真姫「眠い……」 (61)

【はじめに】 
このスレに投稿するSSは、作品番号1~9までそれぞれ違う作者さんのSSです。 
一つ一つで完結だと思って読み進めてください。 
それでは↓

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1

——放課後の音楽室——

真姫「うう……昨夜作曲に夢中になりすぎたわね……」

真姫「まあ今日は練習ないし、曲作りもやれるだけやっちゃいましょう」

真姫「………………」ポロロ-ン♪

真姫「………………」カキカキ

真姫「………………」ポロロ-ン♪

真姫「………………」ウトウト

ガラガラッ

凛「真ー姫ちゃーん!」

花陽「お邪魔しま~す……って、あれ?」

真姫「………………」

真姫「スウ……スウ……」

花陽「……寝ちゃってる」

凛「疲れちゃったのかな……」

花陽「そうかも……新曲作りを進めてるって聞いたから」

凛「………………」

凛「……ふふっ♪いいこと思いついちゃった」

花陽「?」

凛「そろ~り、そろ~り……」

(ピアノの低音鍵盤に手を伸ばす凛)

花陽「凛ちゃん……?」

凛「えいっ!」

ジャ----ン!!!!!

真姫「きゃああああああああ!?」ガバッ

凛「真姫ちゃん、おはようございま~す♪」ニヤッ

真姫「なっ、凛……!びっくりさせるんじゃないわよ!!」

花陽「凛ちゃん……」アハハ

凛「というわけで~、見学に来たにゃ!」

花陽「真姫ちゃん大丈夫?お疲れみたいだけど……」

真姫「ええ、ちょっと昨夜遅くまで夢中になっちゃってね……」

真姫「まあ、気にせずゆっくりしててちょうだい」

りんぱな「「はーい♪」」

真姫「………………」ポロロ-ン♪

りんぱな「「………………」」

真姫「………………」ウトウト

りんぱな「「………………」」

真姫「………………」ウト……ウト……

ジャ----ン!!!!!

真姫「きゃああああああああ!?」ガバッ

凛「おはようございま~す、その2っ♪」

真姫「りーんー!起こすなら普通に起こして!!」

花陽「……ふふふっ♪」

真姫「………………」ポロロ-ン♪

りんぱな「「………………」」

真姫「………………」ウトウト

りんぱな「「………………」」

真姫「………………」ウト……ウト……

ジャ----ン!!!!!

真姫「きゃああああああああ!?」ガバッ

真姫「ちょっと凛、あんたいい加減に……」クルッ

花陽「………………♪」ニコッ

真姫「って今度は花陽!?」

花陽「おはようございま~す、花陽ver. でした♪」

凛「かよちんナイスプレーにゃー!」

真姫「もーう!何なのよ2人してー!!」

——今日も平和な、放課後の音楽室——

2

真姫「眠いわね……」

真姫「こんなに眠いこと中々無いわ」カリッ

真姫「眠い」ボリッ

海未「眠いのは分かりましたが……何故きゅうりを?」

真姫「きゅうりがどうしたっていうのよ」

真姫「まさかきゅうりを差別する気じゃないでしょうね?」

真姫「私のきゅうりをよぉ」

海未「いえ、そんなつもりはありませんよ」

海未「私が聞きたいのは、何故今きゅうりをかじったのか、それだけなんです」

真姫「きゅうりをかじるのはいけないことなの?」

真姫「きゅうりがどうしたっていうのよ」

真姫「まさかきゅうりを差別する気じゃないでしょうね?」

真姫「私のきゅうりをよぉ」

海未「いえ、そんなつもりはありませんよ」

海未「私が聞きたいのは、何故今きゅうりをかじったのか、それだけなんです」

真姫「きゅうりをかじるのはいけないことなの?」

海未「そんなことはありません。きゅうりはいつだってかじる為にあるものです」

海未「きゅうりをかじらなければ、私達は何をかじればいいのでしょうか」

真姫「分かってるわね、海未」

海未「私が聞きたいのは、何故眠い時にきゅうりをかじっているのかということです」

海未「真姫はきゅうりをかじると目を覚ますタイプなのですか?」

真姫「そんなことはないわ、きゅうりをかじったからといって目が覚めるわけがない」

真姫「私は今だって眠いんだもの」

海未「気持ちは分かります」

真姫「きゅうりめ」ポイッ

海未「ああ、真姫。何故きゅうりを窓から放り投げたんですか」

海未「見なさい、外を歩いていたおじさんの頭にきゅうりが突き刺さっている」

真姫「きっと春には芽が出るわ」

海未「なるほど、真姫はあのおじさんを苗床にきゅうりを育てるつもりだったのですね」

海未「私の想像を軽く超えていく。流石は真姫です」

真姫「そんなつもりは一切無いのよ」

真姫「私は眠かったから、きゅうりを放り投げただけ」

海未「眠気は収まりましたか?」

真姫「収まるわけないじゃない。眠気ってのは寝ないと消えないのよ」

海未「それなら寝ればいいじゃないですか」

真姫「眠れるなら既に寝ているわ。この愚かラブアロ」

真姫「私はさっき並々ならぬ量のコーヒゅうりを飲んだの」

真姫「目がギンギンに冴えて眠れないわ」

海未「コーヒゅうり」

真姫「コーヒーときゅうりよ」

海未「きゅうりに眠気を覚ます作用があるとは知りませんでした」

海未「いやぁまた一つ勉強になりましたね、流石は真姫です」

海未「そんなわけねぇなぁ……」

真姫「なるほど、海未も成長しているわ」

真姫「世界がこれほどまでに美しいのは、海未が成長しているからと言っても過言ではない」

真姫「そういうことよ」

海未「眠気はどうなりました?」

真姫「眠いままね」

海未「なるほど」

穂乃果「そろそろ練習初めていい?」

真姫「駄目よ、眠いもの」

穂乃果「そっかぁ……」

一方その頃、金比羅山では錫杖――それは良く手に馴染むものでなければならない――を片手に、首に掛けたギャマンの大数珠をカタリカタリと鳴らしつ、紅葉が深まり始めた山道を登るものが一人ある。

 金色の毛髪を額に貼り付け整った顔を歪めながらも進むのは、果たして絵里であった。たらぁりと糸を引くような粘性を持った汗は、もはや彼女の肉体が脱水症状のそれであることをはっきりと表していた。

絵里「もう少しよ……もう少しで……」

 錫杖に体重のほとんどを預けるように、覚束ない足取りで彼女は山を登りつ時折両脇へと目を光らせる。

 茂る藪の中では竹馬の友が、東條希が此方を厭らしい笑みで見詰めていた。

 真姫に過眠の呪いを与えた、妖しき者金比羅山にて姿を顕せり。希はそれだけを言い残し、薄暗いお堂の中で息絶えた。それは絵里とて理解はしている。

 嘲るような声色で名を呼ぶそれは、本物の希ではない。しかし姿を見る度に、絵里は自らの身体に活力が漲ることにも気付いていた。

 ぜひ、と上がり始めていた息を僅かに整え直し絵里はゆっくりと山頂を目指す。茂みの中からは、絶えず囀りと獣の咆哮が聞こえていた。

3

放課後 部室

真姫「誰も来ない」クルクル

真姫「ぽかぽかね...なんだか眠くなってきた」ウトウト

真姫「...ん、ちょっとくらい...なら」スッ

ガララッ

ことり「あっ、真姫ちゃんだぁ~♥」

真姫「げっ」

ことり「げっ、ってなに?げっ、って言った?」テクテク

真姫「言ってない」

ことり「~♪」ガタンッ

真姫「ちょっと」

ことり「?」

真姫「どうしてわざわざ隣の席につくのよ」

ことり「え~?」

真姫「眠たいから一休み入れたいの...座るならそっち行ってくれる?」

ことり「やです♥」

真姫「...」

ことり「ねっねっ」ツンツン

真姫「なによ」

ことり「ことりとお話ししよ?」ニコニコ

真姫「イヤ」

ことり「ことりね~今日海未ちゃんとね~」ペラペラ

真姫「...」プイッ

ことり「聞いて聞いて~」ツンツンツンツン

真姫「あーもぉ鬱陶しい、眠いんだからほっといて」

ことり「...」ツンツンツンツン

真姫「...」

ことり「つんつんつんつん!」ツンツン

真姫「頭!執拗に頭だけ攻撃しないで!」

ことり「ことり先輩はねぇ~、後輩の真姫ちゃんと仲良くなりたくてね~」ツンツンツンツン

真姫「わかったから!!禿げる禿げる!!」

ことり「真姫ちゃんの髪の毛くーるくるだねぇ~♥」クルクル

真姫「...」ジトッ

ことり「くーるくるーくーるくるー...クールだけに?」

真姫「...」

ことり「今のなしで」

真姫「...ぷっ」

ことり「あーっ、笑ったな~!!」ムスッ

真姫「笑ってない」

ことり「笑いましたね?」

真姫「笑ってない...ふふっ」

ことり「笑ったほら!」

真姫「その変顔やめて」

ことり「ふふふ...これでまた仲良しレベルがアップしたのでした...ことりの作戦通りです」

真姫「うざ」

ことり「そゆのよくない、傷つきます、先輩泣いちゃう」

真姫「先輩禁止」

ことり「ねー、ことりとなにかしましょ?」

真姫「お昼寝」

ことり「?」

真姫「お昼寝します、みんなが来るまでお昼寝します...おーけー?」

ことり「おー!」

真姫「おやすみ」ボスンッ

ことり「...」

真姫「...」

ことり「子守唄うたってあげよっか?」

真姫「...」

ことり「可愛いなぁ」ナデナデ

真姫「...」スースー

ことり「...」

ことり「...」

ことり「...ん"ん」

ことり「きーみーがーあーよーおーわー♪」

真姫「うっさい!!!」バンッ

4

真姫「眠い…」

真姫「でもまだ眠るワケにはいかないわ…!」

真姫「だってまだ19時前だもの、寝るにはまだ早いわよ」

真姫「今から寝ちゃったら絶対に変な時間に目が覚めちゃうわ」

真姫「とは言え眠い…ご飯を食べて満腹になったからか余計に眠いわ…」

真姫「今日はいつもよりも早めに寝るのは確定として、それまで我慢して寝ないようにしなくちゃ」フンス

真姫「何か良い方法は…良い方法…方ほぅ……」

カクン

真姫「!」

真姫「危ない危ない、目を閉じながら考えていたら寝ちゃいそうになったわ」

真姫「そうだ、じっとしてると眠くなるんだから逆に体を動かしてみたらどうかしら?」

真姫「我ながらナイスなアイデアね♪」

真姫「かと言って過度な運動は…うん、ここはストレッチをしましょう」

真姫「部活だけじゃなく家でも柔軟をするようにエリーにも言われてるしね、じっくりとやってやるわ!」

\マキチャーン オオゴエダシテドウシタノー?/

真姫「な、なんでもないわよ!///」キコエテタ!

イッチニー イッチニー

真姫「うんうん、いい感じね」

真姫「程よく体を動かしたおかげでいつの間にか眠気が無くなってたわ」

真姫「ちょっと汗もかいちゃったしとりあえずお風呂に入って…就寝時間までは作曲でもしましょう」

真姫「って事でまずはお風呂ね」





真姫「お風呂の描写?当然カットよ」

真姫「…あら、作曲してたらもうこんな時間」

真姫「結局いつもどおりの時間まで起きてたわね」

真姫「明日も朝から練習があるし早く寝ないと」

真姫「目覚ましをセットして…よし、おやすみなさい」ポスン





真姫「…嘘でしょ、眠れないんだけど」

真姫「マジで?やめてよ、ホント眠れない、さっきまであんなに眠かったのにイミワカンナイ!!」

真姫「と、とにかく布団に入っていればいつかは眠れるハズ…!」





(・8・)翌朝チュン

真姫「ね、眠い…」

5

真姫「ん~~…作曲もそれなりに出来てる…音楽室なんて人は来ない…」

真姫「ちょっとくらいうたた寝してもいいわよね…。」

真姫「適当にノートを集めて…と。」

真姫「あ、いい枕…。おやすみなさい…」

希「真姫ちゃーん?ちょっと聞きたいことが…あれ、お休みさん?」

希「作曲ノート抱えて寝てる……余程熱心にやってたんやね♪よしよし……」ナデナデ

希「いつも真姫ちゃんにだけ大変なことさせちゃってごめんね?ウチらに出来ることがあればなんでも言ってほしいな、なんて。」

希「ウチは真姫ちゃんのこと、しっかり見てるから…ね。めんどくさい人仲間?だし。」

希「よし!じゃあまた話は後にね、おやすみ真姫ちゃん!」

にこ「真姫ちゃん、BiBiの衣装なんだけど…って、寝てるの?」

にこ「もう、そんなに気の抜けた寝顔しちゃって…アイドルはいつ写真を撮られるか分からないっていうのにねぇ…」

にこ「…」カシャ

にこ「真姫ちゃんにとってはすごく大変なんだろうな、μ’s。」

にこ「にこは3年生だけど…真姫ちゃんはちょっと前まで中学生で、急にスクールアイドルをやることになって…その上重大な仕事まで…」

にこ「……ありがとね。真姫ちゃん。先輩禁止にはしたけど一応先輩だし…困ったらなんでも言いなさいよ?…また後でね。」

絵里「真姫?少し時間あるかし…あら、寝てる…。」

絵里「ふふ、そういえばあんまり真姫の寝顔って見たことなかったのよね。」

絵里「ずっと寝てたらチュウしちゃうわよ?…なんてね。」

絵里「いつも真姫には苦労かけてるわね、しっかりしてるはずの海未だってたまに暴走?するし、なんだかんだ一番μ’sを冷静に見て、考えてくれてるのは真姫だと思うわ。ありがとう。」

絵里「私達がいなくなっても真姫がいるなら安心出来るわ。…ま、今のうちにたっぷり休みなさいってことね?ふふっ…じゃあまたね。」

真姫「…」

真姫「…全然寝れなかったわ。」

真姫「……。3人には寝てたってことにしておいてあげよ。」

真姫「はぁ……なんかもうひと頑張りしなきゃ気が済まなくなってきたわ。ほんとめんどくさい……」

真姫「ありがと。」

6

真姫「眠いのに……」

絵里「あわあわ」ビクビク

真姫「寝たいのに……!」

絵里「きゃあー!!!」

真姫「ちょっとエリー!?静かにして!」

絵里「あ、ごめんなさい……」チカァ

真姫「だいたい怖いの苦手なのになんで見てるのよ?」

絵里「夏と言えば……みたいな?」

真姫「もういい時間よ?」

絵里「明日休みじゃない♪」

真姫「そうだけど、私は眠いの!」

絵里「寝てもいいのよ?」

真姫「いやいや、エリーがうるさいから眠れないのよ。海未を見習いなさいよ」

海未「来るなら来なさい!私が成敗します!!」zzZ

真姫「」

絵里「この寝言を見習えと……?」

真姫「……」

海未「さがってください、真姫!!」zzZ

真姫「ヴェェ、は、はい」

絵里「……真姫?」ジトー

真姫「なによ」

絵里「寝言よ?」

真姫「わ、わかってるわよ!」

海未「絵里は私と一緒に来てください!」

絵里「何と戦ってるの?」

真姫「さぁ……?」

絵里「……私たちも寝ましょ」

真姫「そうね」

海未「ブツブツ」zzZ

真姫「……」

絵里「……」

海未「ブツブツ」zzZ

絵里「……」

真姫「……」

二人「眠れない!」

真姫「ちょっと待って、海未ってこんなに寝言凄かったの!?」

絵里「私が知りたいわよ」

真姫「どうにかしてよ」

絵里「なんで私が?」

真姫「上級生でしょ?」

絵里「えぇ!理不尽!」

絵里「ありきたりだけどテープで口を塞ぐのはどう?」

真姫「なるほど……」

絵里「よっと」ペタッ

海未「」

真姫「……」

絵里「……」

真姫「うまくいったみたいね」

絵里「えぇ……寝ましょうか」

海未「……」zzZ

真姫「……」

絵里「……」

海未「……」zzZ

真姫「……」

絵里「……」zzZ

真姫「……寝るの早くない?」

ブツブツブツブツ

真姫「え」

ブツブツブツブツ

真姫「まさか」

絵里「ブツブツブツブツ」



真姫「寝 か せ て」

7

真姫「眠いわ」

真姫「意識に霞がかかり、思考が曖昧になっていく」

真姫「ふと気を抜けば、この現から連れ去られてしまうようなこの感覚」

真姫「割りと嫌いでは無いけれど、今味わうべきではないのよ」

真姫「もうすぐここに皆がやってくる」

真姫「クールで冷静沈着な真姫ちゃんは、皆の前で居眠りなんてしてはいけないの」

真姫「むにゃむにゃ」

希(寝ながらなに言ってんねんこいつ)

真姫「対策を講じなくては」

希(……部室に入ったら真姫ちゃんが寝てたわけやけど)

希(起こしちゃ悪いと思ってそっとしておいたら、なかなか面白い寝言が聴けそうやん?)

真姫「やっぱり瞼に目を書くのがセオリーね」

希(それが活きるの寝た後やんけ)

真姫「あ」

真姫「お腹空いた」

真姫「むにゃむにゃ、もう食べたいよお」

希(逆パターン来たな)

真姫「そうよ、今朝収穫した西木野トマトがあったはず」

希(ついに独自品種まで産み出したか)

真姫「美味しい美味しい西木野トマト」

真姫「そこの奥さん、おひとついかが?」

真姫「食卓に彩り、欲しくありませんか?」

希(なんか営業始まった)

真姫「トマトにフェチ、感じませんか?」

希(変態かな)

真姫「私は感じるわ」

希(変態かな)

真姫「うふふ、興味出てきた?」

真姫「西木野トマト、今ならなんと、大特価29,800円」

のぞまき「たっか」

真姫「なによこれ、自分で言ってびっくらこいたわ」

真姫「こんなの相当な物好きしか買わないじゃない」

希(というかただのアホやろ)

真姫「全くもうパパったら……え、買う?」

真姫「うふふ、まさかその物好きさんが目の前にいるとはね」

真姫「毎度あり、希」

希(うちかい!!!!)

希(そんなん買うなやアンポンタン!!!)

真姫「……今夜は、お楽しみかしら?」

真姫「いいわよね、トマト」

真姫「丸みを帯びた美しいフォルム、ツルりとした手触り、そして艶かしく光る朱色」

真姫「これだけでも垂涎物だけれど、トマトの真髄と言えばやっぱり……」

希(……ほお)

真姫「使用した者にしか分からないあの中身の、あの……ふぁ」

希「え」

真姫「ふあぁ……やだ、私寝ちゃってたのかしら」

希「なんでそこで起きるんや!!!!」

真姫「え? え? なに?」

希「くっそお一番気になるとこを……」

真姫「なんか変な夢見ちゃったわ、希がトマトフェチで」

希「それは真姫ちゃんや」

真姫「トマトって発言したら食べたくなってきたわね」ゴソゴソ

希「え、持ち歩いてるん?」

真姫「当然、希も食べる?」

希「……29,800円?」

真姫「は?」

希「い、いやなんでもない、ありがと」

希「……」


真姫『使用した者にしか分からないあの中身の……』


希「……」ゴソゴソ

真姫「え、なんで鞄にしまってるの?」

希「い、いや、家で、な」

真姫「ふぅん、別にいいけど」シャク





その夜

希「トマトおおおおおおおおおお!!!!」

8

真姫「みんな遅いわね…」

真姫「まだみんな来てないことだし、少しの間だけ昼寝しようかしら。」スヤスヤ

凛「今日も練習行っくにゃー!!」ガチャ

花陽「こんにちは…あれ、まだ真姫ちゃんしか来てないね。」

真姫「zzz...」スヤスヤ

花陽(見て、真姫ちゃんがうたた寝してる)ヒソヒソ

凛(ホントだ、珍しいね)ヒソヒソ

凛「そうだ!せっかくだから真姫ちゃんにいたずらしちゃお!」

花陽「だ、ダメだよ!凛ちゃん!真姫ちゃんはきっと曲作りとか勉強とかで疲れていると思うし…」

凛「でも、こうして寝ていると真姫ちゃんって綺麗な顔してるねー」

真姫「何よ、普段の私は綺麗じゃないわけ?」ムクリ

凛「にゃあぁぁぁぁ!!!!!真姫ちゃん起きてたの!?ビックリさせないでよ~!」

真姫「聞こえてないとでも思ったのかしら?凛~?」グリグリ

凛「痛い痛い痛い!真姫ちゃんギブギブギブ!!」バンバン

真姫「全く…昨日遅くまで勉強とかしてたから疲れてるのよ。みんなが来たら起こしてね。」

凛「あ~あ。また真姫ちゃん寝ちゃった。つまんないの~」

花陽「よほど疲れているんだろうなあ…」

凛「さっきぐりぐりされたお返しに今度こそ真姫ちゃんにいたずらしてやる~」

花陽「だ、駄目だって凛ちゃん…」オロオロ

真姫(凛ったら、また私にいたずらしようとしているわね…近づいたら最後、捕まえてまたお仕置きしてやるんだから)

凛「でも確かに、真姫ちゃんは凛とは違って授業中も寝ないでちゃんと授業を受けているし、いっぱい素敵な曲を作ってくれてるし、今日ぐらいは真姫ちゃんを寝かしておいてあげるにゃ。」

真姫(なんで上から目線なのよ!)

花陽「そうだよね、真姫ちゃんって本当にすごいよね。それにしても、こうやって寝ている顔を見るのはなんだか新鮮だなあ。」

真姫(な、何よ…花陽ったら私のことを褒めて…)

凛「かよちんもそう思うよね!寝ているときの隙だらけの真姫ちゃんのこの顔!ついついいたずらしたくなっちゃうような…」

花陽「そういえば、さっきの授業終わったときに眠そうに欠伸してた真姫ちゃんがね、口を閉じるときに舌を噛んで涙目になるところを見ちゃったんだ♪いつものしっかりしたイメージとのギャップが可愛かったなあ…」

真姫(花陽にあれ見られてたの///)

凛「あはは、真姫ちゃんか~わいい」ケラケラ

凛「凛もね、さっき机の下に落ちたシャープペンを拾っていた真姫ちゃんが立ち上がるときに机に頭ぶつけるのを見ちゃったんだ。」

真姫(あぁぁぁぁ!!!恥ずかしい!!凛に見られてたなんて!)

花陽「でも、普段の真姫ちゃんがしっかりしているからちょっとドジな真姫ちゃんを見るとギャップで面白いよね!」クスクス

凛「ギャップ萌え真姫ちゃん可愛くて面白いにゃ。真姫ちゃんもしっかりしているように見えて意外とぬけてるんだね!」ケラケラ

真姫(二人とも好き放題言ってくれちゃって…)ワナワナ

凛「でもそんな真姫ちゃんが凛はだーい好き!」ダキッ

花陽「もう凛ちゃん。真姫ちゃん起きちゃうよ」クスクス

凛「真姫ちゃん日なたで寝てるから暖かい♪良い抱き枕だにゃぁ…」スヤスヤ

花陽「じゃあみんなが来るまで私も寝ようかな」

凛「かよちんもくっついて寝ようよ~」

花陽「じゃあお邪魔します♪」

凛・花陽「zzz...」スヤスヤ

真姫「…」ムクリ

真姫「やれやれ、全く二人がいたら寝るどころじゃないわね…」ハァ

凛「んにゃ…真姫ちゃーん…」ギュッ

花陽「ん…真姫ちゃん…」スヤスヤ

真姫「でも…」

真姫「こういうのも悪くないわね」フフッ

真姫「さて、私もみんなが来るまでもうひと眠りしようかしら。」

真姫「おやすみ。凛、花陽」ダキッ

9

真姫「……どうしよう、このまま寝ようかな」

真姫「……」チラッ

時計「21:00ジャストやで!」

真姫「早いわ……このまま寝ても、きっと途中で起きるわ」

真姫「うーん、どうしよ……」

真姫「……」スッスッス

真姫「……」prrrrrr


真姫「……あ、もしもし?」

にこ『真姫ちゃん? 珍しいわね』

真姫「……なにが?」

にこ『声がなんだか眠そうなんだけど』

真姫「そんなことないわよ?」

にこ『そう?』

真姫「そうそう」

にこ『それで? 何の用なの?』

真姫「…………」スースー

にこ『真姫ちゃん……? おーい!』

真姫「はっ! 寝てないわよ!」

にこ『いやいやいや! 寝てたわ!』

真姫「寝てない!」

にこ『寝息聞こえてた』

真姫「ホントに寝てないって!」

にこ『ホントかな~♪ ムキになるなんてアヤシイにこ~♪』

真姫「イミワカンナイ」

にこ『で? 結局何の用なの?』

真姫「……にこちゃんとお話ししたかったのよ」

にこ『えっ?』

真姫「だ、だから……にこちゃんとお話ししたかったの!」

にこ『やーん♪ 真姫ちゃんったら、甘えん坊にこー』

真姫「ヴェェ! ち、違うわよ!///」

にこ『そんなに照れなくてもいいにこ』

真姫「照れてない!///」

にこ『………………』ザッザザザッヤザワ

真姫「? にこちゃん?」

にこ『ごめん、なんか電波悪いみたい……』

真姫「太陽フレアかしら?」

にこ『あー……』

真姫「……」フフッ

にこ『?』

真姫「ぬぅいっこwwwぬぅいっこwwwぬぅぃ~wwwぬぅいこの笑顔で、太陽フレアぬぅわんてww吹き飛ばしちゃうぬぅいこ~~wwwwww」

にこ『ちょっと!!!』

真姫「ナニヨ、急に大きな声だして」

にこ『真姫ちゃんが変なこと言うからでしょ!?』

真姫「ナニモ言ってないわよw」

にこ『笑ってる、笑ってる! 声が笑ってるわよ!』

真姫「きっと、太陽フレアの……」

にこ『ぬぅわんでよ!』

───
──


真姫「うふっ、うふふふ」

にこ『まったく、真姫ちゃんったら……』

真姫「……」チラッ

時計「22:30」ウス

真姫「私の暇潰しに付き合ってすれて、ありがとう。にこちゃん」

にこ『やっぱり、暇潰しだったんかーい!』

真姫「楽しかったわ、またお話ししましょ?」

にこ『ええ、じゃあまた、お休み真姫ちゃん』

真姫「うん、お休みなさいにこちゃん」ピッ

真姫「……うん、いい夢みれそう♪」

おわりです。 


読んでいただきありがとうございました。

こちら前回のものになります。
海未「なんだかお腹が空いてきました……」
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1497895421

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