にこ「真姫の素敵な曲」 (20)
にこまきです
短いです
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放課後の音楽室
ポロロン♪
真姫「ふぅ」
パチパチ
真姫「?」
にこ「真姫ってやっぱりピアノ上手ね! さっきの曲感動しちゃったわ!」
真姫「にこちゃんってあいかわらず言い方がおおげさね、フフ」
にこ「ホントよ? にこ、真姫のピアノ好きだもん!」
真姫「ふーん。じゃあどこが好きなの?」
にこ「真姫ちゃんのピアノはねぇ、ピアノがキラッ! ってなってメロディがブワッってなってにこはドーンってなったの!」
真姫「・・・意味わかんない」
にこ「にこは真姫みたいに説明がうまくないの!」
真姫「なによそれ」クスクス
にこ「真姫の曲もうちょっと聞かせて」
真姫「そうね・・・じゃあ次はこの曲にしようかな」
ポロロン♪
真姫「ふぅ、疲れた・・・にこちゃんったら次々にリクエストしてくるんだもん。もう日が暮れそうじゃない」
にこ「ホント! いつのまにか夕日が出てるじゃない!」
真姫「いったい何曲弾いたのかしら」
にこ「いっぱい聞かせてくれてありがと! 真姫ってたんさん曲が弾けてすごいわね! 弾いてくれた曲全部自分で作曲したんでしょ?」
真姫「そうね」
にこ「こんなにたくさん曲が作れるなんて真姫は天才ね!」
真姫「別になんにもすごくないわ。いつも思い付きでいっぱい曲を作ってるだけだもん」
にこ「思い付きで作ってるんだ。どんな風に作ってるの?」
真姫「まず、メロディーを思い浮かべるでしょ?」
フンフーン♪
真姫「こうでしょ?」
にこ「それならにこだってよくするわ。にこのメロディーもなかなかのものなのよ?」
にこ「それならにこだってよくするわ。にこのメロディーもなかなかのものなのよ?」
真姫「にこちゃんのなんか知らないわ。私はそれからピアノに向かって実際に弾いてみるの」
チャンチャーン♪
真姫「こうでしょ?」
にこ「うん」
真姫「終わりよ」
にこ「あーあ! にこもピアノが弾けたら真姫に負けないくらいいい曲が作れるのに!」
真姫「そんなの知らないわ」
にこ「まだ真姫の曲聞きたいから弾いてほしいな」
真姫「もう全部弾いちゃった」
にこ「なーんだ。残念。もっと聞きたかったのに!」
真姫「もう帰るわよ?」
にこ「わかってるけど」
真姫「あっ・・・」
にこ「?」
真姫「まだ弾いてない曲がひとつ残ってた」
にこ「ほんとっ!? 最後にそれだけ聞かせて!」パアッ
真姫「でも・・・」
にこ「どうしたの?」
真姫「この曲はダメなの・・・」
にこ「ダメ?」
真姫「ボツにした曲だから・・・」
にこ「ボツ?」
真姫「そう。だからこれは失敗作なの・・・」
にこ「ふーん。真姫にもいろいろあるのね」
真姫「うん・・・」
にこ「でも、にこはボツになった曲でもいいから聞かせてほしいな」
真姫「・・・弾きたくない」
にこ「わがままはダメよ」
真姫「にこちゃんのほうがわがままなのに・・・」
にこ「にこは真姫の曲が聞きたいからお願いしてるの」
真姫「・・・そんなに私の曲聞きたい?」
にこ「うん! 真姫の曲大好きだもん!」ニコッ
真姫「・・・///」
にこ「μ`sの曲も好きだけど、さっき弾いてくれた曲たちも大好き! たぶん真姫の曲だったら、ぜーんぶ好きになれるのっ! だからボツでも聞かせてほしいな!」
真姫「・・・しょ、しょうがないわね・・・///。そ、そこまでお願いされちゃったら断れないじゃない・・・///」テレテレ
にこ「弾いてくれるのっ!?」
真姫「うん」
にこ「やった♪」
真姫「・・・でもその前に言い訳だけさせて?」
にこ「言い訳?」
真姫「私、たくさんの曲にチャレンジしたくて、いつもは弾かないような明るくてカワイイ曲を作ってみたの」
にこ「それがボツの曲?」
真姫「うん。でもカワイイ曲なんてこんな私にはやっぱり似合わなかったみたい。うまく作れなかった・・・その曲は思い出すだけでしょんぼりしちゃうの」
にこ「カワイイ曲なんてμ`sでいっぱい作ってるじゃない」
真姫「μ`sは別だわ。私一人じゃなくてみんなで作ってるもの」
にこ「たしかに!」
真姫「私が一人で作ってるピアノの曲のなかで、この曲はうまくできなかった・・・」
にこ「真姫・・・」
真姫「それでもにこちゃんが聞きたいって言うなら弾いてあげる。だからあんまり期待しちゃダメだからね?」
にこ「聞かせて」
真姫「うん・・・」スッ
ポロロン♪
真姫「・・・」スッ
にこ「・・・」
真姫「・・・どう? やっぱりダメダメだったわよね?」
にこ「・・・よかった」
真姫「デショ? ・・・って、えっ?」
にこ「とってもいい曲じゃない! にこ、この曲大好きになっちゃった!」
真姫「に、にこちゃん本気で言ってるの?」
にこ「うん! かわいくて、明るくて、まっすぐさが伝わってくる素敵な曲なの!」
真姫「そ、そうかしら」
にこ「なんでこんなに素敵な曲をボツにしちゃったの?」
真姫「・・・」
真姫「た、たしかに弾いてて楽しかったかも」
にこ「でしょ?」
真姫「本当はね、最初に作ったとき、私この曲が大好きだったの。でも、私には似合わないかなって、勝手にボツにしちゃったの」
にこ「そんなことないわ!」
真姫「ええ! こんな私でもカワイイ曲が弾けるってわかった! なんだかこの曲がもっと好きになってきちゃった!」
にこ「・・・」ジー
真姫「にこちゃん?」
にこ「さっきはボツにしたって言ってたのに今は大好きだって言ってる。変なの~」
真姫「変じゃない」
真姫(だってにこちゃんが好きって言ってくれたから、私も好きになれたんだもん)
真姫「夜になっちゃうからもう帰る」
にこ「そうね・・・真姫?」
真姫「なに?」
にこ「また新しい曲をつくるんでしょ?」
真姫「思い付いたらね」
にこ「そしたらまたにこに聞かせてほしいな」
真姫「そのときは今日みたいに発表会を開いてあげるわ」
にこ「次は真姫のカワイイ曲もいっぱい聞きたい。だから今度はボツにしないでね?」
真姫「次はもっとカワイイ曲をつくって見せるわ!」
おしまい
読んでくれてありがとうございました
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