
ヴィネサタ「………」
ヴィーネ「ね、ねえサターニャ…サターニャが急にそんな力を手に入れたのって、ホントにその手に付けてる指輪のおかげなの?
いったいどこで買ったのよ…?魔界通販…じゃないわよね」
サターニャ「ええ?いやこれは、昨日、茂みの中で拾ったのよ。急に呼ばれたような感じがして、その声の方向に行ってみたら…」
ヴィーネ「ひ、拾ったって…そんな…」
ラフィ「…………、ええっとサターニャさん、その指輪、ちょっとみせてもらえませんかね」
サターニャ「え、い、嫌よ!何よアンタ!これは私が拾ったんだから私のものよ!?それに今、これ取って力を失ったら、
絶対ガヴリールのやつに仕返しされるじゃない!」
ラフィ「いえ、ですが…」
ヴィーネ「サターニャ、その指輪、やっぱり何か変よ!そんな急にすごい力が身につくだなんて、
何かおかしなアイテムかもしれないし、いったんちょっとラフィにみてもらって…」
サターニャ「いやだっていってんでしょ!もう、わたしもう帰るからっ!!」
ヴィーネ「あ、ちょ、さ、サターニャ!?」
ヴィーネ「どうしよう、行っちゃった…どうおもうラフィ…?」
ラフィ「う~ん、駄天したとはいえ、天使学校主席のガヴちゃんが手も足も出ないだなんて…
何かとてつもない力を秘めた指輪なのは間違いないですが…変な副作用があったりするかもですし…やっぱり調べたほうがいいと思うんですけど」
ヴィーネ「ああ、サターニャったら…昔っから落ちてるものとか平気で拾い食いするような子だったけど…
あんなヘンテコな力をもつ指輪を拾うだなんて…」
ヴィーネ「ん?指輪…??」
ラフィ「……?どうしたんですか、ヴィーネさん」
ヴィーネ「いえ…力をもつ指輪って…なんかどこかでそんな話を聞いたことがあるような…ごめんちょっと、思い出すわ…
ええと確か…小さいころ聞いた魔界のおとぎ話で…」
ラフィ「…私のほうでも、指輪のことちょっちググって調べてみましょうかね。うーん、
それにしても、なんだかちょっぴり嫌な予感がしますねえ…」
ラフィ「大丈夫でしょうかサターニャさん…、どーしましょうか、ね、ガヴちゃん?」
床に倒れこんだままのガヴ
ガヴ「……はっ、知らねーよ、あんなアホ悪魔のことなんて……」
…………
…その後
その日の夜 サターニャの家
サターニャ「あー、今日はほんとに楽しかったわ!まさかあのガヴリールに完勝する日が来るだなんて!
このままホントに大悪魔として名を馳せる日も近いかしらねっ」
「ふふ…指輪の力、気に入ってもらってなによりだよ、サターニャ」
サターニャ「ええ、ホント、この指輪さまさまだわ……、ってえええ!?だ、誰よアンタ、い、いつのまに私の部屋に!?」
男の子「ふふ…そんなに驚かないで…サターニャ」
サターニャ「いやいや…驚くに決まってるじゃないの!なんなの!一体誰なのよアンタ!」
男の子「僕はまあ…その指輪の持ち主、っていったところかな」
サターニャ「……っえ?」
(後半に続く)
今日はここまでで。後編は余裕があったら明日投下します
後半
サターニャ「その頭の角…アンタも悪魔ね…あ、もしかして…昨日指輪を拾った時に私をよんだのって…」
男の子「そう…サターニャを指輪がある所まで導いたのは僕さ…だってサターニャは見事、当選したんだから!
その指輪に適合する100000000000分の1の悪魔に、ね!」
サターニャ「えーー!!なにそれすごい!!それってなんかよくわかんないけど、商店街のガラガラでティッシュ以外の何かが
当たるくらいの確率なんじゃないの!?」
男の子「いやいや、もっとだよもっと。なんかもう、ハルマゲドンとかが偶然、3夜連続で起きちゃうくらいの確率さ」
サターニャ「なにそれよくわかんないけど、マジすごいじゃない!!やっぱ私、偉大なる大悪魔になる器だったのねっ!!!いやまあ、わかってたけどっ!!」
サターニャ「ん…、あれ…けど、さっきの話だとこの指輪の持ち主ってアンタなのよね。ってことは、この指輪、アンタに返さなきゃいけないんじゃあ…」
男の子「いやいや、違うんだサターニャ…その指輪はもう君のものだ…今や、その指輪を使いこなせる悪魔は君しかいない」
サターニャ「あ、そーなの!よかったわ!!」
男の子「けど、その代わりにお願いがあるんだけど」
サターニャ「お願い?何よ一体…?」
男の子「僕を君のそばにおいてほしいんだ…」
サターニャ「はあ?そばに置いてほしいって…何よそれ?」
男の子「サターニャほどの実力と才覚、知力をもったグレートな悪魔は他にいない…そう、その指輪を使ってサターニャが、
この世界すべてを総べる大悪魔になるための手助けを僕にさせてほしいんだ」
サターニャ「へえ…なによアンタ…結構話がわかるじゃない。いいわ、それじゃアンタを私のそばにいることを許してあげる」
男の子「ふふふ…ありがとうサターニャ?それでさっそくなんだけどサターニャ。君はまだまだ、その指輪の使い方がわかっちゃあいない」
サターニャ「え?」
男の子「実は今日もこっそり見ていたけど、指輪の力は、ネトゲのメンテとかレアアイテム消したりとか、あんなしょぼいレベルじゃないんだ…
まずは力の使い方を僕が、しっかり教えてあげるよ。
それさえ学べば、全世界を総べることだって、天界の連中を消滅されることだって簡単なんだから」
サターニャ「え、え!なにそれ!すごいじゃない!それじゃ、さっそく教えてちょうだいよ!?」
男の子「ふふ、流石は指輪の適合者。すごい意欲だ…、まずはそうだね…
そう…さっきサターニャと一緒にいたあの3人がすごく気がかりだったんだ…
あの相当強力そうなにっくきクソ天使2匹に、あの天使臭い下級悪魔が1匹…」
男の子「アイツら、サターニャが大悪魔として大成するためには、かなり邪魔になりそうだから、消しちゃおっか、指輪の力で」
サターニャ「は?」
ばん!
ガヴ「サターニャ!!」
サターニャ「が、ガヴリール!?それにラフィエルにヴィネットまで!な、何よアンタら急に人んちに!不法侵入!!」
ガヴ「あっほか!言ってる場合か!いいから、とっととその指輪はずせバカ悪魔!!」
サターニャ「え?」
ラフィ「サターニャさん!私達さっき、指輪の話をヴィーネさんから聞いてきたんですっ!」
ヴィーネ「細かい話はあとでするから、はやく!お願いサターニャ!!」
サターニャ「え、え??」
男の子「はは、いいタイミングだね、じゃあさっそくサターニャ教えてあげる」
サターニャ「え、あ、あれ…?体が勝手に…」
入ってきた3人に右手をむけるサターニャ
ガヴ「お、おい、サターニャ!!」
男の子「指輪の力はこうやって使うんだ」
突然、黒い霧に包まれる3人
ヴィーネ「あ、な、何よこの霧…!か、体が薄くなってきて…」
ラフィ「な、なんですか…この霧…あ、あらがえません…さ、さたー…にゃ…さ」
ガヴ「ちょ…な、になってんだ…ば、バカ…あ…く……」
ガヴ「……ま」
……………
サターニャ「え、あ、あれ、ちょ、ちょっと3人とも!?」
…………
サターニャ「…ねえ、3人とも消えちゃったわよ?」
男の子「ふふ…これがホントの指輪の使い方さサターニャ…3人を、時空のはざまにとばしたのさ。もう、ここにはいない」
サターニャ「はえー、何よそれ!??なんだかよくわかんないけど、すごいのねえ…!な、なんか今の、超、大悪魔ぽかったわ!!」
男の子「ふふふ…、まあ、こんな感じで、指輪の使い方はまだまだ僕の方が知ってるから、これからいろいろとエグイやつ、教えてあげるよ、サターニャ」
サターニャ「ふーん、まあ、いろいろ使い方が難しいのねーこの指輪!!ま、このサターニャさまの手にかかればマスターする日も近いとは思うけどね!!」
男の子「ふふ…その意気だよサターニャ」
サターニャ「ふっふーん!!……それで?」
男の子「え?…なんだい、サターニャ」
サターニャ「え?いやだから、あの3人をココに戻すのはどーしたらいいのよ」
男の子「は?」
サターニャ「え?」
男の子「サターニャ…いま…なんて…」
サターニャ「いや…3人を一瞬で、ジゲンのナントカとかいう、よくわかんない異国の地にとばせるなんて、この指輪の力がなんかすごいのはわかったわよ。
元に戻す方法を聞いてんの、どーすりゃいーのよ」
男の子「いやいや…」
サターニャ「ぷぷぷ…ガヴリール達、一瞬で外国に瞬間移動してきっと今頃、腰抜かしてるわよ」
男の子「いやいやいや…」
サターニャ「ほら早く…はやくもとに戻してその様子がみたいんだから、はやく教えてったら!!」
男の子「何言ってんだよっ!」
サターニャ「はあ?何よアンタ…急に大声あげて…私何か変なこと言った?」
男の子「どうもこうもないよ!せっかく僕が、君が大悪魔になるために一番、障害になりそうな連中を消してあげたのにっ!
3人はもうこっちには戻せない!決まってるだろっ!」
サターニャ「はあ?何言ってんのよアンタは、そんなことできるわけないでしょうが…いいからほら…ああもう…早くしなさいよほら」
男の子「はああ!?ば、ばっかじゃないのっ!!サターニャ、君は…僕の…、指輪の力に適合した悪魔だってのに…、
あんなカスみたいな連中に何こだわってんだよ!」
サターニャ「…はあ?カスって…、何言ってんのよアンタ…」
男の子「いやいや、だってそうじゃないかっ!悪魔のくせに天使となれ合ってる悪魔失格みたいなしょうもない雑魚悪魔に、宿敵たるにっくき2匹の天使!
大悪魔になるっていってる悪魔のそばにいるには、とるにたらない連中じゃないかっ、とっとと消しておいたほうが…!」
サターニャ「はあ…」
男の子「…えっ」
サターニャ「あのねえアンタ、ちょっと加減にしときなさいよ…」
男の子「い、いやいや…、なんだよそれ…はは…ま、まさかあんな3人をバカにされたから怒ったわけ!?悪魔が…!?それも大悪魔になろうってやつが!?」
サターニャ「はあ?何言ってんのよ。いや、別に怒ってはないけど…?」
男の子「い、いや怒ってるよ、うそ、そ、その目…サターニャ、君……そんな顔もできたんだ……」
男の子「…今まで君をみてきて、一回もみたことない顔…!じ、自分じゃ気づいてないの?、
す、すごいな…ホントはただのバカかと思って不安におもってたけど…
や、やっぱり…僕の……、指輪の適合者だけのことはあるね…は、はは…!」
サターニャ「なにわけわかんないこと言ってんのよ、ほら、アンタ………、ちょっとこっちいらっしゃい」
男の子「は!ぼ、僕に攻撃する気!?い、いやいや…けど、そ、その指輪の力を使って僕を攻撃しようってんなら無駄だよ、僕には通用しないんだっ!
だって、その指輪に込められた力の源は元々は…あいたぁっ!」
男の子のおでこにデコピンするサターニャ
男の子「な、何すんだよっ!」
サターニャ「は、なーんかアンタ、最初に見た時からどっかで見た顔だと思ったら、その口癖といい…ガキのくせに利口ぶった態度といい…
アイツそっくりだわ…
サターニャ「あーなんか、あれだわ。アンタみてると、アイツを相手してるみたいで、頭ワシャワシャしたくなってきたわ」
男の子「は、はあ!?急に何言って…、って、てか、あ、アイツって一体誰のこと…」
サターニャ「わたしの弟よっ!!」
男の子「あ、ちょ、う、うわ…な、なにすんだよ、こ、こら、や、やめろ…!!」わしゃわしゃわしゃ…!!
男の子「ちょ、や、やめ…頭をくしゃくしゃにすんな…って、ていうか、力強っ、痛い、痛いってば!」
サターニャ「いーい?まず一つ教えておいてあげるけど、ガキのくせにそんなS級悪魔でも言わないような口ばっかり聞いてたら、
今時は、魔界でだって、追放レベルなんだから気をつけなさいよね」
男の子「は、はあ!あ、悪魔のくせに何言ってんだ!!っていうか、ガキって誰に言ってんだ!
まったくこれだから今時の軟弱な悪魔は…!僕らのときはもっと…いたいたいたい…!!」わしゃわしゃわしゃ…!!
サターニャ「口答えすんじゃないわよ!!」
男の子「あ、いたたた…!」わしゃわしゃ…
サターニャ「それとまあ、ま、だれもいないし、別にいいかしらねー、一応、これも言っておくけど」
男の子「は、はあ!?な、なんだよ、いた、いたいって!」わしゃわしゃ…
サターニャ「あのねえ…まず、ヴィネットは、確かに悪魔の風上にもおけないお人よしな駄目悪魔だけど、そこがなんだかんだ
ヴィネットの一番いいところで…、私が人生で一番信頼してる古くからの親友なのよね。
…そんで、ラフィエルは天使のくせに腹黒いとんでもないやつだけど、一緒にいて悪くないし、むしろ最近は結構…
まあ、あれだし…アイツと一緒にいて楽しかったりもするしさあ…」
サターニャ「そんでもってさ、……ガヴリールのドアホにいたっては
この大悪魔、胡桃沢=サタニキア=マクドウェルの生涯のライバルなんだからさあ…!
大悪魔として、一生の付き合いになる相手なんだから…あのアホがここでいなくなったら、わたしは誰と勝負すりゃいいのよ…!
サターニャ「要するに、アイツらがいなくなったら、大悪魔たる私が、つまんないっていってんの。
おーい、わかってんの?、お姉ちゃんの言ってることー?」
男の子「だれがお姉ちゃんだ誰がっ!!ってか、いたいいたい、わしゃわしゃしすぎだからっ!!いだだだだだ…!!!
お、怒ってるじゃん!やっぱ怒ってるじゃんか!お、怒ってんのはわかったから、ちょ、やめろってば!!!」
サターニャ「ああはいはい、お仕置きもここまでにしといてあげるわ」
男の子「はあ…はあ…こ、このクソガキ悪魔…だれにむかってこんな…!」
サターニャ「はん、ガキって…どうみたってアンタのほうがガキじゃないのよ…
てか、このサタニキア様を差し置いて、ガキのくせにいっちょ前に悪魔ぶった口聞くからよ!ほら、わかったらとっとと3人をもとに戻しなさいよ」
男の子「……ふん、3人を戻す方法は簡単だよ。その指輪をはずせばいい」
サターニャ「え?」
男の子「指輪の適合者は、指輪を体から離すと力を失う…、3人を次元のはざまに閉じ込めている力は、もともとは指輪に込められた力だから…
指輪をはずせば、おのずと3人も元の世界に戻るよ」
サターニャ「ふーん、何よ簡単じゃない、指輪を外せばいいのね」
男の子「簡単…か、…、ふふ…あはははははは!!」
男の子「確かに指輪を外すことは簡単だ…けど!!」
男の子「これだけは言っておく!指輪は一度外すともう同じ悪魔は、二度と身につけることができない!できないんだ!!
ふふ…つまり、君はあのちっぽけな3人を助けるために指輪をはずせば、もう二度と指輪の力を得ることはできな…
サターニャ「あっそ、はい、じゃあこれ、もうアンタに返すわね」ぽいっ
男の子「って、ええええええーーーーーー!!!」
とっとと右手から指輪を外して男の子に返すサターニャ
ずずず…
すると、部屋に漆黒の闇の渦があらわれ、中から、ガヴ、ヴィーネ、ラフィが姿を現す。
サターニャ「あ、ほんとね戻ってきたわ…、ってあれ、なんなのこいつ等、意識失って眠ってんじゃない…つまんないわね……」
サターニャ「まあ無事そうだから別にいーけど、ん?どーしたのよアンタ」
男の子「……うそだろ、し、信じられない…指輪の力を天秤にかけても、迷わずその3人を助けることを選択するだなんて…、
何考えてんだ!ば、ばっかじゃないの!」
サターニャ「何よ、バカとかいわないでよ!」
男の子「いやバカだろ!サターニャ、これでもう君は指輪の適合者じゃなくなった!
指輪に適合する100000000000分の1の悪魔ってのは、冗談じゃなくてマジの話だったのに!!
大悪魔になるっていう君の夢も閉ざされたも同然なんだぞっ!」
サターニャ「え、なんでそーなんのよ?はんっ、そんな指輪の力なくたって別に、大悪魔になってやるわよ」
男の子「いやいやいや!素の状態じゃ何の力もない下級悪魔のクソガキがふざけんなよっ!
だいたい、こんなちっぽけな3人の命を優先するようなバカ悪魔が、大悪魔になってこの世界をどう総べるっていうんだよっ!」
サターニャ「へえ…聞きたい…?将来、大悪魔になる私の崇高なる統治プランを…ふふ」
男の子「なんだって…?」
サターニャ「聞きたいのね…いいわ、聞かせてあげる。わがサタニキアの偉大なる計画を!」
サターニャ「まず…もちろん最初に目指すはこの人間界での世界征服だわ…そう、この人間界を完全に我がものとし、
その後、天界への征服へとコマを進める計画よ」
男の子「はん、口先だけならなんとでもいえるからね!?けど、君の力なんかじゃあ人間相手にだって支配するなんてことは…」
サターニャ「人間界を征服した暁には、そう、まずは魔界での我が拠点…『胡桃沢洋菓子店』の店舗を世界各国に展開するわ!」
男の子「いやだから、まず征服するなんてことが……、って…え」
男の子「あ…、よ、洋菓子…?お、おまえ…な、なにいって」
サターニャ「もちろん人間どもはその各店舗での労働を強いることになるわ…そう、徹底的に叩き込むことになる…
わが胡桃沢家に伝わる地獄の洋菓子のレシピを、ね!!」
男の子「え…いや…あの…」
サターニャ「もちろん計画はこれにとどまらないわ…、各店舗で働く人間どもは、そのお給料の一部をこの私に献上するためのメロンパンにあててもらう…
そう、メロンパン税の導入を行うことになるわ!…ふふ…」
男の子「ちょっと…」
サターニャ「そして…そうねえ…あーあとは、人間界での凶悪な猛獣、イヌを徹底的な監視に勤めるわ。飼い主のいないノライヌは、
このサタニキア様に歯向かう存在とならないように徹底保護する政策を進めるし…
それから、偉大なる香辛料、七味唐辛子の大量生産…、それと、グラサンをかける人間は、なんか見た目が怖いからはずすような政策を…」
男の子「いやいや!!お、お前やっぱただのバカだろっ!サターニャ!」
サターニャ「はあ!?いやだから人のことバカとか言ってんじゃないわよ!それに人の話は最後まで聞きなさい!
これから天界制圧編の話をするんだからっ!天界への侵攻はまず下界で貯めた資産をもとに、天界の一等地に胡桃沢洋菓子店を…」
男の子「いや天界編もだいたい同じじゃねーかっ!聞きたくないわ!
し、信じられない!!長年待ち続けた指輪の適合者がお前みたいな大バカだったなんてっ!!最悪だ、バーカバーカ!!」
サターニャ「何よバカバカいわないでよっ!ったく…、このサタニキア様の偉大なる計画が理解できないだなんて、
やっぱアンタはまだまだお勉強が足りないようね」
サターニャ「アンタもういいから、とっとと魔界に帰りなさいよ。
魔界で勉強しなおしてもう少し利口になったら、このサタニキア様の弟子にしてあげてもいーわよ」
男の子「いやいやっ!そんなこと最初から頼んでないしっ!っていうか、誰に向かっていってんだ!
も、もういいっ!お前なんか知らないよ、ば、バーカバーカ!!」
そう言って、部屋の窓から飛び去る男の子の悪魔
サターニャ「ったく…、なんなのよアイツ…、ほんと生意気なやつねえ…」
ガヴ「う、ううん……」
サターニャ「あれ、ガヴリール、気が付いたの」
ガヴ「え、…あれ…ここは…一体何があったんだっけ…」
……………
……………
………
………
下界の夜空を飛行する男の子の悪魔
男の子「…なんだよアイツ…、せっかく長いこと待って指輪の適合者を見つけたというのに…、あのガキを利用して…
これでやっと、天界への昔年の恨みを晴らし…大悪魔として返り咲くことができるとおもったのに…」
男の子「………」
男の子「……けど、あのサターニャとかいうやつ…ほんとバカだな…指輪の力より、あんなちっぽけな天使や悪魔を選ぶだなんて…、
それに大悪魔になった時の計画が洋菓子店だのメロンパンだの…ほんと笑っちゃうよ…」
男の子「今時の悪魔ってみんなああなのかな…、
なんか、アイツを……サターニャをみていると…、天界への仕返しや支配のことばっかり考えて生きながらえてきた僕がバカみたいになってきた…」
男の子「…」
ぽちゃん
近くにあった大きな湖に指輪を投げ捨てる男の子の悪魔
男の子「この指輪はもういらない…」
男の子「この先、また長い年月をかけて新たな指輪の適合者を待つだけの力はもう、僕にはない…僕のほうの計画はおじゃんだよ…サターニャ」
男の子「…目的もなくなっちゃったけど…仕方ない…、アイツの言う通り、一度帰ってみようかな…魔界に…」
男の子「……長く生きてきて、悪魔なりにいろいろなことを学んだり体験してきたけど、流石にお菓子作りは、勉強したことはなかったな」
男の子「………魔界でお菓子作りでも新しく学んでみて…、一流のパティシエにでもなったら……
そうしたら大悪魔になった時、僕を雇ってくれるかな…サターニャ」
…………
…………
………
むかしむかし。そうとうむかし。
魔界のすべてを支配するとある大悪魔がいました。
その大悪魔は、絶大なる魔力と野望を秘めており、天界さえも我がモノにしようと、天界の天使達とケンカをはじめました。
しかし、惜しくも天界に敗れたその大悪魔は、もう二度と、そんな悪魔的行為(デビルズアクション)ができないよう、
にっくき天使たちによって、魔力の大半をとある指輪に封印されてしまったのでした。
力を失い、隠居するはめとなった大悪魔は、自分をこんな目にあわせた天使たちへ仕返しすることに決めました。
彼は自分に残されたなけなしの魔力を、長く生きながらえることだけに使いました。
そうすることで、指輪に封印された魔力に適合する悪魔が…、言ってみれば、自分の絶大な魔力と意志を継ぐ大悪魔が、
魔界に新たに誕生するまで、いつまでも、いつまでも待ち続けることにしたのです。
その大悪魔は、いまでもこの世界のどこかでその後継者の存在を待ち続けている、と噂されています。
自分ではもう使うことができない、自身の魔力が封じられた指輪を手にしながら。
……………
……………
それから翌日の話…
ガヴリールの家
ヴィーネ「昨日、サターニャが身につけてた指輪…。まさか、小さいころ学校で習ったおとぎ話がホントの話だったとはね…」
ガヴ「いやいやいやいや…ヴィーネ…、その話さあ、よくよく考えたら、どー考えても嘘っぱちだよ…」
ヴィーネ「え?」
ガヴ「いやだって…天使と悪魔なんて昔っから、なあなあな関係で争った話とか聞かないし…」
ラフィ「天界サイドの歴史の授業では、そんな話聞いたことないですしね…なにより、そのなんか、あの、世界観が合いませんし…」
ヴィーネ「いやなんだ世界観って!」
ガヴ「そんなネトゲの世界みたいにあるような話がさ、現実にあったわけないじゃんか…冗談はヴァルハラ王国だけにしろって話よ、やれやれ」
ヴィーネ「いや何よガヴリール!だいたいアンタ、昨日は私がこの話思い出して聞かせた瞬間、誰よりも血相変えてサターニャの家に向かってったくせにっ」
ガヴ「別にあんなアホ悪魔のことで血相変えてまーせーんー、いい加減なこといわないでくーだーさーいー」
ヴィーネ「はああ!?何よそれ、すっとぼけてんじゃないわよっ!」
ラフィ「ま、まあまあ…まあ、結局、真相は分からずじまいですが、いずれにせよ絶大な魔力を秘めた
危険そうな指輪だったことはおそらく事実ですし…、サターニャさんが自分から指輪を外してくれたみたいで、話が解決してよかったです」
ヴィーネ「けど、私、実は昨日のこと途中から記憶があいまいなのよね…、確かサターニャの家に3人で向かっていって、
それからの話がよく覚えてないんだけど…」
ラフィ「わたしもです。サターニャさんの家に着いたかと思ったら、気づいたら3人してサターニャさんの部屋で眠っていたんですよね…
一体、なにがあったんでしょう」
ガヴ「馬鹿だなあ二人とも、そんなの決まってんじゃん、昨日の出来事は全部夢だったんだよ…」
ヴィーネ「はあ?何言ってんのよガヴ」
ガヴ「いや、だってさあ」
ばんっ
サターニャ「がヴりーーーるうう!アンタの生涯のライバル、サタニキア様が来てあげたわよー!さっそく勝負をしなさい!」
………
サターニャ「いだだだだ…、ちょ、急に、ほ、ほっぺ…ほっぺをつねるにょは…ひ、ひぎょうよ、がふゅりーる!!」
ガヴ「このわたしがサターニャに負けるわけないじゃん」にっこり
ラフィ「あらあら~現実逃避ですねガヴちゃん、全部なかったことにしたいんですね、サターニャさんに敗北した事実を」にっこり
ガヴ「ううん、負けてない!私負けてないよっ!ほら、今だって!断然私のほうが強いし!」
ぎゅう~
サターニャ「あいだだだだだ…ひゃ、ひゃめてよお!!」
ヴィーネ「まあ…べつに終わったことだし、いまさら、夢でもなんでもいいけどね」
サターニャ「あいたた…なによ…一体なんの話してたよ」
ラフィ「サターニャさんは、いつものサターニャさんが一番素敵です、って話ですよ…うふふ…」
サターニャ「はあ?何よ気持ち悪いわね、そんなことより、ガヴリール!不意打ちとは卑怯じゃない!正々堂々と、さっそく私と勝負を…」
ガヴ「はん…正々堂々とか悪魔が何言ってんだバーカばーか」
サターニャ「いやだから、バカっていうなあ!!」
ガヴ「………、そんなことより、アホ悪魔」
サターニャ「あん?なによガヴリール」
ガヴ「……その、おまえさあ…、なんであの指輪、手放す気になったんだよ?よくわかんないけど、
なんだかんだ、あれのおかげで、めちゃくちゃすげー力手に入れてた感じだったのに…」
サターニャ「はあ?そんなの決まってんじゃない、アンタたち3人が…」
ヴィネラフィガヴ「え?」
サターニャ「あ、いや…、……、」
サターニャ「……、ふふん、私を誰だと思っているのよ?そんなの決まってるじゃない
必要ないからよ」
サターニャ「私は、大悪魔…胡桃沢=サタニキア=マクドウェル!
あんなちっぽけな指輪の力を借りずとも!このサタニキアにはすでに絶大なる力を秘めているわっ!
見てなさいよ3人とも!!
魔界も天界も、そしてこの下界も、すべてこの大悪魔が掌握してやるんだからっ!!覚悟しておくことねっ!!」
ヴィネガヴラフィ「……………」
ヴィーネ「あー、なんだかこれでこそ、サターニャって感じね。はあ…私、なんだか今日も平和な一日の始まりを感じるわ」
サターニャ「はああ!いや、何言ってんのよヴィネット!」
ラフィ「ええ、ええ、これでこそサターニャしゃんです…ほんと、おもしろすぎ…、い、いえ、かっこいいれす!
ほんとサターニャさんだいしゅき!しゅきい…!」だらだら…
サターニャ「汚っ!!いや、だからなんでよだれダラダラ垂らして悦に入ってんのよっ!あんた天使なんだから、
ちょっとはこの大悪魔の存在に危機感を覚えないさいよねっ!」
ガヴ「(…………)」
ガヴ「………、ふふ」
ガヴ「……やっぱお前って、ホントバカだな、サターニャ」
サターニャ「はああ!いやだから、何度も何度もバカって言わないでよ!」
ラフィ「あらあら、どうしたんですか、なんかちょっと楽しそうですねガヴちゃん」
ガヴ「べ、別になんでもないしっ………、さーてと、わたしはいつもみたくネトゲしようかね」
サターニャ「ちょ、が、ガヴリール、無視しないでよ、だからわたしと勝負を…!」
ヴィーネ「それじゃ、わたしはお茶いれるわね、サターニャは紅茶でいいわよね」
サターニャ「いやヴィネット、いやだからアンタは、わたしの話を無視しないで、もっとちゃんと聞いて…」
ラフィ「わたしは無視しませんよサターニャさんっ!わたしはそんなサターニャさんを応援してますからねっ!ドンマイン!グッジョブ!」
サターニャ「………」
………
サターニャ「………こ、この…」ぷるぷる…
サターニャ「ああもう、なんなのよアンタら、なんなのよもおーーーっ!!!」
偉大なる大悪魔のお話
おしまい
サターニャが最近誕生日だったそうなので、サターニャメインの話を書きました
感想お待ちしてます。
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